JPH10282302A - プラスチックレンズおよびその製造方法 - Google Patents

プラスチックレンズおよびその製造方法

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JPH10282302A
JPH10282302A JP9083153A JP8315397A JPH10282302A JP H10282302 A JPH10282302 A JP H10282302A JP 9083153 A JP9083153 A JP 9083153A JP 8315397 A JP8315397 A JP 8315397A JP H10282302 A JPH10282302 A JP H10282302A
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JP
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plastic lens
ultraviolet
hard coat
coat layer
absorbing layer
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JP9083153A
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English (en)
Inventor
Toru Nakamura
徹 中村
Toshiya Tanaka
俊也 田中
Koji Yamazaki
浩二 山崎
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線硬化型樹脂からなるハードコート層を
有するプラスチックレンズの性能を向上させる。 【解決手段】 本発明のプラスチックレンズは、プラス
チックレンズ基材と、紫外線吸収剤および有機化合物を
含みプラスチックレンズ基材上に形成された紫外線吸収
層と、紫外線の照射または紫外線の照射及び加熱により
重合する物質を含有する化合物を原料として紫外線吸収
層上に形成されたハードコート層とを有するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線により硬化
したハードコート層を有するプラスチックレンズに関す
る。本発明のプラスチックレンズは、耐擦傷性、耐摩耗
性、耐衝撃性等の耐久性に優れ、また外観も良好な実用
性に優れたものである。
【0002】
【従来の技術】最近、プラスチックレンズは軽量、簡易
加工性、染色が容易などの長所を有することから、光学
材料、特に眼鏡用レンズの分野で急速に普及している。
しかし、一般にプラスチックレンズは傷付き易いという
欠点を有する。そのため、通常はプラスチックレンズ基
材表面にハードコート層を形成することにより、耐擦傷
性や耐摩耗性を向上させている。
【0003】例えばプラスチックレンズ基材の屈折率が
1.5程度である比較的低屈折率のプラスチックレンズ
基材を用いてレンズを製造する場合、一般的に有機ケイ
素化合物からなるハードコート層を形成し耐擦傷性等を
向上させている。また有機ケイ素化合物にシリカなどの
無機酸化物微粒子を添加したハードコート層も知られて
いる。更に、屈折率が1.6程度以上の高屈折率プラス
チックレンズ基材に形成するハードコート層としては、
酸化チタンや酸化スズまたは酸化タングステン等の高屈
折率の酸化物微粒子を含有する有機ケイ素化合物を基材
上に塗布することが提案されている。
【0004】一般に、プラスチックレンズ基材上に形成
されるハードコート層は、熱硬化型樹脂を用いるものが
多かった。このような従来のハードコート層は、ハード
コート層となるコート液をディッピング法またはスピン
コート法により基材の表面に塗布した後、通常数時間の
加熱処理を行い、硬化させることで形成していた。一
方、最近では紫外線硬化型樹脂からなるハードコート層
が開発され、普及しつつある。例えば特開平6−279
705号公報には、ポリカーボネートからなる成型品の
表面に紫外線硬化型塗料を塗布し、ハードコート層を形
成することが記載されている。また特開平6−4146
8号公報には、特定の紫外線硬化型樹脂を用い、ストリ
ッピング工程を行わない製造方法が記載されている。
【0005】この紫外線硬化型樹脂からなるハードコー
ト層は、プラスチックレンズ基材の表面に樹脂を塗布
後、これに活性エネルギー線を照射することにより硬化
されるものである。この場合硬化時間は、通常、数秒か
ら数分程度であり、紫外線硬化型樹脂を用いる方法は、
従来の熱硬化型樹脂を用いた場合に比べて製造時間が短
時間で済み、生産性に優れているものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、眼鏡用
プラスチックレンズ基材の表面に紫外線硬化型樹脂から
なるハードコート層を形成した。しかし、ハードコート
層を紫外線硬化型樹脂で形成したプラスチックレンズ
は、黄変してしまうという問題点が生じた。更に本発明
者等は、染色されたプラスチックレンズ基材を用い、こ
の基材の表面に紫外線硬化型樹脂からなるハードコート
層を形成した。しかし、このような場合、染色された色
の色あいが変化してしまうという問題点が生じた。特に
有機染料で染色されている場合には、色あいの変化が著
しかった。このような問題点は、建築用プラスチックパ
ネルやタッチパネルなどプラスチックの多くの用途には
問題の無い程度の僅かなものであるが、高度の透明性が
要求される光学レンズの場合には無視できないものであ
る。
【0007】そこで本発明は、前記問題点を解決し、黄
変や色あいの変化が生じない、紫外線硬化型樹脂からな
るハードコート層を有する、容易に製造可能なプラスチ
ックレンズを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決しようとする手段】本発明者等は、前記し
たようなプラスチックレンズの黄変や色あいの変化の原
因について研究した。その結果、プラスチックレンズ基
材の表面に紫外線硬化型樹脂を塗布し、これを硬化させ
ハードコート層を形成する場合に照射する紫外線が原因
であることが判った。更に研究を進めた結果、紫外線が
基材に照射されると基材のプラスチック材料が光化学反
応により変質するために黄変が生じることが判った。
【0009】また染色プラスチックレンズの色あいの変
化については、基材中に存在する染料が紫外線により劣
化してしまうためと考えられる。本発明者等は鋭意研究
を重ねた結果、プラスチックレンズ基材に紫外線が照射
されないようにすれば良いことを見い出し、本発明を成
すに至った。そこで本発明は第1に「プラスチックレン
ズ基材と、紫外線吸収剤および有機化合物を含み前記プ
ラスチックレンズ基材上に形成された紫外線吸収層と、
紫外線の照射または紫外線の照射及び加熱により重合す
る物質を含有する化合物を原料として前記紫外線吸収層
上に形成されたハードコート層とを有することを特徴と
するプラスチックレンズ(請求項1)」を提供する。第
2に「レンズ成型の母型にモノマーを注入する工程と、
前記モノマーを重合し硬化させプラスチックレンズ基材
を成型する工程と、成型された該プラスチックレンズ基
材の上に紫外線吸収剤および有機化合物を含む物質を塗
布し加熱することにより皮膜を形成させ紫外線吸収層を
形成する工程と、該紫外線吸収層の上に紫外線の照射ま
たは紫外線の照射及び加熱により重合する物質を含有す
る化合物を塗布する工程と、塗布された該化合物に紫外
線の照射または紫外線の照射及び加熱を行い塗布された
前記化合物を重合しハードコート層を形成する工程とを
有することを特徴とするプラスチックレンズの製造方法
(請求項2)」を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に関わるプラスチックレン
ズは、図1に記載されているように、プラスチックレン
ズ基材11上に紫外線吸収層12が形成されており、更
にその上に紫外線硬化型樹脂からなるハードコート層1
3が形成されているものである。図1においては、プラ
スチックレンズ基材11の両面に紫外線吸収層12およ
びハードコート層13が形成されているが、一方の面の
みに形成してもよい。
【0011】本発明のプラスチックレンズ基材は、熱硬
化型樹脂、熱可塑型樹脂、紫外線硬化型樹脂、放射線硬
化型樹脂等いかなる種類の樹脂も使用可能である。使用
可能な具体的なプラスチック基材の例としては、ジエチ
レングリコールビスアリルカーボネート(CR39)、ス
チレン、αーメチルスチレン、クロロスチレン、フェニ
ルメタクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルメ
タクリレート、ベンジルアクリレート、ナフチルメタク
リレート、ナフチルアクリレート、テトラブロモビスフ
ェノール誘導体の(ジ)メタクリレート、テトラブロモ
ビスフェノール誘導体の(ジ)アクリレート、テトラブ
ロモビスフェノール誘導体のジアリルカーボネート、メ
チルメタクリレート、(ジ)エチレングリコールメタク
リレート、(ジ)エチレングリコールアクリレート、ビ
ニルナフタレン、ジビニルベンゼン等を挙げることがで
き、また、2ーヒドロキシエチルメタクリレート、2ー
ヒドロキシエチルアクリレート、3ーヒドロキシプロピ
ルメタクリレート、3ーヒドロキシプロピルアクリレー
ト、2,3ーヒドロキシプロピルメタクリレート、2,
3ーヒドロキシプロピルアクリレート等のヒドロキシメ
タクリレートあるいはヒドロキシアクリレートとキシリ
レンジイソシアネート、イソホロンジジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネートの環状三量体等の多官能(ポリ)イソ
シアネートの反応物、さらに、ジ(2ーメルカプトエチ
ル)エーテル、1,2ーエタンジチオール、ジ(2ーメ
ルカプトエチル)スルフィド、2ーメルカプトエタノー
ル、ペンタエリスリトールテトラキスー3ーメルカプト
プロピオネート、4ーメルカプトメチルー3,6ージチ
アー1,8−オクタンジオール等のチオール化合物と多
官能(ポリ)イソシアネートまたは多官能(ポリ)エン
の反応物及びこれらの混合物、ポリカーボネート、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂等を挙げる
ことができるが、これらに限定されるものではない。
【0012】また、プラスチックレンズ基材は、モノマ
ーに重合開始剤を添加した後に母型に入れ、熱または紫
外線あるいはその併用により重合することで作製するこ
とができる。加熱と紫外線照射の併用により重合する基
材を用いた場合、紫外線硬化型樹脂を主成分とするレン
ズに熱硬化型樹脂の持つ高硬度、屈折率の優位性を付与
することができる。
【0013】本発明において使用可能な重合開始剤に制
限はないが、例として、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペ
ルオキソ二硫酸アンモニウム、t−ブチルヒドロペルオ
キシド、過酸化ジーtーブチル、クメンヒドロペルオキ
シド、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウ
ロイル、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスー2,
4ージメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサン
カルボニトリル、ジイソプロピルパーオキシカーボネー
ト、t−ブチルパーオキシネオデカノネート、ジメチル
錫ジクロライド、ビアセチル、アセトフェノン、ベンゾ
フェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベ
ンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケター
ル、ベンゾイルパーオキシド、1ーヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトン、αーヒドロキシイソブチルフェ
ノン、pーイソプロピルーαーヒドロキシイソブチルフ
ェノン等を挙げることができる。
【0014】図1中12は、紫外線吸収層である。紫外
線吸収層は、可視光線は透過し紫外線を吸収する物質、
所謂紫外線吸収剤を含有する。、ハードコート層を硬化
するために照射される紫外線は、この紫外線吸収層で吸
収され、プラスチックレンズ基材には殆ど到達しなくな
る。従って、紫外線による光化学反応の結果引き起こさ
れるプラスチックレンズ基材の黄変を防ぐことが可能と
なる。
【0015】更に、プラスチックレンズ基材が染色され
ている場合においても、紫外線吸収層により紫外線が吸
収され、紫外線は基材に到達しなくなる。そのため、基
材中の染料に紫外線が照射されることがなくなり、色あ
いの変化を防ぐことができる。一般に、紫外線硬化型樹
脂からなるハードコート層は、熱硬化型樹脂からなるハ
ードコート層に比べて硬度が低く、耐擦傷性に劣るとい
う短所がある。しかし、紫外線吸収層を設けることによ
り、プラスチックレンズ基材に照射可能な紫外線量を増
やすことができるようになる。照射する紫外線量を増や
せば紫外線硬化型樹脂の硬化がより促進されることにな
り、紫外線硬化型樹脂からなるハードコート層の硬度を
増すことができ、耐擦傷性を向上させることができるよ
うになる。なお、ハードコート層は、紫外線硬化型樹脂
に加熱により硬化する硬化剤を添加し、熱硬化型樹脂の
性質も保有させたもので形成することもできる。
【0016】紫外線吸収層の膜厚は膜中に含まれる紫外
線吸収剤の量や照射する紫外線量等により左右される
が、通常は、0.05μmから10μm程度が好ましい。
膜厚が0.05μmよりも薄いと紫外線吸収能が不十分
になる問題点が生じ、また10μmよりも厚くなるとレ
ンズの表面硬度が低下したり、クラックが入り易くなる
という問題点が生じてしまう。
【0017】本発明において使用可能な紫外線吸収剤に
は特に制限は無いが、例として、2,4−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノ
ン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−
ベンゾフェノン、2,2’4,4’−テトラヒドロキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アリルオキシベ
ンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2−(2’−ヒド
ロキシー5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−5’−ジ−t−ア
ミルフェニル)−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリア
ゾール類、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルア
クリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3
−ジフェニルアクリレート等のジフェニルアクリレート
類、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の無機酸化
物、及びこれらの混合物などを挙げることができる。
【0018】紫外線吸収層のマトリックス成分として
は、光学的に透明であり、かつ紫外線吸収剤を良好に溶
解または分散させるものであればあらゆる物質が使用可
能である。またマトリックス成分に衝撃吸収能を有する
物質を用いることにより、プラスチックレンズの耐衝撃
性を同時に向上させることが可能になる。マトリックス成分と
しては、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコー
ル、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)
アクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリエン化合物
と多官能チオール化合物の重付加反応生成物等が使用可
能であるが、これらに限定されるものではない。
【0019】以上のように本発明のマトリックス成分に
は、特別な制限は無い。一例として、架橋されたポリビ
ニルアセタールを用いる場合について述べる。架橋され
たポリビニルアセタールをマトリックス成分に用いる
と、衝撃吸収能と紫外線吸収能の両者を兼ね備えた層を
形成することができる。架橋されたポリビニルアセター
ルからなる衝撃吸収能を有する紫外線吸収層の形成は、
主成分であるポリビニルアセタール、架橋剤として加水
分解性オルガノシラン化合物あるいはジアルデヒドの少
なくとも一方、硬化触媒を溶解したあるいは含有させた
コート液をプラスチックレンズ上にディップコートある
いはスピンコートしたのち、加熱処理する事により行う
ことができる。
【0020】衝撃吸収能を有する紫外線吸収層の架橋剤
としてはテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、ジエチルジエトキシシ
ランなどのオルガノシラン化合物が用いられる。これら
のオルガノシラン化合物は単独で使用しても良いし、二
種以上の混合物として用いても良い。
【0021】また、テトラメトキシチタン、メチルトリ
メトキシチタン、ジメチルジメトキシチタン、テトラエ
トキシチタン、エチルトリエトキシチタン、ジエチルジ
エトキシチタンなどのオルガノチタン化合物も架橋剤と
して使用することができる。これらのオルガノチタン化
合物は単独で使用しても良いし、二種以上の混合物とし
て用いても良い。さらに、グリオキサール、マロンジア
ルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒ
ド、アジピンジアルデヒド、マレインジアルデヒド、フ
タルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルア
ルデヒド等のジアルデヒド化合物またはジアルデヒドの
アセタール化合物も架橋剤として用いることができる。
【0022】耐衝撃吸収能を有する紫外線吸収層には、
酸化チタン、酸化スズ、酸化タングステン、酸化ジルコ
ニウム、酸化鉄、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化
インジウム等の無機酸化物微粒子を混入させ、屈折率や
硬度を調整することが可能である。これらの酸化物微粒
子は、単独で混入させても良いし、複数の微粒子を混合
させた状態または複合形態で混入させることが可能であ
る。つまり耐衝撃吸収能を有する紫外線吸収層には、硬
度や屈折率の調整のための前記酸化物微粒子と紫外線吸
収剤の両者を混入させることも可能である。
【0023】更に、紫外線吸収層のマトリックスの別の
例として、熱硬化性ポリウレタン樹脂を用いる場合につ
いて述べる。熱硬化性ポリウレタンの具体例としては、
ポリイソシアネートとポリオール及び/又ポリチオール
の反応生成物を挙げる事ができる。ポリイソシアネート
の具体例としては、トリレンジイソシアネート、4,4
−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、
トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソ
シアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチ
ルキシレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネ
ート、リジンエステルトリイソシアネートなどの単量体
及び/または数分子を結合させた付加物、イオウまたは
ハロゲン基を含むポリイソシアネートなどが挙げられ
る。
【0024】ポリオールの具体例としては、ポリカーボ
ネートポリオール、ポリエステルポリオール、アクリル
ポリオール及びこれらの混合物を挙げる事ができる。ポ
リイソシアネートとポリオール及び/又はポリチオール
の反応には、硬化触媒を用いるのが望ましい。硬化触媒
としては特別な制限は無いが、例えば、有機錫化合物、
三級アミン化合物、有機亜鉛化合物などが挙げられる。
【0025】紫外線吸収層のマトリックスとして前記し
たような熱硬化性ポリウレタン樹脂を用いた場合には、
レンズに耐衝撃吸収性を付与することができる。紫外線
硬化型樹脂からなるハードコート層の膜の組成には、特
別な限定は無いが、例として、多官能アクリレート系化
合物、多官能エポキシアクリレート系化合物、アクリル
化脂肪族ウレタン化合物、及びこれら有機物質の混合物
を含有するものを挙げることができる。さらに上記の有
機物質に加えて、酸化チタン、酸化スズ、酸化タングス
テン、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化ケイ素、酸化ア
ルミニウム、酸化インジウム等の金属酸化物微粒子を含
有するすることも可能である。これらの微粒子は、単独
で混入させても良いし、複数の微粒子を混合させた状態
または複合形態で混入させることが可能である。
【0026】ハードコート層の膜厚は通常0.05μm
から10μm程度であり、膜厚が0.05μmよりも薄
いとレンズの表面硬度が低下する問題点が生じ、また1
0μmよりも厚くなるとレンズの耐衝撃性が低下した
り、ハードコート層の成膜中にクラックが入ってしまう
等の問題点が生じてしまう。また本発明のプラスチック
レンズには、図2に示す様にハードコート層23の上に
反射防止膜24を設けることも可能である。反射防止膜
に用いる物質としては、金属、金属酸化物、フッ化物等
が挙げられ、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタ
ン、フッ化マグネシウム等が代表的な物質である。層数
は、単層または多層のどちらでもよい。反射防止膜の形
成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオ
ンプレーティング法、イオンビームアシスト法等を挙げ
る事ができる。更に反射防止膜上にポリシロキサン系重
合物またはパーフルオロアルキル基含有化合物を重合し
てなる重合物からなるものやシラザン化合物、シロキサ
ザン化合物、アルコキシシラン系化合物などからなる水やけ防止
膜を形成することも可能である。
【0027】本発明のプラスチックレンズは以下のよう
な製造方法で製造される。 1)プラスチックレンズ基材の原料物質であるモノマー
に重合開始剤を添加し、モノマー溶液を製造し、これを
攪拌する。このモノマー溶液をガラスとガスケットある
いはテープで構成された母型に注入する。 2)上記1のモノマー液を注入した母型を加熱炉に入
れ、室温から100℃位まで徐々に加熱する。あるい
は、上記モノマー溶液を注入した母型を紫外線照射装置
に入れ、紫外線を数秒乃至数分間照射することにより重
合し、モノマー樹脂を硬化させプラスチックレンズ基材
を成型する。 3)染色プラスチックレンズの場合には、レンズ基材の
染色を行う。染色法としては、染料を溶解または分散さ
せた溶液にプラスチックレンズ基材を一定温度で一定時
間浸漬する所謂ポット染色法や、染料を含有する非流動
性物質をプラスチックレンズ表面に塗布した後加熱し、
染料をプラスチックレンズ基材内部に拡散させた後、非
流動性物質を除去する所謂転写法等、一般にプラスチッ
クからなる基材の染色に行われている方法であれば、ど
の様な方法でも可能である。もちろん、プラスチックレ
ンズ基材に染色を施す必要が無い場合には、この工程は
行わない。 4)紫外線吸収剤及びマトリックス成分を含む溶液を上
記2で成型されたプラスチックレンズ基材の表面、また
は上記3で染色された染色プラスチックレンズ基材の表
面にスピンコート法あるいはディップコート法で塗布し
た後、加熱することにより紫外線吸収層を成膜する。こ
のときの加熱温度は、約25℃以上約150℃以下であ
り、120℃以下で加熱することが好ましい。 5)上記4でプラスチックレンズ基材の表面に形成した
紫外線吸収層上に前記したような紫外線硬化型樹脂から
なるハードコート液をスピンコート法あるいはディップ
コート法で塗布する。その後、紫外線を数秒乃至数分間
照射することでハードコート層を形成する。 6)反射防止膜を形成する場合には、真空蒸着法等によ
り無機物質を用い単層膜または多層層を成膜する。ただ
し、反射防止膜を設けない場合にはこの工程は行わな
い。
【0028】また、熱可塑性樹脂を用いプラスチックレ
ンズ基材を成型する場合には、前記工程1、2に代え
て、射出成型工程を行うことにより成型する。以下、本
発明を実施例に基いて説明するが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。
【0029】
【実施例1】 (1ー1)プラスチックレンズ基材の重合 メタクリル酸メチルモノマー10mlとスチレンモノマー
10mlを混合後、少量の架橋剤と重合開始剤としてアゾ
ビスイソブチロニトリル20mgを添加して攪拌した。次
にこのモノマー溶液をガスケットとガラス板より成る母
型に注入した。その後、加熱炉に入れて、12時間かけ
て室温から徐々に100℃まで加熱し重合した。加熱炉
から取り出した後、離型して無色透明なプラスチックレ
ンズ基材を得た。
【0030】(1ー2)紫外線吸収層を形成するコート
液の調製 ポリビニルブチラール(和光純薬工業(株)製)700
重量部にn−ブタノール630重量部を溶解した後、メ
タノール400重量部、水100重量部、さらに架橋剤
としてテトラメトキシシラン4.2重量部を添加して均
一になるまで攪拌した。次に、硬化触媒としてP−トル
エンスルホン酸1.2重量部、およびレベリング剤とし
て界面活性剤FC430(住友スリーエム(株)製)1
重量部、さらに酸化セリウム系紫外線吸収剤(ニードラ
ールW−100、多木化学(株)製)70重量部を添加
してさらに攪拌した後、3μmのメンブランフィルター
で濾過した。
【0031】(1ー3)紫外線吸収層の成膜 前処理として上記1ー1で作製したプラスチックレンズ
基材を60℃の10%NaOH水溶液中に5分間浸漬す
ることで基材の表面を親水化した。その後、水溶液中か
ら基材を取り出し乾燥した。乾燥は温風を用いた。次
に、表面が親水化されたプラスチックレンズ基材の両面
に、上記1ー2で調製した紫外線吸収層を形成するため
のコート液をディッピング法によりコートし、その後1
00℃で15分間加熱処理して硬化させた。
【0032】(1ー4)ハードコート層の成膜 上記1ー3で得られた紫外線吸収層を有するプラスチッ
クレンズの両面に、コロイダルシリカ粒子含有アクリル
シラン系ハードコート液UVHC8553(東芝シリコ
ン(株)製)をディップコートした。これを紫外線ラン
プ(フュージョン製Hランプ)から5cmの距離のところ
に設置し、プラスチックレンズの両面から紫外線を約3
分間照射して硬化させハードコート層を形成した。
【0033】(1ー5)反射防止膜の形成 上記1ー4で得られた紫外線吸収層およびハードコート
層を有するプラスチックレンズの両面に、真空蒸着法に
より酸化ケイ素/酸化ジルコニウム系の5層からなる反
射防止膜を形成した。以上の様に上記1ー1から1ー5
の工程を経て作製した紫外線吸収層、ハードコート層、
および反射防止膜を設けたプラスチックレンズと紫外線
吸収層、ハードコート層及び反射防止膜が形成されてい
ないプラスチックレンズ基材とを比較した。その結果、
レンズの色あいに全く差違はなかった。
【0034】
【実施例2】 (2ー1)プラスチックレンズ基材の重合 ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR−3
9)モノマー28gに重合開始剤としてジイソプロピル
パーオキシカーボネート0.95gを添加しモノマー溶
液とし、これをガスケットとガラス板より成る母型に注
入した。その後、加熱炉に入れて、12時間かけて徐々
に室温から80℃まで加熱することで重合させた。加熱
炉から硬化したレンズ基材を取り出した後、離型して無
色透明なプラスチックレンズ基材を得た。
【0035】(2ー2)プラスチックレンズ基材の染色 分散染料 MLP YELLOW 1g、MLP RED 1g、MLP BLUE
1g(いずれも三井東圧化学(株)製)を、界面活性剤
ニッカサンソルト#7000(日華化学製)1gととも
に純水1l中に分散させて染色液を調製した。この染色
液を90℃に加熱し、上記2ー1で得られたプラスチッ
クレンズ基材を10分間浸漬し、茶色に染色した。
【0036】(2ー3)紫外線吸収層を形成するコート
液の調製 キシリレンジイソシアネート系のポリイソシアネート
(タケネートD−110N、武田薬品工業(株)製)1
0.0重量部と、ポリエステルタイプのポリオール(ニ
ッポラン125、日本ポリウレタン工業(株)製)9.
0重量部、硬化触媒としてオクチル酸亜鉛0.2重量
部、レベリング剤としてフッ素系界面活性剤(FC−4
31、住友スリーエム(株)製)0.01重量部を酢酸
エチル60重量部に添加して、均一になるまで攪拌し混
合液を製造した。更に混合液にベンゾフェノン系紫外線
吸収剤UvinulD50(BASF社製)6重量部を
添加して均一になるまで攪拌した後、これを3μmのメ
ンブランフィルターで濾過した。
【0037】(2ー4)紫外線吸収層の成膜 上記2ー2で染色されたプラスチックレンズを、前処理
として60℃の10%NaOH水溶液に5分間浸漬する
ことにより基材の表面を親水化した。その後、水溶液か
らレンズを取り出し、レンズを温風により乾燥させた。
次に、表面が親水化されたプラスチックレンズの両面
に、上記2ー3で調製したコート液をディッピングによ
りコートし、60℃で30分間加熱処理して硬化させ
た。
【0038】(2ー5)ハードコート層の成膜 上記2ー4で得られた紫外線吸収層を有する染色プラス
チックレンズの両面に、アクリル系紫外線硬化型樹脂か
らなるハードコート液(ダイヤビームNR−205、三
菱レイヨン(株)製)をディッピングによりコートし
た。その後、160Wの水銀ランプから15cmの距離に
ハードコート層が形成された前記プラスチックレンズを
設置し、レンズの両面から紫外線を照射し、硬化させる
ことでハードコート層を形成した。
【0039】(2ー6)反射防止膜の形成 上記2−5で得られた紫外線吸収層およびハードコート
層が形成された染色プラスチックレンズの両面に、真空
蒸着法により酸化ケイ素/酸化ジルコニウム系の5層か
らなる反射防止膜を形成した。以上のように上記2ー1
から2ー6の工程を経て形成した紫外線吸収層、ハード
コート層および反射防止膜を有する染色プラスチックレ
ンズと紫外線吸収層、ハードコート層及び反射防止膜を
全く設けていない染色プラスチックレンズ、即ち上記2
ー1の工程で作製したプラスチックレンズとを比較し
た。その結果、レンズの色あいに差違はなかった。 [比較例1]実施例1における工程1ー2および工程1
ー3を省略し、プラスチックレンズ基材表面に紫外線吸
収層を設けない以外は全て実施例1と同様の材料、製造
方法で行った。つまりプラスチックレンズ基材表面には
紫外線硬化型樹脂からなるハードコート層が形成されて
おり、更にその上に反射防止膜が形成されている構成の
プラスチックレンズ(レンズA)を製造した。
【0040】レンズAと紫外線吸収層、ハードコート
層、反射防止膜が全く形成されていないプラスチックレ
ンズ基材(レンズB)との外観を比較した。その結果、
レンズAはレンズBに比べて薄黄色く着色しており、色
あいが変化していた。 [比較例2]実施例2における、工程2ー3および工程
2ー4を省略し、プラスチックレンズ基材に紫外線吸収
層を設けない以外は、全て実施例2と同様に行った。つ
まりプラスチックレンズ基材表面には紫外線硬化型樹脂
からなるハードコート層が形成されており、更にその上
に反射防止膜が形成されている構成のプラスチックレン
ズ(レンズC)を製造した。
【0041】レンズCと紫外線吸収層、ハードコート
層、反射防止膜を設けていないプラスチックレンズ(レ
ンズD)、即ち実施例2の工程2ー1で作製したプラス
チックレンズと比較したところレンズCは、レンズDに
比べて茶色が若干濃くなっており色あいが変化してい
た。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ハードコ
ート層の成膜工程で照射される紫外線は、紫外線吸収層
で吸収されプラスチックレンズ基材にはほとんど到達す
ることがない。そのため、紫外線の照射によって引き起
こされるプラスチックレンズ基材の変色を防止すること
が可能となり、透明性に優れたプラスチックレンズが得
られるようにる。
【0043】またプラスチックレンズ基材が染色されて
いる場合、本発明によれば、紫外線吸収層で紫外線が吸
収されるため、基材中の染料は紫外線に照射されること
がない。そのため染料の劣化を防止することができるの
で、染色プラスチックレンズの色合いの変化を防止する
ことができる。そのため、異なった紫外線の照射条件で
レンズを使用しても、同一の条件で製造した染色レンズ
の色は、使用中において差違が生じることは殆どなく、
同じ色の染色プラスチックレンズを再現性よく作製する
ことが可能になった。
【0044】更に、紫外線吸収層のマトリックス成分に
衝撃吸収能を有する物質を選択することによって、上記
の色あいの変化防止に加え、プラスチックレンズの耐衝
撃性をも同時に向上させることが可能になった。また、
従来よりもハードコート層に照射可能な紫外線の照射量
を多くすることができるので、ハードコート層を形成す
るための硬化反応を十分に促進させることができるよう
になる。そのため、より硬度の大きなハードコート層を
形成することができ、紫外線硬化型樹脂からなるハード
コート層の耐擦傷性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明に関わるプラスチックレンズの一実
施例の概略の側面図である。
【図2】は、本発明に関わるプラスチックレンズの別の
実施例の概略の側面図である。
【符号の説明】
11、21・・・プラスチックレンズ基材 12、22・・・紫外線吸収層 13、23・・・ハードコート層 24・・・反射防止膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックレンズ基材と、紫外線吸収
    剤および有機化合物を含み前記プラスチックレンズ基材
    上に形成された紫外線吸収層と、紫外線の照射または紫
    外線の照射及び加熱により重合する物質を含有する化合
    物を原料として前記紫外線吸収層上に形成されたハード
    コート層とを有することを特徴とするプラスチックレン
    ズ。
  2. 【請求項2】 レンズ成型の母型にモノマーを注入する
    工程と、前記モノマーを重合し硬化させプラスチックレ
    ンズ基材を成型する工程と、成型された該プラスチック
    レンズ基材の上に紫外線吸収剤および有機化合物を含む
    物質を塗布し加熱することにより皮膜を形成させ紫外線
    吸収層を形成する工程と、該紫外線吸収層の上に紫外線
    の照射または紫外線の照射及び加熱により重合する物質
    を含有する化合物を塗布する工程と、塗布された該化合
    物に紫外線の照射または紫外線の照射及び加熱を行い塗
    布された前記化合物を重合しハードコート層を形成する
    工程とを有することを特徴とするプラスチックレンズの
    製造方法。
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