JPH11209542A - スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物

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JPH11209542A
JPH11209542A JP1112298A JP1112298A JPH11209542A JP H11209542 A JPH11209542 A JP H11209542A JP 1112298 A JP1112298 A JP 1112298A JP 1112298 A JP1112298 A JP 1112298A JP H11209542 A JPH11209542 A JP H11209542A
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Atsunori Koshirai
厚典 小白井
Akira Yanagase
昭 柳ヶ瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形体の表面性に優れた加工性の改良された
スチレン系樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 スチレン系樹脂(A)100重量部に対
して、粒子径10μm以下のポリテトラフルオロエチレ
ン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフルオロエ
チレン含有混合粉体(B)が、ポリテトラフルオロエチ
レン成分が0.0001〜20重量部になるように配合
されたスチレン系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工性の改良され
たスチレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ジエン系ゴム含有グラフト共重合体をス
チレン/アクリロニトリル共重合体などの硬質ビニル系
共重合体とブレンドしてなるいわゆるABS樹脂に代表
されるスチレン系樹脂は、一般に粘弾性体であり、その
加工性に関しては粘性および弾性の影響を受ける。これ
らは構成する成分によって多様であり、樹脂によっては
カレンダー成形性、ブロー成形性、押し出し成形性、熱
成形性などの加工性が不良であるという問題点がある。
【0003】特開平5−112695号公報には、ポリ
テトラフルオロエチレンを配合して加工性を改良したA
BS樹脂が開示されている。しかしながら、ポリテトラ
フルオロエチレンはハロゲン原子を含まない一般の熱可
塑性樹脂に対して分散性が不良であり、この方法では加
工性を改良するために多量のポリテトラフルオロエチレ
ンを必要とする上に、成形体の表面性を損なうという欠
点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成形
体の表面性に優れた加工性の改良されたスチレン系樹脂
組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、鋭意検討した結果、粒子径10μm以下のポリテト
ラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリ
テトラフルオロエチレン含有混合粉体をスチレン系樹脂
に添加することにより、カレンダー成形、ブロー成形等
における加工性が向上し、表面性の優れた成型品を得ら
れることを見出し本発明に到達した。
【0006】本発明の要旨は、スチレン系樹脂(A)1
00重量部に対して、粒子径10μm以下のポリテトラ
フルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテ
トラフルオロエチレン含有混合粉体(B)が、ポリテト
ラフルオロエチレン成分が0.0001〜20重量部に
なるように配合された加工性の改良されたスチレン系樹
脂組成物、および粒子径10μm以下のポリテトラフル
オロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラ
フルオロエチレン含有混合粉体(B)と一部のスチレン
系樹脂(A)からなるマスターペレットが、残りのスチ
レン系樹脂(A)にポリテトラフルオロエチレン成分が
スチレン系樹脂(A)の総量100重量部に対して0.
0001〜20重量部になるように配合されたスチレン
系樹脂組成物にある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いるスチレン系樹脂
(A)は、芳香族ビニル系単量体を重合して得られるホ
モポリマーでもコポリマーでもよく、芳香族ビニル単量
体と共重合可能なビニル系単量体を含む単量体混合物を
重合して得られるコポリマーでもよい。またこれらスチ
レン系樹脂に対してゴム補強したタイプでもよい。ま
た、複数のスチレン系樹脂をブレンドしたもの、スチレ
ン系樹脂に対して他の熱可塑性樹脂をブレンドしたもの
も用いられる。
【0008】ここで芳香族ビニル系単量体とは、重合可
能な二重結合を有する芳香族化合物であり、具体例とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、o−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、o−
エチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチ
レン、2,4−ジクロロスチレン、p−メトキシスチレ
ン、o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン
などが挙げられ、これらは1種または2種以上の混合物
で使用される。これら芳香族ビニル系単量体のうちで
も、スチレンおよびα−メチルスチレンが特に好ましく
用いられる。
【0009】芳香族ビニル系単量体と共重合可能なビニ
ル系単量体としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アク
リル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−
エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、
アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル
酸トリデシル、メタクリル酸トリデシル、アクリル酸オ
クタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸シ
クロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等の(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体;アクリロニトリル、
メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;無水
マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸;N−フェニ
ルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヒキ
シルマレイミド等のマレイミド系単量体;グリシジルメ
タクリレート等のグリシジル基含有単量体;ビニルメチ
ルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル
系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニ
ル系単量体が挙げられるが、好ましくはアルキル(メ
タ)アクリレート類、シアン化ビニル単量体、マレイミ
ド系単量体であり、さらに好ましくはアクリロニトリ
ル、N−フェニルマレイミド、ブチルアクリレートであ
る。これらのビニル系単量体は単独あるいは2種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0010】スチレン系樹脂(A)に対するゴム補強と
は特に制限はないが、ゴム質重合体存在下に、上記芳香
族ビニル系単量体および/または共重合可能なビニル系
単量体をグラフト共重合してなるゴム含有グラフト共重
合体を配合することを代表例として挙げることができ
る。
【0011】好ましいゴム質重合体としては、ガラス転
移温度が0℃以下のものであれば用いることができる。
具体的には、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共
重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム等
のジエン系ゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系
ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、エチレン−
プロピレンゴム、エチレン−プロピレンージエン三元共
重合ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム、
スチレン−イソプレンブロック共重合ゴム等のブロック
共重合体およびそれらの水素添加物、ポリオルガノシロ
キサンゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとアクリル系
ゴムとの複合ゴム等を使用することができる。
【0012】好ましいスチレン系樹脂(A)の具体例と
しては、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂(アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン樹脂)、AAS樹脂(アク
リロニトリル−ブチルアクリレート−スチレン樹脂)、
HIPS(ハイインパクトポリスチレン樹脂)等が挙げ
られる。
【0013】本発明に用いるポリテトラフルオロエチレ
ン含有混合粉体(B)は粒子径10μm以下のポリテト
ラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなリ、粉
体中でポリテトラフルオロエチレンが10μm以上の凝
集体となっていないことが必要である。このようなポリ
テトラフルオロエチレン含有混合粉体(B)としては、
粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチ
レン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを
混合して凝固またはスプレードライにより粉体化して得
られるもの、あるいは粒子径0.05〜1.0μmのポ
リテトラフルオロエチレン粒子水性分散液存在下で有機
系重合体を構成する単量体を重合した後、凝固またはス
プレードライにより粉体化して得られるもの、あるいは
粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチ
レン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを
混合した分散液中で、エチレン性不飽和結合を有する単
量体を乳化重合した後、凝固またはスプレードライによ
り粉体化して得られるものが好ましい。
【0014】本発明に用いるポリテトラフルオロエチレ
ン含有混合粉体(B)を得るために用いる、粒子径0.
05〜1.0μmポリテトラフルオロエチレン粒子水性
分散液は、含フッ素界面活性剤を用いる乳化重合でテト
ラフルオロエチレンモノマーを重合させることにより得
られる。
【0015】ポリテトラフルオロエチレン粒子の乳化重
合の際、ポリテトラフルオロエチレンの特性を損なわな
い範囲で、共重合成分としてヘキサフルオロプロピレ
ン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロアルキルエ
チレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等の含フ
ッ素オレフィンや、パーフルオロアルキル(メタ)アク
リレート等の含フッ素アルキル(メタ)アクリレートを
用いることができる。共重合成分の含量は、テトラフル
オロエチレンに対して10重量%以下であることが好ま
しい。
【0016】ポリテトラフルオロエチレン粒子分散液の
市販原料としては、旭ICIフロロポリマー社製のフル
オンAD−1,AD−936、ダイキン工業社製のポリ
フロンD−1,D−2、三井デュポンフロロケミカル社
製のテフロン30J等を代表例として挙げることができ
る。
【0017】本発明に用いるポリテトラフルオロエチレ
ン含有混合粉体(B)を構成する有機系重合体としては
特に制限されるものではないが、スチレン系樹脂(A)
に配合する際の分散性の観点からスチレン系樹脂(A)
との親和性が高いものであることが好ましい。
【0018】有機系重合体を生成するための単量体の具
体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、o−メチルスチレン、t−ブチルスチレ
ン、o−エチルスチレン、p−クロロスチレン、o−ク
ロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、p−メトキ
シスチレン、o−メトキシスチレン、2,4−ジメチル
スチレン等の芳香族ビニル系単量体;アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、
アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−
エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ド
デシル、アクリル酸トリデシル、メタクリル酸トリデシ
ル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシ
ル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘ
キシル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;アク
リロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニ
ル系単量体;無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボ
ン酸;N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミ
ド、N−シクロヒキシルマレイミド等のマレイミド系単
量体;グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有
単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル
等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル
等のカルボン酸ビニル系単量体;エチレン、プロピレ
ン、イソブチレン等のオレフィン系単量体;ブタジエ
ン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量
体等を挙げることができる。これらの単量体は、単独で
あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0019】これらの単量体の中でスチレン系樹脂
(A)との親和性の観点から好ましいものとして、芳香
族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量
体、シアン化ビニル系単量体を挙げることができる。特
に好ましいものとして、スチレン、ブチルアクリレー
ト、アクリロニトリルからなる群より選ばれる1種以上
の単量体を10重量%以上含有する単量体を挙げること
ができる。
【0020】本発明に用いるポリテトラフルオロエチレ
ン含有混合粉体(B)中に占めるポリテトラフルオロエ
チレンの含有割合は、0.1重量%〜90重量%である
ことが好ましい。
【0021】本発明に用いるのポリテトラフルオロエチ
レン含有混合粉体(B)は、その水性分散液を、塩化カ
ルシウム、硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水
中に投入し、塩析、凝固した後に乾燥するか、スプレー
ドライにより粉体化することができる。
【0022】通常のポリテトラフルオロエチレンファイ
ンパウダーは、粒子分散液の状態から粉体として回収す
る工程で100μm以上の凝集体となってしまうために
熱可塑性樹脂に均一に分散させることが困難であるのに
対して、本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン含
有混合粉体(B)は、ポリテトラフルオロエチレンが単
独で粒子径10μmを超えるドメインを形成していない
ためにスチレン系樹脂(A)に対する分散性がきわめて
優れている。この結果、本発明のスチレン系樹脂組成物
は、ポリテトラフルオロエチレンがスチレン系樹脂
(A)中で効率よく繊維化しており、種々の成形性が優
れる上に、表面性にも優れるものとなる。
【0023】本発明の樹脂組成物は、前記スチレン系樹
脂(A)100重量部に対して前記ポリテトラフルオロ
エチレン含有混合粉体(B)がポリテトラフルオロエチ
レン成分が0.0001〜20重量部になるように配合
されたものである。0.0001重量部未満では加工性
の改良効果が乏しく、また、20重量部を超えると溶融
粘度が低下する。
【0024】本発明の樹脂組成物には、本来の目的を損
なわない範囲で、顔料や染料、ガラス繊維、金属繊維、
金属フレーク、炭素繊維などの補強剤や充填剤、2,6
−ジ−ブチル−4−メチルフェノール、4,4´−ブチ
リデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)などのフェノール系酸化防止剤、トリス(ミックス
ド、モノおよびジニルフェニル)ホスファイト、ジフェ
ニル・イソデシルホスファイトなどのフォスファイト系
酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリ
スチルチオジプロピオネートジアステリアルチオジプロ
ピオネートなどの硫黄系酸化防止剤、2−ヒドロキシ−
4−オクトキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ビス(2,2,6,
6)−テトラメチル−4−ピペリジニル)などの光安定
剤、ヒドロキシルアルキルアミン、スルホン酸塩などの
帯電防止剤、エチレンビスステアリルアミド、金属石鹸
などの滑剤、およびテトラブロムフェノールA、デカブ
ロモフェノールオキサイド、TBAエポキシオリゴマ
ー、TBAポリカーボネートオリゴマー、三酸化アンチ
モンなどの難燃剤などの各種添加剤を適宜配合すること
により、さらに望ましい物性、特性に調節することがで
きる。
【0025】さらに、本発明のスチレン系樹脂組成物
は、上記スチレン系樹脂(A)以外に、必要に応じてポ
リフェニレンエーテル樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、
ポリメチルメチクリレート(PMMA)などのビニル系
重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリカプロアミド(ナ
イロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン
66)などポリアミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピ
レンなどポリオレフィン樹脂、およびエチレン/プロピ
レン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレ
ン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体、エチ
レン/プロピレン/5−エチリデン−2−ルボルネン共
重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン
共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/
アクリル酸ブチル共重合体などオレフィン系ゴムを適宜
配合することにより、さらに望ましい物性、特性に調節
することができる。
【0026】これら上記した必須成分および所望により
任意成分の各成分を所定量配合し、ロール、バンバリー
ミキサー、単軸押出機、2軸押出機等の通常の混練機で
混練して組成物を調製するが、通常はペレット状にする
のが好ましい。また、ポリテトラフルオロエチレン含有
混合粉体(B)を高濃度に含むマスターバッチをスチレ
ン系樹脂(A)で希釈して本発明の組成物としても良
い。
【0027】その際のポリテトラフルオロエチレン含有
混合粉体(B)のポリテトラフルオロエチレン成分量
は、スチレン系樹脂(A)の総量100重量部に対し
て、0.0001〜20重量部の範囲が好ましい。
【0028】このようにして得られる本発明のスチレン
系樹脂組成物は、溶融弾性が高いことから、カレンダー
成形性、ブロー成形、押し出し成形、熱成形における耐
ドローダウン性、発泡成形時のセルの均一性などが改良
された種々の成形加工性に優れたものとなる。また、ポ
リテトラフルオロエチレンのマクロな凝集物がなく成型
品の表面性も優れている。
【0029】本発明のスチレン系樹脂成物の加工法とし
ては特に制限はないが、カレンダー成形、ブロー成形、
押し出し成形、熱成形、発泡成形、射出成形、溶融紡糸
などを挙げることができる。
【0030】本発明のスチレン系樹脂組成物を用いて得
られる有用な成形体としては特に制限はないが、シー
ト、フィルム、中空成形体、パイプ、角棒、異形品、熱
成形体、発泡体、射出成型品、繊維などを挙げることが
できる。
【0031】以下、実施例により本発明を説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】
【実施例】各記載中「部」は重量部を、「%」は重量%
を示し、諸物性の測定は下記の方法による。
【0033】(1)固形分濃度:粒子分散液を170℃
で30分乾燥して求めた。
【0034】(2)粒子径分布、重量平均粒子径:粒子
分散液を水で希釈したものを試料液として、動的光散乱
法(大塚電子(株)製ELS800、温度25℃、散乱
角90度)により測定した。
【0035】(3)ゼータ電位:粒子分散液を0.01
mol/lのNaCl水溶液で希釈したものを試料液と
して、電気泳動法(大塚電子(株)製ELS800、温
度25℃、散乱角10度)により測定した。
【0036】(4)カレンダー成形性:バンク回りの状
態、ロールからの剥離性、シートの表面性を評価した。 ・バンク回り 20.32cmロールを用い、樹脂組成物300gを、
ロール混練温度200℃、ロール回転速度14×16r
pm、ロール間0.8mmにてロールを回転させ、ロー
ル上のバンクの状態を下記の基準で評価した。バンク回
りが良いと外観の良いシートが得られやすいことを示
す。 ○: バンクが棒状で滑らかに回転しバンク回りが良
い。 ×: バンクの波打ち、空気の巻き込み等によりバンク
回りが悪い。 ・ロールからの剥離性 20.32cmロールを用い、樹脂組成物300gを、
ロール混練温度200℃、ロール回転速度14×17r
pm、ロール間隔0.3mmにて混練し、5分後にロー
ル表面からの剥離性を下記の基準により評価した。 ○: ほとんど剥離低効無し。 △: 軽い剥離抵抗。 ×: 抵抗が大きく剥離困難。 ・シート外観 ロールからの剥離性の評価と同じ操作を行い、ロールか
ら剥離したシートを2枚の鉄板で挟み荷重下冷却するこ
とによりシート状成形品を得た。このシート状成形品の
表面外観を下記の基準で評価した。 ○: 平滑で外観が良好。 △: 少し表面の肌荒れあるいは流れ模様が見られる。 ×: 表面の肌荒れあるいは流れ模様がひどく外観が悪
い。
【0037】(5)ブロー成形性:ブロー成形時の耐ド
ローダウン性、偏肉性を評価した。 ・耐ドローダウン性 成形温度240℃で30cmのパリソンを30秒間保持
した場合のパリソン長から、下記の基準により判定し
た。 ○: ドローダウン量5cm以下。 △: ドローダウン量5〜10cm。 ×: ドローダウン量10cm以上。 ・偏肉性:1000mlの角ビンをブロー成形し、肉厚
分布を目視にて観察し、下記の基準にて判定した。 ○: 偏肉の少ないもの。 ×: 偏肉の大きいもの。
【0038】参考例1<ポリテトラフルオロエチレン含
有粉体(B−1)の製造> 攪拌翼、コンデンサー、熱電対、窒素導入口を備えたセ
パラブルフラスコに蒸留水190部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム1.5部、スチレン100部、ク
メンヒドロパーオキシド0.5部を仕込み、窒素気流下
に40℃に昇温した。次いで、硫酸鉄(II)0.001
部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.003
部、ロンガリット塩0.24部、蒸留水10部の混合液
を加えラジカル重合を開始させた。発熱が終了した後、
系内の温度を40℃で1時間保持して重合を完了させ、
スチレン重合体粒子分散液(以下P−1と称する)を得
た。
【0039】P−1の固形分濃度は33.3%で、粒子
径分布は単一のピークを示し、重量平均粒子径は96n
m、表面電位は−32mVであった。
【0040】一方、ポリテトラフルオロエチレン系粒子
分散液として旭ICIフロロポリマーズ社製フルオンA
D936を用いた。AD936の固形分濃度は63.0
%であり、ポリテトラフルオロエチレン100部に対し
て5部のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
を含むものである。AD936の粒子径分布は単一のピ
ークを示し、重量平均粒子径は290nm、表面電位は
−20mVであった。833部のAD936に蒸留水1
167部を添加し、固形分濃度26.2%のポリテトラ
フルオロエチレン粒子分散液F−1を得た。F−1は2
5%のポリテトラフルオロエチレン粒子と1.2%のポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテルを含むもので
ある。
【0041】160部のF−1(ポリテトラフルオロエ
チレン40部)と181.8部のP−1(ポリスチレン
60部)とを攪拌翼、コンデンサー、熱電対、窒素導入
口を備えたセパラブルフラスコに仕込み、窒素気流下に
室温で1時間攪拌した。その後系内を80℃に昇温し、
1時間保持した。一連の操作を通じて固形物の分離は見
られず、均一な粒子分散液を得た。粒子分散液の固形分
濃度は29.3%、粒子径分布は比較的ブロードで重量
平均粒子径は168nmであった。
【0042】この粒子分散液341.8部を塩化カルシ
ウム5部を含む85℃の熱水700部に投入し、固形物
を分離させ、濾過、乾燥してポリテトラフルオロエチレ
ン含有混合粉体(B−1)98部を得た。
【0043】B−1を250℃でプレス成形機により短
冊状に賦形した後、ミクロトームで超薄切片としたもの
を無染色のまま透過型電子顕微鏡で観察した。ポリテト
ラフルオロエチレンは暗部として観察されるが、10μ
mを超える凝集体は観察されなかった。
【0044】参考例2<ポリテトラフルオロエチレン含
有混合粉体(B−2)の製造> 攪拌翼、コンデンサー、熱電対、窒素導入口、滴下ロー
トを備えたセパラブルフラスコに参考例1で使用したF
−1を160部(ポリテトラフルオロエチレン40
部)、ドデシルベンゼンスルホン酸1.0部、蒸留水7
0部を仕込み、窒素気流下に80℃に昇温した。次い
で、硫酸鉄(II)0.001部、エチレンジアミン四酢
酸二ナトリウム0.003部、ロンガリット塩0.24
部、蒸留水10部の混合液を加えた後、n−ブチルアク
リレート20部、スチレン40部、ターシャリーブチル
ペルオキシド0.3部の混合液を滴下ロートより90分
間で滴下し、ラジカル重合を進行させ、滴下終了後、内
温を80℃で1時間保持した。一連の操作を通じて固形
物の分離は見られず、均一な粒子分散液を得た。粒子分
散液の固形分濃度は33.2%、粒子径分布は比較的ブ
ロードで重量平均粒子径は248nmであった。
【0045】この粒子分散液301.5部を塩化カルシ
ウム5部を含む85℃の熱水700重量部に投入し、固
形物を分離させ、濾過、乾燥してポリテトラフルオロエ
チレン含有混合粉体(B−2)98部を得た。
【0046】B−2を250℃でプレス成形機により短
冊状に賦形した後、ミクロトームで超薄切片としたもの
を無染色のまま透過型電子顕微鏡で観察した。ポリテト
ラフルオロエチレンは暗部として観察されるが、10μ
mを超える凝集体は観察されなかった。
【0047】参考例3<ポリテトラフルオロエチレン含
有混合粉体(B−3)の製造> ドデシルメタクリレート75部とメチルメタクリレート
25部の混合液にアゾビスジメチルバレロニトリル0.
1部を溶解させた。これにドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム2.0部と蒸留水300部の混合液を添加
し、ホモミキサーにて10000rpmで4分間攪拌し
た後、ホモジナイザーに30MPaの圧力で2回通し、
安定なドデシルメタクリレート/メチルメタクリレート
予備分散液を得た。これを、攪拌翼、コンデンサー、熱
電対、窒素導入口を備えたセパラブルフラスコに仕込
み、窒素気流下で内温を80℃に昇温して3時間攪拌し
てラジカル重合させ、ドデシルメタクリレート/メチル
メタクリレート共重合体粒子分散液(以下P−2と称す
る)を得た。
【0048】P−2の固形分濃度は25.1%で、粒子
径分布は単一のピークを示し、重量平均粒子径は198
nm、表面電位は−39mVであった。
【0049】参考例1で用いたF−1を160部(ポリ
テトラフルオロエチレン40部)と159.4部のP−
2(ドデシルメタクリレート/メチルメタクリレート共
重合体40部)とを攪拌翼、コンデンサー、熱電対、窒
素導入口、滴下ロートを備えたセパラブルフラスコに仕
込み窒素気流下に室温で1時間攪拌した。その後系内を
80℃に昇温し、硫酸鉄(II)0.001部、エチレン
ジアミン四酢酸二ナトリウム0.003部、ロンガリッ
ト塩0.24部、蒸留水10部の混合液を加えた後、メ
チルメタクリレート20部とターシャリーブチルペルオ
キシド0.1部の混合液を30分かけて滴下し、滴下終
了後内温を80℃で1時間保持してラジカル重合を完了
させた。一連の操作を通じて固形物の分離は見られず、
均一な粒子分散液を得た。粒子分散液の固形分濃度は2
8.5%で、粒子径分布は比較的ブロードで重量平均粒
子径は248nmであった。
【0050】この粒子分散液349.7部を塩化カルシ
ウム5部を含む75℃の熱水600部に投入し、固形物
を分離させ、濾過、乾燥してポリテトラフルオロエチレ
ン含有混合粉体(B−3)97部を得た。
【0051】乾燥したB−3を220℃でプレス成形機
により短冊状に賦形した後、ミクロトームで超薄切片と
したものを無染色のまま透過型電子顕微鏡で観察した。
ポリテトラフルオロエチレンは暗部として観察される
が、10μmを超える凝集体は観察されなかった。
【0052】参考例4<ポリテトラフルオロエチレン含
有混合粉体のマスターペレット(M−1)の製造> ポリスチレンペレット(住友化学工業社製スミブライト
M140)75部に対して参考例1で得たテトラフルオ
ロエチレン含有混合粉体B−1を25部配合してハンド
ブレンドした後、二軸押出機(WERNER&PFLE
IDERER社製ZSK30)を用いて、バレル温度2
00℃、スクリュー回転速度200rpmにて溶融混練
しペレット状に賦形し、ポリテトラフルオロエチレン含
有混合粉体のマスターペレット(以下M−1と称する)
を得た。
【0053】(スチレン系樹脂A−1)ABS樹脂(ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂:ブタジエ
ン成分が10重量%、スチレン成分が66重量%、アク
リロニトリル成分が24重量%) (スチレン系樹脂A−2)HIPS樹脂(ハイインパク
トポリスチレン樹脂:ブタジエンゴム成分が10重量
%、スチレン成分が90重量%) (スチレン系樹脂A−3)AAS樹脂(アクリロニトリ
ル−ブチルアクリレート−スチレン樹脂:ブチルアクリ
レートゴム成分が20重量%、アクリロニトリル成分が
24重量%、スチレン成分が56重量%) 実施例1〜6、比較例1〜3 スチレン系樹脂(A−1〜3)100重量部に対して、
各参考例で得たポリテトラフルオロエチレン含有混合粉
体(B−1〜3)またはマスターペレット(M−1)を
表1に示す割合で配合し、押出機により230℃で押し
出し、ペレットを調整した。このペレットを用いてカレ
ンダー成形性、ブロー成形性を評価した。結果を表1に
示す。
【0054】実施例1〜6において、ポリテトラフルオ
ロエチレン含有混合粉体のポリテトラフルオロエチレン
成分量は、スチレン系樹脂100部に対して、0.1部
である。
【0055】比較のためにポリテトラフルオロエチレン
含有混合粉体を添加せずに押し出したもの(比較例
1)、ポリテトラフルオロエチレンファインパウダー
(旭ICI社製CD123)を添加したもの(比較例
2,3)を同様に評価した。結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明のスチレン系樹脂組成物は、カレ
ンダー成形、ブロー成形等における加工性にすぐれ、得
られる成形品の表面性にも優れる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系樹脂(A)100重量部に対
    して、粒子径10μm以下のポリテトラフルオロエチレ
    ン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフルオロエ
    チレン含有混合粉体(B)が、ポリテトラフルオロエチ
    レン成分が0.0001〜20重量部になるように配合
    されたスチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 粒子径10μm以下のポリテトラフルオ
    ロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフ
    ルオロエチレン含有混合粉体(B)と一部のスチレン系
    樹脂(A)からなるマスターペレットが、残りのスチレ
    ン系樹脂(A)にポリテトラフルオロエチレン成分がス
    チレン系樹脂(A)の総量100重量部に対して0.0
    001〜20重量部になるように配合されたスチレン系
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉
    体(B)が、粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラ
    フルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水
    性分散液とを混合して凝固またはスプレードライにより
    粉体化して得られるものである請求項1又は2記載のス
    チレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉
    体(B)が、粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラ
    フルオロエチレン粒子水性分散液存在下で有機系重合体
    を構成する単量体を重合した後、凝固またはスプレード
    ライにより粉体化して得られるものである請求項1又は
    2記載のスチレン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉
    体(B)が、粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラ
    フルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水
    性分散液とを混合した分散液中で、エチレン性不飽和結
    合を有する単量体を乳化重合した後、凝固またはスプレ
    ードライにより粉体化して得られるものである請求項1
    又は2記載のスチレン系樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002145968A (ja) * 2000-11-13 2002-05-22 Idemitsu Petrochem Co Ltd ブロー成形用ゴム変性スチレン系樹脂とその製造法およびブロー成形品

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