JPH1025311A - 塩化ビニル系単量体の重合開始剤および塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系単量体の重合開始剤および塩化ビニル系重合体の製造方法

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JPH1025311A
JPH1025311A JP17791796A JP17791796A JPH1025311A JP H1025311 A JPH1025311 A JP H1025311A JP 17791796 A JP17791796 A JP 17791796A JP 17791796 A JP17791796 A JP 17791796A JP H1025311 A JPH1025311 A JP H1025311A
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vinyl chloride
polymerization
polymerization initiator
peroxyester
monomer
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JP17791796A
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English (en)
Inventor
Hideyo Ishigaki
秀世 石垣
Daisuke Kayaba
大介 萱場
Katsuki Taura
克樹 田浦
Isao Nakada
庸 中田
Hiroki Uchida
浩樹 内田
Shuji Suyama
修治 須山
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NOF Corp
Original Assignee
NOF Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高収率を維持しつつ、重合時間の短縮を図る
ことができるとともに、得られる塩化ビニル系重合体の
着色性、臭気、フィッシュアイ、熱安定性などの物性を
向上させることができる塩化ビニル系単量体の重合開始
剤およびそれを用いる塩化ビニル系重合体の製造方法を
提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系単量体の重合開始剤は、下
記一般式(1)で表わされるペルオキシエステルを主成
分とするネオオクタン酸ペルオキシエステルよりなる。
さらに、半減期が10時間となる温度が25〜65℃で
ある重合開始剤を併用することができる。 【化1】 (式中Rは炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐アルキル
基、シクロヘキシル基またはフェニル基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、塩化ビニル系単
量体の重合に有効な重合開始剤およびその重合開始剤を
用いた塩化ビニル系重合体の製造方法に関するものであ
る。詳しくは、重合時間を短縮でき、臭気、着色性、フ
ィッシュアイ等の物性に優れた塩化ビニル系重合体を得
ることができる塩化ビニル系単量体の重合開始剤および
塩化ビニル系重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系単量体を重合するに際し、
重合開始剤として、従来よりt−ブチルペルオキシネオ
デカノエート(以下、BNDと略記する)、ビス(2−
エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート(以下、O
PPと略記する)、3,5,5−トリメチルヘキサノイ
ルペルオキシド(以下、INPOと略記する),t−オ
クチルペルオキシネオデカノエート等が用いられてい
る。これら重合開始剤のベンゼン中における0.1モル
濃度液についての半減期が10時間となる温度(以下、
10時間半減期温度と略記する)は、いずれも45〜6
0℃の範囲に入るものである。
【0003】従って、これらを塩化ビニル系単量体の重
合に用いる場合、比較的高い重合温度を必要とし、しか
もかなり多量使用しなければ、重合が完結しないという
点で経済的に不利であるという大きな問題があった。こ
の点を改良するため、また重合サイクルを短縮して生産
性を高めるため、ジイソブチリルペルオキシド(以下I
BPOと略記する)などのより低温活性の重合開始剤が
開発され、単独または従来の重合開始剤と併用して用い
られている。
【0004】このような低温活性重合開始剤としては、
具体的にはIBPO、アセチルシクロヘキシルスルホニ
ルペルオキシド(以下、ACSPと略記する)(特開昭
40−16795号公報)やクミルペルオキシネオデカ
ノエート(以下、CNDと略記する)(特開昭58−1
20611号公報)などの10時間半減期温度がいずれ
も40℃以下のものである。
【0005】また、特公昭59−14481号公報に
は、第3級アルキルペルオキシエステルによるビニル単
量体の重合方法が開示されている。この重合開始剤は、
アシル基側が炭素数11個までのアルキル基を有し、そ
のうち高々1個がメチル基である第3級カルボキシル基
であり、アルキルペルオキシ基側が炭素数7個までの第
3級アルキルペルオキシドである。
【0006】また、特開平3−20309号公報には、
α位にイソプロピル基を2個有する3級脂肪酸のペルオ
キシエステルによるビニル単量体の重合方法が開示され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これら従来
の低温活性重合開始剤はその低温における活性が十分と
は言えず、重合時間の短縮の効果は小さいものであっ
た。このため、重合効率の高い重合開始剤が望まれてい
る。
【0008】また、このような生産性向上と同時に、最
近では特に重合体の品質が重視されるようになり、高活
性だけでなく、重合体の品質を向上させるような重合開
始剤が望まれている。
【0009】このように、生産性向上および重合体の品
質向上の点において従来の低温活性重合開始剤はそれぞ
れ問題があった。すなわち、IBPOは重合活性の持続
性がなく、またACSPは分解生成物の衛生上の問題
と、得られた重合体が着色するなど熱安定性の問題があ
った。さらに、CNDは重合性の点では優れた重合開始
剤であるが、これを多量に用いた場合特に分解生成物の
ために重合体に特有の臭気があるという欠点を有してい
た。
【0010】また、特公昭59−14481号公報およ
び特開平3−20309号公報に開示された第3級アル
キルペルオキシエステル類は、重合後半の圧力低下開始
から後の重合活性の低下が著しい。そのため、重合転化
率を十分に上げることが出来なかった。従って低温活性
で、重合の後半における活性の高いペルオキシドが望ま
れている。
【0011】この発明は、このような従来技術に存在す
る問題に着目してなされたものである。その目的とする
ところは、高収率を維持しつつ、重合時間の短縮を図る
ことができるとともに、得られる塩化ビニル系重合体の
着色性、臭気、フィッシュアイ、熱安定性などの物性を
向上させることができる塩化ビニル系単量体の重合開始
剤および塩化ビニル系重合体の製造方法を提供すること
にある。
【0012】また、その他の目的とするところは、その
他の重合開始剤を併用することにより、均一速度で重合
を進行させることができるとともに、重合サイクルを短
縮することができる塩化ビニル系単量体の重合開始剤お
よび塩化ビニル系重合体の製造方法を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明の塩化ビニル系単量体の重合開始剤は、
下記一般式(1)で表わされるペルオキシエステルを含
有するネオオクタン酸ペルオキシエステルよりなるもの
である。
【0014】
【化2】 (式中Rは炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐アルキル
基、シクロヘキシル基またはフェニル基を表す。) 第2の発明の塩化ビニル系単量体の重合開始剤は、第1
の発明において、さらに、ベンゼン中0.1モル濃度で
測定した半減期が10時間となる温度が25〜65℃で
ある重合開始剤を含有するものである。
【0015】第3の発明の塩化ビニル系重合体の製造方
法は、重合開始剤として第1または第2の発明の重合開
始剤を用い、塩化ビニル系単量体を重合するものであ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施形態につ
いて、詳細に説明する。まず、塩化ビニル系単量体を重
合する際に使用される重合開始剤について説明する。
【0017】重合開始剤は、前記一般式(1)で示され
るペルオキシエステルを含有するネオオクタン酸ペルオ
キシエステルよりなるものである。式中Rは炭素数1〜
5の直鎖若しくは分岐アルキル基、シクロヘキシル基ま
たはフェニル基を表す。ネオオクタン酸ペルオキシエス
テルは、塩化ビニル系単量体の重合開始能を十分に発揮
させるため、一般式(1)で示されるペルオキシエステ
ルを主成分として含有するものが望ましい。
【0018】このペルオキシエステルは、その作用は明
確ではないが、一般式(1)で表される特異な構造に基
づいて、塩化ビニル系単量体の重合に際し、低温におけ
る活性を発揮する。
【0019】このペルオキシエステルとしては、具体的
には例えば、t−ブチルペルオキシ−2−メチル−2−
イソプロピルブチレート、t−アミルペルオキシ−2−
メチル−2−イソプロピルブチレート、t−ヘキシルペ
ルオキシ−2−メチル−2−イソプロピルブチレート、
t−オクチルペルオキシ−2−メチル−2−イソプロピ
ルブチレート、1−メチル−1−シクロヘキシルエチル
ペルオキシ−2−メチル−2−イソプロピルブチレー
ト、クミルペルオキシ−2−メチル−2−イソプロピル
ブチレート等が挙げられる。これらのうち、t−ブチル
ペルオキシ−2−メチル−2−イソプロピルブチレート
は、入手が容易で、安価であるため、好ましい。
【0020】このペルオキシエステルは、第3級ヒドロ
ペルオキシドと2−メチル−2−イソプロピルブチリル
クロライドとを、アルカリ触媒の存在下で反応させるこ
とにより製造することができる。用いられる第3級ヒド
ロペルオキシドとしては、t−ブチルヒドロペルオキシ
ド、t−アミルヒドロペルオキシド、t−ヘキシルヒド
ロペルオキシド、t−オクチルヒドロペルオキシド、1
−メチル−1−シクロヘキシルエチルヒドロペルオキシ
ド、クミルヒドロペルオキシド等が挙げられる。また、
アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等が用いられる。さらに、反応温度は通常10〜3
0℃である。
【0021】2−メチル−2−イソプロピルブチリルク
ロライドは、例えばネオオクタン酸〔2−メチル−2−
イソプロピルブチリックアシドを主成分とするネオオク
タン酸の混合物、例えばエクソンケミカル(Exxon
Chemical)社製〕を塩化チオニルなどで塩素
化して製造される。
【0022】次に、上記重合開始剤を用いた塩化ビニル
系重合体の製造方法について説明する。塩化ビニル系単
量体とは、塩化ビニル単独、または塩化ビニルと共重合
可能なビニル単量体と塩化ビニルとの混合物を表す。塩
化ビニルと共重合可能なビニル単量体としては、例えば
エチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、ア
クリル酸エステル類等が挙げられる。
【0023】上記重合開始剤の使用量は、通常、用いる
塩化ビニル系単量体100重量部に対し、純品換算で
0.001〜2重量部が好ましく、0.01〜1重量部
がさらに好ましい。0.001重量部未満では重合速度
が低下し、また2重量部を越えると重合速度が大きくな
り、その調節が困難になる。
【0024】重合方法は、懸濁重合法、塊状重合法、溶
液重合法などが採用されるが、懸濁重合法が塩化ビニル
系重合体の粉末を容易に得るために好ましい。懸濁重合
法は、塩化ビニル系単量体を懸濁剤により水に分散させ
た状態で重合を行う方法である。この重合方法における
重合温度は、40〜65℃が好ましい。40℃未満では
重合速度が低下し、65℃を越える温度では重合速度が
大きくなってその調節が困難になり、いずれも好ましく
ない。
【0025】前記重合開始剤としての一般式(1)で表
されるペルオキシエステルを含有するネオオクタン酸ペ
ルオキシエステルは、単独で用いられるほか、その重合
開始剤とベンゼン中の濃度0.1モル/リットルで測定
した半減期が10時間である10時間半減期温度(以下
T10で表記する)が25〜65℃である重合開始剤と
が併用して用いられる。この場合、重合初期から重合後
半まで比較的均一速度で重合を進行させることができる
とともに、重合サイクルを短縮することができる。この
ため、限られた能力の冷却装置を用いて効率的に、塩化
ビニル系単量体の重合を行うことができる。
【0026】併用できる重合開始剤としては、例えばク
ミルペルオキシネオデカノエート(T10=36℃)、
ジ(t−ブチルペルオキシ)ジグリコレート(T10=
34℃)、ジ(t−ヘキシルペルオキシ)ジグリコレー
ト(T10=32℃)、t−オクチルペルオキシジグリ
コレート(T10=28℃)、t−ヘキシルペルオキシ
ピバレート(T10=52℃)、t−ブチルペルオキシ
ネオヘプタノエート(T10=52℃)、ラウロイルペ
ルオキシド(T10=62℃)、3,5,5−トリメチ
ルヘキサノイルペルオキシド(T10=59℃)等が挙
げられる。
【0027】これらのうち、クミルペルオキシネオデカ
ノエートおよびジ(t−ヘキシルペルオキシ)ジグリコ
レートは、重合速度が大きく、かつ初期着色性等の物性
が良いため、より好ましい。なお、これらのペルオキシ
ドは純品、溶剤希釈品、水エマルションあるいはサスペ
ンションの形態で使用される。
【0028】一般式(1)で表されるペルオキシエステ
ルを含有するネオオクタン酸ペルオキシエステルと、そ
れと併用するT10が25〜65℃である重合開始剤の
使用量は、通常塩化ビニル系単量体100重量部に対し
て純品換算で0.001〜0.5重量部が好ましく、
0.01〜0.3重量部がさらに好ましい。0.001
重量部未満では重合開始効果が不十分であり、0.5重
量部を越えるとネオオクタン酸ペルオキシエステルのも
つ重合開始剤としての機能が低下するため好ましくな
い。
【0029】以上のような実施形態により発揮される効
果について説明する。 (1) 重合開始剤として前記一般式(1)で表される
特定構造のペルオキシエステルを使用することから、重
合効率を高めることができ、副生物の生成を抑制して、
塩化ビニル系重合体を高収率で得ることができる。 (2) 一般式(1)で表されるペルオキシエステルが
十分な重合活性、特に重合後半における高い重合開始効
率を発揮し、塩化ビニル系単量体を効率良く重合でき、
重合時間の短縮を図ることができる。 (3) 一般式(1)で表される特定構造のペルオキシ
エステルを用いることから、得られる塩化ビニル系重合
体の着色性を抑制することができる。 (4) 一般式(1)で表される特定のペルオキシエス
テルを用いることにより、得られる塩化ビニル系重合体
の臭気を抑制することができる。 (5) 一般式(1)で表される特定構造のペルオキシ
エステルを用いることから、得られる塩化ビニル系重合
体中のフィッシュアイを低減させることができる。 (6) 塩化ビニル系単量体を低温で効率良く重合させ
ることができ、塩化ビニル系重合体の熱安定性を向上さ
せることができる。 (7) 重合開始剤として、一般式(1)で表わされる
ペルオキシエステルを含有するネオオクタン酸ペルオキ
シエステルと、10時間半減期温度が25〜65℃のそ
の他の重合開始剤とを併用することにより、塩化ビニル
系単量体の重合初期から重合後半まで均一速度で重合を
進行させることができる。 (8) 従って、塩化ビニル系単量体の重合サイクルを
短縮することができ、限られた能力の冷却装置を用いて
効率的に塩化ビニル系単量体の重合を行うことができ
る。
【0030】
【実施例】次に、合成例、実施例および比較例を挙げ
て、この発明をさらに具体的に説明する。なお、各例中
の略号は以下の化合物を示す。
【0031】BMIB:t−ブチルペルオキシ−2−メ
チル−2−イソプロピルブチレートを主成分とするネオ
オクタン酸ペルオキシエステル HMIB:t−ヘキシルペルオキシ−2−メチル−2−
イソプロピルブチレートを主成分とするネオオクタン酸
ペルオキシエステル OMIB:t−オクチルペルオキシ−2−メチル−2−
イソプロピルブチレートを主成分とするネオオクタン酸
ペルオキシエステル CMIB:クミルペルオキシ−2−メチル−2−イソプ
ロピルブチレートを主成分とするネオオクタン酸ペルオ
キシエステル BDIB:t−ブチルペルオキシ−2,3−ジメチル−
2−イソプロピルブチレート CND:クミルペルオキシネオデカノエート HDG:ジ(t−ヘキシルペルオキシ)ジグリコレート ACSP:アセチルシクロヘキシルスルホニルペルオキ
シド IBPO:イソブチリルペルオキシド INPO:3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオ
キシド OPP:ビス(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカー
ボネート BNHP:t−ブチルペルオキシネオヘプタノエート (合成例1、BMIBの合成)次のような方法で、重合
開始剤BMIBの合成を行った。
【0032】撹拌機を備えた1000mlの4つ口フラ
スコに35%水酸化カリウム水溶液240gを入れ、撹
拌下に液温を15℃に保ちながら、70%t−ブチルヒ
ドロペルオキシド154gを添加した。その後、同じ温
度でネオオクタン酸〔2−メチル−2−イソプロピルブ
チリックアシドを81%含有するネオオクタン酸混合
物、エクソンケミカル(Exxon Chemical)社製〕を塩化
チオニルで塩素化して製造したネオオクタン酸クロライ
ド162.5gを30分間で滴下した。次いで、液温を
20℃に上げ、1時間撹拌を続けた。
【0033】その後、冷水200gを加えて、5分間撹
拌し、分液して油層を採取した。そして、5%水酸化ナ
トリウム水溶液で洗浄後、水で3回洗浄した。これを無
水硫酸マグネシウムで脱水して、濾過した。その結果、
無色透明液体として、204gを得た。この化合物は、
赤外線吸収スペクトル分析(IR)および核磁気共鳴ス
ペクトル分析(NMR)の分析結果から、BMIBであ
ることを確認した。また、活性酸素の測定結果から、純
度95%のBMIBを収率90%で得た。 (合成例2、HMIBの合成)合成例1において、70
%t−ブチルヒドロペルオキシド154gの代わりに、
90%t−ヘキシルヒドロペルオキシド157gを用い
た他は合成例1に準じて実施した。その結果、無色透明
液体として、239gを得た。この化合物は、IRおよ
びNMRの分析結果から、HMIBであることを確認し
た。また、活性酸素の測定結果から、純度94%のHM
IBを収率92%で得た。 (合成例3、OMIBの合成)合成例1において、70
%t−ブチルヒドロペルオキシド154gの代わりに、
90%t−オクチルヒドロペルオキシド162gを用い
た他は合成例1に準じて実施した。その結果、無色透明
液体として、254gを得た。この化合物は、IRおよ
びNMRの分析結果から、OMIBであることを確認し
た。また、活性酸素の測定結果から、純度91%のOM
IBを収率85%で得た。 (合成例4、CMIBの合成)合成例1において、70
%t−ブチルヒドロペルオキシド154gの代わりに、
91%クメンヒドロペルオキシド167gを用いた他は
合成例1に準じて実施した。その結果、無色透明液体と
して、262gを得た。この化合物は、IRおよびNM
Rの分析結果から、CMIBであることを確認した。ま
た、活性酸素の測定結果から、純度89%のCMIBを
収率84%で得た。 (実施例1)圧力計および撹拌機のついた内容量500
0mlのステンレス鋼製オートクレーブに、イオン交換
水2000mlとポリビニルアルコール1gとを入れて
溶解させた。次に、合成例1で得たBMIBを純品換算
で0.5g添加した後、−70℃以下に冷却し、塩化ビ
ニル単量体1000gを加えた。オートクレーブの空間
部分を窒素ガスで置換した後密栓した。
【0034】オートクレーブを温水で保温して、内部温
度を55℃に保ちながら、オートクレーブ内部の圧力が
低下しはじめ、さらに6.0気圧まで低下するまで重合
を続けた。その結果、圧力低下しはじめは、3.5時
間、最終時間は4.0時間であった。重合後の混合物を
濾過、水洗後、乾燥した。そして、820gの重合物を
得た。
【0035】得られた塩化ビニル重合体の熱安定性試験
として下記に示す着色性試験を行い、同時に臭気につい
ても調べた。また、フィッシュアイの試験も行った。そ
れぞれの結果を下記表1に示す。 (着色性試験及び臭気)塩化ビニル重合体100g,ジ
オクチルフタレート50g,ジブチルスズマレエート
2.5gを混合し、160℃のロール上で10分間混練
し、1mm厚みのシートを取り出し、そのシートの着色度
を目視にて観察した。また、得られたシートの臭気を調
べた。 (フィッシュアイ)塩化ビニル重合体50gに,ジオク
チルフタレート20g,バリウム(Ba)−亜鉛(Z
n)系安定剤2gおよび顔料3gを加えて混合した後、
140℃のロールで5分間混練した。そして、得られた
厚さ0.3mmのシート100cm2 中に認められるフィッ
シュアイの数を示した。 (実施例2〜4)実施例1において、BMIBの代わり
に表1に示すペルオキシドを用いた他は実施例1に準じ
て試験した。その結果を表1に示す。 (実施例5〜12)実施例1において、BMIBの代わ
りに表1および表2に示すペルオキシドを併用し、重合
温度を変えた他は実施例1に準じて試験した。その結果
を表1および表2に示す。 (比較例1〜6)実施例1において、BMIBの代わり
に表3に示すペルオキシドを用いた他は実施例1に準じ
て試験した。その結果を表3に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】 表1〜表3に示したように、この発明を具体化した実施
例1〜4、7〜12と従来の比較例1〜3および5を比
較すると、各実施例では、比較例より重合終了時間を短
縮することができた。特に、圧力降下時間から重合終了
時間までの時間を短縮できることがわかる。従って、全
重合時間に対して重合前半での除熱を行う時間を長くす
ることができる。このため、発熱を伴う塩化ビニルの重
合を、比較的小さい除熱(冷却)能力で行うことがで
き、冷却装置の能力を軽減することができる。
【0039】また、実施例1〜4と比較例4とを比較す
ると、各実施例では、比較例より着色性がなく、フィッ
シュアイの少ない重合物が得られることがわかる。さら
に、実施例1〜4と比較例6を比較すると、各実施例で
は比較例より臭気がなく、フィッシュアイの少ない重合
物が得られることがわかる。
【0040】さらに、低温活性の重合開始剤を併用した
場合(実施例5および6)、均一速度で重合を進行させ
ることができるとともに、重合サイクルを短縮すること
ができた。
【0041】加えて、実施例5と比較例6を比較する
と、CND単独の場合(比較例6)に感じられた臭気
も、CNDにBMIBを併用した場合(実施例5)では
低減させることができた。
【0042】次に、前記実施形態より把握される技術的
思想について、以下に記載する。 (a) 前記ネオオクタン酸ペルオキシエステルは、前
記一般式(1)で表されるペルオキシエステルを主成分
として含有するものである請求項1に記載の塩化ビニル
系単量体の重合開始剤。
【0043】このように構成した場合、塩化ビニル系重
合体の着色性、臭気、フィッシュアイ、熱安定性などの
物性を確実に向上させることができる。 (b) 前記重合は、懸濁重合法により行うものである
請求項3に記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
【0044】この方法によれば、所望の物性を有する塩
化ビニル系重合体を容易に得ることができる。 (c) 前記一般式(1)で表わされるペルオキシエス
テルは、第3級ヒドロペルオキシドと2−メチル−2−
イソプロピルブチリルクロライドとを、アルカリ触媒の
存在下で反応させて得られるものである請求項1に記載
の塩化ビニル系単量体の重合開始剤。
【0045】このように構成した場合、一般式(1)で
表わされるペルオキシエステルを効率良く得ることがで
きる。 (d) 前記アルカリ触媒は、水酸化ナトリウムまたは
水酸化カリウムである上記(c)に記載の塩化ビニル系
単量体の重合開始剤。
【0046】この構成によれば、ペルオキシエステルを
容易に得ることができる。 (e) 塩化ビニル系単量体は、塩化ビニル単独、また
は塩化ビニルと共重合可能なビニル単量体と塩化ビニル
との混合物である請求項1に記載の塩化ビニル系単量体
の重合開始剤。
【0047】この構成によれば、重合開始剤を塩化ビニ
ル単量体と他の単量体とを共重合させる場合にも使用で
き、着色性や臭気が抑制され、フィッシュアイの少ない
塩化ビニル重合体を得ることができる。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような優れた効果を奏する。第1の発明の塩化
ビニル系単量体の重合開始剤によれば、高収率を維持し
つつ、重合時間の短縮を図ることができるとともに、得
られる塩化ビニル系重合体の着色性、臭気、フィッシュ
アイ、熱安定性などの物性を向上させることができる。
従って、工業的な利用価値は極めて高い。
【0049】第2の発明によれば、第1の発明の効果に
加えて、他の重合開始剤を併用することにより、均一速
度で重合を進行させることができるとともに、重合サイ
クルを短縮することができる。
【0050】第3の発明の塩化ビニル系重合体の製造方
法によれば、塩化ビニル系単量体を例えば懸濁重合法で
重合させて塩化ビニル系重合体を得る場合、第1の発明
の効果または第2の発明の効果を容易に奏することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 庸 愛知県半田市乙川源内林町1丁目2番地の 15 (72)発明者 内田 浩樹 愛知県知多郡武豊町字西門8番地 (72)発明者 須山 修治 愛知県知多郡武豊町字楠4丁目132番地

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表わされるペルオキ
    シエステルを含有するネオオクタン酸ペルオキシエステ
    ルよりなる塩化ビニル系単量体の重合開始剤。 【化1】 (式中Rは炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐アルキル
    基、シクロヘキシル基またはフェニル基を表す。)
  2. 【請求項2】 さらに、ベンゼン中0.1モル濃度で測
    定した半減期が10時間となる温度が25〜65℃であ
    る重合開始剤を含有する請求項1に記載の塩化ビニル系
    単量体の重合開始剤。
  3. 【請求項3】 重合開始剤として請求項1または2に記
    載の重合開始剤を用い、塩化ビニル系単量体を重合する
    塩化ビニル系重合体の製造方法。
JP17791796A 1995-07-21 1996-07-08 塩化ビニル系単量体の重合開始剤および塩化ビニル系重合体の製造方法 Pending JPH1025311A (ja)

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