JPH0952890A - インターフェニレン型ジフルオロプロスタサイクリン類 - Google Patents

インターフェニレン型ジフルオロプロスタサイクリン類

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JPH0952890A
JPH0952890A JP20488695A JP20488695A JPH0952890A JP H0952890 A JPH0952890 A JP H0952890A JP 20488695 A JP20488695 A JP 20488695A JP 20488695 A JP20488695 A JP 20488695A JP H0952890 A JPH0952890 A JP H0952890A
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JP
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methyl
compound
carbon atoms
interphenylene
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JP20488695A
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Yasushi Matsumura
靖 松村
Takashi Nakano
貴志 中野
Yoshitomi Morisawa
義富 森澤
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生理活性と安定性に優れるプロスタサイクリン
類を提供する。 【解決手段】一般式(1)で表されるジフルオロプロス
タサイクリン類(ただし、Aはエチレン基、ビニレン
基、またはエチニレン基、Rは炭素数4〜10のアルキ
ル基、アルケニル基、あるいはアルキニル基、置換基を
有していてもよいアルアルキル基、または炭素数3〜8
のシクロアルキル基を表す)。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規ジフルオロプロ
スタサイクリン類に関する。詳細にはプロスタサイクリ
ンの7位にフッ素原子2個を有し、α鎖にベンゼン環を
有するインターフェニレン型7,7−ジフルオロプロス
タサイクリン類に関する。
【0002】
【従来の技術】天然型のプロスタサイクリン(PGI
2 )は生体内において強力な生理活性、たとえば血小板
凝集抑制活性、血管拡張活性、細胞保護作用などを有す
る局所ホルモンであり、生体内においてその細胞機能を
調節する重要な因子である。しかし、天然型プロスタサ
イクリンは、分子内に非常に分解されやすいビニルエー
テル結合を有するため、中性または酸性条件下では容易
に失活する(pH7.48の水溶液中で半減期が10.
5分)。このためこれらを医薬品として開発する試みが
行われてきたが、多くの場合医薬品としては化学的不安
定性のためにその応用範囲が限定されている。そこで天
然型と同様の生理活性を有し化学的に安定なプロスタサ
イクリン誘導体の開発が内外で鋭意検討されている。
【0003】7位にフッ素原子を有するプロスタサイク
リン類も報告されている(特表昭56−501319、
特開昭57−165382、特開昭57−17198
8、特開昭61−91136、特開昭62−482、特
開平5−9184、特公平3−14030、特公平3−
47272、特公平1−24147参照)。なお、以下
の一般的説明においては特に言及しない限り、プロスタ
サイクリン類やその中間体における炭素原子の位置番号
は対応する天然型プロスタサイクリンの炭素原子の位置
番号で表す。したがって、たとえば7位とは、α鎖の有
無やその長さに関わらず、天然型プロスタサイクリンの
7位に対応する位置をいう。
【0004】フッ素原子を2個以上有するプロスタサイ
クリン類に関しては、特表昭56−501319に2
位、4位、7位、10位がフッ素化されているプロスタ
サイクリン類が記載されているが、物性データは、1
0,10−ジフルオロ−13,14−デヒドロプロスタ
サイクリンについて、比旋光度が記載されているのみで
あり、生理活性データはいずれの化合物についても全く
記載されていない。
【0005】これらフッ素原子を2個以上有するプロス
タサイクリン類のうち、生理活性が明らかにされた化合
物は、10,10−ジフルオロ−13,14−デヒドロ
プロスタサイクリンのみである。上記特表昭56−50
1319記載発明の発明者であるJ.Friedらは、
血管拡張作用、血小板凝集抑制作用、化学的安定性など
について、J.Med.Chem.,23,234(1
980)、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA,77,6846(1980)やThromb.R
es.23,387(1981)などに報告している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、7位にフッ素原
子を2個有するプロスタサイクリン類では、7,7−ジ
フルオロ−13,14−デヒドロプロスタサイクリンの
合成例が、上記特表昭56−501319に記載されて
いるが、実際上非常に困難と考えられる合成法を用いて
いるうえ、物性データや生理活性データは記載されてお
らず、本発明者らの知る限りその後の報告もない。加え
て、ジフルオロプロスタサイクリン類中で、ω鎖の1
3、14位がデヒドロ型以外のものの合成例はなく、ま
た、16〜20位がn−ペンチル基以外の誘導体、たと
えば分岐のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
アルアルキル基、シクロアルキル基などの誘導体の合成
例は全く知られていない。α鎖にベンゼン環を有するプ
ロスタサイクリン類としては、Arzneim−For
sh/Drug Res.,40(II),Nr8,930
(1990)に記載の化合物が知られているが、7位に
フッ素原子を有し、α鎖にベンゼン環を有するプロスタ
サイクリン誘導体の合成例については全く知られていな
い。
【0007】上記特表昭56−501319の合成例に
記載されている7,7−ジフルオロ−13,14−デヒ
ドロプロスタサイクリンは、シクロペンタジエンとジク
ロロケテンを出発原料として、まず、7,7−ジフルオ
ロ−13,14−デヒドロプロスタグランジンF2 を合
成したのち、環化して製造している。この方法では、原
料の7,7−ジフルオロ−13,14−デヒドロプロス
タグランジンF2 の合成が多段階を要するうえ非常に困
難である。
【0008】特に、電子吸引性のフッ素原子を2個隣接
基として有する対応するヘミアセタールに、5−トリフ
ェニルホスホノペンタン酸を作用させて7,7−ジフル
オロ−13,14−デヒドロプロスタグランジンF2
合成するWittig反応は、通常の場合と異なり、フ
ッ素原子の強い電子吸引効果により著しく反応収率が低
下し、実際上目的物を得るのは困難となる。そのうえ、
7,7−ジフルオロ−13,14−デヒドロプロスタグ
ランジンF2 の環化反応は、反応部位のオレフィンに隣
接して電子吸引性のフッ素原子が2個存在するため、天
然型のプロスタグランジンF2 類の環化反応と異なり、
著しく反応性が低く、反応に長時間を要したり、反応収
率が低いなどの問題があり、実際上困難な製法である。
【0009】このように、従来7,7−ジフルオロプロ
スタサイクリン類については物性データや生理活性デー
タが具体的に知られていず、この化合物が実際に合成さ
れていたとは考えられない状況にあった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は実際に7,7
−ジフルオロプロスタサイクリン類を合成することを検
討し、そのうえでその物性や生理活性を測定しその医薬
としての有用性を検討して、天然型プロスタサイクリン
と同様の生理活性を有し化学的に安定なジフルオロプロ
スタサイクリン類を見い出すべく検討を行った。その結
果、本発明者は上記合成方法とは異なる7,7−ジフル
オロプロスタサイクリン類の合成方法を開発し、それに
基づき新規なジフルオロプロスタサイクリン類を合成す
るとともに、高い生理活性を有し化学的に安定なジフル
オロプロスタサイクリン類を見い出した。本発明はこの
新規なインターフェニレン型7,7−ジフルオロプロス
タサイクリン類に関する下記発明である。
【0011】下記一般式(1)で表されるインターフェ
ニレン型ジフルオロプロスタサイクリン類、その低級ア
ルカノールエステル、またはその薬学的に許容し得る塩
である化合物。上記化合物を有効成分とする循環器系疾
患の予防剤あるいは治療剤。
【0012】
【化2】
【0013】(ただし、一般式(1)において、 A:エチレン基、ビニレン基、またはエチニレン基、 R:炭素数4〜10の直鎖状あるいは分岐状のアルキル
基、アルケニル基あるいはアルキニル基、置換基を有し
ていてもよいアルアルキル基、または3〜8員環のシク
ロアルキル基、を表す。)
【0014】上記一般式(1)で表されるインターフェ
ニレン型ジフルオロプロスタサイクリン類のうち、生理
活性や化学的安定性からみて以下のような化合物が好ま
しい。
【0015】上記一般式において、Aとしてはビニレン
基またはエチニレン基が好ましく、特にビニレン基が好
ましい。
【0016】Rとしては直鎖状あるいは分岐状のアルキ
ル基、アルケニル基あるいはアルキニル基(以下これら
を鎖状炭化水素基と総称する)が好ましく、そのうちで
も後述するように分岐状の鎖状炭化水素基が好ましい。
この鎖状炭化水素基の炭素数は5〜8が好ましい。
【0017】Rが鎖状炭化水素基の場合、分岐を除いた
直鎖部分の炭素数は4〜10であり、特に5〜6である
ことがより好ましい。またその直鎖部分には1つの不飽
和2重結合あるいは不飽和3重結合を有していてもよ
い。分岐部分はメチル基あるいはエチル基であることが
好ましく、特にメチル基であることが好ましい。分岐部
分は2個以上存在していてもよく、好ましくは1〜2個
存在する。また2個の分岐部分は1つの炭素原子に結合
していてもよい。また、分岐部分の結合位置は鎖状炭化
水素基の1位〜3位が好ましく、特に1位〜2位が好ま
しい。またその場合の不飽和2重結合や不飽和3重結合
は3位以降に存在することが好ましい。
【0018】具体的なRとしては、以下の鎖状炭化水素
基がある。n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシ
ル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル
基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルペンチル
基、1−メチルヘキシル基、2−メチルペンチル基、2
−メチルヘキシル基、3−ペンテニル基、1−メチル−
3−ペンテニル基、1−メチル−3−ヘキセニル基、
1,1−ジメチル−3−ペンテニル基、1,1−ジメチ
ル−3−ヘキセニル基、2−メチル−3−ペンテニル
基、2−メチル−3−ヘキセニル基、3−ペンチニル
基、1−メチル−3−ペンチニル基、1−メチル−3−
ヘキシニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、2−メ
チル−3−ヘキシニル基、1,1−ジメチル−3−ペン
チニル基、1,1−ジメチル−3−ヘキシニル基。
【0019】上記鎖状炭化水素基のうち好ましいもの
は、2−メチルペンチル基、1−メチルヘキシル基、2
−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、1
−メチル−3−ペンチニル基、1−メチル−3−ヘキシ
ニル基、および1,1−ジメチル−3−ヘキシニル基で
ある。特に、2−メチルヘキシル基と1−メチル−3−
ヘキシニル基が好ましい。
【0020】Rとしては鎖状炭化水素基以外にアルアル
キル基やシクロアルキル基であってもよくそれらの炭素
数は10以下が好ましい。上記した鎖状炭化水素基に次
いで好ましいRは置換基を有していてもよいアルアルキ
ル基である。アルアルキル基としてはフェニル基を有す
る炭素数4以下(好ましくは1〜2)のアルキル基から
なるアルアルキル基が好ましい。特にベンジル基とフェ
ネチル基が好ましい。それらにおけるフェニル基にはア
ルキル基(炭素数4以下が好ましい)、ハロゲン化メチ
ル基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよい。
またアルアルキル基のアルキル基部分は分岐を有してい
てもよい。特に1位にメチル基を有するベンジル基とフ
ェネチル基が好ましい。
【0021】また、Rがシクロアルキル基の場合は、シ
クロペンチル基とシクロヘキシル基が好ましい。シクロ
アルキル基は上記と同様の置換基を有していてもよい。
これらアルアルキル基やシクロアルキル基の例を下記に
示す。
【0022】(3−メチルフェニル)メチル基、(3−
クロロフェニル)メチル基、(3−フルオロフェニル)
メチル基、(3−ブロモフェニル)メチル基、{(3−
トリフルオロメチル)フェニル}メチル基、1−(3−
メチルフェニル)エチル基、1−(3−クロロフェニ
ル)エチル基、1−{(3−トリフルオロメチル)フェ
ニル}エチル基、1−(3−フルオロフェニル)エチル
基、1−(3−ブロモフェニル)エチル基、2−(3−
メチルフェニル)エチル基、2−(3−クロロフェニ
ル)エチル基、2−{(3−トリフルオロメチル)フェ
ニル}エチル基、2−(3−フルオロフェニル)エチル
基、2−(3−ブロモフェニル)エチル基。
【0023】1−メチルー2−(3−メチルフェニル)
エチル基、1−メチルー2−(3−クロロフェニル)エ
チル基、1−メチル−2−{(3−トリフルオロメチ
ル)フェニル}エチル基、1−メチル−2−(3−フル
オロフェニル)エチル基、1−メチル−2−(3−ブロ
モフェニル)エチル基、ベンジル基。
【0024】シクロペンチル基、3−メチルシクロペン
チル基、3−クロロシクロペンチル基、3−フルオロシ
クロペンチル基、3−トリフルオロメチルシクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル
基、3−クロロシクロヘキシル基、3−フルオロシクロ
ヘキシル基、3−トリフルオロメチルシクロヘキシル
基。
【0025】なお、一般式(1)で表される化合物はそ
の構造中に不斉炭素を有するため、各種の立体異性体、
光学異性体が存在するが、本発明の化合物はこれらすべ
ての立体異性体、光学異性体およびそれらの混合物を包
含する。
【0026】一般式(1)で表されるインターフェニレ
ン型ジフルオロプロスタサイクリン類の低級アルカノー
ルエステルは、一般式(1)で表されるインターフェニ
レン型ジフルオロプロスタサイクリン類の1位のカルボ
キシル基と低級アルカノールが反応して生成するエステ
ルである。低級アルカノールは炭素数4以下のアルカノ
ールであり、特に炭素数1〜2のアルカノールが好まし
い。具体的な低級アルカノールとしては、たとえば、メ
タノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパ
ノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノ
ールなどがある。
【0027】このインターフェニレン型ジフルオロプロ
スタサイクリン類の低級アルカノールエステルは、対応
するインターフェニレン型ジフルオロプロスタサイクリ
ン類の合成中間体として有用であり、また生体中で対応
するインターフェニレン型ジフルオロプロスタサイクリ
ン類となって生理活性を示すプロドラッグとしても有用
であると考えられる。
【0028】一般式(1)で表されるインターフェニレ
ン型ジフルオロプロスタサイクリン類の薬学的に許容し
得る塩は、このカルボキシル基部分と塩基性物質の塩で
あり、カルボキシル基の水素原子が陽イオンに置換され
た化合物である。この陽イオンとしては、たとえばNH
4 +、テトラメチルアンモニウム、モノメチルアンモニウ
ム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、
ベンジルアンモニウム、フェネチルアンモニウム、モル
ホリウムカチオン、モノエタノールアンモニウム、トリ
スカチオン、ピペリジニウムカチオンなどのアンモニウ
ムカチオン、Na+ 、K+ などのアルカリ金属カチオ
ン、1/2Ca2+、1/2Mg2+、1/2Zn2+、1/
3Al3+などのアルカリ金属以外の金属のカチオンがあ
る。好ましい陽イオンはナトリウムイオンとカリウムイ
オンである。
【0029】本発明の化合物は、天然型プロスタサイク
リンに比較して化学的安定性がきわめて高い。また、生
理活性については、本発明の化合物は天然型プロスタサ
イクリンに比較してほぼ同等の生理活性を有する。生体
内においてはβ酸化などの代謝による分解を受けにくく
安定で、経口吸収性が高いことなどから医薬としての有
用性が非常に高い。
【0030】本発明の化合物は、たとえば、本発明者ら
の特願平6−20450、特願平6−46853、特願
平6−71097、特願平6−80641、特願平6−
283857、および特願平7−24400に記載の方
法により製造できる。たとえば、Coreyラクトンを
出発原料として、ω鎖をまず導入した後、フッ素化によ
り、ω鎖付ジフルオロCoreyラクトンに変換する。
α鎖ユニットを付加したのち脱水し、脱保護または酸化
によるカルボン酸類への変換反応を行い、所望により水
酸基の脱保護、エステルの加水分解、あるいはカルボン
酸の塩生成反応に付してインターフェニレン型ジフルオ
ロプロスタサイクリン類を合成できる。もしくは、Co
reyラクトンを出発原料として、フッ素化によりジフ
ルオロCoreyラクトンに変換する。これにα鎖ユニ
ットを付加したのち脱水し、脱保護または酸化によるカ
ルボン酸類への変換反応を行う。13位の水酸基の脱保
護の後ω鎖を導入し、所望により水酸基の脱保護、エス
テルの加水分解あるいはカルボン酸の塩生成反応に付し
てインターフェニレン型ジフルオロプロスタサイクリン
類を合成できる。
【0031】以下に参考例、実施例をあげて本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定され
ない。
【0032】
【実施例】
[参考例1](1S,5R,6R,7R)−2−オキサ
−4−フルオロ−7−(2−テトラヒドロピラニルオキ
シ)−6−(t−ブチルジメチルシロキシメチル)−ビ
シクロ[3.3.0]オクタン−3−オンの合成。
【0033】ヘキサメチルジシラザン(6.84ml)
のテトラヒドロフラン(以下THFと記す)(90m
l)溶液に−78℃でn−ブチルリチウム(1.56M
のヘキサン溶液)19.1mlを加えた後30分間撹拌
してリチウムヘキサメチルジシラジド溶液を調製した。
この溶液に、(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ
−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−6−(t
−ブチルジメチルシロキシメチル)−ビシクロ[3.
3.0]オクタン−3−オン10gのTHF(20m
l)溶液を−78℃で滴下し、60分間撹拌した。次
に、N−フルオロベンゼンスルホンイミド9.37gの
THF(40ml)溶液を−78℃で加えた。−78℃
で60分撹拌したのち昇温し、室温で30分間撹拌した
後、飽和重曹水に注ぎ酢酸エチルで抽出した。シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=
1:8〜1:4)で精製し、標題化合物9.46gを得
た。
【0034】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.05(m,6H),0.8
8(m,9H),1.4-1.8(m,6H),2.0-3.1(m,4H),3.4-5.3(m,8H)
19 F-NMR(CDCl3,ppm):-179(m) 。
【0035】[参考例2](1S,5R,6R,7R)
−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−(2−テトラ
ヒドロピラニルオキシ)−6−(t−ブチルジメチルシ
ロキシメチル)−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3
−オンの合成。
【0036】無水塩化亜鉛136mg(1mmol)に
参考例1で合成した(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4−フルオロ−7−(2−テトラヒドロピラニ
ルオキシ)−6−(t−ブチルジメチルシロキシメチ
ル)−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン19
4mgのTHF(3ml)溶液を室温で加え、−78℃
に冷却した後、リチウムジイソプロピルアミド(1Mの
THF溶液)1mlを加え、20分間撹拌した。この溶
液に、N−フルオロベンゼンスルホンアミド236mg
(0.75mmol)を−78℃で加え、1.5時間撹
拌した。反応液を飽和重曹水に注ぎ、酢酸エチルで抽出
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標
題化合物126mgを得た。
【0037】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.06(m,6H),0.89
(m,9H),1.2-2.3(m,8H),2.6-2.7(m,1H),3.09(m,1H),3.4-
3.9(m,4H),4.23(m,1H),4.64(m,1H),5.12(m,1H)。19 F-NMR(CDCl3,ppm):-94(m),-115(m) 。 マススペクトル:406(M+) 。
【0038】[参考例3](1S,5R,6R,7R)
−2−オキサ−3−(3−メトキシカルボニルベンジリ
デン)−4,4−ジフルオロ−7−(2−テトラヒドロ
ピラニルオキシ)−6−(t−ブチルジメチルシロキシ
メチル)−ビシクロ[3.3.0]オクタンの合成。
【0039】(3−メトキシカルボニルベンジル)トリ
フェニルホスホニウムクロリド1.12gを無水THF
(5ml)に加え、1Mナトリウムヘキサメチルジシラ
ジドTHF溶液(2.8ml)を加えて1時間還流し、
参考例2で合成した(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4,4−ジフルオロ−7−(2−テトラヒドロ
ピラニルオキシ)−6−(t−ブチルジメチルシロキシ
メチル)−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン
203mgの無水THF溶液(2ml)を室温で加えて
4時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、重曹水を加え
て酢酸エチルで抽出し、抽出液を減圧下濃縮した。シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサ
ン=1:30〜1:10)で精製し、標題化合物115
mgを得た。
【0040】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.05(m,6H),0.8
-2.9(m,19H),3.67(s,3H),3.4-5.6(m,8H),7.1-8.7(m,4
H)。
【0041】[参考例4](1S,5R,6R,7R)
−2−オキサ−3−(3−メトキシカルボニルベンジリ
デン)−4,4−ジフルオロ−7−(2−テトラヒドロ
ピラニルオキシ)−6−ヒドロキシメチル−ビシクロ
[3.3.0]オクタンの合成。
【0042】参考例3で合成した(1S,5R,6R,
7R)−2−オキサ−3−(3−メトキシカルボニルベ
ンジリデン)−4,4−ジフルオロ−7−(2−テトラ
ヒドロピラニルオキシ)−6−(t−ブチルジメチルシ
ロキシメチル)−ビシクロ[3.3.0]オクタン11
5mgのTHF(10ml)溶液にテトラブチルアンモ
ニウムフルオリド350μl(1MのTHF溶液)を0
℃で加えた。室温で2時間撹拌した後溶媒を留去しシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタ
ノール=20:1)で精製し90mgの標題化合物を得
た。
【0043】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :1.3-2.9(m,10
H),3.67(s,3H),3.4-5.5(m,8H),7.1-8.7(m,4H) 。
【0044】[実施例1](1S,5R,6R,7R)
−2−オキサ−3−(3−メトキシカルボニルベンジリ
デン)−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−
{(3S,5S)−3−ヒドロキシ−5−メチル−E−
1−ノネニル}ビシクロ[3.3.0]オクタンの合
成。
【0045】参考例4で合成した(1S,5R,6R,
7R)−2−オキサ−3−(3−メトキシカルボニルベ
ンジリデン)−4,4−ジフルオロ−7−(2−テトラ
ヒドロピラニルオキシ)−6−ヒドロキシメチル−ビシ
クロ[3.3.0]オクタン90mgのベンゼン(3m
l)溶液にピリジン18μl、ジメチルスルホキシド3
1μl、トリフルオロ酢酸2.4μl、ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド130mgを加え、室温で1時間撹拌
した。不溶物を濾過し、濾液を水洗、濃縮して対応する
アルデヒド粗製物92mgを得た。
【0046】(4S)−4−メチル−2−オキソオクタ
ニルホスホン酸ジメチル58mgのジメトキシエタン
(5ml)溶液に水素化ナトリウム(60%)16mg
を加えて10分間撹拌した。この溶液に上記のアルデヒ
ド粗製物のジメトキシエタン(3ml)溶液を0℃で加
え、室温で30分間撹拌した後食塩水に注ぎ酢酸エチル
で抽出した。乾燥濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4〜1:1)で精
製し対応するエノン115mgを得た。このメタノール
(5ml)溶液に塩化セリウム7水和物176mgと水
素化ホウ素ナトリウム18mgを−40℃で加え−40
℃で10分間、0℃で30分間撹拌した後飽和重曹水に
注ぎ酢酸エチルで抽出した。
【0047】濃縮後残渣をメタノール(5ml)に溶解
しp−トルエンスルホン酸1水和物5mgを0℃で加え
室温で1時間撹拌した。メタノールを留去した後飽和重
曹水と酢酸エチルを加え抽出した。抽出液を乾燥濃縮
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレ
ン:アセトン=1:2)で精製し標題化合物35mgを
得た。
【0048】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.8-2.7(m,19
H),3.67(s,3H),3.9-4.3(m,2H),4.7-5.2(m,2H),5.5-5.7
(m,2H),7.1-8.7(m,4H) 。
【0049】[実施例2](1S,5R,6R,7R)
−2−オキサ−3−(3−メトキシカルボニルベンジリ
デン)−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−
{(3S,4S)−3−ヒドロキシ−4−メチル−E−
1−ノネン−6−イニル}ビシクロ[3.3.0]オク
タンの合成。
【0050】参考例4で合成した(1S,5R,6R,
7R)−2−オキサ−3−(3−メトキシカルボニルベ
ンジリデン)−4、4−ジフルオロ−7−(2−テトラ
ヒドロピラニルオキシ)−6−ヒドロキシメチル−ビシ
クロ[3.3.0]オクタンと(3S)−3−メチル−
2−オキソ−5−オクチニルホスホン酸ジメチルを用い
て、実施例1と同様の方法により、標題化合物を合成し
た。
【0051】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.8-2.8(m,15H),
3.67(s,3H),3.9-4.3(m,2H).4.7-5.2(m,2H),5.4-5.7(m,2
H),7.1-8.5(m,4H)。
【0052】[実施例3](1S,5R,6R,7R)
−2−オキサ−3−(3−カルボキシベンジリデン)−
4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−{(3S,
5S)−3−ヒドロキシ−5−メチル−E−1−ノネニ
ル}ビシクロ[3.3.0]オクタン ナトリウム塩
(化合物1)の合成。
【0053】実施例1で合成した(1S,5R,6R,
7R)−2−オキサ−3−(3−メトキシカルボニルベ
ンジリデン)−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−
6−{(3S,5S)−3−ヒドロキシ−5−メチル−
E−1−ノネニル}ビシクロ[3.3.0]オクタン3
0mgのエタノール(3ml)溶液に0.1N水酸化ナ
トリウム0.65mlを加え、室温で14時間撹拌し
た。減圧下濃縮し、標題化合物30mgを得た。
【0054】1H-NMR(D2O) δ(ppm) :0.8-2.9(m,19H),
3.7-4.3(m,2H),4.5-5.7(m,4H),7.0-8.5(m,4H)。
【0055】[実施例4](1S,5R,6R,7R)
−2−オキサ−3−(3−カルボキシベンジリデン)−
4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−{(3S,
4S)−3−ヒドロキシ−4−メチル−E−1−ノネン
−6−イニル}ビシクロ[3.3.0]オクタン ナト
リウム塩(化合物2)の合成。
【0056】実施例2で合成した(1S,5R,6R,
7R)−2−オキサ−3−(3−メトキシカルボニルベ
ンジリデン)−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−
6−{(3S,4S)−3−ヒドロキシ−4−メチル−
E−1−ノネン−6−イニル}ビシクロ[3.3.0]
オクタンを用いて、実施例3と同様の方法により、標題
化合物を合成した。
【0057】1H-NMR(D2O) δ(ppm) :0.7-2.8(m,15H),3.
7-4.3(m,2H),4.5-5.7(m,2H),7.0-8.8(m,4H) 。
【0058】[実施例5]in vitro血小板凝集
抑制作用。
【0059】被験化合物のin vitro血小板凝集
抑制作用をヒト血小板を用いて測定した。3.8%クエ
ン酸ナトリウム溶液1容を含有するプラスチック容器に
健常者の血液9容を採取し、静かに転倒混和し、100
0rpmで10分間、室温で遠心分離後、上清を多血小
板血漿(PRP)として取り分けた。下層部をさらに3
000rpmで15分間、室温で遠心分離し、上清を乏
血小板血漿(PPP)として取り分けた。血小板数が約
30×104 /μlになるようPRPをPPPで希釈調
製した。凝集計のキャリブレーションを行った後、調製
したPRP200μlを37℃で1分間加温し、被験化
合物を生理食塩水で希釈した溶液25μlを加えて37
℃で1分間加温した。アデノシン−5’−二リン酸ナト
リウム(ADP、Sigma)溶液25μlを終濃度4
μMとなるように加えて、凝集計で透過度の変化を記録
した。被験化合物を生理食塩水に溶解した直後と、25
℃で24時間放置後の溶液について測定した。被験化合
物の溶液はそれぞれ生理食塩水に溶解した後、生理食塩
水で希釈して用いた。IC50(50%抑制濃度)を表1
に示した。
【0060】 凝集阻害率(%)=(1−T/T0 )×100 T0 :生理食塩水を加えた場合の透過度 T :被験化合物を加えた場合の透過度
【0061】表1に示すように本発明の化合物は優れた
血小板凝集抑制作用を示し、しかも24時間後において
も血小板凝集抑制作用が低下せず、著しく安定化された
化合物であることが確認できた。それに加えて特に、本
発明の化合物2は天然型プロスタサイクリンよりも高い
活性を有する。
【0062】PGI2 Naは天然型プロスタサイクリン
のナトリウム塩を示す。
【0063】
【表1】
【0064】[実施例6]水溶液中での安定性試験。
【0065】被験化合物をエタノールに溶解して1mg
/mlの濃度とした後、生理食塩水で希釈して10μg
/mlの溶液を調製した。25℃で保存し被験化合物の
残存率を経時的に測定した。残存率は高速液体クロマト
グラフィー(シマズLC9A,SPC−6AU;Mil
ipore805−DS)を用いて、内部標準(安息香
酸メチル)法により定量した。カラムはYMC AM3
12(ODS)を用い、溶離液はアセトニトリルと1%
トリエチルアミン−リン酸緩衝液(pH6.3)の混合
溶媒を用いた。
【0066】表2に残存率と半減期を示した。表2に示
すように、本発明の化合物は水溶液中で優れた安定性を
示すことが確認できた。
【0067】
【表2】
【0068】
【発明の効果】本発明のインターフェニレン型ジフルオ
ロプロスタサイクリン類(あるいはその塩)は、従来の
プロスタサイクリン類よりも化学的安定性にきわめて優
れた化合物である。また本発明の化合物は高い生理活性
を有し、特に本発明の化合物1、2などのRが側鎖にメ
チル基を有する直鎖状炭化水素基である本発明の化合物
は、天然型プロスタサイクリンに近い活性〜それよりも
高い活性を有する。この高い生理活性ときわめて高い安
定性により、本発明の化合物は、医薬として優れた特性
を有し、特に循環器計疾患の予防剤や治療剤として有用
である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表されるインターフェ
    ニレン型ジフルオロプロスタサイクリン類、その低級ア
    ルカノールエステル、またはその薬学的に許容し得る塩
    である化合物。 【化1】 (ただし、一般式(1)において、 A:エチレン基、ビニレン基、またはエチニレン基、 R:炭素数4〜10の直鎖状あるいは分岐状のアルキル
    基、アルケニル基あるいはアルキニル基、置換基を有し
    ていてもよいアルアルキル基、または3〜8員環のシク
    ロアルキル基、を表す。)
  2. 【請求項2】Aがビニレン基である、請求項1の化合
    物。
  3. 【請求項3】Rが、アルキル基、アルケニル基あるいは
    アルキニル基であり、しかもその1位あるいは2位に少
    なくとも1つのメチル基を有しかつ直鎖部分の炭素数が
    5〜6である、請求項1または2の化合物。
  4. 【請求項4】Rが、2−メチルペンチル基、1−メチル
    ヘキシル基、2−メチルヘキシル基、1,1−ジメチル
    ペンチル基、1−メチル−3−ペンチニル基、1−メチ
    ル−3−ヘキシニル基、または1,1−ジメチル−3−
    ヘキシニル基である、請求項1または2の化合物。
  5. 【請求項5】Rが、2−メチルヘキシル基または1−メ
    チル−3−ヘキシニル基である、請求項1または2の化
    合物。
  6. 【請求項6】Rが、1位にメチル基を有していてもよ
    く、かつフェニル基に炭素数1〜2のアルキル基または
    ハロゲン原子を有するベンジル基またはフェネチル基で
    ある、請求項1または2の化合物。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4、5または6から選
    ばれる化合物を有効成分とする循環器系疾患の予防剤あ
    るいは治療剤。
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