JPH11529A - 脂肪族ハロゲン化炭化水素の触媒分解法 - Google Patents

脂肪族ハロゲン化炭化水素の触媒分解法

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JPH11529A
JPH11529A JP9167912A JP16791297A JPH11529A JP H11529 A JPH11529 A JP H11529A JP 9167912 A JP9167912 A JP 9167912A JP 16791297 A JP16791297 A JP 16791297A JP H11529 A JPH11529 A JP H11529A
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Japan
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cfc
aliphatic
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fluoride
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JP9167912A
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English (en)
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Yoshimichi Takemoto
喜道 竹本
Masaichi Takahashi
政一 高橋
Yoshiyuki Takemura
禎之 竹村
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Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Komatsu Ltd
Research Development Corp of Japan
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オゾン層の破壊係数の大きい冷媒用フロンで
あるCFC−12(ジクロロジフルオロメタン)などの
脂肪族ハロゲン化物の触媒分解法として、二次公害源と
なる低級モノハロアルキルやCFC−13を副生しない
新規な方法を提供する。 【解決手段】 脂肪族ハロゲン化物を触媒の存在下に分
解する方法において、脂肪族ハロゲン化物を、(i) 脂肪
族低級アルコールの存在下、及び、(ii) 主触媒として
フッ化第二鉄及び/又は塩化第二鉄、助触媒としてフッ
化第二銅及び/又は塩化第二銅、とからなる二元触媒を
活性アルミナに担持させて調製した担持触媒の存在下、
で処理することを特徴とする脂肪族ハロゲン化物の触媒
分解法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オゾン層を破壊す
るクロロフルオロカーボン(chlorofluorocarbons; C
FCs )、特に生産が中止されたオゾン層の破壊係数が
大きい特定フロンの触媒による分解法(以下、触媒分解
法という。)に関する。更に詳しくは、本発明は、特定
フロン、例えば家庭用あるいは業務用冷蔵庫の冷媒とし
て使用されているジクロロジフルオロメタン(以下、C
FC−12と略記することがある。)などの脂肪族ハロ
ゲン化物の完全無害化のための新規な触媒分解法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】オゾン層を破壊する特定フロンなどの脂
肪族ハロゲン化物の触媒分解法として、従来より下記に
示されるように種々の提案がなされている。
【0003】(i) 特開平5−154346号公報(特願
平3−348642号):これは一成分系の触媒、例え
ば活性炭に担持した塩化第二鉄などの金属ハロゲン化物
の触媒系において、脂肪族の低級アルコールの存在下に
1,1,2,2−テトラクロロジフルオロエタン(CF
C−112)や1,1,2−トリクロロトリフルオロエ
タン(CFC−113)などの脂肪族ハロゲン化物を1
00〜400℃の温度条件下で分解するものである。前
記した触媒分解法において、脂肪族ハロゲン化物はCO
やCO2 に分解され、塩素は塩化アルキル(例えば塩化
メチル)として回収され、かつ、フッ素はフッ化水素と
して回収される。
【0004】(ii) 特開平6−327786号公報(特
願平5−141273号):これは、前記(i)方式にお
いては触媒系が経時的に低活性となることに鑑み、この
問題を改善しようとするものである。即ち、この(ii)方
式は、(1).触媒系を主/助触媒の二成分系とするととも
に、(2).主触媒の金属ハロゲン化物が反応時間の経過と
ともに酸化物(低活性種)になるが、これを助触媒によ
りハロゲン化物に復元させて触媒活性の長期化を図る点
に特徴がある。前記(ii)方式の具体的な触媒系は、Fe
3 /Cu X2 /C(担体:活性炭)から成るものであ
る。
【0005】(iii) 特開平8−141108号公報(特
願平6−308346号):これは、前記(ii)方式の二
成分系の触媒において、脂肪族ハロゲン化物としてジク
ロロジフルオロメタン(CFC−12)を分解する場
合、100%分解率を達成するためには約360℃の分
解温度を必要とすることに鑑み、分解温度を更に低温領
域側にシフトさせ工業的実用化を図ろうとするものであ
る。
【0006】前記(iii)方式の最大の特徴点は、触媒を
三成分系とし、分解温度をより低温サイドへ低下させよ
うとするものである。即ち、前記(iii)方式は、脂肪族
ハロゲン化物を、低級アルコールの存在下、かつ、(1).
2b族,6a族,7a族,及び8族の金属ハロゲン化物
から選ばれる第一成分、(2).1b族(銅族)の金属ハロ
ゲン化物から選ばれる第二成分、及び、(3).1a族及び
2a族の金属ハロゲン化物から選ばれる第三成分、から
なる三成分系の触媒のもとで分解することを特徴とする
ものであり、例えば、CFC−12は約300℃で分解
できるというメリットを有するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、オゾ
ン層を破壊する原因物質である特定フロンの触媒分解法
は一定の前進をみせているが、例えば家庭用及び業務用
冷蔵庫あるいはカーエアコンに使用されている冷媒用フ
ロンであるCFC−12を分解したとき、以下に示す課
題がある。
【0008】特定フロン、例えば家庭用及び業務用冷蔵
庫あるいはカーエアコンなどの冷媒用フロンとして広く
使用されて来たCFC−12は、前記した従来の触媒分
解法により分解すると、詳しくは後述するが、CFC−
12の分解反応生成物として無害化が困難なモノクロロ
トリフルオロメタン(CFC−13)を副生したり、あ
るいは反応系に供給される低級アルコールから低級モノ
ハロアルキル(例えば塩化メチル;CH3Cl)が副生さ
れる。
【0009】前記したモノクロロトリフルオロメタン
(CFC−13)は、CFC−12(ジクロロジフルオ
ロメタン)の一個の塩素原子がフッ素原子で置換された
ものであり、これもオゾン層を破壊する原因物質であ
る。従って、CFC−12の触媒分解法において、CF
C−13の副生が防止される方法が強く望まれている。
【0010】また、前記した低級モノハロアルキル(例
えば塩化メチル)は、一定の用途を有するものの高付加
価値の副生物とはいえず、触媒分解法として低級モノハ
ロアルキルを副生しない分解法が望まれる。即ち、前記
低級モノハロアルキルも脂肪族ハロゲン化物の一種であ
り、これを無害化するためには他の酸化触媒による分解
や燃焼分解といった負荷が要求される。
【0011】本発明は前記した従来法の限界を克服し、
脂肪族ハロゲン化物、例えばCFC−12の触媒分解法
として低級モノハロアルキルやCFC−13などを副生
しない新規な方法を提供しようとするものである。
【0012】本発明者らは、前記従来法の限界について
鋭意検討した結果、脂肪族ハロゲン化物、例えばCFC
−12を触媒分解するに際し、触媒系を第一成分(主触
媒)としてのフッ化第二鉄(III)及び又は塩化第二鉄(II
I)、第二成分(助触媒)としてのフッ化第二銅(II)及び
/又は塩化第二銅(II)で構成するとともに、分解反応温
度を従来法が指向した温度領域よりも高めに設定するこ
とにより、低級モノハロアルキルの副生が完全に防止さ
れることを見い出した。
【0013】また、本発明者らは、前記特定の二成分系
の触媒と分解温度のもとで、CFC−12(ジクロロジ
フルオロメタン)の一個の塩素原子がフッ素原子で置換
した無害化が困難なモノクロロトリフルオロメタン(C
FC−13)の副生をも完全に抑制されることを見い出
した。
【0014】更にまた、本発明者らは、CFC−12な
どの脂肪族ハロゲン化物を従来よりも高温サイドで触媒
分解することから前記二成分系触媒を耐熱性に優れた活
性アルミナに担持させた場合、長期に高活性が維持され
たことを見い出した。
【0015】本発明は、前記した知見をベースにして完
成されたものである。本発明により、オゾン層の破壊係
数の大きい特定フロンとして位置づけられているCFC
−12(ジクロロジフルオロメタン)などの脂肪族ハロ
ゲン化物を完全に無害化できる効率的かつ経済的な脂肪
族ハロゲン化物の触媒分解法が提供される。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は、脂肪族ハロゲン化物を触媒の存在下に分解する
方法において、脂肪族ハロゲン化物を、(i) 脂肪族低級
アルコールの存在下、及び、(ii) 主触媒としてフッ化
第二鉄及び/又は塩化第二鉄、助触媒としてフッ化第二
銅及び/又は塩化第二銅、とからなる二元触媒を活性ア
ルミナに担持させて調製した担持触媒の存在下、で処理
することを特徴とする脂肪族ハロゲン化物の触媒分解法
に関するものである。
【0017】本発明は、特に、前記担持触媒の耐熱性、
耐久性に鑑み、前記担持触媒の存在下に従来技術が指向
した分解温度よりも高温サイド、例えば400〜500
℃の温度領域において脂肪族ハロゲン化物を分解し、低
級モノハロアルキルなどの有害物質の副生を完全に防止
した新規な脂肪族ハロゲン化物の触媒分解法を提供しよ
うとするものである。
【0018】以下、本発明の技術的構成及び実施態様を
詳しく説明する。
【0019】本発明は、前記したように公害対策上、緊
急の問題になっているクロロフルオロカーボン(CFC
s )などの脂肪族ハロゲン化物の従来の触媒分解法の限
界を克服しようとするものである。前記したように脂肪
族ハロゲン化物の触媒分解法として、脂肪族低級アルコ
ールの存在下に、(i) 特開平6−327786号公報に
は二成分系触媒、または、(ii) 特開平8−14110
8号公報には三成分系触媒、を用いて分解する方法が開
示されているが、これらの触媒分解法においては、例え
ばオゾン層の破壊係数が大きい特定フロンとしてのCF
C−12を分解するとき、前記分解反応系に供給される
脂肪族低級アルコールに依存して、必然的に塩化メタン
(モノクロロメタン)などの一価のハロゲン化炭化水素
(以下、低級モノハロアルキルともいう。)が副生す
る。前記した低級モノハロアルキルは、再利用のほかは
他の分解技術により無害化されなければならないもので
ある。
【0020】前記した従来法における低級モノハロアル
キルの副生反応は、以下のように示すことができる。即
ち、CFC−12を脂肪族低級アルコールであるメタノ
ールの存在下で触媒分解するときの反応式は以下の通り
である。 CF2 Cl2(CFC−12)+2CH3OH →CO2 +2CH3Cl +2HF ………(1) CF2 Cl2(CFC−12)+3CH3OH →CO+CH2O+2CH3Cl +2HF+H2O …………(2)
【0021】前記した反応式(1)〜(2)が示すように、触
媒分解系に供給されるメタノールなどの脂肪族低級アル
コールは、そのOH基はCFC−12の塩素原子と置換
され、低級モノハロアルキルを副生する。このため、低
級モノハロアルキルを副生させない触媒分解法が要求さ
れる。
【0022】また、前記した従来の触媒分解法において
は、必然的にCFC−12(ジクロロジフルオロメタ
ン)の一個の塩素原子がフッ素原子で置換した無害化が
困難なモノクロロトリフルオロメタン(CFC−13)
も副生することになる。
【0023】前記CFC−12(CF2Cl2)の触媒分
解時のCFC−13(CF3Cl)の副生は、次の反応式
により示すことができる。 CF2 Cl2 →・CF2Cl +・Cl ………(3) CF2 Cl2 →・CFCl2 +・F ………(4) ・CF2 Cl +・F→CF3Cl ………(5)
【0024】前記したCFC−13(CF3Cl)の副生
は、オゾン層の破壊係数が大きいものであり、公害対策
上、別途の無害化処理が必要なものである。このため、
前記CFC−13を副生させない触媒分解法が要求され
る。
【0025】前記した従来のクロロフルオロカーボン
(CFCs )などの脂肪族ハロゲン化物の触媒分解法、
例えばCFC−12の触媒分解法における低級モノハロ
アルキルとCFC−13の副生の問題は、本発明により
効果的に解決される。
【0026】本発明のCFC−12などの脂肪族ハロゲ
ン化物の触媒分解法の特徴点は、次の通りである。 (i) 触媒として次の二成分系を採用する。 (a) 第一成分(主触媒):フッ化第二鉄(III)及び/又
は塩化第二鉄(III). (b) 第二成分(助触媒):フッ化第二銅(II)及び/又は
塩化第二銅(II). (ii) 前記二成分系触媒を耐熱性に優れた酸化アルミニ
ウム担体に担持させて調製した担持触媒を採用する。 (iii) CFC−12などの脂肪族ハロゲン化物の触媒分
解系に、反応物として脂肪族低級アルコールを供給す
る。 (iv) 触媒分解系の反応温度として、前記した低級モノ
ハロアルキル、及びCFC−13の副生が許容できる条
件、より具体的には、400℃以上を設定する。
【0027】本発明の前記したCFC−12などの脂肪
族ハロゲン化物の触媒分解法は、後述する実施例に示さ
れるように、従来法の課題である低級モノハロアルキル
やCFC−13の副生の問題を効果的に解決することが
できる。この点は、本発明の触媒系の選択性と分解温度
の設定に依存するものと認められるが、従来法に対する
大きな特徴点である。
【0028】本発明の前記二成分系触媒を活性アルミナ
に担持させた担持触媒のもとでの脂肪族ハロゲン化物、
例えばCFC−12を触媒分解する方法において、その
分解反応は、前記従来法の反応式(1)〜(2)と比較するた
めに示すと、次の通りである。 CF2 Cl2(CFC−12)+3CH3OH →CO+CO2 +2CH4 +2HCl +2HF ………(6) 即ち、本発明の脂肪族ハロゲン化物の触媒分解法におい
ては、塩化メチルやCFC−13の副生が効果的に防止
され、かつメタン(CH4)が副生する。前記メタン
は、本発明の触媒分解法の燃料などとして有効活用され
る。
【0029】本発明のCFC−12などの脂肪族ハロゲ
ン化物の触媒分解法において、主触媒(第一成分)は、
フッ化第二鉄(III)[Fe F3 ]及び/又は塩化第二鉄
(III)[Fe Cl3 ]で構成される。
【0030】本発明のCFC−12などの脂肪族ハロゲ
ン化物の触媒分解法において、助触媒(第二成分)は、
フッ化第二銅(II)[Cu F2 ]及び/又は塩化第二銅(I
I)[Cu Cl2 ]で構成される。
【0031】本発明の主/助触媒系のデザイン思想は、
主触媒のフッ化第二鉄(III)及び/又は塩化第二鉄(III)
の経時的活性低下を助触媒のフッ化第二銅(II)及び/又
は塩化第二銅(II)により防止する点にある。即ち、主触
媒のフッ化第二鉄(III)及び/又は塩化第二鉄(III)は反
応時間の経過とともに低活性種の低次のフッ化物または
塩化物になるが、これを助触媒により初期の高次のフッ
化物または塩化物に復元させようとするものである。
【0032】前記した点を、フッ化第二鉄(III) とフッ
化第二銅(II)の触媒系で説明する。 (i) 本発明のCFC−12の触媒分解法において、反応
時間の経過とともに主触媒のフッ化第二鉄(III)は、下
記反応式(7)に示されるように、アルコール(CH3
H)と反応してフッ化第一鉄(II)になる。なお、前記フ
ッ化第一鉄(II)は当初のフッ化第二鉄(III)よりも触媒
活性が低いものである。 2Fe F3 +CH3 OH =2Fe F2 +2HF+HCHO ………(7)
【0033】(ii) しかしながら本発明のCFC−12
の触媒分解法において、助触媒としてフッ化第二銅を使
用すると、下記反応式(8)に示されるように、前記フッ
化第一鉄はフッ化第二銅と反応して、主触媒のフッ化第
二鉄となる。これにより、触媒系の高活性が持続される
ことになる。 Fe F2 +Cu F2 =Fe F3 +Cu F ………(8)
【0034】一方、前記反応式(8)により生成し、かつ
触媒系に蓄積するフッ化第一銅は、触媒系の賦活化(活
性化)処理により出発物質に復元させることができる。
前記触媒系の賦活化処理は、CFC−12などの脂肪族
ハロゲン化物の触媒分解を所望時間行なった後、触媒系
を酸素あるいは所望の酸化剤の存在下に行なえばよい。
前記触媒系の賦活化処理は、下記反応式式(9)で示すこ
とができ、前記反応式(8)により生成するフッ化第一銅
はフッ化第二銅に復元される。 4Cu F+4HF+O2 =4Cu F2 +2H2 O ………(9) なお、前記反応式(9)において、フッ化水素(HF)
は、CFC−12などの脂肪族ハロゲン化物の分解反応
時に生成し、かつ触媒系に付着しているものを利用すれ
ばよい。あるいは、触媒系の賦活化処理時に供給しても
よい。
【0035】前記したように、反応式(7)〜(9)で示され
る反応の間にはサイクルする一連の反応が成立し、二成
分触媒(主/助触媒)の反応活性が長期にわたり維持さ
れることになる。
【0036】本発明において、前記二成分系の触媒は、
所望の担体に担持されて使用できることはいうまでもな
いことである。前記した担体としては、活性炭、アルミ
ナ、活性アルミナなどが使用されるが、特に活性アルミ
ナ(Al23)が好ましい。多孔質担体として活性アル
ミナが好ましいのは、前記したように例えばCFC−1
2の触媒分解法において、低級モノハロアルキル及びC
FC−13の副生を防止する観点から、反応温度条件を
比較的高めに維持すること、より具体的には400℃以
上、更に具体的には450〜550℃に維持することが
好ましいためである。前記した反応温度条件の観点か
ら、活性炭よりも活性アルミナが好ましいことはいうま
でもないことである。なお、活性炭の場合、前記した高
温サイドでの分解条件のもとにおいて、活性炭は燃焼す
るという危険性がある。
【0037】本発明において、前記活性アルミナとして
は、市販のものを使用することができ、特段に制約を受
けない。前記活性アルミナの諸特性の一例を示すと、以
下の通りである。 <見掛密度> 0.71g/cc <比表面積> 187m2/g(B・E・T法)
【0038】前記多孔質担体としての活性アルミナにお
いて、その形状は、脂肪族ハロゲン化物の分解反応を気
相流通式で行なうため、粒状のもの、そのほか球状ある
いは円筒状の粒状のもの、など所望形状のものが使用で
きる。粒子の大きさは、反応様式を流動床式とするかあ
るいは固定床式とするかなどにより、適宜選択すればよ
い。
【0039】本発明において、前記触媒系(主/助触
媒)の活性アルミナ(Al23)への担持方法は、例え
ば前記金属ハロゲン化物の均一水溶液に活性アルミナを
入れてよく混合含浸させた後、乾燥する、いわゆる含浸
法で調製することができる。本発明において、前記金属
ハロゲン化物の活性アルミナへの担持量は、特に制限さ
れないが、0.005〜0.05mol/100g活性アル
ミナ程度が好ましい。そのほか、触媒の調製に当たり、
触媒成分の揮散防止や融点調製等のために、第三成分を
加えることも可能である。
【0040】本発明において、前記脂肪族低級アルコー
ルは、以下に示す観点から使用されるものである。一般
に、ハロゲン化炭化水素の脱ハロゲン化反応が、アルミ
ナの存在下にアルコール類により生起されることが知ら
れている。例えば、L.Andrussow等は、アルミナ上で
1,1,2,2−テトラクロロエタンとメタノ−ルを反
応させると、トリクロロエチレンと塩化メチルが生成す
ることを報告している[Chem,Proc,Eng.,Vol 148,4
1(1967)]。また、篠田等は、1,1,2−トリクロロ
エタンその他の塩素化アルカンとメタノールの共熱分解
について、一連の研究を報告している[Chem,Lett.,8
77(1973):日化,316,661,1637(1975)]。
【0041】本発明において、脂肪族低級アルコール
は、前記したようにハロゲンの受け皿剤として使用する
ものである。低級アルコールとしては、炭素数が6程度
までのアルコールをあげることができ、実用上は、副生
物等の利用を考慮して選択され、炭素数1〜4のアルコ
ールが有利に使用される。これらのアルコールとして、
メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノー
ル、ターシャリーブチルアルコール等が例示できる。反
応に供する脂肪族低級アルコールは、必ずしも単一のも
のである必要はなく、混合物も使用することができる。
【0042】本発明の脂肪族ハロゲン化物の触媒分解法
において、例えば冷媒用フロンとしてのCFC−12
(ジクロロジフルオロメタン)の分解機構は必ずしも明
らかではないが、見掛け上、従来技術の低温領域での前
記反応式(1)〜(2)に示されるように低級アルコールの水
酸基の一つがCFC−12のハロゲンの一つと反応する
ことにより分解が進行するのではなく、別言すれば、低
級アルコールの水酸基部分がハロゲンで置換された低級
モノハロアルキルに変化するこにより分解が進行するの
ではなく、高温領域においては前記反応式(6)に示され
るように、CFC−12は、メタン化及び二酸化炭素、
一酸化炭素、ハロゲン化水素(HCl、HF)に分解さ
れる。本発明において、CFC−12の1モルを分解す
るには、前記反応式(6)に示されるように化学量論上、
3モルのメタノールが必要であるが、過剰量のアルコー
ルを供給してもよい。また、アルコールの供給態様は、
多段階式に供給するなど、所望の供給態様を採用すれば
よい。
【0043】本発明のCFC−12などの脂肪族ハロゲ
ン化物の触媒分解法において、反応温度(分解温度)
は、好ましくは400℃以上に設定されるべきである。
反応温度(分解温度)が400℃以下の低温度領域にお
いては、低級モノハロアルキル及びCFC−13の副生
が多くなるので好ましくない。また、反応温度(分解温
度)が400℃以下の領域においては、特定フロンの分
解率の点において、担持体を活性炭とし、かつ同じ触媒
成分を用いた触媒系の方が優れている。しかしながら、
反応温度(分解温度)が400℃以上の高温度領域にお
いては、前記した低級モノハロアルキル及びCFC−1
3の副生が効果的に防止もしくは抑制される。また、反
応温度(分解温度)が400℃を越える領域において
は、活性炭を担持体とし、かつ同じ触媒成分を用いた触
媒系では、担持体である活性炭自体が熱的に劣化し、触
媒機能を長時間維持することができない。本発明におい
て、反応温度(分解温度)が400℃を越える高温度領
域に設定されると、担持体が活性炭である場合に比し、
担持体自身の熱的劣化が防止されるため、触媒活性を長
期にわたり維持することができる。
【0044】本発明のCFC−12などの脂肪族ハロゲ
ン化物の触媒分解法は、通常の気相流通式の反応装置で
行なえばよい。すなわち、反応装置として、固定床流通
式反応装置、流動床式反応装置等が適用可能である。反
応の均一性という観点から後者が好ましいが、その場
合、担持触媒の耐摩耗性、粒度分布等が問題となるの
で、触媒調製には十分に配慮する必要がある。本発明の
CFC−12などの脂肪族ハロゲン化物の触媒分解法に
おいて、反応圧力は特に制限はなく、反応中に気相が保
持される圧力であれば十分である。しかしながら、加圧
状態での反応は、装置を縮小化できるために好ましいも
のである。反応に際しては、反応に不活性な希釈剤も適
宜使用することができる。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例のものに限定されないこ
とはいうまでもないことである。
【0046】<実施例1> (i) 触媒の調製:フッ化第二鉄(III)0.025mol,フ
ッ化第二銅(II)0.025molを弱フッ酸水(フッ化水
素濃度1%)に溶解して触媒成分を含有する溶液を調製
し、次に活性アルミナ(水澤化学社製、RN−48:球
径4mmの球状アルミナ)38g(嵩体積約60c
3)を前記溶液に浸漬した。次に活性アルミナから水
分を蒸発させ、CFC−12の分解用触媒を調製した。
同様に、比較実験のため、活性炭(CALGON社製、
HP−115:粒径4mm、長さ7mm)の20g(嵩
体積約60cm3)を使用してCFC−12の分解用触
媒を調製した。 (ii) 反応装置とCFC−12の分解:前記活性アルミ
ナ担持触媒と活性炭担持触媒を、それぞれ、長さ570
mm、内径24mmのステンレス管の略中央部に充填して反
応装置を構成し、これを450℃の所定の温度に保持し
た。次に、それぞれの反応装置にCFC−12を0.0
27mol/分、メタノールを0.085mol/分、の割合で
供給して反応させた。
【0047】(iii) 生成ガスの分析:反応管を前記所定
温度かつ、所定時間保持した後、生成ガスを採取し、ガ
スクロマトグラフにより未反応CFC−12を定量し
た。結果を図1に示す。ここで、分解率は、下式により
定義されるものである。 分解率=[100]−[100×((排ガス中のCFC
−12濃度)+(排ガス中のCFC−13濃度))×
(排ガス流量)/(CFC−12流入量)] CFC−12の分解率が99%以上維持される状態を触
媒活性があると定義したとき、(1) 活性アルミナ担持触
媒の場合、触媒活性は、44時間であり、一方、(2) 活
性炭担持触媒の場合、触媒活性は、20時間であった。
【0048】<実施例2>分解温度を前記実施例1の4
50℃を350℃に変更した以外は、実施例1と同様に
してCFC−12を分解した。結果を図2に示す。図2
から次の点が判明する。 (1) 活性アルミナ担持触媒の場合、触媒活性は、12時
間であり、一方、(2) 活性炭担持触媒の場合、触媒活性
は、20時間であった。
【0049】前記実施例1〜2から、次の点が考察され
る。 (i) 活性炭担持触媒の場合、高温領域(実施例1の45
0℃)において触媒活性が低い理由は、活性炭担持触媒
の耐熱性、耐燃焼性の低さに起因するものと考えられ
る。この点、低温領域(実施例2の350℃)での実験
結果を示す図2のグラフ上には、明瞭には表われていな
いが、高温領域での活性炭の灰化、別言すれば触媒の劣
化が観察された。 (ii) 活性アルミナ担持触媒の場合、明らかに高温領域
(実施例1の450℃)の方が低温領域(実施例2の3
50℃)よりも高活性である。なお、本発明の活性アル
ミナ担持触媒系でのCFC−12の触媒分解法におい
て、実施例2(低温分解)の場合、塩化メチルやCFC
−13の副生が全くみられないというメリットがある。
【0050】以上の点から、CFC−12の触媒分解法
おいて、本発明の活性アルミナ担持触媒は高温領域で使
用することが好ましいことがわかる。
【0051】
【発明の効果】本発明のオゾン層の破壊係数の大きいC
FC−12(ジクロロジフルオロメタン)などの脂肪族
ハロゲン化物を脂肪族低級アルコールの存在下で触媒分
解する方法によれば、従来法(特開平6−327786
号公報、特開平8−141108号公報など)が認識し
ていない、低級モノハロアルキルあるいはCFC−13
の副生の問題を効果的に解消することができる。前記副
生物である低級モノハロアルキル及びCFC−13は、
無害化のために更なる分解処理が必要なものであり、こ
れら副生物を副生しない触媒分解法が強く望まれてい
る。
【0052】本発明は、前記低級モノハロアルキル及び
CFC−13の副生を効果的に防止ないしは抑制するこ
とができる新規な脂肪族ハロゲン化物の触媒分解法を提
供するものであり、オゾン層の破壊防止技術として極め
て重要なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Fe F3 /Cu F2 触媒系による分解温度4
50℃でのCFC−12の分解による生成ガスの分析結
果を示すグラフである。
【図2】 Fe F3 /Cu F2 触媒系による分解温度3
50℃でのCFC−12の分解による生成ガスの分析結
果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹村 禎之 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族ハロゲン化物を触媒の存在下に分
    解する方法において、脂肪族ハロゲン化物を、 (i) 脂肪族低級アルコールの存在下、及び、(ii) 主触
    媒としてフッ化第二鉄及び/又は塩化第二鉄、助触媒と
    してフッ化第二銅及び/又は塩化第二銅、とからなる二
    元触媒を活性アルミナに担持させて調製した担持触媒の
    存在下、で処理することを特徴とする脂肪族ハロゲン化
    物の触媒分解法。
  2. 【請求項2】 脂肪族ハロゲン化物の分解の温度条件
    が、400℃以上である請求項1に記載の脂肪族ハロゲ
    ン化物の触媒分解法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008006323A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Tokuyama Corp ハロゲン化脂肪族炭化水素分解用触媒

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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