JPH1137183A - 回転速度差感応型継手 - Google Patents

回転速度差感応型継手

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JPH1137183A
JPH1137183A JP20713597A JP20713597A JPH1137183A JP H1137183 A JPH1137183 A JP H1137183A JP 20713597 A JP20713597 A JP 20713597A JP 20713597 A JP20713597 A JP 20713597A JP H1137183 A JPH1137183 A JP H1137183A
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JP
Japan
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valve
hydraulic oil
temperature
plunger
hole
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JP20713597A
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English (en)
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Takashi Okubo
孝 大久保
Takashi Takizawa
孝 滝沢
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Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作動油が所定の温度以上になるのを防止する
ことができる回転速度差感応型継手を提供する。 【解決手段】 ロータ3には、プランジャ室46と作動
油収容室(図示せず)とを連通する導出路7の一部をな
す弁収容孔62を形成する。この弁収容室62には、開
閉弁8をを設ける。開閉弁8の球弁86を弁座85に着
座させる弁ばね87を形状記憶合金で形成する。弁ばね
87は、作動油の温度が所定の温度以上になると変形し
て長くなり、それに伴って球弁86に対する付勢力が増
大する。そのときの付勢力は、作動油の圧力が設計上の
上限値になったとしても球弁86を弁座85に着座状態
に維持することができるような大きさに定める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、相対回転する二
軸間に回転速度差に応じた大きさのトルクを伝達する回
転速度差感応型継手に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、上記のような回転速度差感応型
継手は、互いに相対回転可能なハウジングとロータとを
備えており、それらの内部には、プランジャを摺動自在
に収容するプランジャ室と、作動油を収容する作動油収
容室とが形成されている。プランジャ室と作動油収容室
との間には、それらを互いに連通させる導入路と導出路
とがそれぞれ形成されている。導入路には、プランジャ
室側から作動油収容室側への作動油の流通を阻止し、逆
方向への流通を許容する逆止弁が設けられている。一
方、導出路には、作動油の流れに対して流通抵抗を発生
するオリフィス(流通抵抗発生部)が設けられている
(特開平2−159423号公報参照)。
【0003】上記構成の回転速度差感応型継手におい
て、ハウジングとロータとが相対回転すると、それに追
随してプランジャが往復動し、作動油がプランジャ室に
対して流出入する。作動油がプランジャ室から流出する
場合には、導入路が逆止弁によって閉じられているの
で、プランジャ室から流出した作動油は導出路を通って
作動油収容室側へ向かう。このとき、作動油がオリフィ
スを通過する際に流通抵抗が発生する。そして、この流
通抵抗に応じた大きさのトルクがハウジングとロータと
のうちの高速回転側から低速回転側へ伝達される。一
方、作動油がプランジャ室に流入する場合には、作動油
が逆止弁を押し開き、作動油収容室側の作動油が導入路
を介してプランジャ室に流入する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の回転速度差
感応型継手においては、ハウジングとロータとが相対回
転すると、作動油がオリフィス通過する際の発熱、プラ
ンジャとこれを往復動させるためのカム面との間の摩擦
熱により作動油が加熱される。このため、車両が悪路を
長時間にわたって走行する場合のように、回転速度差感
応型継手の相対回転が長時間にわたって行われると作動
油が高温になる。そして、高温の作動油によって、ハウ
ジングとロータとの間等をシールするシール部材が劣化
され、そのシール性が早期に低下してしまうという問題
があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
め、請求項1に係る発明は、ハウジングとロータとの相
対回転に伴って往復動するプランジャを収容するプラン
ジャ室と作動油を収容する作動油収容室との間に、それ
らを互いに連通させる導入路および導出路が設けられ、
上記導入路には、作動油導入路側から上記プランジャ室
への作動油の流れを許容し、上記プランジャ室から上記
作動油収容室側への作動油の流れを阻止する逆止弁が設
けられ、上記導出路には、作動油の流れに対して流通抵
抗を発生させる流通抵抗発生部が設けられた回転速度差
感応型継手において、上記導出路に、上記作動油の温度
が所定の温度以上になると上記導出路を閉じる開閉弁を
配置したことを特徴としている。
【0006】この場合、上記開閉弁については、上記導
出路に設けられた弁座と、この弁座に着座することによ
って上記導出路を閉じる弁体と、この弁体を上記弁座に
着座させる弁ばねとから構成し、上記弁ばねを形状記憶
合金によって形成し、上記弁ばねが、上記作動油が上記
所定の温度以上になると変形して、上記弁体を上記弁座
に着座させるようにしてもよい。
【0007】また、上記開閉弁を、上記導出路を横断す
るスプール孔と、このスプール孔に摺動自在に設けられ
た弁体と、この弁体をその軸線方向へ変位させる変位部
材とから構成し、上記変位部材を形状記憶合金によって
形成し、上記変位部材が、上記作動油の温度が上記所定
の温度以下であるときには上記弁体を開位置に位置さ
せ、上記作動油の温度が上記所定の温度以上になると上
記弁体を閉位置に位置させるようにしてもよい。
【0008】また、上記の問題を解決するために、請求
項4に係る発明は、ハウジングとロータとの相対回転に
伴って往復動するプランジャを収容するプランジャ室と
作動油を収容する作動油収容室との間に、それらを互い
に連通させる導入路および導出路が設けられ、上記導入
路には、作動油導入路側から上記プランジャ室への作動
油の流れを許容し、上記プランジャ室から上記作動油収
容室側への作動油の流れを阻止する逆止弁が設けられ、
上記導出路には、作動油の流れに対して流通抵抗を発生
させる流通抵抗発生部が設けられた回転速度差感応型継
手において、上記逆止弁を、上記導入路に形成された弁
座と、この弁座に着座することによって上記導入路を閉
じる弁体と、この弁体を弁座に着座させる弁ばねとから
構成し、上記弁ばねを形状記憶合金によって形成し、上
記弁ばねは、上記作動油の温度が所定の温度以下である
ときには上記弁体を所定の押圧力をもって上記弁座に着
座させ、上記作動油の温度が上記所定の温度以上になる
と変形して、上記弁体を弁座からリフトさせることを特
徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図1〜図7を参照して説明する。図1〜図4はこの
発明の一実施の形態を示すものであり、図1および図2
に示すように、この実施の形態の回転速度差感応型継手
(以下、単に継手と略称することもある。)1は、回転
軸線Lを中心として相対回転可能なハウジング2とロー
タ3とを備えている。
【0010】ハウジング2は、図2に示すように、一端
部に底部21を有し、他端が開口した有底筒状の本体部
2Aと、この本体部2Aの開口部に設けられた底壁部2
Bとから構成されている。本体部2Aの底部21の外側
の端面には、この継手1に連結されべき車軸等の2つの
軸(いずれも図示せず)の一方がボルト孔22に螺合さ
れたボルト(図示せず)によって固定されるようになっ
ている。底壁部2Bは、本体部2Aにスプライン結合等
によって相対回転不能に連結され、しかも止め輪41に
よって抜け止めされている。
【0011】一方、ロータ3は、互いに同芯にかつ一体
に形成された大径部3Aおよび小径部3Bから構成され
ている。大径部3Aは、本体部2Aと底壁部2Bとによ
って区画される内部空間に相対回転可能に収容されてい
る。一方、小径部3Bは、底壁部2Aの中央部に形成さ
れた挿通孔23を隙間をもって貫通しており、その外周
にはフランジ部材42がスプライン結合によって相対回
転不能に連結されるとともに、止め輪43によって抜け
止めされている。このフランジ部材42の外側の端面に
は、上記2つの軸のうちの他方がボルト孔42aに螺合
されたボルト(図示せず)によって固定されるようにな
っている。
【0012】図1および図2に示すように、上記ロータ
3の大径部3Aには、これを貫通する複数(この実施の
形態では6個)のプランジャ収容孔31が形成されてい
る。各プランジャ収容孔31は、回転軸線Lと平行に形
成され、しかも大径部3Aの周方向に等間隔をもって配
置されている。各プランジャ収容孔31の一端部と他端
部とには、プランジャ44,45がそれぞれ摺動自在に
収容されている。これらプランジャ44,45によって
プランジャ収容孔31の内部にプランジャ室46が区画
されている。
【0013】上記本体部2Aの底部21と底壁部2Bと
の互いの対向面には、回転軸線Lを中心として環状に延
びるカム面24,25がそれぞれ形成されている。カム
面24,25には、プランジャ44,45がばね47に
よってそれぞれ押圧接触させられている。したがって、
ハウジング2とロータ3とが相対回転すると、それに追
随してプランジャ44,45が互いに接近、離間移動す
る。プランジャ44,45が接近、離間移動すると、プ
ランジャ室46に対して作動油が流出入する。
【0014】上記本体部2Aの底部21の中央部には、
貫通孔26が形成されている。この貫通孔26には、ピ
ストン48が摺動自在に挿入されている。このピストン
48は、ばね49によってロータ3側へ付勢されてい
る。また、貫通孔26にピストン48が設けられること
により、貫通孔26の内部には、その内周面、ロータ3
の端面およびピストン48とによって作動油収容室50
が区画されている。この作動油収容空間48には、ピス
トン48に形成されたねじ孔48aから作動油が注入さ
れるるようになっており、ねじ孔48aはそこに螺合さ
れたボルト51およびシール部材S5によって封止され
ている。
【0015】なお、図3において符号S1,S2,S3
4はシール部材であり、ハウジング2の本体部2Aの
内周面と底壁部2Bの外周面との間、底壁部2Bの内周
面とフランジ部材42の外周面との間、フランジ部材4
2の内周面とロータ3の小径部3Bの外周面との間、お
よび底部21の貫通孔26の内周面とピストン48の外
周面との間をそれぞれ封止している。これにより、継手
1の内部空間が密封されている。勿論、この内部空間
は、上記プランジャ室46および作動油収容室50を含
んでおり、作動油が上記ねじ孔48aから作動油収容室
50を介して内部空間全体に充填される。
【0016】図1(B)に示すように、上記プランジャ
室46と作動油収容室50との間には、それらを連通さ
せる導入路6と導出路7とが設けられている。導入路6
は、作動油収容室50側からプランジャ室46内へ作動
油を導入するためのものであり、孔61(図2参照)と
弁収容孔62とを有している。孔61は、ロータ3の端
面中央部に形成されており、作動油収容室50に連通し
ている。一方、弁収容孔62は、大径部3Aの外周面に
形成されており、外周面から回転軸線Lとほぼ直交する
ように内側へ向かって延び、孔61の内周面に開口して
いる。しかも、弁収容孔62の一側部は、プランジャ収
容孔31とその長手方向の中央部の一側部において交差
し、その交差部においてプランジャ室46と連通してい
る。したがって、プランジャ室46と作動油収容室50
とは、孔61および弁収容孔62とを介して互いに連通
している。
【0017】一方、上記導出路7は、プランジャ室46
内の作動油を作動油収容室50側へ導出するためのもの
であり、次のように構成されている。すなわち、図1に
示すように、上記弁収容孔62には、後述する開閉弁8
が設けられている。この開閉弁8の弁本体81は、その
基端部が弁収容孔62の外周側の端部に嵌合され、係止
板52および止め輪53によって抜け止め固定されてお
り、弁本体81の外周面と弁収容孔62の内周面との間
は、シール部材S6によって封止されている。弁本体8
1の内部には、その先端面から基端面に向かって順に、
オリフィス(流通抵抗部)82、弁孔83、ばね収容孔
84が形成されている。ばね収容孔84は、係止板52
に形成された孔52aを介して弁収容孔62の外側の開
口部に連通している。
【0018】図1、図3および図4に示すように、上記
弁収容孔62が開口する大径部3Aの外周面には、平取
部32が形成されており、この平取部32と本体部2A
の内周面とによって隙間54が形成されている。この隙
間54は、大径部3Aの作動油収容室50側の端面に形
成された溝33を介して作動油収容室50に連通してい
る。したがって、プランジャ室46と作動油収容室50
とは、弁収容孔62、オリフィス82、弁孔83、ばね
収容孔84、係止板52の孔52a、弁収容孔62の外
側の開口部、隙間54および溝33を介して連通するこ
とになり、それらによって導出路7が構成されている。
なお、これから明らかなように、作動油がプランジャ室
46から導出路7を通って作動油収容室50側へ向かう
ときには、オリフィス82を通過することになり、その
通過時に流通抵抗が発生する。
【0019】上記導入路6を構成する弁収容孔62の内
側の端部には、逆止弁9が設けられている。この逆止弁
9は、プランジャ室46から作動油収容室50への作動
油の流れを阻止する一方、作動油収容室50からプラン
ジャ室46への作動油の流れを許容するものであり、弁
収容孔62の内面に形成された弁座91と、この弁座9
1に着座することによって導入路6を閉じる球弁(弁
体)92と、この球弁92を弁座91に着座させる弁ば
ね93とを有している。弁座91は、その軸線を回転軸
線Lとほぼ直交させて形成されている。なお、弁座91
に対して継手1の外周側(図1(B)において右側)に
続く部分は、弁座91よりテーパ角の若干大きなテーパ
部94になっており、このテーパ部94を形成すること
によって弁座91の幅を狭くし、その加工を容易に行う
ことができるようにしている。
【0020】また、球弁92は、弁収容孔62の軸線方
向へ、つまり回転軸線Lと直交する方向へ移動可能に設
けられている。したがって、ロータ3が回転すると球弁
92に遠心力が作用し、その遠心力によって球弁92が
弁座91からリフトしようとする。この場合、弁ばね9
3が球弁92を弁座91側へ付勢しているので、ロータ
3が低速回転し、球弁92に作用する遠心力が小さいと
きは、球弁92が弁ばね93によって着座状態に維持さ
れる。しかし、弁ばね93の付勢力は、ロータ3が所定
の速度で高速回転したとき、例えば3000rpm程度
で高速回転したときに球弁92に作用する遠心力より弱
く設定されている。したがって、ロータ3が高速回転す
ると、球弁92が弁ばね93の付勢力に抗してリフト
し、逆止弁9が開弁する。逆止弁9が開弁した状態にお
いては、プランジャ室46から流出した作動油が導入路
6を介して作動油収容室50に流入するようになり、オ
リフィス82を通過することがなくなる。したがって、
ハウジング2とロータ3とはほとんど自由に相対回転す
ることができるようになる。つまり、この継手1は、ロ
ータ3が所定の回転速度以上で回転すると、ハウジング
2とロータ3とにそれぞれ連結される二軸間にトルクを
伝達することがなくなり、それらを自由に回転させるよ
うになる。
【0021】なお、この実施の形態では逆止弁9がロー
タ3に設けられているため、球弁92にはロータ3の回
転速度に応じた遠心力が作用するが、逆止弁9をハウジ
ング2に設ける場合には、球弁92にはハウジング2の
回転速度に応じた遠心力が作用することになり、その遠
心力に対応して弁ばね93の付勢力を定めることにな
る。
【0022】上記開閉弁8は、上記弁本体81のばね収
容孔84の底部に形成された弁座85と、この弁座85
に着座、リフトすることによって弁孔83を開閉する球
弁86と、この球弁8を弁座85に着座させる弁ばね8
7とを有している。弁ばね87は、形状記憶合金によっ
て形成されており、作動油の温度に応じて次のように挙
動するようになっている。
【0023】すなわち、弁ばね87は、作動油の温度が
所定の設定温度以下であるときには短くなり、設定温度
以上であるときには長くなるように変形する。勿論、形
状記憶合金にはヒステリシスがあるので、弁ばね87の
変形もヒステリシスをもって行われる。また、弁ばね8
7を変形させる作動油の温度は、シール部材S1〜S6
熱的に劣化させる温度より低く設定されている。
【0024】長さが短くなっているときの弁ばね87の
付勢力は、例えばハウジング2とロータ3との間に伝達
されるトルクの大きさが50Nm程度であるときに、プ
ランジャ室46から弁収容孔62内に流入した作動油が
球弁86を押す開弁力と同程度の大きさに設定されてい
る。したがって、作動油の温度が所定の設定温度以下で
あるときには、開閉弁8は、作動油の圧力が所定の圧力
以下であると閉弁し、所定の圧力以上になると開弁す
る。
【0025】一方、長さが長くなっているときの弁ばね
87の付勢力は、ハウジング2とロータ3との間に予め
定められた最大許容トルクが作用し、それに応じて作動
油の圧力が予め定められた最大許容圧力に達したとして
も、球弁82を着座状態に維持するのに十分な大きさに
設定されている。したがって、開閉弁8は、作動油の温
度が所定の設定温度以上であるときには、閉弁状態を維
持する。この結果、プランジャ室46内の作動油が流出
不可能になり、ハウジング2とロータ3とは一体に回転
するようになる。
【0026】なお、この実施の形態においては、弁本体
81の先端部81bが先細りのテーパ状に形成されてい
る。これは、逆止弁9の弁ばね93が塑性変形するのを
防止するためである。すなわち、球弁92が図2におい
て想像線で示すように、弁収容孔62の軸線から変位す
るように移動すると、それに追随して弁ばね93が曲が
るように変形するが、先端部81bがストレートな形状
で、その外径が弁ばね93の内径とほぼ同一であると、
弁ばね93のうち、先端部81bの外周に嵌まり込んで
いる部分は変形することがなく、先端部81bと球弁9
2との間の部分だけが変形する。このため、弁ばね93
は、局部的に大きく変形することになり、塑性変形して
しまうおそれがある。この点、先端部81bを先細りに
形成すると、球弁92が想像線で示すように変位したと
しても、弁ばね93全体が変形するので、弁ばね93が
局部的に大きく変形することがなく、各部の変形量が小
さくなる。したがって、弁ばね93が塑性変形するのを
防止することができる。
【0027】また、この実施の形態においては、ハウジ
ング2とロータ3との回転に伴って摩耗するおそれがあ
る箇所が高周波焼き入れによって硬化処理されている。
硬化処理箇所は、例えば大径部3Aの両端面、これに接
触する底部21および底壁部2B、プランジャ収容孔3
1の内周面、プランジャ44,45の外周面、カム面2
4,25、カム面24,25に接触するプランジャ4
4,45の端面、逆止弁9の弁座91および球弁92、
並びに開閉弁8の弁座85および球弁である。
【0028】次に、上記構成の継手1の作用について説
明する。作動油の温度が所定の設定温度以下である場合
には、ハウジング2とロータ3とが相対回転すると、プ
ランジャ44,45が接近、離間移動し、それに伴って
プランジャ室46の内部容積が減少、増大する。
【0029】内部容積の減少時には、プランジャ室46
から作動油が弁収容孔62内に流入する。弁収容孔62
内に流入した作動油は、導入路6が逆止弁9によって閉
じられているので、導出路7を通って作動油収容室50
に流入する。このとき、オリフィス82において流通抵
抗が発生し、その流通抵抗に対応するトルクが高速回転
するハウジング2またはロータ3から低速回転するロー
タ3またはハウジング2に伝達される。
【0030】ここで、この継手1においては、導出路7
に開閉弁8が設けられているので、ハウジング2とロー
タ3との間で伝達されるトルクの大きさは、図5におい
て曲線ロで示すように変化する。すなわち、導出路7に
開閉弁8が設けられていなければ、ハウジング2とロー
タ3との間の伝達されるトルクは、従来の回転速度差感
応型継手と同様に、回転速度差が零であるときには伝達
トルクも零であり、回転速度差の増大に伴って増大す
る。つまり、伝達トルクは図5の曲線イのように変化す
る。
【0031】しかるに、この継手1においては、導出路
7に開閉弁8が設けられており、ハウジング2とロータ
3とが相対回転していないときには、導出路7が所定の
開弁圧をもって閉じられている。したがって、ハウジン
グ2とロータ3との相対回転当初はプランジャ室46内
の作動油が流出することができない。この結果、相対回
転しようとした瞬間に、プランジャ室46内および弁収
容孔62内の作動油の圧力が、開閉弁8の所定の開弁圧
まで急激に増大する。そして、圧力上昇分に対応するト
ルクがハウジング2とロータ3との間で伝達される。作
動油の圧力が所定の開弁圧を越えると、球弁86が弁座
85からリフトする。したがって、その後はオリフィス
82の作用により、回転速度差の増大に伴って伝達トル
クが増大する。この結果、開閉弁8を設けたこの継手1
における伝達トルクは、曲線ロで示すように変化する。
曲線ロは、曲線イを開閉弁8の開弁圧の分だけ伝達トル
クの増大側へ平行移動したものとほぼ同様である。
【0032】なお、厳密には、回転速度差が零のときに
は伝達トルクも零であるが、相対回転すると同時に伝達
トルクが急上昇するので、相対回転が零のときから所定
の大きさの初期トルクが得られるものと見なすことがで
きる。初期トルクの大きさは、開閉弁8の開弁圧を調節
することによって適宜に設定することができる。
【0033】プランジャ室46の内部容積の増大時に
は、作動油収容室50内の作動油が逆止弁9を押し開
き、導入路6を通ってプランジャ室46に流入する。
【0034】作動油の温度が所定の設定温度以上になっ
た場合には、導入路6が逆止弁9によって閉じられてい
るのは勿論のこと、導出路7が開閉弁8によって閉じら
れている。プランジャ室46内の作動油は、導出路7を
通って作動油収容室50側へ流出することができず、オ
リフィス82を通過することもなくなる。したがって、
作動油が加熱されなくなり、自然放熱によって徐々に冷
却される。よって、シール部材S1〜S6が作動油の熱に
よって劣化させられるのを防止することができる。な
お、作動油の温度が所定温度より低下すると、弁ばね8
7が再度短くなり、開閉弁8は作動油の圧力に応じて開
閉するようになる。
【0035】次に、この発明の第2の実施の形態につい
て説明する。この第2の実施の形態は、見かけの構造は
上記実施の形態と同一であり、開閉弁8の弁ばね87お
よび逆止弁9の弁ばね93の材質だけが上記の実施の形
態と異なっている。
【0036】弁ばね87は、ばね鋼等の通常の金属で形
成されており、上記の実施の形態の弁ばね87が短くな
ったときの状態と同様に挙動するように形成されてい
る。したがって、ハウジング2とロータ3とが同一速度
で回転しているときには、開閉弁8が閉じているが、ハ
ウジング2とロータ3とが相対回転し始めて、作動油の
圧力が所定の圧力を越えると開弁する。
【0037】また、逆止弁9の弁ばね93は、形状記憶
合金で形成されており、その両端部は弁本体81と球弁
92とにそれぞれ固定されている。そして、弁ばね93
は、作動油の温度が所定の設定温度以下であるとき場合
には、上記の実施の形態における弁ばね93と同様に、
球弁92を弁座91に着座させてプランジャ室46から
作動油収容室50側への作動油の流れを阻止し、プラン
ジャ室46に作動油が流入するときには、球弁92が弁
座91からリフトするのを許容する。
【0038】一方、作動油の温度が所定の設定温度を越
えると、弁ばね93は変形して短くなる。この場合、弁
ばね93の両端部が弁本体81と球弁92とに固定され
ているので、弁ばね93は、短くなることによって球弁
92を弁座91からリフトさせる。したがって、作動油
の温度が設定温度を越えた状態では、逆止弁9は常時開
状態に維持される。
【0039】上記の実施の形態においては、作動油の温
度が設定温度を越えると、逆止弁9が開弁状態になり、
導入路6が常時開かれる。したがって、プランジャ室4
6から弁収容孔62内に流入した作動油は、導入路6を
通って作動油収容室50に流入することになり、オリフ
ィス82を通過することがない。よって、作動油は加熱
されなくなり徐々に冷却される。したがって、シール部
材S1〜S6が作動油の熱によって劣化するのを防止する
ことができる。
【0040】次に、図5および図6に示すこの発明に係
る第3の実施の形態について説明する。なお、この第3
の実施の形態については、上記実施の形態と異なる構成
についてのみ説明することとし、同様な部分には同一符
号を付してその説明を省略する。
【0041】この実施の形態の継手1′においては、ハ
ウジング2が、円筒状をなす筒部2Cと、この筒部2C
の両端部開口部に溶接等によってそれぞれ固定された底
壁部2D,2Eとから構成されている。一方、ロータ3
は、中央の大径部3Cと、この大径部3Cの両端面中央
部に一体に形成された小径部3D,3Eとから構成され
ている。そして、小径部3D,3Eが底壁部2D,2E
の中央部に形成された支持孔27,28にそれぞれ回転
自在に嵌合することにより、ハウジング2とロータ3と
が回転軸線Lを中心として相対回転可能になっている。
小径部3D,3Eの外周面と支持孔27,28の内周面
との間は、シール部材S7,S8によってシールされてい
る。
【0042】ハウジング2の一方の底壁部2Dの外側の
端面には、回転軸線Lを中心として環状に延びる凹部2
9が形成されている。この凹部29には、リング状をな
すピストン100が摺動自在に嵌合されている。これに
より、凹部29の内部に密封された空間が形成されてお
り、この空間が作動油収容室101になっている。ま
た、ピストン100は、皿ばね102,103によっっ
て凹部29の底部側へ付勢されている。なお、符号
9,S10はシール部材であり、それぞれピストン10
0の外周面と凹部29の外側の内周面との間、ピストン
100の内周面と凹部29の内側の内周面との間をシー
ルしている。また、他方の底壁部2Eの外側の端面に
は、上記ねじ孔42aに代わるねじ孔2aが形成され、
このねじ孔2aに螺合されたボルト(図示せず)によ
り、継手1′に連結されるべき2つの軸のうちの一方の
軸(図示せず)がハウジング2に連結固定されるように
なっている。
【0043】ロータ3の大径部3Cは、ハウジング2の
筒部2Cの内径より若干小径になっており、大径部3C
の外周面と筒部2Cの内周面との間には外周間隙104
が形成されている。また、大径部3Cの回転軸線L方向
の長さは、底壁部2D,2E間の距離より短くなってお
り、大径3Cの両端面と底壁部2D,2E間には、側部
間隙105,106がそれぞれ形成されている。この側
部間隙105,106は、それぞれの外周部において外
周間隙104と連通している。また、一方の側部間隙1
05は、連通孔107を介して作動油収容室101に連
通し、他方の側部間隙106は、注入孔108を介して
外部に開放されている。そして、注入孔108から作動
油が継手1′の内部空間全体に注入される。作動油の注
入後、注入孔108は固定栓109によって閉じられ
る。
【0044】また、ロータ3の中央部には、その一端面
から他端面まで貫通する貫通孔34が形成されている。
この貫通孔34の中央部内周面にはスプライン孔部34
aが形成されている。そして、貫通孔34には、継手
1′に連結されるべき2つの軸のうちの他方の軸(図示
せず)が挿通されるとともに、スプライン孔部34aに
嵌合され、これによって他方の軸がロータ3に連結され
るようになっている。
【0045】ロータ3の大径部3Cには、弁収容孔10
8が形成されている。この弁収容孔108は、大径部3
Cの外周面から内周側へ向かって延び、プランジャ室4
6の一側部内面に開口している。したがって、プランジ
ャ室46は、弁収容孔108、外周間隙104、側部間
隙105および連通孔107を介して作動油収容室10
1に連通することになり、それらによって導入路6が形
成されている。
【0046】また、ロータ3の大径部には、後述するス
プール弁130のスプール孔131が形成されている。
このスプール孔131は、プランジャ室46を間にして
弁収容孔108と逆側に、それもプランジャ室46に隣
接して配置されている。スプール孔131の一側部内面
とプランジャ室46の内面との間には、上記オリフィス
82に代わるオリフィス109が形成されている。ま
た、スプール孔131の他側部内面と大径部3Cの外周
面との間には孔110が形成されている。したがって、
プランジャ室46は、オリフィス109、スプール孔1
31、孔110、外周間隙104、側部間隙105、お
よび連通孔107を介して作動油収容室101に連通し
ており、それらによって導出路7が形成されている。
【0047】上記弁収容孔108には、上記逆止弁9に
代わる逆止弁120が配置されている。この逆止弁12
0は、弁収容孔108に挿入固定された弁本体121
と、この弁本体121の内部に配置され、弁座122に
着座することによって弁収容孔120、ひいては導入路
6を閉じる球弁123と、この球弁123を弁座122
に着座させる弁ばね124とから構成されている。勿
論、この逆止弁120は、プランジャ室46から作動油
が流出する場合には閉じて、プランジャ室46内の作動
油が導入路6を介して作動油収容室46側へ流れるのを
阻止し、プランジャ室46内に作動油が導入されるとき
には開いて、導入路6を介して作動油がプランジャ室4
6に流入するのを許容する。
【0048】上記スプール弁130について説明する
と、上記スプール孔131には、軸状をなす弁体132
が摺動自在に挿入されるとともに、この弁体132をス
プール孔131の開口部側へ付勢する弁ばね(変位部
材)133、および弁体132をスプール孔131の底
部側へ付勢するバイアスばね134が収容されている。
【0049】弁ばね133は、形状記憶合金によって形
成されており、作動油の温度が所定の温度以下であると
きには全長が短くなっており、作動油の温度が所定の温
度以上になると全長が長くなるように変形する。
【0050】作動油の温度が所定の温度以下で、弁ばね
133が短くなっているときには、それ自体の付勢力と
バイアスばね134の付勢力との釣り合いによって、弁
体132を開位置に位置させる。弁体132が開位置に
位置すると、弁体132の環状凹部135がオリフィス
109および孔110と対向し、オリフィス109と孔
110とが連通する。これによって、導出孔7が開か
れ、プランジャ室46内の作動油が導出路7を介して作
動油収容室101側へ流れることができるようになる。
勿論、このときにはオリフィス109において流通抵抗
が発生し、その大きさに対応したトルクがハウジング2
とロータ3との間で伝達される。
【0051】作動油の温度が所定の温度以上になり、そ
によって弁ばね133の全長が長くなると、その付勢力
が増大する結果、弁ばね133は弁体132がストッパ
136に突き当たるまで押圧移動させ、弁体132を閉
位置に位置させる。弁体132が閉位置に位置すると、
オリフィス109および孔110が弁体132によって
遮蔽され、導出路7が閉じられる。したがって、第1の
実施の形態と同様に、作動油が徐々に自然冷却される。
よって、シール部材S7〜S10が作動油の熱によって劣
化するのを防止することができる。
【0052】なお、この発明は上記の実施の形態に限定
されるものでなく、適宜変更可能である。例えば、上記
の実施の形態においては、プランジャ収容孔31内に一
対のプランジャ44,45を挿入しているが、プランジ
ャ収容孔31を隔壁によって二分し、それぞれにプラン
ジャ44,45を挿入するようにしてもよい。つまり、
上記特開平2ー159423号公報に記載のものと同様
に構成してもよい。また、プランジャを回転軸線Lと直
交する方向へ移動させるようにしてもよい。また、上記
の実施の形態においては、導入路6と導出路7とが互い
の一部を共用しているが、導入路6と導出路7とを全く
別個に形成してもよい。さらに、上記第1の実施の形態
においては、作動油の温度が所定の温度以下であっても
弁ばね87が球弁86を弁座85側へ付勢するようにな
っているが、所定の温度以下であるときには弁ばね87
の付勢力が零になるようにしてもよい。この点は、弁ば
ね93についても同様である。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜4に係
る発明によれば、作動油が所定の温度以上に高温になる
のを防止することができ、これによって継手に用いられ
ているシール部材が作動油の熱によって劣化するのを防
止することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す図であって、図
1(A)は図2のX−X断面図、第1(B)は図1
(A)の一部拡大図である。
【図2】図1のZ−Z断面図である。
【図3】図2のY−Y断面図である。
【図4】図3の一部省略X矢視図である。
【図5】回転速度差と伝達トルクの大きさとの関係を示
す図である。
【図6】この発明の他の実施の形態を示す図7のY−Y
断面図である。
【図7】図6のX−X断面図である。
【符号の説明】
1 回転速度差感応型継手 1′ 回転速度差感応型継手 2 ハウジング 3 ロータ 6 導入路 7 導出路 8 開閉弁 9 逆止弁 44 プランジャ 45 プランジャ 46 プランジャ室 50 作動油収容室 82 オリフィス(流通抵抗発生部) 85 弁座 86 球弁(弁体) 87 弁ばね 91 弁座 92 球弁(弁体) 93 弁ばね 109 オリフィス(流通抵抗発生部) 120 逆止弁 130 スプール弁 131 スプール孔 132 弁体 133 弁ばね(変位部材)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングとロータとの相対回転に伴っ
    て往復動するプランジャを収容するプランジャ室と作動
    油を収容する作動油収容室との間に、それらを互いに連
    通させる導入路および導出路が設けられ、上記導入路に
    は、作動油導入路側から上記プランジャ室への作動油の
    流れを許容し、上記プランジャ室から上記作動油収容室
    側への作動油の流れを阻止する逆止弁が設けられ、上記
    導出路には、作動油の流れに対して流通抵抗を発生させ
    る流通抵抗発生部が設けられた回転速度差感応型継手に
    おいて、上記導出路に、上記作動油の温度が所定の温度
    以上になると上記導出路を閉じる開閉弁を配置したこと
    を特徴とする回転速度差感応型継手。
  2. 【請求項2】 上記開閉弁を、上記導出路に設けられた
    弁座と、この弁座に着座することによって上記導出路を
    閉じる弁体と、この弁体を上記弁座に着座させる弁ばね
    とから構成し、上記弁ばねを形状記憶合金によって形成
    し、上記弁ばねが、上記作動油が上記所定の温度以上に
    なると変形して、上記弁体を上記弁座に着座させること
    を特徴とする請求項1に記載の回転速度差感応型継手。
  3. 【請求項3】 上記開閉弁を、上記導出路を横断するス
    プール孔と、このスプール孔に摺動自在に設けられた弁
    体と、この弁体をその軸線方向へ変位させる変位部材と
    から構成し、上記変位部材を形状記憶合金によって形成
    し、上記変位部材が、上記作動油の温度が上記所定の温
    度以下であるときには上記弁体を開位置に位置させ、上
    記作動油の温度が上記所定の温度以上になると上記弁体
    を閉位置に位置させることを特徴とする請求項1に記載
    の回転速度差感応型継手。
  4. 【請求項4】 ハウジングとロータとの相対回転に伴っ
    て往復動するプランジャを収容するプランジャ室と作動
    油を収容する作動油収容室との間に、それらを互いに連
    通させる導入路および導出路が設けられ、上記導入路に
    は、作動油導入路側から上記プランジャ室への作動油の
    流れを許容し、上記プランジャ室から上記作動油収容室
    側への作動油の流れを阻止する逆止弁が設けられ、上記
    導出路には、作動油の流れに対して流通抵抗を発生させ
    る流通抵抗発生部が設けられた回転速度差感応型継手に
    おいて、上記逆止弁を、上記導入路に形成された弁座
    と、この弁座に着座することによって上記導入路を閉じ
    る弁体と、この弁体を弁座に着座させる弁ばねとから構
    成し、上記弁ばねを形状記憶合金によって形成し、上記
    弁ばねは、上記作動油の温度が所定の温度以下であると
    きには上記弁体を所定の押圧力をもって上記弁座に着座
    させ、上記作動油の温度が上記所定の温度以上になると
    変形して、上記弁体を弁座からリフトさせることを特徴
    とする回転速度差感応型継手。
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