JPH10173254A - 2端子型非線形素子の製造のための非水系化成液、2端子型非線形素子の製造方法、2端子型非線形素子および液晶表示パネル - Google Patents

2端子型非線形素子の製造のための非水系化成液、2端子型非線形素子の製造方法、2端子型非線形素子および液晶表示パネル

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JPH10173254A
JPH10173254A JP8342423A JP34242396A JPH10173254A JP H10173254 A JPH10173254 A JP H10173254A JP 8342423 A JP8342423 A JP 8342423A JP 34242396 A JP34242396 A JP 34242396A JP H10173254 A JPH10173254 A JP H10173254A
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nonlinear element
terminal
substrate
aqueous chemical
conductive film
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JP8342423A
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Takashi Inoue
孝 井上
Takeyoshi Ushiki
武義 宇敷
Takumi Seki
琢巳 関
Makoto Ue
誠 宇恵
Bunichi Mizutani
文一 水谷
Sachie Takeuchi
佐千江 竹内
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Seiko Epson Corp
Mitsubishi Chemical Corp
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Seiko Epson Corp
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 素子容量が充分に小さく、電流−電圧特性の
急峻性が充分に大きく、かつ素子抵抗が広い電圧範囲に
おいて充分に一様であるMIM型非線形素子およびこれ
を用いた高画質の液晶表示パネルを提供し、さらに、前
記MIM型非線形素子の製造のための非水系化成液およ
びこの化成液を用いた製造方法を提供する。 【解決手段】 非水系化成液は、有機溶媒および溶質を
含み、かつ電気電導率が1ms/cm以上100ms/
cm以下である。前記溶質は、カルボン酸塩および無機
オキソ酸塩の少なくとも一方からなることが望ましい。
MIM型非線形素子20は、その絶縁膜24が前記非水
系化成液を用いた陽極酸化によって形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチング素子
に用いられる2端子型非線形素子の製造のための非水系
化成液、この非水系化成液を用いた2端子型非線形素子
の製造方法、この製造方法によって得られる2端子型非
線形素子およびこれを用いた液晶表示パネルに関する。
【0002】
【背景技術】アクティブマトリクス方式の液晶表示装置
は、画素領域毎にスイッチング素子を設けてマトリクス
アレイを形成したアクティブマトリクス基板と、たとえ
ばカラーフィルタを設けた対向基板との間に液晶を充填
しておき、各画素領域毎の液晶の配向状態を制御して、
所定の画像情報を表示するものである。スイッチング素
子としては、一般に、薄膜トランジスタ(TFT)など
の3端子素子または金属−絶縁体−金属(MIM端子)
型非線形素子(以下、「MIM素子」ともいう。)など
の2端子素子が用いられている。そして、2端子素子を
用いたスイッチング素子は、3端子素子に比べ、クロス
オーバ短絡の発生がなく、製造工程を簡略化できるとい
う点で優れている。
【0003】MIM素子を用いた液晶表示装置におい
て、コントラストが高く、かつ、表示ムラ、残像および
焼き付きなどの現象が認識できない高画質の液晶表示パ
ネルを実現するためには、MIM素子の特性として以下
の条件を満足することが重要である。
【0004】(1)MIM素子の容量が液晶表示パネル
の容量に対して充分に小さいこと、(2)MIM素子の
電流−電圧特性の経時変化が充分に小さいこと、(3)
MIM素子の電流−電圧特性の対称性が良いこと、
(4)MIM素子の電流−電圧特性の急峻性が充分に大
きいこと、(5)MIM素子の素子抵抗が広い電圧範囲
において充分に一様であること。
【0005】すなわち、コントラストを高くするために
は、MIM素子の容量が液晶表示パネルの容量に対して
充分に小さく、かつ、MIM素子の電流−電圧特性の急
峻性が充分に大きいことが必要である。表示ムラが認識
できないようにするには、MIM素子の素子抵抗が広い
電圧範囲において、充分に一様であることが必要であ
る。残像が認識できないようにするには、MIM素子の
電流−電圧特性の経時変化が充分に小さいことが必要で
ある。さらに、焼き付きが認識できないようにするに
は、MIM素子の電流−電圧特性の経時変化が充分に小
さく、かつ、MIM素子の電流−電圧特性の対称性が良
いこと、が必要である。
【0006】ここで、「残像」とは、ある画像を数分表
示した後に異なる画像を表示したときに、以前に表示し
ていた画像が認識される現象のことである。また、「焼
き付き」とは、ある画像を数時間表示した後に異なる画
像を表示したときに、以前に表示していた画像が認識さ
れる現象のことである。さらに、「電流−電圧特性の対
称性がよいこと」とは、ある電圧において、第1の導電
膜から第2の導電膜に電流を流すときと、第2の導電膜
から第1の導電膜に電流を流すときと、の電流の絶対値
の差が充分に小さくなることである。
【0007】MIM素子の技術を開示した文献としては
以下のものが例示される。
【0008】(a)たとえば、特開昭52−14909
0号公報においては、タンタルからなる第1の導電膜
と、この第1の導電膜が陽極酸化されて形成される金属
酸化膜からなる絶縁膜と、この絶縁膜の表面に形成され
たクロムからなる第2の導電膜とから構成されるMIM
素子が開示されている。前記絶縁膜は、第1の導電膜の
表面を陽極酸化して形成されることにより、ピンホール
がなく均一の膜厚で形成されている。また、特開昭57
−122478号公報では、陽極酸化の化成液(電解
液)として、クエン酸の希薄水溶液を用いることが開示
されている。
【0009】これらの技術においては、前述したMIM
素子の特性の内(2)〜(5)の各特性において必ずし
も充分に良好でなかった。すなわち、電流−電圧特性の
経時変化、対称性および急峻性の点で不充分であり、か
つ、素子抵抗が広い電圧範囲において充分に一様でなか
った。そのため、このMIM素子を用いた液晶表示パネ
ルでは、広い温度範囲においてコントラストを高く保つ
ことが困難で、表示ムラも発生しやすいという問題があ
った。
【0010】(b)国際公開された国際出願PCT/J
P94/00204(国際公開番号WO94/1860
0)においては、MIM素子の第1の導電膜として、タ
ンタルにタングステンを添加した合金膜を用いた構造が
開示されている。
【0011】この技術においては、MIM素子の第1の
導電膜を、タンタルに変えてタンタルとタングステンな
どの特定の元素との合金膜にしたため、前述した特性
(2)および(3)、すなわちMIM素子の電流−電圧
特性の経時変化および対称性の点が、前述の文献(a)
の技術に比べて改善されたことから、残像を認識できな
いようなレベルにでき、さらに、広い温度範囲でコント
ラストを高く保つことができるようになった。しかしな
がら、この技術でも高温時のコントラスト特性が要求さ
れるような用途においては、マージンが不充分であると
いう問題があった。
【0012】(c)Jpn.J.Appl.Phys,
31,4582(1992)においては、MIM素子の
絶縁膜を形成するための陽極酸化の化成液としてリン酸
やホウ酸アンモニウムの希薄水溶液を用いることが開示
されている。
【0013】この技術においては、前述した特性の
(2)および(3)、つまりMIM素子の電流−電圧特
性の経時変化および対称性の点が、前述の文献(a)に
比べて改良され、残像が認識できないようなレベルにで
き、さらに広い温度範囲でコントラストを高く保つこと
ができるようになった。しかしながら、この技術でも、
素子の信頼性が低く短絡によって破壊されやすく、表示
ムラが発生しやすい、という問題があった。
【0014】(d)さらに、特開平2−93433号公
報においては、MIM素子の第1の導電膜としてタンタ
ルとシリコンの合金膜を用いた構造が開示されている。
【0015】この技術においては、前述の文献(a)の
技術に比較して、電流−電圧特性の急峻性を改善するこ
とができ、広い温度範囲において充分なマージンをもっ
てコントラストを高く保つことができるようになった。
しかしながら、この技術でも、素子の信頼性が低く破壊
されやすく、表示ムラが発生しやすい、という問題点が
あった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
したMIM素子に要求される特性(1)〜(5)に優
れ、特に、素子容量が充分に小さく、電流−電圧特性の
急峻性が充分に大きく、かつ素子抵抗が広い電圧範囲に
おいて充分に一様である2端子型非線形素子、およびこ
れを用いた、コントラストが高く、表示ムラのない高画
質の液晶表示パネルを提供することにある。
【0017】さらに、本発明の他の目的は、上述した優
れた特性を有する2端子型非線形素子の製造のための非
水系化成液およびこの化成液を用いた製造方法を提供す
ることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る2端子型非
線形素子(以下、「MIM型非線形素子」という)の製
造のための非水系化成液は、有機溶媒および溶質を含
み、かつ電気電導率が1ms/cm以上100ms/c
m以下であることを特徴とする。なお、本発明に係るM
IM型非線形素子は、第2の導電膜が金属に限定され
ず、ITOなどの導電膜を含む。
【0019】この化成液を用いて、基板上に形成され
た、タンタルあるいはタンタル合金からなる第1の導電
膜を陽極酸化することにより、膜質が均一でかつ膜厚が
基板全面において充分均一な酸化膜を形成することがで
きる。従って、前記化成液を用いた陽極酸化によって得
られるMIM型非線形素子は、その素子抵抗が広い電圧
範囲において充分に一様である。
【0020】そして、陽極酸化時に溶質または溶媒、あ
るいはその両者が酸化膜内に取り込まれることにより、
酸化膜(絶縁膜)の比誘電率を低下させて適正な範囲と
することができる。その結果、得られるMIM型非線形
素子は、容量が充分に小さく、かつ、電流−電圧特性の
急峻性が大きいものとなる。
【0021】前記溶質は、カルボン酸塩および無機オキ
ソ酸塩の少なくとも一方からなることが望ましい。
【0022】前記カルボン酸塩は、芳香族モノカルボン
酸および水酸基のない脂肪族ジカルボン酸の群から選ば
れる一種以上のカルボン酸の塩であることが望ましい。
【0023】前記無機オキソ酸塩は、オキソ酸の中心原
子が3族から7族に属する原子であることが望ましい。
さらに、前記無機オキソ酸塩は、硝酸塩、バナジン酸
塩、リン酸塩、クロム酸塩、タングステン酸塩、モリブ
デン酸塩、ケイ酸塩、過レニウム酸塩および硫酸塩から
なる群から選ばれる一種以上であることが望ましい。
【0024】前記有機溶媒は、エチレングリコールおよ
びγ−ブチロラクトンの少なくとも一方からなることが
望ましい。
【0025】本発明の非水系化成液および製造方法を用
いて得られた、本発明のMIM型非線形素子は、前述し
たように、容量が小さいこと、電流−電圧特性の急峻性
が大きいこと、および素子抵抗が広い電圧範囲において
充分に一様であること、などの優れた特性を有する。
【0026】さらに、本発明の液晶表示パネルは、上述
したMIM型非線形素子を備えたことを特徴とし、より
具体的には、透明な基板、この基板上に所定のパターン
で配設された一方の信号線、この信号線に所定のピッチ
で接続された本発明のMIM型非線形素子、およびこの
MIM型非線形素子に接続された画素電極を備えた第1
の基板と、前記画素電極に対向する位置に他方の信号線
を備えた第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基
板との間に封入された液晶層と、含むことを特徴とす
る。この液晶表示パネルによれば、コントラストが高
く、表示ムラなどが発生しにくく、したがって高品質の
画像表示が可能であり、幅広い用途に適用することがで
きる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照しながら説明する。
【0028】(MIM型非線形素子および液晶表示パネ
ル)図1は、本発明のMIM型非線形素子を用いた液晶
駆動電極の1単位を模式的に示す平面図であり、図2
は、図1におけるA−A線に沿った部分を模式的に示す
断面図である。
【0029】MIM型非線形素子20は、絶縁性ならび
に透明性を有する基板、たとえばガラス,プラスチック
などからなる基板(第1の基板)30と、この基板30
の表面に形成された絶縁膜31と、タンタルあるいはタ
ンタル合金からなる第1の導電膜22と、この第1の導
電膜22の表面に陽極酸化によって形成された絶縁膜2
4と、この絶縁膜24の表面に形成された第2の導電膜
26とから構成されている。そして、前記MIM型非線
形素子20の第1の導電膜22は信号線(走査線または
データ線)12に接続され、第2の導電膜26は画素電
極34に接続されている。
【0030】前記絶縁膜31は、たとえば酸化タンタル
から構成されている。前記絶縁膜31は、第2の導電膜
26の堆積後に行われる熱処理よって第1の導電膜22
の剥離が生じないこと、および基板30からの第1の導
電膜22への不純物の拡散を防止することを目的として
形成されているので、これらのことが問題にならない場
合は必ずしも必要でない。
【0031】前記第1の導電膜22は、タンタル単体、
あるいはタンタルを主成分とし、これに周期律表で6,
7および8族に属する元素を含ませた合金膜としてもよ
い。合金に添加される元素しては、たとえばタングステ
ン,クロム,モリブデン,レニウム,イットリウム,ラ
ンタン,ディスプロリウムなどを好ましく例示すること
ができる。特に、前記元素としてはタングステンが好ま
しく、その含有割合はたとえば0.2〜6原子%である
ことが好ましい。
【0032】前記絶縁膜24は、後に詳述するように、
特定の非水系化成液中で陽極酸化することによって形成
される。そして、この絶縁膜24は、前記第1の導電膜
22に含まれる添加元素を含むと共に、化成液中の溶媒
および溶質の少なくとも一方を構成する物質、好ましく
は炭素原子および/または無機オキソ酸塩の中心原子,
水素などを含んで構成される。
【0033】前記第2の導電膜26は特に限定されない
が、通常クロムによって構成される。また、前記画素電
極34は、ITO膜等の透明導電膜から構成される。
【0034】また、図3に示すように、第2の導電膜お
よび画素電極は、同一の透明導電膜36によって構成し
てもよい。このように第2の導電膜および画素電極を単
一の膜で形成することにより、膜形成に要する製造工程
を少なくすることができる。
【0035】次に、前記MIM型非線形素子20を用い
た液晶表示パネルの一例について説明する。
【0036】図4は、前記MIM型非線形素子20を用
いたアクティブマトリクス方式の液晶表示パネルの等価
回路の一例を示す。この液晶表示パネル10は、走査信
号駆動回路100およびデータ信号駆動回路110を含
む。液晶表示パネル10には、信号線、すなわち複数の
走査線12および複数のデータ線14が設けられ、前記
走査線12は前記走査信号駆動回路100により、前記
データ線14は前記データ信号駆動回路110により駆
動される。そして、各画素領域16において、走査線1
2と信号線14との間にMIM型非線形素子20と液晶
表示要素(液晶層)40とが直列に接続されている。な
お、図4では、MIM型非線形素子20が走査線12側
に接続され、液晶表示要素40がデータ線14側に接続
されているが、これとは逆にMIM型非線形素子20を
データ線14側に、液晶表示要素40を走査線12側に
設ける構成としてもよい。
【0037】図5は、本実施の形態に係る液晶表示パネ
ルの構造の一例を模式的に示す斜視図である。この液晶
表示パネル10は、2枚の基板、すなわち第1の基板3
0と第2の基板32とが対向して設けられ、これらの基
板30,32間に液晶が封入されている。前記第1の基
板30上には、前述したように、絶縁膜31が形成され
ている。この絶縁膜31の表面には、信号線(走査線)
12が複数設けられている。そして、第2の基板32に
は、前記走査線12に交差するようにデータ線14が短
冊状に複数形成されている。さらに、画素電極34はM
IM素子20を介して走査線12に接続されている。
【0038】そして、走査線12と信号線14とに印加
された信号に基づいて、液晶表示要素40を表示状態,
非表示状態またはその中間状態に切り替えて表示動作を
制御する。表示動作の制御方法については、一般的に用
いられる方法を適用できる。
【0039】(化成液)次に、本発明の化成液について
詳細に説明する。
【0040】本発明の化成液は、有機溶媒および溶質を
含んでなる非水系化成液である。そして、この非水系化
成液の電気伝導率は1〜100ms/cm、好ましくは
1〜10ms/cmである。一般に、電解液の電気伝導
率は溶質の濃度に依存し、溶質濃度が高いほど電気伝導
率が高くなるため、溶質は有機溶媒に溶解しやすいもの
が好ましい。
【0041】前記溶質は特に限定されず、有機酸塩ある
いは無機酸塩のいずれでもよいが、カルボン酸塩あるい
は無機オキソ酸塩であることが好ましい。
【0042】前記カルボン酸塩としては、たとえば芳香
族モノカルボン酸および水酸基のない脂肪族ジカルボン
酸の群から選ばれる一種以上のカルボン酸の塩が挙げら
れる。また、カルボン酸としては炭素数2〜8の低分子
量のものが好ましい。
【0043】芳香族モノカルボン酸の具体例としては、
安息香酸、トルイル酸、サリチル酸、レゾルシン酸など
を、水酸基のない脂肪族ジカルボン酸の具体例として
は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸などの飽和カルボン酸、およびマレイン酸、シト
ラコン酸などの不飽和カルボン酸を例示することができ
る。
【0044】無機オキソ酸塩としては、オキソ酸の中心
原子が周期律表で3族〜7族に属する原子であるものの
塩が好ましい。オキソ酸は、硝酸、リン酸、ホウ酸、ケ
イ酸および硫酸のように中心原子が非金属であっても、
クロム酸、バナジン酸、タングステン酸、モリブデン酸
および過レニウム酸のように中心原子が金属であっても
よい。また、オキソ酸は、ポリ酸であってもよく、さら
にイソポリ酸でもヘテロポリ酸でもよい。
【0045】また、塩を形成する陽イオンとしては、ア
ンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、1,2,3ま
たは4級のアルキルアンモニウムイオン、ホスホニウム
イオンおよびスルホニウムイオンなどを例示することが
できるが、特にアンモニウムイオンおよび1,2,3ま
たは4級のアルキルアンモニウムイオンが好ましい。ア
ルキルアンモニウムイオンの場合には、有機溶媒への溶
解性を考慮してアルキル基の大きさを選択すれば良い。
【0046】上記溶質の中では、サリチル酸アンモニウ
ム、γ−レゾルシン酸アンモニウム、安息香酸アンモニ
ウム、マロン酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウム
およびマレイン酸アンモニウムが好ましく、サリチル酸
アンモニウムが最も好ましい。
【0047】有機溶媒としては、エチレングリコール、
メチルセロソルブ等のアルコール系溶媒、γ−ブチロラ
クトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等の
ラクトン系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカ
ーボネート、ブチレンカーボネート等のカーボネート系
溶媒;N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチル
ホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等のアミド
系溶媒;3−メトキシプロピオニトリル、グルタロニト
リル等のニトリル系溶媒;トリメチルホスフェート、ト
リエチルホスフェート等のリン酸エステル系溶媒の群か
ら選ばれた1種以上の溶媒および混合溶媒を使用するこ
とができる。これらの有機溶媒には、ヘキサン、トルエ
ン、シリコ−ンオイル等の非極性溶媒を添加することも
できる。
【0048】上記有機溶媒の中でも、エチレングリコー
ルおよびγ−ブチロラクトンの単独あるいは混合溶媒が
好ましい。これらの有機溶媒には20重量%以下の水を
添加して用いることもできるが、添加する水は10重量
%以下であることが好ましい。
【0049】溶質の濃度は、化成液の電気電導率、陽極
酸化膜中への溶質の添加量、pHなどの点を考慮して規
定される。たとえば、有機溶媒に溶解されるカルボン酸
塩の濃度は、好ましくは1〜30重量%であり、より好
ましくは1〜10重量%である。また、有機溶媒に溶解
される無機オキソ酸塩の濃度は、好ましくは1〜30重
量%、より好ましくは1〜10重量%である。
【0050】(MIM型非線形素子の製造プロセス)次
に、たとえば図2に示すMIM型非線形素子20の製造
方法について説明する。本発明の製造方法においては、
第1の導電膜を特定の非水系化成液中おいて陽極酸化す
ることを特徴としている。
【0051】MIM型非線形素子20は、たとえば以下
のプロセスによって製造される。
【0052】(a)まず、基板30上に酸化タンタルか
らなる絶縁膜31が形成される。絶縁膜31は、例えば
スパッタリング法で堆積したタンタル膜を熱酸化する方
法、あるいは酸化タンタルからなるターゲットを用いた
スパッタリングやコスパッタリング法により形成するこ
とができる。この絶縁膜31は、第1の導電膜22の密
着性を向上させ、さらに基板30からの不純物の拡散を
防止するために設けられるものであるので、たとえば5
0〜200nm程度の膜厚で形成される。
【0053】次いで、絶縁膜31上に、タンタルあるい
はタンタル合金からなる第1の導電膜22が形成され
る。第1の導電膜の膜厚は、MIM型非線形素子の用途
によって好適な値が選択され、通常100〜500nm
程度とされる。第1の導電膜はスパッタリング法や電子
ビーム蒸着法で形成することができる。タンタル合金か
らなる第1の導電膜を形成する方法としては、混合ター
ゲットを用いたスパッタリング法、コスパッタリング法
あるいは電子ビーム蒸着法などを用いることができる。
タンタル合金に含まれる元素としては、周期律表で6,
7および8族の元素、好ましくはタングステン、クロ
ム、モリブデン、レニウムなどの前述し た元素を選択
することができる。
【0054】前記第1の導電膜22は、一般に用いられ
ているフォトリソグラフィおよびエッチング技術によっ
てパターニングされる。そして、第1の導電膜22の形
成工程と同じ工程で信号線(走査線またはデータ線)1
2が形成される。
【0055】(b)次いで、陽極酸化法を用いて前記第
1の導電膜22の表面を酸化させて、絶縁膜24を形成
する。このとき、信号線12の表面も同時に酸化され絶
縁膜が形成される。前記絶縁膜24は、その用途によっ
て好ましい膜厚が選択され、たとえば20〜70nm程
度とされる。
【0056】陽極酸化は、化成液が安定に液体として存
在する温度範囲で行われ、この温度範囲は一般的に−2
0〜150℃であり、好ましくは室温〜100℃であ
る。また、陽極酸化時の電流および電圧の制御方法は特
に限定されないが、通常、予め定められた化成電圧(V
f)まで定電流で陽極酸化を行い、化成電圧Vfに達し
た後に、その電圧に一定時間保持される。この際の電流
密度は、好ましくは0.001〜10mA/cm2、よ
り好ましくは0.01〜1mA/cm2である。また、
化成電圧Vfは液晶表示パネルを作製する際の駆動回路
の設計にもよるが、通常、5〜100Vであり、好まし
くは10〜40Vである。
【0057】陽極酸化に用いられる化成液は、前述した
ように、特定の電気伝導率を有する非水系化成液であっ
て、この化成液によって基板面内で均一な膜厚および特
性を有する絶縁膜を得ることができる。そして、陽極酸
化時に、化成液中の溶質および溶媒の少なくとも一方が
酸化膜の中に取り込まれ、溶質あるいは溶媒を構成する
元素、好ましくは炭素および/または無機オキソ酸塩の
中心原子,水素などが酸化膜内に取り込まれることによ
り、絶縁膜の比誘電率を好適な範囲に設定することがで
きる。
【0058】(c)次いで、クロム,アルミニウム,チ
タン,モリブデンなどの金属膜を例えばスパッタリング
法によって堆積させることにより、第2の導電膜26が
形成される。第2の導電膜は、たとえば膜厚50〜30
0nmで形成され、その後通常使用されているフォトリ
ソグラフィおよびエッチング技術を用いてパターニング
される。次いで、ITO膜をスパッタリング法などによ
って膜厚30〜200nmで堆積させ、通常用いられる
フォトリソグラフィおよびエッチング技術を用いて所定
のパターンの画素電極34が形成される。
【0059】なお、図3に示すMIM型非線形素子20
においては、第2の導電膜と画素電極とが同一のITO
膜等の透明導電膜36によって形成される。この場合、
第2の導電膜と画素電極とを同一工程において形成でき
るため、製造プロセスをより簡略化することができる。
【0060】
【実施例】以下に、本発明の具体的な実施例および比較
例を挙げて、さらに詳細に説明する。
【0061】(実施例1)ガラス基板上にスパッタリン
グ法で膜厚200nmのタンタル膜を堆積し、第1の導
電膜を形成した。次いで、10重量%のサリチル酸アン
モニウムのエチレングリコール溶液を化成液として用
い、電流密度0.1mA/cm2で電圧30Vに至るま
で定電流電解を行い、その後、約2時間にわたって電圧
30Vで定電圧電解を行い、前記タンタル膜の陽極酸化
を行った。その結果、厚さ約50nmの酸化タンタル膜
が形成された。なお、前記化成液について電気伝導率計
を用いてその電気伝導率を測定したところ、2.74m
S/cmであった。
【0062】さらに、窒素雰囲気下において、400℃
で熱処理を行い、陽極酸化膜(絶縁膜)を安定化させた
後、この絶縁膜上にスパッタリング法によりクロムを膜
厚150nmで堆積させて第2の導電膜を形成し、MI
M型非線形素子を作製した。
【0063】上記の方法で作成した4μm角のパターン
を有するMIM型非線形素子の静電容量は51fFであ
った。なお、静電容量の測定は、前記4μm角のMIM
型非線形素子を1000個並列に接続して、周波数10
kHzの交流を印加して行ったものである。また、エリ
プソメータによって絶縁膜の膜厚を測定したところ4
8.3nmであった。そして、得られた静電容量および
膜厚より絶縁膜の比誘電率を算出したところ17.5で
あった。
【0064】また、このMIM型非線形素子の電流−電
圧特性を測定し、その平均値をプロットした結果を図5
に示した。この曲線の勾配から、急峻性を表す非線形係
数(β値)を算出すると6.1であった。
【0065】さらに、素子の均一性を調べるため、同一
基板上に作製した5個のMIM型非線形素子に10Vの
電圧を印加したときに流れた電流値(単位:A)の対数
の最大値と最小値の差(以下、この値を「r値」と呼
ぶ)を求めると、0.24であった。なお、r値の評価
については、以下の3段階で行うこととする。
【0066】 ◎ 0.5以下 ○ 0.5〜1 × 1以上 化成液の電気伝導率、絶縁膜の比誘電率、β値およびr
値を表1に示した。
【0067】さらに、上述の方法で作成されたMIM型
非線形素子を用いて液晶表示パネルを作製したところ、
0〜80℃の温度範囲において100以上のコントラス
トを得ることができ、かつ表示ムラも認められなかっ
た。
【0068】(比較例1)実施例1における化成液に変
えて、2重量%のクエン酸のエチレングリコール溶液を
用いた他は、実施例1と同様にしてMIM型非線形素子
を作製した。このMIM型非線形素子について実施例1
と同様に、化成液の電気伝導率、絶縁膜の比誘電率、β
値およびr値を求めた。その結果を表1に示した。
【0069】(実施例2〜7、比較例2)実施例1にお
ける化成液の変わりに以下に示す化成液を用いた他は、
実施例1と同様にしてMIM型非線形素子を作製した。
すなわち、実施例2においては、化成液として9重量%
のマレイン酸ジアンモニウムのエチレングリコール溶液
を、実施例3においては、化成液として10重量%のマ
ロン酸ジアンモニウムのエチレングリコール溶液を、実
施例4においては、化成液として10重量%のサリチル
酸アンモニウムのγ−ブチロラクトン溶液を、実施例5
においては、化成液として10重量%の硝酸アンモニウ
ムのエチレングリコール溶液を、実施例6においては、
化成液として10重量%のバナジン酸テトラエチルアン
モニウムのエチレングリコール溶液を、および比較例2
においては、化成液として2重量%の酒石酸ジアンモニ
ウムのエチレングリコール溶液を用いた。
【0070】さらに、得られたMIM型非線形素子につ
いて、実施例1と同様に、化成液の電気伝導率、絶縁膜
の比誘電率、β値およびr値を求めた。その結果を表1
に示した。
【0071】
【表1】 表1から明らかなように、本発明の実施例によれば、絶
縁膜の比誘電率は小さく、電流−電圧特性の急峻性を示
すβ値が充分に大きいことが確認された。さらに、本発
明の実施例によれば、化成液の電気伝導率が大きいの
で、r値の小さい、つまり均質な酸化膜が得られること
を確認した。これに対し、比較例においては、絶縁膜の
比誘電率は小さくなり、β値も充分に大きくなるが、電
流−電圧特性のバラツキが大きく、いずれもr値が大き
くて測定できないほどの不均質な酸化膜しか得られなか
った。また、比較例の素子においては、通常の駆動に用
いる電圧を印加した場合、素子が短絡して破壊されるこ
ともあった。
【0072】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のMIM型非線形素子を適用した液晶表
示パネルの要部を示す平面図である。
【図2】図1におけるA−A線に沿った断面図である。
【図3】本発明のMIM型非線形素子の他の構成例を示
す断面図である。
【図4】本発明の液晶表示パネルの等価回路を示す図で
ある。
【図5】本発明の液晶表示パネルを示す斜視図である。
【図6】本発明の実施例に係るMIM型非線形素子の印
加電圧と電流値との関係を示す図である。
【符号の説明】
10 液晶表示パネル 12 走査線 14 データ線 16 画素領域 20 MIM型非線形素子 22 第1の導電膜 24 絶縁膜 26 第2の導電膜 30 第1の基板 32 第2の基板 34 画素電極 40 液晶表示要素 100 走査信号駆動回路 110 データ信号駆動回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関 琢巳 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 宇恵 誠 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 (72)発明者 水谷 文一 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 (72)発明者 竹内 佐千江 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶媒および溶質を含み、かつ電気電
    導率が1ms/cm以上100ms/cm以下であるこ
    とを特徴とする2端子型非線形素子の製造のための非水
    系化成液。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記溶質は、カルボン酸塩および無機オキソ酸塩の少な
    くとも一方からなることを特徴とする2端子型非線形素
    子の製造のための非水系化成液。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記カルボン酸塩は、芳香族モノカルボン酸および水酸
    基のない脂肪族ジカルボン酸の群から選ばれる一種以上
    のカルボン酸の塩であることを特徴とする2端子型非線
    形素子の製造のための非水系化成液。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記カルボン酸塩は、サリチル酸塩、レゾルシン酸塩、
    安息香酸塩、マロン酸塩、マレイン酸塩およびアジピン
    酸塩からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴
    とする2端子型非線形素子の製造のための非水系化成
    液。
  5. 【請求項5】 請求項2において、 前記無機オキソ酸塩は、オキソ酸の中心原子が3族から
    7族に属する原子であることを特徴とする2端子型非線
    形素子の製造のための非水系化成液。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記無機オキソ酸塩は、硝酸塩、バナジン酸塩、リン酸
    塩、クロム酸塩、タングステン酸塩、モリブデン酸塩、
    ケイ酸塩、過レニウム酸塩および硫酸塩からなる群から
    選ばれる一種以上であることを特徴とする2端子型非線
    形素子の製造のための非水系化成液。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記無機オキソ酸塩は、硝酸アンモニウムまたはバナジ
    ン酸のアルキルアンモニウム塩であることを特徴とする
    2端子型非線形素子の製造のための非水系化成液。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれかにお
    いて、 前記有機溶媒は、エチレングリコールおよびγ−ブチロ
    ラクトンの少なくとも一方からなることを特徴とする2
    端子型非線形素子の製造のための非水系化成液。
  9. 【請求項9】 (a)基板上に、タンタルあるいはタン
    タル合金からなる第1の導電膜を形成する工程、 (b)前記第1の導電膜を、請求項1ないし請求項8の
    いずれかに記載の非水系化成液中で陽極酸化して、該第
    1の導電膜の表面に絶縁膜を形成する工程、 (c)前記絶縁膜の表面に第2の導電膜を形成する工
    程、を含むことを特徴とする2端子型非線形素子の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の製造方法によって製
    造されたことを特徴とする2端子型非線形素子。
  11. 【請求項11】 透明な基板、この基板上に所定のパタ
    ーンで配設された一方の信号線、この信号線に所定のピ
    ッチで接続された請求項10に記載の2端子型非線形素
    子、およびこの2端子型非線形素子に接続された画素電
    極を備えた第1の基板と、 前記画素電極に対向する位置に他方の信号線を備えた第
    2の基板と、 前記第1の基板と前記第2の基板との間に封入された液
    晶層と、を含むことを特徴とする液晶表示パネル。
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PCT/JP1997/004436 WO2004093206A1 (ja) 1996-12-06 1997-12-04 2端子型非線形素子の製造のための非水系電解液、2端子型非線形素子の製造方法、2端子型非線形素子および液晶表示パネル
US09/117,681 US6663760B2 (en) 1996-12-06 1997-12-04 Method of fabricating two-terminal nonlinear element using non-aqueous electrolyte

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999025906A1 (fr) * 1997-11-18 1999-05-27 Mitsubishi Chemical Corporation Fluide de conversion chimique destine a la formation d'une couche mince d'oxyde metallique
JP2023026240A (ja) * 2021-08-13 2023-02-24 日本放送協会 負性微分抵抗素子

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