JPH11509986A - 絶縁線をボンディングする方法並びに該方法を実施する装置 - Google Patents
絶縁線をボンディングする方法並びに該方法を実施する装置Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、ワニス絶縁された線材端部の絶縁を除去し、該線材端部を接点面に圧着し、かつ該線材端部を電磁エネルギ及び/又は音響エネルギで負荷する形式の、ワニス絶縁された線材端部を接点面と導電結合する方法並びに該方法を実施する装置に関する。
Description
【発明の詳細な説明】
絶縁線をボンディングする方法
並びに該方法を実施する装置
技術分野:
本発明は、ワニス絶縁線を導電ボンディングする方法並びに該方法を実施する
装置に関する。
背景技術:
識別システム、特にトランスポンダを製造するために送・受信ユニットは、集
積回路(半導体チップ)内の論理回路と結合される。該識別システムは、RF(
無線周波数)領域で動作するコイルによって外界と接続されており、該コイルは
、ポリウレタンワニス−コーティングで絶縁された細い銅線から巻成されている
。典型的な線材直径は約10〜50μmである。このような電子素子を半導体チ
ップと接続するためには、例えば熱圧溶接法のような方法が使用され、該溶接法
によって銅線端は、金属で被膜されたチップ接点面に接続される。しかしながら
前記の方法では線材は強い変形を受け、これによって裂断のリスクが生じる。ワ
ニス絶縁の施された線材は、電気的な接続に先立って先ず、特にマイクロフライ
ス又は過熱された鑞浴を用いて絶縁を除去され、次いで錫メッキを施した上でチ
ップの接点面にボンディングされる。慣用のチップ接
点面は、しばしばアルミニウム薄膜から成り、該アルミニウム薄膜は、銅線を接
点接続させるための付加的な処理工程において、アルミニウム面を鑞接可能にし
て異種材料間の粘着を可能にするために、所謂「ゴールド・バンプ(Gold−Bump
)法」で処理されている。
前記のようなトランスポンダは例えば国際特許出願公開第93−09551号
明細書に基づいて公知である。当該明細書では、ワニス絶縁の施された線材とチ
ップ接点面とをレーザ溶接法で接合することが開示されている。このために線材
端部は接合前にレーザビームで加熱されてワニスが溶融・蒸発される。確実な接
点接続を得るためにはチップ接点面に金メッキ及び/又は錫メッキを施すことが
必要である。また線材端部にも錫メッキを施すのが有利と判った。確かに線材は
僅かしか又は全く変形を受けないので、線材の裂断は回避されはするが、これに
よって接点面は最適に利用されてはいない。更にまた、経費の嵩む或る特定の処
理工程数が必要である。それに加えて、線材端部に残留する溶融したワニス残分
或いは線材端部を汚染する蒸発したワニス残分によって、電気的接続が不良にな
ることがある。
またワニス絶縁の施された線材を超音波ボンディングで接合する方法が、特開
平2−112249号公報に基づいて公知である。この場合は先ず線材端部が絶
縁除去され、次いで超音波と熱とを同時に作用させて
接合面にボンディングされる。絶縁除去は、接合面に隣接した面、しかも洗濯板
状の表面構造を有する面で行われる。其処で線材端部は超音波の作用下で、金属
線材を出現させるまで、さながら卸し金にかけるように磨滅され、次いで本来の
接合面へ移される。また前掲公開公報の特許出願人と同一の特許出願人による特
開平2−54947号公報に基づいて類似の方法が公知である。炭化したワニス
残分によって接合面を汚染する欠点は回避されはするが、各接合面に摩擦面を製
作することはテクノロジーの点から見て著しく経費がかかる。その上に、永続的
な電気的な接続を作るために処理中に必要な熱作用は、構成素子に不都合な負荷
をかけることになる。
慣用の処理方式は、技術的に厄介なかつ時間のかかる多数の処理工程から成り
、それによって生産コストを高める結果になる。
特開平6−61313号公報に基づいて、特に超音波ボンディングのために適
したボンディング工具が公知になっている。しかしながら、この公知のボンディ
ング工具によってボンディングされた線材は往々にして接点面に対する接合を部
分的にしか有していない場合がある。
発明の開示:
そこで本発明の課題は、接点面に付加的な金属膜を成膜しなくても充分な、ワ
ニス絶縁線材用の低廉にし
て確実なボンディング法並びに該方法を実施する装置を提供することである。
前記課題は、独立請求項の特徴部に記載した手段によって解決される。更なる
有利な構成は、従属請求項及び図面の詳細な説明から容易に推考することができ
る。
本発明の要旨は、ワニス絶縁線材を、2段階のボンディング法でチップの電気
的接点面に直接ボンディングする点にある。第1の処理段階において線材のワニ
ス層が破り開かれ、次いでこれに続く第2の処理段階で接合面と接合される。接
合面と接触させようとする線材下面のワニス層を破り開き、しかも線材上面のワ
ニス層には損傷を与えないようにするのが、殊に有利である。
本発明のボンディング法の格別有利な実施形態では、両処理段階が超音波で実
施される。
本発明の方法の利点は、線材端部の絶縁除去処理及び錫メッキ処理又は高価な
金メッキ処理或いは半導体チップの接点面のためのゴールド・バンプ(Gold−Bu
mp)法の実施を別々に行なう処理段階を先行させる必要なしに、確実な接点接続
が得られることである。ワニス層を円環状に除去する公知の方法とは異なって、
本発明では線材端部の下面側のワニス層だけが除去されるにすぎない。残留ワニ
ス層は結合部を耐久的に腐食から防護することができ、しかも電気的接続自体を
不良にすることはない。
更にまた、線材と接点面との間の結合域における負荷が著しく減少されるとい
う利点がある。それというのは第1に、超音波ボンディングでは熱作用はもはや
必要で無く、第2に、線材に生じる変形度は最適の接触抵抗を得るのに足る大き
さである反面、線材の裂損を防止するほど小さいからである。
処理操作は2つの処理段階において同じ線材端部でかつ実質的に接合面の同一
部位で実施される。接合工程中に線材端部をシフトするために超音波工具の高価
なシフトユニットの必要はない。
本発明の方法は、僅かに改変を加えた従来慣用のボンディングマシンを用いて
実施することができる。慣用のボンディングマシンにおいて使用することのでき
る構造の単純な特別のボンディング工具を使用するのが有利である。それという
のは慣用のボンディング工具は、構成素子のルーズな線材端部をガイドするのに
は適していないからである。
有利な実施形態ではボンディング工具は、電気的接触を生ぜしめようとする線
材下面側のワニス絶縁の剥離を助成し、しかも線材状面側のワニス面には損傷を
与えないように形成されていると同時に、最適の線材面を電気的な接点面と接触
させるように線材を変形させるのが有利である。
更に有利な実施形態では第1の処理段階において、
線材のワニス絶縁にも拘わらず、所謂「球−楔式」接触を生ぜしめるために線材
端部に溶融球を発生させることができる。耐久的な接合は第2の処理段階で行わ
れる。
図面の簡単な説明:
図1aは楔−楔式ボンディング装置用のボンディング工具の概略断面図である
。
図1bはボンディング工具の下面側の概略的な斜視図である。
図1cは2つの接合部の断面図である。
図2は特に球−楔式ボンディング装置用のボンディング毛管の断面図である。
図3は特に球−楔式ボンディング装置用の通し補助器を有するボンディング毛
管の断面図である。
発明を実施するための最良の形態:
次に図面に基づいて、本発明にとって重要な構成手段並びに実施形態を説明す
る。
例えばコイル及びその他の巻線部材のような構成素子と半導体チップとの間の
電気接点を製作するためには先ず、前記構成素子における巻線の万一の短絡を防
止しようとするための、ワニス保護層の絶縁が破り開かれねばならない。
これは、殊に含水性ワニスの場合には熱、マイクロ波のような電磁エネルギに
よって、或いは音響エネルギ、例えば周波数50kHz以上の超音波によって行
われる。入射エネルギの少なくとも一部分はワニス層内に吸収されて、其処でワ
ニスを破壊し、或いは熱作用の場合にはワニスは局所的に燃焼される。
次に説明したのは、所謂「楔−楔式(wedge-wedge)」ボンディング法である
。有利な実施形態では、該ボンディング法は超音波を作用させて行われる。
従来技術の超音波ボンディング法における慣用の超音波出力は約2ワット(W
)、慣用の圧着力は約0.2〜0.3Nである。
本発明による第1の処理段階では、慣用の超音波ボンディングのために使用さ
れる出力よりも高い第1超音波出力でワニス層が破り開かれる。それに加えて線
材が第1圧着力で電気的な接点面に押し付けられる。殊に有利には前記第1圧着
力は、零から、慣用よりも高い値まで変化することができる。第1超音波出力は
、約2ワットの慣用出力を特に少なくとも20%上回り、殊に有利には4〜5ワ
ットである。
第1圧着力は、ボンディング時の慣用圧着力0.2〜0.3Nよりも約1オー
ダー分だけ高いのが有利であり、殊に有利には1Nよりも大である。その圧着時
に線材下面のワニス保護層は、金属線材を出現させるほど強度に損傷を受ける。
その際に、破り開かれたワニス層の残分は、ボンディングすべき線材部のフラン
クの方へ向かって確実に押しずらされる。場合によってはワニス残分を除去、特
に吸出することも可能であ
る。
直接続く第2の処理段階において線材端部は、第2圧着力で、殊に有利には第
1の処理段階時よりも低い圧着力で接点面に圧着される。低い圧着力でとは云え
、該圧着力は、線材部のフランクに現在位置しているワニス残分による機械的な
抵抗を克服するに足る大きさでなければならない。慣用の線材太さが約50μm
直径である場合、第2圧着力は0.1〜5Nの範囲内にあり、殊に有利には0.
5〜1.5Nである。第2圧着力を別の線材太さに対して適合させるのが有利で
ある。超音波出力及び圧着力は第1と第2の処理段階において線材端部の同一域
及び接点面の同一域にその都度作用する。
超音波出力及び圧着力は、合計すれば、慣用の超音波ボンディング法の場合よ
りも著しく高いが、チップ接点面に損傷を与えないほど僅かである。接点面に対
面するワニス層下面が確実に破り開かれて除去されるのに対して、ワニス層上面
は実質的に無傷であり、かつ接合部を腐食から防護する。
前記の両処理段階を経た後には、構成素子特にコイルとチップ接点面との間に
電気的結合部が耐久的に形成されている。線材と接点面との間の保持力は、慣用
の冷間溶接された継手に匹敵することができる。しかしながら線材端部と接点面
との間の接合域の負荷並びに線材端部の変形は、熱圧法の場合よりも著しく僅か
である。
本方法は、ボンディングマシンに簡単な変更を加えて実施することができ、か
つ殊に有利には約10ワット及び5Nまでの所望の高さの超音波出力及び圧着力
を供与するボンディングマシンを用いて実施される。
図1に示したようにボンディング工具を単純化できるので特に有利である。ほ
ぼ円筒形の工具に典型的には30°〜60°の角度で穿設された斜向貫通孔と、
該貫通孔内へ導入されたボンディング線材を工具下面に沿って接点面に対して平
行にガイドする線材変向ガイド部とを有する慣用の高価な構造に代えて、本発明
では、より単純なボンディング工具1が使用され、該ボンディング工具の下面1
′は、線材直径に適合された細長い凹面状の切欠部2を有している(図1a)。
該切欠部2は、切開円筒のように成形されており、かつ該切開円筒の中心軸線に
対して平行に線材3がガイドされる。その場合、切欠部の深さは、各線材直径よ
りも小である。
従って特に有利な点は、ボンディング工具1が水平面で稼働し、かつ、例えば
コイルの、本来案内されていない線材端部3に面倒な通し操作を施す必要は無く
なり、それにも拘わらず、該線材端部3はボンディング時に確実にガイドされて
接点面4に圧着されることである。
特に有利な実施形態ではボンディング工具1は、電
気的接触を形成させようとする線材下面側のワニス層を破り開いて押し退ける動
作を助成し、しかも線材上面側のワニス層には損傷を与えることのないように成
形される。前記動作と同時に線材は、できるだけ大きな線材面を電気的な接点面
と接触させることができるように変形されるのが有利であり、勿論その場合、線
材裂断を生ぜしめるほど線材を過度に変形させる恐れが無いようにする。この手
段が図1bに図示されている。凹面状に成形された切欠部2の頂点線に沿って1
つの隆起部2.1が形成されており、該隆起部は線材端部の方に向いている。隆
起部2.1の高さは、切欠部2の深さよりも小である。該隆起部は細長く成形さ
れており、かつ切欠部2の頂点線に沿って長手方向に延びている。隆起部2.1
は尖端で終わるのが有利である。
図1cには、公知のボンディング工具と本発明のボンディング工具によって製
作された、ボンディング線材端部の2つの典型的な断面像の概略的な比較図が示
されている。公知の工具でボンディングされた線材端部3は実質的に縁部域で接
点面4と接合されている。線材端部3の内域は接点面4には接触していない。こ
れに対して本発明の工具でボンディングされた線材端部3は縁部域でも内域でも
共に接点面4と接触している。線材端部の上面には、隆起部2.1によって窪み
が圧刻されている。ボンディング動作時に、線材頂点
に対して作用する隆起部の付加的な圧力が、線材下面側のワニス層の破り開きと
、線材縁部へのワニス残分の押し退けとを助成する。前記窪みの両フランクに近
い小さな面域だけが接点面4に接触していない。
本発明の別の実施形態は球−楔式(ball-wedge)ボンディング法に関する。慣
用の球−楔式ボンディング法では、ボンディング毛管内に挿入された一方の線材
端部が、火花放電によって溶融される。こうして生成した溶融球は所望の接点面
に超音波でボンディングされる。しかしながら該方法は、線材に対する連続的な
導電接続を前提条件とし、従ってワニス絶縁された線材では実施することができ
ない。
本発明では線材端部の絶縁は、第1の処理段階において熱エネルギの作用によ
って破壊される。そのために第1の処理段階では、第1圧着力は省かれる。線材
は特別のボンディング毛管5内に挿入され、該ボンディング毛管は内径部5′と
サイドスリット6を有している(図2)。スリット幅は線材直径よりも僅かしか
広くない。線材を挿入した後、線材を確実に保持するために該サイドスリット6
は閉鎖することができる。この閉鎖は例えば、ボンディング毛管5に被せ嵌めら
れるスリーブによって、或いは線材の挿入時にすでにボンディング毛管5の上に
嵌装されているスリット付きリングによって行われるが、後者のスリット付きリ
ングに設けられているスリットのスリット幅は、ボン
ディング毛管5のサイドスリット6のスリット幅に少なくとも等しい。線材を挿
入した後、スリット付きリングは、ボンディング毛管5内のサイドスリット6が
スリット付きリングによって閉鎖されるように回動される。前記のスリット付き
リング及びスリーブは図2では図示を省かれている。
ボンディング毛管5内でガイドされる線材は、接点面に対面した下面側を火炎
によって溶融され、これと同時にこの線材領域の絶縁ワニス完全燃焼される。こ
の後に、前記第1例において説明したような第2の処理段階が続く。溶融された
線材端部にはワニス残分は全く存在しないので、圧着力と超音波エネルギは、場
合によっては第1例の場合よりも幾分低く選ぶことができる。
図3に示したように、ボンディング毛管7の、接点面4から離反した方の端部
に漏斗形の拡張部7′を設けて、これによって細い線材接続部の導入を容易にす
るのが、殊に有利である。例えばコイルの線材端部は、順次相前後して、又は同
時に導入されて溶融することができる。次いで前述したように例えば超音波によ
るチップ接点面との接合が続く。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1998年2月7日
【補正内容】
特開平6−61313号公報に基づいて、特に超音波ボンディングのために適
したボンディング工具が公知になっている。しかしながら、この公知のボンディ
ング工具によってボンディングされた線材は往々にして接点面に対する接合を部
分的にしか有していない場合がある。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第2161023号明細書には、線材を超音波
で接点面にボンディングするボンディング法が開示されている。この場合線材は
先ず超音波−前パルスでもって接点面に位置決めされ、次いで、より強いパルス
でもって接点面と溶接される。これによって線材は強い変形を受けており、しか
も加工域における線材の太さは、元の直径の約30%にすぎない。その場合線材
の(場合によって生成していた)酸化層或いは絶縁被覆層は、線材の上面側でも
、接点面寄りの下面側でも破り開かれる。線材上面側は防護されていず、かつ絶
縁残分が接点面に残留することがある。
発明の開示:
そこで本発明の課題は、接点面に付加的な金属膜を成膜しなくても充分な、ワ
ニス絶縁線材用の低廉にして確実なボンディング法並びに該方法を実施する装置
を提供することである。
前記課題は、独立請求項の特徴部に記載した手段によって解決される。更なる
有利な構成は、従属請求項
及び図面の詳細な説明から容易に推考することができる。
本発明の要旨は、ワニス絶縁線材を、2段階のボンディング法でチップの電気
的接点面に直接ボンディングする点にある。第1の処理段階において線材のワニ
ス層が破り開かれ、次いでこれに続く第2の処理段階で接合面と接合される。接
合面と接触させようとする線材下面のワニス層を破り開き、しかも線材上面のワ
ニス層には損傷を与えないようにするのが、殊に有利である。
本発明のボンディング法の格別有利な実施形態では、両処理段階が超音波で実
施される。
本発明の方法の利点は、線材端部の絶縁除去処理及び錫メッキ処理又は高価な
金メッキ処理或いは半導体チップの接点面のためのゴールド・バンプ(Gold−Bu
mp)法の実施を別々に行なう処理段階を先行させる必要なしに、確実な接点接続
が得られることである。ワニス層を円環状に除去する公知の方法とは異なって、
本発明では線材端部の下面側のワニス層だけが除去されるにすぎない。残留ワニ
ス層は結合部を耐久的に腐食から防護することができ、しかも電気的接続自体を
不良にすることはない。
更にまた、線材と接点面との間の結合域における負荷が著しく減少されるとい
う利点がある。それというのは第1に、超音波ボンディングでは熱作用はもはや
必要で無く、第2に、線材に生じる変形度は最適の接触抵抗を得るのに足る大き
さである反面、線材の裂損を防止するほど小さいからである。
処理操作は2つの処理段階において同じ線材端部でかつ実質的に接合面の同一
部位で実施される。接合工程中に線材端部をシフトするために超音波工具の高価
なシフトユニットの必要はない。
本発明の方法は、僅かに改変を加えた従来慣用のボンディングマシンを用いて
実施することができる。慣用のボンディングマシンにおいて使用することのでき
る構造の単純な特別のボンディング工具を使用するのが有利である。それという
のは慣用のボンディング工具は、構成素子のルーズな線材端部をガイドするのに
は適していないからである。
有利な実施形態ではボンディング工具は、電気的接触を生ぜしめようとする線
材下面側のワニス絶縁の剥離を助成し、しかも線材状面側のワニス面には損傷を
与えないように形成されていると同時に、最適の線材面を電気的な接点面と接触
させるように線材を変形させるのが有利である。
第1の処理段階では、線材のワニス絶縁にも拘わらず、所謂「球−楔式」接触
部を形成するために線材端部に溶融球を生成させることが可能である。耐久的な
結合は第2の処理段階で行われる。
図面の簡単な説明:
図1aは楔−楔式ボンディング装置用のボンディング工具の概略断面図である
。
図1bはボンディング工具の下面側の概略的な斜視図である。
図1cは2つの接合部の断面図である。
図2は特に球−楔式ボンディング装置用のボンディング毛管の断面図である。
図3は特に球−楔式ボンディング装置用の通し補助器を有するボンディング毛
管の断面図である。
発明を実施するための最良の形態:
次に図面に基づいて、本発明にとって重要な構成手段並びに実施形態を説明す
る。
例えばコイル及びその他の巻線部材のような構成素子と半導体チップとの間の
電気接点を製作するためには先ず、前記構成素子における巻線の万一の短絡を防
止しようとするための、ワニス保護層の絶縁が破り開かれねばならない。
これは、殊に含水性ワニスの場合には熱、マイクロ波のような電磁エネルギに
よって、或いは音響エネルギ、例えば周波数50kHz以上の超音波によって行
われる。入射エネルギの少なくとも一部分はワニス層内に吸収されて、其処でワ
ニスを破壊し、或いは熱作用の場合にはワニスは局所的に燃焼される。
次に説明したのは、所謂「楔−楔式(wedge-wedge)」ボンディング法である
。有利な実施形態では、該
ボンディング法は超音波を作用させて行われる。
従来技術の超音波ボンディング法における慣用の超音波出力は約2ワット、慣
用の圧着力は約0.2〜0.3Nである。
本発明による第1の処理段階では、慣用の超音波ボンディングのために使用さ
れる出力よりも高い第1超音波出力でワニス層が破り開かれる。それに加えて線
材が第1圧着力で電気的な接点面に押し付けられる。殊に有利には前記第1圧着
力は、零から、慣用よりも高い値まで変化することができる。第1超音波出力は
、約2ワットの慣用出力を特に少なくとも20%上回り、殊に有利には4〜5ワ
ットである。
第1圧着力は、ボンディング時の慣用圧着力0.2〜0.3Nよりも約1オー
ダー分だけ高いのが有利であり、殊に有利には1Nよりも大である。その圧着時
に線材下面のワニス保護層は、金属線材を出現させるほど強度に損傷を受ける。
その際に、破り開かれたワニス層の残分は、ボンディングすべき線材部のフラン
クの方へ向かって確実に押しずらされる。場合によってはワニス残分を除去、特
に吸出することも可能である。
直接続く第2の処理段階において線材端部は、第2圧着力で、殊に有利には第
1の処理段階時よりも低い圧着力で接点面に圧着される。低い圧着力でとは云え
、該圧着力は、線材部のフランクに現在位置している
ワニス残分による機械的な抵抗を克服するに足る大きさでなければならない。慣
用の線材太さが約50μm直径である場合、第2圧着力は0.1〜5Nの範囲内
にあり、殊に有利には0.5〜1.5Nである。第2圧着力を別の線材太さに対
して適合させるのが有利である。超音波出力及び圧着力は第1と第2の処理段階
において線材端部の同一域及び接点面の同一域にその都度作用する。
超音波出力及び圧着力は、合計すれば、慣用の超音波ボンディング法の場合よ
りも著しく高いが、チップ接点面に損傷を与えないほど僅かである。接点面に対
面するワニス層下面が確実に破り開かれて除去されるのに対して、ワニス層上面
は実質的に無傷であり、かつ接合部を腐食から防護する。
前記の両処理段階を経た後には、構成素子特にコイルとチップ接点面との間に
電気的結合部が耐久的に形成されている。線材と接点面との間の保持力は、慣用
の冷間溶接された継手に匹敵することができる。しかしながら線材端部と接点面
との間の接合域の負荷並びに線材端部の変形は、熱圧法の場合よりも著しく僅か
である。
本方法は、ボンディングマシンに簡単な変更を加えて実施することができ、か
つ殊に有利には約10ワット及び5Nまでの所望の高さの超音波出力及び圧着力
を供与するボンディングマシンを用いて実施される。
図1に示したようにボンディング工具を単純化できるので特に有利である。ほ
ぼ円筒形の工具に典型的には30°〜60°の角度で穿設された斜向貫通孔と、
該貫通孔内へ導入されたボンディング線材を工具下面に沿って接点面に対して平
行にガイドする線材変向ガイド部とを有する慣用の高価な構造に代えて、本発明
では、より単純なボンディング工具1が使用され、該ボンディング工具の下面1
′は、線材直径に適合された細長い凹面状の切欠部2を有している(図1a)。
該切欠部2は、切開円筒のように成形されており、かつ該切開円筒の中心軸線に
対して平行に線材3がガイドされる。その場合、切欠部の深さは、各線材直径よ
りも小である。
従って特に有利な点は、ボンディング工具1が水平面で稼働し、かつ、例えば
コイルの、本来案内されていない線材端部3に面倒な通し操作を施す必要は無く
なり、それにも拘わらず、該線材端部3はボンディング時に確実にガイドされて
接点面4に圧着されることである。
特に有利な実施形態ではボンディング工具1は、電気的接触を形成させようと
する線材下面側のワニス層を破り開いて押し退ける動作を助成し、しかも線材上
面側のワニス層には損傷を与えることのないように成形される。前記動作と同時
に線材は、できるだけ大きな線材面を電気的な接点面と接触させることができる
ように変形されるのが有利であり、勿論その場合、線材裂断を生ぜしめるほど線
材を過度に変形させる恐れが無いようにする。この手段が図1bに図示されてい
る。凹面状に成形された切欠部2の頂点線に沿って1つの隆起部2.1が形成さ
れており、該隆起部は線材端部の方に向いている。隆起部2.1の高さは、切欠
部2の深さよりも小である。該隆起部は細長く成形されており、かつ切欠部2の
頂点線に沿って長手方向に延びている。隆起部2.1は尖端で終わるのが有利で
ある。
図1cには、公知のボンディング工具と本発明のボンディング工具によって製
作された、ボンディング線材端部の2つの典型的な断面像の概略的な比較図が示
されている。公知の工具でボンディングされた線材端部3は実質的に縁部域で接
点面4と接合されている。線材端部3の内域は接点面4には接触していない。こ
れに対して本発明の工具でボンディングされた線材端部3は縁部域でも内域でも
共に接点面4と接触している。線材端部の上面には、隆起部2.1によって窪み
が圧刻されている。ボンディング動作時に、線材頂点に対して作用する隆起部の
付加的な圧力が、線材下面側のワニス層の破り開きと、線材縁部へのワニス残分
の押し退けとを助成する。前記窪みの両フランクに近い小さな面域だけが接点面
4に接触していない。
本発明の別の実施形態は球−楔式(ball-wedge
)ボンディング法に関する。慣用の球−楔式ボンディング法では、ボンディング
毛管内に挿入された一方の線材端部が、火花放電によって溶融される。こうして
生成した溶融球は所望の接点面に超音波でボンディングされる。しかしながら該
方法は、線材に対する連続的な導電接続を前提条件とし、従ってワニス絶縁され
た線材では実施することができない。
線材端部の絶縁は、第1の処理段階において熱エネルギの作用によって破壊す
ることもできる。そのために第1の処理段階では、第1圧着力は省かれる。線材
は特別のボンディング毛管5内に挿入され、該ボンディング毛管は内径部5′と
サイドスリット6を有している(図2)。スリット幅は線材直径よりも僅かしか
広くない。線材を挿入した後、線材を確実に保持するために該サイドスリット6
は閉鎖することができる。この閉鎖は例えば、ボンディング毛管5に被せ嵌めら
れるスリーブによって、或いは線材の挿入時にすでにボンディング毛管5の上に
嵌装されているスリット付きリングによって行われるが、後者のスリット付きリ
ングに設けられているスリットのスリット幅は、ボンディング毛管5のサイドス
リット6のスリット幅に少なくとも等しい。線材を挿入した後、スリット付きリ
ングは、ボンディング毛管5内のサイドスリット6がスリット付きリングによっ
て閉鎖されるように回動される。前記のスリット付きリング及びスリーブは図2
では図示を省かれている。
請求の範囲
1.ワニス絶縁された線材端部の絶縁を剥離除去し、該線材端部を接点面に圧着
し、かつ該線材端部を電磁エネルギ及び/又は音響エネルギで負荷し、しかも第
1の処理段階で前記線材端部のワニス層を第1エネルギの供給によって破壊し、
かつ第2の処理段階で線材を第2エネルギの供給によって接点面と耐久的に結合
する形式の、ワニス絶縁された線材端部を接点面と導電結合する方法において、
第1の処理段階で線材端部のワニス層を部分的に破壊し、しかも前記線材端部の
1区域を第1圧着力で接点面に圧着しかつ第1エネルギの供給によって負荷し、
かつ、これに続く第2の処理段階で前記線材端部の同一区域を、より低い第2圧
着力によって前記接点面に圧着しかつ第2エネルギの供給によって負荷して該接
点面と導電結合することを特徴とする、ワニス絶縁された線材端部を接点面と導
電結合する方法。
2.第1圧着力が1Nよりも大きい、請求項1記載の方法。
3.第2圧着力が0.1N〜5Nである、請求項1又は2記載の方法。
4.第2圧着力が 0.5N−1.5Nである、請求項1から3までのいずれか
1項記載の方法。
5.線材端部を50kHzを上回る周波数の超音波
で負荷する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
6.第1の処理段階における第1超音波出力が2.4ワットより大である、請求
項1から5までのいずれか1項記載の方法。
7.第1の処理段階における第1超音波出力が3.9ワットより大である、請求
項1から6までのいずれか1項記載の方法。
8.第1処理段階における第1超音波出力が最高10ワットである、請求項1か
ら7までのいずれか1項載の方法。
9.第2の処理段階では線材端部を1ワット〜5ワットの第2超音波出力で負荷
する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
10.第1の処理段階では線材端部を熱エネルギで負荷する、請求項1から9まで
のいずれか1項記載の方法。
11.第1の処理段階では線材端部をマイクロ波エネルギで負荷する、請求項1か
ら10までのいずれか1項記載の方法。
12.線材端部の方に向けて出射される音響エネルギ及び/又は電磁エネルギを発
生する少なくとも1つのエネルギ源並びに、線材端部が結合のために供給される
ボンディング工具を備え、該ボンディング工具が、接点面に対面した下面に沿っ
て、凹面状に成形
された細長い切欠部(2)を有し、かつ該切欠部の深さが線材直径よりも小であ
る形式の、特に請求項1記載のワニス絶縁された線材端部と接点面とを導電結合
する方法を実施する装置において、切欠部(2)が頂点域に、前記線材端部の方
に向いた実質的に細長く成形された凸面状の隆起部(2.1)を有していること
を特徴とする、ワニス絶縁された線材端部と接点面とを導電結合する装置。
13.隆起部(2.1)の高さが切欠部(2)の深さよりも小である、請求項12
記載の装置。
14.第1の処理段階における熱エネルギによる負荷時に線材端部がボンディング
毛管(5,7)内をガイドされている、請求項12又は13記載の装置。
15.ボンディング毛管(5)が、毛管縦軸線に沿って1つのサイドスリット(6
)を有している、請求項14記載の装置。
16.鉛直のサイドスリットの幅が、線材端部の直径よりも最高50%広い、請求
項15記載の装置。
17.ボンディング毛管(7)が、接点面から離反した方の側に漏斗形の拡張部(
7′)を有している、請求項15又は16記載の装置。
18.線材端部と接点面間の圧着力が調整可能である、請求項13から17までの
いずれか1項記載の装置。
19.線材端部と接点面間の圧着力が最高5Nまで選択
可能である、請求項18記載の装置。
20.装置のエネルギ源が超音波源である、請求項13記載の装置。
21.超音波源の出力が0〜10ワットの範囲内で選択可能である、請求項20記
載の装置。
補正の内容
(1) 補正書の翻訳文の第1頁第1行〜第6行記載の「特開平6−61313号
公報 … … … 場合がある。」を削除します。
(2) 同第1頁第19行〜第3頁第20行記載の「そこで本発明の課題は、 …
… 変形させるのが有利である。」を削除します。
(3) 同第5頁第5行〜第8頁第10行記載の「本発明による … … … 終
わるのが有利である。」を削除します。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.ワニス絶縁された線材端部の絶縁を除去し、該線材端部を接点面に圧着し、 かつ該線材端部を電磁エネルギ及び/又は音響エネルギで負荷する形式の、ワニ ス絶縁された線材端部を接点面と導電結合する方法において、第1の処理段階で 線材端部のワニス層を部分的に破壊し、しかも前記線材端部の1区域を第1圧着 力で接点面に圧着しかつ第1電磁エネルギ及び/又は第1音響エネルギの供給に よって負荷し、かつ、これに続く第2の処理段階で前記線材端部の同一区域を第 2圧着力によって前記接点面に圧着しかつ第2電磁エネルギ及び/又は第2音響 エネルギの供給によって負荷しかつ該接点面と導電結合することを特徴とする、 ワニス絶縁された線材端部を接点面と導電結合する方法。 2.第1と第2の処理段階で線材端部を実質的に接点面の同一区域に圧着する、 請求項1記載の方法。 3.線材端部を、1Nより大きな第1圧着力で接点面に圧着する、請求項1又は 2記載の方法。 4.線材端部を、0.1N〜5Nの第2圧着力で接点面に圧着する、請求項1又 は2記載の方法。 5.線材端部を、0.5N〜1.5Nの第2圧着力で接点面に圧着する、請求項 1又は2記載の方法。 6.線材端部を先ず比較的大きな第1圧着力で、次い でより小さな第2圧着力で接点面に圧着する、請求項1から5までのいずれか1 項記載の方法。 7.線材端部を50kHzを上回る周波数の超音波で負荷する、請求項1から6 までのいずれか1項記載の方法。 8.第1の処理段階における第1超音波出力が2.4Wより大である、請求項1 から7までのいずれか1項記載の方法。 9.第1の処理段階における第1超音波出力が3.9Wより大である、請求項1 から8までのいずれか1項記載の方法。 10.第2の処理段階では線材端部を1W〜5Wの第2超音波出力で負荷する、請 求項1から9までのいずれか1項記載の方法。 11.第1の処理段階では線材端部を熱エネルギで負荷する、請求項1から10ま でのいずれか1項記載の方法。 12.第1の処理段階では線材端部をマイクロ波エネルギで負荷する、請求項1か ら11までのいずれか1項記載の方法。 13.ワニス絶縁された線材端部の絶縁を除去し、該線材端部を接点面に圧着し、 かつ該線材端部を電磁エネルギ及び/又は音響エネルギで負荷する形式の、ワニ ス絶縁された線材端部を接点面と導電結合する方法において、第1の処理段階で 線材端部のワニス 層を少なくとも部分的に破壊し、しかも前記線材端部の1区域を第1電磁エネル ギ及び/又は第1音響エネルギの供給によって負荷し、かつ、これに続く第2の 処理段階で前記線材端部の同一区域を第2圧着力で接点面に圧着しかつ第2電磁 エネルギ及び/又は第2音響エネルギの供給によって負荷しかつ該接点面と導電 結合することを特徴とする、ワニス絶縁された線材端部を接点面と導電結合する 方法。 14.第1の処理段階では線材端部を熱エネルギで負荷する、請求項13記載の方 法。 15.第1の処理段階では線材端部をマイクロ波エネルギで負荷する、請求項13 記載の方法。 16.第2の処理段階では線材端部を、1W〜5Wの第2超音波出力で負荷する、 請求項13記載の方法。 17.0.1N〜5Nの第2圧着力で線材端部を接点面に圧着する、請求項13記 載の方法。 18.0.5N〜1.5Nの第2圧着力で線材端部を接点面に圧着する、請求項1 3記載の方法。 19.特に請求項1又は13記載のワニス絶縁された線材端部と接点面とを導電結 合する方法を実施する装置において、装置が、音響エネルギ及び/又は電磁エネ ルギを発生する少なくとも1つのエネルギ源を有し、かつ前記エネルギを線材端 部の方向に出射することを特徴とする、ワニス絶縁された線材端部と接点面とを 導電結合する装置。 20.超音波エネルギで結合するために線材端部がボンディング工具(1)内でガ イドされており、該ボンディング工具が、接点面に面した下面に沿って、凹面状 に成形された細長い切欠部(2)を有し、該切欠部が頂点域に、前記線材端部の 方に向いた実質的に細長く成形された凸面状の隆起部(2.1)を有している、 請求項19記載の装置。 21.ボンディング工具(1)の下面に設けた切欠部(2)の深さが、線材端部の 直径よりも小である、請求項20記載の装置。 22.隆起部(2.1)の高さが切欠部(2)の深さよりも小である、請求項20 記載の装置。 23.第1の処理段階における熱エネルギによる負荷時に線材端部がボンディング 毛管(5,7)内をガイドされている、請求項19から22までのいずれか1項 記載の装置。 24.ボンディング毛管(5)が、毛管縦軸線に沿って1つのサイドスリット(6 )を有している、請求項23記載の装置。 25.鉛直のサイドスリットの幅が、線材端部の直径よりも最高50%広い、請求 項24記載の装置。 26.ボンディング毛管(7)が、接点面から離反した方の側に漏斗形の拡張部( 7′)を有している、請求項23又は24記載の装置。 27.線材端部と接点面間の圧着力が調整可能である、 請求項19から26までのいずれか1項記載の装置。 28.線材端部と接点面間の圧着力が5Nまで選択可能である、請求項27記載の 装置。 29.装置のエネルギ源が超音波源である、請求項19記載の装置。 30.超音波源の出力が0〜10Wの範囲で選択可能である、請求項29記載の装 置。
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