JPH1192428A - フェリ誘電性液晶化合物 - Google Patents

フェリ誘電性液晶化合物

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JPH1192428A
JPH1192428A JP10204662A JP20466298A JPH1192428A JP H1192428 A JPH1192428 A JP H1192428A JP 10204662 A JP10204662 A JP 10204662A JP 20466298 A JP20466298 A JP 20466298A JP H1192428 A JPH1192428 A JP H1192428A
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JP
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liquid crystal
ferrielectric
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crystal compound
phase
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JP10204662A
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Takakiyo Mine
高清 峰
Masahiro Kino
正博 城野
Tomoyuki Yui
知之 油井
Yasue Yoshioka
康恵 吉岡
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自発分極が小さい新規なフェリ誘電性液晶化
合物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) で表されるフェリ誘電性
液晶化合物。 【化1】 (式中、Rは炭素数 6〜12の直鎖アルキル基、Xは水素
原子またはフッ素原子、m、nは 1〜3 の整数、C*は不
斉炭素である。) 【効果】本発明により提供された新規なフェリ誘電性液
晶化合物は、広い温度範囲においてフェリ誘電相を示
し、且つ、自発分極が小さいにもかかわらず高速応答を
示す。従って、実用材料として極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各画素毎に駆動するア
クティブマトリックス型の液晶表示素子に好適に使用で
きるフェリ誘電性液晶に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子 (LCD) は、従来のブラ
ウン管ディスプレイに代わるフラットパネルディスプレ
イとして、既にポータブル機器を中心に普及しつつあ
る。最近のパーソナルコンピュータやワードプロセッサ
の機能拡大、および処理情報の大量化にともない、LC
Dにもより高い機能、即ち大表示容量化、フルカラー表
示、広視野角、高速応答、高コントラスト化等が要求さ
れている。
【0003】この様な要求に応える液晶表示方式(液晶
駆動方式)として、画面の各画素毎に薄膜トランジスタ
(TFT)あるいはダイオード(MIM)を形成し、各
画素毎に独立して液晶を駆動する方式であるアクディブ
マトリクス(AM)表示素子が提案実施されている。こ
の表示方式は、製造歩留まりが低いため低コスト化が困
難である、大画面化が困難であるなどの問題はあるもの
の表示品位の高さにより従来主流であったSTN表示方
式を凌駕し、CRTに迫る勢いとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなAM表示素子においては、液晶材料としてTN(ツ
イステッドネマチック)液晶を用いているため、次のよ
うな問題が生じている。 (1) TN液晶はネマチック液晶であり、応答速度が一般
的に遅く(数十ms)、動画表示を行うとき良好な画質
が得られない。 (2) 液晶分子のねじれ状態(ツイスト配向)を利用して
表示するため、視野角が狭い。特に階調表示を行うと、
視野角が急激に狭くなる。すなわち、ディスプレイを見
る角度によって、コントラスト比、色などが変わってし
まう。
【0005】これらの問題を解決するため、TN液晶に
代えて、強誘電性液晶や反強誘電性液晶を採用したAM
パネルの提案も近年行われているが(特開平5-249502、
同5-150257、同6-95080 等) 、これらの液晶にも次のよ
うな問題点があり実用化の壁は厚いのが現状である。 (1) 強誘電性液晶は自発分極を有しているが、自発分極
が常に存在するため画面の焼き付きが起こりやすく駆動
が困難となる。また、強誘電性液晶は原理的に黒、白の
2値表示しかできないため、階調表示は極めて困難であ
る。階調表示を行うとするときには特別な工夫が必要で
あり(例えば、単安定を使用した強誘電性液晶素子;Ke
iichi NITO et.al, SID'94、Preprint, p48)、高度な実
用化技術の開発が必要とされる。
【0006】(2) 反強誘電性液晶は、永久自発分極が存
在しないため上記(1) で述べられている焼き付の問題は
回避されている。AM駆動においては、少なくとも10
V以下で駆動する液晶材料が必要であるが、反強誘電性
液晶は一般にしきい値電圧が大きく、低電圧駆動は困難
である。また、光学応答に履歴(ヒステリシス)がある
ため階調表示が困難であるなどの問題を有している。本
発明の目的は、以上のような問題点を解決できるAM駆
動に適した新しい材料を提供することにあるが、この新
しい材料としてフェリ誘電性液晶が考えられる。
【0007】フェリ誘電相 (SCγ* 相)は反強誘電性液
晶化合物である 4-(1-メチルヘプチロキシカルボニル)
フェニル=4-(4'-オクチルオキシビフェニル)カルボキ
シレート (略称 MHPOBC)において、1989年に初めて発見
された(Japanese Journal ofApplied Physics, Vol.29,
No.1, 1990, pp.L131-137 )。
【0008】MHPOBCの構造式ならびに相転移温度(℃)
を次に示した。 構造式 : C8H17-O-Ph-Ph-COO-Ph-COO-C*H(CH3)-C6H13 但し、Phは1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素を表す。 相系列 : Cr(30)SIA*(65)SCA*(118)SCγ*(119)SC*(12
1)SCα*(122)SA(147)I 但し、Crは結晶相、SIA*はカイラルスメクチックIA
相、SCA*はカイラルスメクチックCA相(反強誘電
相)、SCγ* はカイラルスメクチックCγ相(フェリ誘
電相)、SC* はカイラルスメクチックC相(強誘電
相)、SCα* はカイラルスメクチックCα相、SAはスメ
クチックA相、I は等方相を示す。
【0009】フェリ誘電性液晶を説明するために、図1
にフェリ誘電相における分子配列状態を、図2にフェリ
誘電相の三角波に対する光学応答を示した。フェリ誘電
相では図1の FI(+)(印加電圧が正の場合)あるいはFI
(-)(印加電圧が負の場合)の分子配列をしている。電場
のない状態では、 FI(+)とFI(-) とは等価であるので共
存している。従って、電場のない状態では、平均的な光
軸は層法線方向となり、図1に示した偏光板の条件下で
は暗状態となる。この状態は、図2において電圧0のと
ころに相当する。
【0010】また、 FI(+)およびFI(-) は、分子配列状
態から明らかなようにそれぞれ自発分極を有するが、こ
れらの共存状態では自発分極を打ち消し合うため、平均
的な自発分極は零となる。このことから、フェリ誘電性
液晶は、反強誘電性液晶と同様に強誘電性液晶に見られ
る焼き付き現象から逃れられる。
【0011】フェリ誘電相において、電場を印加してい
くと、強誘電状態に達するよりも低い電圧で、消光位を
持つ領域(ドメイン)が現れる。この領域は、強誘電状
態ほどではないが、法線方向より傾いた方向に光軸を有
していることを示している。この中間的な状態が FI(+)
か、またはFI(-) と考えられる。本発明では、少なくと
もこの中間状態が必ず観測される液晶相をフェリ誘電相
と、該フェリ誘電相がその相系列中で最も広い液晶化合
物をフェリ誘電性液晶物質と呼ぶ。
【0012】さらに、印加電圧を高くすると、電場の向
きに応じ安定な状態である強誘電相FO(+)か、またはFO
(-) に相転移する。図2において透過光強度が飽和状態
(左右の平坦部)となったもの(FO(+)またはFO(-))に相
当する。この強誘電状態 FO(+)あるいはFO(-) では、フ
ェリ誘電状態 FI(+)あるいはFI(-) より更に大きな自発
分極が発現することが図1より分かる。応答速度は自発
分極が大きいほど速くなるが、このことより高速応答性
が発現する。図1に示した偏光板の条件下では、両強誘
電状態は明状態となる。
【0013】従来の強誘電性液晶は FO(+)とFO(-) との
間のスイッチングであったのに対し、フェリ誘電性液晶
では FO(+), FI(+), FI(-)およびFO(-) の4状態間でス
イッチングをするという大きな特徴を有している。した
がって、フェリ誘電相においては、電圧 0Vと 4Vの間
で連続的な透過光強度の変化ではなく、階段上の透過光
強度が観測されるはずである。しかしながら、図2では
連続的な透過光強度が観測された。これは、 FI(+)とFI
(-) の共存状態→ FI(+)→ FO(+)または FI(+)とFI(-)
の共存状態→ FI(-)→ FO(-)へのしきい値電圧が明確で
ないことによると考えられる。
【0014】フェリ誘電性液晶は図2に示されているよ
うに、一般的にフェリ誘電状態から強誘電状態へ変化す
る電圧と、強誘電状態からフェリ誘電状態へ変化する電
圧の差が小さい、即ちヒステリシスの幅が非常にせまい
傾向が強く、V字形の光学応答性を示すのが特徴で、A
M駆動及びAM駆動における階調表示に適した性質を持
っている。また、フェリ誘電性液晶の電圧による変化に
於て、フェリ誘電状態から強誘電状態への変化に要する
電圧は、反強誘電性液晶に比べてはるかに小さい傾向を
有し、フェリ誘電性液晶はAM駆動に適しているといえ
る。
【0015】また、フェリ誘電相においては、図2に示
したように、通常、 FI(+)とFI(-)の共存状態と強誘電
状態(FO(+), FO(-))との間の変化が連続的であり、しか
も、変化に要する電圧が小さい。さらに、配向膜を工夫
することにより、電圧0におけるFI(+) とFI(-) の共存
状態における光透過率をより小さくすることが可能であ
る。これらから、フェリ誘電性液晶では、 FI(+)とFI
(-) の共存状態を暗、強誘電状態 FO(+)およびFO(-) を
明とし、さらにそれらの中間状態をグレーとして使用で
きる。そして、その表示原理はいずれも液晶の複屈折性
を利用したものであり、又、液晶分子が基板に対して平
行に配列するため視角依存性の小さな表示素子の作製が
可能である。
【0016】しかしながら、現在まで合成されたフェリ
誘電性液晶の数はきわめて少なく、更に従来知られてい
たフェリ誘電性液晶はAM駆動素子への応用を考えたと
き、ヒステリシス、フェリ誘電相から強誘電相へ転移す
るときの電圧(相転移電圧)の面で満足すべきものは多
くない。更に、アクティブマトリックス駆動素子におい
ては、フェリ誘電性液晶が有する自発分極の大小が、実
用上の駆動に当たっては大きな問題となる。
【0017】J. Funfscilling らはアクティブ駆動にお
いて、自発分極を持った液晶の駆動のために必要な電圧
の大きさは、自発分極に比例する事を示している(Jpn.
J.Appl. Phy. Vol.33 pp.4950 (1994)) 。従って、駆動
電圧の面からいえば、できるだけ自発分極は小さい事が
望ましい。しかし一方、フェリ誘電状態から強誘電状態
へ転移するときの速度 (応答速度) は、大略自発分極の
大きさに比例すると考えられている。従って、自発分極
が小さくてかつ応答速度の速いフェリ誘電性液晶を見出
せれば、実用上極めて有益である。
【0018】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記一般式(1) で表わされるフェリ誘電性液晶化合物であ
る。本発明では、mが9であることがフェリ誘電状態か
ら強誘電状態へ転移するときの電圧の面、フェリ誘電相
の温度範囲及び自発分極の面から好ましい。また、該一
般式(1) において、mが2、n が1、Xがフッ素原子で
ある時に好ましいフェリ誘電性液晶化合物が得られる。
【0019】
【化2】 (式中、Rは炭素数 6〜12の直鎖アルキル基、Xは水素
原子またはフッ素原子、m、nは 1〜3 の整数、C*は不
斉炭素である。)
【0020】実用材料として考えたとき、等方相、スメ
クチックA相、あるいはカイラルスメクチックC相から
のフェリ誘電相への転移温度(高温側の転移温度)は40
℃以上、特に 100℃以上であることが好ましい。又、実
用上からフェリ誘電相の温度範囲は、少なくとも10℃以
上、より好ましくは50℃以上である。フェリ誘電状態か
ら強誘電状態へ転移するときの電圧は、駆動電圧を決め
ることになるので、現在使用されている駆動用ICの耐
圧度から 5V/μm以下であることが必要で、好ましく
は3V/μm以下であることが好ましい。
【0021】また、本発明で得られたフェリ誘電性液晶
は、フェリ誘電状態から強誘電状態へ変化する電圧と、
強誘電状態からフェリ誘電状態へ変化する電圧の差がよ
り小さいことが望ましい。そして、本発明で得られたフ
ェリ誘電性液晶は、各画素毎に薄膜トランジスタあるい
はダイオード等の非線形能動素子を設置した基板間に狭
持することによって、アクティブマトリクス液晶表示素
子を形成することができる。
【0022】本発明で使用される光学活性アルコール
は、本発明者らが既に明らかにした方法で容易に製造さ
れる(特願平09-194112 号) 。その製造法の概略をmが
2、nが1の場合で示すと次の通りである。 (イ) CH3CO(CH2)2CH(CH3)2 + (NaBH4) → CH3CH(OH)(CH2)2CH(CH3)2 (ロ) (イ) + CH3CH2COOCH=CH2 + (リパーゼ) → (R-) CH3C*H(OCOC2H5)(CH2)2CH(CH3)2 + (S+) CH3C*H(OH)(CH2)2CH(CH3)2 (ハ) (R-) CH3CH(OCOC2H5)(CH2)2CH(CH3)2 + (KOH) → (R-) CH3C*H(OH)(CH2)2CH(CH3)2
【0023】上記光学活性アルコールの製造法を簡単に
説明すると次の通りである。 (イ)は5-メチル−2-ヘキサノンのアルコールへの還元で
ある。 (ロ)はアルコール(イ) とプロピオン酸ビニルとをリパー
ゼの存在下に反応させる不斉トランスエステル化であ
る。 (ハ)は光学分割されたR体エステル(ハ) の加水分解反応
である。
【0024】
【発明の効果】本発明により提供された新規なフェリ誘
電性液晶化合物は、広い温度範囲においてフェリ誘電相
を示し、且つ、自発分極が小さいにもかかわらず高速応
答を示す。従って、実用材料として極めて有用である。
【0025】
【実施例】以下の実施例において、本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 (式(1): R=C9H19, X=F, m=2, n=1
(E1)) R-(-)-3-フルオロ-4-(1,4-ジメチルペンチ
ルオキシカルボニル)フェニル=4'−n-ノニルオキシビ
フェニル−4-カルボキシレートの製造。
【0026】(1) 4-(4'-n-ノニルオキシ)ビフェニルカ
ルボン酸の製造。 4-(4'-ハイドロキシ)ビフェニルカルボン酸 10.0gとn-
ノニルブロマイド 14.0gとを、エタノール 1,500 ml(ミリ
リットル) と水 200mlとの混合物に加え、還流下に10時間反
応させた後、さらに 500mlの水を加えて 3時間攪拌し
た。反応終了後、濃塩酸を加えて反応液を酸性とし、溶
媒を留去した後、室温まで冷却して白色粉末を得た。こ
の白色粉末を充分に水洗した後、クロロホルムで再結晶
して目的物の白色結晶 11gを得た。
【0027】(2) 4-アセトキシ−2-フルオロ安息香酸の
製造。 2-フルオロ−4-ヒドロキシ安息香酸 4.3g と無水酢酸
8.4g とを2口フラスコに取り混合した。水冷下、硫酸
を5滴添加した。発熱がおさまってから、80℃で30分間
加熱した。その後反応混合物を冷水中にあけ、析出した
結晶をろ過した。結晶は真空乾燥した後、次の工程で使
用した。
【0028】(3) R-(-)-4-アセトキシ−2-フルオロ-1-
(1,4-ジメチルペンチルオキシカルボニル)ベンゼンの
製造。 4-アセトキシ−2-フルオロ安息香酸 1.0g を塩化チオニ
ル 7mlに加え、還流下で5時間反応させた。次に過剰の
塩化チオニルを留去してから、ピリジン 1ml、乾燥エー
テル 4mlおよびR-(-)-5-メチルヘキサン−2-オール 0.
5gの混合物を滴下した。滴下後、1昼夜室温で攪拌し、
エーテル 200mlで希釈して、有機層を希塩酸、1N水酸化
ナトリウム水溶液、水の順で洗浄し、硫酸マグネシウム
で乾燥した。溶媒を留去して粗製物をヘキサン/酢酸エ
チルを溶媒とするシリカゲルカラムクロマトで精製して
目的物を得た。
【0029】(4) R-(-)-4-ヒドロキシ−2-フルオロ-1-
(1,4-ジメチルペンチルオキシカルボニル)ベンゼンの
製造。 上記(3) で得た化合物 1.0g を、エタノール 30ml に溶
解させて、ベンジルアミン 3g を滴下した。更に、室温
で、1昼夜攪拌した後、エーテル 300mlで希釈して、希
塩酸、水の順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を留去してから、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで単離精製し、目的物を得た。
【0030】(5) R-(-)-3-フルオロ-4-(1,4-ジメチル
ペンチルオキシカルボニル)フェニル=4'−n-ノニルオ
キシビフェニル−4-カルボキシレートの製造。 上記(1) で得た化合物 1.0g に、塩化チオニル 10mlを
加え、10時間加熱還流した。過剰の塩化チオニルを留去
した後、ピリジン 10ml とトルエン 25mlとを加えてか
ら、上記(4) で得た化合物 0.8g のベンゼン溶液 25ml
を滴下し、室温で10時間反応させた。反応終了後、エー
テル 300mlで希釈し、希塩酸、1N炭酸ナトリウム水溶
液、水の順で洗浄して、有機層を硫酸マグネシウムで乾
燥した。次に、溶媒を留去してから、シリカゲルクロマ
トグラフィーで単離した。ついで、エタノールで再結晶
して目的物を得た。
【0031】実施例2 (式(1): R=C10H21, X=F,
m=2, n=1 (E2)) R-(-)-3-フルオロ-4-(1,4-
ジメチルペンチルオキシカルボニル)フェニル=4'−n-
デシルオキシビフェニル−4-カルボキシレートの製造。
実施例1の(1) において、n-ノニルブロマイドの代わり
に、n-デシルブロマイドを用いて製造した4-(4'-n-デシ
ルオキシ)ビフェニルカルボン酸を用いた他は実施例1
と同様に操作して、目的物を得た。
【0032】実施例3 (式(1): R=C11H23, X=F,
m=2, n=1 (E3)) R-(-)-3-フルオロ-4-(1,4-
ジメチルペンチルオキシカルボニル)フェニル=4'−n-
ウンデシルオキシビフェニル−4-カルボキシレートの製
造。実施例1の(1) において、n-ノニルブロマイドの代
わりに、n-ラウデシルブロマイドを用いて製造した4-
(4'-n-ウンデシルオキシ)ビフェニルカルボン酸を用い
た他は実施例1と同様に操作して、目的物を得た。
【0033】実施例4 (式(1): R=C9H19, X=H, m
=2, n=1 (E4)) R-(-)-4-(1,4−ジメチルペ
ンチルオキシカルボニル)フェニル=4'−n-デシルオキ
シビフェニル−4-カルボキシレートの製造。実施例1の
(2) において、4-ヒドロキシ−2-フルオロ安息香酸の代
わりに、4-ヒドロキシ安息香酸を用いて製造した4-アセ
トキシ安息香酸を用いた他は実施例1と同様に操作し
て、目的物を得た。
【0034】実施例5 (式(1): R=C9H19, X=H, m
=3, n=1 (E5)) R-(-)-4-(1,5−ジメチルヘ
キシルオキシカルボニル)フェニル=4'−n-デシルオキ
シビフェニル−4-カルボキシレートの製造。実施例1の
(2) において、4-ヒドロキシ−2-フルオロ安息香酸の代
わりに、4-ヒドロキシ安息香酸を用いて製造した4-アセ
トキシ安息香酸を、実施例1の(3)において、R-(-)-5-
メチルヘキサン−2-オールの代わりに、R-(-)-6-メチル
ヘプタン−2-オールを用いて製造したR-(-)-4-アセトキ
シ−2-フルオロ-1-(1,5-ジメチルヘキシルオキシカルボ
ニル)ベンゼンを用いた他は実施例1と同様に操作し
て、目的物を得た。
【0035】実施例6 (式(1): R=C9H19, X=F, m
=2, n=2 (E6)) R-(-)-3-フルオロ-4-(1-メチ
ル−4-エチルヘキシルオキシカルボニル)フェニル=4'
−n-ノニルオキシビフェニル−4-カルボキシレートの製
造。実施例1の(3) において、R-(-)-5-メチルヘキサン
−2-オールの代わりに、R-(-)-5-エチルヘプタン−2-オ
ールを用いて製造したR-(-)-4-アセトキシ−2-フルオロ
-1-(1-メチル−4-エチルヘキシルオキシカルボニル)ベ
ンゼンを用いた他は実施例1と同様に操作して、目的物
を得た。
【0036】上記で得た目的物の式を化3に、その 1H-
NMR スペクトルデーターを表1に示した。液晶相の同定
を行った。液晶相の同定は、テクスチャヤー観察、コノ
スコープ像の観察、及びDSC(示差走差熱量計)の測
定により行なった。コノスコープ像の観察はフェリ誘電
相の同定に有力な手段である。コノコスコープ像の観察
は文献(J.Appl.Phys.31,793,(1992))にしたがって行っ
た。通常の平行配向セルによるテクスチャー観察、コノ
スコープ観察及びDSC測定により本実施例の相系列は
次のようであると決定され、フェリ誘電性液晶であるこ
とが確認された。
【0037】次に得られたフェリ誘電性液晶の光学応答
を調べた。セルは以下の手順で作製した。絶縁膜(SiO2,
膜厚 50nm)、 ITO電極付きのガラス基板をポリイミドコ
ーティング後(膜厚約 80nm)、一対のガラス基板の片方
のみをラビング処理した。粒径 1.6μmのスペーサーを
介し、一対のガラス基板を貼り合わせテストセルとし
た。セル厚は 2μmであった。液晶が等方相となる温度
まで加熱し、毛細管現象によりテストセル中に前記液晶
を注入した。その後、1℃/分の速度で徐冷し液晶を平
行配向させた。
【0038】光透過率は、透過光強度が最低を光透過率
0%、最高を光透過率 100%と定義した。相転移電圧
は、光透過率が90%における電圧と定義し、テストセル
に±10V, 5Hzの三角波電圧を印加し、フェリ誘電相から
強誘電相へ転移するときの電圧を50℃において求めた。
自発分極は、50℃で、10Vの三角波電圧をを印加して分
極反転電流を測定する事によって求めた。応答速度は光
透過率が0%から90%に変化するのに要する時間と定義
し、8V,10Hzの矩形波電圧を印加して、50℃で測定し
た。結果を表2に示した。
【0039】
【化3】 なお、上記において、 実施例1(E1): p=7, m=2, n=1 、 実施例2(E2): p=8, m=2, n=1 、 実施例3(E3): p=9, m=2, n=1 、 実施例4(E4): p=7, m=2, n=1 、 実施例5(E5): p=7, m=3, n=1 、 実施例6(E6): p=7, m=2, n=2 、
【0040】
【表1】 化学シフト(ppm) 水素原子番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 実施例1(E1) 4.0 7.0 7.6 7.7 8.2 7.1 7.1 8.0 5.2 〃 2(E2) 4.0 7.0 7.6 7.7 8.2 7.1 7.1 8.0 5.1 〃 3(E3) 4.0 7.0 7.6 7.7 8.2 7.1 7.1 8.0 5.1 〃 4(E4) 4.0 7.0 7.6 7.7 8.2 7.3 8.1 7.3 8.1 5.2 〃 5(E5) 4.0 7.0 7.6 7.7 8.2 7.3 8.1 7.3 8.3 5.2 〃 6(E6) 4.0 7.0 7.6 7.7 8.2 7.1 7.1 8.0 5.2
【0041】
【表2】 試験例No 相転移電圧 応答時間 自発分極 融点 (符号) 相 系 列 (V/μm) (μ秒) (nC/cm2) (℃) 実1(E1) I(139)SA(128)SCγ*(27)Cr 2.3 84 103 70 〃2(E2) I(133)SA(123)SCγ*(<-16)Cr 1.5 255 106 58 〃3(E3) I(133)SA(123)SCγ*(-1)Cr 1.7 255 91 60 〃4(E4) I(143)SA(127)SCγ*(68)Cr 2.0 *1 27*1 149*1 99 〃5(E5) I(138)SA(122)SCγ*(50)Cr 1.7 *1 23*1 158*1 95〃6(E6) I(118)SA(110)SCγ*(-8)Cr 2.2 404 135 70 相系列の記載中、 () 内の数値は相転移温度 (℃) 、I
は等方相、SAはスメクチックA相、SCγ* はフェリ誘電
相、Crは結晶相をそれぞれ示す。相転移電圧、応答時間
および自発分極は、*1は70℃、その他は50℃において測
定した。
【図面の簡単な説明】
【図1】フェリ誘電相の分子配列を示す図である。FI
(+), FI(-)はフェリ誘電状態、FO(+), FO(-)は強誘電状
態を表す。
【図2】フェリ誘電相における三角波電圧に対する光学
応答を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉岡 康恵 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) で表わされるフェリ誘電
    性液晶化合物。 【化1】 (式中、Rは炭素数 6〜12の直鎖アルキル基、Xは水素
    原子またはフッ素原子、m、nは 1〜3 の整数、C*は不
    斉炭素である。)
  2. 【請求項2】 該一般式(1) において、mが2、nが1
    である請求項1記載のフェリ誘電性液晶化合物。
  3. 【請求項3】 該一般式(1) において、Xがフッ素原子
    である請求項1記載のフェリ誘電性液晶化合物
  4. 【請求項4】 フェリ誘電相の高温側の転移温度が 100
    ℃以上である請求項1記載のフェリ誘電性液晶化合物。
  5. 【請求項5】 フェリ誘電相の高温側の転移温度と低温
    側の転移温度との温度差が、50℃以上である請求項1記
    載のフェリ誘電性液晶化合物。
  6. 【請求項6】 フェリ誘電状態から強誘電状態へ転移す
    る時の電圧が5V/μm以下である請求項1記載のフェ
    リ誘電性液晶化合物。
  7. 【請求項7】 フェリ誘電状態から強誘電状態へ転移す
    る時の電圧が3V/μm以下である請求項1記載のフェ
    リ誘電性液晶化合物。
  8. 【請求項8】 電圧によって、2つのフェリ誘電相の共
    存状態、2つの強誘電相、およびその中間状態へスイッ
    チグする請求項1記載のフェリ誘電性液晶化合物。
  9. 【請求項9】 フェリ誘電状態から強誘電状態へ変化す
    る電圧と、強誘電状態からフェリ誘電状態へ変化する電
    圧との差が小さい請求項1記載のフェリ誘電性液晶化合
    物。
  10. 【請求項10】 各画素毎に薄膜トランジスタあるいは
    ダイオード等の非線形能動素子を設置した基板間に請求
    項1記載のフェリ誘電性液晶を狭持することを特徴とす
    るアクティブマトリクス液晶表示素子
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