JPH11159573A - 積層ゴム支承体の製造方法 - Google Patents

積層ゴム支承体の製造方法

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JPH11159573A
JPH11159573A JP33033097A JP33033097A JPH11159573A JP H11159573 A JPH11159573 A JP H11159573A JP 33033097 A JP33033097 A JP 33033097A JP 33033097 A JP33033097 A JP 33033097A JP H11159573 A JPH11159573 A JP H11159573A
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JP
Japan
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damper member
center cap
substrate
hollow portion
deformation
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Application number
JP33033097A
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English (en)
Inventor
Akemi Kawanabe
あけみ 川那辺
Fumio Sekido
文雄 関堂
Tatsuji Matsumoto
達治 松本
Akitaka Kimura
昭孝 木村
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダンパー部材の最適な封入量の調整を便宜に
行うことができ、中空部の体積バラツキに影響を受ける
ことなく高性能の積層ゴム支承体を歩留まり良く、かつ
能率良く製造しうる。 【解決手段】 構造体2A、2Bに固定される支持具3
A、3B間に、ゴム材からなる変形部10と硬質材から
なる耐変形部11とが交互に積層されかつ支持具3A、
3Bによって閉止される中空部14を形成する空洞部1
3を設けた免震部材5と、前記中空部14に配されるダ
ンパー部材6とを具える。前記支持具3A、3Bの一方
は、基板7に設けた透孔8に遊嵌され押し下げられるこ
とにより前記ダンパー部材6を中空部14に充填するセ
ンターキャップ9を具え、ダンパー部材6の充填状態Y
において、センターキャップ9を仮止めし、性能テスト
を行った後、必要によりダンパー部材6の充填量を調整
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば地震、機械
振動、或いは交通振動等により、構造物、各種機器類及
び美術工芸品類等に入力される振動の加速度を低減させ
る免震・防震支承に使用される積層ゴム支承体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、建築物、橋、タンク等の構造
物、及び電子計算機、医療機器、保安機器、精密製造機
器、分析解析機器等の機器類、或いは美術工芸品類など
に加わる振動の加速度を低減する免震・防震支承体とし
て、例えば特開昭62−225666号公報、実開昭4
−46247号公報、及び実用新案登録第302144
7号公報に記載される如き積層ゴム支承体が知られてい
る。
【0003】このような積層ゴム支承体aは、例えば図
15に略示するように、鋼板などの硬質板b1とゴム板
b2とを交互に積層した免震部材bと、この免震部材b
に形成した中空部cに封入される鉛プラグ等のダンパー
部材dとを具えており、前記免震部材bによって、構造
物等の重量を支持するとともに基礎から構造物等へ作用
する作用力を緩衝している。他方、ダンパー部材dは、
前記作用力が免震部材bにより緩衝された後に生ずる構
造物の振動エネルギーを吸収して構造物自体の振動を減
衰させる効果を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなダ
ンパー部材dを封入した構造の積層ゴム支承体aでは、
封入前における前記中空部cの体積と、封入されるダン
パー部材dの体積との比率d/cが、積層ゴム支承体a
の減衰性能に大きく関与することとなる。すなわち、中
空部cの体積に満たない体積のダンパー部材dを封入し
た時には、免震部材bの内周面とダンパー部材の外周面
との間や、ダンパー部材dの上下端面と支持板eとの間
に隙間が発生することとなり、免震部材bの剪断変形が
ダンパー部材dに正確に伝達されず、減衰性能を著しく
低下させる。
【0005】しかしながら、中空部cの体積とダンパー
部材dの体積とが等しく、前記隙間が発生しない場合に
おいても、免震部材bの剪断変形時、前記免震部材bと
ダンパー部材dとの間に滑りが発生し伝達ロスを招くな
ど所望の減衰性能が得られ難いことが判明した。
【0006】従って、本発明者は、封入前における中空
部cの体積よりむしろ大きい体積のダンパー部材dを封
入させ、このダンパー部材dの一部を免震部材bの内周
面における硬質板b1間に食い込ませることによって、
免震部材bとの滑りを確実に抑制し、高性能の減衰特性
を発揮しうることを究明し得た。又逆に封入量が過大な
ときには、支承体の復元性が損なわれるとともに、硬質
板b1に曲がり、捻れ等の変形を招き、長期的にみて、
他部材を破損するおそれがあり、又免震部材における振
動緩衝効果を減じることも判明した。
【0007】しかしながら免震部材では、その形成過程
において、前記中空部cの体積にある程度のばらつきが
発生するのが一般的であり、従って、所望の特性を有す
る高性能の積層ゴム支承体を歩留まり良く製造するため
には、ダンパー部材dの封入量を中空部cの体積に応じ
て調整する新規な製造方法が必要となる。
【0008】そこで本発明は、中空部内にダンパー部材
を充填するセンターキャップを充填状態において仮止め
し、性能テストを行った後、必要により、ダンパー部材
の最適な封入量の再調整を便宜に行い、中空部の体積バ
ラツキに影響を受けることなく高性能の積層ゴム支承体
を歩留まり良く製造しうる積層ゴム支承体の製造方法の
提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の積層ゴム支承体の製造方法は、2つの構造
体の間に介在しその間を免震する積層ゴム支承体の製造
方法であって、前記構造体に固定される支持具間に、ゴ
ム材からなるシート状の変形部と硬質材からなるシート
状の耐変形部とを交互に積層した免震用の積層基体に、
その変形部、耐変形部を通りしかも前記支持具によって
閉止される中空部を形成する空洞部を設けた免震部材、
及び前記中空部に配される振動エネルギー吸収用のダン
パー部材を具えるとともに、前記支持具は、少なくとも
その一方が基板と、この基板に設けた透孔に遊嵌され押
し下げられることにより前記ダンパー部材を前記中空部
に充填するセンターキャップとからなり、かつセンター
キャップの押下げによるダンパー部材の充填状態におい
て、センターキャップを仮止めし、ダンパー性能を確認
するとともに、必要により前記ダンパー部材の充填量を
調整することを特徴としたものであります。
【0010】なお仮止めとしては、ダンパー部材の充填
状態において、前記センターキャップの上面を、基板上
面と面一として設定し、この基板に固定される押下げ杆
を用いてセンターキャップ上面を押さえ付けても良く、
又基板に螺合するボルトを用いて固定してもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、そ
れを用いて製造された積層ゴム支承体とともに、図面に
基づき説明する。図1、2において積層ゴム支承体1
は、例えば基礎である下の構造体2Bと建築物等である
上の構造体2Aとにそれぞれ固定される上下の支持具3
A、3Bを具えるとともに、この支持具3A、3B間
に、免震部材5とダンパー部材6とを設けている。
【0012】前記支持具3A、3Bは、その少なくとも
一方、本例では、双方の支持具3A、3Bを、各構造体
2A、2Bにボルトなどの固定金具を用いて固定される
板状の基板7と、この基板7の中央に設けた透孔8に遊
嵌されることにより該透孔8を閉止するセンターキャッ
プ9とで形成している。この基板7には、前記固定金具
取付用の複数のネジ穴30が、例えば二列で形成され
る。又透孔8は、前記センターキャップ9が嵌り込む大
径部分8aの内側に、段差面8bを介して小径部分8c
を設けている。
【0013】前記センターキャップ9は、図3に示すよ
うに、大径部分8aに遊嵌する円板状の基体18を有
し、該基体18の外周外向き縁E1及び前記透孔8の内
周外向き縁E2の何れか一方又は双方に、本例では、基
体18の外周外向き縁E1に、溶接用の面取り19を形
成している。前記基体18は、ダンパー部材6に向く内
向き面18Sに、ダンパー部材18を押し下げることに
よりこのダンパー部材6内に埋入する突起23を1以
上、好ましくは複数設けている。該突起23は、前記埋
入を容易とするために、先端先細のコーン状とすること
が好ましい。又その突出高さは0.5mm以上あれば良
く、上限は3mm程度以下として破断損傷を抑制するこ
とが好ましい。
【0014】又前記免震部材5は、ゴム材からなるシー
ト状の変形部10と硬質材からなるシート状の耐変形部
11とを交互に積層した免震用の積層基体12からな
り、この積層基体12には、前記変形部10と耐変形部
11とを貫通して上下にのびることにより前記透孔8に
連通する空洞部13が形成される。該空洞部13は、前
記小径部分8cと断面略同一形状をなし、この空洞部1
3と小径部分8cとによって、ダンパー部材6が充填さ
れる一連の中空部14を形成している。
【0015】前記耐変形部11は、例えば鋼板などの剛
性を有する金属製の板体からなり、本例では前記空洞部
形成用の孔部を中心に透設した例えば円板状に形成され
る。又変形部10としては、各種ゴム材料が使用できる
が、機械的強度、弾性率の長期安定性、変形能力の長期
安定性、耐クリープ性などに優れるものが必要であり、
例えば天然ゴム(NR)、クロロプレンゴム(CR)などが好ま
しく使用される。又変形部10の厚さT1は、耐変形部
の厚さT2より大、通常1.3〜2.0程度であって、
本例では、T1=4.2mm,T2=2.5mmのもの
を使用している。
【0016】又前記基板7と積層基体12との間、及び
積層基体12の変形部10と耐変形部11との間は、積
層後の前記変形部10のゴム加硫及び/又は接着剤を用
いて一体かつ強固に結合される。なお本例では、前記積
層基体12の外周には、変形部10及び耐変形部11を
被覆することによって、免震部材5を腐食、損傷などか
ら保護する耐候性に優れる例えばゴム製の保護層15を
形成している。
【0017】前記ダンパー部材6は、塑性変形容易な金
属材、例えば鉛からなる直柱状体であり、前記中空部1
4内に、実質的に間隔を有することなく密に充填(封
入)される。
【0018】この時、前記空洞部13に封入されるダン
パー部材6の体積VLは、封入前における空洞部13の
体積VAの1.0倍より大かつ1.05倍以下とするこ
とが好ましい。より詳しく説明すると、封入前における
空洞部13の内周面は、図4(A) に示すように、前記変
形部10の内側面と耐変形部11の内側面とが実質的に
面一に整一した、本例では、横断面円形の直筒状をな
し、又この横断面形状と前記小径部分8cの横断面形状
とが一致している。
【0019】他方、封入後にあっては、VL>VA と
することによって、ダンパー部材6は、空洞部13の内
周面を押圧し、図4(B)に示すように、前記体積の差
(VL−VA)に相当する量のダンパー部材6が、軟質
となる変形部10に食い込むことになる。このダンパー
部材6の食い込み部分6aは、波線状の輪郭線をなすと
ともに、硬質の耐変形部11間で挟まれて拘束されるた
め、封入後の空洞部13とダンパー部材6との間の滑り
が確実に抑制され、免震部材5の剪断変形がダンパー部
材6に伝達ロスを招くことなく正確に伝えられることに
より、減衰性能を大巾に向上できる。
【0020】なお前記ダンパー部材6の体積VLが、封
入前の空洞部13の体積VAの1.0倍以下の時には、
前記食い込みが発生しないため、図5に略示するよう
に、免震部材5とダンパー部材6との伝達ロスが増大し
て、ヒステリシスロスすなわち減衰性能を大きく低下さ
せる。逆に1.05倍を越えると、ヒステリシスロスが
過大となって支承体1の復元性がなくなり、しかも食い
込み部分6aの増大に伴って、変形部10と耐変形部1
1との間の接着剥離を誘発させるとともに、耐変形部材
11に曲がり、捻れ等の変形を招き、強度、耐久性を減
じるとともに、免震部材5における振動緩衝効果を低下
させる傾向となる。従って、体積VLの上限は、体積V
Aの1.040倍以下、さらには1.035倍以下が好
ましく、又下限は、体積VAの1.010倍以上、さら
には1.020倍以上が好ましい。
【0021】しかしながら、前記免震部材5は、一般に
未加硫の積層基体12の加圧加熱による加硫接着によっ
て一体に整形されているため、空洞部13の体積VAに
バラツキが発生する。従って、最適な前記比率でダンパ
ー部材6を封入し、高性能の積層ゴム支承体1を得るた
めには、空洞部13の体積VAに応じてダンパー部材6
の封入量を確認しかつ必要によって封入量を調整するこ
とが要求される。
【0022】すなわち、本例の製造方法では、当初設定
した所定サイズのダンパー部材6を準備するダンパー部
材準備工程K1と、このダンパー部材6を長さ方向に圧
縮して中空部14内に充填する充填工程K2と、充填状
態Yでセンターキャップ9を基板7に仮止めする仮止め
工程K3と、仮止めした支承体1に性能テストを行う性
能テスト工程K4と、性能テストによる合格品を本止め
する本止め工程K5と、減衰性能が所望するレベルに到
達しない場合には、センターキャップ9を一旦取外して
ダンパー部材6の補充、削減などの調整を行った後仮止
め工程K3に戻る調整工程K6とを、図6に示す如き工
程順序で行う。
【0023】前記ダンパー部材準備工程K1では、当初
予定される中空部14の体積に対して定まる最適比率の
体積を有する基準のダンパー部材6を準備する。この
時、ダンパー部材6は断面形状を、前記中空部14の断
面形状と略相似形とした、本例では直柱体であって、そ
の直径Dを、中空部14の直径DRの0.9倍以上かつ
1.0倍よりも小としている。これによって、空洞部1
3の内周面に損傷を与えることなく容易に挿入できる。
なおダンパー部材6の断面形状は、本例の如き円形以外
に、例えば4角形、5角形等の多角形を含む非円形であ
っても良く、この時、断面における最大巾を以て直径と
呼ぶ。
【0024】なお、前記直径Dが直径DRの1.0倍以
上では、挿入時、空洞部13の内周面においてダンパー
部材6が変形部10を削るなどの損傷を招き、この損傷
が核となって変形部10と耐変形部11との剥離を誘発
するなど強度、耐久性を低下させる。又0.9倍未満の
時には、圧縮によりダンパー部材6を半径方向に膨張さ
せる率が不必要に増大するため、充填行程K2での作業
性を著しく阻害し、又均一な膨張を得られ難くする。従
って、前記直径Dは、直径DRより0.5〜1.0mm
の範囲で小とするのが好ましい。又ダンパー部材6は、
圧縮時に屈曲変形し易く、このためにダンパー部材6の
圧縮前の高さhoを前記直径Dの1.0〜3.0倍の範
囲とするのが良い。
【0025】前記充填工程K2では、図7に示すよう
に、予めセンターキャップ9の固着によって中空部8の
一端(例えば下端)を閉止した積層基体12を、加圧機
Mの下部ヘッドM1上に載置するとともに、この中空部
14内に、前記準備したダンパー部材6を挿入する。挿
入されたダンパー部材6上面には、上のセンターキャッ
プ9が載置され、前記加圧機Mの上部ヘッドM2に設け
る圧子31の下降に伴うセンターキャップ9の押し下げ
とともに、ダンパー部材6が長さ方向に圧縮され中空部
14内に充填される。
【0026】前記センターキャップ9を用いたダンパー
部材6の圧縮は、前記センターキャップ9とダンパー部
材6との境界面が密に整合するため、この間での隙間の
発生を確実に防止できる。しかも前記突起23がダンパ
ー部材6内に埋入されるため、剪断変形時の境界面での
滑りが抑制され、さらに高性能の減衰性能が発揮でき
る。
【0027】なお充填工程K2では、前記ダンパー部材
6の圧縮歪(縦歪)を半径方向への膨張(横歪)に、全
長に亘って略均一に変換することが必要であり、従っ
て、本例では、最終充填圧力に至る間に、加圧及びその
後の応力緩和の2以上のサイクルを繰り返し、徐々に圧
縮している。より詳しくは、前記センターキャップ9が
前記透孔8の段差8bに当接する充填状態Yまでの間の
圧縮を、例えば複数段階に分けて行うものであり、図1
4に略示するように、初期(第1)の強制加圧によって
所定長さの圧縮を行う第1の加圧ステップ16Aの後、
この圧縮高さを維持する第1の応力緩和ステップ17A
を行い、内部応力が緩和されて縦歪が横歪に変換される
まで待機する。
【0028】この加圧ステップ16と応力緩和ステップ
17とからなるサイクルを2以上、例えば3サイクル行
い、最終(第3)の加圧ステップ16Cにより前記セン
ターキャップ9が前記充填状態Yに配された後の最終
(第3)の応力緩和ステップ17Cにより、応力緩和が
平衡状態に達しているかを確認する。この確認は、例え
ば圧力降下が1分間に0であることによって行う。なお
各加圧ステップ16においても前記応力緩和の速度を考
慮し、初期圧縮応力を充分に低速(例えば800kgf/
cm2 以下)で行うことが好ましく、又最終充填圧力は、
1600kgf/cm 2 以下とすることが好ましい。なお初
期圧縮圧力が800kgf/cm2 を越えると、中空部14
の上端近傍にダンパー部材6のかしめ状部分が形成され
易く、圧縮を不均一化する。又最終充填圧力が1600
kgf/cm2 より大の時、積層基体12の耐変形部に曲が
り、捻れ等の変形を招く。
【0029】又前記応力緩和の確認の後、充填状態Yの
センターキャップ9と基板7とを仮止めする。この仮止
め工程K3に対し、本例では、図8に示すように、前記
センターキャップ9の高さTbを、前記充填状態Yのセ
ンターキャップ9の上面が前記基板7の上面と面一とな
るよう設定する。そして、このセンターキャップ9上面
を通る押下げ杆32の両端を前記基板7に固定すること
によって、センターキャップ9をその下方に押さえ込ん
で仮止めする。
【0030】前記押下げ杆32は、センターキャップ9
上面に沿ってのびる、例えば板状の基片32Aと、この
基片32Aから略全長に亘って立ち上がる補強片32B
とを有する例えばL字の鋼材から形成され、本例では、
前記基片32Aは、前記ネジ穴30に螺着するボルト3
3によって基板7に着脱に固定される。なお基板7に、
押下げ杆固定用の専用のネジ穴を別途形成しても良い。
【0031】又前記基片32Aは、固定に際し、例えば
その一側縁Eaがセンターキャップ9の略中心を通るよ
うに、一方側に偏位して配することが好ましく、これに
よって、本止めの際の溶接を能率よく行いうる。該押下
げ杆32は、図9(A) 、(B)に示すように、センターキ
ャップ9が前記圧子31に圧接した状態において固定で
きるように、センターキャップ9の中心からさらに一方
側に偏位させても良い。又仮止め作業を容易に行うため
に、前記圧子31の先端は、その直径をD1をセンター
キャップ9の直径D2の30%〜50%とするのが好ま
しく、30%より小の時、センターキャップ9への水平
な押し下げが難しくなり、逆に50%を越えると作業性
が低下する。
【0032】前記性能テスト工程K4は、例えば仮止め
した支承体1の剪断方向への歪みテストであって、測定
される減衰定数などが基準範囲内か否かを判断する。
【0033】又充填後に仮止めせずに性能テストを行っ
た際には、内圧低下のために正確なヒステリシスロス値
が測定できないばかりか、時間の経過につれて免震部材
5の反力によってダンパー部材6が押し戻され、センタ
ーキャップ9を押し上げる。この時、ダンパー部材6
は、封入時の直径の状態で浮き上がるため、ダンパー部
材6と免震部材5との密着度、接触状態が阻害され、又
再度センターキャップ9を押し下げて充填し直した場合
にも、前記中空部の形状が完全に復元しないため、当初
狙いの性能は得られなくなる。このために、仮止めが必
要であり、一旦充填したダンパー部材6の浮き上がりを
阻止している。
【0034】なお図10に、仮止めの他の実施例を示
す。本例では、前記センターキャップ9を、前記基板7
に螺合するボルト35を用いて仮止めしている。前記基
板7は、前記透孔8の段差8cに、1個以上例えば4個
などの複数のネジ孔36を有し、又前記センターキャッ
プ9には、その外周近傍かつネジ穴36と合う位置にボ
ルト挿通用のボルト孔37を穿設している。かかる場合
にも、圧子31との圧接状態において容易にボルト止め
しうるよう、前述の如く、圧子31先端の直径D1をセ
ンターキャップ9直径D2の30%〜50%とするのが
好ましい。
【0035】又仮止めの、さらに他の実施例としては、
図11に示すように、前記基板7への点溶接40を採用
することができる。又センターキャップ9の外周面及び
大径部分8aの内周面に互いに螺合するネジ部を形成し
ても良い。かかる場合には、加圧機Mに代え、センター
キャップ9自体の螺進によって加圧ステップ16が行わ
れる。
【0036】前記本止め工程K5は、前記合格品を本止
めする工程であり、本例では、充填状態Yの位置のセン
ターキャップ9と基板7との間を溶接によって固定す
る。前記センターキャップ9には、図3の如く、基体1
8の外周外向き縁E1に、溶接用の面取り19が、その
全周に亘り形成され、この面取り19と基板7との間の
溝状部20に溶接材21が入り込むことによって一体、
かつ強固に溶着が施される。なお溶接として、溶接棒等
の溶接材を用いるアーク溶接などの種々の溶接手段が使
用できる。
【0037】ここで、前記面取り19の深さTaは、セ
ンターキャップ9の高さTbの10%以上かつ30%以
下とすることが好ましく、10%未満では、溶着強度が
不充分となり押し上げ阻止が確実に保証されず、逆に3
0%を越えると、溶接の熱によって免震部材5のゴム材
が劣化するなど、強度、性能、耐久性をそれぞれ低下す
る。従って、その下限は15%以上さらには20%以上
が好ましく、又上限は25%以下が好ましい。又面取り
19は、図12(A) 、(B) に示すように、前記透孔8の
内周外向き縁E2に、さらには外周外向き縁E1と透孔
8の内周外向き縁E2との双方に形成しても良い。
【0038】又前記調整工程K6では、前記性能テスト
による減衰性能が所望する値に不充分な場合、あるいは
ダンパー部材を過剰に封入した場合、センターキャップ
9を一旦取外した後、ダンパー部材6の補充、削減など
の調整を行う。
【0039】ここで前記調整に際して、図7に示すよう
に、準備した基準のダンパー部材6を、ダンパー主部2
5Aと、このダンパー主部25Aと断面同形をなす1枚
以上、例えば2枚等の複数の調整用の薄板部材片25B
とで構成している。前記ダンパー主部25Aは、充填時
に、少なくとも空洞部13の全部を確実に満たしうる体
積を有することが必要であり、又ダンパー主部25Aの
一部と薄板部材片25B・・・ が充填される一方の小径部
分8cの体積は、前記中空部14の体積のばらつき量を
越えることが必要である。
【0040】従って、前記不合格品の内、ヒステリシス
ロス値が基準範囲未満のもの、即ちダンパー部材6が充
填不足に対しては、新たな薄板部材片25Bの補充が行
われるとともに、基準範囲を越えるものに対しては、薄
板部材片25B取出される。しかる後、調整された支承
体1は、再度仮止め工程K3に送られ、性能テスト工程
K4をへて本止め工程K5を通過するまでこの調整工程
K6が順次繰り返えされる。
【0041】このように中空部14の体積ばらつきに対
応して、最適の割合でダンパー部材6を封入しているた
め、高性能の積層ゴム支承体1が歩留まり良く、能率的
に製造することができる。
【0042】なお、基準のダンパー部材6のサイズは以
下のように決定できる。当初予定される空洞部13の体
積をVA、空洞部13の直径をDR、空洞部13の高さ
をHLとしたとき、 VA=π・DR2 ・HL/4 --- 式(1) で表される。又封入後に空洞部13に封入されるダンパ
ー部材6の体積VLは、封入時のダンパー部材6の有効
直径をDo としたとき、VL=(1.0〜1.05)・
VA=π・Do2 ・HL/4 ---式(2)で表される。す
なわちダンパー部材6の食い込み量VL−VAを(0〜
0.05)・VAの範囲で設定することによって、有効
直径Do が決定される。又前記空洞部13に封入される
ダンパー部材6の、封入前における直径をD、長さを
h、ダンパー部材6のポアソン比(縦歪/横歪)をνと
したとき、 ν={(Do −D)/Do }/{(h−HL)/HL} --- 式(3) で表される。なおダンパー部材6の材料を設定したと
き、例えば鉛にあってはポアソン比νは、0.44であ
り、又直径Dを前記DRの0.9倍〜1.0倍の範囲で
選択することにより、この選択値に応じて前記式(1) 〜
(3) によって、高さh等の寸法が設定できる。なお、材
料となるダンパー部材6の全体積は、前記体積VLに加
えて、前記小径部分8cに充填される体積V V=π・DR2 ・(h1+h2)/4 が必要である。従って、実質的には、材料となるダンパ
ー部材6の全長h0は、h+DR2・(h1+h2)/
D2となる。ここでh1、h2は、それぞれ、小径部分
8cの長さである。
【0043】なお、前記中空部14の内周面には、図1
3(A) に示すように、微小振動緩衝用の内ゴム層22を
形成してもよい。この時にも同様に、ダンパー部材6
は、図13(B) の如く、封入後、耐変形部11間で半径
方向に食い込む食い込み部6aを波状に形成できる。
【0044】
【発明の効果】叙上の如く本発明の積層ゴム支承体は、
支持具を基板とセンターキャップとで形成し、このセン
ターキャップの押し下げによるダンパー部材の充填状態
においてセンターキャップを仮止めし、性能テストを行
った後、減衰性能が不足あるいはダンパー部材の充填量
が過剰なものに対して、ダンパー部材の最適な封入量の
再調整を便宜に行うことが可能となり、中空部の体積バ
ラツキに影響を受けることなく高性能の積層ゴム支承体
を歩留まり良く、かつ能率良く製造しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によって製造される積層ゴム
支承体を示す断面図である。
【図2】その平面図である。
【図3】本止めによるセンターキャップの固定状態を説
明する斜視図である。
【図4】(A) は封入前における免震部材とダンパー部材
との関係を示す断面図、(B) は封入後における免震部材
とダンパー部材との関係を示す断面図である。
【図5】比VL/VAと振動エネルギ−吸収性との関係
を示す略図である。
【図6】製造の工程順序を説明する略図である。
【図7】充填工程を説明する断面図である。
【図8】仮止め工程を説明する斜視図である。
【図9】(A) は仮止め作業の側面図、(B) はその平面図
である。
【図10】仮止めの他の例を説明する斜視図である。
【図11】仮止めのさらに他の例を説明する斜視図であ
る。
【図12】(A) 、(B) は、面取りの他の例を示す断面図
である。
【図13】(A)は免震部材の他の例における、封入前の
免震部材とダンパー部材との関係を示す断面図、(B) は
封入後の関係を示す断面図である。
【図14】充填工程における加圧ステップと応力緩和ス
テップとを説明する線図である。
【図15】従来の積層ゴム支承体を説明する断面図であ
る。
【符号の説明】
2A、2B 構造体 3A、3B 支持具 5 免震部材 6 ダンパー部材 7 基板 8 透孔 9 センターキャップ 10 変形部 11 耐変形部 12 積層基体 13 空洞部 14 中空部 32 押下げ杆 35 ボルト 37 ボルト孔 Y 充填状態

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの構造体の間に介在しその間を免震す
    る積層ゴム支承体の製造方法であって、 前記構造体に固定される支持具間に、ゴム材からなるシ
    ート状の変形部と硬質材からなるシート状の耐変形部と
    を交互に積層した免震用の積層基体に、その変形部、耐
    変形部を通りしかも前記支持具によって閉止される中空
    部を形成する空洞部を設けた免震部材、及び前記中空部
    に配される振動エネルギー吸収用のダンパー部材を具え
    るとともに、 前記支持具は、少なくともその一方が基板と、この基板
    に設けた透孔に遊嵌され押し下げられることにより前記
    ダンパー部材を前記中空部に充填するセンターキャップ
    とからなり、かつセンターキャップの押下げによるダン
    パー部材の充填状態において、センターキャップを仮止
    めし、ダンパー性能を確認するとともに、必要により前
    記ダンパー部材の充填量を調整することを特徴とする積
    層ゴム支承体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記センターキャップは、その上面が、こ
    のセンターキャップの押下げによるダンパー部材の充填
    状態において、前記基板の上面と面一として設定すると
    ともに、基板に固定される押下げ杆によりセンターキャ
    ップを仮止めすることを特徴とする請求項1記載の積層
    ゴム支承体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記センターキャップは、前記基板に螺合
    しこのセンターキャップを仮止めするボルトが通るボル
    ト孔を具えることを特徴とする請求項1記載の積層ゴム
    支承体の製造方法。
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