JPH1064036A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH1064036A
JPH1064036A JP21882296A JP21882296A JPH1064036A JP H1064036 A JPH1064036 A JP H1064036A JP 21882296 A JP21882296 A JP 21882296A JP 21882296 A JP21882296 A JP 21882296A JP H1064036 A JPH1064036 A JP H1064036A
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JP
Japan
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magnetic
width direction
film
recording medium
support
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Application number
JP21882296A
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English (en)
Inventor
Satoshi Sato
諭 佐藤
Shinichi Matsumura
伸一 松村
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度で長時間の記録が可能で、かつ再生出
力の変動が少ない磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体2の一表面上に磁性層3を
形成する磁気記録媒体1において、非磁性支持体2がポ
リエチレンナフタレートフィルムからなり、その厚さが
4.0μm以上10.0μm以下であり、幅方向のヤン
グ率が950kg/mm2 以上であり、150℃におけ
る幅方向の熱収縮率が6.0%以下であり、磁性層3を
形成する側の面2aの表面粗さSRaが2.0nm以上
6.0nm以下である構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体上に
磁性層を形成した磁気記録媒体に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来の一般の磁気記録媒体は、非磁性支
持体上に酸化物磁性粉末あるいは合金磁性粉末などの粉
末磁性材料を、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ
エステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂などの
有機バインダー中に分散させた磁性塗料を塗布、乾燥す
ることで磁性層が形成される、いわゆる塗布型の磁気記
録媒体が用いられてきた。
【0003】一方、高密度記録用磁気記録媒体として、
ポリエステルフィルムやポリアミドフィルム、ポリイミ
ドフィルム等の非磁性支持体上に、Co−Ni合金,C
o−Cr合金,Co−Ni−O,Co−O等の金属磁性
材料をメッキや真空薄膜形成手段(例えば真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法等)により
直接被着形成して磁性層を形成した、金属磁性薄膜型磁
気記録媒体の普及もめざましい。
【0004】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、保
持力や角形比に優れ、短波長での電磁変換特性に優れる
ばかりでなく、磁性層の厚み損失が著しく小さいこと、
磁性層中に非磁性材であるバインダーを混入する必要が
ないため、磁性材料の充填密度を高めることができるな
ど、数々の利点を有している。
【0005】特に、金属磁性材料を斜め方向から蒸着し
て磁性層の形成がなされた斜方蒸着型の磁気記録媒体
は、電磁変換特性に優れ、大きな再生出力が得られるこ
とから既に実用化されている。このような金属磁性薄膜
型の磁気記録媒体は、近年、高密度記録化、長時間記録
化の要望が高まってきているため、テープの全厚を薄く
する必要がある。そして、テープの全厚を薄くするため
には、非磁性支持体を薄くする必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
非磁性支持体では、厚さを薄くすると、次のような問題
を生じていた。
【0007】例えば、厚さが薄くなるとスティフネス
(ヤング率E、厚さをtとするときEt3 で表される)
が低下する。特に、幅方向のスティフネスが低下する
と、テープ状の磁気記録媒体を構成した場合に、磁気ヘ
ッドとの当たりを悪くすることから、再生出力の変動の
原因となる。
【0008】一方、所望のテープの幅方向のスティフネ
スを確保しようとするためには、幅方向のヤング率を高
くすることが効果的であるが、この場合には、非磁性支
持体の成型時に生じた歪みが残存してしまうので、幅方
向の熱収縮率が大きくなってしまう。幅方向の熱収縮率
の増大は、テープを成膜する工程における寸法安定性の
低下につながるため、テープ状としたときに形状の劣化
が生じて、これにより再生出力の変動を生じることがあ
る。
【0009】上述した問題の解決のために、本発明にお
いては、高密度で長時間の記録が可能で、かつ再生出力
の変動が少ない磁気記録媒体を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、その一表面上に磁性層を形成する非磁性支持体にお
いて、非磁性支持体がポリエチレンナフタレートフィル
ムからなり、その厚さが4.0μm以上10.0μm以
下であり、幅方向のヤング率が950kg/mm 2 以上
であり、150℃における幅方向の熱収縮率が6.0%
以下であり、磁性層を形成する側の面の表面粗さSRa
が2.0nm以上6.0nm以下である構成とする。
【0011】上述の本発明の構成によれば、非磁性支持
体をポリエチレンナフタレートフィルムにより構成し、
非磁性支持体の厚さ、幅方向のヤング率、幅方向の熱収
縮率、及び表面粗さを上記範囲に設定することにより、
磁気記録媒体の回転ヘッドとの当たりや、磁気記録媒体
の形状を良好にし、かつこれにより再生出力を高くする
ことができる。即ち、高密度・長時間記録が可能で、再
生出力の変動が少ない磁気記録媒体が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、非磁性支持体の一表面
上に磁性層を形成する磁気記録媒体において、非磁性支
持体がポリエチレンナフタレートフィルムからなり、そ
の厚さが4.0μm以上10.0μm以下であり、幅方
向のヤング率が950kg/mm2 以上であり、150
℃における幅方向の熱収縮率が6.0%以下であり、磁
性層を形成する側の面の表面粗さSRaが2.0nm以
上6.0nm以下である構成とする。
【0013】また本発明は、上記磁気記録媒体におい
て、磁性層が金属磁性薄膜である構成とする。
【0014】以下、図面を参照して本発明の磁気記録媒
体の実施例を説明する。図1に示す磁気記録媒体1は、
非磁性支持体上に金属磁性薄膜から成る磁性層を形成し
た磁気記録媒体であり、ベースフィルムとしての非磁性
支持体2と、金属磁性薄膜による磁性層3とからなる。
【0015】非磁性支持体2はポリエチレンナフタレー
トフィルム(PENフィルム)からなり、このフィルム
を形成するポリマー材料は、ポリエチレン−2,6ナフ
タリンジカルボキシレートである。このポリエチレン−
2,6ナフタリンジカルボキシレートは、小割合の第3
成分が共重合されていてもよく、また小割合の他のポリ
マーが混合されていてもよい。このポリエチレンナフタ
レートフィルムは、従来公知の方法で製造することがで
きる。
【0016】ポリエチレンナフタレートフィルム(PE
Nフィルム)は、一般に磁気記録媒体に使用されている
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィル
ム)と比較して、ヤング率と耐熱性が優れている特長を
有する。その一方で、製造原価が高くなるが、製造方法
ならびにそれに用いられる製造技術がPETフィルムと
同じであるため、PETフィルムの製造設備をそのまま
用いることができる。
【0017】従って、ポリエチレンナフタレートフィル
ムにより非磁性支持体2を構成することにより、ヤング
率及び耐熱性を向上させることができる。
【0018】そして、非磁性支持体2は、その幅方向の
ヤング率が950kg/mm2 以上、より好ましくは1
100〜1400kg/mm2 とする。かかる高ヤング
率が要求される理由は、フィルムが薄くなるに従ってス
ティフネスが低下するため、回転シリンダヘッド(磁気
ヘッド)と磁気記録媒体のテープとの当たりが充分でな
く、再生出力に変動を生じるためである。非磁性支持体
2の幅方向のヤング率が950kg/mm2 未満の場
合、再生出力が充分ではない。一方、非磁性支持体2の
幅方向のヤング率が高すぎると、非磁性支持体2の成型
時に生じた歪みが残存してしまうため、幅方向の熱収縮
率が大きくなる。
【0019】また、非磁性支持体2は、150℃におけ
る幅方向の熱収縮率が6.0%以下、好ましくは5.0
%以下であることが必要である。幅方向の熱収縮率が
6.0%を越えると、蒸着工程において高温下にさらさ
れる時に幅方向に大きく熱収縮し、この結果、テープの
形状悪化の原因となり、充分な再生出力が得られなくな
る。
【0020】さらに、非磁性支持体2は、金属磁性薄膜
からなる磁性層3を形成する側の面の表面粗さSRaが
2.0nm〜6.0nmの範囲にある必要がある。SR
aが6.0nmを越えると、回転シリンダヘッドとテー
プとのスペーシングロスが大きくなり、充分な再生出力
が得られない。またSRaが2.0nm未満では、回転
シリンダヘッドとテープとの摩擦が大きくなり、回転シ
リンダヘッドとテープとの貼り付きが顕著になることか
ら、走行性や耐久性等の不良の原因となり好ましくな
い。
【0021】上述の範囲の表面粗さSRaは、ポリエチ
レン−2,6ナフタリンカルボキシレート(以下、PE
Nと略称する)に、不活性固体微粒子を含有させること
により形成することができる。このような不活性固体微
粒子としては、架橋性高分子からなるミクロゲル粒子の
他、Ti,Si,Ca,Mg,Al,Zn,Ba等の酸
化物、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、あるいはこれらの錯
塩よりなる粒子等が使用できる。例えば、炭酸カルシウ
ム,SiO2 ,Al2 3 ,天然クレー,カオリナイ
ト,カーボン等の不活性無機粒子や、Ca,Si,M
n,Mg,Sb,Ge,P,Li,K,Na等の触媒残
渣等を含むポリマー不溶解組成物の粒子によって構成で
きる。また、これらの粒子は単独で用いても組み合わせ
て用いてもよい。
【0022】また、PEN中に不活性固体微粒子を含有
させる代わりに、これら不活性固体微粒子を水溶性高分
子に分散させたコロイド溶液を塗布することにより、所
望の表面粗さを形成しても構わない。これらの不活性固
体微粒子は、その平均粒径が0.05〜0.1μmであ
ることが好ましい。
【0023】また、蒸着時におけるハンドリング等を考
えた場合、非磁性支持体2の金属磁性薄膜を形成する側
の面とは反対の面(以下バック面と称する)は、粗い方
が好ましい。このためには、例えば非磁性支持体2の表
面粗さSRaをそれぞれの面で別々に制御できるよう
に、積層構造の非磁性支持体としてもよい。この場合、
バック面の表面粗さSRaは、25nm以上であること
が好ましく、このためには不活性固体微粒子の平均粒径
が0.15〜0.30μmであることが好ましい。
【0024】そして、このような非磁性支持体を作製す
るには、例えばそれぞれ所望の表面粗さを形成させるた
めに、粒径の異なった不活性固体微粒子を分散させた液
状のPENを、それぞれダイスリットから共押し出し
し、ローラー手段によって重ね合わせるようにして引き
出し、その後冷却することによって、2層のPEN層が
積層された長尺状の非磁性支持体を得る。そして、逐次
二軸延伸法で長手方向に延伸した後、幅方向に延伸す
る。さらに、縦方向、幅方向にそれぞれ弛緩処理を行う
ことで、熱収縮率を所望のものとすることができる。
尚、作製された非磁性支持体は、ロール状に巻き取られ
て原反とされる。
【0025】また、非磁性支持体2の表面に、例えば熱
可塑性ポリエステル水溶液を塗布し、乾燥することによ
って表面処理層を形成してもよい。この場合、表面処理
層の形成後に、その長尺の長手方向と直行する幅方向に
延伸を行った後に、熱処理を行う。このとき、表面処理
層の塗布厚や、延伸後の熱処理温度を制御することによ
り、非磁性支持体の表面性を所望のものとすることがで
きる。
【0026】一方、金属磁性薄膜からなる磁性層3の材
料には、通常磁気記録媒体の磁性層を形成するものであ
ればいずれの材料も使用することができる。例えばF
e,Co,Ni等の強磁性金属材料膜、Fe−Co,C
o−Ni,Fe−Co−Ni,Fe−Cu,Co−C
u,Co−Au,Co−Pt,Mn−Bi,Mn−A
l,Fe−Cr,Co−Cr,Ni−Cr,Fe−Co
−Cr,Co−Ni−Cr,Fe−Co−Ni−Cr等
の強磁性合金材料膜等が挙げられる。尚、成膜される金
属磁性薄膜は、単層膜であっても、積層膜であってもよ
い。また、磁性層3の膜厚は、耐久性を確保するため
に、好ましくは400nm以上とする。
【0027】このような金属磁性薄膜を成膜するには、
真空蒸着装置を用いるのが好適である。ここで真空蒸着
装置の一例の構成図を図2に示す。この真空蒸着装置1
0は、排気口から排気されて内部が減圧可能とされた成
膜室11内に、図中a方向に定速回転する巻き出しロー
ル13と、図中b方向に定速回転する巻き取りロール1
4とが設けられ、これら巻き出しロール13から巻き取
りロール14にテープ状の非磁性支持体2が順次走行す
るようになされている。これら巻き出しロール13から
巻き取りロール14に向かって非磁性支持体2が走行す
る中途部には、各ロール13,14よりも大径とされた
冷却キャン15が設けられている。この冷却キャン15
は、非磁性支持体2を図中側方に引き出すように設けら
れ、図中c方向に定速回転する構成とされる。
【0028】尚、巻き出しロール13、巻き取りロール
14及び冷却キャン15は、それぞれ非磁性支持体2の
幅と同じ長さからなる円筒状をなすものである。また、
冷却キャン15には図示しないが内部に冷却装置が設け
られ、非磁性支持体2の温度上昇による熱変形を抑制で
きるようになされている。
【0029】従って、この真空蒸着装置10の成膜室1
1内では、非磁性支持体2が巻き出しロール13から順
次巻き出され、さらに冷却キャン15の周囲を通過し、
巻き取りロール14に巻き取られるようになされてい
る。また、成膜室11内では、冷却キャン15の下方に
ルツボ18が設けられ、このルツボ18内に金属磁性材
料19が充填されている。さらに、このルツボ18に
は、ペレットが供給されるようになされている。
【0030】一方、成膜室11の上壁部には、ルツボ1
8内に充填された金属磁性材料19を加熱蒸着させるた
めの電子銃20が取り付けられる。この電子銃20は、
当該電子銃20より放出される電子線Xがルツボ18内
の金属磁性材料19に照射されるように配置される。そ
して、この電子銃20によって蒸発した金属磁性材料1
9が冷却キャン15の周囲を定速走行する非磁性支持体
2上に磁性層3として被着形成されるようになってい
る。
【0031】また、冷却キャン15とルツボ18との間
であって冷却キャン15の近傍には、シャッタ21が、
冷却キャン15の周囲を低速走行する非磁性支持体2の
所定領域を覆う形で配置されている。このシャッタ21
により、蒸発した金属磁性材料19が非磁性支持体2に
対して所定の角度範囲で斜めに蒸着されるようになって
いる。さらに、成膜室11にはガス導入口22が設けら
れ、成膜室11内に所望のガスを所望の流量にて供給で
きるようになされている。
【0032】以上のような構成を有する真空蒸着装置1
0によって、非磁性支持体2上に金属磁性薄膜を成膜す
るには、排気口より成膜室11内の排気を行って所定の
真空度を保つ一方、金属磁性薄膜の磁気特性、耐久性、
耐候性の向上を目的として、ガス導入口22より酸素ガ
スを所定の流量にて導入する。そして、巻き出しロール
13、冷却キャン15、巻き取りロール14をそれぞれ
所定の速度で回転させ、非磁性支持体2を冷却キャン1
5の周囲に走行させる。また、電子銃20から放出され
る電子線Xによってルツボ18内の金属磁性材料19を
加熱蒸発させ、シャッタ21により入射角度を規制しな
がら、走行する非磁性支持体2に被着させればよい。
【0033】尚、金属磁性材料19には、成膜開始前に
予めルツボ18内に入れておいたインゴットを溶融した
ものが用いられ、成膜によって消費された分はペレット
として補給される。
【0034】ところで、磁気記録媒体の構成は、上述の
構成のものに限定されず、非磁性支持体2と磁性層3と
の間にTi,Cr,Ni等の酸化物よりなる下地層を形
成する構成や、金属磁性薄膜3が多層膜よりなり、各金
属磁性薄膜の間に中間層を設けた構成等をとり、各層間
の付着力向上や抗磁力の制御を図ることができる。ま
た、例えば磁性層3の表面近傍を耐食性改善のために酸
化物としてもよい。
【0035】さらに、磁性層3上に保護膜を形成する構
成としてもよく、この場合の材料としては、通常の金属
磁性薄膜用の保護膜として一般に使用されるものであれ
ば如何なるものであってもよい。例示すれば、カーボン
の他、CrO2 ,Al2 3,BN,Co酸化物,Mg
O,SiO2 ,Si3 4 ,SiNx ,SiC,SiN
x −SiO2 ,ZrO2 ,TiO2 ,TiC等が挙げら
れる。保護膜はこれらの単層膜により形成してもよく、
また多層膜や複合膜であってもよい。
【0036】さらに、必要に応じて、非磁性支持体2上
に下塗り層を形成する構成や、非磁性支持体2の裏面に
バックコート層を設ける構成、磁性層3又は保護膜の表
面に潤滑剤や防錆剤等よりなるトップコート層を形成す
る構成としてもよい。潤滑剤としては、例えば脂肪酸、
脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、金属石鹸、脂肪酸アル
コール、パラフィン、シリコーン、フッ素系界面活性
剤、無機活性剤等が使用できる。上述したように、表面
に凹凸が形成された金属磁性薄膜上に潤滑剤が塗布され
ると、その表面形状による効果と潤滑効果との相乗作用
によって、さらに優れた走行性が得られるようになる。
【0037】この他にも、非磁性支持体や金属磁性薄
膜、あるいはその他の層に帯電防止剤、防かび剤等の各
種添加剤を保持させても構わず、種々の変形、変更が可
能である。
【0038】次に、実際に図1の構成の磁気記録媒体1
を形成し、各種特性を調べた。
【0039】(実施例1)まず、粒径が60nmのミク
ロゲル粒子よりなる微粒子を添加した、第1の液状のP
ENと、粒径が300nmのミクロゲル粒子よりなる微
粒子を添加した第2の液状のPENとを、それぞれダイ
スリットにより共押し出しして、急冷することにより、
PEN層が2層に積層された長尺状の非磁性支持体2を
作製した。
【0040】そして、この非磁性支持体2を逐次二軸延
伸法により長軸方向及び幅方向に延伸した。幅方向の延
伸の際に、幅方向のヤング率が1300kg/mm2
なるよう、延伸倍率を調整している。
【0041】次に、そのままでは幅方向の熱収縮率が約
9%と高くなってしまうため、幅方向の弛緩処理を行っ
て、幅方向の150℃における熱収縮率がおよそ5.0
%となるように調整した。
【0042】こうして厚さ4.0μmのフィルムが得ら
れ、これをロール状に巻き取って非磁性支持体2の原反
を得た。この非磁性支持体2は、金属磁性薄膜からなる
磁性層3を形成する面2aの表面粗さSRaが2.0n
m、バック面(裏面)の表面粗さSRaが35nmであ
った。
【0043】この非磁性支持体2の上に、図2に示した
真空蒸着装置10を用いて金属磁性薄膜からなる磁性層
3を成膜した。金属磁性材料19としてCoを用いて、
成膜厚さは180nm、成膜室11の真空度は10-3
a、酸素ガスの流量は2.0リットル/分、非磁性支持
体2の送り速度は55m/分とした。このようにして図
1の構成の磁気記録媒体1を形成した。
【0044】(実施例2)非磁性支持体2を幅方向に延
伸する際に、幅方向のヤング率が950kg/mm2
なるように延伸倍率を調整し、また第1の液状のPEN
に添加する粒径が60nmのミクロゲル粒子からなる微
粒子の添加量を変えて、磁性層3の形成面2aの表面粗
さSRaが5.0nmとなるようにして、厚さが4.5
μmのPENフィルムからなる非磁性支持体2を得る他
は、実施例1と同様にして磁気記録媒体を形成した。こ
のとき、非磁性支持体2の幅方向の熱収縮率は5.0%
となった。
【0045】(実施例3)非磁性支持体2を幅方向に延
伸する際に、幅方向のヤング率が1100kg/mm2
になるように延伸倍率を調整して、厚さが4.5μmの
PENフィルムからなる非磁性支持体2を得る他は、実
施例1と同様にして磁気記録媒体を形成した。このと
き、非磁性支持体2の幅方向の熱収縮率は6.0%とな
った。
【0046】(実施例4)非磁性支持体2を幅方向に延
伸する際に、幅方向のヤング率が1100kg/mm2
になるように延伸倍率を調整して、厚さが6.0μmの
PENフィルムからなる非磁性支持体2を得る他は、実
施例1と同様にして磁気記録媒体を形成した。このと
き、非磁性支持体2の幅方向の熱収縮率は6.0%とな
った。
【0047】(比較例1)非磁性支持体2を幅方向に延
伸する際に、幅方向のヤング率が1300kg/mm2
になるように延伸倍率を調整して、厚さが4.5μmの
PENフィルムからなる非磁性支持体2を得る他は、実
施例1と同様にして磁気記録媒体を形成した。このと
き、非磁性支持体2の幅方向の熱収縮率は9.0%とな
った。
【0048】(比較例2)非磁性支持体2を幅方向に延
伸する際に、幅方向のヤング率が600kg/mm2
なるように延伸倍率を調整して、厚さが4.5μmのP
ENフィルムからなる非磁性支持体2を得る他は、実施
例1と同様にして磁気記録媒体を形成した。このとき、
非磁性支持体2の幅方向の熱収縮率は2.0%となっ
た。
【0049】(比較例3)非磁性支持体2を幅方向に延
伸する際に、幅方向のヤング率が1300kg/mm2
になるように延伸倍率を調整して、厚さが3.5μmの
PENフィルムからなる非磁性支持体2を得る他は、実
施例1と同様にして磁気記録媒体を形成した。このと
き、非磁性支持体2の幅方向の熱収縮率は9.0%とな
った。
【0050】(比較例4)非磁性支持体2を幅方向に延
伸する際に、幅方向のヤング率が1300kg/mm2
になるように延伸倍率を調整して、厚さが4.5μmの
PENフィルムからなる非磁性支持体2を得て、幅方向
の弛緩処理を行って幅方向の熱収縮率が約5.0%とな
るように調整し、また非磁性支持体2の磁性層3の形成
面2aの表面粗さSRaが7.0nmとなるように調整
した他は、実施例1と同様にして磁気記録媒体を形成し
た。
【0051】これら各実施例及び比較例の磁気記録媒体
に対して、下記の各種特性の測定を行った。
【0052】(1)ヤング率 フィルムを幅10mm、長さ100mmの試験片とし
て、これを引張試験器にて引張速度10mm/分で引張
り、0.05〜0.1%の伸びを与える荷重を求めて、
これによりヤング率を算出した。
【0053】(2)150℃における熱収縮率 フィルムを幅10mm、長さ150mmの大きさに、長
手方向、幅方向にそれぞれ切り抜き、標点間距離を10
0mmとして印を付ける。このフィルムの試験片に4.
0kg/cm2 の荷重をかけた状態で、150℃で30
分の熱処理を行い、熱処理後の寸法変化により収縮率を
求めた。
【0054】(3)フィルム表面粗さ(SRa) 小坂研究所社製の非接触式表面粗さ計(ET−30H
K)を用いて、拡大倍率10万倍、カットオフ0.08
mmの条件にて測定した。表面粗さSRaは、中心面に
対する3次元の平均粗さであり、表面のX,Y方向の寸
法をLx,Lyとし、f(x,y)を中心面に対するラ
フネス曲面として、下記の数1により定義する。
【0055】
【数1】
【0056】(4)当たり テープ再生時の出力信号(当たり波形)を一画面分で観
察した。出力信号が強くてフラットである場合を◎印、
出力信号が強いが波形が中央部で上側又は下側に若干歪
んでいる場合を○印、出力信号が弱く、しかも波形が変
形して不良な状態になっている場合を×印で表す。
【0057】(5)形状 形状として、テープの幅方向の反りの程度を測定した。
最も凹(又は凸)になっている部分と、エッジとの高低
差を求めた。高低差が1.0mm以下で良好な場合を○
印、1.0mmよりも大きく2.0mm以下にある場合
を△印、2.0mmよりも大きい場合を×印で表す。
【0058】(6)再生出力 ソニー製ハイバンド8mmビデオデッキEV−900を
試験用に改造したものに磁気記録媒体をセットして評価
を行った。相対速度を3.8m/秒、記録周波数は7M
Hzで行い、市販のハイバンド8mmテープの場合を0
dBとして比較評価した。
【0059】測定結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】表1より、実施例1から実施例4のよう
に、非磁性支持体2の幅方向のヤング率が950kg/
mm2 であれば、磁気テープの回転ドラムヘッドとの当
たりは良好であることがわかる。特に、厚さ4.0μm
程度の薄いフィルムであっても、優れた当たりが得られ
るためには、より好ましくは幅方向のヤング率が110
0〜1400Kg/mm2の範囲に設定すればよいこと
がわかる。
【0062】また、幅方向のヤング率を高くすれば、幅
方向の熱収縮率も大きくなるが、弛緩処理を行って調整
することにより、幅方向の熱収縮率を6.0%にすれば
テープの形状は良好となる。そして、特に4.0μm以
下にすると非常に優れていることが分かる。
【0063】また、当たりや形状が優れていても、表面
性が粗い場合には、テープの再生出力は良好にはならな
い。表1から、表面粗さSRaが2.0〜6.0nmの
範囲内のものが良好な再生出力が得られることがわか
る。
【0064】比較例1は、幅方向のヤング率を低くした
が、その後の弛緩処理による調整を行わなかった例であ
る。この場合、幅方向の熱収縮率が大きく、テープの形
状不良が発生し、充分な再生出力が得られなかった。
【0065】比較例2は、幅方向の熱収縮率が2.0%
となるように延伸倍率を調整した結果、ヤング率が低く
なった例である。ヤング率が低いため、磁気テープと回
転ドラムヘッドとの当たりが不満足なものとなり、充分
な再生出力が得られなかった。
【0066】比較例3は、フィルムの厚さを薄くした例
である。この場合、フィルムの厚さが薄いために、ヤン
グ率を高くしても磁気テープと回転ドラムヘッドとの当
たりが不満足なものとなり、充分な再生出力が得られな
かった。
【0067】比較例4は、表面が粗い例である。この場
合、当たりや形状は良好であったが、表面が粗いために
充分な再生出力が得られなかった。
【0068】また、非磁性支持体2が薄くなるに従っ
て、高いヤング率が必要とされるが、この場合のヤング
率には限界がある。従って、非磁性支持体2の厚さは
4.0μm程度が限界になる。また、非磁性支持体2の
厚さが10.0μmを越えると記録時間の長時間化とい
う本発明の目的に合わなくなる。
【0069】以上の結果から、非磁性支持体上に金属磁
性薄膜からなる磁性層を形成してなる磁気記録媒体にお
いて、幅方向のヤング率が950kg/mm2 以上であ
り、かつ150℃における幅方向の熱収縮率が6.0%
以下のPENフィルムで、厚さ4.0μm以上10.0
μm以下で、磁性層を形成する側の面の表面粗さSRa
が2.0〜6.0の範囲にあるものを用いることで、高
密度長時間記録が可能で、かつ信頼性の高い磁気テープ
を製造することができることがわかった。
【0070】本発明の磁気記録媒体は、上述の例に限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
その他様々な構成が取り得る。
【0071】
【発明の効果】上述の本発明による磁気記録媒体によれ
ば、磁気テープの回転ドラムヘッドとの当たりや、磁気
テープの形状が良好となることから、充分な再生出力が
得られる。従って、高密度・長時間記録が可能で、再生
出力の変動が少ない信頼性の高い磁気記録媒体を構成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の概略構成図である。
【図2】金属磁性薄膜の蒸着装置の一例の概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体、2 非磁性支持体、3 磁性層、1
0 真空蒸着装置、11成膜室、13 巻き出しロー
ル、14 巻き取りロール、15 冷却キャン、18
ルツボ、19 金属磁性材料、20 電子銃、21 シ
ャッタ、22 ガス導入口、X 電子線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の少なくとも一表面上に磁
    性層が形成された磁気記録媒体において、 上記非磁性支持体がポリエチレンナフタレートフィルム
    からなり、 該非磁性支持体の厚さが4.0μm以上10.0μm以
    下、幅方向のヤング率が950kg/mm2 以上、15
    0℃における幅方向の熱収縮率が6.0%以下であり、 上記磁性層を形成する側の面の表面粗さSRaが2.0
    nm以上6.0nm以下であることを特徴とする磁気記
    録媒体。
  2. 【請求項2】 上記磁性層は、金属磁性薄膜であること
    を特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
JP21882296A 1996-08-20 1996-08-20 磁気記録媒体 Pending JPH1064036A (ja)

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