JPH1077290A - アミン類およびアルコール類の光学純度並びに立体配置決定に有効なジアザシクロホスファミド誘導体 - Google Patents

アミン類およびアルコール類の光学純度並びに立体配置決定に有効なジアザシクロホスファミド誘導体

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JPH1077290A
JPH1077290A JP25381396A JP25381396A JPH1077290A JP H1077290 A JPH1077290 A JP H1077290A JP 25381396 A JP25381396 A JP 25381396A JP 25381396 A JP25381396 A JP 25381396A JP H1077290 A JPH1077290 A JP H1077290A
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JP
Japan
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diazacyclophosphamide
optical purity
derivative
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alcohols
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JP25381396A
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Koji Yamashita
光司 山下
Tatsuo Oshikawa
達夫 押川
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Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式(I)で表される塩化ジアザシクロホス
ファミド誘導体の光学異性体のいずれか一種、その製造
方法およびそれを用いることを特徴とする不整炭素を有
するアミンまたはアルコール類の光学純度および立体配
置決定方法。 【化1】 (式中、Arは置換基を有していてもよい芳香族基を表
す。) 【効果】本発明により次の優れた効果を得ることができ
る。 (a)本発明の化合物が極めて簡便に効率よく、かつ、
立体選択的に得ることができる。また、原料は入手容易
なものばかりであり、従って、大量合成が可能である。 (b)得られた化合物は結晶性物質であり加水分解され
難い性質のため取扱いやすい。 (c)合成されたホスファミド誘導体の光学純度および
立体配置は、13Pおよび1H−NMRから容易に決定す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】天然物またはそれらに関わる種々
のアミノ基やヒドロキシル基等の官能基を分子内に有す
る複雑な分子構造の化合物の立体配置または光学純度を
決定することは、合成化学上極めて重要な意義を有す
る。本発明は、かかる化合物の立体配置または光学純度
の決定に極めて有用な塩化ジアザシクロホスファミド誘
導体のいずれか1種の光学異性体、それらの製造方法お
よびこれら光学活性塩化ジアザシクロホスファミド誘導
体を用いる不整中心を有するアミンまたはアルコール類
の光学純度ならびに立体配置決定方法を提供することを
目的とする。
【0002】
【従来の技術】不整中心を有するアミンまたはアルコー
ル類の光学純度ならびに立体配置決定方法としては、M
osherらが開発した(S)−または(R)−α−メ
トキシ−α−トリフルオロメチルフェニル酢酸(MTP
A)を用いて核磁気共鳴装置(NMR)による測定にお
いて決定する方法が知られていた。すなわち、不整中心
を有する一級アミン類や二級アルコール類などのプロト
ン性化合物の光学純度および立体配置決定に関しては、
前述の(S)−または(R)−MTPAとプロトン性化
合物を反応させることによってアミドまたはエステル誘
導体に導き、立体配置決定には 1H−NMR測定、光学
純度については19F−NMR測定により行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法は優れた方法であるが、以下のような問題点があっ
た。 (a)MTPAは大量合成されず、また、製造工程の中
で光学分割しなければならない。 (b)(a)の理由から市販されている同試薬はコスト
高となる。
【0004】本発明は、多核NMRが広く普及されてき
た背景から、天然存在比が100%であるリン原子に注
目し、光学純度については31P−NMR測定を用い、ま
た立体配置については 1H−NMRを用いて不整中心を
有するアミンまたはアルコール類の光学純度ならびに立
体配置を決定する有効な試薬を提供するものである。
【0005】
【問題点を解決するための手段】以下、本発明を詳細に
説明する。本発明は、不整中心を有するアミンまたはア
ルコール類の立体配置または光学純度の決定に極めて有
用な、一般式(I)で表される塩化ジアザシクロホスフ
ァミド誘導体の光学異性体のいずれか1種、その製造方
法およびこれら光学活性塩化ジアザシクロホスファミド
誘導体を用いる不整炭素を有するアミンおよびアルコー
ル類の光学純度ならびに立体配置決定方法に関する。
【0006】
【化4】
【0007】一般式(I)で表される塩化ジアザシクロ
ホスファミド誘導体の光学異性体には、化5に示す
(a)〜(d)の4種の異性体が存在する。
【0008】
【化5】
【0009】本発明は下記反応式に示すように、(2
S)または(2R)−アニリノメチルピロリジンと塩基
存在下にオキシ塩化リンを反応させることによって、ジ
アザシクロホスファミド誘導体(式中、Arはメチル基
等のアルキル基、塩素原子等のハロゲン原子若しくはメ
トキシ基等のアルコキシ基等の置換基を有していてもよ
いフェニル基またはナフチル基を表す。)を、高収率か
つ立体選択的に得る方法をその特徴とする。
【0010】
【化6】
【0011】上記反応において、アニリノメチルピロリ
ジンとオキシ塩化リンとの反応モル比は、前者1モルに
対し、オキシ塩化リン1モル〜3倍モルが好ましい。
【0012】上記反応において、用いられる塩基として
は、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、
ピリジン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウン
デセンなどの有機塩基、水素化ナトリウム、水素化カル
シウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水
素化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩、
炭酸水素ナトリウムなどの炭酸水素塩、カリウム t−
ブトキシド、ナトリウムエトキシドなどのアルコラート
類、ブチルリチウムなどの有機リチウムなどが例示され
る。この中で、トリエチルアミンなどの有機塩基が特に
好ましく用いられる。
【0013】上記反応は適当な不活性溶媒存在下ないし
無溶媒で行われる。使用される溶媒としては、テトラヒ
ドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエ
タンなどのエーテル類、トルエン、ベンゼン、キシレン
などの芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類、酢酸エチル
などのエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミドな
どのアミド類などを例示することができる。上記反応
は、−78℃〜溶媒の沸点温度で円滑に進行する。
【0014】得られた光学活性ジアザシクロホスファミ
ド誘導体をラセミ体のアミン類とトリエチルアミン存在
下で反応させ、ホスファミド誘導体に変換することがで
きる(化7参照)。
【0015】
【化7】
【0016】また、ラセミ体のアルコール類について
は、アルコール類をn−ブチルリチウムなどのアルキル
リチウムを作用させることによりリチウムアルコキシド
に変換後、ジアザシクロホスファミド誘導体と反応させ
ることによって対応するホスファミド誘導体に変換する
ことができる(化8参照)。
【0017】
【化8】
【0018】得られたホスファミド誘導体は、 1Hおよ
31P−NMRスペクトルから立体配置と光学純度が容
易に決定することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説
明する。 実施例1 (2S,5S)−2−クロロ−3−フェニル−2−ホス
ファ−1,3−ジアザビシクロ〔3.3.0〕ヘプタン
−2−オキシド()の合成 (2S)−アニリノメチルピロリジン()0.50g
(2.8mmol)とトリエチルアミン0.60g
(6.0mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(10m
l)溶液を−78℃に冷却し、オキシ塩化リン0.43
g(2.8mmol)のテトラヒドロフラン(5ml)
溶液を滴下した。同温度にて2時間攪拌した後、ゆっく
りと室温に戻した。生成した沈殿物のトリエチルアミン
塩酸塩を濾別し、濾液を減圧下で濃縮すると化合物
(2)の結晶が0.7g(収率95.2%)で得られ
た。31P−NMR測定より、目的物()と(2S,5
S)−2−クロロ−3−フェニル−2−ホスファ−1,
3−ジアザビシクロ〔3.3.0〕ヘプタン−2−オキ
シド()の生成比は、()/()=92/8であ
った。また、粗生成物の(2S,5S)−2−クロロ−
2−フェニル−2−ホスファ−1,3−ジアザビシクロ
〔3.3.0〕ヘプタン−2−オキシド(2)の0.5
gをクロロホルム/n−ヘキサン(10/5=v/v)
で再結晶した。この段階で殆ど光学的に純粋な化合物
)が0.4g得られ、異性体()は除去された。
また、()の粗生成物をカラムクロマトグラフィーで
分離精製することも可能であった(展開液:酢酸エチル
/n−ヘキサン(10/1=v/v))。 mp117−118℃ [α]D +117.3°(c
0.80,CHCl3 )。 化合物()に関する 1H−NMRの解析結果を下記表
1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】尚、上記化合物()の合成において、反
応温度を0℃の条件のもとでは()と()の生成比
は9/91であった。化合物()のリン原子における
立体配置に関しては、単結晶X線構造解析により決定し
た。(表1および化9参照)。
【0022】
【化9】
【0023】実施例2 (2R,5R)−2−クロロ−3−フェニル−2−ホス
ファ−1,3−ジアザビシクロ〔3.3.0〕ヘプタン
−2−オキシド()の合成 出発物質として(2R)−アニリノメチルピロリジン
)を用いた以外は、反応および分離精製等の条件は
上記実施例1と同様にして行った。化合物()と
)の光学異性体である(2R,5R)体()の生
成比は、()/()=8/92であった。 mp.117−118℃ [α]D −117.4°(c
0.72,CHCl3)。 化合物()のNMRスペクトルは化合物()と鏡像
体で同一であるため、ここでは省略する。尚、化合物
)の合成において、反応温度を0℃の条件のもとで
は()と()の生成比は9/91であった。
【0024】以下、実施例1および2で合成した化合物
)および()を用いたアミン類とアルコール類の
代表的なホスファミド誘導体の合成法を述べる。 実施例3 (2S,5S)−2−クロロ−3−フェニル−2−ホス
ファ−1,3−ジアザビシクロ〔3.3.0〕ヘプタン
−2−オキシド()を用いた(±)−1−フェニルエ
チルアミンの光学純度および立体配置決定法 化合物()0.26g(1.0mmol)とトリエチ
ルアミン0.1g(1.0mmol)の乾燥テトラヒド
ロフラン(5ml)溶液に、(±)−1−フェニルエチ
ルアミン0.12g(1.0mmol)を加え、室温で
24時間攪拌した。生成したトリエチルアミン塩酸塩の
沈殿物を濾過し、濾液を減圧下に濃縮した。得られたシ
ロップ状の残留物を薄層クロマトグラフィー(展開液;
酢酸エチル)で分離精製し、ホスファミド誘導体(
a,b)0.31g(収率93.9%)を得た。
【0025】光学純度決定法:合成したホスファミド誘
導体()を、通常方法によってNMRチューブ中に重
クロロホルムまたはクロロホルム溶液として調整(任意
の濃度)した。31P−NMR(85%H3 PO4 を外部
標準として用いた。以下、光学純度については同方法を
用いた)はプロトンデカップリング法で測定し、ジアス
テレオマーの生成比についてはスペクトルの積分比から
求めた(光学純度決定に関しては、特にクロマトグラフ
ィー等での分離精製の必要はない)。光学純度の結果に
関するジアステレオマー比、化学シフト値および化学収
率を純粋な光学活性アミン類と反応させた結果と比較対
照した結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】立体配置決定法:分離精製したホスファミ
ド誘導体()を通常方法によってNMRチューブ中に
重クロロホルム溶液として調整(任意の濃度)した。光
学活性アミン類と反応させて得られたホスファミド誘導
体とD,L−アミン類と反応させて得られたホスファミ
ド誘導体の 1H−NMR測定の結果を比較した。その結
果、溶液中で存在していると推定される不整炭素上にあ
る置換基L1 は、構造BにおけるL1 よりも高磁場にス
ペクトル吸収が観測された。このことはジアザシクロホ
スファミド()の構造のN−フェニル基のベンゼン環
による遮蔽効果によるものと考えられる。尚、置換基L
1 とL2 は立体配置を決定する際に用いる優先性を示し
ている。以上の結果から構造Aにおける場合のアミンの
立体配置は(R)であり、構造Bにおけるアミンの立体
配置は(S)である(化10参照)。
【0028】
【化10】
【0029】以上の結果を上記表1に示す。また、次に
示すアルコールの立体配置決定に関しても同様である。
【0030】実施例4 (2S,5S)−2−クロロ−3−フェニル−2−ホス
ファ−1,3−ジアザビシクロ(3.3.0)ヘプタン
−2−オキシド()を用いた(±)−2−オクタノー
ルの光学純度および立体配置決定法 (±)−2−オクタノール0.13g(1.0mmo
l)の乾燥テトラヒドロフラン(10ml)溶液を0℃
に冷却し、この溶液にn−ブチルリチウム0.75ml
(1.65Mのn−ヘキサン溶液)を加え同温度で2時
間攪拌した後、化合物()0.26g(1.0mmo
l)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液を滴下し
た。その後さらに室温で12時間攪拌し、次いで1時間
加熱還流した。反応混合物に水を加えて反応を停止さ
せ、続いて反応混合物をクロロホルムで抽出した。抽出
した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。
濾液を濃縮し、残留物を実施例5と同条件で薄層クロマ
トグラフィーで精製した後、化合物(10b,c)を得
た。光学純度および立体配置の決定に関しては実施例3
と同様にして行った。
【0031】実施例5 (2R,5R)−2−クロロ−3−フェニル−2−ホス
ファ−1,3−ジアザビシクロ〔3.3.0〕ヘプタン
−2−オキシド()を用いた(±)−1−フェニルエ
チルアミンの光学純度および立体配置決定法 化合物()の(±)─1−フェニルエチルアミンとの
反応、光学純度決定および立体配置決定については、実
施例3と同条件でおこない、化合物()を得た。尚、
立体配置については、化合物()を用いた場合と逆の
関係になった。すなわち、構造Aにおける不整炭素の立
体配置は(S)であり、構造Bでは不整炭素の立体配置
は(R)であることが判明した
【0032】実施例6 (2R,5R)−2−クロロ−3−フェニル−2−ホス
ファ−1,3−ジアザビシクロ〔3.3.0〕ヘプタン
−2−オキシド()を用いた(±)−2−オクタノー
ルの光学純度および立体配置決定法 化合物()との反応、光学純度決定および立体配置決
定については、実施例6と同条件でおこない、化合物
11)を得た。実施例5と同様の結果が得られた。
【0033】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により次の優
れた効果を得ることができる。 (a)各合成段階の化学収率は高い。 (b)(2R,5S)−2−クロロ−3−フェニル−2
−ホスファ−1,3−ジアザビシクロ〔3.3.0〕ヘ
プタン−2−オキシド()、(2S,5R)−2−ク
ロロ−3−フェニル−2−ホスファ−1,3−ジアザビ
シクロ(3.3.0)ヘプタン 2−オキシド()合
成における立体選択性は極めて高い。 (c)化合物()および()は結晶性物質であり加
水分解され難い性質のため取扱いやすい。 (d)各合成段階におけるホスファミド誘導体((
〜(11))の合成反応において、リン原子の立体配置
は完全に保持する。 (e)合成されたホスファミド誘導体の光学純度および
立体配置は、13Pおよび1H−NMRから容易に決定で
きる。 (f)化合物()および()は、分子内に芳香環を
持ち合わせており、容易にUV検出されることからも高
速液体クロマトグラフィーでジアステレオマー比が観測
される。 (g)操作方法は極めて簡便である。 (h)原料は容易に入手できる試剤ばかりである。 (i)大量合成即ち工業化が可能である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)で表される塩化ジアザシクロ
    ホスファミド誘導体の光学異性体のいずれか一種。 【化1】 (式中、Arは置換基を有していてもよい芳香族基を表
    す。)
  2. 【請求項2】(2S)−置換アニリノメチルピロリジン
    または(2R)−置換アニリノメチルピロリジンと、塩
    基存在下にオキシ塩化リンとを反応させることを特徴と
    する一般式(I)で表される塩化ジアザシクロホスファ
    ミド誘導体の光学異性体のいずれか一種の製造方法。 【化2】
  3. 【請求項3】一般式(I)で表される塩化ジアザシクロ
    ホスファミド誘導体の光学異性体のいすれか1種を用い
    ることを特徴とする不整炭素を有するアミンまたはアル
    コール類の光学純度および立体配置決定方法。 【化3】 (式中、Arは置換基を有していてもよい芳香族基を表
    す。)
JP25381396A 1996-09-04 1996-09-04 アミン類およびアルコール類の光学純度並びに立体配置決定に有効なジアザシクロホスファミド誘導体 Withdrawn JPH1077290A (ja)

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