JPH10125527A - 超電導コイルおよび超電導コイルの製造方法 - Google Patents
超電導コイルおよび超電導コイルの製造方法Info
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- JPH10125527A JPH10125527A JP27654696A JP27654696A JPH10125527A JP H10125527 A JPH10125527 A JP H10125527A JP 27654696 A JP27654696 A JP 27654696A JP 27654696 A JP27654696 A JP 27654696A JP H10125527 A JPH10125527 A JP H10125527A
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- wire
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 クエンチが発生しにくいのみならず超電導線
の冷却性に優れ、また製造が容易な超電導コイル及びそ
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 超電導線2が、外周に接着性樹脂の皮膜
4を設けた超電導素線3の1本又は複数本を、前記皮膜
4の接着性樹脂により巻胴11上に接着固定したもので
あることを特徴とする超電導コイル。また、前記接着性
樹脂の皮膜4は溶剤型接着剤又は感熱型接着剤を用いて
形成される。外周に接着性樹脂の皮膜4を設けた超電導
素線3を、該皮膜4の固化状態で巻胴11に巻き付け、
巻き付け後に該皮膜4をいったん溶解又は溶融した後に
再固化させることを特徴とする超電導コイルの製造方
法。
の冷却性に優れ、また製造が容易な超電導コイル及びそ
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 超電導線2が、外周に接着性樹脂の皮膜
4を設けた超電導素線3の1本又は複数本を、前記皮膜
4の接着性樹脂により巻胴11上に接着固定したもので
あることを特徴とする超電導コイル。また、前記接着性
樹脂の皮膜4は溶剤型接着剤又は感熱型接着剤を用いて
形成される。外周に接着性樹脂の皮膜4を設けた超電導
素線3を、該皮膜4の固化状態で巻胴11に巻き付け、
巻き付け後に該皮膜4をいったん溶解又は溶融した後に
再固化させることを特徴とする超電導コイルの製造方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超電導コイル、特に
変圧器、分流リアクトル、交流磁場発生等に使用される
交流用の超電導コイルに関する。
変圧器、分流リアクトル、交流磁場発生等に使用される
交流用の超電導コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】巻胴に超電導線を巻回した超電導コイル
の超電導状態が破れる現象であるクエンチは、通電中に
おける、超電導線の機械的な動き等によって生じるの
で、超電導線を強固に固定する必要がある。一方、交流
用の超電導コイルでは超電導線の効率的な冷却も重要で
ある。従来、超電導線の固定性と冷却性を考慮した、超
電導線の固定手段として、スペーサー及び超電導線の巻
付張力のみで超電導線を機械的に固定する方法あるいは
エポキシ樹脂を含浸して固定する方法が行われている。
このエポキシ樹脂含浸法とは、超電導線の巻線後に、超
電導コイルの全体をエポキシ樹脂液に浸漬し、エポキシ
樹脂液を超電導線の周りに含浸し、次いで超電導コイル
の周囲に付着した、半硬化状態の余分なエポキシ樹脂液
を取り除き、該樹脂液を完全に硬化せしめることによっ
て、エポキシ樹脂を超電導線の周りに充填することによ
り超電導線を固定する方法である。
の超電導状態が破れる現象であるクエンチは、通電中に
おける、超電導線の機械的な動き等によって生じるの
で、超電導線を強固に固定する必要がある。一方、交流
用の超電導コイルでは超電導線の効率的な冷却も重要で
ある。従来、超電導線の固定性と冷却性を考慮した、超
電導線の固定手段として、スペーサー及び超電導線の巻
付張力のみで超電導線を機械的に固定する方法あるいは
エポキシ樹脂を含浸して固定する方法が行われている。
このエポキシ樹脂含浸法とは、超電導線の巻線後に、超
電導コイルの全体をエポキシ樹脂液に浸漬し、エポキシ
樹脂液を超電導線の周りに含浸し、次いで超電導コイル
の周囲に付着した、半硬化状態の余分なエポキシ樹脂液
を取り除き、該樹脂液を完全に硬化せしめることによっ
て、エポキシ樹脂を超電導線の周りに充填することによ
り超電導線を固定する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、超電導
線をスペーサーと巻付張力のみで機械的に固定する方法
では、超電導線の固定が完全ではないため、超電導線と
スペーサー及び超電導線を構成する超電導素線間の摩擦
による超電導線の温度上昇により、超電導線本来の特性
である短尺の臨界電流(IC)まで到達せずにクエンチ
が発生する問題があった。一方、前記エポキシ樹脂含浸
法によると、図7に示すように、コイル内部では、超電
導線2と超電導線2との間を樹脂層4aが塞ぐために、
液体ヘリウムが超電導線2を直接冷却できずに、エポキ
シ樹脂層4aを介した間接冷却になってしまうため、交
流通電時の交流損失による超電導体の発熱により容易に
クエンチが発生してしまう虞があった。また、エポキシ
樹脂含浸法では、超電導コイル全体をエポキシ樹脂液に
浸漬しなければならず、またコイル内部までエポキシ樹
脂液を浸透させるためには、真空引き及び加圧などの特
別の処置を行なう必要があり大型の含浸装置が必要で、
工程も煩雑となる等の問題があった。
線をスペーサーと巻付張力のみで機械的に固定する方法
では、超電導線の固定が完全ではないため、超電導線と
スペーサー及び超電導線を構成する超電導素線間の摩擦
による超電導線の温度上昇により、超電導線本来の特性
である短尺の臨界電流(IC)まで到達せずにクエンチ
が発生する問題があった。一方、前記エポキシ樹脂含浸
法によると、図7に示すように、コイル内部では、超電
導線2と超電導線2との間を樹脂層4aが塞ぐために、
液体ヘリウムが超電導線2を直接冷却できずに、エポキ
シ樹脂層4aを介した間接冷却になってしまうため、交
流通電時の交流損失による超電導体の発熱により容易に
クエンチが発生してしまう虞があった。また、エポキシ
樹脂含浸法では、超電導コイル全体をエポキシ樹脂液に
浸漬しなければならず、またコイル内部までエポキシ樹
脂液を浸透させるためには、真空引き及び加圧などの特
別の処置を行なう必要があり大型の含浸装置が必要で、
工程も煩雑となる等の問題があった。
【0004】本発明は、クエンチが発生しにくいのみな
らず超電導線の冷却性に優れ、また製造が容易な超電導
コイル及びその製造方法を提供することを課題とする。
らず超電導線の冷却性に優れ、また製造が容易な超電導
コイル及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の超電導コイル
は、巻胴に超電導線を巻回してなる超電導コイルであっ
て、前記超電導線は、外周に接着性樹脂の皮膜を設けた
超電導素線の1本又は複数本を、前記皮膜の接着性樹脂
により巻胴上に接着固定したものであることを特徴とす
る。また、前記接着性樹脂の皮膜は溶剤型接着剤又は感
熱型接着剤を用いて形成されることが好ましい。
は、巻胴に超電導線を巻回してなる超電導コイルであっ
て、前記超電導線は、外周に接着性樹脂の皮膜を設けた
超電導素線の1本又は複数本を、前記皮膜の接着性樹脂
により巻胴上に接着固定したものであることを特徴とす
る。また、前記接着性樹脂の皮膜は溶剤型接着剤又は感
熱型接着剤を用いて形成されることが好ましい。
【0006】本発明の超電導コイルの製造方法は、巻胴
に超電導線を巻回してなる超電導コイルの製造方法にお
いて、外周に接着性樹脂の皮膜を設けた超電導素線の1
本又は複数本を、該皮膜の固化状態で巻胴に巻き付け、
巻き付け後に該皮膜をいったん溶解又は溶融した後に再
固化させることを特徴とする。さらにまた、前記の接着
性樹脂の皮膜をいったん溶解する手段が溶剤浸漬であ
り、いったん溶融する手段が加熱であることが好まし
い。
に超電導線を巻回してなる超電導コイルの製造方法にお
いて、外周に接着性樹脂の皮膜を設けた超電導素線の1
本又は複数本を、該皮膜の固化状態で巻胴に巻き付け、
巻き付け後に該皮膜をいったん溶解又は溶融した後に再
固化させることを特徴とする。さらにまた、前記の接着
性樹脂の皮膜をいったん溶解する手段が溶剤浸漬であ
り、いったん溶融する手段が加熱であることが好まし
い。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は本発明の超電導コイルの一
実施例の断面図であり、図5及び図6は該超電導コイル
のコイル部の拡大断面図であり、図2は前記超電導コイ
ルの超電導線を構成するために用いる超電導素線の外周
に接着性樹脂の皮膜を設けた超電導素線の線材の拡大断
面図である。図1に示すように、本発明の超電導コイル
は、巻胴11に超電導線2を卷回してなる超電導コイル
であって、前記超電導線2は、図2に示すような外周に
接着性樹脂の皮膜4を設けた超電導素線3の1本又は複
数本を、前記皮膜4の接着性樹脂により巻胴11上に接
着固定したものである。そして、図5及び図6に示すよ
うに、巻胴11上に存する超電導線2は超電導素線3の
1本又は複数本(図示の例では6本)から構成され、該
超電導素線3は、前記皮膜4の接着性樹脂よりなる樹脂
層4aによって一体化されて超電導線2内で接着固定さ
れている。本発明の超電導コイルは、図5及び図6に示
すように超電導線2と超電導線2との間には樹脂層4a
の肉厚の部分が存在せず、液体ヘリウム等の冷媒通路1
3が広く確保されているので、冷却性に優れているとい
う利点を有している。本発明の超電導コイルには、所望
により、層間スぺーサー12、撚線、電気絶縁等を施す
ことができる。
実施例の断面図であり、図5及び図6は該超電導コイル
のコイル部の拡大断面図であり、図2は前記超電導コイ
ルの超電導線を構成するために用いる超電導素線の外周
に接着性樹脂の皮膜を設けた超電導素線の線材の拡大断
面図である。図1に示すように、本発明の超電導コイル
は、巻胴11に超電導線2を卷回してなる超電導コイル
であって、前記超電導線2は、図2に示すような外周に
接着性樹脂の皮膜4を設けた超電導素線3の1本又は複
数本を、前記皮膜4の接着性樹脂により巻胴11上に接
着固定したものである。そして、図5及び図6に示すよ
うに、巻胴11上に存する超電導線2は超電導素線3の
1本又は複数本(図示の例では6本)から構成され、該
超電導素線3は、前記皮膜4の接着性樹脂よりなる樹脂
層4aによって一体化されて超電導線2内で接着固定さ
れている。本発明の超電導コイルは、図5及び図6に示
すように超電導線2と超電導線2との間には樹脂層4a
の肉厚の部分が存在せず、液体ヘリウム等の冷媒通路1
3が広く確保されているので、冷却性に優れているとい
う利点を有している。本発明の超電導コイルには、所望
により、層間スぺーサー12、撚線、電気絶縁等を施す
ことができる。
【0008】超電導素線3とは超電導性を有する線材で
あって、例えばNb3Sn、V3Ga、Nb3Ge等の超
電導金属間化合物を生成すべき少なくとも2種の元素を
含む複合線材を作り、この後拡散熱処理を施して前記少
なくとも2種の材料から前記超電導金属間化合物を生成
した超電導性の線材等である。超電導素線3として非絶
縁線又はPVF絶縁等の絶縁線を用いることができる。
あって、例えばNb3Sn、V3Ga、Nb3Ge等の超
電導金属間化合物を生成すべき少なくとも2種の元素を
含む複合線材を作り、この後拡散熱処理を施して前記少
なくとも2種の材料から前記超電導金属間化合物を生成
した超電導性の線材等である。超電導素線3として非絶
縁線又はPVF絶縁等の絶縁線を用いることができる。
【0009】接着性樹脂の皮膜4は、例えば溶剤型接着
剤或いは感熱型接着剤(ホットメルト接着剤)を用いて
形成される。溶剤型接着剤とは、アルコール類やエステ
ル類等の溶剤に溶解し、脱溶剤すれば固化して、超電導
素線3に対して接着性を示す接着剤であって、例えばア
ルコール類に可溶のポリビニルブチラールである。感熱
型接着剤とは、無溶剤の接着剤で、加熱すれば熱溶融し
て流動するため超電導素線3の外周に被覆できるととも
に、再加熱により再溶融して樹脂同士などが接着結合
し、常温に冷却すれば固化して表面粘着性を有さない接
着剤であって、例えば熱可塑性のポリアミド、ナイロ
ン、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ
樹脂等である。
剤或いは感熱型接着剤(ホットメルト接着剤)を用いて
形成される。溶剤型接着剤とは、アルコール類やエステ
ル類等の溶剤に溶解し、脱溶剤すれば固化して、超電導
素線3に対して接着性を示す接着剤であって、例えばア
ルコール類に可溶のポリビニルブチラールである。感熱
型接着剤とは、無溶剤の接着剤で、加熱すれば熱溶融し
て流動するため超電導素線3の外周に被覆できるととも
に、再加熱により再溶融して樹脂同士などが接着結合
し、常温に冷却すれば固化して表面粘着性を有さない接
着剤であって、例えば熱可塑性のポリアミド、ナイロ
ン、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ
樹脂等である。
【0010】超電導素線3の外周に、溶剤型接着剤液を
塗布し乾燥する、感熱接着剤を熱溶融して塗布し冷却す
る等によって、接着性樹脂の皮膜4を超電導素線3の外
周に形成できる。前記皮膜4の厚みは、超電導素線3の
直径の40分の1〜20分の1が好ましい。40分の1
より薄いと、樹脂層4aの厚みが薄くなり過ぎて超電導
素線3を接着固定し難い。20分の1より厚いと、接着
剤樹脂量が多くなり過ぎて、冷媒通路13が確保されに
くい等の問題が生じる。
塗布し乾燥する、感熱接着剤を熱溶融して塗布し冷却す
る等によって、接着性樹脂の皮膜4を超電導素線3の外
周に形成できる。前記皮膜4の厚みは、超電導素線3の
直径の40分の1〜20分の1が好ましい。40分の1
より薄いと、樹脂層4aの厚みが薄くなり過ぎて超電導
素線3を接着固定し難い。20分の1より厚いと、接着
剤樹脂量が多くなり過ぎて、冷媒通路13が確保されに
くい等の問題が生じる。
【0011】本発明の超電導コイルは、例えば次の工程
によって製造できる。則ち、超電導素線3に予め接着性
樹脂の皮膜4を形成することにより、図2に示す構造の
超電導素線の線材5を製造する皮膜形成工程、次いで前
記超電導素線の線材5を撚線して、図3に示す撚線した
超電導線2aを製造する撚線工程、該撚線した超電導線
2aを、巻胴11の外周に巻線して超電導コイルを製造
する巻線工程、さらに超電導素線3の外周の皮膜4を構
成する接着性樹脂により、超電導素線3を接着固定する
接着工程によって製造できる。なお、超電導素線の撚線
は、磁束の変化によって生じる超電導素線間の結合電流
を阻止するための安定化手段である。
によって製造できる。則ち、超電導素線3に予め接着性
樹脂の皮膜4を形成することにより、図2に示す構造の
超電導素線の線材5を製造する皮膜形成工程、次いで前
記超電導素線の線材5を撚線して、図3に示す撚線した
超電導線2aを製造する撚線工程、該撚線した超電導線
2aを、巻胴11の外周に巻線して超電導コイルを製造
する巻線工程、さらに超電導素線3の外周の皮膜4を構
成する接着性樹脂により、超電導素線3を接着固定する
接着工程によって製造できる。なお、超電導素線の撚線
は、磁束の変化によって生じる超電導素線間の結合電流
を阻止するための安定化手段である。
【0012】接着性樹脂の皮膜4を用いての、超電導素
線3の接着固定は次のようにして行なうことができる。
溶剤型接着剤を用いて接着性樹脂の皮膜4を形成した場
合は、前記の皮膜形成工程、撚線工程、巻線工程を経て
製造した超電導コイル全体を溶剤型接着剤の溶剤中に浸
漬して、コイル部に溶剤を浸透させて、超電導線2の外
周に存在する接着性樹脂の皮膜4を溶出し、超電導線2
の内部に存在する接着性樹脂の皮膜4をいったん溶解、
膨潤せしめ、次いで乾燥して接着性樹脂を再固化させる
ことにより、超電導素線3をお互いに接着して、前記皮
膜4の接着性樹脂よりなる樹脂層4aを介して超電導線
2内に、超電導素線3を接着固定する。或いは、皮膜形
成工程、撚線工程を経て製造され、図4に示すように、
送り出しボビン20に巻回された撚線した超電導線2a
を溶剤槽21の溶剤の中に浸漬(溶剤浸漬)して通過さ
せることにより溶剤を、撚線した超電導線2aの中に浸
透せしめ、該超電導線2aの外周の接着性樹脂の皮膜4
の一部を溶出し、超電導線2aの内部に存在する接着性
樹脂の皮膜4をいったん溶解或いは膨潤せしめ、次いで
乾燥した後に、接着性樹脂を再固化させることにより、
超電導素線3の1本又は複数本を接着性樹脂層4aを介
してお互いに接着せしめて接着固定する。
線3の接着固定は次のようにして行なうことができる。
溶剤型接着剤を用いて接着性樹脂の皮膜4を形成した場
合は、前記の皮膜形成工程、撚線工程、巻線工程を経て
製造した超電導コイル全体を溶剤型接着剤の溶剤中に浸
漬して、コイル部に溶剤を浸透させて、超電導線2の外
周に存在する接着性樹脂の皮膜4を溶出し、超電導線2
の内部に存在する接着性樹脂の皮膜4をいったん溶解、
膨潤せしめ、次いで乾燥して接着性樹脂を再固化させる
ことにより、超電導素線3をお互いに接着して、前記皮
膜4の接着性樹脂よりなる樹脂層4aを介して超電導線
2内に、超電導素線3を接着固定する。或いは、皮膜形
成工程、撚線工程を経て製造され、図4に示すように、
送り出しボビン20に巻回された撚線した超電導線2a
を溶剤槽21の溶剤の中に浸漬(溶剤浸漬)して通過さ
せることにより溶剤を、撚線した超電導線2aの中に浸
透せしめ、該超電導線2aの外周の接着性樹脂の皮膜4
の一部を溶出し、超電導線2aの内部に存在する接着性
樹脂の皮膜4をいったん溶解或いは膨潤せしめ、次いで
乾燥した後に、接着性樹脂を再固化させることにより、
超電導素線3の1本又は複数本を接着性樹脂層4aを介
してお互いに接着せしめて接着固定する。
【0013】感熱型接着剤を用いて接着性樹脂の皮膜4
を形成する場合は、巻線工程を経て製造した超電導コイ
ルの全体を、感熱型接着剤の樹脂が熱溶融する温度まで
加熱して、接着性樹脂の皮膜4をいったん熱溶融した後
に、前記樹脂を融着せしめ、次いで室温に冷却して再固
化させることにより、超電導素線3の1本又は複数本を
接着性樹脂層4aを介してお互いに接着せしめて接着固
定する。感熱型接着剤として、エポキシ樹脂を用いる場
合の加熱温度は、約100〜120℃である。
を形成する場合は、巻線工程を経て製造した超電導コイ
ルの全体を、感熱型接着剤の樹脂が熱溶融する温度まで
加熱して、接着性樹脂の皮膜4をいったん熱溶融した後
に、前記樹脂を融着せしめ、次いで室温に冷却して再固
化させることにより、超電導素線3の1本又は複数本を
接着性樹脂層4aを介してお互いに接着せしめて接着固
定する。感熱型接着剤として、エポキシ樹脂を用いる場
合の加熱温度は、約100〜120℃である。
【0014】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明する。 ー実施例1ー 次のようにして、図1の構造の超電導コイルを得た。ブ
ロンズとNbを複合させ、700℃でブロンズとNbの
界面に、拡散によってNb3Snを形成せしめて、直径
0.2mmの超電導素線3を得た。該超電導素線3の外
周にアルコールを溶媒として含むポリビニルブチラール
の樹脂液を、溶剤型接着剤液として塗布した。次いで、
乾燥により脱溶剤して、図2に示すような、超電導素線
3の外周にポリビニルブチラールが固化した皮膜4を設
けた超電導素線の線材5を得た。該超電導素線の線材5
の6本をSUS線、Cu−Ni線、又はW線等のコア材
の周りに撚り線して図3に示す構成の6本撚り超電導線
2aを得た。超電導線2aを巻線として、鍔板を両側に
備えた巻胴の外周面に、超電導線2aを層間スペーサー
12と重ねて、巻線内径40mm、巻線外径70mmに
巻込んで超電導コイルを得た。なお、ポリビニルブチラ
ールの皮膜4は固化状態の乾燥皮膜であり粘着性を有さ
なかったので、撚線工程、巻線工程の妨げとならなかっ
た。
ロンズとNbを複合させ、700℃でブロンズとNbの
界面に、拡散によってNb3Snを形成せしめて、直径
0.2mmの超電導素線3を得た。該超電導素線3の外
周にアルコールを溶媒として含むポリビニルブチラール
の樹脂液を、溶剤型接着剤液として塗布した。次いで、
乾燥により脱溶剤して、図2に示すような、超電導素線
3の外周にポリビニルブチラールが固化した皮膜4を設
けた超電導素線の線材5を得た。該超電導素線の線材5
の6本をSUS線、Cu−Ni線、又はW線等のコア材
の周りに撚り線して図3に示す構成の6本撚り超電導線
2aを得た。超電導線2aを巻線として、鍔板を両側に
備えた巻胴の外周面に、超電導線2aを層間スペーサー
12と重ねて、巻線内径40mm、巻線外径70mmに
巻込んで超電導コイルを得た。なお、ポリビニルブチラ
ールの皮膜4は固化状態の乾燥皮膜であり粘着性を有さ
なかったので、撚線工程、巻線工程の妨げとならなかっ
た。
【0015】次いで、該超電導コイル全体を、25℃の
アルコール液中に一定時間浸漬してアルコール液をコイ
ル内部に浸透せしめて、図5に示すように、超電導線2
の外周に存在するポリビニルブチラールを溶出せしめ、
超電導線2の内部に存在するポリビニルブチラールの皮
膜4をいったん溶解、膨潤せしめ、次いでアルコールを
蒸散させることにより該皮膜4を再固化させて、図1に
示す構造の超電導コイルを得た。
アルコール液中に一定時間浸漬してアルコール液をコイ
ル内部に浸透せしめて、図5に示すように、超電導線2
の外周に存在するポリビニルブチラールを溶出せしめ、
超電導線2の内部に存在するポリビニルブチラールの皮
膜4をいったん溶解、膨潤せしめ、次いでアルコールを
蒸散させることにより該皮膜4を再固化させて、図1に
示す構造の超電導コイルを得た。
【0016】得られた超電導コイルのコイル部の断面観
察を行ったところ、図5に示すように、巻胴11上に存
する超電導線2の外周には、ポリビニルブチラールの樹
脂層4aの肉厚部分は存在しなかった。超電導線2の内
部には、ポリビニルブチラールの樹脂層4aが存在して
超電導素線3の間の隙間を埋めて、6本の超電導素線3
をお互いに接着して固定し超電導線2を形成していた。
さらに、該超電導線2は、ポリビニルブチラールの樹脂
層4aを介して、層間スペーサー12に接着されて固定
されていた。また、図5に示すように、超電導線2と超
電導線2との間には樹脂層4aの肉厚部分は存在しない
ため、冷媒通路13が面積広く確保され、冷却性に優れ
た。本例の超電導コイルは交流用の超電導コイルとして
使用できた。超電導素線3が完全に固定されていたた
め、摩擦による発熱は無くクエンチが発生しなかった。
巻線部を加熱する必要がなく、熱に弱い計測線をコイル
内部に固定できた。
察を行ったところ、図5に示すように、巻胴11上に存
する超電導線2の外周には、ポリビニルブチラールの樹
脂層4aの肉厚部分は存在しなかった。超電導線2の内
部には、ポリビニルブチラールの樹脂層4aが存在して
超電導素線3の間の隙間を埋めて、6本の超電導素線3
をお互いに接着して固定し超電導線2を形成していた。
さらに、該超電導線2は、ポリビニルブチラールの樹脂
層4aを介して、層間スペーサー12に接着されて固定
されていた。また、図5に示すように、超電導線2と超
電導線2との間には樹脂層4aの肉厚部分は存在しない
ため、冷媒通路13が面積広く確保され、冷却性に優れ
た。本例の超電導コイルは交流用の超電導コイルとして
使用できた。超電導素線3が完全に固定されていたた
め、摩擦による発熱は無くクエンチが発生しなかった。
巻線部を加熱する必要がなく、熱に弱い計測線をコイル
内部に固定できた。
【0017】ー実施例2ー 実施例1と同じNb3Snの超電導素線3の外周に、熱
可塑性ポリアミドを120℃に加熱して熱溶融せしめ、
感熱型接着剤として塗布し、室温に冷却して、図2に示
すような、超電導素線3の外周に固化状態のポリアミド
の皮膜4を設けた超電導素線の線材5を得た。実施例1
と同様に、撚り線し、図3に示す撚線した超電導線2a
を得た後、実施例1と同様に巻線して超電導コイルを得
た。ポリアミドの皮膜4は室温では固化状態で粘着性を
示さなかったので、撚線工程、巻線工程の妨げとならな
かった。
可塑性ポリアミドを120℃に加熱して熱溶融せしめ、
感熱型接着剤として塗布し、室温に冷却して、図2に示
すような、超電導素線3の外周に固化状態のポリアミド
の皮膜4を設けた超電導素線の線材5を得た。実施例1
と同様に、撚り線し、図3に示す撚線した超電導線2a
を得た後、実施例1と同様に巻線して超電導コイルを得
た。ポリアミドの皮膜4は室温では固化状態で粘着性を
示さなかったので、撚線工程、巻線工程の妨げとならな
かった。
【0018】次いで、該超電導コイル全体を120℃の
雰囲気中で加熱して、前記皮膜4のポリアミドを再熱溶
融せしめてポリアミドを融着し、室温に冷却して再固化
して図1の構造の超電導コイルを得た。得られた超電導
コイルのコイル部は図6に示す断面構造を有し、超電導
素線3の周りには、ポリアミドの薄い樹脂層4aが存在
して、6本の超電導素線3を接着により一体化して固定
し超電導線2を形成していた。さらに、該超電導線2は
ポリアミドの樹脂層4aを介して、層間スペーサー12
に接着固定されていた。本例の超電導コイルは、クエン
チが発生しない上に、図6に示すように、超電導線2と
超電導線2との間には樹脂層4aの肉厚の部分は存在し
ないため、冷媒通路13が広く確保されて冷却性に優れ
ていた。
雰囲気中で加熱して、前記皮膜4のポリアミドを再熱溶
融せしめてポリアミドを融着し、室温に冷却して再固化
して図1の構造の超電導コイルを得た。得られた超電導
コイルのコイル部は図6に示す断面構造を有し、超電導
素線3の周りには、ポリアミドの薄い樹脂層4aが存在
して、6本の超電導素線3を接着により一体化して固定
し超電導線2を形成していた。さらに、該超電導線2は
ポリアミドの樹脂層4aを介して、層間スペーサー12
に接着固定されていた。本例の超電導コイルは、クエン
チが発生しない上に、図6に示すように、超電導線2と
超電導線2との間には樹脂層4aの肉厚の部分は存在し
ないため、冷媒通路13が広く確保されて冷却性に優れ
ていた。
【0019】
【発明の効果】コイルの外部より充填用の樹脂が供給さ
れる樹脂含浸法とは異なり、本発明では、超電導線を構
成する超電導素線の周りに接着性樹脂の皮膜を予め設け
ることにより、超電導線を固定するための樹脂が、コイ
ルの内部に予め供給されている。そして、前記皮膜を構
成する樹脂により超電導素線の1本又は複数本が接着固
定されるので、超電導素線からなる超電導線の固定が確
実である。従って、本発明の超電導コイルにはクエンチ
が発生し難い。
れる樹脂含浸法とは異なり、本発明では、超電導線を構
成する超電導素線の周りに接着性樹脂の皮膜を予め設け
ることにより、超電導線を固定するための樹脂が、コイ
ルの内部に予め供給されている。そして、前記皮膜を構
成する樹脂により超電導素線の1本又は複数本が接着固
定されるので、超電導素線からなる超電導線の固定が確
実である。従って、本発明の超電導コイルにはクエンチ
が発生し難い。
【0020】また、超電導素線の周りの樹脂層の厚みは
接着性樹脂の皮膜の厚みによって決まるので、超電導線
と超電導線との間には樹脂層の肉厚の部分が存在しな
い。更に、所望により超電導線の外周の接着性樹脂は溶
剤によって溶出除去することもできる。従って、液体ヘ
リウム等の冷媒の通路が超電導線の周りに確実に確保さ
れ、しかも樹脂層の厚みが薄いので、本発明の超電導コ
イルは冷却性に優れる。さらにまた、接着性樹脂の皮膜
を予め設けた超電導素線の線材を予め製造し、次いで該
線材の1本又は複数本を、溶剤又は熱により一体化する
ので、含浸装置等の特別の設備を必要としない。従っ
て、本発明の超電導コイルは製造が容易である。
接着性樹脂の皮膜の厚みによって決まるので、超電導線
と超電導線との間には樹脂層の肉厚の部分が存在しな
い。更に、所望により超電導線の外周の接着性樹脂は溶
剤によって溶出除去することもできる。従って、液体ヘ
リウム等の冷媒の通路が超電導線の周りに確実に確保さ
れ、しかも樹脂層の厚みが薄いので、本発明の超電導コ
イルは冷却性に優れる。さらにまた、接着性樹脂の皮膜
を予め設けた超電導素線の線材を予め製造し、次いで該
線材の1本又は複数本を、溶剤又は熱により一体化する
ので、含浸装置等の特別の設備を必要としない。従っ
て、本発明の超電導コイルは製造が容易である。
【図1】 本発明の超電導コイルの一実施例を示す部分
切欠正面図である。
切欠正面図である。
【図2】 接着性樹脂の皮膜を設けた超電導素線の線材
の断面図である。
の断面図である。
【図3】 撚線した超電導線の断面図である。
【図4】 本発明の超電導コイルの製造方法の一実施例
を示す図である。
を示す図である。
【図5】 本発明の超電導コイルのコイル部の拡大断面
図である。
図である。
【図6】 本発明の超電導コイルのコイル部の他の拡大
断面図である。
断面図である。
【図7】 従来例のコイル部の拡大断面図である。
2 超電導線、2a 撚線した超電導線、3 超電導素
線、4 接着性樹脂の皮膜、4a 樹脂層、5 超電導
素線の線材、10 鍔板、 11 巻胴、12 層間ス
ペーサー、13 冷媒通路、21 溶剤槽
線、4 接着性樹脂の皮膜、4a 樹脂層、5 超電導
素線の線材、10 鍔板、 11 巻胴、12 層間ス
ペーサー、13 冷媒通路、21 溶剤槽
Claims (2)
- 【請求項1】 巻胴に超電導線を巻回してなる超電導コ
イルであって、前記超電導線は、外周に接着性樹脂の皮
膜を設けた超電導素線の1本又は複数本を、前記皮膜の
接着性樹脂により巻胴上に接着固定したものであること
を特徴とする超電導コイル。 - 【請求項2】 巻胴に超電導線を巻回してなる超電導コ
イルの製造方法において、外周に接着性樹脂の皮膜を設
けた超電導素線の1本又は複数本を、該皮膜の固化状態
で巻胴に巻き付け、巻き付け後に該皮膜をいったん溶解
又は溶融した後に再固化させることを特徴とする超電導
コイルの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27654696A JPH10125527A (ja) | 1996-10-18 | 1996-10-18 | 超電導コイルおよび超電導コイルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27654696A JPH10125527A (ja) | 1996-10-18 | 1996-10-18 | 超電導コイルおよび超電導コイルの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10125527A true JPH10125527A (ja) | 1998-05-15 |
Family
ID=17570998
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27654696A Pending JPH10125527A (ja) | 1996-10-18 | 1996-10-18 | 超電導コイルおよび超電導コイルの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10125527A (ja) |
-
1996
- 1996-10-18 JP JP27654696A patent/JPH10125527A/ja active Pending
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