JPH10130299A - S−(1,2− ジカルボキシエチル) グルタチオンの単離精製法 - Google Patents

S−(1,2− ジカルボキシエチル) グルタチオンの単離精製法

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JPH10130299A
JPH10130299A JP22496997A JP22496997A JPH10130299A JP H10130299 A JPH10130299 A JP H10130299A JP 22496997 A JP22496997 A JP 22496997A JP 22496997 A JP22496997 A JP 22496997A JP H10130299 A JPH10130299 A JP H10130299A
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salt
glutathione
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dicarboxyethyl
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JP22496997A
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Kazumi Ogata
一美 緒方
Hideki Tsuruoka
秀樹 鶴岡
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Senju Pharmaceutical Co Ltd
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Senju Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グルタチオン誘導体の優れた単離精製法を提
供する。 【解決手段】グルタチオン(またはその塩)とフマール
酸(またはその塩)またはマレイン酸(またはその塩)
とを反応させて、S-(1,2- ジカルボキシエチル) グルタ
チオン(またはその塩)を合成する方法において、反
応液中に生成したS-(1,2- ジカルボキシエチル) グルタ
チオン(またはその塩)を銅塩とした後、酢酸、ギ酸ま
たはプロピオン酸水溶液に溶かし、活性炭を加えて、溶
液中に混在するグルタチオン、酸化型グルタチオンおよ
びフマール酸の各銅塩を除去した後、さらに単離した
S-(1,2- ジカルボキシエチル) グルタチオンの銅塩を水
に溶解または懸濁し、これに硫化水素を通して銅を除去
することを特徴とする、S-(1,2- ジカルボキシエチル)
グルタチオンまたはその薬理学的に許容できる塩の単離
精製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グルタチオン誘導
体の単離精製法に関する。さらに詳しくは、S-(1,2- ジ
カルボキシエチル) グルタチオンまたはその薬理学的に
許容できる塩の単離精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】S-(1,2- ジカルボキシエチル) グルタチ
オン(略称:DCE−GS)は、D.H.Calam およびS.G.
Waley らにより、牛水晶体から発見された酸性トリペプ
タイドである(Biochem. J., 86, 226(1963) )。その
後、大森らの研究によって、肝臓や心臓にもDCE−G
Sが存在することが判った(Archives of Biochemistry
and Biophysics Vol.279, No.1,May 15, pp.146-150,
1990) 。また、その薬理作用については、本発明者ら
は、血液凝固阻止作用( 特開昭63-8337)、血小板凝集抑
制作用( 特開平1-79956)、抗炎症作用および/ または抗
アレルギー作用( 特開平3-48626)、ヒスタミン遊離抑制
作用および肝障害抑制作用( 特開平3-118334)などがあ
ることを見い出している。
【0003】DCE−GSは、たとえばグルタチオンと
フマール酸またはマレイン酸とを水溶液中で攪拌するだ
けで容易に生成する。しかしながら、生成したDCE−
GSをその反応液から工業的に高純度で単離精製するこ
とは困難であった。グルタチオンとフマール酸またはマ
レイン酸とを反応させて生成したDCE−GSを、その
反応液から単離精製する方法としては、従来から、次に
述べる3つの方法が知られている。
【0004】DCE−GSの単離精製の一つの方法とし
て、従来、生成した本化合物の遊離酸またはその塩を水
に溶かし、これにアルコールまたはアセトンなどの有機
溶媒を添加して沈澱させて、数回再結晶を繰り返して行
う方法( 特開平3-118334) があるが、この方法において
は溶液中に存在する原料物質であるグルタチオンおよび
フマール酸も一緒に沈澱し、DCE−GSと混在してし
まい、DCE−GSの単離精製が困難であるという欠点
があった。
【0005】つぎに、生成したDCE−GSを一旦銅塩
とした後に、銅塩を水−エタノールから再結晶させる方
法があるが( 特開平3-118334) 、この再結晶によって
も、少量混在するグルタチオン、酸化型グルタチオン、
フマール酸の各銅塩を完全に除去することは困難であっ
た。
【0006】さらに、Waley らの方法は、上記の方法と
同様に、一旦DCE−GSを銅塩とした後に、これを水
に溶かし、オキシキノリンで銅を除去する方法がとられ
ている。しかしながら、この方法によっても、DCE−
GSの単離精製が不充分であることに加えて、オキシキ
ノリンが高価格であり、さらに操作が煩雑であるという
点で工業的に問題があった(Biochem. J. (1963)96,22
6) 。
【0007】このように、従来のいずれの方法によって
も、生成したDCE−GSを高純度で反応液から単離精
製することは困難であった。そこで、本発明者らは、上
記のような欠点のない、工業的に優れたDCE−GSの
単離精製法について鋭意検討した。その結果、生成した
DCE−GSを反応液から単離精製する際に、酢酸、ギ
酸またはプロピオン酸水溶液および活性炭を用いると、
高純度でDCE−GSを単離精製することができること
を発見し、本発明を完成したものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な欠点のない、DCE−GSの優れた単離精製法を提供
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、グ
ルタチオン(またはその塩)とフマール酸(またはその
塩)またはマレイン酸(またはその塩)とを反応させ
て、S-(1,2- ジカルボキシエチル) グルタチオン(また
はその塩)を合成する方法において、反応液中に生成
したS-(1,2- ジカルボキシエチル) グルタチオン(また
はその塩)を銅塩とした後、酢酸、ギ酸またはプロピオ
ン酸水溶液に溶かし、活性炭を加えて、溶液中に混在す
るグルタチオン、酸化型グルタチンおよびフマール酸の
各銅塩を除去した後、さらに単離したS-(1,2- ジカル
ボキシエチル) グルタチオンの銅塩を水に溶解または懸
濁し、これに硫化水素を通して銅を除去することを特徴
とする、S-(1,2- ジカルボキシエチル) グルタチオンま
たはその薬理学的に許容できる塩の単離精製法に関す
る。
【0010】以下、本発明のDCE−GSの単離精製法
についてさらに詳細に説明する。
【0011】まず、たとえば、グルタチオン(またはそ
の塩)とフマール酸(またはその塩)またはマレイン酸
(またはその塩)とを水またはアルコール性水溶液中加
温または室温下で1〜2日間放置することによって、目
的化合物であるDCE−GS(またはその塩)を生成さ
せる。反応液中に生成したDCE−GS(またはその
塩)を酢酸銅(1水和物)などで銅塩とする。これを酢
酸、ギ酸またはプロピオン酸水溶液に溶かし、活性炭を
加えて、未反応または過剰のグルタチオンまたは酸化型
グルタチオンおよびフマール酸(マレイン酸とグルタチ
オンとの反応においては、未反応のマレイン酸がフマー
ル酸に転移する)の各銅塩を活性炭に吸着させて、濾別
して除去する。つぎに、濾液にアルコールなどを加え
て、析出するDCE−GSの銅塩を濾取する。
【0012】さらに、このようにして得られるDCE−
GSの銅塩を水に溶解または懸濁させておき、これに硫
化水素を通じて、硫化銅として銅を濾別し、濾液を減圧
下で濃縮する。このようにして得られる残渣油状物にア
ルコールなどを加えて析出する白色結晶を濾取すると、
遊離酸のDCE−GSが得られる。また、残渣油状物を
水酸化物、炭酸塩や炭酸水素塩などのアルカリ金属イオ
ンまたはアルカリ土類金属イオンを与える物質で中和す
れば、それぞれ対応する塩が得られる。塩への変換は、
DCE−GSを一旦反応液から単離した後に行ってもよ
く、反応液から単離することなく行ってもよい。目的化
合物であるDCE−GSまたはその塩は、ラセミ体(D
CE−GSは分子中に不斉炭素原子を有するので、光学
異性体が存在する)の形で得られ、その純度は98%以上
であった。
【0013】DCE−GSの薬理学的に許容できる塩と
しては、たとえばナトリウム塩、カリウム塩などのアル
カリ金属塩が挙げられ、またカルシウム塩、マグネシウ
ム塩などのアルカリ土類金属塩が挙げられる。これらの
塩は、DCE−GS中に存在するカルボキシル基のうち
の全部が塩を形成していてもよく、またその一部が塩型
となっていてもよい。DCE−GSは、遊離酸より塩類
の方が室温において長期間安定である。
【0014】本発明のDCE−GSの単離精製法におい
ては、DCE−GSの銅塩を再結晶させるために、アル
コールを加えて銅塩を結晶させる前に、酢酸、ギ酸また
はプロピオン酸を用いてDCE−GSの銅塩を溶解させ
る。これらの酸を用いると、DCE−GS銅塩の溶解度
が高まり、さらにアルコールなどを加えてDCE−GS
を結晶化させる際に、結晶化が容易であるという利点が
ある。これに対し、DCE−GSの銅塩を再結晶させる
際に、酸を存在させないと銅塩は微細な結晶となり、濾
取が困難であった。
【0015】また、本発明のDCE−GSの単離精製法
において、DCE−GSの銅塩を再結晶させる際に用い
られる酢酸、ギ酸またはプロピオン酸の代わりに、塩酸
や硫酸などの酸を使用すると、DCE−GSの一部が塩
化銅、硫酸銅などとなり、DCE−GSの銅塩を析出さ
せるためにアルコールを加えると、同時にそれらの塩も
析出してしまうという欠点があった。本発明のDCE−
GSの単離精製法においては、次に、それらを硫化水素
ガスを通して硫化銅として銅を除去するが、銅を除去し
た濾液に塩酸または硫酸が残存し、濾液を濃縮していく
につれてその酸の濃度が高まり、濾液中に存在するDC
E−GSが一部分解してしまうことが判った。さらに、
濾液を中和すると塩酸および硫酸は無機塩となり、アル
コールを加えるとこれら無機塩は沈澱してしまうため、
除去するのが困難であった。これに対し、本発明のDC
E−GSの単離精製法のように、酢酸、ギ酸、プロピオ
ン酸を用いるとそのような欠点がなく、DCE−GSを
高純度で単離精製することができることが判った。
【0016】本発明のDCE−GSの単離精製法に用い
られる、酢酸、ギ酸またはプロピオン酸水溶液の濃度
は、ぞれぞれ1〜50(V/V)%程度が好ましい。
【0017】また、本発明のDCE−GSの単離精製方
法においては、未反応または過剰のグルタチオンまたは
酸化型グルタチオンおよびフマール酸の各銅塩を除去す
る目的で、活性炭を使用する。活性炭を用いないと、数
回再結晶しても、原料物質であるグルタチオンおよびフ
マール酸は除去することができなかった。なぜならば、
グルタチオンの銅塩およびフマール酸の銅塩は、DCE
−GSの銅塩よりも難溶性であるからである。本発明の
DCE−GSの単離精製法に用いられる活性炭の量は、
S-(1,2- ジカルボキシエチル) グルタチオン銅塩に対
し、5〜20(W/W)%程度が好ましい。
【0018】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細
に説明する。
【0019】[実施例1]S-(1,2- ジカルボキシエチ
ル) グルタチオン三ナトリウム塩の合成300ml 入りの三
角フラスコ中で水酸化ナトリウム9.5gを水200ml に溶か
し、これにフマール酸12.75g(0.11mol) およびグルタチ
オン30.7g(0.1mol) を加えて、密栓して、50℃、4時間
攪拌した。
【0020】この反応液に酢酸50mlおよび酢酸銅(1水和
物)22.0g(0.11mol) を加えて攪拌して溶かし、さらに活
性炭約3gを加えて30分間攪拌し、濾過した。活性炭は少
量の水で洗った。濾液と洗液を合わせ冷却後、これにメ
タノール1リットルを一挙に加えて、均一になるまでか
き混ぜ、析出する淡青色の銅塩を濾取し、メタノールで
洗浄し乾燥させる。
【0021】次に、この銅塩を再結晶させるために、10
(V/ V)% の酢酸水溶液400ml に溶かし、活性炭約3gを加
えて、20〜30分間攪拌後、活性炭を濾別し、濾液を冷却
後、これにメタノール1リットルを一挙に加えて、析出
する銅塩を濾取し、メタノールで洗浄する。更に、同様
にして銅塩を再々結晶し、銅塩として40g を得た。
【0022】さらに、得られた銅塩に水800ml を加えて
溶かし( 一部溶けない) 、攪拌下、硫化水素ガスを通じ
て硫化銅として濾別後、濾液を減圧下、40℃以下で濃縮
した。アメ状となった残渣を水200ml に溶かし、これに
10% 水酸化ナトリウム液を滴下してpH7.4 に調整した
後、40℃で濃縮し、アメ状残渣にエタノールを加えて結
晶化させ冷却後、これを濾取した。これを水−エタノー
ルから再結晶させた。得られた結晶を40℃、減圧乾燥さ
せると白色粉末結晶の目的化合物34g(収率:65.8%)を得
た。
【0023】 元素分析 C14H18O10N3SNa3 ・1.5H2O(516.366) として、 理論値(%):C,32.56; H,4.10; N,8.14 実測値(%):C,32.67; H,4.26; N,8.13
【0024】
【発明の効果】本発明の単離精製法によって、グルタチ
オン(またはその塩)とフマール酸(またはその塩)ま
たはマレイン酸(またはその塩)との反応液から目的化
合物であるDCE−GS(またはその塩)を高純度で得
ることができる。したがって、本発明のDCE−GS
(またはその塩)の単離精製法は、工業的に優れた方法
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルタチオン(またはその塩)とフマー
    ル酸(またはその塩)またはマレイン酸(またはその
    塩)とを反応させて、S-(1,2- ジカルボキシエチル) グ
    ルタチオン(またはその塩)を合成する方法において、
    反応液中に生成したS-(1,2- ジカルボキシエチル) グ
    ルタチオン(またはその塩)を銅塩とした後、酢酸、ギ
    酸またはプロピオン酸水溶液に溶かし、活性炭を加え
    て、溶液中に混在するグルタチオン、酸化型グルタチン
    およびフマール酸の各銅塩を除去した後、さらに単離
    したS-(1,2- ジカルボキシエチル) グルタチオンの銅塩
    を水に溶解または懸濁し、これに硫化水素を通して銅を
    除去することを特徴とする、S-(1,2- ジカルボキシエチ
    ル) グルタチオンまたはその薬理学的に許容できる塩の
    単離精製法。
  2. 【請求項2】 S-(1,2- ジカルボキシエチル) グルタチ
    オン銅塩に対する活性炭の量が5〜20(W/W) %であっ
    て、酢酸、ギ酸またはプロピオン酸水溶液の濃度が1〜
    50(V/V) %である請求項1記載の単離精製法。
JP22496997A 1996-09-04 1997-08-21 S−(1,2− ジカルボキシエチル) グルタチオンの単離精製法 Withdrawn JPH10130299A (ja)

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