JPH10243797A - 新規プロテアーゼインヒビター及びその製造方法 - Google Patents
新規プロテアーゼインヒビター及びその製造方法Info
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- JPH10243797A JPH10243797A JP9049418A JP4941897A JPH10243797A JP H10243797 A JPH10243797 A JP H10243797A JP 9049418 A JP9049418 A JP 9049418A JP 4941897 A JP4941897 A JP 4941897A JP H10243797 A JPH10243797 A JP H10243797A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- kexstatin
- protease
- protease inhibitor
- inhibitor
- kex2
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 Kex2プロテアーゼ・ファミリー酵素に対
する阻害活性を有し、分子量が10,500であることを特徴
とするプロテアーゼインヒビター、及びストレプトバー
チシリウム属に属する微生物を用いた前記インヒビター
の製造方法。 【効果】 医薬、農薬などとして有用な新規プロテアー
ゼインヒビターを提供する。
する阻害活性を有し、分子量が10,500であることを特徴
とするプロテアーゼインヒビター、及びストレプトバー
チシリウム属に属する微生物を用いた前記インヒビター
の製造方法。 【効果】 医薬、農薬などとして有用な新規プロテアー
ゼインヒビターを提供する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Kex2プロテアーゼ
・ファミリー酵素に対する阻害活性を有する新規なプロ
テアーゼインヒビター及びその製造方法に関する。
・ファミリー酵素に対する阻害活性を有する新規なプロ
テアーゼインヒビター及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生理活性ペプチドや酵素タンパク質は不
活性な前駆体として生産され、特異的なプロテアーゼに
よって切断されることによって、活性を有する成熟型ペ
プチド又はタンパク質にプロセッシングされる場合が多
い。この切断箇所はアルギニンあるいはリジンといった
塩基性アミノ酸が2ヶ連なっている。この塩基性アミノ
酸対を認識して、そのカルボキシル末端側で切断する特
異的プロテアーゼとして初めて見いだされたのが、Sacc
haromyces酵母由来のKex2プロテアーゼである。Kex2プ
ロテアーゼは酵母の接合因子であるα―ファクターのプ
ロセッシングに関与するセリンプロテアーゼで、カルボ
キシル末端がゴルジ膜に貫入しており、ゴルジ体に来た
α―ファクター前駆体やキラートキシン前駆体をプロセ
ッシングして、活性型のα―ファクターやキラートキシ
ンにして分泌させる。
活性な前駆体として生産され、特異的なプロテアーゼに
よって切断されることによって、活性を有する成熟型ペ
プチド又はタンパク質にプロセッシングされる場合が多
い。この切断箇所はアルギニンあるいはリジンといった
塩基性アミノ酸が2ヶ連なっている。この塩基性アミノ
酸対を認識して、そのカルボキシル末端側で切断する特
異的プロテアーゼとして初めて見いだされたのが、Sacc
haromyces酵母由来のKex2プロテアーゼである。Kex2プ
ロテアーゼは酵母の接合因子であるα―ファクターのプ
ロセッシングに関与するセリンプロテアーゼで、カルボ
キシル末端がゴルジ膜に貫入しており、ゴルジ体に来た
α―ファクター前駆体やキラートキシン前駆体をプロセ
ッシングして、活性型のα―ファクターやキラートキシ
ンにして分泌させる。
【0003】哺乳動物においてもKex2プロテアーゼと同
様の構造と特異性を有するセリンプロテアーゼが多数発
見され、Kex2プロテアーゼ・ファミリー酵素として、前
駆体タンパク質のプロセッシングに重要な働きを果たし
ていることが明らかにされている(Seidah, N.G., et a
l. (1991) Enzyme 45, 271-284)。フリン(Furin)、
PACE4、PC5/6はほとんど全ての組織に認められるKex2プ
ロテアーゼ・ファミリー酵素で、成長因子、血清プロテ
アーゼ、レセプター、ウィルス外郭糖タンパク質、緑膿
菌エキソトキシンなどの前駆体タンパク質のプロセッシ
ングに関与している。PC1/3、PC2、PC4、などのプロテ
アーゼは細胞ないし組織特異的に発現しており、主とし
て神経ペプチドやペプチドホルモンのプロセッシングに
関与している(Hook, V. Y. H., et al. (1994) FASEB
J., 8, 1269-1278)。
様の構造と特異性を有するセリンプロテアーゼが多数発
見され、Kex2プロテアーゼ・ファミリー酵素として、前
駆体タンパク質のプロセッシングに重要な働きを果たし
ていることが明らかにされている(Seidah, N.G., et a
l. (1991) Enzyme 45, 271-284)。フリン(Furin)、
PACE4、PC5/6はほとんど全ての組織に認められるKex2プ
ロテアーゼ・ファミリー酵素で、成長因子、血清プロテ
アーゼ、レセプター、ウィルス外郭糖タンパク質、緑膿
菌エキソトキシンなどの前駆体タンパク質のプロセッシ
ングに関与している。PC1/3、PC2、PC4、などのプロテ
アーゼは細胞ないし組織特異的に発現しており、主とし
て神経ペプチドやペプチドホルモンのプロセッシングに
関与している(Hook, V. Y. H., et al. (1994) FASEB
J., 8, 1269-1278)。
【0004】近年、安全性の高い効力の強い医薬・農薬
の要求が高まり、微生物由来の生理活性を有するペプチ
ドやタンパク質、あるいはその構造の一部を医薬・農薬
に利用しようとする研究が盛んに行われている。中で
も、生体機能の様々な局面で働く酵素の活性を阻害する
化合物、即ち酵素阻害剤は、医薬・農薬として広く使わ
れており、医薬・農薬の大半は酵素阻害剤であるといっ
ても過言ではない。プロテアーゼ阻害剤についても、微
生物や動・植物を対象に、各種プロテアーゼ活性を阻害
する物質の探索が行われた結果、数多くの新規ペプチド
やタンパク質がプロテアーゼインヒビターとして見いだ
された。さらに、これらのプロテアーゼインヒビターそ
のもの、ないしはそれらの構造の一部を合成した化合物
が医薬・農薬として開発されている。
の要求が高まり、微生物由来の生理活性を有するペプチ
ドやタンパク質、あるいはその構造の一部を医薬・農薬
に利用しようとする研究が盛んに行われている。中で
も、生体機能の様々な局面で働く酵素の活性を阻害する
化合物、即ち酵素阻害剤は、医薬・農薬として広く使わ
れており、医薬・農薬の大半は酵素阻害剤であるといっ
ても過言ではない。プロテアーゼ阻害剤についても、微
生物や動・植物を対象に、各種プロテアーゼ活性を阻害
する物質の探索が行われた結果、数多くの新規ペプチド
やタンパク質がプロテアーゼインヒビターとして見いだ
された。さらに、これらのプロテアーゼインヒビターそ
のもの、ないしはそれらの構造の一部を合成した化合物
が医薬・農薬として開発されている。
【0005】上記の如くKex2プロテアーゼ・ファミリー
酵素は生体内で各種生理活性ペプチドや酵素のプロセッ
シング/活性化という重要な働きを果たしている。従っ
て、Kex2プロテアーゼファミリー酵素に対する阻害剤そ
のもの、又はその阻害活性に関わる構造を持つ化合物
は、神経ペプチドやペプチドホルモンのプロセッシング
/活性化を制御することができ、医薬・農薬としての極
めて有用である。
酵素は生体内で各種生理活性ペプチドや酵素のプロセッ
シング/活性化という重要な働きを果たしている。従っ
て、Kex2プロテアーゼファミリー酵素に対する阻害剤そ
のもの、又はその阻害活性に関わる構造を持つ化合物
は、神経ペプチドやペプチドホルモンのプロセッシング
/活性化を制御することができ、医薬・農薬としての極
めて有用である。
【0006】しかしながら、現在のところ、タンパク質
性のインヒビターでKex2プロテアーゼ・ファミリー酵素
に対する阻害活性が確認されているのは、ストレプトミ
セス属の微生物の培養上清から単離された「ケクスタチ
ンI」のみであり(Oda,K.,Takahashi,S.,Kikuchi,N. A
nd Shibano,Y.:Biosci.Biotechnol.Biochem.(1996),60,
1388-1389 )、より多種の医薬、農薬の開発のために新
たな阻害物質の発見が望まれていた。なお、特願平8-15
8677号明細書中では、上記インヒビターは単に「ケクス
タチン」と記載されているが、本明細書では便宜上「ケ
クスタチンI」と記載することにする。
性のインヒビターでKex2プロテアーゼ・ファミリー酵素
に対する阻害活性が確認されているのは、ストレプトミ
セス属の微生物の培養上清から単離された「ケクスタチ
ンI」のみであり(Oda,K.,Takahashi,S.,Kikuchi,N. A
nd Shibano,Y.:Biosci.Biotechnol.Biochem.(1996),60,
1388-1389 )、より多種の医薬、農薬の開発のために新
たな阻害物質の発見が望まれていた。なお、特願平8-15
8677号明細書中では、上記インヒビターは単に「ケクス
タチン」と記載されているが、本明細書では便宜上「ケ
クスタチンI」と記載することにする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な技術的背景の下になされたものであり、その目的とす
るところは、Kex2プロテアーゼ・ファミリー酵素に対す
る新たな阻害物質を提供することにある。
な技術的背景の下になされたものであり、その目的とす
るところは、Kex2プロテアーゼ・ファミリー酵素に対す
る新たな阻害物質を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、生体制御
機構におけるKex2プロテアーゼ・ファミリー酵素の重要
な働きに注目し、酵母Kex2プロテアーゼ活性を阻害する
物質の探索を目的として広く微生物の培養物を探索した
ところ、ストレプトバーチシリウム属に属する菌株が培
養液中に当該酵素活性を強く阻害する活性を持った物質
を生成蓄積する事を見いだし、本発明を完成した。
機構におけるKex2プロテアーゼ・ファミリー酵素の重要
な働きに注目し、酵母Kex2プロテアーゼ活性を阻害する
物質の探索を目的として広く微生物の培養物を探索した
ところ、ストレプトバーチシリウム属に属する菌株が培
養液中に当該酵素活性を強く阻害する活性を持った物質
を生成蓄積する事を見いだし、本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明は、Kex2プロテアーゼ・ファ
ミリー酵素に対する阻害活性を有し、分子量が10,500で
あることを特徴とするプロテアーゼインヒビターであ
る。また、本発明は、ストレプトバーチシリウム属に属
し、上記記載のプロテアーゼインヒビター生産能を有す
る微生物を培地に培養し、培養物から上記記載のプロテ
アーゼインヒビターを採取することを特徴とする上記記
載のプロテアーゼインヒビターの製造方法である。
ミリー酵素に対する阻害活性を有し、分子量が10,500で
あることを特徴とするプロテアーゼインヒビターであ
る。また、本発明は、ストレプトバーチシリウム属に属
し、上記記載のプロテアーゼインヒビター生産能を有す
る微生物を培地に培養し、培養物から上記記載のプロテ
アーゼインヒビターを採取することを特徴とする上記記
載のプロテアーゼインヒビターの製造方法である。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。最初に本
発明のプロテアーゼインヒビター(ケクスタチンII)に
ついて説明する。本発明のプロテアーゼインヒビター
は、以下の性質を有する。 1)阻害酵素 Kex2プロテアーゼ・ファミリー酵素、及びズブチリシン
に対し顕著な阻害活性を有し、トリプシンも阻害する
が、キモトリプシン、サーモリシンは阻害しない。な
お、Kex2プロテアーゼ・ファミリー酵素とはKex2プロテ
アーゼと同様に、-Lys-Arg-または-Arg-Arg-を認識し、
そのカルボキシル末端基側で切断する一群の特異的プロ
テアーゼをいう。
発明のプロテアーゼインヒビター(ケクスタチンII)に
ついて説明する。本発明のプロテアーゼインヒビター
は、以下の性質を有する。 1)阻害酵素 Kex2プロテアーゼ・ファミリー酵素、及びズブチリシン
に対し顕著な阻害活性を有し、トリプシンも阻害する
が、キモトリプシン、サーモリシンは阻害しない。な
お、Kex2プロテアーゼ・ファミリー酵素とはKex2プロテ
アーゼと同様に、-Lys-Arg-または-Arg-Arg-を認識し、
そのカルボキシル末端基側で切断する一群の特異的プロ
テアーゼをいう。
【0011】2)分子量 分子量は、10,500である(SDS-ポリアクリルアミドゲル
電気泳動による)。 3)アミノ酸配列 S138株由来のプロテアーゼインヒビターのN末端アミノ
酸配列は、配列番号1に示す通りである。ただし、本発
明のプロテアーゼインヒビターは、このアミノ酸配列を
有するものに限定されない。
電気泳動による)。 3)アミノ酸配列 S138株由来のプロテアーゼインヒビターのN末端アミノ
酸配列は、配列番号1に示す通りである。ただし、本発
明のプロテアーゼインヒビターは、このアミノ酸配列を
有するものに限定されない。
【0012】4)熱安定性 100℃、5分間の熱処理を2回繰り返しても阻害活性は
失われない。 5)pH安定性 pH6〜8で安定である。
失われない。 5)pH安定性 pH6〜8で安定である。
【0013】以上の性質を、従来公知のプロテアーゼイ
ンヒビターと比較したところ、N末端アミノ酸配列およ
び部分アミノ酸配列は、ズブチリシンに対するインヒビ
ターであるStreptomyces subtilisin inhibitor(SS
I)及びケクスタチンIと高い相同性を示した。しか
し、SSIはKex2プロテアーゼを阻害しないという点で
本インヒビターと明確に相違する。また、ケクスタチン
Iと本インヒビターは、分子量、N末端のアミノ酸配
列、生産する放線菌の菌種が異なり、さらに、本インヒ
ビターのKex2プロテアーゼ・ファミリー酵素に対する阻
害活性は、ケクスタチンIよりも強い。以上のことか
ら、本インヒビターを新規物質と認定し、Kex2プロテア
ーゼ・ファミリー酵素に対する二番目の阻害物質という
意味で、「ケクスタチンII」と命名した。
ンヒビターと比較したところ、N末端アミノ酸配列およ
び部分アミノ酸配列は、ズブチリシンに対するインヒビ
ターであるStreptomyces subtilisin inhibitor(SS
I)及びケクスタチンIと高い相同性を示した。しか
し、SSIはKex2プロテアーゼを阻害しないという点で
本インヒビターと明確に相違する。また、ケクスタチン
Iと本インヒビターは、分子量、N末端のアミノ酸配
列、生産する放線菌の菌種が異なり、さらに、本インヒ
ビターのKex2プロテアーゼ・ファミリー酵素に対する阻
害活性は、ケクスタチンIよりも強い。以上のことか
ら、本インヒビターを新規物質と認定し、Kex2プロテア
ーゼ・ファミリー酵素に対する二番目の阻害物質という
意味で、「ケクスタチンII」と命名した。
【0014】上記のように、酵素阻害剤は、医薬及び農
薬に広く使われており、ケクスタチンIIも医薬及び農薬
として利用することができる。具体的にはケクスタチン
IIは、ペプチドホルモンやウイルス外郭糖タンパク質の
生成を阻害するので、ホルモン分泌異常やウイルス感染
の治療等に利用することができる。次に、ケクスタチン
IIの製造方法について説明する。
薬に広く使われており、ケクスタチンIIも医薬及び農薬
として利用することができる。具体的にはケクスタチン
IIは、ペプチドホルモンやウイルス外郭糖タンパク質の
生成を阻害するので、ホルモン分泌異常やウイルス感染
の治療等に利用することができる。次に、ケクスタチン
IIの製造方法について説明する。
【0015】ケクスタチンIIは、ストレプトバーチシリ
ウム(Streptoverticillium) 属に属する微生物を培地に
培養し、培養物からケクスタチンIIを採取することによ
り製造することができる。ここで用いる微生物は、スト
レプトバーチシリウム属に属し、ケクスタチンII生産能
を有するものであれば特に限定されないが、好ましい菌
株としては、S138株を挙げることができる。S138株は、
宮城県仙台市の畑土壌より分離された菌株であり、その
菌学的性質は下記の通りである。
ウム(Streptoverticillium) 属に属する微生物を培地に
培養し、培養物からケクスタチンIIを採取することによ
り製造することができる。ここで用いる微生物は、スト
レプトバーチシリウム属に属し、ケクスタチンII生産能
を有するものであれば特に限定されないが、好ましい菌
株としては、S138株を挙げることができる。S138株は、
宮城県仙台市の畑土壌より分離された菌株であり、その
菌学的性質は下記の通りである。
【0016】〔S138株の菌学的性質〕本菌株は、宮城県
仙台市にて採集された畑土壌試科から1996年9月に新た
に分離された一放線菌である。本菌株の分類学的検討結
果を以下に示す。 1)形態学的性状 本菌株はイースト・麦芽寒天培地、オートミール寒天培
地、スターチ・無機塩寒天培地、グリセリン・アスパラ
ギン寒天培地などで良好な生育を示すが、気中菌糸の形
成、胞子の着生は、概して良くなく、グリセリン・アス
パラギン寒天培地でのみ良好であった。顕微鏡下で、気
中菌糸は輪生分岐をしているのが観察され、分生胞子鎖
は直鎖状で、一胞子あたりの胞子数は10個以下のものが
大多数である。電子顕微鏡による胞子の表面構造の観察
結果は平滑である。胞子のう、鞭毛胞子、菌核はいずれ
も認められない。 2)培養上の諸性状(28℃、14日間培養) 色名の表示は「色の標準」日本色彩研究所版による。
仙台市にて採集された畑土壌試科から1996年9月に新た
に分離された一放線菌である。本菌株の分類学的検討結
果を以下に示す。 1)形態学的性状 本菌株はイースト・麦芽寒天培地、オートミール寒天培
地、スターチ・無機塩寒天培地、グリセリン・アスパラ
ギン寒天培地などで良好な生育を示すが、気中菌糸の形
成、胞子の着生は、概して良くなく、グリセリン・アス
パラギン寒天培地でのみ良好であった。顕微鏡下で、気
中菌糸は輪生分岐をしているのが観察され、分生胞子鎖
は直鎖状で、一胞子あたりの胞子数は10個以下のものが
大多数である。電子顕微鏡による胞子の表面構造の観察
結果は平滑である。胞子のう、鞭毛胞子、菌核はいずれ
も認められない。 2)培養上の諸性状(28℃、14日間培養) 色名の表示は「色の標準」日本色彩研究所版による。
【0017】
【表1】
【0018】培地はDIFCO製を供試した。 生育温度 本菌株は14〜38℃で生育し、至適生育温度は28〜35℃で
ある。 3)生理学的性状 メラノイド色素産生能 陰性 チロシナーゼ反応 陰性 澱粉水解能 陽性
ある。 3)生理学的性状 メラノイド色素産生能 陰性 チロシナーゼ反応 陰性 澱粉水解能 陽性
【0019】
【0020】5)細胞壁組成 細胞壁組成成分のジアミノピメリン酸を分析した結果、
LL-型であった。以上の諸性状から本菌株はストレプト
バーチシリウム属に属する株であると判断できる。ワッ
クスマン著、ジアクチノミセテス(The Actinomycetes
)第2巻(1961年)、シャーリング及びゴットリーブの
ISP(International StreptomycesProject)報告(イン
ターナショナル ジャーナル オブ システマティック
バクテリオロジー(International Journal of Systema
tic Bacteriology)第18巻 69〜189ぺージ、279〜392
ぺージ(1968年)、同第19巻391〜512ぺージ(1969
年)、同第22巻 265〜394ぺージ(l972年))、バージ
ーズ マニュアル オブ ディターミネィティブ バク
テリオロジー(Bergey's Manual of Determinative Bac
teriology)第9版(1994年)及びその他の放線菌関連
の新種発表文献から本菌株の近縁種を検索した結果、ス
トレプトバーチシリウム・ラダカーナム(Streptovertic
illium ladakanum)が最も近似していた。
LL-型であった。以上の諸性状から本菌株はストレプト
バーチシリウム属に属する株であると判断できる。ワッ
クスマン著、ジアクチノミセテス(The Actinomycetes
)第2巻(1961年)、シャーリング及びゴットリーブの
ISP(International StreptomycesProject)報告(イン
ターナショナル ジャーナル オブ システマティック
バクテリオロジー(International Journal of Systema
tic Bacteriology)第18巻 69〜189ぺージ、279〜392
ぺージ(1968年)、同第19巻391〜512ぺージ(1969
年)、同第22巻 265〜394ぺージ(l972年))、バージ
ーズ マニュアル オブ ディターミネィティブ バク
テリオロジー(Bergey's Manual of Determinative Bac
teriology)第9版(1994年)及びその他の放線菌関連
の新種発表文献から本菌株の近縁種を検索した結果、ス
トレプトバーチシリウム・ラダカーナム(Streptovertic
illium ladakanum)が最も近似していた。
【0021】本菌株とストレプトバーチシリウム・ラダ
カーナムの文献に記載されている性状を詳細に比較した
結果、イノシトールの利用能に差異が認められたが、そ
の他の主要な性状はよく一致した。従って本菌株をスト
レプトバーチシリウム・ラダカーナムと同種に属する一
菌株と同定し、ストレプトバーチシリウム・ラダカーナ
ム S138 と命名した。
カーナムの文献に記載されている性状を詳細に比較した
結果、イノシトールの利用能に差異が認められたが、そ
の他の主要な性状はよく一致した。従って本菌株をスト
レプトバーチシリウム・ラダカーナムと同種に属する一
菌株と同定し、ストレプトバーチシリウム・ラダカーナ
ム S138 と命名した。
【0022】なお、本菌株は工業技術院生命工学工業技
術研究所(日本国茨城県つくば市東1丁目3号)にFERM
P-16104として寄託されている(寄託日:平成9年3月
3日)。
術研究所(日本国茨城県つくば市東1丁目3号)にFERM
P-16104として寄託されている(寄託日:平成9年3月
3日)。
【0023】本発明に用いる微生物の培養は、ストレプ
トバーチシリウム属に属する微生物一般の培養手段を適
用することができる。培地としては、資化可能な炭素
源、窒素源等を程良く含有する培地であればどのような
ものでも良い。炭素源としては、ブドウ糖、果糖等を用
いることができる。窒素源としては、硫酸アンモニウ
ム、アスパラギン等を用いることができる。また、微生
物の増殖促進、またはケクスタチンIIの産生促進のた
め、培地に可溶性デンプン等を添加することもできる。
具体的な培地を例示すると、ワクスマン培地、スターチ
・無機塩培地、等を挙げることができる。培地のpHは7.
0〜7.2に維持することが好ましく、培養中の温度は28〜
35℃に維持することが好ましい。培養が長期間にわたる
とケクスタチンIIの阻害活性が低下することがあるの
で、ある程度微生物が増殖したら培養を停止することが
望ましい。具体的には、培養期間を24〜72時間とするの
が好ましい。
トバーチシリウム属に属する微生物一般の培養手段を適
用することができる。培地としては、資化可能な炭素
源、窒素源等を程良く含有する培地であればどのような
ものでも良い。炭素源としては、ブドウ糖、果糖等を用
いることができる。窒素源としては、硫酸アンモニウ
ム、アスパラギン等を用いることができる。また、微生
物の増殖促進、またはケクスタチンIIの産生促進のた
め、培地に可溶性デンプン等を添加することもできる。
具体的な培地を例示すると、ワクスマン培地、スターチ
・無機塩培地、等を挙げることができる。培地のpHは7.
0〜7.2に維持することが好ましく、培養中の温度は28〜
35℃に維持することが好ましい。培養が長期間にわたる
とケクスタチンIIの阻害活性が低下することがあるの
で、ある程度微生物が増殖したら培養を停止することが
望ましい。具体的には、培養期間を24〜72時間とするの
が好ましい。
【0024】培養物からケクスタチンIIを採取する手段
は、微生物培養液よりタンパク質を採取る際に常用され
る方法に従って行うことができる。例えば、遠心分離等
により菌体を除去して培養上清を得、この培養上清を、
硫安塩析、ゲル濾過等により単離、精製することにより
ケクスタチンIIを得ることができる。
は、微生物培養液よりタンパク質を採取る際に常用され
る方法に従って行うことができる。例えば、遠心分離等
により菌体を除去して培養上清を得、この培養上清を、
硫安塩析、ゲル濾過等により単離、精製することにより
ケクスタチンIIを得ることができる。
【0025】
【0026】
【実施例】以下に、本発明を実施例によって更に詳細に
説明する。 〔実施例1〕Kex2プロテアーゼ活性阻害物質の探索 Kex2プロテアーゼは膜結合酵素であるが、カルボキシル
末端にある膜貫通部分を欠失させたKEX2遺伝子(sKEX2)
を作成し、Saccharomyces酵母で発現させることにより
培地中に分泌させることができる(Gluschankof, P. &
Fuller, R.S. (1994) EMBO J., 13, 2280-2288)。sKEX
2遺伝子で形質転換したSaccharomyces酵母を培養し、培
養液中のKex2プロテアーゼを硫安分画後、Q Sepharos
e、 PhenylSuperose、 Superdex 75によるクロマトグラ
フィーで電気泳動的に均一にまで精製した。
説明する。 〔実施例1〕Kex2プロテアーゼ活性阻害物質の探索 Kex2プロテアーゼは膜結合酵素であるが、カルボキシル
末端にある膜貫通部分を欠失させたKEX2遺伝子(sKEX2)
を作成し、Saccharomyces酵母で発現させることにより
培地中に分泌させることができる(Gluschankof, P. &
Fuller, R.S. (1994) EMBO J., 13, 2280-2288)。sKEX
2遺伝子で形質転換したSaccharomyces酵母を培養し、培
養液中のKex2プロテアーゼを硫安分画後、Q Sepharos
e、 PhenylSuperose、 Superdex 75によるクロマトグラ
フィーで電気泳動的に均一にまで精製した。
【0027】Kex2プロテアーゼの阻害活性測定は以下の
ように行った。精製した分泌型Kex2プロテアーゼ(100
μg/ml)10μlに、100℃で5分間熱処理した微生物の培
養液10μl及び0.125mMの合成蛍光基質〔Boc-Gln-Arg-Ar
g-MCA(Boc:t-ブトキシカルボニル、MCA:メチルクマ
リンアミド)〕50μlを加え、37℃で10分間反応させ
た。0.125Mの硫酸亜鉛940μlを加えて反応を止め、励起
波長385nm、蛍光波長465nmで蛍光強度を測定した。培養
液非添加時の蛍光強度から培養液添加時の蛍光強度を引
いた値を、培養液非添加時の蛍光強度で割った百分率を
阻害率(%)とした。50%の阻害率を与える阻害物質量
を1IU(Inhibitor Unit)とした。
ように行った。精製した分泌型Kex2プロテアーゼ(100
μg/ml)10μlに、100℃で5分間熱処理した微生物の培
養液10μl及び0.125mMの合成蛍光基質〔Boc-Gln-Arg-Ar
g-MCA(Boc:t-ブトキシカルボニル、MCA:メチルクマ
リンアミド)〕50μlを加え、37℃で10分間反応させ
た。0.125Mの硫酸亜鉛940μlを加えて反応を止め、励起
波長385nm、蛍光波長465nmで蛍光強度を測定した。培養
液非添加時の蛍光強度から培養液添加時の蛍光強度を引
いた値を、培養液非添加時の蛍光強度で割った百分率を
阻害率(%)とした。50%の阻害率を与える阻害物質量
を1IU(Inhibitor Unit)とした。
【0028】各地の土壌から分離した放線菌約1900株の
培養液を検索した結果、数株の培養液にKex2プロテアー
ゼの阻害活性を認めた。S138株の培養液が最も高い阻害
率を示したので、S138株から阻害物質を精製することに
した。
培養液を検索した結果、数株の培養液にKex2プロテアー
ゼの阻害活性を認めた。S138株の培養液が最も高い阻害
率を示したので、S138株から阻害物質を精製することに
した。
【0029】〔実施例2〕S138株培養上清中にある阻害
物質の諸性質の検討 S138株を6mlのワクスマン培地〔1%グルコース、0.5%
ポリペプトン、0.5%肉エキス、0.3%食塩 (pH 7.0)〕
で2日間前培養し、100mlのワクスマン培地の入った坂口
フラスコに約2ml植菌した。24時間培養後、濾過により
菌体を除去し、100℃、5分間熱処理を行い、これを試料
とした。
物質の諸性質の検討 S138株を6mlのワクスマン培地〔1%グルコース、0.5%
ポリペプトン、0.5%肉エキス、0.3%食塩 (pH 7.0)〕
で2日間前培養し、100mlのワクスマン培地の入った坂口
フラスコに約2ml植菌した。24時間培養後、濾過により
菌体を除去し、100℃、5分間熱処理を行い、これを試料
とした。
【0030】上記試料を100℃で5分熱処理を行った
が、試料の阻害活性は全く変化しなかった。これにより
ケクスタチンIIは熱に安定な物質であると判明した。ま
た上記試料のpHを2、4、6、8、10に調整後、一晩室
温に放置した。それぞれをpH7.0に再調整し、阻害活性
を測定した結果pH6〜8では活性に変化はなかった。即
ち、ケクスタチンIIは、pH6〜8で安定であることが判
明した。
が、試料の阻害活性は全く変化しなかった。これにより
ケクスタチンIIは熱に安定な物質であると判明した。ま
た上記試料のpHを2、4、6、8、10に調整後、一晩室
温に放置した。それぞれをpH7.0に再調整し、阻害活性
を測定した結果pH6〜8では活性に変化はなかった。即
ち、ケクスタチンIIは、pH6〜8で安定であることが判
明した。
【0031】〔実施例3〕S138株の生産するケクスタチ
ンIIの精製 S138株をでんぷん培地〔2%スターチ、4%ポリペプト
ン、0.1%NaCl、0.1%K2HPO4、0.05%MgSO4・7H2O〕で3
0℃、72時間通気培養を行い、菌体を遠心で除去し、1.6
l の培養上清を得た。本培養液中のKex2プロテアーゼ
阻害物質は透析膜内に留まることから、高分子、恐らく
タンパク質であると推測された。この1.6lの培養上清に
硫安を80%(W/V)飽和になるように加え、4℃で一晩静
置した。生じた沈殿を遠心で集め、緩衝液A〔20mM Tris
-HCl, pH7.5〕に溶解した。この溶液によく冷やしたア
セトンを加え、50〜66.7%(w/v)アセトンで沈殿する画
分を遠心で集め、52.4 ml の0.15 M NaClを含む緩衝液A
に溶解した。アセトン分画した画分をセファデックス G
75カラム(5×50cm、Pharmacia製)でゲル濾過を行
い、Kex2プロテアーゼ阻害活性を示す画分185 mlを集め
た。活性画分を緩衝液B〔20mM Tris-HCl, pH8.0〕に対
し透析し、緩衝液Bで平衡化したDEAE-セファデックス
CL-Bカラム(1.5 ×24 cm)に添加し、0〜0.2 M NaClの
直線濃度勾配で溶出した。活性画分38.7 ml を集め-80
℃で保存した。図1に、精製標品のSDS-ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動の結果を示した。精製したケクスタチ
ンIIは電気泳動的に均一で、同時に泳動したケクスタチ
ンI(11,500)よりもわずかに速く泳動され、分子量マ
ーカーの泳動距離との比較から分子量は10,500と計算さ
れた。
ンIIの精製 S138株をでんぷん培地〔2%スターチ、4%ポリペプト
ン、0.1%NaCl、0.1%K2HPO4、0.05%MgSO4・7H2O〕で3
0℃、72時間通気培養を行い、菌体を遠心で除去し、1.6
l の培養上清を得た。本培養液中のKex2プロテアーゼ
阻害物質は透析膜内に留まることから、高分子、恐らく
タンパク質であると推測された。この1.6lの培養上清に
硫安を80%(W/V)飽和になるように加え、4℃で一晩静
置した。生じた沈殿を遠心で集め、緩衝液A〔20mM Tris
-HCl, pH7.5〕に溶解した。この溶液によく冷やしたア
セトンを加え、50〜66.7%(w/v)アセトンで沈殿する画
分を遠心で集め、52.4 ml の0.15 M NaClを含む緩衝液A
に溶解した。アセトン分画した画分をセファデックス G
75カラム(5×50cm、Pharmacia製)でゲル濾過を行
い、Kex2プロテアーゼ阻害活性を示す画分185 mlを集め
た。活性画分を緩衝液B〔20mM Tris-HCl, pH8.0〕に対
し透析し、緩衝液Bで平衡化したDEAE-セファデックス
CL-Bカラム(1.5 ×24 cm)に添加し、0〜0.2 M NaClの
直線濃度勾配で溶出した。活性画分38.7 ml を集め-80
℃で保存した。図1に、精製標品のSDS-ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動の結果を示した。精製したケクスタチ
ンIIは電気泳動的に均一で、同時に泳動したケクスタチ
ンI(11,500)よりもわずかに速く泳動され、分子量マ
ーカーの泳動距離との比較から分子量は10,500と計算さ
れた。
【0032】〔実施例4〕ケクスタチンIIの諸性質の検
討 ケクスタチンIIの各種プロテアーゼに対する阻害活性を
合成蛍光基質を用いた方法、あるいはカゼイン・フォー
リン法によって調べた(Reimerdes, E.H. & Klostermey
er, H. (1976) Methods Enzymol., 45, 26-28、Lowry,
O.H. et al. (1951) J. Biol. Chem. 193, 265-275)。
ズブチリシン、トリプシン、キモトリプシンについて
は、ケクスタチンII添加時と非添加時において各々の特
異的蛍光基質と反応させ、励起波長385nm、蛍光波長465
nmで蛍光強度を測定した。サーモリシンやペプシンにつ
いては、ケクスタチンII添加時と非添加時についてカゼ
インを基質とし、酸可溶性のペプチドをフォーリン法に
よって測定した。ケクスタチンII 0.5μgに対して、モ
ル比で10分の1量の各酵素を添加した場合の阻害率を下
表に示す。
討 ケクスタチンIIの各種プロテアーゼに対する阻害活性を
合成蛍光基質を用いた方法、あるいはカゼイン・フォー
リン法によって調べた(Reimerdes, E.H. & Klostermey
er, H. (1976) Methods Enzymol., 45, 26-28、Lowry,
O.H. et al. (1951) J. Biol. Chem. 193, 265-275)。
ズブチリシン、トリプシン、キモトリプシンについて
は、ケクスタチンII添加時と非添加時において各々の特
異的蛍光基質と反応させ、励起波長385nm、蛍光波長465
nmで蛍光強度を測定した。サーモリシンやペプシンにつ
いては、ケクスタチンII添加時と非添加時についてカゼ
インを基質とし、酸可溶性のペプチドをフォーリン法に
よって測定した。ケクスタチンII 0.5μgに対して、モ
ル比で10分の1量の各酵素を添加した場合の阻害率を下
表に示す。
【0033】
【表2】
【0034】表2が示すように、ケクスタチンIIはズブ
チリシン及びトリプシンは阻害したが他のプロテアーゼ
は阻害しなかった。従って、ケクスタチンIIはKex2プロ
テアーゼ・ファミリー酵素だけでなく、同じセリンプロ
テアーゼのズブチリシンやトリプシンも阻害するが、同
じセリンプロテアーゼのキモトリプシンは阻害しない
し、他のタイプのプロテアーゼに属するサーモリシンや
ペプシンも阻害しない。一方、ズブチリシンに対するタ
ンパク質性のインヒビターであるSSIは、ズブチリシ
ンを特異的に阻害し、Kex2プロテアーゼやトリプシン、
キモトリプシン、サーモリシン、ペプシンは阻害しな
い。
チリシン及びトリプシンは阻害したが他のプロテアーゼ
は阻害しなかった。従って、ケクスタチンIIはKex2プロ
テアーゼ・ファミリー酵素だけでなく、同じセリンプロ
テアーゼのズブチリシンやトリプシンも阻害するが、同
じセリンプロテアーゼのキモトリプシンは阻害しない
し、他のタイプのプロテアーゼに属するサーモリシンや
ペプシンも阻害しない。一方、ズブチリシンに対するタ
ンパク質性のインヒビターであるSSIは、ズブチリシ
ンを特異的に阻害し、Kex2プロテアーゼやトリプシン、
キモトリプシン、サーモリシン、ペプシンは阻害しな
い。
【0035】実施例1に示した方法で、Kex2プロテアー
ゼに対する各種濃度のケクスタチンIIの阻害活性を調
べ、ケクスタチンIと比較した(図2)。結果は両者と
も典型的な拮抗阻害のパターンを示し、0.5μgのKex2プ
ロテアーゼの活性を50%阻害するケクスタチンIIの量
(IC50)は0.06μgと計算され、SSIとケクスタチンII
の分子量を考慮するなら、ケクスタチンIIは上記SSI
と同様非常に強い阻害剤といえる。また、ケクスタチン
IのIC50 は、0.2μgと計算されるので、ケクスタチンI
IはケクスタチンIに比べて約3倍のKex2プロテアーゼ
に対する阻害活性を有する。
ゼに対する各種濃度のケクスタチンIIの阻害活性を調
べ、ケクスタチンIと比較した(図2)。結果は両者と
も典型的な拮抗阻害のパターンを示し、0.5μgのKex2プ
ロテアーゼの活性を50%阻害するケクスタチンIIの量
(IC50)は0.06μgと計算され、SSIとケクスタチンII
の分子量を考慮するなら、ケクスタチンIIは上記SSI
と同様非常に強い阻害剤といえる。また、ケクスタチン
IのIC50 は、0.2μgと計算されるので、ケクスタチンI
IはケクスタチンIに比べて約3倍のKex2プロテアーゼ
に対する阻害活性を有する。
【0036】〔実施例5〕ケクスタチンIIのアミノ末端
アミノ酸配列の決定 精製したケクスタチンIIをSDS-ポリアクリルアミドゲル
(15%)で電気泳動を行った後、PVDF(polyvinylidene
difluoride)膜に電気泳動でトランスファーした。PVD
F膜をクマジーブリリアントブルーR250で染色後、ケク
スタチンIIに相当する部分を切り取り、直接自動ペプチ
ドシーケンサー(Perkin Elmer/AppliedBiosystems 476
A)を用いてアミノ末端配列を決定した。アミノ末端か
ら19残基のアミノ酸配列が以下のように決定された。
アミノ酸配列の決定 精製したケクスタチンIIをSDS-ポリアクリルアミドゲル
(15%)で電気泳動を行った後、PVDF(polyvinylidene
difluoride)膜に電気泳動でトランスファーした。PVD
F膜をクマジーブリリアントブルーR250で染色後、ケク
スタチンIIに相当する部分を切り取り、直接自動ペプチ
ドシーケンサー(Perkin Elmer/AppliedBiosystems 476
A)を用いてアミノ末端配列を決定した。アミノ末端か
ら19残基のアミノ酸配列が以下のように決定された。
【0037】 Tyr-Ala-Pro-Ser-Ala-Leu-Val-Leu-Thr-Val-Gly-Gln-Gly-Asp-Asp- Ala-Thr-Thr-Gly-Gly-Ile-Gln-Arg-Ala-Val- この配列を、データベースのアミノ酸配列と比較する
と、SSIを初めとするSSIファミリーのタンパク性
プロテアーゼインヒビターのアミノ酸配列と高い相同性
を示した(図3)。従って、ケクスタチンIIはSSIフ
ァミリーに属するプロテアーゼインヒビターであること
がわかった。またケクスタチンIのアミノ酸配列と比較
すると、両者はよく類似しているものの、そのアミノ末
端アミノ酸配列は明らかに異なっていた。
と、SSIを初めとするSSIファミリーのタンパク性
プロテアーゼインヒビターのアミノ酸配列と高い相同性
を示した(図3)。従って、ケクスタチンIIはSSIフ
ァミリーに属するプロテアーゼインヒビターであること
がわかった。またケクスタチンIのアミノ酸配列と比較
すると、両者はよく類似しているものの、そのアミノ末
端アミノ酸配列は明らかに異なっていた。
【0038】
【発明の効果】本発明は、医薬、農薬等として有用な新
規プロテアーゼインヒビターを提供する。
規プロテアーゼインヒビターを提供する。
【0039】
配列番号:1 配列の長さ:25 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 起源 生物名:Streptoverticillium ladakanum 株名:S138 配列 Tyr Ala Pro Ser Ala Leu Val Leu Thr Val Gly Gln Gly Asp Asp Ala Thr Thr Gly Gly Ile Gln Arg Ala Val
【図1】ケクスタチンIIのSDS-ポリアクリルアミドゲル
電気泳動を示す写真である。
電気泳動を示す写真である。
【図2】ケクスタチンII及びケクスタチンIの濃度と阻
害活性の関係を示す図である。
害活性の関係を示す図である。
【図3】SSIファミリーに属する各種プロテアーゼイ
ンヒビターのアミノ酸配列を示す図である。
ンヒビターのアミノ酸配列を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
Claims (2)
- 【請求項1】 Kex2プロテアーゼ・ファミリー酵素に
対する阻害活性を有し、分子量が10,500であることを特
徴とするプロテアーゼインヒビター。 - 【請求項2】 ストレプトバーチシリウム属に属し、請
求項1記載のプロテアーゼインヒビター生産能を有する
微生物を培地に培養し、培養物から請求項1記載のプロ
テアーゼインヒビターを採取することを特徴とする請求
項1記載のプロテアーゼインヒビターの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9049418A JPH10243797A (ja) | 1997-03-04 | 1997-03-04 | 新規プロテアーゼインヒビター及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9049418A JPH10243797A (ja) | 1997-03-04 | 1997-03-04 | 新規プロテアーゼインヒビター及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10243797A true JPH10243797A (ja) | 1998-09-14 |
Family
ID=12830533
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9049418A Pending JPH10243797A (ja) | 1997-03-04 | 1997-03-04 | 新規プロテアーゼインヒビター及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10243797A (ja) |
-
1997
- 1997-03-04 JP JP9049418A patent/JPH10243797A/ja active Pending
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