JPH1022676A - 電波吸収体 - Google Patents

電波吸収体

Info

Publication number
JPH1022676A
JPH1022676A JP8177999A JP17799996A JPH1022676A JP H1022676 A JPH1022676 A JP H1022676A JP 8177999 A JP8177999 A JP 8177999A JP 17799996 A JP17799996 A JP 17799996A JP H1022676 A JPH1022676 A JP H1022676A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radio wave
wave absorber
carbon fiber
layer
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8177999A
Other languages
English (en)
Inventor
Iwao Yamamoto
巌 山本
Akihiko Yoshitani
明彦 葭谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP8177999A priority Critical patent/JPH1022676A/ja
Publication of JPH1022676A publication Critical patent/JPH1022676A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で電波吸収特性に優れた電波吸収体を
提供せんとする。 【解決手段】 抵抗体層、誘電体層及び反射層を有する
電波吸収体であって、該抵抗体層が、体積固有電気抵抗
値が10-2〜102 Ωcmであり、炭素含有率が85〜
95%、水素含有率が0.3〜2.5%であり、X線回
折により求めた黒鉛の格子定数Lcが25Å以下、面間
隔d002が3.45Å以上である炭素長繊維を用いた
ものであることを特徴とする電波吸収体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電波吸収体に関する
ものである。詳しくは高層建築の外壁材等として有用な
電波吸収体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高層建築物に起因するテレビジョ
ンの電波障害が、大きな社会問題となっている。高層建
築物は多量の鋼材を用いており、かつ外壁はコンクリー
トで構成されていることが多いが、コンクリートは電波
吸収特性が極めて悪いので、鋼材で反射される電波が電
波障害の原因となることが多い。
【0003】この電波障害を防止する方法の一つとし
て、コンクリート壁面をフェライトタイル等の電波吸収
特性のよいもので被覆することが行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】フェライトタイルは電
波吸収性は良いが、比重が大きいという欠点がある。従
ってフェライトタイルを用いる場合には、構造部材の強
度をより高くしなければならず、費用が嵩む。従って本
発明は、軽量で電波吸収特性に優れた電波吸収体を提供
せんとするものである。また本発明はこのような電波吸
収体の製造方法を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電波吸収体
は、抵抗膜層に10-2〜102 Ω・cmの体積固有電気
抵抗を示す炭素長繊維を抵抗膜層に使用し、抵抗膜層の
背後にある誘電体層と、更に誘電体層の背後にある反射
層とを有することを特徴とするものである。この電波吸
収体を、抵抗膜層を電波の到来方向にむけて且つ炭素繊
維束が電波の電界方向と平行になるように設置すること
により、電波を効率よく吸収することができる。
【0006】即ち、本発明の要旨は、抵抗体層、誘電体
層及び反射層を有する電波吸収体であって、該抵抗体層
が、体積固有電気抵抗値が10-2〜102 Ωcmであ
り、炭素含有率が85〜95%、水素含有率が0.3〜
2.5%であり、X線回折により求めた黒鉛の格子定数
Lcが25Å以下、面間隔d002が3.45Å以上で
ある炭素長繊維を用いたものであることを特徴とする電
波吸収体、に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明について更に詳細に説明す
ると、本発明に係る電波吸収体は、抵抗膜層と誘電体層
と反射層との3層から本質的に成っている。抵抗膜層に
は、炭素長繊維を長さ方向に配列したものを樹脂などの
結着剤で結合して製作した炭素繊維束が間隔をおいて平
行に配置されている。炭素繊維束の太さ(断面積)は、
炭素繊維の全断面積として通常0.2〜80mm2 、好
ましくは0.8〜20mm2 である。炭素長繊維は、周
知の如く、通常は直径数μm〜数十μmの単繊維が多数
本集束した状態で製造されるが、本発明で用いる炭素繊
維束は、このもの又はこれを更に多数本引きそろえて樹
脂又はアスファルト等の結着剤で結合し、一体化したも
のである。結着剤としての樹脂としては、例えば、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、飽和又は不飽和ポリエステ
ル、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエー
テル、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリス
チレン、ポリオレフィン、ポリウレタン樹脂、アクリル
樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂などのホモポリ
マー、またはコポリマー等が挙げられる。このうち特
に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、水溶性ポリアミド
樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。炭素繊維に結着剤
を添着する方法も周知の方法によることができる。例え
ば、5000〜40000本の長繊維状炭素繊維トウに
結着剤を含浸させた後、乾燥させるという方法がある。
含浸させるときの結着剤の形態は、適当な溶剤に溶解さ
せるか、界面活性剤を用いてエマルジョンとして水に分
散させておけばよい。用いる溶剤としては、2−ブタノ
ン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン等が挙げ
られる。
【0008】本発明で用いる炭素繊維束の形状は任意で
あるが、取扱い性などの点からして、丸棒などの棒状が
好ましい。しかし所望ならば紐状、板状などとすること
もできる。また、樹脂での結合状態も、炭素繊維束が一
体性を保つに足るだけの弱い結合状態から、いわゆる炭
素繊維ロッドと称されるような強固な結合状態まで、任
意の結合状態のものを用いることができる。従って本発
明においては、所望ならば、炭素繊維束として炭素繊維
ロッドを用いることにより、抵抗膜層に電波吸収体の機
械的強度の補強部材としての機能も負担させることがで
きる。
【0009】抵抗膜層における炭素繊維束の配置間隔
は、用いる炭素長繊維の体積固有電気抵抗や炭素繊維束
の断面積等により異なるが、通常5〜1000mm、好
ましくは10〜500mmである。例えば3Ω・cm程
度の体積固有電気抵抗を有する炭素長繊維で形成した直
径3mmの丸棒状の炭素繊維束を用いる場合には、50
〜100mm程度の間隔で配置すればよい。抵抗膜層に
は、通常は図1に示すように、その両端間に亘って一本
の炭素繊維束が配置されるが、所望ならば短い炭素繊維
束を複数本配置して全体として抵抗膜層にその両端間に
亘って炭素繊維束が配置されているようにしてもよい。
しかしながら、この場合でも、作業性等の見地から長さ
500mm以上の炭素繊維束を用いるのが好ましい。
【0010】炭素繊維集合体の長さは、用途によって任
意の長さを選択することができる。誘電体層は、ガラ
ス、ポリウレタンフォーム、発泡ポリスチレン、コンク
リート、セメントモルタル、珪酸カルシウムなど種々の
材料で構成することができる。好ましくはコンクリート
又はセメントモルタル(本明細書では、両者をあわせて
コンクリートと称することがある)を用いる。コンクリ
ート中には炭素繊維、スチール繊維、ガラス繊維、合成
繊維などの補強材や軽量骨材などを含めることができ
る。誘電体層の好適な厚さ(d)は、吸収しようとする
電波の波長(λ)と誘電体の比誘電率(ε)とから、次
式で算出される。
【0011】
【数1】d=λ/(4√ε) 従ってコンクリート中に炭素繊維などを含めて比誘電率
を大きくすると、誘電体層の厚さを薄くすることができ
る。また、コンクリートは含水率により比誘電率が異な
るので、本発明の電波吸収体を高層建築物の外壁等に用
いた場合に雨水の浸透等により誘電体層の含水率が大き
く変化しないように、誘電体層のコンクリートを打設す
る際に撥水剤を混合するのが好ましい。何故ならば撥水
剤を混合して打設したコンクリートは、吸水率が大幅に
低下するので、雨水の浸透等による含水率の変化、従っ
て比誘電率の変化が小さいからである。
【0012】反射層は入射した電波を実質的に全反射す
るものが好ましく、金属板や金網、金属棒などで構成さ
れる。特に本発明においては誘電体層を構成するコンク
リートの補強を兼ねて鉄筋で構成するのが好ましい。す
なわち、反射層は、抵抗膜層を構成する炭素繊維束と平
行になるように鉄筋を間隔をおいて配置して構成されて
いるのが好ましい。鉄筋は、コンクリートの補強に用い
られている常用の太さのものを用いればよい。また、鉄
筋と鉄筋との間隔は、通常25〜200mm好ましくは
30〜150mmである。反射層は所望ならば太さを異
にする複数種の鉄筋で構成することができる。例えば広
い間隔で配置した補強用の太い鉄筋の間に、細い鉄筋を
配置して反射率を高めるようにすることができる。
【0013】本発明に係る電波吸収体は、本質的に上述
の抵抗膜層、誘電体層及び反射層より成るが、更に付加
的な層を有していてもよい。例えば本発明の好ましい態
様では、抵抗膜層の前面に表面層を形成する。表面層は
陶板の如き非透水性の化粧材であってもよく、またフェ
ライトタイルの如き電波吸収性のものであってもよい。
また、誘電体層をコンクリートで構成し、且つ反射層を
鉄筋で構成する場合には、鉄筋が誘電体層から延びるコ
ンクリート中に完全に埋没するように、鉄筋の背後にま
でコンクリートを打設する、すなわち反射層の背後にも
誘電体層を形成するのが好ましい。
【0014】本発明に係る電波吸収体の好ましい実施態
様の一つは、表面層を有しており、反射層が補強を兼ね
て鉄筋で構成されており、且つ反射層の背後にまで延び
るコンクリートにより、全体が一体化されているもので
ある。そしてこのような電波吸収体は、常用のコンクリ
ートパネルの製造法により容易に製造することができ
る。すなわち浅い皿状の型枠内に、先ず陶板やフェライ
トタイルの如き表面材を配置し、その上に炭素繊維束を
相互に所定の間隔となるように配置する。好ましくは、
型枠の大きさに合わせて数本の縦通材に炭素繊維束を所
定の間隔をおいて横向きに取付けたもの、又は炭素繊維
束を紐で所定の間隔をおいて簾状に編んだものを予じめ
製作しておき、これを表面材の上に設置するようにす
る。このような手法を用いると、炭素繊維束を一本ずつ
配置するのに比して、作業能率が高く、且つ炭素繊維束
間の間隔のばらつきも防止できる。炭素繊維束を配置し
たならば、次にその上方に鉄筋を配置する。鉄筋は炭素
繊維束に平行に、且つ炭素繊維束と鉄筋との間の距離
が、前述の式で算出される誘電体層の厚さとほぼ等しく
なるように配置する。なお、通常は補強用のため、これ
らの鉄筋に直交する鉄筋も配置する。従って好ましく
は、鉄筋を所定の間隔で平行に配置し、且つこれらをこ
れに直交する方向の鉄筋で結合して一体化した鉄筋組立
体を予じめ製作しておき、これを型枠内に設置するよう
にする。このようにすると作業能率が高く、且つ鉄筋を
所定の位置に正確に配置できる。以上の準備作業が終了
したならば、鉄筋が完全に埋没するように型枠にコンク
リートを流し込んでよくつき固め、全体が一体化するよ
うにして養生することにより、本発明に係る電波吸収体
が得られる。
【0015】本発明に係る電波吸収体の抵抗体層に用い
る炭素長繊維は、体積固有電気抵抗値が10-2〜102
Ω・cm、好ましくは10-1〜10Ω・cmである。体
積固有電気抵抗値が10-2Ω・cmよりも小さいと、特
性のよい電波吸収体を形成できない。また、102 Ω・
cmよりも大きいと炭素繊維としては極めて不安定で脆
弱なものとなるため好ましくない。
【0016】本発明の炭素繊維は、炭素含有率が85〜
95%、好ましくは90〜95%であり、また水素含有
率が0.3〜2.5%、好ましくは0.8〜2.0%で
ある。炭素含有率が85%より小さい、また水素含有率
が2.5%より大きいと、炭素繊維としては極めて不安
定で脆弱なものとなるため好ましくなく、炭素含有率が
95%より大きい、また水素含有率が0.3%より小さ
いと、特性の良い電波吸収体を形成できないため好まし
くない。
【0017】本発明の炭素繊維は、X線回折により求め
た黒鉛の格子定数Lcが25Å以下、好ましくは10〜
20Åであり、面間隔d002が3.45Å以上、好ま
しくは3.45〜3.48Åである。Lcが25Åより
大きい、またd002が3.445Åより小さいと、特
性の良い電波吸収体を形成できないため好ましくない。
【0018】次に、本発明の製造方法について説明す
る。本発明に用いられる原料ピッチとしては、例えば、
石炭系のコールタール、コールタールピッチ、石炭液化
物、石油系の重質油、ピッチ、石油樹脂やその熱重縮合
反応生成物、ナフタレンやアントラセンの触媒反応によ
る重合反応生成物等の炭素質原料が挙げられる。また、
これらの炭素質原料に、例えば加熱処理した後、溶剤で
可溶分を抽出したり、水素供与性溶剤、水素ガスの存在
下に水添処理するなどの予備処理を行なって用いてもよ
い。
【0019】なお、原料ピッチ中には、不溶性物質とし
て、灰分(Ash成分)が含まれているが、これは、原
料ピッチを加熱処理して炭素繊維の前駆体となる光学的
に異方性の液晶ピッチにする際に、不均一性の原因とな
り、乱れた組織の前駆体を与える。また紡糸後、不融
化、焼成して得られた繊維中に物理的な欠陥を生じ、強
度、弾性率に悪影響を及ぼす。
【0020】従って紡糸に供する段階で、灰分量が通常
30ppm以下好ましくは20ppm以下に精製されて
いるピッチを用いると、引張強度の大きい炭素繊維を得
ることができ、炭素繊維束を補強材を兼ねて用いる場合
に有用である。灰分を除去するタイミングは紡糸前であ
れば何時でもよく、例えば原料ピッチの段階、または紡
糸ピッチの段階で除去すればよい。灰分の除去は周知の
方法を用いればよい。例えば、沈降法、遠心分離法、濾
過法、吸着法、酸、アルカリ、溶媒による洗浄法などが
あるが、それぞれを単独で行ってもよく、ピッチの形態
によりそれぞれに適した除去法を組み合わせて、また繰
り返し行ってもよい。また、除去の効率を上げるために
多孔性無機物(濾過助剤等)等を加えるのも有効であ
る。工業的には、沈降法、遠心分離法、濾過法を用いる
ことが、連続的、また大量に処理できることから好まし
い。
【0021】上記のように精製したピッチは、常法にし
たがって光学的に異方性を示す液晶ピッチに転換され
る。紡糸に供するピッチの光学的異方性割合は80%以
上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以
上であることが必要である。光学的異方性割合が80%
を下回ると、炭素繊維の強度が著しく低下し、引張強度
を高めるべく焼成温度を上げると必然的に電気抵抗が低
下してしまい、所望の高電気抵抗の炭素繊維を得ること
はできない。
【0022】なお、ピッチの光学的異方性割合は、常温
下、偏光顕微鏡下でピッチ試料中の光学的異方性を示す
部分を面積割合として求めた値である。具体的には、例
えばピッチ試料を数mm角に粉砕した物を常法にしたが
って、約2cm直径の樹脂の表面のほぼ全面に試料片を
埋め込み、表面を研磨した後、表面全体をくまなく偏光
顕微鏡(倍率100倍)下で観察し、試料の全表面積に
占める光学的異方性部分の面積割合を測定することによ
って求める。
【0023】光学的異方性の液晶ピッチを製造する方法
も周知の方法によることができる。例えば、精製された
ピッチを、350〜500℃、好ましくは380〜45
0℃で、2分から50時間、好ましくは5分〜5時間の
間、窒素、アルゴン、水蒸気等の不活性ガス雰囲気下、
あるいは吹き込み下、または減圧下に加熱処理する方法
がある。他の例を挙げると、ナフタレン等の縮合多環炭
化水素類をHF/BF3等の触媒の存在下で重合させる
方法、または原料ピッチを特定の溶解度パラメーターを
有する溶媒を用いて溶剤分割を行い、所望のピッチを得
る方法がある。
【0024】紡糸ピッチの炭素含有率は93%以上であ
り、特に95%以上であることが好ましい。炭素含有率
が93%に満たないと前述の灰分同様、異元素である窒
素、硫黄、酸素等が強度低下の要因となり、炭素繊維の
引張強度を低下させる。上記のような紡糸ピッチを用い
て、溶融紡糸し、ピッチ繊維を得る。得られたピッチ繊
維は単繊維としての破断強度が低いため、ガイド、ロー
ラー等での毛羽の発生を防止するために、5000〜4
0000本のピッチ繊維を集束剤で集束してピッチ繊維
トウとする。集束剤としては、ピッチ繊維の一部を溶解
したり、不融化処理の際に繊維同士を接着、または融着
させることの少ないものが必要であり、例えばシリコー
ン油の水エマルジョンが好ましい。また、融着の回避を
より効果的に行うために、集束剤中にカーボンブラッ
ク、SiC等の無機微粒子を添加しても構わない。
【0025】ピッチ繊維トウは、酸化性ガス雰囲気中
で、160〜400℃に加熱して不融化する。得られた
不融化繊維トウは、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲
気下で焼成処理して炭素繊維とする。本発明において
は、まず、不融化繊維トウに張力を負荷しない状態で、
450〜600℃、好ましくは520〜580℃の温度
で第一炭化処理を行う。第一炭化処理の温度が450℃
より低いと、繊維の強度が充分でないために第2炭化処
理の張力に耐えることができないため、また600℃よ
り高いと繊維の伸度が低下し、やはり第2炭化処理の張
力に耐えることができないため好ましくない。
【0026】第一炭化処理を行って得られる炭化糸の目
付は1.6〜6.0g/m、好ましくは1.8〜4.5
g/mである。該目付が1.6g/mより少ないと、所
定の形状の複合材を製造する際に多数本の炭素繊維を用
いなければならないため、該目付が6.0g/mより多
いと、張力をかけて第2炭化する際に繊維軸方向への各
々の繊維の糸揃いが低下してしまうために好ましくな
い。
【0027】第一炭化処理の時間は、通常、1秒〜10
分、好ましくは、10秒〜5分である。次いで、第一炭
化処理繊維トウに対して、フィラメント数1000本当
たり50g以上、好ましくは80g以上の張力を負荷し
ながら、700〜1000℃、好ましくは730〜90
0℃、さらに好ましくは、750〜850℃の温度で第
二炭化処理を行う。第二炭化処理の温度が、700℃よ
り低いと、強度や電波の吸収特性が十分でなく、また、
1000℃を超えると、電気抵抗が低い炭素繊維しか得
られない。
【0028】第二炭化処理の時間は、通常、1秒〜10
分、好ましくは、10秒〜5分である。第二炭化処理の
時間が、1秒より短いと、滞留時間の制御、すなわち炭
化度の制御が困難となり電気抵抗値のばらつきが大きく
なるため、また、10分より長いと生産に要する必用電
力が大きくなるため好ましくない。
【0029】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるもので
はない。 実施例 光学的異方性率100%、メトラー軟化点302℃、炭
素含有率96重量%、灰分量17ppmの紡糸用ピッチ
をシリコン系油剤で集束させながら口金温度337℃で
紡糸し、フィラメント数11000本の長さ7000m
のピッチ繊維トウを得た。
【0030】得られたピッチ繊維トウを、空気中で、昇
温温度1℃/分で380℃まで昇温、加熱して不融化処
理を行った。次いで、窒素ガス雰囲気中で、不融化繊維
トウに張力を負荷せずに、560℃、滞留時間2分の条
件で第一炭化処理を行った。第一炭化処理で得られた炭
化糸の目付は2.1g/mであった。さらに、窒素ガス
雰囲気中で、第一炭化処理繊維トウに1320g/トウ
(120g/1000本)の張力を負荷して、800
℃、滞留時間2.5分の条件で第二炭化処理を行い、炭
素繊維を製造した。
【0031】得られた炭素繊維は、炭素含有率93%、
水素含有率1.3%、X線回折により求めた黒鉛の格子
定数Lcが17Å、面間隔d002が3.46Å、体積
固有電気抵抗値0.8Ω・cmであった。得られた炭素
繊維トウをエポキシ樹脂で固めてCF断面積約1.3m
2のひも状の炭素繊維束を製造した。
【0032】約600×900mmで厚さ約13mmの
陶板の裏面に、短辺に平行に炭素繊維束を40mm間隔
で配置し、接着剤で陶板に接着した。これを型枠に入
れ、更に陶板の上方約40mmの位置に、太さ約5mm
の鉄筋を25mm間隔で縦横に配置した鉄筋組立体を、
一方の鉄筋が陶板の短辺と平行になるように設置した。
次いで型枠にコンクリートを流し込んでよくつき固め、
室温で約3週間養生、乾燥して約600×900×10
0mmの電波吸収体を得た。
【0033】この電波吸収体の電波吸収特性を大型導波
管法で測定したところ、600MHzにおいて約25d
Bの吸収特性を示した。 比較例1 光学的異方性率98%、メトラー軟化点298℃、炭素
含有率94重量%、灰分量50ppmの紡糸用ピッチを
シリコン系油剤で集束させながら口金温度333℃で紡
糸し、フィラメント数11000本の長さ7000mの
ピッチ繊維トウを得た。
【0034】得られたピッチ繊維トウを、空気中で、昇
温速度1℃/分で380℃まで昇温、加熱して不融化処
理を行った。次いで、窒素ガス雰囲気中で、不融化繊維
トウに張力を負荷せずに、530℃、滞留時間2分の条
件で第一炭化処理を行った。第一炭化処理で得られた炭
化糸の目付は2.1g/mであった。さらに、窒素ガス
雰囲気中で、第一炭化処理繊維トウに1320g/トウ
(120g/1000本)の張力を負荷して、680
℃、滞留時間3分の条件で第二炭化処理を行い、炭素繊
維を製造した。
【0035】得られた炭素繊維は、炭素含有率84%、
水素含有率2.5%、X線回折により求めた黒鉛の格子
定数Lcが20Å、面間隔d002が3.44Åであ
り、体積固有電気抵抗値200Ω・cmであった。得ら
れた炭素繊維トウをエポキシ樹脂で固めてCF断面積約
1.3mm2のひも状の炭素繊維束を製造した。
【0036】得られた炭素繊維束を用いて実施例と全く
同様にして電波吸収体を得た。この電波吸収体の電波吸
収特性を大型導波管法で測定したところ、最大でも約
0.2dBの吸収特性しか示さなかった。 比較例2 光学的異方性率100%、メトラー軟化点301℃、炭
素含有率96重量%、灰分量15ppmの紡糸用ピッチ
をシリコン系油剤で集束させながら口金温度335℃で
紡糸し、フィラメント数11000本の長さ7000m
のピッチ繊維トウを得た。
【0037】得られたピッチ繊維トウを、空気中で、昇
温速度1℃/分で380℃まで昇温、加熱して不融化処
理を行った。次いで、窒素ガス雰囲気中で、不融化繊維
トウに張力を負荷せずに、530℃、滞留時間2分の条
件で第一炭化処理を行った。第一炭化処理で得られた炭
化糸の目付は2.1g/mであった。さらに、窒素ガス
雰囲気中で、第一炭化処理繊維トウに1320g/トウ
(120g/1000本)の張力を負荷して、1200
℃、滞留時間3分の条件で第二炭化処理を行い、炭素繊
維を製造した。
【0038】得られた炭素繊維は、炭素含有率99%、
水素含有率<0.3%、X線回折により求めた黒鉛の格
子定数Lcが27Å、面間隔d002が3.47Åであ
り、体積固有電気抵抗値0.001Ω・cmであった。
得られた炭素繊維トウをエポキシ樹脂で固めてCF断面
積約1.2mm2のひも状の炭素繊維束を製造した。
【0039】得られた炭素繊維束を用いて実施例と全く
同様にして電波吸収体を得た。この電波吸収体の電波吸
収特性を大型導波管法で測定したところ、最大でも約
0.5dBの吸収特性しか示さなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電波吸収体の1例である。
【図2】図1の電波吸収体から表面材を除いて抵抗膜層
を露出させた図である。
【符号の説明】
1 大型タイルからなる表面材 2 抵抗膜層を形成する炭素繊維束 3 コンクリートからなる誘電体層 4 反射層を形成する鉄筋

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抵抗体層、誘電体層及び反射層を有する
    電波吸収体であって、該抵抗体層が、体積固有電気抵抗
    値が10-2〜102 Ωcmであり、炭素含有率が85〜
    95%、水素含有率が0.3〜2.5%であり、X線回
    折により求めた黒鉛の格子定数Lcが25Å以下、面間
    隔d002が3.45Å以上である炭素長繊維を用いた
    ものであることを特徴とする電波吸収体。
  2. 【請求項2】 抵抗体層が、炭素長繊維を長さ方向に配
    列し結着剤で結合してなる長尺の炭素繊維束を間隔をお
    いて平行に配置してなるものである請求項1に記載の電
    波吸収体。
  3. 【請求項3】 炭素繊維が10-1〜10Ω・cmの体積
    固有電気抵抗を示すものである請求項1又は2に記載の
    電波吸収体。
  4. 【請求項4】 炭素繊維束の炭素繊維の全断面積が0.
    2〜80mm2 である請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の電波吸収体。
  5. 【請求項5】 反射層が少なくとも炭素繊維束と平行に
    配置された鉄筋で構成されている請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の電波吸収体。
  6. 【請求項6】 誘電体層がコンクリート又はセメントモ
    ルタルである請求項1〜5のいずれか1項に記載の電波
    吸収体。
  7. 【請求項7】 抵抗体層を構成する炭素繊維束がコンク
    リート又はセメントモルタルと接触しており、また反射
    層を構成する鉄筋がコンクリート又はセメントモルタル
    中に完全に埋没しており、しかもこれらのコンクリート
    又はセメントモルタルが誘電体層を構成するコンクリー
    ト又はセメントモルタルと一体化していることを特徴と
    する請求項6に記載の電波吸収体。
JP8177999A 1996-07-08 1996-07-08 電波吸収体 Pending JPH1022676A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8177999A JPH1022676A (ja) 1996-07-08 1996-07-08 電波吸収体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8177999A JPH1022676A (ja) 1996-07-08 1996-07-08 電波吸収体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1022676A true JPH1022676A (ja) 1998-01-23

Family

ID=16040784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8177999A Pending JPH1022676A (ja) 1996-07-08 1996-07-08 電波吸収体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1022676A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2756069B2 (ja) コンクリート補強用炭素繊維
WO2008023777A1 (en) Laminated molded article containing carbon fiber and method for production thereof
EP4107343B1 (de) Bewehrung aufweisend kohlenstofffasern
US7794826B2 (en) Carbon-fiber-reinforced SiC composite material and slide member
JPH09275293A (ja) 炭素繊維束からなる組立体
KR101253205B1 (ko) 불융화 탄소질 섬유를 이용한 단열재의 제조방법
JPS62117820A (ja) 炭素繊維チヨツプドストランドの製造方法
JPH1022677A (ja) 電波吸収体
JPH1022676A (ja) 電波吸収体
JPH069270A (ja) メソフェーズ粉体を使用する炭素/炭素複合材料部品の製造方法
CN112424523B (zh) 碳纤维成型隔热材料及其制作方法
JPH09260886A (ja) 電波吸収体及びその製造法
JPH09289394A (ja) 電波吸収体及びその製法
JPH10237979A (ja) 電波吸収体
JPH1027985A (ja) 電波吸収材の製造法
JPH10102625A (ja) 電波吸収体
JP6407747B2 (ja) ピッチ系炭素繊維及びその製造方法
Constâncio Trindade et al. Fabrication and mechanical properties of metakaolin‐based geopolymer composites reinforced with auxetic fabrics
JPH09307269A (ja) 電波吸収体の製造法
JPH10102626A (ja) 電波吸収材の製造方法
JPH1025624A (ja) 炭素繊維及び炭素繊維集合体
JPH1025625A (ja) 炭素繊維及び炭素繊維集合体
JPH1025626A (ja) 炭素繊維の製造方法
DE102007002594A1 (de) Beschichtete kohlenstoffhaltige Aerogelplatte und Verfahren zu deren Herstellung
JPH09283972A (ja) 建築物用電波吸収体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040518

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02