JPS6319520B2 - - Google Patents
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- JPS6319520B2 JPS6319520B2 JP58243675A JP24367583A JPS6319520B2 JP S6319520 B2 JPS6319520 B2 JP S6319520B2 JP 58243675 A JP58243675 A JP 58243675A JP 24367583 A JP24367583 A JP 24367583A JP S6319520 B2 JPS6319520 B2 JP S6319520B2
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- JP
- Japan
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- hanp
- group
- peptide
- acid
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/575—Hormones
- C07K14/58—Atrial natriuretic factor complex; Atriopeptin; Atrial natriuretic peptide [ANP]; Cardionatrin; Cardiodilatin
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P7/00—Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
- A61P7/10—Antioedematous agents; Diuretics
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
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- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Gastroenterology & Hepatology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Biochemistry (AREA)
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- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
Description
(発明の分野)
この発明は、利尿作用、ナトリウム利尿作用及
び血圧降下作用を有するペプチド並びにその酸付
加塩、並びにこれらを含んで成る利尿剤に関す
る。 (発明の背景) 種々の体液性因子、すなわち生理活性物質が、
物理的因子、例えば心拍出量、血管壁の弾性等と
共に血圧を規定する重要な因子であることはよく
知られている。この体液性因子が関与する系とし
て、レニン−アンジオテンシン−アルドステロン
系、カテコラミン系、プロスタグランジン系、カ
リクレイン−キニン系と共にナトリウム利尿ホル
モン系が存在し、ウアベイン様物質といわれるナ
トリウム利尿ホルモンが血圧の上昇に関与するこ
ともすでに周知である。 なお、この明細書において「ナトリウム利尿」
とはカリウムイオンに対してナトリウムイオンを
選択的に排泄する利尿を言う。 (従来技術) 従来から、本態性高血圧の治療にナトリウムイ
オンの排泄を目的として、利尿剤、例えばフロセ
マイドが用いられている。しかしながら、この物
質とこの発明の物質とは構造が全く異る。 一方、ヒトの心房中には、ペプチドホルモン産
生細胞中に見られる顆粒と形態的に類似する顆粒
が存在することが知られている〔J.D.Jamieson
及びG.E.palade,J.Cell Biol.,23,151(1964)〕。
また、ラツトの心房のホモジネート物及びその顆
粒が、ラツトに対してナトリウム利尿を起すこと
も知られている〔A.J.DeBold等、Life Sci.,28,
89(1981);R.Keeller,Can.J.Physiol.
Pharmacol.,60,1078(1982)等〕。さらに、最
近において、Mark G.Currie S.等はヒト、ウサ
ギ、ブタ及びラツトの心房中にナトリウム利尿作
用を有する分子量2万〜3万のペプチド様物質及
び分子量1万以下のペプチド様物質が存在するこ
とを示唆した〔Science,221,71〜73(1983)〕。 本発明者等は、ナトリウム選択性が高く効果的
な利尿作用を有する物質を見出すべく鋭意研究を
行つた結果、ヒトの心房から、28個のアミノ酸で
構成され約3100の分子量を有する全く新しいペプ
チドを単離することに成功し、このペプチドの構
造を決定すると共に、このペプチドが顕著な利尿
作用、ナトリウム利尿作用及び血圧降下作用を有
することを見出し、この発明を完成した。 すなわち、この発明は、顕著な利尿作用、特に
ナトリウム利尿作用を有する新規なペプチド、及
び該ペプチドを含んで成る利尿剤を提供すること
を目的とする。 なお、この明細書において、この新規ペプチド
をα−hANP(α−human atrial natriuretic
polypeptide)と称する。 (発明の構成) (A) α−hANPの構造及び物理化学的性質 この発明のペプチドα−hANPは次の構造式
()で表わされる。 上記の構造式()において、とは直接
に結合しており、又このアミノ酸鎖は左側にア
ミノ末端を有し右側にカルボキシ末端を有す
る。式中、Aspはアスパラギン酸、Asnはアス
パラギン、Alaはアラニン、Argはアルギニ
ン、Ileはイソロイシン、Glyはグリシン、Glu
はグルタミン酸、Glnはグルタミン、Cysは1/2
シスチン、Serはセリン、Tyrはチロシン、
Pheはフエニルアラニン、Metはメチオニン、
Leuはロイシンをそれぞれ表わし、いずれもL
−アミノ酸である。 分子量:約3100(ゲル過法による。) 旋光度:〔α〕25 D=−80.0℃(c=0.16,0.1N
酢酸)。 紫外線吸収スペクトル:Max=275nm。 呈色反応:エールリツヒ反応陰性、坂口反
応、及びパウリ反応いずれも陽性。 酸性・中性・塩基性の別:塩基性 溶剤に対する溶解性:水、メタノール及び酢
酸に溶解し、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチル
エーテル、ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン
及びクロロホルムに難溶である。 薄層クロマトグラフイー:Rf値 0.41(n−ブタノール:酢酸:ピリジン:水=
4:1:1:2) 0.34(n−ブタノール:酢酸:ピリジン:水=
30:6:20:24) 0.08(n−ブタノール:酢酸:酢酸エチル:水
=1:1:1:1)。 アミノ酸組成(アミノ酸分析による)
び血圧降下作用を有するペプチド並びにその酸付
加塩、並びにこれらを含んで成る利尿剤に関す
る。 (発明の背景) 種々の体液性因子、すなわち生理活性物質が、
物理的因子、例えば心拍出量、血管壁の弾性等と
共に血圧を規定する重要な因子であることはよく
知られている。この体液性因子が関与する系とし
て、レニン−アンジオテンシン−アルドステロン
系、カテコラミン系、プロスタグランジン系、カ
リクレイン−キニン系と共にナトリウム利尿ホル
モン系が存在し、ウアベイン様物質といわれるナ
トリウム利尿ホルモンが血圧の上昇に関与するこ
ともすでに周知である。 なお、この明細書において「ナトリウム利尿」
とはカリウムイオンに対してナトリウムイオンを
選択的に排泄する利尿を言う。 (従来技術) 従来から、本態性高血圧の治療にナトリウムイ
オンの排泄を目的として、利尿剤、例えばフロセ
マイドが用いられている。しかしながら、この物
質とこの発明の物質とは構造が全く異る。 一方、ヒトの心房中には、ペプチドホルモン産
生細胞中に見られる顆粒と形態的に類似する顆粒
が存在することが知られている〔J.D.Jamieson
及びG.E.palade,J.Cell Biol.,23,151(1964)〕。
また、ラツトの心房のホモジネート物及びその顆
粒が、ラツトに対してナトリウム利尿を起すこと
も知られている〔A.J.DeBold等、Life Sci.,28,
89(1981);R.Keeller,Can.J.Physiol.
Pharmacol.,60,1078(1982)等〕。さらに、最
近において、Mark G.Currie S.等はヒト、ウサ
ギ、ブタ及びラツトの心房中にナトリウム利尿作
用を有する分子量2万〜3万のペプチド様物質及
び分子量1万以下のペプチド様物質が存在するこ
とを示唆した〔Science,221,71〜73(1983)〕。 本発明者等は、ナトリウム選択性が高く効果的
な利尿作用を有する物質を見出すべく鋭意研究を
行つた結果、ヒトの心房から、28個のアミノ酸で
構成され約3100の分子量を有する全く新しいペプ
チドを単離することに成功し、このペプチドの構
造を決定すると共に、このペプチドが顕著な利尿
作用、ナトリウム利尿作用及び血圧降下作用を有
することを見出し、この発明を完成した。 すなわち、この発明は、顕著な利尿作用、特に
ナトリウム利尿作用を有する新規なペプチド、及
び該ペプチドを含んで成る利尿剤を提供すること
を目的とする。 なお、この明細書において、この新規ペプチド
をα−hANP(α−human atrial natriuretic
polypeptide)と称する。 (発明の構成) (A) α−hANPの構造及び物理化学的性質 この発明のペプチドα−hANPは次の構造式
()で表わされる。 上記の構造式()において、とは直接
に結合しており、又このアミノ酸鎖は左側にア
ミノ末端を有し右側にカルボキシ末端を有す
る。式中、Aspはアスパラギン酸、Asnはアス
パラギン、Alaはアラニン、Argはアルギニ
ン、Ileはイソロイシン、Glyはグリシン、Glu
はグルタミン酸、Glnはグルタミン、Cysは1/2
シスチン、Serはセリン、Tyrはチロシン、
Pheはフエニルアラニン、Metはメチオニン、
Leuはロイシンをそれぞれ表わし、いずれもL
−アミノ酸である。 分子量:約3100(ゲル過法による。) 旋光度:〔α〕25 D=−80.0℃(c=0.16,0.1N
酢酸)。 紫外線吸収スペクトル:Max=275nm。 呈色反応:エールリツヒ反応陰性、坂口反
応、及びパウリ反応いずれも陽性。 酸性・中性・塩基性の別:塩基性 溶剤に対する溶解性:水、メタノール及び酢
酸に溶解し、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチル
エーテル、ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン
及びクロロホルムに難溶である。 薄層クロマトグラフイー:Rf値 0.41(n−ブタノール:酢酸:ピリジン:水=
4:1:1:2) 0.34(n−ブタノール:酢酸:ピリジン:水=
30:6:20:24) 0.08(n−ブタノール:酢酸:酢酸エチル:水
=1:1:1:1)。 アミノ酸組成(アミノ酸分析による)
【表】
【表】
なお、この化合物は前記のごとく塩基性であ
り、無機酸、例えば塩酸、硫酸、燐酸等、又は有
機酸、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、コハク
酸、クエン酸等と共に常法に従つて酸付加塩に転
換することができる。 (B) α−hANPの生物学的性質 この発明のペプチドα−hANPは顕著な利尿作
用、ナトリウム利尿作用及び血圧降下作用を有す
る。 試験方法 雄性SD系ラツト(体重300〜400g)にペント
バルビタール60mg/Kgを腹腔内投与することによ
つて麻酔し、以下Life Sciences,Vol.28,pp89
〜94に記載されている方法に準じて行つた。 気道確保のため、気管カニユーレ(PE−240
Clay−Adams)を施し、股動脈に血圧測定用の
動脈カニユーレ(PE−10にPE−50を接続)を挿
入し、股静脈にリンゲル液投与用の静脈カニユー
レを挿入した。この静脈カニユーレを通して1.2
mlのリンゲル液を10分間にわたつて注入した後
1.2ml/時の速度で定常注入(constant infusion)
を行つた。 シラステイツク・チユーブ(内径0.02インチ、
外径0.037インチ、ダウコーニング社製)の膀胱
カニユーレから試験管内に採尿した。この採尿は
被験物質を投与する前30分間と投与後5分間又は
その後経時的に行い、この尿試料の分析値を比較
することにより被験物質の作用を測定した。 被験物質α−hANPは、その所定量を5μgのバ
シトラシン(抗菌剤)と共に50μの滅菌生理食
塩水に溶解し、頚静脈から投与した。 α−hANPの投与量は0.1nモル(群)、0.2n
モル(群)及び0.4nモル(群)の3段階と
し、対照としてα−hANPを投与せずバシトラシ
ンのみを投与する群(群)、及び比較のためα
−hANPの代りに公知のナトリウム利尿剤である
フロセマイド(Furosemide)を1.21μモル投与す
る群(群)を設けた。 結 果 この試験において次表に示す結果が得られた。
り、無機酸、例えば塩酸、硫酸、燐酸等、又は有
機酸、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、コハク
酸、クエン酸等と共に常法に従つて酸付加塩に転
換することができる。 (B) α−hANPの生物学的性質 この発明のペプチドα−hANPは顕著な利尿作
用、ナトリウム利尿作用及び血圧降下作用を有す
る。 試験方法 雄性SD系ラツト(体重300〜400g)にペント
バルビタール60mg/Kgを腹腔内投与することによ
つて麻酔し、以下Life Sciences,Vol.28,pp89
〜94に記載されている方法に準じて行つた。 気道確保のため、気管カニユーレ(PE−240
Clay−Adams)を施し、股動脈に血圧測定用の
動脈カニユーレ(PE−10にPE−50を接続)を挿
入し、股静脈にリンゲル液投与用の静脈カニユー
レを挿入した。この静脈カニユーレを通して1.2
mlのリンゲル液を10分間にわたつて注入した後
1.2ml/時の速度で定常注入(constant infusion)
を行つた。 シラステイツク・チユーブ(内径0.02インチ、
外径0.037インチ、ダウコーニング社製)の膀胱
カニユーレから試験管内に採尿した。この採尿は
被験物質を投与する前30分間と投与後5分間又は
その後経時的に行い、この尿試料の分析値を比較
することにより被験物質の作用を測定した。 被験物質α−hANPは、その所定量を5μgのバ
シトラシン(抗菌剤)と共に50μの滅菌生理食
塩水に溶解し、頚静脈から投与した。 α−hANPの投与量は0.1nモル(群)、0.2n
モル(群)及び0.4nモル(群)の3段階と
し、対照としてα−hANPを投与せずバシトラシ
ンのみを投与する群(群)、及び比較のためα
−hANPの代りに公知のナトリウム利尿剤である
フロセマイド(Furosemide)を1.21μモル投与す
る群(群)を設けた。 結 果 この試験において次表に示す結果が得られた。
【表】
【表】
この表から明らかなごとく、この発明のペプチ
ドα−hANPは顕著な利尿作用及びナトリウム利
尿作用を有する。すなわち、この発明のα−
hANPを0.4nモル投与した場合、その利尿作用及
びナトリウム利尿作用は公知の利尿剤であるフロ
セマイドを1.21μモル投与した場合のそれにほぼ
匹敵する。この投与量(0.4nモル)において、こ
の発明のα−hANPは尿排泄量を約20倍に増加せ
しめ、ナトリウムの排泄量を約27倍に増加せしめ
た。又、被験化合物を投与しない場合の尿中の
Na/K比がおよそ0.3であるのに対し、α−
hANPを0.4nモル投与した場合この比は約2.0に
上昇し、この発明のα−hANPがNaを選択的に
排泄するナトリウム利尿剤として有用であること
が示唆された。 さらに、被験物質を投与した後経時的に採尿し
て経過を観察した場合の結果は第1図のようであ
つた。この図から明らかなごとく、この発明のα
−hANPの利尿作用及びナトリウム利尿作用は公
知の利尿剤であるフロセミドのそれよりも急速に
生じた。 また、第2図に示す如く、この発明のα−
hANPを1.2μg(0.4nモル)投与した後、血圧は
緩かに15〜20mmHg降下し、約45分間持続した。
この結果によりα−hANPが血圧降下作用を有す
ることも明らかとなつた。 α−hANPの利尿剤としての適性 前記のごとくこの発明のペプチドα−hANPは
顕著な利尿作用及びナトリウム利尿作用を有す
る。 このペプチドは繰返し投与しても抗体産生を惹
起せず、アナフイラキシーシヨツクを起こさな
い。また、この発明のペプチドはL−アミノ酸の
みからなり、投与後、生体内の各種プロテアーゼ
により徐々に分解されるため毒作用をほとんど有
しない。 前記のごとく、α−hANPはng/Kgのオーダ
ーで効果を発揮し、毒性が非常に低いから、1n
g/Kg〜10mg/Kgの範囲で投与することができ、
10ng/Kg〜1mg/Kgの範囲で投与するのが好ま
しい。 この発明のα−hANPは、ペプチド系医薬の投
与に一般に使用されている投与方法、すなわち非
経口的投与方法、例えば静脈内投与、筋肉内投
与、皮下投与等によつて投与するのが好ましい。
経口投与した場合、α−hANPは消化管内で分解
を受けるためこの投与方法は一般的には効果的で
ないが、消化管内で分解を受けにくい製剤、例え
ば活性成分であるα−hANPをリポゾーム中に抱
容したマイクロカプセル剤として経口投与するこ
とも可能である。又、直腸、舌下、鼻内など消化
管以外の粘膜から吸収せしめる投与方法を採用す
ることも可能であり、この場合、例えば坐剤、舌
下錠、点鼻スプレー剤等の形で投与することがで
きる。 (C) α−hANPの製造方法 この発明のペプチドα−hANPは、ヒトの心房
組織を適当な酸性溶媒、例えば燐酸緩衝液、塩酸
含有酢酸等の中でホモジネートし、雛直腸標本弛
緩活性を指標として、遠心分離、等電沈澱、溶媒
抽出、限外過、ゲル過、吸着クロマトグラフ
イー等、ペプチドの精製に常用される各種処理を
適宜組合わせて分子量約3100のペプチドを分離す
ることにより得られる。 しかしながら、α−hANPを工業的規模で得る
には合成法を用いるのがより有利であることは言
うまでもない。この発明のペプチドα−hANP
は、ペプチドの合成に常用される固相法、又は液
相法によつて製造することができる。この合成
は、例えば、矢島治明、榊原俊平著、日本生化学
会編、生化学実験講座();蛋白質の化学、4
巻、208〜495頁、(株)東京化学同人発行(1977);
及び泉屋信夫ほか著、ペプチド合成、丸善(株)発行
(1975)に記載されているメリフイールド
(Merrifield)等の方法に準じて行うことができ
る。 例えば、メリフイールド等の固相合成法によつ
てα−hANPを合成することができる。この方法
を本発明に適用する場合、α−アミノ基はいずれ
のアミノ酸についてもtert−ブチルオキシカルボ
ニル基(Boc基)で保護し、チロシンの水酸基は
2,6−ジクロロベンジル基(Cl2−Bzl基)で、
アルギニンのグアニジノ基はトシル基(Tos基)
で、セリンの水酸基はベンジル基(Bzl基)で、
アスパラギン酸β−カルボン酸基はO−ベンジル
基(O−Bzl基)でそれぞれ保護するのが好適で
ある。まず、C末端アミノ酸であるチロシンの保
護誘導体Boc−Tyr(Cl2−Bzl)をクロロメチル
樹脂に導入し、以後順次アミノ酸鎖を延長し、保
護α−hANP−樹脂を合成し、これをフツ化水素
で処理することにより保護α−hANPを樹脂から
切断し、同時に脱保護し、そしてこれを還元する
ことによりCys7,23(Acm)−α−hANP(Acmはシ
ステインのチオール基を保護するアセトアミドメ
チル基である)を得る。次に、これをヨウ素で酸
化することによりチオール基を保護基Acmを脱
離せしめると同時に7位と23位のシステインのチ
オール基によるジスルフイド結合を形成せしめる
ことにより粗合成α−hANPを得る。得られた粗
合成α−hANPはゲル過、逆相HPLC等ペプチ
ドの精製に常用される手段により精製し高純度の
この発明のペプチドα−hANPを得る。 次に実施例により、この発明をさらに具体的に
説明する。 実施例 1 ヒトの心房からのα−hANPの分離 死後10時間後にヒトの心房40gを摘出し、7倍
量の、20mM塩酸を含有する1M酢酸中で5分間
煮沸することにより内在するプロテアーゼを失活
せしめた。これを冷却した後、4℃においてポリ
トロンミキサーでホモジナイズすることにより抽
出を行つた。得られた抽出液を12000×Gで30分
間遠心分離を行い、上清200mlを得た。この上清
に12mlの氷酢酸を加えてその濃度を1規定濃度
(N)に調整した。この調整液に、アセトンを滴
加してその最終濃度を66%にすることによりアセ
トン沈澱を行い、次にこれを遠心分離することに
より424mlの上清を得た。得られた上清を減圧下
で濃縮乾固し、得られた残渣を100mlに1N酢酸溶
液に溶解し、そして50mlずつのエーテルで2回抽
出することにより脱脂した。得られた水層を凍結
乾燥し、凍結乾燥物を再度100mlの1N酢酸溶液に
溶解し、そしてこれを限外過(アミコン社製
UM−2を使用)することにより脱塩して50mlの
濃縮液を得た。この濃縮液を1N酢酸溶液で平衡
化したSP−Sephadex C−25(フアルマシア製,
8.0×22cm)でゲル過した。溶離液として1N酢
酸溶液、2Nピリジン溶液、及び2Nピリジン−
1N酢酸溶液(PH5.0)を用い、この順序で溶出を
行い、それぞれフラクシヨンSP−、SP−、
及びSP−を得た。このフラクシヨンSP−を
凍結乾燥することにより凍結乾燥物26.6mgを得、
これを1N酢酸溶液に溶解し、セフアデツクスG
−50によりゲル過(カラムサイズ1.2×103cm;
流速5.4ml/時間;フラクシヨンサイズ2ml)し
た。これにより、雛直腸標本弛緩活性を有するβ
画分(フラクシヨンNo.42〜45)及びα画分(フラ
クシヨンNo.46〜51)を得た。この溶出パターンを
第3図に示す。次に、このα画分を一緒にし陽イ
オン交換高速液体クロマトグラフイー(HPLC)
に付した。このクロマトグラフイーにおいては、
TSK−CM25W〔東洋曹達(株)製〕カラムを用い、
溶出溶媒として(A)10mM蟻酸アンモニウム(PH
6.6):アセトニトリル(90:10)、及び(B)1.0M蟻
酸アンモニウム(PH6.6):アセトニトリル(90:
10)を用い、直線グラジエント法により酢酸濃度
を10mMから0.5Mまで変化させて80分間溶出し、
唯一の雛直腸筋標本弛緩活性画分(フラクシヨン
No.57〜59を得た。次に、これを逆相HPLCに付し
た。このクロマトグラフイーにおいては、カラム
Chemcosorb 5ODSH(サイズ4.6×250mm)を使用
し、流速1.0ml/分、圧力110〜130Kg/cm2とし、
溶出溶媒として(A)水:アセトニトリル:10%トリ
フルオロ酢酸(90:10:1)、及び(B)水:アセト
ニトリル:10%トリフルオロ酢酸(40:60:1)
を使用した。(A)を8分間流した後、(A)から(B)への
直線グラジエント法で80分間溶出した。主要ピー
クを分取し、実質的に純粋なα−hANPを30μg
得た。 実施例 2 α−hANPの合成 アミノアシル樹脂 の合成 0.92ミリモル/g樹脂のクロル基を導入したク
ロロメチル樹脂3gを15mlのジメチルホルムアミ
ド中で撹拌し、これに1.22g(2.76ミリモル)の
Boc−Tyr(Cl2−Bzl)−OHと0.90g(2.76ミリモ
ル)の炭酸セシウムから調製した。 Boc−Tyr(Cl2−Bzl)−OHセシウム塩のジメ
チルホルムアミド溶液10mlを加え、ゆるやかに12
時間撹拌した。次に樹脂を取し、ジメチルホル
ムアミド、エタノール、水、エタノール及び塩化
メチレンにより記載の順序で洗浄し、そして乾燥
した。次に過剰の酢酸セシウムと共に、ジメチル
ホルムアミド中50℃にて24時間撹拌し、未反応の
残存クロル基をアセチル化し、そして前記のよう
に洗浄した。こうして樹脂1g当り0.7ミリモル
のBoc−Tyr(Cl2−Bzl)−OHが導入された。 樹脂3gを得た。なお、導入率はHF法、及び
HCl−プロピオン酸加水分解法により求めた。 保護α−hANP−樹脂の合成 各構成アミノ酸のα−アミノ基はすべてBoc基
で保護し、チロシンの水酸基はCl2−Bzl基で保護
し、アルギニンのグアニジノ基はTos基で保護
し、セリンの水酸基はBzl基で保護し、アスパラ
ギン酸のβ−カルボン酸基はO−Bzl基で保護し
た。また、システインのチオール基はAcm基で
保護した。これらの保護基の内、Boc基は50%ト
リフルオロ酢酸により容易に除去される。他の保
護基は50%トリフルオロ酢酸に対しては安定であ
るがAcm基を除き弗化水素により除去される。
システインのチオール保護基Acm基は50%トリ
フルオロ酢酸及び弗化水素に対して安定であり、
ヨウ素による酸化により除去され同時にスルフイ
ド結合が形成される。 保護アミノ酸の縮合に当つては、樹脂に結合し
ている保護ペプチドの末端アミノ基のアミノ保護
基、すなわちBoc基をまず除去して末端アミノ基
を遊離せしめた。この脱Boc基反応は、塩化メチ
レン中50%トリフルオロ酢酸により保護ペプチド
−樹脂を30分間処理することにより完全に進行し
た。この脱Boc基反応の進行、完結はカイザ−試
薬(ニンヒドリン試薬)により確認した。 このようにして保護ペプチド−樹脂の末端アミ
ノ酸のアミノ基を遊離せしめた後、この遊離アミ
ノ基を、α−hANPのアミノ酸配列における次に
位置するアミノ酸のBoc保護誘導体の遊離カルボ
キシル基と縮合せしめた。 この保護アミノ酸の縮合においては、Boc−
Asn−OHの縮合は、これを10当量用い24時間反
応せしめることによりp−ニトロフエノールエス
テル法に従つて行つた。そのほかのすべてのBoc
−アミノ酸は、その6当量を6当量のジシクロヘ
キシルカルボジイミド縮合剤と共に用いて縮合せ
しめた。この操作によつて反応が完了しない場合
は同じ操作を反復した。同じ操作を3回反復して
も反応が完結しない場合には、塩化メチレン中10
%無水酢酸−ピリジン(9:1)により10分間処
理して未反応のアミノ基をアセチル化し次のBoc
−アミノ酸の縮合操作に進んだ。なお上記の縮合
の進行及び完結も、脱Boc基反応の確認と同様に
カイザー試薬(ニンヒドリン試薬)により行つ
た。 このようにして、 樹脂(0.70ミリモル/g樹脂)3gから出発し
て、 樹脂6.6gを得た。 樹脂の切離し、脱保護、ペプチドの精製、及
びS−S結合の形成 前記のようにして得られた保護ペプチド−樹脂
3gを5mlのアニソールにより湿潤せしめ、そし
て0℃にて60分間弗化水素酸により処理し、次に
過剰の弗化水素酸を留去した。この処理により保
護ペプチドが樹脂から切断されると共に、チオー
ル保護基Acm以外の保護基が除去された。次に
200mlの1N酢酸を加えて30分間撹拌した後過す
ることにより樹脂を除去した。 次に液をエーテルで洗浄し、5%水酸化アン
モニウム溶液でPH8.0に調整し、そして2.3gのジ
チオスレイトールを加え40℃にて24時間インキユ
ベートすることにより還元を行つた。この還元操
作によりMet(O)体がほとんど還元されたこと
が逆相HPLCにより確認された。又、Ser又は
Thrを含むペプチドを弗化水素酸により処理した
ときに生じる可能性があるO−ペプチド結合も上
記の還元操作で正常なペプチド結合にもどる。 上記の反応液(約300ml)をオクターデカ−シ
リカ(ODS)を充填したカラム(φ4cm×5cm)
に吸着させ、水で洗浄し、次に60%アセトニトリ
ル水溶液でペプチドを溶出し、無機塩を含まない
ペプチド850mgを得た。次にこのペプチド650mgを
CM−セフアロースを用いるイオン交換クロマト
グラフイーにより精製した。すなわち、50mM酢
酸アンモニウム緩衝液(PH4.0)で平衡化たCM−
セフアロースカラム(φ1.5cm×75cm)に前記ペプ
チド試料を適用し、50mM酢酸アンモニウム(PH
4.0)500mlから0.5M酢酸アンモニウム(PH7.0)
500mlへの直線グラジエント法により溶出し、主
ピークを採取した。これをODSカラム(φ4cm×
5cm)を通して脱塩し、そして凍結乾燥すること
により逆相HPLCにおいてほぼ単一のペプチド
7,23Cys(Acm)−α−hANPを127mg(乾燥重
量)得た。 次に、6mlの酢酸及び1.6mlの水中50mg(乾燥
重量)の7,23Cys(Acm)−α−hANPの溶液
と、40mlの酢酸、18mlの水及び80μの1N塩酸中
170mgのヨウ素の溶液中に、一挙に加え、そして
激しく撹拌した。10分後、反応液が透明になるま
でL−アスコルビン酸緩衝液を加え、この反応液
を水で10倍に稀釈し、ODSカラム(φ4cm×5cm)
を通して脱塩し、そして凍結乾燥した。こうして
α−hANP、7,23Cys(Acm)−α−hANP、及
びMet(O)−7,23Cys(Acm)−α−hANPが約
3:1:1の比率で混在している粗凍結乾燥物
30.2mg(乾燥重量)を得た。 この粗凍結乾燥物17.2mgをTSK−CM 2 SW
〔東洋曹達(株)製〕を用いた陽イオン交換HPLCに
より前記の3成分に分離し(第4図)、α−
hANP画分を採取することにより約95%純度のα
−hANPを4.5mg得た。 得られたα−hANPをダウエツクス(酢酸
型)処理し、酢酸塩としたときの元素分析値を示
す。 (C127H203N45O39S3・5CH3COOH・8H2O) C H N 計算値 46.67 6.83 17.88 測定値 46.74 6.41 17.75 (D) 利尿剤の製造 前述のように、本発明のα−hANPは、他のペ
プチド系医薬と同様に、経口投与した場合消化管
内で分解されるので、注射薬として、静脈内、筋
肉内、皮下等に非経口的に投与することが好まし
い。しかし、リポゾーム中に抱容したマイクロカ
プセル剤にすれば、経口投与剤とすることも可能
であり、坐剤、舌下錠、点鼻スプレー剤等の形に
すれば、消化管以外の粘膜から吸収させることも
可能である。 次に、注射薬としての実施例を示す。なお、注
射薬として薬効が充分に維持されることを、ラツ
トを用いて確認した。 実施例 α−hANPの製剤化 パシトラシン含有生理食塩液製剤 α−hANP9.36nmoleを、パシトラシン5%
(w/v)を含む生理食塩液936μ1にて溶解し、
α−hANP濃度が10nmole/ml(30.92μg/ml)
の溶液を注射用製剤とした。 上記の製剤の10,20,40および100μ1を、8〜
10週令のラツトに頚静脈より注射筒を用いて急速
注入した。(N=7/群) その結果、尿量は10μ1群で222±44%に、20μ1
群で281±41%に、40μ1群で507±58%に、100μ1
群で433±34%増加し、利尿作用が証明された。 生理食塩液製剤 α−hANPを生理食塩液936μ1にて溶解し、α
−hANP濃度が1.5μg/mlの溶液を注射用製剤と
した。 上記の製剤を20μ1/minの速度で8週令のラツ
トに大腿静脈より1時間45分持続注入した(N=
1)結果、尿量が増加し、利尿作用が証明され
た。 凍結乾燥製剤 α−hANP1.0mgを0.1N酢酸水溶液にて溶解し、
この50μ1をポリスチレン試験管にとり凍結乾燥
した。 上記の凍結乾燥製剤(50μ1/tube)に0.5mlの
生理食塩液を加えて溶解し、この35μ1を生理食
塩液50μ1とともに10週令の(体重350g)のラツ
トに大腿静脈より注射筒を用いて急速注入した
(N=5)結果、尿量は1178%に増加し、利尿作
用が認められた。
ドα−hANPは顕著な利尿作用及びナトリウム利
尿作用を有する。すなわち、この発明のα−
hANPを0.4nモル投与した場合、その利尿作用及
びナトリウム利尿作用は公知の利尿剤であるフロ
セマイドを1.21μモル投与した場合のそれにほぼ
匹敵する。この投与量(0.4nモル)において、こ
の発明のα−hANPは尿排泄量を約20倍に増加せ
しめ、ナトリウムの排泄量を約27倍に増加せしめ
た。又、被験化合物を投与しない場合の尿中の
Na/K比がおよそ0.3であるのに対し、α−
hANPを0.4nモル投与した場合この比は約2.0に
上昇し、この発明のα−hANPがNaを選択的に
排泄するナトリウム利尿剤として有用であること
が示唆された。 さらに、被験物質を投与した後経時的に採尿し
て経過を観察した場合の結果は第1図のようであ
つた。この図から明らかなごとく、この発明のα
−hANPの利尿作用及びナトリウム利尿作用は公
知の利尿剤であるフロセミドのそれよりも急速に
生じた。 また、第2図に示す如く、この発明のα−
hANPを1.2μg(0.4nモル)投与した後、血圧は
緩かに15〜20mmHg降下し、約45分間持続した。
この結果によりα−hANPが血圧降下作用を有す
ることも明らかとなつた。 α−hANPの利尿剤としての適性 前記のごとくこの発明のペプチドα−hANPは
顕著な利尿作用及びナトリウム利尿作用を有す
る。 このペプチドは繰返し投与しても抗体産生を惹
起せず、アナフイラキシーシヨツクを起こさな
い。また、この発明のペプチドはL−アミノ酸の
みからなり、投与後、生体内の各種プロテアーゼ
により徐々に分解されるため毒作用をほとんど有
しない。 前記のごとく、α−hANPはng/Kgのオーダ
ーで効果を発揮し、毒性が非常に低いから、1n
g/Kg〜10mg/Kgの範囲で投与することができ、
10ng/Kg〜1mg/Kgの範囲で投与するのが好ま
しい。 この発明のα−hANPは、ペプチド系医薬の投
与に一般に使用されている投与方法、すなわち非
経口的投与方法、例えば静脈内投与、筋肉内投
与、皮下投与等によつて投与するのが好ましい。
経口投与した場合、α−hANPは消化管内で分解
を受けるためこの投与方法は一般的には効果的で
ないが、消化管内で分解を受けにくい製剤、例え
ば活性成分であるα−hANPをリポゾーム中に抱
容したマイクロカプセル剤として経口投与するこ
とも可能である。又、直腸、舌下、鼻内など消化
管以外の粘膜から吸収せしめる投与方法を採用す
ることも可能であり、この場合、例えば坐剤、舌
下錠、点鼻スプレー剤等の形で投与することがで
きる。 (C) α−hANPの製造方法 この発明のペプチドα−hANPは、ヒトの心房
組織を適当な酸性溶媒、例えば燐酸緩衝液、塩酸
含有酢酸等の中でホモジネートし、雛直腸標本弛
緩活性を指標として、遠心分離、等電沈澱、溶媒
抽出、限外過、ゲル過、吸着クロマトグラフ
イー等、ペプチドの精製に常用される各種処理を
適宜組合わせて分子量約3100のペプチドを分離す
ることにより得られる。 しかしながら、α−hANPを工業的規模で得る
には合成法を用いるのがより有利であることは言
うまでもない。この発明のペプチドα−hANP
は、ペプチドの合成に常用される固相法、又は液
相法によつて製造することができる。この合成
は、例えば、矢島治明、榊原俊平著、日本生化学
会編、生化学実験講座();蛋白質の化学、4
巻、208〜495頁、(株)東京化学同人発行(1977);
及び泉屋信夫ほか著、ペプチド合成、丸善(株)発行
(1975)に記載されているメリフイールド
(Merrifield)等の方法に準じて行うことができ
る。 例えば、メリフイールド等の固相合成法によつ
てα−hANPを合成することができる。この方法
を本発明に適用する場合、α−アミノ基はいずれ
のアミノ酸についてもtert−ブチルオキシカルボ
ニル基(Boc基)で保護し、チロシンの水酸基は
2,6−ジクロロベンジル基(Cl2−Bzl基)で、
アルギニンのグアニジノ基はトシル基(Tos基)
で、セリンの水酸基はベンジル基(Bzl基)で、
アスパラギン酸β−カルボン酸基はO−ベンジル
基(O−Bzl基)でそれぞれ保護するのが好適で
ある。まず、C末端アミノ酸であるチロシンの保
護誘導体Boc−Tyr(Cl2−Bzl)をクロロメチル
樹脂に導入し、以後順次アミノ酸鎖を延長し、保
護α−hANP−樹脂を合成し、これをフツ化水素
で処理することにより保護α−hANPを樹脂から
切断し、同時に脱保護し、そしてこれを還元する
ことによりCys7,23(Acm)−α−hANP(Acmはシ
ステインのチオール基を保護するアセトアミドメ
チル基である)を得る。次に、これをヨウ素で酸
化することによりチオール基を保護基Acmを脱
離せしめると同時に7位と23位のシステインのチ
オール基によるジスルフイド結合を形成せしめる
ことにより粗合成α−hANPを得る。得られた粗
合成α−hANPはゲル過、逆相HPLC等ペプチ
ドの精製に常用される手段により精製し高純度の
この発明のペプチドα−hANPを得る。 次に実施例により、この発明をさらに具体的に
説明する。 実施例 1 ヒトの心房からのα−hANPの分離 死後10時間後にヒトの心房40gを摘出し、7倍
量の、20mM塩酸を含有する1M酢酸中で5分間
煮沸することにより内在するプロテアーゼを失活
せしめた。これを冷却した後、4℃においてポリ
トロンミキサーでホモジナイズすることにより抽
出を行つた。得られた抽出液を12000×Gで30分
間遠心分離を行い、上清200mlを得た。この上清
に12mlの氷酢酸を加えてその濃度を1規定濃度
(N)に調整した。この調整液に、アセトンを滴
加してその最終濃度を66%にすることによりアセ
トン沈澱を行い、次にこれを遠心分離することに
より424mlの上清を得た。得られた上清を減圧下
で濃縮乾固し、得られた残渣を100mlに1N酢酸溶
液に溶解し、そして50mlずつのエーテルで2回抽
出することにより脱脂した。得られた水層を凍結
乾燥し、凍結乾燥物を再度100mlの1N酢酸溶液に
溶解し、そしてこれを限外過(アミコン社製
UM−2を使用)することにより脱塩して50mlの
濃縮液を得た。この濃縮液を1N酢酸溶液で平衡
化したSP−Sephadex C−25(フアルマシア製,
8.0×22cm)でゲル過した。溶離液として1N酢
酸溶液、2Nピリジン溶液、及び2Nピリジン−
1N酢酸溶液(PH5.0)を用い、この順序で溶出を
行い、それぞれフラクシヨンSP−、SP−、
及びSP−を得た。このフラクシヨンSP−を
凍結乾燥することにより凍結乾燥物26.6mgを得、
これを1N酢酸溶液に溶解し、セフアデツクスG
−50によりゲル過(カラムサイズ1.2×103cm;
流速5.4ml/時間;フラクシヨンサイズ2ml)し
た。これにより、雛直腸標本弛緩活性を有するβ
画分(フラクシヨンNo.42〜45)及びα画分(フラ
クシヨンNo.46〜51)を得た。この溶出パターンを
第3図に示す。次に、このα画分を一緒にし陽イ
オン交換高速液体クロマトグラフイー(HPLC)
に付した。このクロマトグラフイーにおいては、
TSK−CM25W〔東洋曹達(株)製〕カラムを用い、
溶出溶媒として(A)10mM蟻酸アンモニウム(PH
6.6):アセトニトリル(90:10)、及び(B)1.0M蟻
酸アンモニウム(PH6.6):アセトニトリル(90:
10)を用い、直線グラジエント法により酢酸濃度
を10mMから0.5Mまで変化させて80分間溶出し、
唯一の雛直腸筋標本弛緩活性画分(フラクシヨン
No.57〜59を得た。次に、これを逆相HPLCに付し
た。このクロマトグラフイーにおいては、カラム
Chemcosorb 5ODSH(サイズ4.6×250mm)を使用
し、流速1.0ml/分、圧力110〜130Kg/cm2とし、
溶出溶媒として(A)水:アセトニトリル:10%トリ
フルオロ酢酸(90:10:1)、及び(B)水:アセト
ニトリル:10%トリフルオロ酢酸(40:60:1)
を使用した。(A)を8分間流した後、(A)から(B)への
直線グラジエント法で80分間溶出した。主要ピー
クを分取し、実質的に純粋なα−hANPを30μg
得た。 実施例 2 α−hANPの合成 アミノアシル樹脂 の合成 0.92ミリモル/g樹脂のクロル基を導入したク
ロロメチル樹脂3gを15mlのジメチルホルムアミ
ド中で撹拌し、これに1.22g(2.76ミリモル)の
Boc−Tyr(Cl2−Bzl)−OHと0.90g(2.76ミリモ
ル)の炭酸セシウムから調製した。 Boc−Tyr(Cl2−Bzl)−OHセシウム塩のジメ
チルホルムアミド溶液10mlを加え、ゆるやかに12
時間撹拌した。次に樹脂を取し、ジメチルホル
ムアミド、エタノール、水、エタノール及び塩化
メチレンにより記載の順序で洗浄し、そして乾燥
した。次に過剰の酢酸セシウムと共に、ジメチル
ホルムアミド中50℃にて24時間撹拌し、未反応の
残存クロル基をアセチル化し、そして前記のよう
に洗浄した。こうして樹脂1g当り0.7ミリモル
のBoc−Tyr(Cl2−Bzl)−OHが導入された。 樹脂3gを得た。なお、導入率はHF法、及び
HCl−プロピオン酸加水分解法により求めた。 保護α−hANP−樹脂の合成 各構成アミノ酸のα−アミノ基はすべてBoc基
で保護し、チロシンの水酸基はCl2−Bzl基で保護
し、アルギニンのグアニジノ基はTos基で保護
し、セリンの水酸基はBzl基で保護し、アスパラ
ギン酸のβ−カルボン酸基はO−Bzl基で保護し
た。また、システインのチオール基はAcm基で
保護した。これらの保護基の内、Boc基は50%ト
リフルオロ酢酸により容易に除去される。他の保
護基は50%トリフルオロ酢酸に対しては安定であ
るがAcm基を除き弗化水素により除去される。
システインのチオール保護基Acm基は50%トリ
フルオロ酢酸及び弗化水素に対して安定であり、
ヨウ素による酸化により除去され同時にスルフイ
ド結合が形成される。 保護アミノ酸の縮合に当つては、樹脂に結合し
ている保護ペプチドの末端アミノ基のアミノ保護
基、すなわちBoc基をまず除去して末端アミノ基
を遊離せしめた。この脱Boc基反応は、塩化メチ
レン中50%トリフルオロ酢酸により保護ペプチド
−樹脂を30分間処理することにより完全に進行し
た。この脱Boc基反応の進行、完結はカイザ−試
薬(ニンヒドリン試薬)により確認した。 このようにして保護ペプチド−樹脂の末端アミ
ノ酸のアミノ基を遊離せしめた後、この遊離アミ
ノ基を、α−hANPのアミノ酸配列における次に
位置するアミノ酸のBoc保護誘導体の遊離カルボ
キシル基と縮合せしめた。 この保護アミノ酸の縮合においては、Boc−
Asn−OHの縮合は、これを10当量用い24時間反
応せしめることによりp−ニトロフエノールエス
テル法に従つて行つた。そのほかのすべてのBoc
−アミノ酸は、その6当量を6当量のジシクロヘ
キシルカルボジイミド縮合剤と共に用いて縮合せ
しめた。この操作によつて反応が完了しない場合
は同じ操作を反復した。同じ操作を3回反復して
も反応が完結しない場合には、塩化メチレン中10
%無水酢酸−ピリジン(9:1)により10分間処
理して未反応のアミノ基をアセチル化し次のBoc
−アミノ酸の縮合操作に進んだ。なお上記の縮合
の進行及び完結も、脱Boc基反応の確認と同様に
カイザー試薬(ニンヒドリン試薬)により行つ
た。 このようにして、 樹脂(0.70ミリモル/g樹脂)3gから出発し
て、 樹脂6.6gを得た。 樹脂の切離し、脱保護、ペプチドの精製、及
びS−S結合の形成 前記のようにして得られた保護ペプチド−樹脂
3gを5mlのアニソールにより湿潤せしめ、そし
て0℃にて60分間弗化水素酸により処理し、次に
過剰の弗化水素酸を留去した。この処理により保
護ペプチドが樹脂から切断されると共に、チオー
ル保護基Acm以外の保護基が除去された。次に
200mlの1N酢酸を加えて30分間撹拌した後過す
ることにより樹脂を除去した。 次に液をエーテルで洗浄し、5%水酸化アン
モニウム溶液でPH8.0に調整し、そして2.3gのジ
チオスレイトールを加え40℃にて24時間インキユ
ベートすることにより還元を行つた。この還元操
作によりMet(O)体がほとんど還元されたこと
が逆相HPLCにより確認された。又、Ser又は
Thrを含むペプチドを弗化水素酸により処理した
ときに生じる可能性があるO−ペプチド結合も上
記の還元操作で正常なペプチド結合にもどる。 上記の反応液(約300ml)をオクターデカ−シ
リカ(ODS)を充填したカラム(φ4cm×5cm)
に吸着させ、水で洗浄し、次に60%アセトニトリ
ル水溶液でペプチドを溶出し、無機塩を含まない
ペプチド850mgを得た。次にこのペプチド650mgを
CM−セフアロースを用いるイオン交換クロマト
グラフイーにより精製した。すなわち、50mM酢
酸アンモニウム緩衝液(PH4.0)で平衡化たCM−
セフアロースカラム(φ1.5cm×75cm)に前記ペプ
チド試料を適用し、50mM酢酸アンモニウム(PH
4.0)500mlから0.5M酢酸アンモニウム(PH7.0)
500mlへの直線グラジエント法により溶出し、主
ピークを採取した。これをODSカラム(φ4cm×
5cm)を通して脱塩し、そして凍結乾燥すること
により逆相HPLCにおいてほぼ単一のペプチド
7,23Cys(Acm)−α−hANPを127mg(乾燥重
量)得た。 次に、6mlの酢酸及び1.6mlの水中50mg(乾燥
重量)の7,23Cys(Acm)−α−hANPの溶液
と、40mlの酢酸、18mlの水及び80μの1N塩酸中
170mgのヨウ素の溶液中に、一挙に加え、そして
激しく撹拌した。10分後、反応液が透明になるま
でL−アスコルビン酸緩衝液を加え、この反応液
を水で10倍に稀釈し、ODSカラム(φ4cm×5cm)
を通して脱塩し、そして凍結乾燥した。こうして
α−hANP、7,23Cys(Acm)−α−hANP、及
びMet(O)−7,23Cys(Acm)−α−hANPが約
3:1:1の比率で混在している粗凍結乾燥物
30.2mg(乾燥重量)を得た。 この粗凍結乾燥物17.2mgをTSK−CM 2 SW
〔東洋曹達(株)製〕を用いた陽イオン交換HPLCに
より前記の3成分に分離し(第4図)、α−
hANP画分を採取することにより約95%純度のα
−hANPを4.5mg得た。 得られたα−hANPをダウエツクス(酢酸
型)処理し、酢酸塩としたときの元素分析値を示
す。 (C127H203N45O39S3・5CH3COOH・8H2O) C H N 計算値 46.67 6.83 17.88 測定値 46.74 6.41 17.75 (D) 利尿剤の製造 前述のように、本発明のα−hANPは、他のペ
プチド系医薬と同様に、経口投与した場合消化管
内で分解されるので、注射薬として、静脈内、筋
肉内、皮下等に非経口的に投与することが好まし
い。しかし、リポゾーム中に抱容したマイクロカ
プセル剤にすれば、経口投与剤とすることも可能
であり、坐剤、舌下錠、点鼻スプレー剤等の形に
すれば、消化管以外の粘膜から吸収させることも
可能である。 次に、注射薬としての実施例を示す。なお、注
射薬として薬効が充分に維持されることを、ラツ
トを用いて確認した。 実施例 α−hANPの製剤化 パシトラシン含有生理食塩液製剤 α−hANP9.36nmoleを、パシトラシン5%
(w/v)を含む生理食塩液936μ1にて溶解し、
α−hANP濃度が10nmole/ml(30.92μg/ml)
の溶液を注射用製剤とした。 上記の製剤の10,20,40および100μ1を、8〜
10週令のラツトに頚静脈より注射筒を用いて急速
注入した。(N=7/群) その結果、尿量は10μ1群で222±44%に、20μ1
群で281±41%に、40μ1群で507±58%に、100μ1
群で433±34%増加し、利尿作用が証明された。 生理食塩液製剤 α−hANPを生理食塩液936μ1にて溶解し、α
−hANP濃度が1.5μg/mlの溶液を注射用製剤と
した。 上記の製剤を20μ1/minの速度で8週令のラツ
トに大腿静脈より1時間45分持続注入した(N=
1)結果、尿量が増加し、利尿作用が証明され
た。 凍結乾燥製剤 α−hANP1.0mgを0.1N酢酸水溶液にて溶解し、
この50μ1をポリスチレン試験管にとり凍結乾燥
した。 上記の凍結乾燥製剤(50μ1/tube)に0.5mlの
生理食塩液を加えて溶解し、この35μ1を生理食
塩液50μ1とともに10週令の(体重350g)のラツ
トに大腿静脈より注射筒を用いて急速注入した
(N=5)結果、尿量は1178%に増加し、利尿作
用が認められた。
第1図は利尿作用及びナトリウム利尿作用の経
時変化を示し、第2図はこの発明のα−hANPの
血圧降下作用を示すチヤート図であり、第3図は
心房からα−hANPを分離する場合のα成分とβ
成分の分離を示すクロマトグラムであり、そして
第4図はα−hANPの化学合成の最後段階におけ
るS−S体(α−hANP)の分離を示すクロマト
グラムである。
時変化を示し、第2図はこの発明のα−hANPの
血圧降下作用を示すチヤート図であり、第3図は
心房からα−hANPを分離する場合のα成分とβ
成分の分離を示すクロマトグラムであり、そして
第4図はα−hANPの化学合成の最後段階におけ
るS−S体(α−hANP)の分離を示すクロマト
グラムである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 次の構造式() (式中とは直接に結合している) で表わされるペプチド、及びその酸付加塩。 2 次の構造式()、 (式中とは直接に結合している) で表わされるペプチド又はその酸付加塩を含んで
成る利尿剤。
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| AT84308974T ATE62252T1 (de) | 1983-12-26 | 1984-12-20 | Herstellung von peptiden und deren verwendung. |
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