JPH10316736A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JPH10316736A
JPH10316736A JP12968797A JP12968797A JPH10316736A JP H10316736 A JPH10316736 A JP H10316736A JP 12968797 A JP12968797 A JP 12968797A JP 12968797 A JP12968797 A JP 12968797A JP H10316736 A JPH10316736 A JP H10316736A
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JP
Japan
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substituted
bisphosphoranylidene
group
thermosetting resin
ammonium
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Application number
JP12968797A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nagata
永田  寛
Sumiya Miyake
澄也 三宅
Yoshiyuki Go
義幸 郷
Akiko Okubo
明子 大久保
Minoru Kobayashi
稔 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温においては触媒作用を発現することな
く、樹脂組成物を長期間にわたって安定に保存すること
が可能で、成形時の加熱により優れた触媒作用を発揮し
て樹脂組成物を速やかに硬化させ、良好な硬化性及び高
品質の成形品を与える潜伏性硬化触媒を使用した熱硬化
性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂及びビスマレイミド樹脂の
潜伏性硬化触媒として、ビスホスホラニリデンアンモニ
ウムのカチオン部とアニオン部の結合した塩である化合
物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性樹脂組成
物に関するものである。さらに詳しくは、常温において
は触媒作用を発現することなく、長期にわたって樹脂組
成物を安定に保存することが可能であり、また成形時に
加熱したときには優れた触媒作用を発揮する、良好な成
形性及び高品質の成形品を与えることができる潜伏性硬
化触媒を、熱硬化性樹脂、特にエポキシ樹脂もしくはマ
レイミド樹脂から選ばれた樹脂系に配合した熱硬化性樹
脂組成物に関するものである。この発明により保存性に
優れた封止材、積層板用プリプレグ、成形材料などを製
造することが可能となる。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性樹脂は、一般的には成形時にお
ける樹脂の硬化を速めるために触媒を配合して用いる。
例えば、エポキシ樹脂の場合、硬化触媒としては、アミ
ン類、イミダゾール系化合物、ジアザビシクロウンデセ
ン(以下DBUと略称する)などの含窒素複素環式化合
物、オルガノシリコーン系化合物、オルガノホスフィン
系化合物、第4級アンモニウムなど種々の化合物が使用
されている。
【0003】また、マレイミド系樹脂は加熱のみでラジ
カル硬化させることもできるが、硬化により得られる成
形品の性質は、一般には触媒を用いて硬化したものの方
が良好である。マレイミド系樹脂の硬化触媒としては、
アゾ化合物、有機過酸化物のようなラジカル重合開始
剤、アミン類、イミダゾール系化合物、オルガノホスフ
ィン系化合物、第4級アンモニウムのイオン触媒など、
種々の化合物が用いられている。
【0004】通常使用される触媒は、常温などの比較的
低い温度においても硬化促進効果を示すことが多いた
め、例えば、樹脂と他の配合成分とを混合する際の加熱
又は発熱によって、樹脂の硬化を進行させるほか、混合
したのち樹脂組成物を常温で保存する間にも硬化反応を
進行させるために、樹脂組成物の品質の低下を生じやす
い。従って、このような触媒を用いる際には、諸成分と
の混合時の品質管理を厳重にし、しかも保存や運搬にあ
たっては低温に保ち、さらに成形条件等の厳密な管理が
必要であり、作業上の煩雑さが避けられなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、常温におい
ては触媒作用を発現することなく、長期間にわたって樹
脂組成物を安定に保存することが可能であり、成形時の
加熱によって優れた触媒作用を発揮して、良好な硬化性
及び高品質の成形品を与える硬化触媒、及びその硬化触
媒を使用した熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、熱硬化性
樹脂に配合したとき、常温においては優れた保存安定性
を示し、加熱成形時においては使用用途に応じた触媒活
性と、優れた硬化性を示し、その最終硬化物は、従来用
いられている触媒を用いた場合と比較して何ら劣ること
のない物性を与える、ビスホスホラニリデンアンモニウ
ムからなる潜伏性触媒を見い出し、これらの知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、エポキシ樹脂、ビスマ
レイミド樹脂などから選ばれた熱硬化性樹脂の潜伏性硬
化触媒として、一般式(1)、(3)、及び(4)で示
される、ビスホスホラニリデンアンモニウムのカチオン
部とアニオン部が結合した塩である化合物を使用するこ
とを特徴とする。
【0008】
【化1】 式中、R1〜6は各々独立して、置換及び非置換アルキル
基、置換及び非置換アラルキル基、置換及び非置換アリ
ール基、置換及び非置換アルコキシル基、置換及び非置
換フェノキシ基からなる群より選択される。また、Yn-
は一般式(2)で示される、分子内に放出しうるプロト
ンを少なくとも1個以上分子内に有するn(n≧1)価
のプロトン供与体からなる。
【化2】 n[H]・Yn- (2)
【0009】
【化3】 式中、R1〜6は各々独立して、置換及び非置換アルキル
基、置換及び非置換アリール基、置換及び非置換アルコ
キシル基、置換及び非置換アラルキル基からなる群より
選択される。また、式中、X1〜4は各々独立して、水
素、置換及び非置換アルキル基、置換及び非置換アリー
ル基からなる群より選択される。
【0010】
【化4】 式中、R1〜6は各々独立して、置換及び非置換アルキル
基、置換及び非置換アリール基、置換及び非置換アルコ
キシル基、置換及び非置換フェノキシ基からなる群より
選択される。mはm≧1で表される整数であり、式中の
Xは水素、置換及び非置換アルキル基、置換及び非置換
アルコキシル基、置換及び非置換アリール基からなる群
より選択され、各々独立しており、同一でも異なってい
ても構わない。Hn-mnは一般式(2)で示される、分
子内に放出しうるプロトンを少なくとも1個以上分子内
に有するn(n≧1)価の有機酸からなる。また、mの
値により、ホウ素間結合を形成しても構わない。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において用いる一般式
(1)のビスホスホラニリデンアンモニウム塩におい
て、式中のR1〜6の有機基としては、例えば、メチル
基、エチル基、ブチル基、アリル基、フェニル基、トリ
ル基、ベンジル基、エチルフェニル基、フェノキシ基、
ナフチル基等が挙げることができる。また、一般式
(1)を構成するビスホスホラニリデンアンモニウム基
としては、例えば、ビストリフェニルホスホラニリデン
アンモニウム基、ビストリトリルホスホラニリデンアン
モニウム基、ビストリエチルホスホラニリデンアンモニ
ウム基、ビストリメトキシホスホラニリデンアンモニウ
ム基、ビストリナフチルホスホラニリデンアンモニウム
基、ビストリベンジルホスホラニリデンアンモニウム
基、ビスエチルジフェニルビホスホラニリデンアンモニ
ウム基、ビスn−ブチルジフェニルホスホラニリデンア
ンモニウム基、ビス2−ヒドロキシエチルジフェニルホ
スホラニリデンアンモニウム基、ビスジメチルフェニル
ホスホラニリデンアンモニウム基、ビスメチルエチルフ
ェニルホスホラニリデンアンモニウム基、ビスメチルア
リルフェニルホスホラニリデンアンモニウム基、ビスト
リ−n−ブチルビスホスホラニリデンアンモニウム基、
ビストリフェノキシホスホラニリデンアンモニウム基、
ビスベンジルジフェニルホスホラニリデンアンモニウム
基等を挙げることができる。
【0012】一般式(2)におけるプロトン供与体とし
ては、例えば、シュウ酸、プロピオン酸、安息香酸、ナ
フトエ酸、ナフチル酢酸、サリチル酸、イソフタル酸、
ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸、4,4'−ジカルボキシジフェニルメタン、ト
リメリト酸、ピロメリト酸等のカルボン酸類、フェノー
ル、クレゾール、フェニルフェノール、ナフトール、ヒ
ドロキノン、カテコール、レゾルシン、ジヒドロキシナ
フタレン、4,4'−ビフェノール、4,4'−ジヒドロ
キシジフェニルメタン、2,2'−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、4,4'−ジヒドロキシジフェ
ニル−2,2−ヘキサフルオロプロパン、ビス(3,5
−ジメチル−4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(3,5−ジメチル−4−ジヒドロキシフェニル)スル
ホン、4,4'−ジヒドロキシスチルベン、4,4'−ジ
ヒドロキシ−α−メチルスチルベン、ビスフェノールフ
ルオレン等のフェノール化合物類、1−ナフタレンスル
ホン酸、P−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類の化
合物が一例として挙げられるが、勿論これらに限定され
るものではない。それ以外にも、ジベンゾイルメタン、
アセチルアセトンなどに代表される1,3−ジケトン間
の炭素からプロトンが脱離したカルバニオンなどもアニ
オンとして用いることができる。
【0013】一般式(3)のビスホスホラニリデンアン
モニウム塩において、式中のX1〜4は水素、置換及び非
置換アルキル基、置換及び非置換アラルキル基、置換及
び非置換アリール基からなる群より選択され、例えば、
メチル基、エチル基、ブチル基、アリル基、フェニル
基、トリル基、ベンジル基、エチルフェニル基、ナフチ
ル基等が挙げることができる。
【0014】一般式(4)において、n[H]・Yn-
一般式(2)で示される、分子内に放出しうるプロトン
を少なくとも1個以上分子内に有するn(n≧1)価の
プロトン供与体からなる。その具体的な例については前
記のものと同様である。また、Xについては水素、置換
及び非置換アルキル基、置換及び非置換アラルキル基、
置換及び非置換アリール基からなる群より選択され、例
えば、メチル基、エチル基、ブチル基、アリル基、フェ
ニル基、トリル基、ベンジル基、エチルフェニル基、ナ
フチル基等が挙げることができる。
【0015】本発明におけるビスホスホラニリデンアン
モニウム組成物からなる潜伏性触媒は、これによって硬
化反応が促進されるすべての熱硬化性樹脂に対して使用
可能であるが、従来よりホスフィンまたはホスホニウム
塩が有効である熱硬化性樹脂に対して特に有効である。
このような熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹
脂、特にフェノール樹脂、アミン、もしくは酸無水物に
よって硬化可能なエポキシ樹脂や、マレイミド系樹脂を
挙げることができるが、これらの樹脂以外にも、シアネ
ート樹脂、イソシアネート樹脂、アクリレート樹脂、ア
ルケニル樹脂等を挙げることができる。
【0016】本発明で使用可能なエポキシ樹脂として
は、従来より使用されてきた、エポキシ基を2個以上有
する任意のものを使用でき、例えば、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビ
フェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、
不飽和の結合に過酸を反応させて製造される脂環型エポ
キシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、グリシジ
ルアミン型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を持ったエポ
キシ樹脂、ナフタレン骨格を持ったエポキシ樹脂、ジシ
クロペンタジエン骨格を持ったエポキシ樹脂、リモネン
骨格を持ったエポキシ樹脂、あるいは、トリグリシジル
トリエタノールアミンやトリフェノールメタン型エポキ
シ樹脂などの3官能エポキシ樹脂、テトラグリシジルジ
アミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂などの4官能エ
ポキシ樹脂、多官能のエポキシ樹脂、シリコーン変性エ
ポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂等が挙げられる。更
には、難燃性を付与するために、上述のエポキシ樹脂の
難燃化物、あるいは上述のエポキシ樹脂とテトラブロモ
ビスフェノールA、ビスフェノールAとの共縮合物、上
述のエポキシ樹脂にテトラブロモビスフェノールA、ビ
スフェノールAをブレンドしたもの、前述のエポキシ樹
脂にジグリシジルエーテルテトラブロモビスフェノール
Aをブレンドしたもの等も本発明の範囲に含まれる。
【0017】エポキシ樹脂の硬化剤としては、多価フェ
ノール類、ポリアミン類、グアニジン誘導体、カルボン
酸や酸無水物等が挙げられる。封止材や積層板などの用
途には、フェノール類やアミンなどが一般的に用いられ
るが、カルボン酸や酸無水物を硬化剤として使用した場
合にも、同様な効果が得られると考えて良い。また、エ
ポキシ樹脂の硬化剤として、多価フェノール類、ポリア
ミン、グアニジン誘導体のいずれかの2種類、またはす
べてを組み合わせたものも、本発明において使用可能で
ある。
【0018】本発明において、エポキシ樹脂の硬化剤と
して用いることの出来る多価フェノール類としては、フ
ェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−
クレゾールノボラック、p−t−ブチルフェノールノボ
ラック、ヒドロキシナフタレンノボラック、ビスフェノ
ールAノボラック、ビスフェノールFノボラック、テル
ペン変性ノボラック、ジシクロペンタジエン変性ノボラ
ック、パラキシレン変性ノボラック、ポリブタジエン変
性フェノール等が例示される。
【0019】ポリアミン類としては、4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルス
ルホン、メタフェニレンジアミン、4,4’−アミノ−
3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメ
タン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフ
ェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフ
ェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−
5,5’−ジメトキシジメチル、2,2’,5,5’−
テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニル、4,
4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)、2,
2’,3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テ
ル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジ
ヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、9,9’
−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9’−
ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、エチレンジ
アミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレ
ンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−
3−メチルシクロヘキシル)メタン等が例示される。
【0020】グアニジン誘導体としては、ジシアンジア
ミド、ジシアンジアミドアニリンアダクト、ジシアンジ
アミド芳香族アミン付加物、1−オルソトリルジグアニ
ド、α−2,5−ジメチルグアニド、α,ω−ジフェニ
ルジグアニジド、α,α’−ビスグアニルグアニジノジ
フェニルエ−テル、p−クロロフェニルジグアニド、
α,α’−ヘキサメチレンビス[ω−(p−クロロフェ
ノ−ル)]ジグアニド、o−トリルジグアニド亜鉛塩、
ジフェニルジグアニド鉄塩、フェニルジグアニド銅塩、
ジグアニドニッケル塩、エチレンビスジグアニド塩酸
塩、ラウリルジグアニド塩酸塩、フェニルジグアニドオ
キサレ−ト、1置換あるいは2置換のアルキル変性フェ
ニルジグアニド、アセチルグアニジン、ジエチルシアノ
アセチルグアニジン、ハロゲン化グアニジン等が例示さ
れる。
【0021】また、本発明において使用可能なビスマレ
イミド樹脂の、マレイミドを構成するジアミン成分とし
ては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’
−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−アミノ−
3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメ
タン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフ
ェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフ
ェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−
5,5’−ジメトキシジメチル、2,2’,5,5’−
テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニル、4,
4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)、2,
2’,3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テ
ル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジ
ヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、ヘキサメ
チレンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミ
ノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン等が例示され
る。
【0022】
【実施例】
(実施例1〜8、及び比較例1〜3)エポキシ樹脂に硬
化触媒を配合した成形材料を調製し、触媒の潜伏性の効
果を評価した。材料の評価は、スパイラルフロー、バー
コル硬度、および保存性の3項目により行なった。各特
性の評価は、下記の測定方法によった。
【0023】(1)スパイラルフロー EMMI−I−66に準じたスパイラルフロー測定用の
金型を用い、金型温度175℃、注入圧力70kg/cm2,
硬化時間2分で測定する。スパイラルフローは流動性の
パラメーターであり、値が大きいほど流動性が良好であ
る。 (2)バーコール硬度 JIS−K6911に準ずる吸水円盤作製金型を用い、
175度、90秒成形後、即座に取り出して175度に
加熱した熱板上に10秒放置し、直ちに成型品の熱時硬
度をバーコール硬度計を用いて測定した。 (3)保存性 材料を30℃にて1週間保存した後スパイラルフローを
再測定し、材料調製直後の初期スパイラルフローに対す
る百分率として表す。
【0024】(実施例1)一般式(5)で示される、融
点104〜110度のビフェノール型エポキシ樹脂53
重量部、一般式(6)で示されるフェノール樹脂47重
量部、一般式(7)のビスホスホラニリデンアンモニウ
ムテトラナフトエ酸ボレート塩を1.9重量部、溶融シ
リカ800重量部、及びカルナバワックス3重量部を配
合し、90℃で8分間ロール混練して成形材料を調製し
た。この成形材料のスパイラルフローは103cm、バ
ーコール硬度は82であった。また、30℃における保
存性は94%であった。
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】(実施例2)実施例1のビスホスホラニリ
デンアンモニウムテトラナフトエ酸ボレート塩の代わり
に、一般式(8)のビスホスホラニリデンアンモニウム
シュウ酸塩0.9重量部を用いた以外は、実施例1と同
じ配合・操作により、成形材料を調製した。得られた材
料のスパイラルフローは101cm、バーコール硬度は
85であった。また、30℃における保存性は93%で
あった。
【0029】
【化8】
【0030】(実施例3)実施例1のビスホスホラニリ
デンアンモニウムテトラナフトエ酸ボレート塩の代わり
に、一般式(9)のビスホスホラニリデンアンモニウム
2、3−ジヒドロキシナフタレン塩0.9重量部を用い
た以外は、実施例1と同じ配合・操作により、成形材料
を調製した。得られた材料のスパイラルフローは98c
m、バーコール硬度は83であった。また、30℃にお
ける保存性は94%であった。
【0031】
【化9】
【0032】(実施例4)実施例1のビスホスホラニリ
デンアンモニウムテトラナフトエ酸ボレート塩の代わり
に、一般式(10)のビスホスホラニリデンアンモニウ
ム2、2−ビフェノール塩1.0重量部を用いた以外
は、実施例1と同じ配合・操作により、成形材料を調製
した。得られた材料のスパイラルフローは107cm、
バーコール硬度は83であった。また、30℃における
保存性は97%であった。
【0033】
【化10】
【0034】(実施例5)実施例1のビスホスホラニリ
デンアンモニウムテトラナフトエ酸ボレート塩の代わり
に、一般式(11)のビスホスホラニリデンアンモニウ
ムテトラフェニルボレート塩1.4重量部を用いた以外
は、実施例1と同じ配合・操作により、成形材料を調製
した。得られた材料のスパイラルフローは95cm、バ
ーコール硬度は81であった。また、30℃における保
存性は93%であった。
【0035】
【化11】
【0036】(実施例6)実施例1のビスホスホラニリ
デンアンモニウムテトラナフトエ酸ボレート塩の代わり
に、一般式(12)のビスホスホラニリデンアンモニウ
ムジベンゾイルメタンアニオン塩1.3重量部を用いた
以外は、実施例1と同じ配合・操作により、成形材料を
調製した。得られた材料のスパイラルフローは98c
m、バーコール硬度は84であった。また、30℃にお
ける保存性は91%であった。
【0037】
【化12】
【0038】(実施例7)軟化点65℃、エポキシ当量
210のオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(日本化薬(株)製、EOCN−1025−65)67
重量部、軟化点105℃、水酸基当量104のフェノー
ルノボラック樹脂(住友デュレズ(株)製、PR−51
470)33重量部、硬化触媒として一般式(10)の
ビスホスホラニリデンアンモニウム2、2−ビフェノー
ル塩1.0重量部、破砕溶融シリカを300部、及びカ
ルナバワックス3重量部を配合し、実施例1と同じ操作
をにより、成形材料を調製した。得られた材料のスパイ
ラルフローは88cm、バーコール硬度は80であっ
た。また、30℃における保存性は97%であった。
【0039】(実施例8)実施例7のビスホスホラニリ
デンアンモニウム2、2−ビフェノール塩の代わりに、
一般式(11)のビスホスホラニリデンアンモニウムテ
トラフェニルボレート塩1.3重量部を用いた以外は、
実施例7と同じ配合・操作により、成形材料を調製し
た。得られた材料のスパイラルフローは81cm、バー
コール硬度は84であった。また、30℃における保存
性は90%であった。
【0040】(比較例1)実施例1のビスホスホラニリ
デンアンモニウムテトラナフトエ酸ボレート塩の代わり
に、トリフェニルホスフィン0.8重量部を用いた以外
は、実施例1と同じ配合・操作により、成形材料を調製
した。得られた材料のスパイラルフローは78cm、バ
ーコール硬度は80であった。また、30℃における保
存性は60%であった。
【0041】(比較例2)実施例1のビスホスホラニリ
デンアンモニウムテトラナフトエ酸ボレート塩の代わり
に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデ
セン0.8重量部を用いた以外は、実施例1と同じ配合
・操作により、成形材料を調製した。得られた材料のス
パイラルフローは74cm、バーコール硬度は84であ
った。また、30℃における保存性は56%であった。
【0042】(比較例3)実施例1のビスホスホラニリ
デンアンモニウムテトラナフトエ酸ボレート塩の代わり
に、2−メチルイミダゾール0.3重量部を用いた以外
は、実施例1と同じ配合・操作により、成形材料を調製
した。得られた材料のスパイラルフローは71cm、バ
ーコール硬度は84であった。また、30℃における保
存性は59%であった。
【0043】上記実施例1〜8及び比較例1〜3の結果
を、表1にまとめて示した。実施例1〜8の樹脂組成物
(ビスホスホラニリデンアンモニウムボレート触媒を配
合した、本発明によるエポキシ樹脂組成物)は、いずれ
も製造直後の流動性は良好であり、また30℃で1週間
保存した後も、すべて90%以上のスパイラルフロー値
を示し、保存安定性に優れていることが分かる。また、
バーコール硬度も高い値を示した。これに対して、比較
例1〜3の従来の触媒を用いた組成物は、バーコール硬
度においては実施例同等の良好な値を示すものの、30
℃における保存性は低いレベルにとどまった。
【0044】
【表1】
【0045】(実施例9〜14、及び比較例4〜6)ビ
スフェノールAエポキシ樹脂に硬化触媒を配合したワニ
スを調製し、ガラスクロスに含浸・乾燥させた後、揉み
ほぐしてBステージ化した樹脂を回収して、ゲルタイム
を測定し、また、下記の方法により保存性を評価した。
【0046】(1)ワニスの調製、含浸・乾燥、及びB
ステージ樹脂の回収 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量450
−500)100重量部を、メチルエチルケトン80重
量部に溶解した。これに、メチルセロソルブ80重量部
に対して、予め4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
10重量部、及び硬化触媒を溶解させた溶液を添加した
後、回転式撹拌器により撹拌し一様なワニスを得た。こ
れを、厚さ100ミクロンのガラスクロスに含浸させ、
乾燥機中150度で2分間乾燥を行なった。ガラスクロ
ス上の樹脂割合は50±5%、乾燥後の溶剤残量は1%
以内となるように調整した。その後、樹脂を含ませたガ
ラスクロスを揉みほぐすことにより、Bステージ化した
樹脂を回収した。
【0047】(2)ゲルタイム Bステージ化した樹脂を1g計量し、170℃の熱板上
での硬化時間を測定した。硬化時間は、熱板上で樹脂が
溶融した後、流動性を示さなくなるまでの時間である。 (3)保存性 ワニスを含浸・乾燥させた前記のガラスクロスを、40
℃で72時間加熱処理した後、揉みほぐしてBステージ
樹脂を回収し、ゲルタイムを測定した。ゲルタイムの変
化率が、100±15%以内を合格とした。
【0048】(実施例9)前記のビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂ワニスの調製の際に、一般式(7)の触媒、
ビスホスホラニリデンアンモニウムテトラナフトエ酸ボ
レート塩を0.36重量部添加した。Bステージ化した
樹脂のゲルタイムは126秒であった。また、40℃7
2時間加熱処理後のゲルタイムは115秒で、ゲルタイ
ムは初期値の91%を保っており、合格である。
【0049】(実施例10)実施例9と同様にして、一
般式(8)の触媒ビスホスホラニリデンアンモニウムシ
ュウ酸塩を0.16重量部添加した。Bステージ化した
樹脂のゲルタイムは107秒であった。また、40℃7
2時間加熱処理後のゲルタイムは100秒で、ゲルタイ
ムは初期値の93%を保っており、合格である。
【0050】(実施例11)実施例9と同様にして、一
般式(9)の触媒ビスホスホラニリデンアンモニウム
2、3−ジヒドロキシナフタレン塩を0.18重量部添
加した。Bステージ化した樹脂のゲルタイムは118秒
であった。また、40℃72時間加熱処理後のゲルタイ
ムは103秒で、ゲルタイムは初期値の87%を保って
おり、合格である。
【0051】(実施例12)実施例9と同様にして、一
般式(10)の触媒ビスホスホラニリデンアンモニウム
2、2−ビフェノール塩を0.18重量部添加した。B
ステージ化した樹脂のゲルタイムは121秒であった。
また、40℃72時間加熱処理後のゲルタイムは109
秒で、ゲルタイムは初期値の90%を保っており、合格
である。
【0052】(実施例13)実施例9と同様にして、一
般式(11)の触媒ビスホスホラニリデンアンモニウム
テトラフェニルボレート塩を0.27重量部添加した。
Bステージ化した樹脂のゲルタイムは156秒であっ
た。また、40℃72時間加熱処理後のゲルタイムは1
46秒で、ゲルタイムは初期値の94%を保っており、
合格である。
【0053】(実施例14)実施例9と同様にして、一
般式(12)の触媒ビスホスホラニリデンアンモニウム
ジベンゾイルメタンアニオン塩を0.22重量部添加し
た。Bステージ化した樹脂のゲルタイムは139秒であ
った。また、40℃72時間加熱処理後のゲルタイムは
124秒で、ゲルタイムは初期値の89%を保ってお
り、合格である。
【0054】(比較例4)実施例9と同様にしたが、触
媒としてはトリフェニルホスフィン0.15重量部を添
加した。Bステージ化した樹脂のゲルタイムは109秒
であった。また、40℃72時間加熱処理後のゲルタイ
ムは65秒で、ゲルタイムは初期値の60%まで短くな
っており、不合格である。
【0055】(比較例5)実施例9と同様にしたが、触
媒としては1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−
ウンデセン0.15重量部を添加した。Bステージ化し
た樹脂のゲルタイムは134秒であった。また、40℃
72時間加熱処理後のゲルタイムは95秒で、ゲルタイ
ムは初期値の71%まで短くなっており、不合格であ
る。
【0056】(比較例6)実施例9と同様にしたが、触
媒としては2−メチルイミダゾール0.06重量部を添
加した。Bステージ化した樹脂のゲルタイムは128秒
であった。また、40℃72時間加熱処理後のゲルタイ
ムは69秒で、ゲルタイムは初期値の54%まで短くな
っており、不合格である。
【0057】上記実施例9〜14及び比較例4〜6の結
果を、表2にまとめて示した。実施例9〜14の樹脂組
成物(ビスホスホラニリデンアンモニウムボレート触媒
を配合した、本発明によるエポキシ樹脂組成物)は、4
0℃72時間加熱処理後のゲルタイムが、いずれも製造
直後の85%以上の値を示し、保存安定性に優れている
ことが分かる。これに対して、比較例4〜6の従来の触
媒を用いた組成物では、40℃の保存性は低いレベルに
とどまった。
【0058】
【表2】
【0059】(実施例15〜20、及び比較例7〜9)
前記の実施例9〜14及び比較例4〜6と同様にして、
ビスフェノールAエポキシ樹脂に硬化触媒を配合したワ
ニスを調製し、ガラスクロスに含浸・乾燥させた後、揉
みほぐしてBステージ化した樹脂を回収して、ゲルタイ
ムを測定し、また、下記の方法により保存性を評価し
た。
【0060】(1)ワニスの調製、含浸・乾燥、及びB
ステージ樹脂の回収 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量450
−500)100重量部を、メチルエチルケトン80重
量部に溶解した。これに、メチルセロソルブ40重量部
に対して、予めジシアンジアミド2重量部、及び硬化触
媒を溶解させた溶液を添加した後、回転式撹拌器により
撹拌し一様なワニスを得た。これを、厚さ100ミクロ
ンのガラスクロスに含浸させ、乾燥機中150度で2分
間乾燥を行なった。ガラスクロス上の樹脂割合は50±
5%、乾燥後の溶剤残量は1%以内となるように調整し
た。その後、樹脂を含ませたガラスクロスを揉みほぐす
ことにより、Bステージ化した樹脂を回収した。
【0061】(2)ゲルタイム Bステージ化した樹脂を1g計量し、170℃の熱板上
での硬化時間を測定した。硬化時間は、熱板上で樹脂が
溶融した後、流動性を示さなくなるまでの時間である。 (3)保存性 ワニスを含浸・乾燥させた前記のガラスクロスを、40
℃で72時間加熱処理した後、揉みほぐしてBステージ
樹脂を回収し、ゲルタイムを測定した。ゲルタイムの変
化率が、100±15%以内を合格とした。
【0062】(実施例15)前記のビスフェノールA型
エポキシ樹脂ワニスの調製の際に、一般式(7)の触
媒、ビスホスホラニリデンアンモニウムテトラナフトエ
酸ボレート塩を0.32重量部添加した。Bステージ化
した樹脂のゲルタイムは134秒であった。また、40
℃72時間加熱処理後のゲルタイムは122秒で、ゲル
タイムは初期値の91%を保っており、合格である。
【0063】(実施例16)実施例15と同様にして、
一般式(8)の触媒、ビスホスホラニリデンアンモニウ
ムシュウ酸塩を0.15重量部添加した。Bステージ化
した樹脂のゲルタイムは113秒であった。また、40
℃72時間加熱処理後のゲルタイムは106秒で、ゲル
タイムは初期値の94%を保っており、合格である。
【0064】(実施例17)実施例15と同様にして、
一般式(9)の触媒、ビスホスホラニリデンアンモニウ
ム2、3−ジヒドロキシナフタレン塩を0.16重量部
添加した。Bステージ化した樹脂のゲルタイムは127
秒であった。また、40℃72時間加熱処理後のゲルタ
イムは121秒で、ゲルタイムは初期値の95%を保っ
ており、合格である。
【0065】(実施例18)実施例15と同様にして、
一般式(10)の触媒、ビスホスホラニリデンアンモニ
ウム2、2−ビフェノール塩を0.16重量部添加し
た。Bステージ化した樹脂のゲルタイムは120秒であ
った。また、40℃72時間加熱処理後のゲルタイムは
105秒で、ゲルタイムは初期値の88%を保ってお
り、合格である。
【0066】(実施例19)実施例15と同様にして、
一般式(11)の触媒、ビスホスホラニリデンアンモニ
ウムテトラフェニルボレート塩を0.24重量部添加し
た。Bステージ化した樹脂のゲルタイムは136秒であ
った。また、40℃72時間加熱処理後のゲルタイムは
126秒で、ゲルタイムは初期値の93%を保ってお
り、合格である。
【0067】(実施例20)実施例15と同様にして、
一般式(12)の触媒、ビスホスホラニリデンアンモニ
ウムジベンゾイルメタンアニオン塩を0.20重量部添
加した。Bステージ化した樹脂のゲルタイムは139秒
であった。また、40℃72時間加熱処理後のゲルタイ
ムは126秒で、ゲルタイムは初期値の91%を保って
おり、合格である。
【0068】(比較例7)実施例15と同様にしたが、
触媒としてはトリフェニルホスフィン0.14重量部を
添加した。Bステージ化した樹脂のゲルタイムは114
秒であった。また、40℃72時間加熱処理後のゲルタ
イムは71秒で、ゲルタイムは初期値の62%まで短く
なっており、不合格である。
【0069】(比較例8)実施例15と同様にしたが、
触媒としては1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7
−ウンデセン0.14重量部を添加した。Bステージ化
した樹脂のゲルタイムは129秒であった。また、40
℃72時間加熱処理後のゲルタイムは88秒で、ゲルタ
イムは初期値の68%まで短くなっており、不合格であ
る。
【0070】(比較例9)実施例15と同様にしたが、
触媒としては2−メチルイミダゾール0.05重量部を
添加した。Bステージ化した樹脂のゲルタイムは118
秒であった。また、40℃72時間加熱処理後のゲルタ
イムは87秒で、ゲルタイムは初期値の74%まで短く
なっており、不合格である。
【0071】上記実施例15〜20及び比較例7〜9の
結果を、表3にまとめて示した。実施例15〜20の樹
脂組成物(ビスホスホラニリデンアンモニウムボレート
触媒を配合した、本発明によるエポキシ樹脂組成物)
は、40℃72時間加熱処理後のゲルタイムが、いずれ
も製造直後の85%以上の値を示し、保存安定性に優れ
ていることが分かる。これに対して、比較例7〜9の従
来の触媒を用いた組成物では、40℃の保存性は低いレ
ベルにとどまった。
【0072】
【表3】
【0073】(実施例21〜26、及び比較例10〜1
2)ビスマレイミド樹脂に硬化触媒を配合したワニスを
調製し、前記の実施例9〜14及び比較例4〜6と同様
に、ガラスクロスに含浸・乾燥させた後、揉みほぐして
Bステージ化した樹脂を回収して、ゲルタイムを測定
し、また、下記の方法により保存性を評価した。
【0074】(1)ワニスの調製、含浸・乾燥、及びB
ステージ樹脂の回収 ジメチルホルムアミド100重量部に、一般式(13)
のビスマレイミド樹脂30重量部及び触媒を加え、回転
式撹拌器により撹拌し、溶解させて、一様なワニスを調
製した。これを、厚さ100ミクロンのガラスクロスに
含浸させ、真空乾燥機中100度で4分間乾燥を行なっ
た。その後、樹脂を含ませたガラスクロスを揉みほぐす
ことにより、Bステージ化した樹脂を回収した。
【0075】
【化13】
【0076】(2)ゲルタイム Bステージ化した樹脂を1g計量し、200℃の熱板上
での硬化時間(ゲルタイム)を測定した。硬化時間は、
熱板上で樹脂が溶融した後、流動性を示さなくなるまで
の時間である。 (3)保存性 ワニスを含浸・乾燥させた前記のガラスクロスを、40
℃で72時間加熱処理した後、揉みほぐしてBステージ
樹脂を回収し、ゲルタイムを測定した。ゲルタイムの変
化率が、80±15%以内を合格とした。
【0077】(実施例21)前記のビスマレイミド樹脂
ワニスの調製の際に、一般式(7)の触媒、ビスホスホ
ラニリデンアンモニウムテトラナフトエ酸ボレート塩を
0.064重量部添加した。Bステージ化した樹脂のゲ
ルタイムは119秒であった。また、40℃72時間加
熱処理後のゲルタイムは100秒で、ゲルタイムは初期
値の84%を保っており、合格である。
【0078】(実施例22)実施例21と同様にして、
一般式(8)の触媒、ビスホスホラニリデンアンモニウ
ムシュウ酸塩を0.032重量部添加した。Bステージ
化した樹脂のゲルタイムは123秒であった。また、4
0℃72時間加熱処理後のゲルタイムは107秒で、ゲ
ルタイムは初期値の87%を保っており、合格である。
【0079】(実施例23)実施例21と同様にして、
一般式(9)の触媒、ビスホスホラニリデンアンモニウ
ム2、3−ジヒドロキシナフタレン塩を0.031重量
部添加した。Bステージ化した樹脂のゲルタイムは10
8秒であった。また、40℃72時間加熱処理後のゲル
タイムは101秒で、ゲルタイムは初期値の94%を保
っており、合格である。
【0080】(実施例24)実施例21と同様にして、
一般式(10)の触媒、ビスホスホラニリデンアンモニ
ウム2、2−ビフェノール塩を0.032重量部添加し
た。Bステージ化した樹脂のゲルタイムは116秒であ
った。また、40℃72時間加熱処理後のゲルタイムは
97秒で、ゲルタイムは初期値の84%を保っており、
合格である。
【0081】(実施例25)実施例21と同様にして、
一般式(11)の触媒、ビスホスホラニリデンアンモニ
ウムテトラフェニルボレート塩を0.048重量部添加
した。Bステージ化した樹脂のゲルタイムは106秒で
あった。また、40℃72時間加熱処理後のゲルタイム
は92秒で、ゲルタイムは初期値の87%を保ってお
り、合格である。
【0082】(実施例26)実施例21と同様にして、
一般式(12)の触媒、ビスホスホラニリデンアンモニ
ウムジベンゾイルメタンアニオン塩を0.039重量部
添加した。Bステージ化した樹脂のゲルタイムは120
秒であった。また、40℃72時間加熱処理後のゲルタ
イムは98秒で、ゲルタイムは初期値の82%を保って
おり、合格である。
【0083】(比較例10)実施例21と同様にした
が、触媒としてはトリフェニルホスフィンを0.027
重量部添加した。Bステージ化した樹脂のゲルタイムは
109秒であった。また、40℃72時間加熱処理後の
ゲルタイムは47秒で、ゲルタイムは初期値の43%ま
で短くなっており、不合格である。
【0084】(比較例11)実施例21と同様にした
が、触媒としては1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]
−7−ウンデセンを0.027重量部添加した。Bステ
ージ化した樹脂のゲルタイムは108秒であった。ま
た、40℃72時間加熱処理後のゲルタイムは57秒
で、ゲルタイムは初期値の53%まで短くなっており、
不合格である。
【0085】(比較例12)実施例21と同様にした
が、触媒としては2−メチルイミダゾールを0.010
重量部添加した。Bステージ化した樹脂のゲルタイムは
103秒であった。また、40℃72時間加熱処理後の
ゲルタイムは42秒で、ゲルタイムは初期値の41%ま
で短くなっており、不合格である。
【0086】上記実施例21〜26及び比較例10〜1
2の結果を、表4にまとめて示した。実施例21〜26
の樹脂組成物(ビスホスホラニリデンアンモニウムボレ
ート触媒を配合した、本発明によるビスマレイミド樹脂
組成物)は、40℃72時間加熱処理後のゲルタイム
が、いずれも製造直後の80%以上の値を示し、保存安
定性に優れていることが分かる。これに対して、比較例
10〜12の従来の触媒を用いた組成物では、40℃の
保存性は低いレベルにとどまった。
【0087】
【表4】
【0088】
【発明の効果】本発明で用いられる触媒は、常温におい
ては触媒作用を発現することがなく、加熱時には優れた
触媒作用を発揮する。これを用いた熱硬化性樹脂組成物
は、長期間にわたって安定に保存することが可能であ
り、また、成形時には加熱によって速やかに硬化し、良
好な成形性及び高品質な成形品を与える。本発明による
エポキシ樹脂組成物及びビスマレイミド樹脂組成物は、
電子電気部品用、積層板用、及び成形材料用の樹脂とし
て有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 明子 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内 (72)発明者 小林 稔 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂の硬化を促進させる潜伏性
    硬化触媒として、ビスホスホラニリデンアンモニウムの
    カチオン部とアニオン部の結合した塩である化合物を、
    配合したことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂及びビス
    マレイミド樹脂から選択される樹脂系である、請求項1
    に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ビスホスホラニリデンアンモニウム塩
    が、一般式(1)で示される構造を有する化合物である
    ことを特徴とする、請求項1もしくは請求項2に記載の
    熱硬化性樹脂組成物。 【化1】 式中、R1〜6は各々独立して、置換及び非置換アルキル
    基、置換及び非置換アラルキル基、置換及び非置換アリ
    ール基、置換及び非置換アルコキシル基、置換及び非置
    換フェノキシ基からなる群より選択される。また、Yn-
    は一般式(2)で示される、分子内に放出しうるプロト
    ンを少なくとも1個以上分子内に有するn(n≧1)価
    のプロトン供与体からなる。 【化2】 n[H]・Yn- (2)
  4. 【請求項4】 請求項3記載のビスホスホラニリデンア
    ンモニウム塩が、ビスホスホラニリデンアンモニウムシ
    ュウ酸塩であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のビスホスホラニリデンア
    ンモニウム塩が、ビスホスホラニリデンアンモニウム
    2,3−ジヒドロキシナフタレン塩であることを特徴と
    する熱硬化性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項3記載のビスホスホラニリデンア
    ンモニウム塩が、ビスホスホラニリデンアンモニウム
    2,2−ビフェノール塩であることを特徴とする熱硬化
    性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 ビスホスホラニリデンアンモニウム塩
    が、一般式(3)で示される構造を有する化合物である
    ことを特徴とする、請求項1もしくは請求項2に記載の
    熱硬化性樹脂組成物。 【化3】 式中、R1〜6は各々独立して、置換及び非置換アルキル
    基、置換及び非置換アリール基、置換及び非置換アルコ
    キシル基、置換及び非置換アラルキル基からなる群より
    選択される。また、式中、X1〜4は各々独立して、水
    素、置換及び非置換アルキル基、置換及び非置換アリー
    ル基からなる群より選択される。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のビスホスホラニリデンア
    ンモニウム塩が、ビスホスホラニリデンアンモニウムテ
    トラフェニルボレートであることを特徴とする熱硬化性
    樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 ビスホスホラニリデンアンモニウム塩
    が、前記一般式(3)で示されるカチオン部とアニオン
    部の結合した塩である化合物と、前記一般式(2)で表
    される有機酸とを熱反応させることにより生成する、一
    般式(4)で表されるテトラ有機酸ボレート化合物であ
    ることを特徴とする、請求項1もしくは請求項2に記載
    の熱硬化性樹脂組成物。 【化4】 式中、R1〜6は各々独立して、置換及び非置換アルキル
    基、置換及び非置換アリール基、置換及び非置換アルコ
    キシル基、置換及び非置換フェノキシ基からなる群より
    選択される。mはm≧1で表される整数であり、式中の
    Xは水素、置換及び非置換アルキル基、置換及び非置換
    アルコキシル基、置換及び非置換アリール基からなる群
    より選択され、各々独立しており、同一でも異なってい
    ても構わない。Hn-mnは一般式(2)で示される、分
    子内に放出しうるプロトンを少なくとも1個以上分子内
    に有するn(n≧1)価の有機酸からなる。また、mの
    値により、ホウ素間結合を形成しても構わない。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のビスホスホラニリデン
    アンモニウム塩が、ビスホスホラニリデンアンモニウム
    テトラナフトエ酸ボレートであることを特徴とする熱硬
    化性樹脂組成物。
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