JPH10128885A - ホース - Google Patents

ホース

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Publication number
JPH10128885A
JPH10128885A JP29036096A JP29036096A JPH10128885A JP H10128885 A JPH10128885 A JP H10128885A JP 29036096 A JP29036096 A JP 29036096A JP 29036096 A JP29036096 A JP 29036096A JP H10128885 A JPH10128885 A JP H10128885A
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JP
Japan
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thermoplastic
acid
polyester
weight
acrylate
Prior art date
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Pending
Application number
JP29036096A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiro Tanaka
勝啓 田中
Osamu Ozawa
小沢  修
Yoshihiro Soeda
善弘 添田
Takashi Sato
孝志 佐藤
Shigeru Yamauchi
茂 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE1997631261 priority patent/DE69731261T2/de
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Priority to KR1019997011966A priority patent/KR100264747B1/ko
Priority to KR1019997011967A priority patent/KR100264748B1/ko
Priority to EP19970902629 priority patent/EP0821035B1/en
Priority to KR1019997011964A priority patent/KR100264746B1/ko
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐油性、柔軟性、耐寒耐熱性に優れる上、更
に耐熱軟化性および耐熱老化性にも優れた高い耐久性を
有するホースを提供する。 【解決手段】 少なくとも内管と補強層と外管を有する
ホースにおいて、内外管材料を、熱可塑性コポリエステ
ルエラストマーのマトリックス中にアクリルゴム組成物
の加硫ゴム粒子が分散した構造であって、該熱可塑性コ
ポリエステルエラストマー成分を30〜90重量%、該
アクリルゴムの加硫ゴム成分を70〜10重量%含有す
る熱可塑性エラストマーとし、補強層材料をポリエステ
ル繊維とし、そして該補強層と外管との層間に、ポリエ
ステルを構成するジカルボン酸が芳香族ジカルボン酸で
あり、かつ120℃でのヤング率が3.0MPa 以上であ
る熱可塑性ポリエステル共重合樹脂を50重量%以上含
有する熱可塑性樹脂組成物からなる接着層を配してなる
ホース。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の熱可塑性エ
ラストマー組成物を内外管とし、ポリエステル系繊維補
強層を有するホースに関し、更に詳しくは、前記補強層
と外管の層間に特定の接着層を配することによって、耐
熱軟化性に優れ、かつ耐熱老化性も優れるため高い耐久
性を示すホースに関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者等は、先に、少なくとも内管と
補強層と外管を有し、該内管が、熱可塑性コポリエステ
ルエラストマーのマトリックス中に、アクリル基および
エポキシ基を含有するアクリルゴム組成物の加硫ゴム粒
子が分散した構造であって、該熱可塑性コポリエステル
エラストマー成分を30〜90重量%、該アクリルゴム
組成物の加硫ゴム成分を70〜10重量%含有する熱可
塑性エラストマー組成物であり、該補強層が、ポリエス
テル繊維等から成り、該外管が、熱可塑性コポリエステ
ルエラストマーのマトリックス中に、アクリル基および
エポキシ基を含有するアクリルゴム組成物の加硫ゴム粒
子が分散した構造であって、該熱可塑性コポリエステル
エラストマー成分を30〜90重量%、該アクリルゴム
組成物の加硫ゴム成分を70〜10重量%含有する熱可
塑性エラストマーであり、少なくとも該補強層と外管の
層間に接着剤を配したホースを提案し(特願平8−23
903号)、前記ホースの内外管材料の採用により、ホ
ースの柔軟性(常温及び低温)、耐油性並びに耐寒性を
改良することができ、かつ加硫工程を必要とすることな
く製造できるため生産コストを低減することができるホ
ースを提供した。
【0003】しかしながら、当該ホースにおいては、前
記接着層として、ウレタン系常温硬化型接着剤等を用い
たので、この場合には、該接着剤が反応型であることに
起因して、使用中の熱で熱硬化が進行し、接着層が硬く
なり、ひいては補強層の繊維のフィラメント切れ等によ
り補強層の破壊に至り、耐久性が低いという欠点があ
る。また、これに代えて、ポリエステル系ホットメルト
接着樹脂を用いた場合にも、該接着樹脂は熱融着性に相
反し、耐熱軟化性に劣り、耐久性(高温衝撃圧力試験:
120℃,27.5MPa )を満足するホースは得られな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記構成のホースにおける接着剤層に特定の材料を
選定することによって、更に耐熱軟化性及び耐熱老化性
にも優れた高い耐久性を示す高圧流体用等に使用するホ
ースを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、少なく
とも内管と補強層と外管を有し、該内管が、熱可塑性コ
ポリエステルエラストマーのマトリックス中にアクリル
基およびエポキシ基を含有するアクリルゴム組成物の加
硫ゴム粒子が分散した構造であって、前記熱可塑性コポ
リエステルエラストマー成分を30〜90重量%、前記
アクリルゴムの加硫ゴム成分を70〜10重量%含有す
る熱可塑性エラストマー組成物であり、該補強層が、ポ
リエステル繊維から成り、該外管が、熱可塑性コポリエ
ステルエラストマーのマトリックス中に、アクリル基お
よびエポキシ基を含有するアクリルゴム組成物の加硫ゴ
ム粒子が分散した構造であって、前記熱可塑性コポリエ
ステルエラストマー成分を30〜90重量%、前記アク
リルゴムの加硫ゴム成分を70〜10重量%含有する熱
可塑性エラストマー組成物であり、少なくとも該補強層
と外管の層間に接着層を配したホースにおいて、該接着
層が、ポリエステルを構成するジカルボン酸が芳香族ジ
カルボン酸であり、かつ120℃でのヤング率が3.0
MPa 以上である熱可塑性ポリエステル系共重合樹脂を5
0重量%以上含有する熱可塑性樹脂組成物から成るホー
スが提供される。
【0006】また、本発明の好ましい態様によれば、前
記接着層中の熱可塑性ポリエステル系共重合樹脂が、温
度230℃、剪断速度50〜200s-1のいずれかの剪
断速度における溶融粘度が1000Pa・s以下であるホ
ース、更にまた、前記接着層中の熱可塑性ポリエステル
系共重合樹脂が、ポリエステルとポリエーテルの繰り返
し単位、またはポリエステルとポリイミドエーテルの繰
り返し単位から成り、該ポリエステルの繰り返し単位を
40モル%以上含有する熱可塑性ブロックコポリエステ
ルエラストマーであるホースが提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のホースの内管及び外管を
構成する熱可塑性エラストマー組成物とは、熱可塑性を
与えるに十分な量の熱可塑性コポリエステルエラストマ
ーと、ゴム状弾性を与えるに十分な量の少なくとも一部
は加硫されたアクリルゴムとのブレンドよりなり、熱可
塑性コポリエステルエラストマー成分が少なくとも一部
が連続相(マトリックス相)をなし、その中に不連続相
(分散相)として少なくとも一部が加硫されたアクリル
ゴムがゴム成分に存在するものを言う。尚、この不連続
相(ゴム相)中に更に熱可塑性樹脂が分散した、いわゆ
るサラミ構造等であってもよい。
【0008】本発明の熱可塑性エラストマー組成物の第
一の成分である熱可塑性コポリエステルエラストマー
は、ポリエステルとポリエーテルとを主たる反復単位と
する多元ブロック共重合体として知られており、本発明
においてはかかる公知の熱可塑性コポリエステルエラス
トマーを用いる。かかる熱可塑性コポリエステルエラス
トマーの典型例としては、例えば、以下のものを挙げる
ことができる。
【0009】本発明で使用する熱可塑性コポリエステル
エラストマーは、ポリエステルとポリエーテルの繰り返
し単位、ポリエステル、(ポリ)ラクトンとポリエーテ
ルの繰り返し単位またはポリエステルとポリイミドエー
テルの繰り返し単位からなるランダムおよびマルチブロ
ックコポリエステルであり、コポリエーテルエステルエ
ラストマー、(ポリ)ラクトン変性コポリエーテルエス
テルエラストマーおよびコポリエーテルイミドエステル
エラストマーが包含される。
【0010】適切な熱可塑性コポリエーテルエステルエ
ラストマーおよび(ポリ)ラクトン変性コポリエーテル
エステルエラストマーは、従来から採用されているエス
テル化/重縮合法により、(i)少なくとも一種のジオ
ール、(ii)少なくとも一種のジカルボン酸、(iii)少
なくとも一種の長鎖エーテルグリコールおよび、必要に
応じて、(iv)少なくとも一種のラクトンまたはポリラ
クトンから製造される。
【0011】コポリエーテルエステルエラストマーおよ
びその(ポリ)ラクトン変性物の製造に使用されるジオ
ール(i)は、飽和および不飽和の脂肪族および脂環式
ジヒドロキシ化合物ならびに芳香族ジヒドロキシ化合物
を包含する。これらのジオールは、好ましくは低分子
量、すなわち約300以下の分子量を有する。脂肪族お
よび脂環式ジオールの具体例としては、エチレングリコ
ール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジ
オール、2−メチルプロパンジオール、2,2−ジメチ
ルプロパンジオール、ヘキサンジオール、デカンジオー
ル、2−オクチルウンデカンジオール、1,2−,1,
3−および1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,
2−,1,3−および1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、ブチンジオール、ヘキセンジオールなどの2ない
し15個の炭素原子をもつジオールが挙げられる。特に
好ましいジオールは、1,4−ブタンジオール、および
1,4−ブタンジオールとヘキサンジオールまたはブチ
ンジオールとの混合物である。芳香族ジオールの具体例
としては、レゾルシノール、ハイドロキノン、1,5−
ジヒドロキシナフタレン、4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタンおよび
2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパンなど
の6〜19個の炭素原子をもつジオールが挙げられる。
【0012】特に好適なジオールは、2ないし8個の炭
素原子を有する飽和脂肪族ジオールおよびそのような飽
和脂肪族ジオールの混合物、ならびにそのような飽和脂
肪族ジオールと不飽和ジオールとの混合物である。二種
以上のジオールを使用する場合、ジオール全量を基準と
して少なくとも約60モル%、特に少なくとも80モル
%を同一のジオールが占めることが好ましい。最も好適
なジオール混合物は1,4−ブタンジオールが過半量を
占めるものである。
【0013】前記コポリエーテルエステルエラストマー
およびその(ポリ)ラクトン変性物の製造に用いるのに
好適なジカルボン酸(ii)は、脂肪族、脂環式および/
または芳香族ジカルボン酸を包含する。これらのジカル
ボン酸は、低分子量のもの、すなわち、約350以下の
分子量を有するものが好ましいが、より高分子量のも
の、とりわけダイマー酸も使用することができる。
【0014】脂肪族および脂環式ジカルボン酸の代表例
としては、セバシン酸、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、グルタル
酸、コハク酸、シュウ酸、アゼライン酸、ジエチルマロ
ン酸、アリルマロン酸、4−シクロヘキセン−1,2−
ジカルボン酸、2−エチルスペリン酸、テトラメチルコ
ハク酸、シクロペンタンジカルボン酸、デカヒドロ−
1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビシクロ
ヘキシルジカルボン酸、デカヒドロ−2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、4,4−メチレンビス(シクロヘキサ
ンジカルボン酸)、3,4−フランジカルボン酸、およ
び1,1−シクロブタンジカルボン酸、ならびにこれら
のダイマー酸が挙げられる。これらの中でも、シクロヘ
キサンジカルボン酸、セバシン酸、グルタル酸およびア
ジピン酸が好ましい。
【0015】芳香族ジカルボン酸の代表例としては、テ
レフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ビス−安息香
酸、例えばビス(p−カルボキシフェニル)メタン、オ
キシビス(安息香酸)、エチレン−1,2−ビス(p−
オキシ安息香酸)などの2個のベンゼン核を有する置換
ジカルボキシ化合物、1,5−ナフタレンジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタ
レンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、アン
トラセンジカルボン酸、4,4′−スルホニルジ安息香
酸、およびこれらのハロおよび炭素数1〜12のアルキ
ル、アルコキシ、およびアリール基置換誘導体を包含す
る。なお、発明の目的達成が阻害されない限り、芳香族
ジカルボン酸に他の芳香族ジカルボン酸、例えば、p−
(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸のようなヒドロキ
シ酸を併用することができる。
【0016】前記コポリエーテルエステルエラストマー
およびその(ポリ)ラクトン変性物の製造に用いられる
ジカルボン酸の中では、芳香族ジカルボン酸および二重
以上の芳香族ジカルボン酸の混合物、ならびに芳香族ジ
カルボン酸と脂肪族および/または脂環式ジカルボン酸
との混合物が好ましく、芳香族ジカルボン酸単独が特に
好ましい。芳香族ジカルボン酸の中でも、8〜16個の
炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸、とりわけ、フタ
ル酸、テレフタル酸およびイソフタル酸のようなベンゼ
ンジカルボン酸ならびにこれらのジメチルエステルが好
適であって、テレフタル酸ジメチルが最良である。ジカ
ルボン酸またはそのエステルの混合物を使用する場合、
ジカルボン酸の全量に基づいて少なくとも約60モル
%、特に少なくとも約80モル%が同一のジカルボン酸
であることが好ましい。とりわけ、テレフタル酸ジメチ
ルがジカルボン酸混合物の約60モル%以上を占めるも
のが最良である。
【0017】熱可塑性コポリエーテルエステルエラスト
マーおよびその(ポリ)ラクトン変性物の製造に用いる
長鎖エーテルグリコール(iii)は、好ましくは約400
〜約12,000の分子量を有するポリ(オキシアルキ
レン)グリコールおよびコポリ(オキシアルキレン)グ
リコールである。好適なポリ(オキシアルキレン)単位
は、約900〜約4,000の分子量を有し、そして側
鎖を除き約1.8〜約4.3の炭素対酸素比を有する長
鎖エーテルグリコールから誘導される。
【0018】適切なポリ(オキシアルキレン)グリコー
ルの代表例として、ポリ(エチレンエーテル)グリコー
ル、ポリ(プロピレンエーテル)グリコール、ポリ(テ
トラメチレンエーテル)グリコール、エチレンオキシド
末端キャップポリ(プロピレンエーテル)グリコールお
よび過半量がポリ(エチレンエーテル)骨格のコポリ
(プロピレンエーテル−エチレンエーテル)グリコール
を包含するエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの
ランダムまたはブロック共重合体、および、テトラヒド
ロフランと、少量の、例えばエチレンオキシド、プロピ
レンオキシドまたはメチルテトラヒドロフラン等の第2
の単量体(炭素対酸素比が約4.3を超えない割合で使
用される)とのランダムまたはブロック共重合体を挙げ
ることができる。ホルムアルデヒドと、例えば1,4−
ブタンジオールおよび1,5−ペンタンジオールなどの
ジオールを反応させて製造されるポリホルマールグリコ
ールも有用である。特に好ましいポリ(オキシアルキレ
ン)グリコールはポリ(プロピレンエーテル)グリコー
ル、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールおよび
過半量がポリエチレンエーテル)骨格のコポリ(プロピ
レンエーテル−エチレンエーテル)グリコールである。
【0019】必要に応じてこれらのコポリエーテルエス
テルに一種またはそれ以上のラクトンまたはポリラクト
ン(iv)を配合することができる。この種のポリラクト
ン変性コポリエーテルエステルエラストマーは米国特許
出願第4,569,973号明細書に開示されている。
【0020】本発明で使用するのに適当なラクトン(i
v)としては、ε−カプロラクトンが特に好ましいが、
α,β,γ,δまたはε位でメチル基またはエチル基な
どの低級アルキル基で置換されている置換ラクトンを使
用することもできる。また、本発明で使用するコポリエ
ーテルエステルのブロック単位としてホモポリマーまた
はそのモノマーと他の共重合可能なモノマーとの共重合
体およびヒドロキシ末端停止ポリラクトンを包含するポ
リラクトンを使用することができる。
【0021】一般的に、適切なコポリエーテルエステル
エラストマーおよびその(ポリ)ラクトン変性物は、該
コポリエーテルエステルまたは(ポリ)ラクトン変性物
中における(iii)長鎖エーテルグリコール成分の量また
は (iii)長鎖エーテルグリコール成分と (iv) ラクトン
成分との合計量が約5〜約80重量%のものである。よ
り好ましい組成物は (iii)長鎖エーテルグリコール成分
の量または該 (iii)成分と (iv) ラクトン成分との合計
量が約10〜約50重量%のものである。
【0022】中でもコポリエーテルエステルエラストマ
ーおよびその(ポリ)ラクトン変性物として、ジカルボ
ン酸成分をテレフタル酸、ジオール成分を1,4−ブタ
ンジオール、長鎖エーテルグリコールをポリ(テトラメ
チレンエーテル)グリコールとするコポリエーテルエス
テルエラストマーが好適に例示される。
【0023】本発明において使用されるポリエーテルイ
ミドエステルエラストマーは、一種またはそれ以上のジ
オール、一種またはそれ以上のジカルボン酸および一種
またはそれ以上の高分子量ポリオキシアルキレンジイミ
ドジ酸から製造することができる。かかるポリエーテル
イミドエステルエラストマーの製造については、米国特
許第4,556,705号明細書に記載されている。
【0024】本発明において使用されるポリエーテルイ
ミドエステルエラストマーは、ポリエステルの製造のた
めに慣用される方法、例えばエステル化および縮合反応
によってランダムまたはブロック共重合体を生成するよ
うな手法によって製造することができる。従って、ポリ
エーテルイミドエステルは、一般にジオールおよび酸の
反応生成物として特徴づけることができる。
【0025】本発明において使用される好ましいポリエ
ーテルイミドエステルエラストマーは、(i)一種また
はそれ以上の炭素数2〜15の脂肪族または脂環式ジオ
ール、(ii)一種またはそれ以上の脂肪族、脂環式また
は芳香族ジカルボン酸またはそれらのエステル誘導体、
および(iii)一種またはそれ以上のポリオキシアルキレ
ンジイミドジ酸から製造することができる。ポリオキシ
アルキレンジイミドジ酸の使用量は一般に得られるポリ
エーテルイミドエステルの所望の性質によって左右され
る。一般に、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸 (iii)
対ジカルボン酸(ii)の重量比は、約0.25〜約2.
0、好ましくは約0.4〜約1.4の範囲である。
【0026】上記ポリエーテルイミドエステルの製造に
使用するジオール(i)は、飽和および不飽和の脂肪族
および脂環式ジヒドロキシ化合物ならびに芳香族ジヒド
ロキシ化合物を包含する。これらのジオールは、低分子
量、すなわち約250またはそれ以下の分子量をもつも
のが好ましい。
【0027】特に好ましいジオールは、飽和脂肪族ジオ
ール、それらの混合物および一種またはそれ以上の飽和
脂肪族ジオールと一種またはそれ以上の不飽和脂肪族ジ
オールとの混合物(ただし、各ジオールは2〜8個の炭
素原子を有する)である。二種以上のジオールを使用す
る場合には、全ジオール含量に基づいて少なくとも約6
0モル%、より好ましくは少なくとも80モル%が同一
のジオールであることが好ましい。特に好ましいジオー
ルは、1,4−ブタンジオールを主成分とするものであ
って、最も好ましいジオールは、1,4−ブタンジオー
ル単独である。
【0028】上記ポリエーテルイミドエステルの製造に
使用するジカルボン酸(ii)は、脂肪族、脂環式および
芳香族ジカルボン酸およびそれらのエステル誘導体の中
から選ばれる。好ましいジカルボン酸は、約300より
低い分子量をもつもの、または、炭素数4〜18のもの
が好ましい。しかしながら、より高分子量のジカルボン
酸、特にダイマー酸も使用することができる。
【0029】ポリエーテルイミドエステルの製造に用い
る脂肪族、脂環式および芳香族ジカルボン酸の中では、
芳香族ジカルボン酸および二種以上の芳香族ジカルボン
酸の混合物、ならびに芳香族ジカルボン酸と脂肪族およ
び/または脂環式ジカルボン酸との混合物が好ましく、
芳香族ジカルボン酸単独が特に好ましい。芳香族ジカル
ボン酸の中でも、8〜16個の炭素原子を有する芳香族
ジカルボン酸、とりわけ、フタル酸、テレフタル酸およ
びイソフタル酸のようなベンゼンジカルボン酸、ならび
にこれらのジメチルエステルが好適であって、テレフタ
ル酸ジメチルが最良である。
【0030】上記ポリエーテルイミドエステルの製造に
用いるポリオキシアルキレンジイミドジ酸(iii)は、平
均分子量が約700より大、好ましくは約900より大
である高分子量のジ酸である。これらのジ酸は、2個の
隣接するカルボキシル基または酸無水物基、さらに別の
カルボキシル基(この別のカルボキシル基は、エステル
化し得るものでなければならず、かつ、好ましくはイミ
ド化し得ないものである)を含有する一種またはそれ以
上のトリカルボン酸化合物を高分子量ポリオキシアルキ
レンジアミンでイミド化することによって製造される。
【0031】本発明の熱可塑性エラストマー組成物のゴ
ム成分として使用されるアクリルゴムは、分子中に主鎖
として又は側鎖としてアクリル基及びエポキシ基を有す
る架橋性のゴムで、例えば、エポキシ基含有アクリレー
ト及び/又はメタクリレートを共重合成分として含む共
重合体ゴムを挙げることができる。かかるエポキシ基含
有(メタ)アクリレート共重合体または本発明で用いら
れるエポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴム
は、(1)(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび
/または(メタ)アクリル酸アルコキシ置換アルキルエ
ステル、(2)エポキシ基含有単量体、および必要に応
じて(3)これら(1),(2)と共重合可能な他のエ
チレン性不飽和単量体を重合してなる多元共重合体ゴム
である。
【0032】エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重
合体ゴムの製造に用いる(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル(1)は、下記式:
【0033】
【化1】
【0034】(式中、R1 は、炭素数1〜18のアルキ
ル基であり、R2 は、水素またはメチル基を示す)で表
される。かかる(メタ)アクリル酸アルキルエステルの
具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレ
ート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル
(メタ)アクリレート、2−メチルペンチル(メタ)ア
クリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−デシル(メ
タ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレー
ト、n−オクタデシル(メタ)アクリレートなどが挙げ
られ、中でも、エチル(メタ)アクリレート、n−プロ
ピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリ
レート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキ
シル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート
が好ましい。
【0035】また、(メタ)アクリル酸アルコキシ置換
アルキルエステル(1)は、下記式:
【0036】
【化2】
【0037】(式中、R3 は、水素またはメチル基、R
4 は、炭素数1〜18のアルキレン基、R5 は、炭素数
1〜18のアルキル基を示す)で表される。かかる(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、2
−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−(n−プロポキシ)
エチル(メタ)アクリレート、2−(n−ブトキシ)エ
チル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メ
タ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アク
リレート、2−(n−プロポキシ)プロピル(メタ)ア
クリレート、2−(n−ブトキシ)プロピル(メタ)ア
クリレートなどが挙げられる。
【0038】エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重
合体ゴムの製造に用いるエポキシ基含有単量体として
は、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレ
ート、グリシジルアクリレート、および下記に示す化合
物などが挙げられる(下記各式において、式中のR6
水素またはメチル基を表す)。
【0039】
【化3】
【0040】
【化4】
【0041】
【化5】
【0042】
【化6】
【0043】
【化7】
【0044】
【化8】
【0045】
【化9】
【0046】
【化10】
【0047】
【化11】
【0048】
【化12】
【0049】必要に応じて、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルまたは(メタ)アクリル酸アルコキシ置換ア
ルキルエステル(1)およびエポキシ基含有単量体と共
重合せしめる単量体としては、2−シアノエチル(メ
タ)アクリレート、3−シアノプロピル(メタ)アクリ
レート、4−シアノブチル(メタ)アクリレートなどの
シアノ置換アルキル(メタ)アクリレート、ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレートのようなアミノ置換ア
ルキル(メタ)アクリレート、1,1,1−トリフルオ
ロエチル(メタ)アクリレートのような含フッ素系(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ートのような水酸基置換アルキル(メタ)アクリレー
ト、メチルビニルケトンのようなアルキルビニルケト
ン、ビニルエチルエーテル、アリルメチルエーテルなど
のビニルまたはアリルエーテル、スチレン、α−メチル
スチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどのビニ
ル芳香族化合物、アクリロニトリル、メタアクリロニト
リルなどのビニルニトリル、アクリルアミド、メタアク
リルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどのビニ
ルアミドおよびエチレン、プロピレン、酢酸ビニルなど
が挙げられる。本発明で使用されるアクリルゴムは、好
ましくはアクリル酸とアルキル成分がC3 〜C18のアル
キルエステルよりなるアクリルゴムであり、例えばブチ
ルアクリレート、プロピルアクリレート、ドデシルアク
リレート、ヘキサデシルアクリレートを25重量%以
上、更に好ましくは30〜60重量%含む。
【0050】アクリル基およびエポキシ基を含有するゴ
ム(アクリルゴム)の具体的な成分構成として、耐熱性
の点からは、アルキル(メタ)アクリレートまたはアル
コキシ・アルキル(メタ)アクリレート(1)として、
エチルアクリレート単独で構成し、エポキシ基含有単量
体として、グリシジルメタクリレートで構成した共重合
ゴムが、耐寒性の点からは、アルキル(メタ)アクリレ
ートまたはアルコキシ・アルキル(メタ)アクリレート
(1)として、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
トおよびメトキシエチルアクリレートで構成し、エポキ
シ基含有単量体として、グリシジルメタクリレートで構
成した共重合ゴムが、好適に例示される。さらに、耐熱
性と耐寒性のバランスにおいて、アルキル(メタ)アク
リレートまたはアルコキシ・アルキル(メタ)アクリレ
ート(1)の種類・量を選定するのがよい。また、エポ
キシ基含有単量体成分は、共重合ゴムの架橋において、
エポキシ基が架橋反応に使われるもので、通常1〜20
重量%、好ましくは、1.5〜15重量%、更に好まし
くは、2〜10重量%含有するものが、後述する混練中
に動的に行われる加硫反応性において、好適に用いられ
る。
【0051】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
熱可塑性コポリエステルエラストマーとアクリルゴム
を、30〜90重量%:70〜10重量%(合計100
重量%)、好ましくは30〜80重量%:70〜20重
量%で配合する。熱可塑性コポリエステルエラストマー
の配合量が多過ぎると柔軟性がそこなわれるので好まし
くなく、逆に少な過ぎると機械的強度が低下するととも
に、ゴム相がマトリックス相となり押出し加工時などの
流動性が損なわれるので好ましくない。
【0052】本発明に従った、熱可塑性エラストマー組
成物には、第3成分として、分子内にカルボキシル基及
びカルボン酸無水物基の少なくとも一方をカルボキシル
基として2個以上有する架橋剤化合物を配合するのが好
ましい。かかる架橋剤化合物の典型例としては、例え
ば、以下の化合物をあげることができる。
【0053】本発明の架橋剤は、分子中に2個以上のカ
ルボキシル基および/または1個以上のカルボン酸無水
物基を有する化合物である限り格別制限されない。好ま
しくは、脂肪族、脂環式および芳香族のポリカルボン
酸、その(部分)カルボン酸無水物、ならびに、これら
の化合物と(ポリ)アルキレングリコールとの(部分)
エステル化物が用いられる。架橋剤としては、分子量
5,000以下のものが好ましい。
【0054】脂肪族ポリカルボン酸の具体例としては、
コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカル
ボン酸、ドデセニルコハク酸、ブタンテトラカルボン酸
が挙げられる。脂環式ポリカルボン酸の具体例として
は、シクロペンタンジカルボン酸、シクロペンタントリ
カルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン
酸、メチルシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ
フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチ
ルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸が挙げられる。
芳香族ポリカルボン酸の具体例としては、フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシ
ン酸、ピロメリット酸が挙げられる。(部分)カルボン
酸無水物の具体例としては、これらのポリカルボン酸の
(部分)カルボン酸無水物が挙げられる。
【0055】前記架橋剤化合物の好ましい配合量は、ア
クリルゴム成分100重量部当り0.5〜20重量部、
更に好ましくは1〜15重量部である。かかる架橋剤化
合物を配合することにより、アクリルゴム分散相が架橋
され、機械的強度が向上するとともに、耐セット性が向
上するので好ましい。
【0056】本発明で用いる熱可塑性エラストマー組成
物の構成成分は、前記した通り熱可塑性コポリエステル
エラストマーとアクリルゴムであり、かかる熱可塑性コ
ポリエステルエラストマー組成物は、それを構成するゴ
ム成分の少なくとも一部は架橋されているものである。
かかる熱可塑性コポリエステルエラストマー組成物は、
通常、バンバリーミキサー、ブラベンダーミキサーまた
はその他の混練押出機(2軸混練押出機)等を使用し、
例えば、前記熱可塑性コポリエステルエラストマー及び
前記アクリルゴムの溶融物をこれらの装置内に維持し、
ゴム相を微細に混練分散させつつ、更に加硫剤(架橋
剤)を添加して、ゴム相の架橋が完了するまで、架橋を
促進する温度で混練することによって製造することがで
きる。
【0057】すなわち、このように製造される熱可塑性
エラストマー組成物は、熱可塑性樹脂とゴム組成物とを
素練りをしながらゴムの加硫を進行させる、いわば、動
的に加硫を進行させる動的加硫(Dynamic CureまたはDy
namic Vulcanization)により製造される熱可塑性エラス
トマー組成物である。このような製法を利用することに
より、得られた熱可塑性エラストマー組成物は、少なく
とも一部が連続相となる熱可塑性樹脂相に少なくとも一
部が不連続相となる加硫ゴム相が微細に分散した状態と
なるため、この熱可塑性エラストマー組成物は加硫ゴム
と同様の挙動を示し、かつ、少なくとも連続相が熱可塑
性樹脂相であるため、その成形加工に際しては、熱可塑
性樹脂に準じた加工が可能である。
【0058】このような熱可塑性エラストマー組成物
は、熱可塑性樹脂の少なくとも一部を連続相、ゴム組成
物の少なくとも一部を不連続相として構成し、不連続相
である加硫ゴム組成物の粒子径が50μm以下であるの
が好ましく、さらに、10〜1μmであるのがより好ま
しい。
【0059】なお、混練条件や使用する加硫剤の種類、
量や加硫条件(温度等)等は、添加するゴム組成物の配
合、ゴム組成物の配合量に応じて適宜決定すればよく、
特に限定はされない。
【0060】このような本発明の熱可塑性エラストマー
組成物の製造方法を以下に示す。本発明の熱可塑性エラ
ストマー組成物の製造は、まず、樹脂、ゴム組成物を添
加し、溶融混練し、次いで、混練下で加硫剤を添加し、
ゴムを動的に加硫させることにより行うことが出来る。
【0061】また、本発明の組成物には必要に応じて補
強剤、軟化剤、老化防止剤等の配合剤を添加してもよ
い。ゴム成分への配合剤は上記混練中に添加してもよい
が、加硫剤以外の配合剤は上記混練の前に予め混合して
おくのがよい。樹脂成分への配合剤は、上記混練の前に
予め混合しておいてもよく、また、上記混練中に添加し
てもよい。
【0062】本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製
造に使用する混練機には、特に限定はないが、スクリュ
押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等
が挙げられる。中でも樹脂成分とゴム成分の混練および
ゴム成分の動的加硫を考慮すると、2軸混練押出機を使
用するのが好ましい。さらに、2種類以上の混練機を使
用し、順次混練してもよい。溶融混練の条件としては、
混練温度は、例えば180〜350℃、特に、180〜
300℃であるのが好ましいが、熱可塑性コポリエステ
ルエラストマー成分が溶融する温度以上であれば特に限
定はされない。混練時の剪断速度は、1000〜800
0s-1、特に、1000〜5000s-1であるのが好ま
しい。溶融混練全体の滞留時間は、30秒〜10分、加
硫剤を添加した後の滞留時間(加硫時間)は、15秒〜
5分であるのが好ましい。剪断速度は、スクリュの先端
が描く円の円周に、スクリュの1秒間の回転数を掛けて
得られる積を先端の間隙で除して計算される。すなわ
ち、剪断速度は、先端の間隙で先端の速度を割った値で
ある。ここで、動的加硫を行う部分での滞留時間とは、
動的加硫を行う部分の全容積に充満係数を乗じ、それを
容積流量で除して計算する。
【0063】なお、かかる製法にて熱可塑性エラストマ
ー組成物を製造する場合、使用する熱可塑性エラストマ
ーとアクリルゴム組成物の溶融混練時の粘度と体積分率
の関係は相互に関係があり、通常の混練時温度180℃
〜350℃、剪断速度1000〜8000s-1の範囲で
は下記式の関係とすることが好ましい。 η2 /η1 <4.0 (η1 /η2 )(φ2 /φ1 )<1.0 ここで、η1 :熱可塑性コポリエステルエラストマーの
溶融混練時の粘度 η2 :アクリルゴム組成物の溶融混練時の粘度 φ1 :熱可塑性コポリエステルエラストマーの体積分率 φ2 :アクリルゴム組成物の体積分率 上記式の範囲内で混練することによりゴム比率を広く制
御し、好ましくは高ゴム比率化の実現が可能で、かつ、
柔軟で高破断伸びである熱可塑性エラストマー組成物を
得ることができる。
【0064】本発明に係るホースの補強層には、従来か
らホース用として使用されている各種繊維のものより、
本発明で使用する内外管との親和性に優れ、かつ経済
性、柔軟性、強度及びモジュラスの点で優れるポリエス
テル繊維が特に選定して用いられる。
【0065】本発明で前記補強層と外管との層間に使用
される接着層には、特に、本発明では、ポリエステルを
構成するジカルボン酸が芳香族ジカルボン酸であり、1
20℃でのヤング率が3.0MPa 以上である熱可塑性ポ
リエステル系共重合樹脂を50重量%以上含有する熱可
塑性樹脂組成物が選定使用される。このような熱可塑性
ポリエステル系共重合樹脂としては、芳香族ジカルボン
酸としてテレフタル酸、さらにはイソフタル酸を含み、
ジオールとして1,4−ブタンジオールを含み、さらに
長鎖エーテルグリコールとしてポリ(テトラメチレンエ
ーテル)グリコールを含むブロック・コポリエーテルエ
ステルエラストマーが特に好ましい。当該熱可塑性ポリ
エステル系共重合樹脂の熱時ヤング率に関して、その温
度120℃、引張速度500mm/分で測定したヤング率
が3.0〜500MPa にあるものが好ましく使用でき、
更に5.0〜200MPa にあるものであれば、一層好ま
しく使用できる。この熱時ヤング率が、3.0MPa 未満
のものでは、接着層としての強度が不足し、使用時の圧
力に耐えられず、特に、金具部で外管の破壊とともに金
具が抜ける等の不具合が発生し、またこれが500MPa
超のものでは、接着層が剛直であるため、ホース本体も
剛直となり柔軟性を損なう。更に、接着層が硬直になり
すぎると、外管との接着界面での変形に対する追従性が
劣り、接着界面付近での破壊に至ることになる。
【0066】本発明に係る接着層に使用する熱可塑性ポ
リエステル系共重合樹脂の溶融粘度に関して、温度23
0℃、剪断速度50〜200s-1のいずれかの剪断速度
で測定した溶融粘度が、1〜1000Pa・sであるもの
が好ましく、10〜500Pa・sであるものであれば更
に好ましい。この溶融粘度が1Pa・s未満のものでは、
接着層の押出成形性が悪くなるとともに補強層への含浸
性が過大となり、補強層の硬化等のため補強層性能を悪
くし、また、これが1000Pa・s超であるものでは、
接着層の押出成形性が悪くなるとともに、補強層への含
浸量が極度に低下し、補強層との接着が悪くなる。
【0067】本発明の接着層の成形方法としては、押出
成型が好ましく例示される。押出成形では、外管の成形
のタイミングに関して、(1)外管と同時に押出成形す
る方法、(2)接着層押出直後(接着層の温度が常温に
戻る前)に、外管を押出す方法、および(3)接着層を
形成後、一旦冷却し、再度外管を押出す方法、が想定で
き、いずれの方法でも成形可能であるが、接着性、寸法
安定性および生産性のバランスから前記(2)の方法が
より好ましい方法である。
【0068】本発明に従ったホースを製造するには、先
ず、公知の押出成形により、前記熱可塑性コポリエステ
ルエラストマーにアクリルゴムの加硫物を分散させた熱
可塑性エラストマー組成物を使用してホースの内管を製
造し、その外面に必要に応じ通常の接着剤を塗布した
後、その上に補強ポリエステル繊維をブレードまたはス
パイラル状に巻きつけ、さらに本発明による特定の熱可
塑性ポリエステル系共重合樹脂を用いて押出成形によっ
て接着層を形成し、その直後に、再度前記熱可塑性エラ
ストマー押出成形により外管を被覆する一般的な方法に
よることができる。もちろん、前述したように、前記外
管の製造に際しては前記接着層と外管とを同時押出成形
してもよいし、また、接着層を押出成形後に一旦冷却
し、その後に外管を押出成形する方法を採ってもよい。
なお、前記接着層の厚さには、特に限定はないが、好ま
しくは、それぞれ10〜500μmである。
【0069】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に説明する
が、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでな
いことは言うまでもない。
【0070】実施例1〜8及び比較例1〜5 表Iに示すような構造(材質及び肉厚)の内管、接着剤
層、補強層、接着層および外管からなる内径9.5mm、
外径17.5mmのホースを製造した。 内管押出 表Iに示す内管材料を用い、樹脂押出機により内径9.
5mm、厚さ1.0mmの中空状に押出し、内管を形成し
た。 補強層編組 その上に、湿気硬化型ウレタン系接着剤を塗布後、編組
機によりポリエステル繊維を用いて補強繊維層を成形し
た。 接着層形成 その上に、表Iに示す湿気硬化型ウレタン系接着剤を塗
布、または表Iに示す熱可塑性ポリエステル系共重合樹
脂を樹脂押出機により成形し、接着層を形成した。 外管押出 表Iに示す外管材料を用い、樹脂押出機により1.0mm
の厚さで押出し、外管を成形した。なお、内管/補強層
間の接着剤層としては、ロード・ファー・イースト社製
のタイライト7411湿気硬化型ウレタン系接着剤を用
い、補強層/外管層の接着層には、表Iに示す各組成物
のウレタン系接着剤(比較例1)および熱可塑性ポリエ
ステル系共重合樹脂(比較例2〜5および実施例1〜
8)を用いた。表Iの内管および外管に用いた各組成物
の成分配合は、表IIに示すとおりであり、以下のように
して製造した。まず、アクリルゴムおよび加硫剤以外の
配合剤を、密閉式のゴム用バンバリーミキサに投入して
混練し、次いで、ゴム用ロールを用いてシート状にした
後、ゴム用ペレタイザーでペレット状にした。次いで、
熱可塑性コポリエステルエラストマー、前記ペレット状
のゴム、および相溶化剤を2軸混練押出機に投入し、混
練した後、さらに加硫剤を連続的に投入することにより
熱可塑性コポリエステルエラストマーおよび相溶化剤か
らなるマトリックス中にドメインとして分散しているゴ
ム成分を動的に加硫した。混練条件は、混練温度は例え
ば、180〜350℃、動的加硫を行う部分の滞留時間
15〜300秒、剪断速度1000〜8000s-1であ
る。動的加硫終了後、2軸混練押出機から連続的にスト
ランド状に排出し、水冷後、カッターで長さ約3mm(直
径約2mm)に切断し、ペレット状の熱可塑性エラストマ
ー組成物を得た。
【0071】表Iに示す接着層の各物性(硬度、ヤング
率および溶融粘度)は、以下の試験体を作製し、これに
ついて以下の測定法に基づいて測定した。
【0072】(試験体の作製)熱可塑性エラストマー組
成物のペレットを通常使用される樹脂用プレス成形機
で、230℃で5分、2.9MPa の圧力で2.0mm厚さ
のシート状に成形した。
【0073】(測定法)JIS規格の3号ダンベル形状
(JIS K 6251)の試験片を打抜き機で作製し
た。得られた試験片について、JIS規格に準拠して、
120℃でのヤング率およびタイプDデュロメータ硬さ
(ショアD;JIS K 6253)を測定した。ま
た、溶融粘度はキャピラリー・レオメータにより、測定
温度230℃、剪断速度122s-1、オリフィス径1m
m、キャピラリー長10mmで測定した。
【0074】これらのホースを製造後、ホースの両端部
に金具を取りつけ、表Iに示す所定時間内に下記のよう
にしてホースのインパルス耐久性試験を行った。
【0075】インパルス試験・評価 SAEJ188タイプ1に準拠して試験を行う。オート
マルチ油(出光)、120℃、圧力27.5MPa で60
万回のインパルスを与え、金具抜けおよび本体破壊等の
有無の確認を行う。評価基準を40万回とし、それ以上
で異常なしの場合を合格と判定した。
【0076】得られた結果を表Iに示した。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】以上の結果より、次のことが理解できる。比較例1 比較例1は、従来用いられているウレタン系常温湿気硬
化型接着剤によるホースであり、120℃での熱硬化に
より本体破壊に至るものである。耐久目標回数40万回
に対し、未到達であり所望の性能が得られていない。
【0081】比較例2〜3、実施例1〜7 比較例2〜3は、熱可塑性ポリエステル系共重合樹脂を
接着層に用いたホースであるが、ポリエステルを構成す
るジカルボン酸に脂肪族ジカルボン酸を含み、120℃
でのヤング率が3.0MPa 未満であるため、接着層の耐
熱軟化性に劣り、早期に金具抜けが起こり所望の性能が
得られない。実施例1〜7は、ポリエステルを構成する
ジカルボン酸が芳香族ジカルボン酸であり、120℃で
のヤング率が3.0MPa 以上である熱可塑性ポリエステ
ル系共重合樹脂を接着層に用いたホースの実施例であ
り、目標の耐久回数に達し、所望の性能を満足してい
る。比較例と実施例の比較から、ポリエステルを構成す
るジカルボン酸が芳香族ジカルボン酸であり、120℃
でのヤング率が3.0MPa 以上であるとき、所望のホー
ス耐久回数が得られることがわかる。また、230℃,
122s-1での溶融粘度は、いずれも1000Pa・s以
下であり補強層への含浸効果が得られている。
【0082】実施例8、比較例4〜5 実施例8および比較例4〜5は、いずれも実施例7の熱
可塑性ポリエステル系共重合樹脂に熱可塑性ウレタンエ
ラストマーをブレンドしたもので、熱可塑性ウレタンエ
ラストマーのブレンド量の増加に伴い、120℃でのヤ
ング率が低下する傾向を示すが、比較例4では、120
℃でのヤング率が3.0MPa 以上であるにも拘らず熱可
塑性ポリエステル系共重合樹脂の含有率が50重量%未
満となるため、接着力が不足し、目標の耐久回数に達せ
ずに金具抜けに至り、所望の性能が得られない。これに
対して、実施例8によれば、同様の系でもその熱可塑性
ポリエステル系共重合樹脂の含有率が50重量%以上で
あれば、所望の性能を満足していることがわかる。ま
た、230℃,122s-1での溶融粘度は、いずれも1
000Pa・s以下であり、補強層への含浸効果が得られ
ている。
【0083】実施例中、実施例5〜8は、更に好ましい
例である。即ち、120℃でのヤング率が3.0MPa 以
上であり、熱可塑性ポリエステル系共重合樹脂を50重
量%以上含有する上、更に、該熱可塑性ポリエステル系
共重合樹脂が、芳香族ジカルボン酸とジオールからなる
ポリエステルの繰り返し単位を40モル%以上含有して
いる(実施例2〜3では、40モル%未満である)。ま
た、実施例1および実施例4は、それぞれヤング率およ
び溶融粘度の更に好ましい範囲を示すものでもある。即
ち、実施例1では、120℃でのヤング率が5.0MPa
未満であり、実施例4では、230℃,122s-1での
溶融粘度が500Pa・s超である。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に従えば、
熱可塑性コポリエステルエラストマーとアクリルゴムと
からなる組成物を内管および外管に使用し、かつ補強層
をポリエステル繊維とし、この補強層と外管との層間
に、ポリエステルを構成するジカルボン酸が芳香族ジカ
ルボン酸で、かつ120℃でのヤング率が3.0MPa 以
上である熱可塑性ポリエステル系共重合樹脂を50重量
%以上含有する熱可塑性樹脂組成物を接着層として配す
ることにより、耐油性、柔軟性、耐寒耐熱性に優れる
上、更に耐熱硬化性および耐熱老化性にも優れた高い耐
久性を示すホースを得ることができる。したがって、本
発明によるホースは、高圧流体用等のホースとして特に
有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 孝志 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 (72)発明者 山内 茂 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも内管と補強層と外管を有し、
    該内管が、熱可塑性コポリエステルエラストマーのマト
    リックス中にアクリル基およびエポキシ基を含有するア
    クリルゴム組成物の加硫ゴム粒子が分散した構造であっ
    て、前記熱可塑性コポリエステルエラストマー成分を3
    0〜90重量%、前記アクリルゴムの加硫ゴム成分を7
    0〜10重量%含有する熱可塑性エラストマー組成物で
    あり、該補強層が、ポリエステル繊維から成り、該外管
    が、熱可塑性コポリエステルエラストマーのマトリック
    ス中に、アクリル基およびエポキシ基を含有するアクリ
    ルゴム組成物の加硫ゴム粒子が分散した構造であって、
    前記熱可塑性コポリエステルエラストマー成分を30〜
    90重量%、前記アクリルゴムの加硫ゴム成分を70〜
    10重量%含有する熱可塑性エラストマー組成物であ
    り、少なくとも該補強層と外管の層間に接着層を配した
    ホースにおいて、該接着層が、ポリエステルを構成する
    ジカルボン酸が芳香族ジカルボン酸であり、かつ120
    ℃でのヤング率が3.0MPa 以上である熱可塑性ポリエ
    ステル系共重合樹脂を50重量%以上含有する熱可塑性
    樹脂組成物から成ることを特徴とするホース。
  2. 【請求項2】 前記接着層中の熱可塑性ポリエステル系
    共重合樹脂が、温度230℃、剪断速度50〜200s
    -1のいずれかの剪断速度における溶融粘度が1000Pa
    ・s以下である請求項1に記載のホース。
  3. 【請求項3】 前記接着層中の熱可塑性ポリエステル系
    共重合樹脂が、ポリエステルとポリエーテルの繰り返し
    単位、またはポリエステルとポリイミドエーテルの繰り
    返し単位から成り、該ポリエステルの繰り返し単位を4
    0モル%以上含有する熱可塑性ブロックコポリエステル
    エラストマーである請求項1または2に記載のホース。
JP29036096A 1996-02-09 1996-10-31 ホース Pending JPH10128885A (ja)

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