【発明の詳細な説明】
抗精神病薬としての4−アリールピペラジン類および4−アリールピペリジン 類のN−酸化物
発明の背景
抗精神病薬は、精神分裂病のような精神病の症状を緩和することで知られてい
る。そのような薬物の例は、プロマジン、クロルプロマジン、フルフェナジン、
チオリダジンおよびプロメタジンのようなフェノチアジン誘導体類、クロルプロ
チキセンのようなチオキサンテン類、ハロペリドールおよびクロザピンのような
ブチロフェノン類を含む。これらの薬剤は、精神分裂病の治療に有効であるかも
しれないが、クロザピンを除く事実上すべての薬剤は、錐体外路の副作用、例え
ば顔面神経痙攣または晩発性運動障害を生じる。抗精神病薬は、患者に対して複
数年または何十年もの間投与されることがあるので、そのような著しい副作用は
、回復を困難にし、さらには社会から個人を遠ざけることにもなる。
本発明の化合物と若干の構造的類似性をもつ化合物は、EPO出願第88,309,5
81.2号、米国特許第4,772,604号;同第4,782,061号;同第4,362,738号;同第3,988,3
71号;同第4,666,924号;同第4,931,443号および同第4,992,441号に記載されてい
る。その他のいくらか類似する化合物は、J.Clin.Chem.Clin.Biochem.1988
,26,105およびJ.med.Chem.1991,34,2133に記述されている。
本発明は、ヒトでの抗精神病活性を示唆する哺乳動物において活性を示す新規
化合物を記述する。レセプター結合の特性は、ドーパミン−2レセプターにのみ
弱い親和力を示し、それは、N−オキシド官能基が、
イン・ビボで代謝的に、対応するピペラジン類およびピペリジン類に還元される
ことを示唆しているかもしれない。そのようなピペラジン類およびピペリジン類
は、1993年3月18日、WO9304682に開示され、特許請求されている。また、1992
年9月11日に受理された特許出願第944,006号、参照。
発明の概要
一般式I:
[式中、Ar,W,A,B、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9
およびnは、これ以降に定義される]の化合物は、動物およびヒトにおける精神
分裂病のような精神病状の治療に有用な、強力な抗精神病薬である。また、本発
明の化合物は、不安や攻撃性のような他の中枢神経系の障害の治療にも有用であ
るかもしれない。
発明の詳細な記述
本発明は、一般式Iによって表される化合物に向けられる。
式中、
Aは、N,CH,もしくはN+−O-であり、
Bは、NもしくはN+−O-であるが但し、Aが、NもしくはCHである場合に
は,Bが、N+−O-でなければならず、そしてAが、N+−O-ある場合には,B
が、Nでなければならず、
Wは、CもしくはSOである。より好ましくは、WはCである。
R1およびR2は、独立して、HもしくはC1−C4アルキルのいずれかから選ば
れる。より好ましくは、R1およびR2は、各々Hである。
nは0〜4であり、そしてより好ましくは、nは0である。
R3およびR4は、両方Hか、またはそれらの1つがHであり、他がC1−C4ア
ルキルもしくはヒドロキシルであるかのいずれかであるか、あるいは、両方が、
一緒になり酸素として、それらが結合する炭素原子とともにカルボニル基を形成
する(n=0の場合は除く)。より好ましくは、R3およびR4は、各々Hである
。
R5およびR6は、独立して、H、C1−C8アルキル、C1−C8アルコキシ、ニ
トロ、ハロゲン、ハロアルキル、C1−C8アルキルチオ、アミノ、C1−C8モノ
−もしくはジアルキルアミノ、またはC1−C8アルキルアミドのいずれか1つか
ら選ばれる。好ましくは、R5およびR6は、独立して、H、C1−C8アルキル、
C1−C8アルコキシ、ニトロ、アミノ、またはC1−C8アルキルアミドのいずれ
か1つから選ばれ、もっとも好ましくは、R5およびR6は、各々Hである。
R7は、WがCである場合にはOもしくはSであり、そしてR7は、WがSOで
ある場合にはOである。より好ましくは、R7はOである。
R8およびR9は、独立して、H、C1−C8アルキル、フェニル、置換
フェニル、アルキル部分がC1−C8であるアラルキル、アルコキシカルボニルア
ミド、アシル、C3〜C10シクロアルキルのいずれか1つから選ばれるか;ある
いは−NR8R9は、一緒になって、4〜10個の環原子、好ましくは4〜8個の
環原子をもつ環を形成してもよく、その環は、飽和または不飽和で、好ましくは
、飽和され、未置換または置換されていなくてもよく、そして環のNに加えてさ
らに1個までのS,OもしくはNのようなヘテロ原子をその環内に含んでもよく
、より好ましくは、付加されるヘテロ原子はNもしくはOであり、さらにより好
ましくは、付加されるヘテロ原子はOであり、そしてもっとも好ましくは、付加
されるヘテロ原子は存在しない;あるいは、場合によっては、−NR8R9環は、
2〜4員の炭素部分と一緒になって、飽和または不飽和で、未置換または置換さ
れた縮合二環式環を形成してもよく;あるいは、場合によっては、NR8R9環は
、少なくとも2個の炭素原子および、2個までのSもしくはOから選ばれるが、
好ましくは、Oから選ばれるヘテロ原子を含む4員部分と一緒になって、飽和ま
たは不飽和で、好ましくは、飽和され、置換されていても置換されていなくても
よいスピロ環系を形成してもよい。より好ましくは、2〜4員の炭素部分は、環
内に唯一のヘテロ原子であるNとともに5〜7個の環原子を含む−NR8R9環と
一緒になり、それによって縮合環系を形成する。もっとも好ましくは、−NR8
R9環は、2〜4員の炭素部分と縮合される前に飽和される。もっとも好ましく
は、R8およびR9は、Nと一緒になって、置換されていても置換されていなくて
もよい6員の完全に飽和された環を形成する。
−NR8R9が、一緒になって、環、縮合環系もしくはスピロ環式環系を形成す
る場合には、そのような環は、独立して、C1−C8アルキル、
C1−C8アルコキシ、フェニル、置換フェニル(この場合、フェニルは、R10も
しくはR11置換フェニルについて以降に挙げられる置換基のいずれによって置換
されてもよい)、ヒドロキシ、ベンジルのようなアラルキル(この場合、アルキ
ル部分はC1−C8である)、オキソもしくはチオキソによって置換されてもよい
。−NR8R9環についての好適な置換基は、C1−C8アルキル、ヒドロキシもし
くはオキソである。縮合環系についての好適な置換基は、C1−C4アルコキシで
ある。スピロ環式環系は、好ましくは、置換されておらず、そして飽和されてい
る。
−NR8R9が、一緒になって、4〜10個の環原子をもつ環を形成する場合の
好適な環系の例は、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサヒドロアゼピン、オクタヒ
ドロアゾシン、オキサジンおよび2,6−ジメチルピペリジンを含む。
−NR8R9についての好適な縮合環系の例は、式IIIおよびIVによって表
される。
−NR8R9の定義についてここで使用されるように、スピロ環系は、2環系で
あり、その結合は、2個の環の唯一の共通員である単一原子に
よって形成される。特に好適なスピロ環式環は、式Vによって表される。
Arは、フェニルもしくはナフチルのようなアリール、ヘテロアリールまたは
置換アリールであり、この場合、アリールは、独立して、1個以上のC1−C8ア
ルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、C1−C8アルコキシ、アリール
オキシ、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、
C1−C8アルキルチオ、ハロゲン、ニトロ、C1−C8ハロアルキル、アミノ、ま
たはC1−C8モノ−もしくはジ−アルキルアミノにより置換されてもよい。i−
プロポキシもしくはメトキシのようなアルコキシが、ここでは、好適な置換基で
ある。ハロゲンのような置換基は、好ましくは、フッ素、塩素、もしくは臭素で
ある。場合によっては、該ヒドロキシルもしくはヒドロキシアルキル基は、エス
テル化されても、エーテル化されてもよい。適切なヘテロアリール環の例は、ピ
リミジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、イミダジル、ピロール、
フラン、チオフェン、トリアゾリル、およびチアゾリルである。好適なヘテロア
リール環は、ピリミジニルおよびピリジニルである。より好ましくは、Arは、
置換されたフェニルである。
また、Arは、式IIの縮合環系であってもよい。
式中、Bは、フェニル基の2個の炭素原子と一緒になって、5〜7個の環原子
をもつ全部または部分的に不飽和の環式基を形成し、そして環内に、基O,Sお
よびNからの0〜3個のヘテロ原子が、酸素原子と硫黄原子の数の合計が、多く
ても2個であり、そして環内の窒素原子が、H、C1−C8アルキル、ヒドロキシ
アルキルもしくはC1−C8アシルのいずれか1つから選ばれるR12により置換さ
れてもよいことを前提に存在してもよく;
R10およびR11は、独立して、アルキル、シクロアルキル、フェニル、置換フ
ェニルもしくはヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ア
ルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、モノ−またはジアル
キルアミノ、モノ−またはジアリールアミノ、ヒドロキシル、アミノ、アルキル
−、アルコキシ−、アミノ−、またはモノ−またはジアルキルアミノ−カルボニ
ル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、
アミノまたはモノ−またはジアルキルアミノスルホニルのいずれか1つから選ば
れてもよい。また、R10は、オキソもしくはチオキソ基であってもよい。変数m
は、値0〜3をもち、pは、値0〜2をもつ。より好ましくは、R10およびR11
は、アルコキシ、ハロゲンもしくはシアノのいずれかから選ばれる。
式IIの部分についてのより好適な値は、次のとおりである:Bは、
フェニル基の2個の炭素原子と一緒になって、環が少なくとも1個の酸素原子を
含む5個の原子からなる完全なまたは部分的に不飽和の環を形成する。R10およ
びR11は、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ハロゲンも
しくはトリフルオロメチルのいずれかから選ばれる。R10およびR11は、より好
ましくは、アルコキシ、ハロゲンもしくはシアノのいずれかから選ばれる。R10
は、好ましくは、ピペラジン/ピペリジン基に関してメタもしくはオルトの位置
に存在する。変数mおよびpは、値0〜2をもつ。そのような化合物の特に好適
な下位化合物は、mおよびpの各々が、値0をもつものである。
R10またはR11が、アルキル基を含む場合には、それは、好ましくは、炭素原
子1〜5個をもつ直鎖または分枝アルキル基である。シクロアルキル基としては
、基R10およびR11は、3〜7個の環原子で、そして全体としてすべての置換基
を含めて10個の炭素原子を超えない環系を含む。R10またはR11が、ヒドロキ
シアルキル基である場合には、そのような基は、好ましくは、炭素原子1〜5個
を含む。ハロゲン原子としては、R10またはR11は、好ましくは、フッ素、塩素
もしくは臭素である。場合によっては、本ヒドロキシルもしくはヒドロキシアル
キル基は、エステル化またはエーテル化されてもよい。
R10またはR11が、置換フェニルである場合には、それは、1個以上のC1−
C8アルキル、C1−C8アルコキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、C1−C8
アルキルチオ、ジアルキルアミノ(この場合、各アルキルは、C1−C8である)
、C1−C8アルキルアミノ、ニトロまたはモノ−もしくはジアルキルアミノ ス
ルホニル(この場合、各アルキルは、C1−C8である)により置換されてもよい
。本明細書で使用される場
合、別に指摘しない限り、アルキルおよびアルコキシは、単独で使用されても置
換基の部分として使用されても、直鎖および分枝鎖を含む。例えば、アルキル基
は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、se
c−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−メチル−3−ブチル、1−メチル
ブチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル
、2−メチルペンチルを含む。アルコキシ基は、前記直鎖もしくは分枝鎖アルキ
ル基から形成される酸素エーテルである。もちろん、もし、アルキルもちろんア
ルコキシ置換基が分枝される場合には、少なくとも炭素原子3個が存在しなけれ
ばならない。
用語、「アリール」は、本明細書では単独か、他の用語と組み合わせて使用さ
れる場合に、フェニルもしくはナフチルのような芳香族炭化水素基を示す。用語
、「ヘテロアリール」は、S、OもしくはNのいずれかから選ばれるヘテロ原子
1または2個を含む芳香族炭化水素基を意味する。用語、「アラルキル」は、ア
リール基で置換されたC1−C8アルキル基を意味する。用語、「アシル」は、本
明細書では別に特記しない限り、ベンゾイル、または場合により置換されてもよ
いC1−C8アルカノイル基を意味する。置換基に関して、用語、「独立して」は
、1個を超えるそのような置換基が、可能である場合には、そのような置換基は
、互いに同じでも異なっていてもよいことを意味する。
本発明による化合物は、Wをもつフェニル環において、−C(R3)(R4)−
基とは1,2−、1,3−もしくは1,4−の関係にあるW置換基をもつ。好適
な化合物は、これらの2種の基について1,2−もしくは1,3−の関係をもつ
。R5およびR6置換基は、他の置換されて
いない環の位置のいずれの置かれてもよい。
式Iの化合物の特に好適な下位の化合物は、式(Ia−Ic)のものである:
式中、R8およびR9は、上記定義のとおりであり、そしてR12およびR13は、
式Iに対するArの置換基として定義されたとおりである。好ましくは、R8お
よびR9は、Nと一緒になって、5〜8個の環原子をもつ飽和環を形成し、そし
てR12およびR13の1つは、C1−C8アルコキシであり、他はHである。もっと
も好適なC1−C8アルコキシ基は、i−プロポキシもしくはメトキシである。
特に好適な化合物の例は、次のものを含む:
1−[3−[[4−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]−4−オキシド
−1−ピペラジニル]メチル]ベンゾイル]ピペリジン;
1−[3−[[4−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]−1−ピペラジ
ニル−1−オキシド]メチル]ベンゾイル]ピペリジン;および
1−[3−[[4−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]−1−ピペリジ
ニル−1−オキシド]メチル]ベンゾイル]ピペリジン1塩酸塩。
本発明の式Iの定義は、ラセミ化合物、および例えば、置換基が2−ブチルで
ある場合のように立体異性を生じる炭素の存在によって起きるような個々の異性
体を含む。また、水和物の形態や他の溶媒和物形態の本発明の化合物も、本発明
の範囲内である。
使用されてもよい式Iの化合物の代表的な塩は、塩化水素酸、臭化水素酸、ヨ
ウ化水素酸、過塩素酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール
酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマール
酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデリン酸、メタン
スルホン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸、p−トルエンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、サリチル酸、P
−アミノサリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸のよ
うな酸と形成される塩、またはサッカリンと形成される塩を含む。そのような塩
は、式Iの遊離塩基を酸と反応させ、そしてその塩を回収することによって生成
される。
式Iの化合物は、反応スキム1により調製されてもよい:
上に示されたように、オキシダントは、窒素原子に酸素を移動して、それをN
−オキシド官能基に転化できるすべての試薬または試薬混合物を指す。そのよう
な試薬の例は、m−クロロペルオキシ安息香酸および過酢酸のような過酸である
。適切な溶媒は、塩化メチレンおよびクロロホルムのようなハロゲン化溶媒を含
む。この変換を実施できるその他の試薬は、酢酸ナトリウム、酢酸、および過酢
酸の存在下の炭素担持ルテニウム(5%)である。場合により、生成物は、クロ
マトグラフィーでの精製の必要もなく、反応液から直接得ることができる。しか
しながら、可能な酸化部位が2カ所ある場合(例えば、ピペラジンについて、A
=B=N)には、異なる1カ所が酸化された化合物(A=N+−O-,B=Nおよ
びB=N,A=N+−O-)2種は、シリカゲルのフラッシュ・カ
ラムクロマトグラフィーによるようなクロマトグラフィー法によって互いに分離
できる。
本明細書および実施例1〜3に記載されている式IIの必要なピペラジンおよ
びピペリジンは、WO9304684(18 Mar 1933)のCIPであるWO9304682(18
Mar 1933)に記載されているように調製される。より具体的には、式IIの必要
なピペラジンおよびピペリジンは、反応スキーム2〜8に記載されているように
調製されてもよい。
式IIの化合物は、反応スキーム2にしたがって調製されてもよい。
示されたように、1,2−、1,3−および1,4−二置換ベンズアミドもし
くはスルホンアミドは、適当なハロアルキルベンゾイルハロゲン化物もしくはハ
ロアルキルベンゼンスルホニルハロゲン化物(VI)を用いる連続反応によって
調製されてもよい。必要なアミンとの最初の縮合は、テトラヒドロフラン(TH
F)のような非プロトン性溶媒中で、冷却しながら(例えば、範囲−78℃〜5
℃で)、ハロアルキル官能基の反応を避けるために、溶液を温度範囲外にしない
よう注意して実施される。反応液中に存在する塩基(形成されたHXを除くため
に)は、典型的には、トリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミンの
よ
うな第三級アミンであり、またはそれは、アミン反応物(例えば、R8R9NH)
の1モル過剰(少なくとも)であってもよい。かくして形成された中間体ハロア
ルキルベンズアミドは、次に、アリールピペラジンもしくはアリールピペリジン
(VII)との反応によって、直接、生成物にされても、またはそれが、抽出精
製および/またはクロマトグラフィーの後、単離されてもよい。もし、中間体が
、THF中、イン・サイチューで生成物(VIII)にされる場合には、一般に
、反応の完結のために加熱(30℃〜67℃)を必要とする。もし、中間体が単
離され、次いで、別々に、アリールピペラジンもしくはアリールピペリジンと反
応される場合には、最適な溶媒は、ジメチルホルムアミド(DMF)もしくはN
−メチル−2−ピロリジノンのような双極性非プロトン性溶媒である。この後の
段階で使用される塩基は、第三級アミン、または炭酸カリウムもしくはナトリウ
ムであってもよい。2段階法(すなわち、中間体の単離)を用いると、生成物は
、ある場合にはクロマトグラフィーを頼らずに、塩として再結晶化の後、純粋に
得ることもできる。
反応スキーム2においてm=1の場合に使用される1,2−および1,3−ハ
ロメチルベンゾイルハロゲン化物は、Fluka,CarbolabsまたはPfaltzおよびBauer
から市販のものを得られるし、または文献の方法もしくはその変法によって調製
されてもよい(例えば、Ger.Offen.2,835,440,28 Feb.1980; およびJ.John
son and I.Pattison J.Hetero.Chem.1986,23,249、参照)。また、置換基
をもつハロメチルベンゾイルハロゲン化物は、例えば、R.Quelet et al.Bull .Soc.Chem.,France
1969,1698に引用されたメトキシ置換の場合のように、
文献に記載されている。最終生成物は、典型的には、クロマトグラフィーにかけ
られ
て純粋にし、次いで、許容しうる塩形に転化される。
1,3−もしくは1,4−二置換された同族体は、先に示された誘導体と同じ
方法で調製されてもよい。この種の化合物の調製には別法がある。例えば、それ
らは、1,4−二置換の場合について反応スキーム3に示されたように、一酸化
炭素およびピペリジンと、ブロモアリール誘導体とのパラジウム仲介の結合(J .Org.Chem
.1974,39,3327)によって合成されてもよい。
スルホンアミド同族体(IIにおいてW=SO,R7=O,そしてn=0)の
調製は、過酸化ベンゾイルによって仲介されるN−ブロモスクシンイミドを用い
るベンジルのメチル位における適当なトルエンスルホニルハロゲン化物のハロゲ
ン化による、必要なハロメチルスルホニルハロゲン化物の調製を要する。ハロメ
チルスルホニルハロゲン化物は、一般に、ハロゲン化ベンゾイルの場合と同じ方
法(例えば、反応スキーム3参照)を使用された。
多くのアリールピペラジンは、Aldrich Chemical Company から市販のものを
入手するか、または技術上既知の標準的方法(例えば、G.E.Martin et al.,J .Med.Chem
.1989,32,1052)によって調製されてもよい。これらのピペラジ
ン(VII,A=N)は、次の反応スキーム4
(式中、Arは、式IIとの関連で記載されたとおりであり、Zは、ハロ(例え
ば、クロロ)のような脱離基である)にしたがって得ることもできる。
反応スキム4の実施において、化合物XIIは、ピペラジンVII(A=N)
を回収しながら、アニリンまたは芳香族複素環式第1級アミンXIとともに、n
−ブタノールのような溶媒中約50〜120℃で加熱される。
Arが式II部分である式VII(A=N)のピペラジンは、それぞれ1986年
6月15日付および1986年8月13日付で、EPO185,429およびEPO190,472として
先に公開された米国特許第4,782,061号において式(2)として記載されており
、その文献は、引用によって本明細書に組み入れられる。Arが式II部分であ
る式VII(A=N)の他のピペラジンは、引用によって組み入れられる1985年
4月24日に公開されたEPO138,280において式29として記載されている。さら
に、式VIIのピペラジンのあるものは、ピペラジンもしくはピペラジン誘導体
によるメトキシ芳香族の置換を伴うten Hoeveら(J.Org.Chem.1993,58,510
1)の方法によって調製されてもよい。
その他のピペラジンは、I.Van Wijngaardenら(J.Med.Chem.1988,31,19
34)の方法によって調製されてもよい。他のピペリジンは、反
応スキーム5に示された方法によって調製されてもよい。
他のピペラジンは、反応スキーム6に示されるように合成されてもよい。
2−フルオロピペラジニル化合物を調製するために必要なピペラジンは、ナト
リウムアミドの存在下、1,2−ジフルオロベンゼンと2,5−ジメチルピペラ
ジンとの反応におけるように、必要なピペラジンによ
る1,2−ジフルオロベンゼンの求核置換によって調製されてもよい。
あるいはまた、本発明の化合物を生成するのに有用なある種の他の化合物が、
反応スキーム7に示された方法によって調製されてもよい。
アリールピペラジンVII(A=N)は、Yが、置換反応に適切な脱離基(例
えば、ハロゲン、p−トルエンスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート
)を表す化合物XXIIと縮合されて、化合物XXIIIを生成することができ
る。この置換反応は、典型的には、DMSOもしくはDMFのような双極性非プ
ロトン性溶媒中で、塩基として炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、または第3級ア
ミン[例えば、トリエチルアミンもしくはジ(イソプロピル)エチルアミン]を
用いて、一般に、
加熱(30〜80℃、2時間〜4日間)しながら実施される。得られるケトン(
XXIII)は、反応スキーム3に記載のアミノカルボニル化反応によって、ア
ミドXXIVに転化できる。アルコール性溶媒(EtOH,iPrOH)中、室
温において(2〜30時間)、水素化ホウ素ナトリウムの使用によるXXIVの
カルボニル基の還元は、アルコールXXVを生成することができる。アルコール
性溶媒(例えば、EtOH)中、反応を促進するために添加された鉱酸(例えば
、HCl)の存在下、接触水素化(H2、パラジウム/炭素)の方法によるさら
なるXXVの還元は、化合物XXVIを生成することができる。
また、式IIの化合物は、反応スキーム8に示された化学反応によって調製さ
れてもよい。
カルボニル化合物XXVIIは、還元的アミノ化反応において化合物VIIと
反応されて、化合物XXVIIIを生成する。この反応は、チタニウムイソプロ
ポキシド中で、水素化ホウ素ナトリウムを用いて実施
することもできる。それは、また、VIIとXXVIIからイミンを形成し、次
いで、それを、貴金属触媒(例えば、パラジウムもしくは白金)の存在下、水素
を用いて接触還元することによって行うこともできる。XXVIIIのニトリル
官能基の加水分解は、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムの存在下、通常
は、アルコール性溶媒の還流下で実施される。次いで、化合物XXIXが、R8
R9NHと一緒にされて、ジシクロヘキシルカルボジイミドもしくはカルボニル
ジイミダゾールの使用のように、この変換を達成するための標準的反応の1つを
用いて、アミドXXXを形成させる。
本発明の化合物の抗精神病活性は、条件逃避反応(Conditioned
Avoidance Respoding(CAR))の遮断(ラット)試験に
よって測定されたが、参考文献は、Cook,L.and E.Weidley in Ann.N.Y.Aca d.Sci
.,1957,6,740-752およびDavidson,A.B.and E.Weidley in Life Sci
.,1976,18,1279-1284である。この試験は、本発明において開示される化合物
について行われ、そのデータは、表1に挙げられる。CAR試験における−20
%の読みは、一般に、与えられた用量において活性であると指摘されるべき化合
物に関する最小値を表すと解釈される。さらに、中枢神経系に見られる数種のレ
セプターへの化合物の親和力が評価され;また、D−2(ドーパミン−2)レセ
プターへの親和力が、表1に列挙される。このレセプターの調節(modula
tion)は、一般に、精神分裂病の治療に効果があると認識されているので(
G.P.Reynolds Trends Pharmacol.Sci.1992,13,116)、このレセプターに対
する親和力が、化合物の利用の可能性を示す。D−2親和力1000nM未満は
、抗精神病活性の予兆と考
えられている。
条件逃避反応の遮断(ラット)
装置:防音ブース内に格納されたラット・オペラント(operant)チェ
ンバー(ともに、Capden Instruments Ltd.製)が、この試験に使用された。試
験チェンバー(8”Hx90−3/8”Wx9”D)は、9/16”間隔で置か
れたステンレス鋼(1/8”O.D.)の棒の床格子を備えたアルミニウムと樹
脂ガラスから作製される。ステンレス鋼の操作板(オペレーションレベル)1−
1/2”巾は、チェンバー内に3/4”突き出し、格子床の上2−2/8”に設
置される。電撃刺激は、Coulbourn Instruments 固体モジュールによって、格子
床をとおして伝えられる。試験のパラメーターおよびデータの収集は、自動的に
制御される。
訓練:Charles River(Kingston,NY)から得られた体重200g以上のオスの
Fischer344ラットが、自由に摂取される飼料および水とともに、個々
に収容される。ラットは、逃避試験において基準レベル(90%逃避率)に近づ
くまで2週間訓練される。1時間の訓練期間が、1週間に4または5日間、毎日
大体同一時間に行われる。訓練期間は、30秒毎に与えられる条件刺激による1
20試行からなる。1試行は、条件刺激(光および音)の提示で開始する。もし
、ラットが、条件刺激の15秒提示の間に操作板(オペラントレベル)を押し下
げることによって反応するならば、その試行は終了され、そして動物は、CAR
において信用されることになる。条件刺激の間の反応に失敗すると、無条件刺激
(UCS)、5秒間の光と音を伴う0.7mAの電撃の提示を引き起こす。もし
、ラットが、10秒間内にレベルを押さえたならば、
電撃と試行は終了され、そして逃避反応が記録される。もし、ラットが、UCS
(電撃)の間にレベルを押し下げられなかったならば、10秒の電撃の後、試行
は終了され、そして反応の欠如が、逃避失敗として記録される。中間のレベル圧
迫は、効果なしである。もし、ラットが、2週間の間90%CARレベルで行動
するならば、次に、基準の行動が安定化するまで、試験スケジュール(下記参照
)において1週間2回実施される。どの薬物も、投与される前に、90%または
より良好な率での2週間のCARが要求される。
賦形薬による前治療日に比較して薬物による治療日におけるCAR変化の百分
率が、測定のキーである。CARにおける百分率の変化(%変化)次の式を用い
て決定する:
CAR%変化=((日にち2の%CAR/日にち1の%CAR)x100)−
100
負数は、CARの遮断を示し、一方、正数は、CARの増加を示すであろう。
試験結果は、ラットの群毎の平均%変化として報告される。逃避失敗、化合物の
一般的鎮静力は、次のように、各動物について計算される:
%失敗=逃避失敗数/試行数
また、%失敗、すなわち逃避損失が、群平均値として報告される。逃避失敗は
、密着して追跡され、もし10回の失敗が起きたならば、1つの試行期間は、終
了される。ED50値および95%信頼限界は、直線回帰分析を用いて計算される
。CAR試験の結果は、表1に示される。
ここに示される表および式において、OiPrはイソプロピルであり、Meは
メチルであり、そしてNTは、特定の試験において、試験されな
かったことを示す。逃避損失数は、CAR15mg/kg ipにおいて示され
る。
レセプター結合アッセイ
化合物のドーパミンD2結合活性は、オスのWistarラットから調製され
たP2画分(シナプトソーム膜)を用いて測定された。D2アッセイは、線条体か
らのP2画分、濃度0.05nMにおけるリガンド3H−スピペロン(spipe
rone)、そしてブランク決定因子としては1nMハロペリドールを使用した
。インキュベーションは、3mMリン酸カリウムバッファー中で37℃、45分
間行った。これらの条件下で、特異的結合は、総結合の75%を構成し、そして
ある既知薬物に対するKI値は、ハロペリドールについては0.37nMおよび
クロザピンについては82nMであった。
このアッセイからのデータは、特定濃度の試験化合物によるトリチウム化リガ
ンドの結合の阻害%を算出して解析した。決定されたKI値は、濃度−阻害曲線
のロジット解析から得られた。
本発明の医薬組成物を調製するために、有効成分として、本発明の1種以上の
化合物もしくはその塩は、慣用の薬物配合技術に従って、薬物キャリアーと緊密
に混合されるが、そのキャリアーは、投与経路、例えば経口もしくは非経口に望
ましい製剤の形状に応じて、様々な形状をとることができる。経口投与形の組成
物の調製では、いかなる常用の薬物媒体が使用されてもよい。したがって、液状
経口製剤、例えば、懸濁剤、エリキシル剤および液剤では、適切なキャリアーお
よび添加物は、水、グリコール、オイル、アルコール、矯臭剤、保存剤、着色剤
およびそれに類するものを含み;固形経口製剤、例えば散剤、カプセル剤および
錠
剤では、適切なキャリアーおよび添加物は、澱粉、糖類、希釈剤、顆粒化剤、滑
沢剤、結合剤、崩壊剤およびそれに類するものを含む。それらの投与が容易であ
るので、錠剤およびカプセル剤が、最も有利な経口投与剤形を表し、その場合に
は、固体薬物キャリアーが、用いられることは明らかである。所望であれば、錠
剤は、標準の技術によって糖コーティングもしくは腸溶コーティングされてもよ
い。非経口製剤では、キャリアーは、例えば、溶解性を助ける目的もしくは保存
のために他の成分が含まれていてもよいが、通常は滅菌水を含むであろう。また
、注射用懸濁剤が、調製されてもよく、その場合には、適当な液体キャリアー、
懸濁化剤およびそれに類するものが使用される。本明細書における薬物組成物は
、1投与単位、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、注射剤、茶さじ量剤など当たり
有効成分約50〜約100mgを含むであろう。
哺乳動物における抗精神病薬としての治療的使用において、本発明の化合物は
、1日当たり約0.5〜5mg/kg、より好ましくは、1〜3mg/kgの量
で投与される。しかしながら、その用量は、患者の要求、治療される病状の重篤
度、および使用される化合物に応じて、変化されてもよい。特定の状況に対する
最適用量の決定は、該技術分野の技術水準内にある。
次の実施例は、本発明を具体的に説明するが、限定することを意図しない。実
施例1〜3は、実施例に続く表中に挙げられた特定の化合物の調製を記述する。
実施例1
1−[3−[[4−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]−4−オキシド −1−ピペラジニル]メチル]ベンゾイル]ピペリジン1.7 水和物(化合物1)
1−[3−[[4−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]−1−ピペラジ
ニル]メチル]ベンゾイル]ピペリジン(15g,35.6mmol)を、クロ
ロホルム(100ml)中に溶解されたm−クロロペルオキシ安息香酸(6.1
5g,35.6mmol)とともに処理した。この溶液を、一夜撹拌し、次いで
、溶媒を除去した。その残渣を、シリカゲルカラム(CHCl3/MeOH;1
00:1〜90:10)で精製した。単離された最初の成分は、未反応の出発材
料(9.8g)からなった。単離された第2の成分(380mg)を、塩化メチ
レン/エーテルから再結晶化し、そしてH−1NMRスペクトル(400−MH
z,CD3OD)および質量スペクトルの解析によって、白色粉末、mp98〜
101℃の表題の化合物であると同定した。本化合物は、メタノール中の長い加
熱には不安定であり、冷蔵庫中で保存された。1
H NMR(CD3OD,250MHz)δ8.4(d,1H)、7.4(m,4
H)、7.3および7.2(両d,各1H)、7.1(t,1H)、4.9(m,3
H)、3.7(d,4H)、3.4(s,2H)、3.15(t,2H)、2.8お
よび2.9(両d,各2H)、1.7(m,4H)、1.5(d,6H)。
元素分析:計算値C26H35N3O3・1.7H2O:66.71;H、8.21:N、
8.98;H2O、6.54。 実測値:C、66.90;H、7.97;H、8.6
2;H2O、6.15。
実施例2
1−[3−[[4−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]−1−ピペラジ ニル−1−オキシド]メチル]ベンゾイル]ピペリジン1.1 過塩素酸塩0.4水和物(化合物2)
実施例1記載のクロマトグラフィーから単離される第3の成分は、アニリン窒
素に比較してベンジル型アミンの酸化について3.4:1の優先性を示す表題の
化合物、2.62gであった。この材料を、MeOH(約10ml)に溶解し、
そして70%過塩素酸水溶液と処理し、次いで、エーテルを用いて粉砕して、表
題の化合物の過塩素酸塩を生成させた。その化合物のH−1NMRスペクトル(
400−MHz,CD3OD)および質量スペクトルの解析で、指示された構造
を確認した。1
H NMR(CD3OD,250MHz)δ7.65(d,1H)、7.6(m,
3H)、7.0(m,3H)、6.9(t,1H)、4.95(s,2H)、4.6
5(q,1H)、4.0(t,2H)、3.7(m,4H)、3.6(d,2H)
、3.35(m,4H)、1.7(m,4H)、1.55(m,1H)1.35(d
,6H)。
元素分析:計算値C26H35N3O3・1.1HClO4・0.4H2O:C、56.2
3;H、6.65:N、7.56;Cl、7.02;H2O、1.29。 実測値:
C、56.01;H、6.64;N、7.08;Cl、7.36;H2O、1.21。
実施例3
1−[3−[[4−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]−1−ピペリジ ニル−1−オキシド]メチル]ベンゾイル]−シス−2,6−ジメチルピペリジ ン0.6水和物0.25クロロホルム(化合物3)
ジメチルホルムアミド(200ml)中2−ブロモフェノール(23.2ml
,0.20mol)、炭酸カリウム(33.2g,0.24mol)および2−
ブロモプロパン(28.0ml,0.30mol)の混
合液を、予熱された油浴(60℃)で5時間撹拌した。次に、冷却した反応混合
液を、エーテルと水の間で分配した。これらの層を分離し、水相を、エーテルで
抽出した。一緒にした有機溶液を、多量の水、3NNaOH水溶液を用いて洗浄
し、乾燥(MgSO4)、濾過し、そして真空濃縮して、淡黄色油状物として、
2−(イソプロポキシ)ブロモベンゼン39.3g(91%)を得、さらに精製
せずに次に続けた。その構造は、GC/MSおよび90MHz1HNMRによっ
て支持された。
アルゴン下22℃で、無水エーテル(150ml)中Mgチップ(10.07
g,0.414mol)の懸濁液に、1,2−ジブロモエタン約0.15mlを
添加した。次いで、エーテル200ml中2−(イソプロポキシ)ブロモベンゼ
ン43.7g(0.200mol)を滴下した。ハロゲン化アリールの50%を
添加した後、反応は、激しく還流し始めた。そのフラスコを、氷浴中で冷却した
。還流がやや静まった後、氷浴を除き、残りのハロゲン化アリールを1.5時間
かけて添加した。その得られたグリニャール試薬を、ドライアイス/エーテル浴
で、2時間冷却し、次いで、98%1−カルベトキシ−4−ピペリドン34.0
ml(0.221mol)とともに処理した。ケトンの完全な添加には、その反
応混合液を、22℃に温め、2時間撹拌した。次いで、反応液を、塩化アンモニ
ウム水溶液で急冷し、乳濁液にした。1MHCl水溶液の添加により、2層に分
けた。その水相をさらにエーテルを加えて抽出し、そして一緒にした有機溶液を
、10%重亜硫酸ナトリウム水溶液、1.0MHCl、飽和NaHCO3で洗浄
し、そして乾燥(K2CO3)した。濾過と濃縮により、黄色粘性の油状物として
1−カルベトキシ−4−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]−4−ピペリ
ジノール56.36
gを得、それ以上精製せずに次に続けた。この油状物の構造は、1HNMRによ
って支持された。
1−カルベトキシ−4−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]−4−ピペ
リジノール(36g)、炭素担持10%パラジウム(1.80g)、濃HCl5
mlおよびMeOH125mlの粗溶液を、水素55.5psig下で、22℃
3日間、Parr装置で振盪した。反応液を、Celiteで濾過し、そして残
渣になるまで濃縮した。この材料を、エーテルと水の間で分配した。その有機溶
液を、乾燥(MgSO4)、濾過し、そして濃縮して、淡黄色油状物として1−
カルベトキシ−4−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]ピペリジン29.
34gを得、さらに精製せずに先に続けた。その構造は、MSおよび1HNMR
によって支持された。
DMSO(100ml)中粗1−カルベトキシ−4−[2−(1−メチルエト
キシ)フェニル]ピペリジン(29.3g)および水酸化ナトリウムペレット(
6.12g,0.106mol)の混合液を、予熱した油浴中100℃で4日間
撹拌した。次いで、その反応混合液を、水(200ml)中に注入し、そして粗
生成物を、塩化メチレン中に抽出した。塩化メチレン抽出液を、MgSO4で乾
燥し、濾過し、そして濃縮して粗暗褐色油状物21.34gを得た。この油状物
を、1NHCl水溶液に溶解し、そしてエーテルで洗浄した。その酸性水溶液を
、3NNaOHで塩基性にし、そしてその生成物を、塩化メチレン中に抽出した
。一緒にした塩化メチレン抽出液を、乾燥(MgSO4)し、濾過し、そして濃
縮して半固形物13.34gを得た。この材料を、iPrOHに溶解し、そして
濃HClでpH3に酸性化した。その酸性水溶液を、エー
テルで希釈して、1塩酸塩の沈殿物を得、それを濾過によって回収し、真空乾燥
して、ベージュ色粉末として4−[2−(1−メチルエトキシ)フェニル]ピペ
リジン塩酸塩11.21gを得た。その構造は、MSによって支持された。その
遊離塩基を、1NNaOHからCHCl3中への抽出によって得、乾燥(MgS
O4)し、そして濾過した。
2−ピリドン100ml中に、4−(2−イソプロポキシフェニル)ピペリジ
ン(5.69g,0.0259mol)、3−(クロロメチル)ベンゾイル−2
,6−シス−ジメチルピペリジン(6.91g,0.0259mol)および炭
酸ナトリウム(8.75g,0.0825mol)を合わせ、70℃に加熱した
。2.5時間後、油浴を除き、そして反応液を、一夜撹拌しながら室温まで冷却
した。その粗反応混合液を、クロロホルムで希釈し、次いで、溶離液としてクロ
ロホルムを用いるシリカでのフラッシュ・クロマトグラフィーにかけて、やや不
純な生成物(7.95g;68%)を単離した。その対応するHCl塩へ転化は
、与えられた純粋な遊離塩基生成物を中和して行った。指定された構造は、NM
RおよびMSによって支持された。
元素分析:計算値C29H40N2O2・0.25H2O・HCl:C、71.14;H
、8.54;N、5.72;Cl、7.24;H2O、0.92。 実測値:C、7
1.20;H、8.83;N、5.59;Cl、6.99;H2O、0.55。
CHCl3(10ml)中m−クロロペルオキシ安息香酸(0.80g,4.
63mmol)の溶液を、CHCl3(10ml)中1−[3−[[4−[2−
(1−メチルエトキシ)フェニル]−1−ピペリジニル−1−オキシド]メチル
]ベンゾイル]−シス−2,6−ジメチルピ
ペリジンの懸濁混合液に、0℃で撹拌しながら滴下した。その反応を一夜継続し
た。次いで、その溶媒を除去し、そして残渣を、シリカゲルカラム(CHCl3
/MeOH、100:0〜90:10)で精製した。得られた固形物をCHCl3
/ヘキサンから再結晶化して、白色粉末としての表題の化合物(0.70g)
、m.p.104−106℃を得た。1
H NMR(CD3OD,400MHz)δ7.7(s,1H)、7.58(d,
1H)、7.53(t,1H)、7.45および7.35(両d,各1H)、7.1
4(t,1H)、6.95(d,1H)、6.9(t,1H、)4.6(m,1H
)、4.45(s,2H)、3.5(t,2H)、3.2(m,2H)、2.4(
q,2H)、1.93(m,1H)、1.7(m,10H)、1.3(d,6H)
。またマススペクトルは、指定の構造を支持した。
元素分析:計算値C29H40N2O3・H2O・CHCl3;C、69.50;H、8.
20;N、5.54;H2O:2.18。 実測値:C、69.23;H、8.36
;N、5.43;H2O、2.09。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年11月29日
【補正内容】
明細書
4−アリールピペラジン類および4−アリールピペリジン類のN−酸化物
発明の背景
抗精神病薬は、精神分裂病のような精神病の症状を緩和することで知られてい
る。そのような薬物の例は、プロマジン、クロルプロマジン、フルフェナジン、
チオリダジンおよびプロメタジンのようなフェノチアジン誘導体類、クロルプロ
チキセンのようなチオキサンテン類、ハロペリドールおよびクロザピンのような
ブチロフェノン類を含む。これらの薬剤は、精神分裂病の治療に有効であるかも
しれないが、クロザピンを除く事実上すべての薬剤は、錐体外路の副作用、例え
ば顔面神経痙攣または晩発性運動障害を生じる。抗精神病薬は、患者に対して何
年も何十年もの間投与されることがあるので、そのような著しい副作用は、回復
を困難にし、さらには社会から個人を遠ざけることにもなる。
本発明の化合物と若干の構造的類似性をもつ化合物は、EPO出願第88,309,5
81.2号(1989年4月19日公表)、米国特許第4,772,604号(1988年9月20日公表);
同第4,782,061号(1988年10月1日公表);同第4,362,738号(1982年12月7日公表
);同第3,988,371号(1976年10月26日公表);同第4,666,924号(1987年5月19日
公表);同第4,931,443号(1990年6月5日公表)および同第4,992,441号(1991年2
月12日公表)に記載されている。その他のいくらか類似する化合物は、J.Clin .Chem.Clin.Biochem
.1988,26,105 およびJ.med.Chem.1991,34,2133
に記載されている。
本発明は、ヒトにおける抗精神病活性を示唆する哺乳動物において活性を示す
新規化合物を記述する。レセプター結合の特性は、ドーパミン−2レセプターに
のみ弱い親和力を示し、それは、N−オキシド官能基が、イン・ビボで代謝的に
、対応するピペラジン類およびピペリジン類に還元されることを示唆しているか
もしれない。そのようなピペラジン類およびピペリジン類は、1993年3月18日、
WO9304682に開示され、特許請求されている。また、1992年9月11日に受理され
た特許出願第944,006号、参照。
発明の概要
請求の範囲
1. 式Iによって表される化合物、またはその薬物学的に許容しうる酸付加
塩、水和物、溶媒和物、異性体もしくはラセミ化合物。
式中、
Arは、アリール、1個以上のC1−C8アルキル、シクロアルキル、C1−C8
アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、トリフルオ
ロメトキシ、シアノ、C1−C8アルキルチオ、ハロゲン、ニトロ、C1−C8ハロ
アルキル、アミノ、または各アルキルがC1−C8であるモノ−またはジ−アルキ
ルアミノにより置換されたアリール、あるいはピリミジニル、ピリジニル、ピリ
ダジニル、ピラジニル、イミダジル、ピロール、フラン、チオフェン、トリアゾ
リルまたはチアゾリルのいずれかから選ばれるヘテロアリール;あるいは
式II
の縮合環系のいずれかから選ばれ、
Aは、N,CH,もしくはN+−O-であり;
Bは、NもしくはN+−O-であるが、但しAが、NもしくはCHである場合に
は,Bが、N+−O-でなければならず、そしてAが、N+−O-ある場合には,B
が、Nでなければならず;
Wは、CもしくはSOであり;
R1およびR2は、HもしくはC1−C4アルキルであり;
n=0〜4;
R3およびR4は、両方Hか、またはそれらの1つがHであり、他がC1−C4ア
ルキルもしくはヒドロキシルであるかのいずれかであるか、あるいは、両方が、
一緒になって酸素としてカルボニル基を形成するが但し、nが0の場合は、R3
およびR4は、一緒になって酸素とはならず;
R5およびR6は、独立して、H、C1−C8アルキル、C1−C8アルコキシ、ニ
トロ、ハロゲン、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルキルチオ、アミノ、C1
−C8モノ−またはジアルキルアミノ、またはC1−C8アルキルアミドのいずれ
か1つから選ばれ;
R7は、WがCである場合にはOもしくはSであり;R7は、WがSOである場
合にはOであり;
R8およびR9は、独立して、H、C1−C8アルキル、C1−C8アミノアルキル
、フェニル、1個以上のC1−C8アルキル、C1−C8アルコキシ、ハロゲン、ト
リフルオロメチル、C1−C8アルキルチオ、ジ−アルキルアミノ(各アルキルが
C1−C8である)、C1−C8アルキルアミノ、ニトロまたはモノ−もしくはジア
ルキルアミノ スルホニル(各アルキルがC1−C8である)、アルキル部分がC1
−C8であるアラルキル、C1−C8アシル、C3〜C10シクロアルキルにより置
換されたフェニルのいずれか1つから選ばれるか;あるいは−NR8R9は、一緒
になって、
ピロリジン、ピペリジン、ヘキサヒドロアゼピン、オクタヒドロアゾシンもしく
は2,6−ジメチルピペリジンのいずれかから選ばれる環を形成してもよく、あ
るいは場合により、−NR8R9は、一緒になって、式IIIもしくはIV
のいずれかから選ばれる縮合二環式環を形成してもよく、あるいは場合により、
−NR8R9は、一緒になって、式V
のスピロ環式環系であってもよいが、
−NR8R9が、一緒になって、4〜8員環、縮合環系またはスピロ環式環系を形
成する場合には、その環は、場合により、1個以上のC1−C8アルキル、C1−
C8アルコキシ、フェニル、1個以上のC1−C8アルキル、C1−C8アルコキシ
、ハロゲン、トリフルオロメチル、C1−C8アルキルチオ、ジアルキルアミノ(
各アルキルがC1−C8である)、C1−C8アルキルアミノ、ニトロまたはモノ−
もしくはジアルキルアミノ スルホニル(各アルキルがC1−C8である)、ヒド
ロキシ、アルキル
部分がC1−C8であるアラルキル、オキソまたはチオキソにより置換されたフェ
ニルにより置換されてもよい。
2. Arが、式IIによって表される縮合環系である場合の、請求の範囲1
の化合物。
式中、Bは、フェニル基の2個の炭素原子と一緒になって、5〜7個の環原子
、そして環内には、O,SもしくはNのいずれかからの0〜3個のヘテロ原子(
この場合、OとS原子の数の合計が、多くても2個であり、そして環内のN原子
が、H、アルキル、ヒドロキシアルキルもしくはアシルのいずれか1つから選ば
れるR12により置換されてもよいことを前提とする)をもつ完全なまたは部分的
に不飽和の環式基を形成し;
式中、R10およびR11は、独立して、C1−C5アルキル、C3−C7シクロアル
キル、フェニル、置換基が、1個以上のC1−C8アルキル、C1−C8アルコキシ
、ハロゲン、トリフルオロメチル、C1−C8アルキルチオ、ジアルキルアミノ(
各アルキルがC1−C8である)、C1−C8アルキルアミノ、ニトロまたはモノ−
もしくはジアルキルアミノ スルホニル(各アルキルがC1−C8である)である
置換フェニル;S,OもしくはNから選ばれる1または2個のヘテロ原子を含む
ヘテロアリール;ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシ、アリ
ールオキ
シ、アルキルチオ、アリールチオ、モノ−またはジアリールアミノ、ヒドロキシ
ル、アミノ、アルキル−、アルコキシ−、アミノ−、モノ−またはジアルキルア
ミノ−カルボニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフル
オロメトキシ、アミノ−、またはモノ−またはジアルキルアミノ−スルホニルの
いずれか1つから選ばれ;また、R10は、オキソもしくはチオキソであってもよ
く;mは、0〜3であり、そしてpは、0〜2である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AM,AT,AU,BB,BG,BR,
BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,E
S,FI,GB,GE,HU,JP,KE,KG,KP
,KR,KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,
MG,MN,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,R
O,RU,SD,SE,SI,SK,TJ,TT,UA
,UZ,VN