JPH1135768A - エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物組成物及び その成形物 - Google Patents

エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物組成物及び その成形物

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JPH1135768A
JPH1135768A JP9213974A JP21397497A JPH1135768A JP H1135768 A JPH1135768 A JP H1135768A JP 9213974 A JP9213974 A JP 9213974A JP 21397497 A JP21397497 A JP 21397497A JP H1135768 A JPH1135768 A JP H1135768A
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evoh
film
stretching
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acid
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JP9213974A
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Kenji Nimiya
賢二 仁宮
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロングラン性、透明性、ガスバリヤー性、フ
ィルム外観等に優れるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物組成物及びその成形物を提供すること。 【解決手段】 エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化
物(以下EVOHと略す)(A)、特定の酸(B)及び特定の多
塩基酸の第1カルシウム塩又はマグネシウム塩(C)、水
(D)からなり、(B)の酸、(C)の塩の少なくとも一方はリ
ン酸基を含有するものであると共に、該EVOH(A)に
おいて(1)アルカリ金属の含有量が0.001〜0.05重量
%、(2)リン酸基に対するアルカリ金属のモル比が1〜3
0、(3)リン酸基に対するカルシウム又はマグネシウムの
モル比が0.1〜5、(4)該EVOH(A)100重量部に対して
水(D)が10〜140重量部となるように含有させてなるEV
OH組成物及び該EVOH組成物を溶融押出してなる成
形物。更に溶融押出して得られた成形物を含水率5〜50
重量%で延伸してなる成形物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン−酢酸ビ
ニル系共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)
を主剤とするEVOH組成物及び該組成物からの成形
物、特にフィルム等の成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、EVOHフィルムは、そのガ
スバリヤー性を生かして、各種包装用途に多用されてい
る。かかるEVOHフィルムの製造法としては、EVO
H(ペレット)を溶融押出機等によりフィルム状に成形
し、更に1軸或いは2軸に延伸するのが一般的である
が、該製造法によっては、得られたEVOHフィルムに
ダイラインやフィッシュアイ等が生じたり、或いは透明
性に劣ったりすることも多く、又、製造中にゲルや目ヤ
ニ等が発生しロングラン成形が困難となり、実用に供す
るのが難しくなる。 かかる対策として、本出願人は、
EVOHに水を含有せしめてなる樹脂組成物を用いるこ
とを提案した(特願平8−313050号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者が詳細に検討した結果、上記技術ではフィッシュアイ
の低減は認められるものの、長時間の連続運転における
EVOH成形物の外観外観及び品質の安定性については
改善の余地が残るものであり、技術の高度化と多様化に
伴い、更にロングラン性に優れ、スジやフィッシュアイ
のない、透明性に優れた外観の良好なEVOH成形物
(フィルム、シート、等)が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者はかか
る事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、EVOH
(A)、25℃におけるpKaが5.0以下の酸基を有
する酸(B)及び25℃におけるpKaが3.4以下の
酸基を有する多塩基酸の第1カルシウム塩又はマグネシ
ウム塩(C)、水(D)からなり、前記(B)の酸、
(C)の塩の少なくとも一方はリン酸基を含有するもの
であると共に、該EVOH(A)において(1)アルカ
リ金属の含有量が0.001〜0.05重量%、(2)
リン酸基に対するアルカリ金属のモル比が1〜30、
(3)リン酸基に対するカルシウム又はマグネシウムの
モル比が0.1〜5、(4)該EVOH(A)100重
量部に対して水(D)が10〜140重量部となるよう
に含有させてなるEVOH組成物が、上記の課題を解決
するものであることを見出し本発明を完成するに至っ
た。本発明において上記EVOH組成物を溶融押出して
成形物、特にフィルム、シートとすることが好ましい。
【0005】又、本発明では、上記EVOH組成物を溶
融押出して得られた成形物、特にフィルム、シートを含
水率5〜50重量%で延伸することも好ましく、フィル
ム外観の優れた成形物が得られるのである。即ち、本発
明は、長時間の連続運転においても膜厚が均一でスジや
フィッシュアイのない外観の良好なEVOH組成物の成
形物(フィルム、シート等)を得ることができるのであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明のEVOH(A)としては、エチレン含
量5〜60モル%、好ましくは10〜60モル%、更に
好ましくは20〜55モル%、酢酸ビニル成分のケン化
度が90モル%以上、好ましくは95モル%以上のもの
が好適に用いられ、エチレン含量が5モル%未満では耐
水性が不十分となり、一方60モル%を越えるとガスバ
リヤー性が低下して好ましくない。又、ケン化度が90
モル%未満では耐水性が不十分となって好ましくない。
【0007】又、該EVOH(A)は更に少量のプロピ
レン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−
オクタデセン等のα−オレフィン、不飽和カルボン酸又
はその塩・部分アルキルエステル・完全アルキルエステ
ル・ニトリル・アミド・無水物、不飽和スルホン酸又は
その塩、ビニルシラン化合物、塩化ビニル、スチレン等
のコモノマーを含んでいても差し支えない。又、本発明
の範囲で、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化
等「後変性」にされても差し支えない。
【0008】本発明において用いる酸(B)は25℃に
おけるpKaが5.0以下の酸基を有する酸及び、塩
(C)は25℃におけるpKaが3.4以下の酸基を有
する多塩基酸の第1カルシウム塩又はマグネシウム塩で
あり、(B)、(C)の少なくとも一つはリン酸基をも
つことが必要である。(B)、(C)それぞれを単独使
用しても、ロングラン性の向上及びフィッシュアイの減
少という両者の効果を同時に得ることはできない。
【0009】(B)、(C)におけるpKaとは、酸の
解離定数をKaとするとき、pKa=−logKaで定
義したものである。かかる酸が多塩基酸の時はpKaが
5.0以下の酸基を含むものであれば、いずれも使用可
能である。(B)に属する酸としては、酢酸、リン酸、
第1リン酸ナトリウムが好適に使用される。pKaが
5.0を越える酸基を含む酸を用いたのではロングラン
成形時の熱着色抑制効果が劣ることとなる。(B)に含
まれる酸はいずれか1種又は2種以上用いられるが、特
に好ましいのは酢酸/オルトリン酸あるいは酢酸/第1
リン酸ナトリウムによる処理である。
【0010】又、(C)に属する塩としては、第1リン
酸カルシウム、第1リン酸マグネシウム、第1クエン酸
カルシウム、第1酒石酸カルシウム、第1マロン酸カル
シウム、第1マレイン酸カルシウムが例示され、第1リ
ン酸カルシウム及び第1リン酸マグネシウムが有利に用
いられる。pKaが3.4未満の酸基を有しない多塩基
酸の第1塩を用いてもロングラン成形時の熱着色抑制効
果が劣ることとなり、工業的な実施には不適である。
【0011】本発明においては、上記のEVOH
(A)、酸(B)、塩(C)、及び水(D)からEVO
H組成物を製造するが、最終的に(1)アルカリ金属の
含有量が0.001〜0.05重量%、好ましくは0.
002〜0.03重量%、(2)リン酸基に対するアル
カリ金属のモル比が1〜30、好ましくは2〜20、
(3)リン酸基に対するカルシウム又はマグネシウムの
モル比が0.1〜5、好ましくは0.2〜4、(4)該
EVOH(A)100重量部に対して水(D)が10〜
140重量部、好ましくは15〜120重量部、更に好
ましくは20〜100重量部となるように含有させなけ
ればならない。
【0012】アルカリ金属の含有量が0.001重量%
未満では、本発明の効果を得ることができず、0.05
重量%を越えると着色性が増大してしまい品質が低下す
る。リン酸基に対するアルカリ金属のモル比が1未満で
は本発明の効果を得ることができず、一方30を越える
と熱安定性が低下する点で不利となる。更に、リン酸基
に対するカルシウム又はマグネシウムのモル比が0.1
未満では本発明の効果を得ることができず、逆に5を越
えると微小なフィッシュアイの増加が顕著になり、実用
性がなくなる。
【0013】水の含有量はEVOH(A)100重量部
に対して10〜140重量部、好ましくは15〜120
重量部、更に好ましくは20〜100重量部である。水
の含有量が10重量部未満ではロングラン(成形)性が
低下するばかりでなく均一な延伸が困難となり、本発明
の効果を得ることができず、逆に140重量部を越える
と押出機中で樹脂と水分の一部分離が起こり押出が不安
定になる。
【0014】かかるEVOH組成物の製造方法について
は特に制限はなく、要はEVOH(A)、酸(B)、塩
(C)及び水(D)を上記範囲に含有されるようにすれ
ばよく、例えば、EVOH(A)の粉末、ペレット、
粒状物に酸(B)や塩(C)を粉末状、溶液状、分散液
状の任意の形態にして混合し、水(D)を混合する方
法、EVOH(A)製造時の任意の段階、即ち重合
時、ケン化時、後処理時、乾燥時の任意の段階で酸
(B)や塩(C)を所定量含有させ、EVOHの製造後
に水(D)を混合する方法、EVOH(A)と水
(D)を混合撹拌してあるいは蒸気を吹き込んで吸水さ
せた後酸(B)や塩(C)を混合する方法、EVOH
(A)の水/メタノール混合液を凝固液槽中に押出して
多孔性の含水EVOH成形物を得た後、水中で酸(B)
や塩(C)を含浸させて、上記範囲の含水量まで乾燥す
る方法、等の方法が挙げられる。但し、これらに限定さ
れることはなく、本発明では各成分の含有量が上記範囲
のものとなりうるのであれば任意の方法が採用され得
る。
【0015】又、EVOH(A)の製造時に若干のメタ
ノール、イソプロピルアルコール等のアルコールと共に
含水させておいたり、乾燥条件等をコントロールしたり
して調整することも可能である。この際、少量のエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなど
の可塑剤を含んでいても差し支えない。エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、グリセリン等の可塑剤の
含有量は0.2〜10重量%程度が適当である。
【0016】又、酸化防止剤、滑剤、ハイドロタルサイ
ト類、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、無機・有機
充填材、抗菌剤等を本発明の効果を阻害しない範囲で添
加することができる。
【0017】かくして本発明のEVOH組成物が得られ
る。該EVOH組成物は次いで溶融押出機に供されて成
形物に溶融成形される。フィルムの場合、かかる成形時
の条件としては、特に限定されないが、通常はノンベン
ト、スクリュータイプ押出機を用い溶融温度40〜15
0℃で押出製膜される。製膜されたフィルム中に均一な
分布で水を残留させる為に、圧縮比2.0〜4.0のス
クリューを用いることが好ましい。
【0018】上記の方法で得られたフィルム状のEVO
H組成物の成形物は、必要に応じて次いで延伸に供され
るのであるが、かかる延伸時(延伸直前)のEVOH組
成物の成形物の含水率を5〜50重量%、好ましくは7
〜45重量%、更に好ましくは10〜40重量%に調整
することも重要で、かかる含水率が5重量%未満では延
伸斑を生じやすく、破断の原因ともなり、逆に50重量
%を越えると充分な延伸配向によるガスバリヤー性と強
度の改善効果が得られず、好ましくない。かかる含水率
の調整方法としては、特に限定されず、製膜直後に調湿
操作を加えることもできる。
【0019】延伸については、1軸延伸法、2軸延伸法
(同時、逐次)等があり、特に限定されないが、本発明
は、特に逐次2軸延伸法における第1次(MD方向)延
伸に効果的であり、かかる延伸方法について詳細に説明
する。
【0020】上記の含水率が調整されたフィルム状のE
VOH組成物の成形物は、第1次(MD方向)延伸工程
に供される。かかる第1次(MD方向)延伸は、公知の
方法を利用することができ、上記の成形物を40〜10
0℃の条件下で縦方向に1.5〜8倍に延伸するのであ
る。かかる第1次(MD方向)延伸の処理後の含水率は
0.5〜45重量%、好ましくは1〜40重量%にする
ことが望ましく、0.5重量%未満では第2次(TD方
向)延伸での延伸斑が生じ、同時の延伸倍率まで延伸す
ることが困難となり、逆に45重量%を越えると第1次
の延伸配向効果が期待できず、ガスバリヤー性、強度の
改善効果が少なくなって好ましくない。かかる含水率の
調整方法としては予熱ロールの温度と時間、第1次(M
D方向)延伸の温度と延伸速度等により行うことができ
る。
【0021】上記の第1次(MD方向)延伸されたEV
OH組成物フィルムは、続いて第2次(TD方向)延伸
工程で横方向の延伸に供されるのであるが、かかる工程
においては、公知の方法を利用することができ、上記の
EVOH組成物フィルムを60〜140℃の条件下で横
方向に1.5〜8倍に延伸するのである。通常は、フィ
ルム両耳部をクリップではさむテンター方式で行われ
る。本条件以外ではクリップ部、クリップ−クリップ間
及びフイルム巾方向の中間部でのいずれかの破断が生
じ、目標の延伸フィルムを得ることは極めて困難であ
る。又、通常は更に熱固定を行う。熱固定とは緊張下に
温度120〜200℃で数秒ないし数分間フィルムを加
熱することで、更に熱固定後のフィルムに柔軟性と寸法
安定性を付与するために、含水率が0.3〜3重量%、
好ましくは0.5〜2重量%程度になるまでフィルムを
調湿してもよい。
【0022】かくして上記の如くEVOH(A)、酸
(B)、塩(C)、水(D)からなり各成分の含有量を
特定の範囲にコントロールして調製されたEVOH組成
物を用いることにより、ロングラン性に優れ、溶融押出
により、スジやフィッシュアイのない、透明性に優れた
外観の良好な成形物を得ることができるのである。本発
明で得られたEVOH組成物の成形物(フィルム、シー
ト等)は、単層のみならず、かかるフィルムを少なくと
も一層とする積層体として実用に供せられることが多
い。該積層体の製造に当たっては、本発明の製造法によ
り得られたフィルム、シート等の成形物の層の片面又は
両面に他の基材をラミネートするのであるが、ラミネー
ト方法としては、例えば、該成形物と他の基材のフィル
ム、シートとを有機チタン化合物、イソシアネート化合
物、ポリエチレンイミン系化合物、ポリエステル系化合
物、ポリウレタン系化合物等の公知の接着剤を用いてラ
ミネートする方法等が挙げられる。
【0023】かかる他の基材フィルムとしては、直鎖状
低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロ
ピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20
のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテ
ン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれらの
オレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又は
そのエステルでグラフト変性したもの等の広義のポリオ
レフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル、
ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹
脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラスト
マー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、E
VOH等が挙げられ、更には、紙、金属箔、1軸又は2
軸延伸プラスチックフイルム又はシート、織布、不織
布、金属綿条、木質面なども使用可能である。
【0024】積層体の層構成としては、EVOH組成物
フィルムの層をI(I1,I2,・・・)、他の基材、例え
ば熱可塑性樹脂層をII(II1,II2,・・・)とすると
き、フィルム、シート状であれば、I/IIの二層構造の
みならず、II/I/II、I/II/I、I1/I2/II、I/II1
/II2、II2/II1/I/II1/II2など任意の組合せが可能
である。
【0025】かくして、本発明のEVOH組成物の成形
物(フィルム、シート等)やその積層体は、その特性、
即ち外観特性、ガスバリヤー性等に優れるため、食品や
医薬品、農薬品、工業薬品包装用のフィルム、シート、
チューブ、袋、容器等の用途に非常に有用である。
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、例中、「部」、「%」とあるのは、特に断り
のない限り重量基準を意味する。尚、以下の実施例及び
比較例において、リン酸基の定量は次の方法で行った。
即ち、温希硫酸を用いて試料より酸及び塩類を抽出し、
該抽出液について、リン酸基PO4はJIS−K−01
02に準じて吸光光度法(モリブデン青による)で定量
した。又、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムは試
料をルツボに入れ、硫酸を加えて灰化し、灰分を希塩酸
に溶解し、原子吸光法で測定した。
【0027】実施例1 エチレン含量30モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合
体の40%メタノール溶液100部に水酸化ナトリウム
の10%メタノール溶液10部を加え、温度40℃にて
3時間混練した。この際、反応の途中でペーストは白濁
し、系はスラリー状となった。この一次ケン化反応終了
後、酢酸を加え中和を行い、酢酸メチル60部を加えて
析出を完了させてからろ別して乾燥し、10メッシュよ
り大きい粒子(全粒子の6%)をふるい分けにより除去
した。
【0028】かくして得られた部分ケン化物100部を
水酸化ナトリウム1%水溶液500部中に投入し、温度
65℃にてスラリー状で3時間撹拌して二次ケン化を行
い、次いで酢酸で中和した後粒子をろ別し、更に100
0部の水を加えて30℃で1時間撹拌してからろ別する
操作を3度繰り返した。該粒子中の酢酸ナトリウムの含
有量は0.22%であった。得られたEVOH(A)の
ケン化度99.0%であった。次に乾燥該粒子(EVO
H(A))100部を500部の水と混合して再度スラ
リー化し、5%酢酸水溶液10部、1%第1リン酸カル
シウム水溶液18部を加えて30℃、4時間撹拌後、ろ
別し、EVOH(A)100部に対して水70部となる
ように乾燥してEVOH組成物を得た。該EVOH組成
物中のナトリウム含有量は0.011%、リン酸基に対
するナトリウムのモル比は2.5、リン酸基に対するカ
ルシウムのモル比は0.5であった。
【0029】そして、該EVOH組成物をTダイを備え
た単軸押出機に供給し、厚さ120μmのEVOH組成
物フィルムの成形を行った。単軸押出機による製膜条件
は下記の通りとした。 スクリュー内径 40mm L/D 28 スクリュー圧縮比 3.2 Tダイ コートハンガータイプ ダイ巾 450mm 押出温度 C1:110℃、 H:110℃ C2:120℃、 D:110℃ C3:100℃、 C4:100℃
【0030】長時間(4日間及び10日間)連続運転時
のEVOH組成物フィルムの外観について下記の項目を
評価した。 (フィルム外観) スジ スジの有無を下記の基準で評価した。 ○・・・スジは認められなかった。 △・・・スジが僅かに認められるが、実用上問題なし。 ×・・・スジが多発し、実用上使用困難であった。
【0031】フィッシュアイ フィッシュアイの有無を下記の基準で評価した。 ○・・・0〜3個/100cm2(フィルムサイズ;1
0cm×10cm) △・・・4〜20個/100cm2 ×・・・21個以上/100cm2
【0032】着色 着色の有無を下記の基準で評価した。 ○・・・着色は認められなかった。 △・・・黄着色が僅かに認められた。 ×・・・黄着色が大で実用上使用困難であった。
【0033】次いで、上記の成形で得られたEVOH組
成物フィルム(含水率35%)を原反として、連続的に
下記の条件で逐次2軸延伸、熱固定及び調湿を行って、
EVOH組成物延伸フィルムを得た。
【0034】[第1次延伸(縦延伸)条件] 延伸機 ロール式1次延伸機 延伸ロール温度 70℃ 縦方向延伸倍率 2.0倍 延伸後の膜厚 60μm 延伸後の含水率 30% [第2次延伸(横延伸)条件] 延伸機 テンター式2軸延伸機 延伸温度 110℃ 横方向延伸倍率 3.0倍 延伸後の膜厚 20μm 延伸後の含水率 2%
【0035】[熱固定条件] 温度 160℃ 時間 3秒 [調湿条件] 20℃、65%RH下に7日放置 調湿後の含水率 2.7% 得られたEVOH組成物(2軸)延伸フィルムについ
て、上記と同様の評価を行った。
【0036】実施例2 実施例1において、エチレン含有量が35モル%、ケン
化度が99.8モル%のEVOH(A)を用い、酢酸、
リン酸及び第1リン酸カルシウム水溶液で処理し、EV
OH(A)100部に対して水を34部含有せしめ、E
VOH(A)に対してナトリウム含有量を0.014
%、リン酸基に対するナトリウムのモル比を7.5、リ
ン酸基に対するカルシウムのモル比を1.1とした以外
は同様に行いEVOH組成物を得、該EVOH組成物よ
りEVOH組成物フィルム及びEVOH組成物延伸フィ
ルムを得て、同様に評価を行った。この時のEVOH組
成物フィルムの含水率は22%、第1次延伸後の水分率
は20%、第2次延伸後の水分率は0.6%、調湿後の
含水率は2.5%であった。
【0037】実施例3 実施例1において、エチレン含有量が35モル%、ケン
化度が99.8モル%のEVOH(A)を用い、酢酸、
リン酸及び第1リン酸マグネシウム水溶液で処理し、E
VOH(A)100部に対して水を55部含有せしめ、
EVOH(A)に対してナトリウム含有量を0.009
%、リン酸基に対するナトリウムのモル比を4.5、リ
ン酸基に対するマグネシウムのモル比を0.7とした以
外は同様に行いEVOH組成物を得、該EVOH組成物
よりEVOH組成物フィルム及びEVOH組成物延伸フ
ィルムを得て、同様に評価を行った。この時のEVOH
組成物フィルムの含水率は33%、第1次延伸後の水分
率は28%、第2次延伸後の水分率は1.5%、調湿後
の含水率は2.5%であった。
【0038】実施例4 実施例1において、エチレン含有量が28モル%、ケン
化度が98.6モル%のEVOH(A)を用い、酢酸、
リン酸及び第1リン酸マグネシウム水溶液で処理し、E
VOH(A)100部に対して水を55部含有せしめ、
EVOH(A)に対してナトリウム含有量を0.025
%、リン酸基に対するナトリウムのモル比を10.5、
リン酸基に対するマグネシウムのモル比を0.9とした
以外は同様に行いEVOH組成物を得、該EVOH組成
物よりEVOH組成物フィルム及びEVOH組成物延伸
フィルムを得て、同様に評価を行った。この時のEVO
H組成物フィルムの含水率は33%、第1次延伸後の水
分率は28%、第2次延伸後の水分率は1.5%、調湿
後の含水率は2.8%であった。
【0039】比較例1 実施例1において、EVOH(A)を酸及び塩で処理す
ることなく、EVOH(A)100部に対して70部と
なるように含有せしめた以外は同様に行い、EVOH組
成物フィルム及びEVOH組成物延伸フィルムを得て、
同様に評価を行った。この時のEVOH組成物フィルム
の含水率は35%、第1次延伸後の水分率は30%、第
2次延伸後の水分率は2%、調湿後の含水率は2.7%
であった。
【0040】比較例2 実施例1において、酢酸及び第1リン酸カルシウム水溶
液で処理し、ナトリウム含有量を0.0008%、リン
酸基に対するナトリウムのモル比を2.5、リン酸基に
対するマグネシウムのモル比を0.5とした以外は同様
に行いEVOH組成物を得、該EVOH組成物よりEV
OH組成物フィルム及びEVOH組成物延伸フィルムを
得て、同様に評価を行った。この時のEVOH組成物フ
ィルムの含水率は35%、第1次延伸後の水分率は3
0、第2次延伸後の水分率は2%、調湿後の含水率は
2.7%であった。
【0041】比較例3 実施例1において、酢酸及び第1リン酸カルシウム水溶
液で処理し、ナトリウム含有量を0.08%、リン酸基
に対するナトリウムのモル比を2.5、リン酸基に対す
るカルシウムのモル比を0.5とした以外は同様に行い
EVOH組成物を得、該EVOH組成物よりEVOH組
成物フィルム及びEVOH組成物延伸フィルムを得て、
同様に評価を行った。この時のEVOH組成物フィルム
の含水率は35%、第1次延伸後の水分率は30%、第
2次延伸後の水分率は2%、調湿後の含水率は2.7%
であった。
【0042】比較例4 実施例1において、酢酸、リン酸及び第1リン酸カルシ
ウム水溶液で処理し、ナトリウム含有量を0.011
%、リン酸基に対するナトリウムのモル比を0.1、リ
ン酸基に対するカルシウムのモル比を0.3とした以外
は同様に行いEVOH組成物を得、該EVOH組成物よ
りEVOH組成物フィルム及びEVOH組成物延伸フィ
ルムを得て、同様に評価を行った。この時のEVOH組
成物フィルムの含水率は35%、第1次延伸後の水分率
は30%、第2次延伸後の水分率は2%、調湿後の含水
率は2.7%であった。
【0043】比較例5 実施例1において、酢酸及び第1リン酸カルシウム水溶
液で処理し、ナトリウム含有量を0.011%、リン酸
基に対するナトリウムのモル比を45、リン酸基に対す
るカルシウムのモル比を0.5とした以外は同様に行い
EVOH組成物を得、該EVOH組成物よりEVOH組
成物フィルム及びEVOH組成物延伸フィルムを得て、
同様に評価を行った。この時のEVOH組成物フィルム
の含水率は35%、第1次延伸後の水分率は30%、第
2次延伸後の水分率は2%、調湿後の含水率は2.7%
であった。
【0044】比較例6 実施例1において、酢酸、リン酸及び第1リン酸カルシ
ウム水溶液で処理し、ナトリウム含有量を0.011
%、リン酸基に対するナトリウムのモル比を2.5、リ
ン酸基に対するカルシウムのモル比を0.05とした以
外は同様に行いEVOH組成物を得、該EVOH組成物
よりEVOH組成物フィルム及びEVOH組成物延伸フ
ィルムを得て、同様に評価を行った。この時のEVOH
組成物フィルムの含水率は35%、第1次延伸後の水分
率は30%、第2次延伸後の水分率は2%、調湿後の含
水率は2.7%であった。
【0045】比較例7 実施例1において、酢酸、リン酸及びクエン酸モノカル
シウム水溶液で処理し、ナトリウム含有量を0.011
%、リン酸基に対するナトリウムのモル比を2.5、リ
ン酸基に対するカルシウムのモル比を8とした以外は同
様に行いEVOH組成物を得、該EVOH組成物よりE
VOH組成物フィルム及びEVOH組成物延伸フィルム
を得て、同様に評価を行った。この時のEVOH組成物
フィルムの含水率は35%、第1次延伸後の水分率は3
0%、第2次延伸後の水分率は2%、調湿後の含水率は
2.7%であった。
【0046】 比較例8実施例1において、水を5部とした以外は同様
に行った。但し、120℃では樹脂が溶融せずに押出不
可であるので、190℃で成形した。又、延伸処理にお
いて、第2次延伸時にフィルムの破断が生じ、安定した
延伸が不可能で、延伸フィルムを得ることができなかっ
た。
【0047】比較例9 実施例1において、水を200部とした以外は同様に行
った。EVOH組成物フィルム(原反フィルム)の成形
時において、バレルのフィールド部に水が析出し、吐出
不安定となり、膜厚が不均一な延伸用原反フィルムしか
得られなかったが、実施例1と同様に連続的に延伸処理
を行った。
【0048】比較例10 実施例1において、水を加えなかった以外は同様に行っ
た。但し、120℃では樹脂が溶融せずに押出不可であ
るので、210℃で成形した。又、延伸処理において、
第2次延伸時にフィルムの破断が生じ、安定した延伸が
不可能で、延伸フィルムを得ることができなかった。実
施例及び比較例の評価結果を表1、2に示す。
【0049】
【表1】 (EVOH組成物フィルム(原反フィルム)) 4日間連続運転時 10日間連続運転時 フィルム外観 フィルム外観 スジ フィッシュアイ 着色 スジ フィッシュアイ 着色 実施例1 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〃 2 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〃 3 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〃 4 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 比較例1 ○ ○ ○ △ × ○ 〃 2 ○ ○ ○ △ × ○ 〃 3 △ ○ × △ △ × 〃 4 ○ ○ ○ △ × ○ 〃 5 △ △ ○ × × ○ 〃 6 ○ ○ ○ × × ○ 〃 7 ○ × △ △ × × 〃 8 × ○ ○ × × △ 〃 9 × ○ ○ × ○ ○ 〃 10 × × ○ × × △
【0050】
【表2】 (EVOH組成物延伸フィルム) 4日間連続運転時 10日間連続運転時 フィルム外観 フィルム外観 スジ フィッシュアイ 着色 スジ フィッシュアイ 着色 実施例1 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〃 2 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〃 3 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〃 4 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 比較例1 ○ ○ ○ △ × ○ 〃 2 ○ ○ ○ △ × ○ 〃 3 △ ○ × △ △ × 〃 4 ○ ○ ○ △ × ○ 〃 5 ○ △ ○ × × ○ 〃 6 ○ ○ ○ × × ○ 〃 7 ○ × △ △ × × 〃 8 延伸フィルムは得られなかった 〃 9 × ○ ○ × ○ ○ 〃 10 延伸フィルムは得られなかった
【0051】
【発明の効果】本発明は、EVOH(A)、特定の酸
(B)及び特定の塩(C)、水(D)からなり、各成分
を特定範囲で含有させてなるため、溶融成形時のロング
ラン性に非常に優れ、更にガスバリヤー性はもとより、
長時間の連続運転においてもスジ、フィッシュアイのな
いフィルム外観や透明性に優れた成形物を得ることがで
き、又、本発明の成形物(フィルム、延伸フィルム等)
を少なくとも1層とした多層積層体は、食品や医薬品、
農薬品、工業薬品等の包装用材料として非常に有用であ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年7月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者が詳細に検討した結果、上記技術ではフィッシュアイ
の低減は認められるものの、長時間の連続運転における
EVOH成形物の外観及び品質の安定性については改善
の余地が残るものであり、技術の高度化と多様化に伴
い、更にロングラン性に優れ、スジやフィッシュアイの
ない、透明性に優れた外観の良好なEVOH成形物(フ
ィルム、シート、等)が望まれている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】又、(C)に属する塩としては、第1リン
酸カルシウム、第1リン酸マグネシウム、第1クエン酸
カルシウム、第1酒石酸カルシウム、第1マロン酸カル
シウム、第1マレイン酸カルシウムが例示され、第1リ
ン酸カルシウム及び第1リン酸マグネシウムが有利に用
いられる。pKaが3.4以下の酸基を有しない多塩基
酸の第1塩を用いてもロングラン成形時の熱着色抑制効
果が劣ることとなり、工業的な実施には不適である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】かくして得られた部分ケン化物100部を
水酸化ナトリウム1%水溶液500,部中に投入し、温
度65℃にてスラリー状で3時間撹拌して二次ケン化を
行い、次いで酢酸で中和した後粒子をろ別し、更に10
00部の水を加えて30℃で1時間撹拌してからろ別す
る操作を3度繰り返した。該粒子中の酢酸ナトリウムの
含有量は0.22%であった。得られたEVOH(A)
のケン化度99.0%であった。次に乾燥該粒子(EV
OH(A))100部を500部の水と混合して再度ス
ラリー化し、5%酢酸水溶液10部、1%第1リン酸カ
ルシウム水溶液18部を加えて30℃、4時間撹拌後、
ろ別し、EVOH(A)100部に対して水70部とな
るように乾燥してEVOH組成物を得た。該EVOH組
成物中のナトリウム含有量はEVOH(A)に対して
0.011%、リン酸基に対するナトリウムのモル比は
2.5、リン酸基に対するカルシウムのモル比は0.5
であった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化
    物(A)、25℃におけるpKaが5.0以下の酸基を
    有する酸(B)及び25℃におけるpKaが3.4以下
    の酸基を有する多塩基酸の第1カルシウム塩又はマグネ
    シウム塩(C)、水(D)からなり、前記(B)の酸、
    (C)の塩の少なくとも一方はリン酸基を含有するもの
    であると共に、該共重合体ケン化物(A)において
    (1)アルカリ金属の含有量が0.001〜0.05重
    量%、(2)リン酸基に対するアルカリ金属のモル比が
    1〜30、(3)リン酸基に対するカルシウム又はマグ
    ネシウムのモル比が0.1〜5、(4)該共重合体ケン
    化物(A)100重量部に対して水(D)が10〜14
    0重量部となるように含有させてなることを特徴とする
    エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエチレン−酢酸ビニル系
    共重合体ケン化物組成物を溶融押出してなることを特徴
    とする成形物。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の成形物を含水率5〜50
    重量%で延伸してなることを特徴とする成形物。
JP9213974A 1997-07-18 1997-07-23 エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物組成物及び その成形物 Pending JPH1135768A (ja)

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