JPH0957053A - 排ガスの脱硫方法 - Google Patents
排ガスの脱硫方法Info
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Abstract
系脱硫剤を含む処理液で吸収し、処理液を脱硫、酸化、
複分解の各工程を循環させて再生しつつ、処理液に水酸
化カルシウムを加えて硫黄酸化物を二水石膏として固定
して除去する脱硫方法において、複分解工程での処理液
に脱硫工程処理液の一部を加えて処理液中のカルシウム
を除去した後脱硫工程へ循環させる。 【効果】 簡易かつ小型の設備でのダブルアルカリ法に
よる脱硫が可能となり、脱硫塔でのスケールの発生もな
く安定な運転が可能である。
Description
焼排ガスのような硫黄酸化物を含有する排ガスや更に塩
化水素も含有する各種排ガスの脱硫方法に関する。
ものとして、石灰石膏法が知られている。この方法は、
脱硫塔へ炭酸カルシウムや水酸化カルシウムを吸収剤と
して直接加えるため、処理液中にカルシウムイオンが溶
解している。そのため、これが脱硫塔内で硫黄酸化物等
と反応すると、二水石膏、二水亜硫酸カルシウム、炭酸
カルシウム等の析出物からなるスケールが脱硫塔や配管
内で生じるため、円滑な運転の維持が困難であるととも
にその除去に大変手間がかかった。また、水酸化カルシ
ウムは本来二分子の亜硫酸ガスを吸収可能な脱硫剤であ
るが、一分子の亜硫酸ガスを吸収した脱硫剤である亜硫
酸カルシウムは、同様な脱硫剤である亜硫酸マグネシウ
ムと比較すると大幅に溶解度が低いため、処理液の硫黄
酸化物の吸収効率が低く、脱硫塔や循環ポンプ等設備の
大型化を招き、経済性の面でも問題があった。
性ナトリウム、アンモニアあるいは塩基性マグネシウム
等の塩基性脱硫剤を使用して行い、脱硫塔外で生石灰を
用いて複分解を行なって脱硫剤を再生するダブルアルカ
リ法も知られている。ダブルアルカリ法はスケールの発
生が生じにくく、特に塩基性マグネシウムを脱硫剤とし
て用いる方法は、硫黄酸化物の吸収効率もよく、生成し
た亜硫酸マグネシウムの溶解度が大きく、吸収塔でのス
ケールの発生の少ない方法の一つである。しかし、塩基
性脱硫剤を用いるこの方法では、複分解工程で二水石膏
と水酸化マグネシウムという二種類の結晶が析出し、そ
の分離が容易ではないため、装置が複雑になるという問
題点があった。
折衷的な方法として川崎マグネシウム石膏法が知られて
いる(実用公害防止技術集覧(1)、化学工業社出版、
p.14)。この方法は脱硫剤に水酸化マグネシウムと
水酸化カルシウムの混合スラリーを用いて脱硫工程で硫
黄酸化物を吸収させ、次いでこの処理液を硫酸によりp
Hを2.0−4.0に調整しつつ空気等により酸化する
ことにより硫酸マグネシウムと二水石膏を生成させ、沈
降分離工程と遠心分離器により二水石膏と硫酸マグネシ
ウム水溶液とに分離する。分離された硫酸マグネシウム
水溶液は水酸化マグネシウムと水酸化カルシウムの混合
スラリーを含む原料調整工程に循環供給され、ここで混
合スラリー中の水酸化カルシウムの一部と複分解反応に
より水酸化マグネシウムと二水石膏が生成し、これと残
部の水酸化カルシウムを含む混合物は脱硫剤として吸収
工程へ循環供給される。しかし、この方法は脱硫塔内に
水酸化カルシウムおよび二水石膏を導く点では石灰石膏
法と同じであり、脱硫塔内や循環ポンプ・配管へのスケ
ール付着が起こりやすいという問題点は解消していな
い。
液の硫黄酸化物の吸収効率が高く、簡略かつ小型の設備
で実施可能な排ガスの脱硫方法を提供することにある。
プ・配管へのスケールの付着や閉塞を阻止し、円滑な運
転が維持できる排ガスの脱硫方法を提供することにあ
る。
化物だけでなく塩化水素を含む場合にも上記の目的が達
成できる排ガスの脱硫方法を提供することにある。
ム系脱硫剤を使用するダブルアルカリ法におけるプロセ
スの簡略化につき鋭意検討した結果、従来は複分解工程
で得られた二水石膏と水酸化マグネシウムを分離した
後、水酸化マグネシウムだけを脱硫塔へ戻していたが、
処理液中に溶解したカルシウムイオンを脱硫塔内に持ち
込みさえしなければ、二水石膏と水酸化マグネシウムを
分離せずに操作できることを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
ガスをマグネシウム系脱硫剤を含む処理液と接触させ排
ガス中に含まれる硫黄酸化物を処理液中に吸収させる脱
硫工程と、脱硫工程処理液を酸素を含むガスと接触させ
処理液中のマグネシウム塩を硫酸マグネシウムに変換す
る酸化工程と、酸化工程処理液に塩基性カルシウム化合
物を添加し、処理液中の硫酸マグネシウムを水酸化マグ
ネシウムと二水石膏とに分解させる複分解工程とを有
し、複分解工程で得られた混合物スラリーを脱硫工程に
戻すとともに、脱硫工程処理液から二水石膏を系外に取
り出す脱硫方法において、複分解工程で得られた混合物
スラリーに脱硫工程処理液の一部を添加し、混合物スラ
リー中のカルシウムイオンを亜硫酸カルシウムに変換し
た後脱硫工程に戻すことを特徴とする排ガスの脱硫方法
である。
黄酸化物および塩化水素を含む排ガスをマグネシウム系
脱硫剤を含む処理液と接触させ排ガス中に含まれる硫黄
酸化物および塩化水素を処理液中に吸収させる脱硫工程
と、脱硫工程処理液を酸素を含むガスと接触させ処理液
中のマグネシウム塩を硫酸マグネシウムに変換する酸化
工程と、酸化工程処理液に塩基性カルシウム化合物を添
加し、処理液中の硫酸マグネシウムを水酸化マグネシウ
ムと二水石膏とに分解させる複分解工程とを有し、複分
解工程で得られた混合物スラリーを脱硫工程に戻すとと
もに、処理液から二水石膏を系外に取り出し、処理液中
に蓄積する塩化マグネシウムは系外に放流する排ガスの
脱硫方法において、複分解工程で得られた混合物スラリ
ーに対して酸化工程処理液の一部を添加し、混合物スラ
リー中のカルシウムイオンを二水石膏に変換させ、次い
で混合物スラリーに脱硫工程処理液の一部を添加して、
混合物スラリー中のカルシウムイオンを亜硫酸カルシウ
ムに変換した後脱硫工程に戻すことを特徴とする排ガス
の脱硫方法である。
および塩化水素を含む排ガスをマグネシウム系脱硫剤を
含む処理液と接触させ排ガス中に含まれる硫黄酸化物お
よび塩化水素を処理液中に吸収させる脱硫工程と、脱硫
工程処理液を酸素を含むガスと接触させ処理液中のマグ
ネシウム塩を硫酸マグネシウムに変換する酸化工程と、
酸化工程処理液に塩基性カルシウム化合物を添加し、処
理液中の硫酸マグネシウムを水酸化マグネシウムと二水
石膏とに分解させる複分解工程とを有し、複分解工程で
得られた混合物スラリーを脱硫工程に戻すとともに、処
理液から二水石膏を系外に取り出し、処理液中に蓄積す
る塩化マグネシウムは系外に放流する排ガスの脱硫方法
において、複分解工程で得られた混合物スラリーに対し
て脱硫工程処理液の一部を添加して、混合物スラリー中
のカルシウムイオンを亜硫酸カルシウムに変換した後脱
硫工程に戻すとともに、複分解工程における混合物スラ
リーの塩素イオン濃度を測定し、この濃度を基準として
複分解工程での塩基性カルシウム化合物の添加量を調整
することを特徴とする排ガスの脱硫方法である。
海水中のマグネシウムを原料とした水酸化マグネシウ
ム、マグネサイト鉱石を焼成して得られる酸化マグネシ
ウム及び該酸化マグネシウムを消化して得られる水酸化
マグネシウム等の酸化マグネシウムや水酸化マグネシウ
ムを主成分とする塩基性マグネシウム化合物をいう。
法について説明する。
黄酸化物を含む排ガスあるいはこれに更に塩化水素も含
む排ガスは、脱硫工程においてマグネシウム系脱硫剤を
含む水溶液からなる処理液と接触して、硫黄酸化物およ
び塩化水素が処理液に吸収される。
は、水酸化マグネシウムと二水石膏と微量の亜硫酸カル
シウムとの混合スラリーなので、脱硫工程における処理
液は、二水石膏の粗粒子と微量の亜硫酸カルシウム粒子
を含む懸濁液である。処理液中の水酸化マグネシウム
は、脱硫剤、脱塩化水素剤として消費されるので、脱硫
工程では水酸化マグネシウム微粒子は消失している。
液を効率良く接触させるような構造を持つ塔からなり、
脱硫剤を含む水溶液をノズルで噴霧し、これに対して向
流または並流でガスを流す型式のものが挙げられる。処
理液は二水石膏粗粒子を含んでいるので、ノズルは詰り
が生じないようなものであることが必要とされる。な
お、気液接触の効率向上のために充填物や棚段等を内部
に設置してもよい。
処理液」と略)は、マグネシウム系脱硫剤水溶液と硫黄
酸化物が反応して生成した亜硫酸マグネシウム、亜硫酸
水素マグネシウム、硫酸マグネシウムおよび塩化マグネ
シウムが混在した組成の水溶液であり、二水石膏および
微量の亜硫酸カルシウムが懸濁物として含まれている。
〜60℃とされる。また、脱硫工程処理液のpHは5.
0〜7.5が好ましく、5.5〜6.5がより好まし
い。脱硫工程では、亜硫酸マグネシウムの水への溶解度
が低いので、その析出を防止するため、空気等を吹き込
み酸化して水への溶解度の高い硫酸マグネシウムとし、
亜硫酸マグネシウムの濃度をある値以下に制御するのが
一般的である。空気等の吹き込みをせずに、脱硫工程で
の亜硫酸マグネシウム濃度をある値以下に制御する方法
として、後述の酸化工程を出る処理液の一部を脱硫工程
に循環し、脱硫工程での亜硫酸マグネシウム濃度を希釈
する方法も知られている。
れる二水石膏の系外への取り出しは、脱硫工程処理液あ
るいは後述する酸化工程処理液から二水石膏を分離する
ことにより行われる。これら処理液では、固型分として
は二水石膏および微量の亜硫酸カルシウム以外の成分を
殆ど含まないので、容易に分離が可能である。なお、石
膏の除去に伴なって亜硫酸カルシウムも系外に除去され
る。
は、脱硫工程処理液を脱硫塔から別途取り出して実施し
て残液を脱硫塔へ戻してもよいし、あるいは次の酸化工
程へ導く途中の脱硫工程処理液に対して実施してもよ
い。二水石膏の分離除去には、湿式サイクロン、遠心沈
降器、ドルシックナー等の湿式分級器が使用でき、特に
湿式サイクロンが好ましい。分離された二水石膏は系外
へ取り出され、セメント用や石膏ボード用等に広く用い
ることができる。
れる。酸化工程では処理液に対して酸素を含むガスを接
触させ、処理液中の亜硫酸マグネシウムや亜硫酸水素マ
グネシウムが酸化されて硫酸マグネシウムおよび硫酸を
生成する。通常、処理液中の硫酸マグネシウムの濃度は
3〜10重量%であり、pHは2〜3である。酸化工程
では、通常槽型反応器が用いられ、処理液は攪拌混合し
てもよいし、しなくてもよい。
酸素以外のガス成分は、脱硫工程処理液に対して不活性
なものであればその種類は問わない。酸素を含むガスと
しては、通常空気が用いられる。
化工程処理液」と略)についてもその中に含まれる固型
分は二水石膏だけなので、処理液からの二水石膏の系外
への取り出しは、酸化工程処理液に対して実施すること
もできる。
かれる。複分解工程では、酸化工程で生成した硫酸マグ
ネシウムと硫酸とを主成分とし、場合により塩化マグネ
シウムも含有する処理液に対して、塩基性カルシウム化
合物が添加され攪拌混合される。ここでは、先ず硫酸が
塩基性化合物と反応して二水石膏が生成するとともに、
硫酸マグネシウムと塩基性カルシウムが反応し二水石膏
と水酸化マグネシウムが生成する。また、過剰に添加さ
れた塩基性カルシウム化合物は、二水石膏の生成反応に
引き続き、塩化マグネシウムと反応して水酸化マグネシ
ウムと塩化カルシウムを生成するのに消費される。但
し、塩化カルシウムは溶解度が大きいので、通常は沈殿
を生じない。
れ、反応温度は高い程好ましいが、操作・運転上からは
脱硫工程と同程度の温度でよい。滞留時間は4〜5時間
以上とするのが好ましく、これによって生成する二水石
膏は、一般に平均粒子径(長径)が70μm以上、通常
は200μmまでの粗大粒子に成長する。一方、水酸化
マグネシウムは1μm以下、通常0.3〜1μm程度の
微小粒子であり、これらが粒子間で凝集してみかけ上1
0〜20μm程度の大きさとなる。
合物としては、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭
酸カルシウムまたはこれらの混合物が好ましく、反応槽
に供給する形状としては粉末でもよいが、これらの水ス
ラリーが作業性の点で最も好ましい。塩基性カルシウム
化合物の供給量は、二水石膏の粒子径を大きくする観点
からは複分解工程での混合液のpHが11前後になるよ
う調整するのが好ましい。但し、処理液が塩化マグネシ
ウムを含有する場合には、塩基性カルシウム化合物の供
給量は後述するように調節する。
られた二水石膏と水酸化マグネシウムの混合物スラリー
をその二種類の固型分を分離することなく脱硫工程に戻
すが、脱硫工程に戻す混合物スラリー中のカルシウムイ
オンの溶解量は極力低減する必要がある。その理由は、
二水石膏(硫酸カルシウムとして)の溶解度は共存する
硫酸マグネシウムの濃度によって図1に示すように変化
する。複分解工程では、硫酸マグネシウムは塩基性カル
シウム化合物と反応して二水石膏と水酸化マグネシウム
に変換されるため、硫酸マグネシウムの濃度はほぼ0で
あるから、そこでの硫酸カルシウムの溶解度は2000
〜2200ppm程度と比較的高い。しかし、複分解工
程は二水石膏が析出しつつある過程であるため、硫酸カ
ルシウムは飽和濃度以上溶解しており、その過飽和度は
1.4〜1.8程度と考えられ、混合物スラリー中の硫
酸カルシウムの実際の濃度は2800〜3960ppm
と推定される。これに対して脱硫工程における硫酸マグ
ネシウムの濃度は3〜10重量%程度であるから、そこ
での硫酸カルシウムの溶解度は約1500ppm程度で
ある。したがって、複分解工程で得られた混合物スラリ
ーをそのまま脱硫工程へ供給すると、硫酸カルシウムの
過飽和度は1.87〜2.64とかなり大きな値とな
り、二水石膏が脱硫工程で生成・生長し、すなわちスケ
ールとして析出することになるためである。
ルシウムイオンの溶解量を低減させるために、混合物ス
ラリーに対して、脱硫工程処理液の一部を添加し、混合
物スラリー中のカルシウムイオンを固体の亜硫酸カルシ
ウムに変換して固定するカルシウムイオン変換工程を適
用する。
酸カルシウムが0.3〜0.4重量%溶解しているの
で、カルシウムイオンとしては約0.1重量%溶解して
いる。この混合物スラリーに、亜硫酸マグネシウム、亜
硫酸水素マグネシウム、水酸化マグネシウムを含む脱硫
工程処理液を添加して攪拌混合すると、カルシウムイオ
ンは下式(1)〜(3)のように反応して不溶性の亜硫
酸カルシウム(溶解度:0.0051g/100g水溶
液)が生成し固定化されるので、スラリー中のカルシウ
ムイオンは大幅に減少することになる。なお、pHが6
以下では、亜硫酸水素マグネシウムは溶解カルシウムイ
オンのみならず共存している水酸化マグネシウムとも反
応するので、pHは6以上が好ましく、6〜11とする
のがより好ましく、反応温度は80℃以下が好ましく、
60℃以下がより好ましい。
(1)、(2)は相当に反応速度が速いため、混合物ス
ラリーの滞留時間は10分程度で十分であり、したがっ
て、本工程は小型の槽型反応器を用いて実施することが
できる。すなわち、上記(1)〜(3)の反応を、脱硫
工程における閉ざされた脱硫塔内ではなく小型の槽型反
応器内で実施するところに本発明の方法の意義がある。
この反応器の内壁にスケールが付着する場合には、反応
器を二基設けて切り替えて使用すればよい。
ガスのように主に硫黄酸化物を含有する場合には、本発
明の脱硫方法は上述の方法で実施される。しかし、排気
ガスが石炭等の燃焼ガスのように硫黄酸化物だけでなく
塩化水素も含む場合には、脱硫工程へ戻される混合物ス
ラリー中に、カルシウムイオンが溶解性の高い塩化カル
シウムとして含まれた状態で戻されるのを防止する必要
がある。
て塩基性カルシウム化合物が添加されるが、処理液が塩
化物を含む場合には、複分解工程での反応は、下式
(4)、(5)のように表わせ、塩基性カルシウム化合
物の添加によって先ず二水石膏と水酸化マグネシウムが
生成する。そして、二水石膏の生成反応に引き続き、過
剰に添加された塩基性カルシウム化合物は、塩化マグネ
シウムと反応して水酸化マグネシウムと塩化カルシウム
を生成するのに消費される。
添加量とPHの関係を示す模式図であり、式(4)の反
応の終点付近ではPHの変化が小さいことが示されてい
る。したがって、この複分解反応において、PHの変化
に基づいて式(4)の反応が終了した時点で塩基性カル
シウム化合物の添加を停止することは極めて困難であ
る。塩基性カルシウム化合物が過剰に添加されて式
(5)の反応が進むと、生成した塩化カルシウムは溶解
度が大きいので混合物スラリー中に溶解する。このた
め、脱硫工程へ帰還する混合物スラリーにカルシウムイ
オンが含有されることになる。
中に塩化カルシウムに起因するカルシウムイオンが含有
されるのを防止する一つの方法は、複分解工程で得られ
た混合物スラリーに対して酸化工程処理液の一部を添加
して、混合物スラリー中のカルシウムイオンを二水石膏
に変換させた後、カルシウムイオン変換工程へ供給する
方法である。
記の式(4)の反応だけに留めるのは困難なため、十分
な量の塩基性カルシウム化合物を添加して、二水石膏の
結晶粒子の生長を進める。したがって、この方法では複
分解工程で式(5)の反応がある程度進む。そして、塩
化カルシウムが多少溶解した状態になった混合物スラリ
ーに対して、酸化工程処理液の一部を添加して、そのカ
ルシウムイオンを酸化工程処理液中の硫酸イオン反応さ
せて、二水石膏として沈殿させる。すなわち、過剰に添
加された塩基性カルシウム化合物に対して、下記式
(6)の反応が生ずるように酸化工程処理液を加える。
このスラリー中に溶解している塩化カルシウムを塩化マ
グネシウに変換させる工程(以下、塩化カルシウム変換
工程という)は、複分解工程と同様に、槽型反応器を用
いて実施することが好ましい。
量とPHの関係は、図1の変化を逆にたどるため(添加
量の増加が横軸の値を右から左へ移動させるのに相当す
るため)、反応の終点は容易に検出でき、酸化工程処理
液の適正供給量の調整は容易である。この塩化カルシウ
ム変換工程により、複分解工程で生成し混合物スラリー
中に溶解している塩化カルシウムは全て塩化マグネシウ
に変換され、カルシウムイオンは二水石膏として結晶化
され、混合物スラリー中のカルシウムイオンの濃度は二
水石膏の溶解度のレベルまで低下される。
反応が終了した時点で塩基性カルシウム化合物の添加を
停止して、複分解工程を出る混合物スラリー中にカルシ
ウムイオンを含有させないようにする方法である。具体
的には、先ず複分解工程における混合物スラリーの塩素
イオン濃度を測定する。塩素イオン濃度の測定は種々の
方法により実施できるが、ここでは混合物スラリーの一
部を計測槽に導き、比重測定から求める方法について説
明する。すなわち、混合物スラリーの一部を計測槽に導
き、ここで式(5)の反応が完了するまで(スラリーの
PHが10〜11になるまで)塩基性カルシウム水溶液
を添加する。このとき、混合物スラリーの液部分に溶解
しているのはほぼ塩化カルシウムだけなので、その比重
を測定して塩化カルシウム水溶液の濃度−比重曲線と対
照すれば、計測槽の混合物スラリー中の塩化カルシウム
の濃度が求められる。ここで、複分解槽と計測槽の間に
は塩素イオンの出入はないので、計測槽の塩化カルシウ
ムの濃度から計測槽で添加した塩基性カルシウム化合物
水溶液の添加量を差し引けば、複分槽中の混合物スラリ
ーの塩素イオン濃度が求められる。
準として、複分解工程における塩基性カルシウム化合物
の添加量が式(4)の反応が丁度終了するだけの量とな
るように制御する。この添加量の調整は、例えば次のよ
うにして実施できる。すなわち、複分解槽に塩基性カル
シウム化合物を、式(4)の反応が丁度終了し式(5)
の反応が始まらない理想的な量だけ添加した場合には、
複分解槽中の混合物スラリーの液部分に溶解しているの
はほぼ塩化マグネシウムだけである。したがって、先に
求めた塩素イオン濃度を基にして、式(4)の反応完了
時の複分解槽内の塩化マグネシウム濃度が算出できる。
そこで、複分解槽のスラリーの水溶液部分の比重を測定
し、この比重が上記算出した濃度の塩化マグネシウム水
溶液の比重となるように、塩基性カルシウム化合物の複
分解槽への添加量を調節して制御する。このようにすれ
ば、複分解工程における反応を式(4)の反応だけに留
めることができるので、混合物スラリー中のカルシウム
イオンは二水石膏の溶解度のレベルまで低下する。
液に吸収された塩素イオンは、固体としては固定され排
出されることはないので処理液とともに系内を循環する
が、その蓄積が所定濃度以上となるのを防止するため
に、通常、塩化マグネシウム水溶液の形でブロー水とし
て適宜系外へ排出する。ブロー水としての系外へ排出
は、処理液中のマグネシウムイオン濃度が最も低い、脱
硫工程へ帰還する混合物スラリーについて実施すること
が好ましい。
能である。例えば、酸化工程処理液の一部を脱硫工程
(脱硫塔)に戻してもよい。脱硫塔に酸化工程処理液を
加えると、脱硫塔内の処理液中の硫酸マグネシウムの割
合が増加し、亜硫酸塩の割合が減少することになり、亜
硫酸マグネシウムの析出を生じにくくすることができ
る。
照しつつ実施例に従い説明するが、本発明はこれによっ
て限定されるものではない。 実施例1 本実施例は、重油だきボイラーの排ガス(塩化水素を含
まない排ガス)の脱硫処理の例であり、図3にこのプロ
セスの概要を示した。
粗粒子を懸濁物として含む処理液を、脱硫塔1の上方か
らシャワー状に流下させ、下方より導入した硫黄酸化物
を含有する排ガスG1と気液接触させ、硫黄酸化物は亜
硫酸マグネシウム、亜硫酸水素マグネシウム等として処
理液中に吸収・固定し、硫黄酸化物が除去された排ガス
G2を上方より塔外へ排出した。
工水をノズルで噴霧し冷却した。排ガス流量は105 N
m3 /hr、SO2 濃度は2000ppmであった。
収した脱硫液は、水酸化マグネシウムスラリー供給タン
ク7より新たに供給された処理液とともにポンプP1と
配管L1を介して塔上部へ送り流下させ、この繰り返し
によって脱硫塔1内を連続的に循環させた。塔底には、
亜硫酸マグネシウムの析出を防止するために、空気を吹
き込んだ。また、配管L1から一部の処理液を30t/
hrで石膏分離機2へ導き、処理液中に懸濁していた二
水石膏を分離して1.6t/hrで系外に排出し、残液
は脱硫塔へ戻した。脱硫塔内の処理液の塩濃度は硫酸マ
グネシウム換算で7.50重量%、亜硫酸マグネシウム
と亜硫酸水素マグネシウムの合計濃度は硫酸マグネシウ
ム換算で1.50重量%であり、pHは5.8−6.0
であった。排ガスG2のSO2 濃度は100ppmで脱
硫率は95%であった。
より脱硫塔から酸化槽3へ11t/hrで供給し、空気
を曝気して酸化して硫酸マグネシウムと硫酸の水溶液と
した。この酸化工程処理液を、ポンプP3と配管L3に
よって複分解槽4へ供給した。複分解槽4には、水酸化
カルシウム供給タンク5から配管L4により30重量%
の水酸化カルシウムの水スラリーを1.8t/hrで加
え、攪拌機により攪拌混合しながら硫酸マグネシウムお
よび硫酸と水酸化カルシウムとの反応を行わせ、二水石
膏と水酸化マグネシウムの固体粒子を生成した。反応温
度は50℃であった。
5によりカルシウムイオン変換槽6に導き、ここで脱硫
塔1より配管L1およびL6を介して供給した硫黄酸化
物を吸収した脱硫工程処理液の一部を1.3t/hrで
加え、攪拌機により均一に攪拌混合し、水中に二水石膏
の溶解度レベルで溶解しているカルシウムイオンが上記
処理液中の亜硫酸マグネシウムや亜硫酸水素マグネシウ
ムと反応して、亜硫酸カルシウムの沈澱が生成した。
ウムおよび亜硫酸カルシウムの固体粒子を含む水スラリ
ーを配管L7を介して脱硫塔1に循環供給した。 実施例2 本実施例は、塩化水素を含む排ガスを脱硫処理するため
に、塩化カルシウム変換工程を設けた例であり、図4に
このプロセスの概要を示した。
は、実施例1と全く同様である。ここでは複分解槽で得
た含む混合物スラリーを、配管L8により塩化カルシウ
ム変換槽8へ導いた。そこへ配管L3を介して酸化工程
処理液の一部を供給し、混合スラリー中に溶解している
塩化カルシウムのカルシウムイオンを硫酸イオンと反応
させて、二水石膏として沈殿させた。酸化工程処理液の
供給量の調整は、pHコントロールによった。
物スラリーは、次いで配管L9によりカルシウムイオン
変換槽6に導き、実施例1の場合と同様に、ここで脱硫
工程処理液の一部と攪拌混合し、水中に二水石膏の溶解
度レベルで溶解しているカルシウムイオンを亜硫酸カル
シウムとして沈澱させた。
ウムおよび亜硫酸カルシウムの固体粒子を含む混合物ス
ラリーを配管L7を介して脱硫塔に循環供給するととも
に、処理液中に蓄積する塩化マグネシウムを除去するた
めに、液部分の一部をブロー水として系外に排出した。 実施例3 本実施例も塩化水素を含む排ガスを脱硫処理するもので
あり、図5にこのプロセスの概要を示した。本実施例
は、複分解槽4に添加する水酸化カルシウムスラリーを
以下に述べるように制御して添加したことを除けば、実
施例1とほぼ同様である。
ウムスラリーの添加量の制御は、図6に示すように、複
分解槽内の混合物スラリーの一部を計測槽11に導き、
このスラリーのPHが10〜11になるまで水酸化カル
シウムスラリーを計測槽9に添加した。このときの液部
分の比重を比重計12で測定し、これを塩化カルシウム
水溶液の比重−濃度曲線と対照してこの液部分を塩化カ
ルシウム水溶液とみなして塩化カルシウムの濃度を求め
た。この濃度の値から水酸化カルシウムスラリーの添加
量を差し引いて、複分解槽の塩素イオン濃度を求めた。
そして、その塩素イオン濃度と同じ濃度の塩化マグネシ
ウム水溶液の比重を塩化マグネシウム水溶液の比重−濃
度曲線から求めるとともに、複分解槽3のスラリーの水
溶液部分の比重を比重計11で測定し、この測定比重が
上記算出した比重となるように水酸化カルシウムの複分
解槽への添加量を調節した。
積する塩化マグネシウムを除去するために、実施例2と
同様に配管L7の脱硫塔へ戻す混合物スラリーの液部分
の一部を、ブロー水として系外に排出した。
ネシウム系脱硫剤を用いるダブルアルカリ法の脱硫プロ
セスが、簡略かつ小型の設備で実施可能となった。ま
た、二水石膏が処理液とともに系内を循環するが、これ
は不活性なSSとして扱えばよく、脱硫塔や配管等にス
ケールが付着することはない。
ても脱硫塔へ戻される処理剤中にカルシウムイオンが含
有されるのを防止できるので、循環系のスケール付着や
閉鎖の要因となる残査の沈積が完全に防止でき、安定運
転が維持され、効率の良い排ガス脱硫が実施できる。
硫酸カルシウムの溶解度との関係を示す図である。
カルシウムの添加量とpHの関係を示す図である。
を示す模式図である。
示す模式図である。
示す模式図である。
基性カルシウムの添加量の制御方法を示すための模式図
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 硫黄酸化物を含む排ガスをマグネシウム
系脱硫剤を含む処理液と接触させ排ガス中に含まれる硫
黄酸化物を処理液中に吸収させる脱硫工程と、脱硫工程
処理液を酸素を含むガスと接触させ処理液中のマグネシ
ウム塩を硫酸マグネシウムに変換する酸化工程と、酸化
工程処理液に塩基性カルシウム化合物を添加し、処理液
中の硫酸マグネシウムを水酸化マグネシウムと二水石膏
とに分解させる複分解工程とを有し、複分解工程で得ら
れた混合物スラリーを脱硫工程に戻すとともに、処理液
から二水石膏を系外に取り出す脱硫方法において、複分
解工程で得られた混合物スラリーに脱硫工程処理液の一
部を添加して、混合物スラリー中のカルシウムイオンを
亜硫酸カルシウムに変換した後脱硫工程に戻すことを特
徴とする排ガスの脱硫方法。 - 【請求項2】 硫黄酸化物および塩化水素を含む排ガス
をマグネシウム系脱硫剤を含む処理液と接触させ排ガス
中に含まれる硫黄酸化物および塩化水素を処理液中に吸
収させる脱硫工程と、脱硫工程処理液を酸素を含むガス
と接触させ処理液中のマグネシウム塩を硫酸マグネシウ
ムに変換する酸化工程と、酸化工程処理液に塩基性カル
シウム化合物を添加し、処理液中の硫酸マグネシウムを
水酸化マグネシウムと二水石膏とに分解させる複分解工
程とを有し、複分解工程で得られた混合物スラリーを脱
硫工程に戻すとともに、処理液から二水石膏を系外に取
り出し、処理液中に蓄積する塩化マグネシウムは系外に
放流する排ガスの脱硫方法において、複分解工程で得ら
れた混合物スラリーに対して酸化工程処理液の一部を添
加し、混合物スラリー中のカルシウムイオンを二水石膏
に変換させ、次いで混合物スラリーに脱硫工程処理液の
一部を添加して、混合物スラリー中のカルシウムイオン
を亜硫酸カルシウムに変換した後脱硫工程に戻すことを
特徴とする排ガスの脱硫方法。 - 【請求項3】 硫黄酸化物および塩化水素を含む排ガス
をマグネシウム系脱硫剤を含む処理液と接触させ排ガス
中に含まれる硫黄酸化物および塩化水素を処理液中に吸
収させる脱硫工程と、脱硫工程処理液を酸素を含むガス
と接触させ処理液中のマグネシウム塩を硫酸マグネシウ
ムに変換する酸化工程と、酸化工程処理液に塩基性カル
シウム化合物を添加し、処理液中の硫酸マグネシウムを
水酸化マグネシウムと二水石膏とに分解させる複分解工
程とを有し、複分解工程で得られた混合物スラリーを脱
硫工程に戻すとともに、処理液から二水石膏を系外に取
り出し、処理液中に蓄積する塩化マグネシウムは系外に
放流する排ガスの脱硫方法において、複分解工程で得ら
れた混合物スラリーに対して脱硫工程処理液の一部を添
加して、混合物スラリー中のカルシウムイオンを亜硫酸
カルシウムに変換した後脱硫工程に戻すとともに、複分
解工程における混合物スラリーの塩素イオン濃度を測定
し、この濃度を基準として複分解工程での塩基性カルシ
ウム化合物の添加量を調整することを特徴とする排ガス
の脱硫方法。
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