JPS6337060B2 - - Google Patents
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- JPS6337060B2 JPS6337060B2 JP58148424A JP14842483A JPS6337060B2 JP S6337060 B2 JPS6337060 B2 JP S6337060B2 JP 58148424 A JP58148424 A JP 58148424A JP 14842483 A JP14842483 A JP 14842483A JP S6337060 B2 JPS6337060 B2 JP S6337060B2
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Description
本発明は時計側やペンダントを初めとする各種
装飾部材用材料並びにその製造方法に関するもの
である。 この種の装飾部材用材料は長期に渡り外観が優
雅である事が必要で、その為に耐食性、耐摩耗性
に富む事は必須要件であるが、その他にも必要以
上に重くない事や強度(靭性)が大である事等の
性質が要求される。近年超硬合金系の材料がこの
種の装飾部材用材料に多用される様になつて来た
が超硬合金の欠点としては重過ぎる事、真黒に近
い色調が得難い事等があるし耐食性、耐摩耗性の
点でも更に大なる材料が望まれる様になつて来
た。 本発明は上記現状に鑑みてなされたものであ
り、その要旨は、下記A成分及びB成分の少なく
とも1種類を0.005〜7.0重量%と、残部が2〜5
モル%のY2O3で部分安定化されたZrO2から成
り、美麗な光沢面を有することを特徴とするジル
コニア質黒色系装飾部材用材料。 A成分;Fe,Co,Ni,Cr及びTiの低級酸化物
であるFeO,Fe3O4若しくはFeOx(x<
1.5),CoOx(x<1),NiOx(x<1),
CrO若しくはCrOx(x<1.5),TiOx(x<
2)の少なくとも1種類 B成分;Al2O3:TiOx(x<2):Y2O3が重量
比で60:40:10の割合から成るもの 並びにこの様な材料の製造方法として、ホツト
プレス(以下HPという)及びホツトアイソスタ
テイツクプレス(以下HIPという)を採用する製
造方法である。 なお上記「黒色系」というのは後で詳記する如
く所謂真黒色の他に黒色に近い灰黒色も含むもの
とする。 以下本発明を開発するに至つた実験及びその結
果を示す。 <実験 1> 3モル%のY2O3で部分安定化された純度99.99
%(含むY2O3成分)のZrO2粉末を原料とし、こ
れにA成分であるFe,Co,Ni,Cr,Tiの各酸化
物を下記第1表の如く配合し、不純物混入防止策
を講じたボールミル機により、湿式粉砕したスラ
リーを乾燥整粒し焼結用原料とした。 なおプレス成型→予備焼結→HIP法による製造
工程を採用する場合は、必要に応じてワツクスを
配合し成型性及び離型性を良くした粒を製造
し、500Kg/cm2以上の圧力で成型した後、脱ワツ
クス工程を通した。 一方HP法を採用する場合は、ワツクスを配合
することなく、乾燥粉末を所定型状の黒鉛型に充
填しHPを行なつた。 上記工程の予備焼結条件としては、不活性ガス
(Ar)圧1気圧の雰囲気炉で1450℃の温度の下に
1時間保持した。またHIP処理条件はアルゴンガ
ス圧1100気圧の雰囲気で1400℃の温度で1時間保
持した。 またHP条件としては、加圧力100Kg/cm2、温
度1400℃の下で1時間保持した。 特性調査試料としては5×5×25(mm)のダイ
ヤモンド砥石による研削試片とし第2表及び第3
表に示すデータを得た。
装飾部材用材料並びにその製造方法に関するもの
である。 この種の装飾部材用材料は長期に渡り外観が優
雅である事が必要で、その為に耐食性、耐摩耗性
に富む事は必須要件であるが、その他にも必要以
上に重くない事や強度(靭性)が大である事等の
性質が要求される。近年超硬合金系の材料がこの
種の装飾部材用材料に多用される様になつて来た
が超硬合金の欠点としては重過ぎる事、真黒に近
い色調が得難い事等があるし耐食性、耐摩耗性の
点でも更に大なる材料が望まれる様になつて来
た。 本発明は上記現状に鑑みてなされたものであ
り、その要旨は、下記A成分及びB成分の少なく
とも1種類を0.005〜7.0重量%と、残部が2〜5
モル%のY2O3で部分安定化されたZrO2から成
り、美麗な光沢面を有することを特徴とするジル
コニア質黒色系装飾部材用材料。 A成分;Fe,Co,Ni,Cr及びTiの低級酸化物
であるFeO,Fe3O4若しくはFeOx(x<
1.5),CoOx(x<1),NiOx(x<1),
CrO若しくはCrOx(x<1.5),TiOx(x<
2)の少なくとも1種類 B成分;Al2O3:TiOx(x<2):Y2O3が重量
比で60:40:10の割合から成るもの 並びにこの様な材料の製造方法として、ホツト
プレス(以下HPという)及びホツトアイソスタ
テイツクプレス(以下HIPという)を採用する製
造方法である。 なお上記「黒色系」というのは後で詳記する如
く所謂真黒色の他に黒色に近い灰黒色も含むもの
とする。 以下本発明を開発するに至つた実験及びその結
果を示す。 <実験 1> 3モル%のY2O3で部分安定化された純度99.99
%(含むY2O3成分)のZrO2粉末を原料とし、こ
れにA成分であるFe,Co,Ni,Cr,Tiの各酸化
物を下記第1表の如く配合し、不純物混入防止策
を講じたボールミル機により、湿式粉砕したスラ
リーを乾燥整粒し焼結用原料とした。 なおプレス成型→予備焼結→HIP法による製造
工程を採用する場合は、必要に応じてワツクスを
配合し成型性及び離型性を良くした粒を製造
し、500Kg/cm2以上の圧力で成型した後、脱ワツ
クス工程を通した。 一方HP法を採用する場合は、ワツクスを配合
することなく、乾燥粉末を所定型状の黒鉛型に充
填しHPを行なつた。 上記工程の予備焼結条件としては、不活性ガス
(Ar)圧1気圧の雰囲気炉で1450℃の温度の下に
1時間保持した。またHIP処理条件はアルゴンガ
ス圧1100気圧の雰囲気で1400℃の温度で1時間保
持した。 またHP条件としては、加圧力100Kg/cm2、温
度1400℃の下で1時間保持した。 特性調査試料としては5×5×25(mm)のダイ
ヤモンド砥石による研削試片とし第2表及び第3
表に示すデータを得た。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
<実験 2>
実験1に用いたのと同じZrO2粉末原料に、B
成分を第4表に示す如く配合し、実験1と同じ方
法で焼結用原料を作成した。 上記焼結用原料の圧力500Kg/cm2以上による成
型体を脱ワツクス処理した後、相対密度が94.5%
以上を有する予備焼結体とし、次いでHIP装置で
相対密度が99.0%以上になる条件の下で緻密化処
理して得た試料を調査した結果を同じく第4表に
示す。 なお上記予備焼結は1400℃の真空炉内で1時間
保持し、またHIP条件としてはアルゴンガス圧
1800気圧の雰囲気で1320℃の温度の下で1時間保
持した。
成分を第4表に示す如く配合し、実験1と同じ方
法で焼結用原料を作成した。 上記焼結用原料の圧力500Kg/cm2以上による成
型体を脱ワツクス処理した後、相対密度が94.5%
以上を有する予備焼結体とし、次いでHIP装置で
相対密度が99.0%以上になる条件の下で緻密化処
理して得た試料を調査した結果を同じく第4表に
示す。 なお上記予備焼結は1400℃の真空炉内で1時間
保持し、またHIP条件としてはアルゴンガス圧
1800気圧の雰囲気で1320℃の温度の下で1時間保
持した。
【表】
<実験 3>
実験1に用いたのと同じZrO2粉末原料に、着
色剤A及びB成分を第5表に示す如く配合し、実
施例1と同じ方法で焼結用原料を作成した。 上記焼結用原料を加圧力500Kg/cm2以上で成型
して脱ワツクス処理した後、相対密度が94.5%以
上になるように予備焼結を行ない、次いでHIP装
置で相対密度が99.0%以上になる条件のもとで緻
密化して得た試料を調査した結果を同じく第6表
に示す。 なお上記予備焼結条件としては酸化性雰囲気炉
で1500℃の温度の下で2時間保持した。 またHIP条件としては不活性ガス(Ar)圧
1500気圧、温度1450℃の下で1時間保持した。
色剤A及びB成分を第5表に示す如く配合し、実
施例1と同じ方法で焼結用原料を作成した。 上記焼結用原料を加圧力500Kg/cm2以上で成型
して脱ワツクス処理した後、相対密度が94.5%以
上になるように予備焼結を行ない、次いでHIP装
置で相対密度が99.0%以上になる条件のもとで緻
密化して得た試料を調査した結果を同じく第6表
に示す。 なお上記予備焼結条件としては酸化性雰囲気炉
で1500℃の温度の下で2時間保持した。 またHIP条件としては不活性ガス(Ar)圧
1500気圧、温度1450℃の下で1時間保持した。
【表】
【表】
【表】
次に上記実験結果をも勘案し乍ら、装飾部材用
材料として望ましい成分や特性並びに該望ましい
材料を得る為の製造条件等を考察する。 本発明材料のベースとなつているZrO2焼結材
料は従来CaOおよびMgOによる安定化または部
分安定化品が常用されていたが、近年Y2O3によ
る安定化、部分安定化品(以下YSZという)が
強度、耐摩耗性その他の特性が優れているために
大きな期待を集めるところとなつた。 しかしながらこのYSZは一般的にプレス成型
体を大気雰囲気炉で焼結する方法が採用されてお
り、こうして得られる材料の色調は高純度品の場
合は白色系であり、純度が悪くなるにつれて黄色
から茶色系へと変化し、しかも純度が悪くなるに
つれて強度が低下する傾向にあつた。この様な白
色系のYSZでは原料粉末の純度により微妙な色
調の変化があり、かつ斑点等が存在することが多
く、商品価値の高い材料を得ることは出来なかつ
た。そこで本発明者等は種々研究の結果(主とし
て実験の結果)非酸化性雰囲気でHIP法あるいは
HP法により焼結する方法を採用することにより
美麗な灰黒色系光沢面を現出させ得る着色剤を見
出した。 ところで用いるZrO2はそれ単味では難焼結性
であり、Y2O3,MgO,CaO等で安定化、部分安
定化させなければ焼結が困難で、その中でも
Y2O3を用いたYSZが望ましい事は先に述べた通
りであるが、この場合のY2O3の量について述べ
れば、2モル%未満では焼結時のジルコニア結晶
の変態に伴う体積変化が大き過ぎて亀裂が発生し
易くなるし、一方5モル%を越えるY2O3を用い
た場合には得られる焼結体の結晶組織の粗大化を
まねき、かつ該焼結体に応力がかかつた際に結晶
が正方晶から単斜晶へと変態し難くなる結果応力
吸収作用が低下し高強度、高靭性の材料が得られ
ない。従つて用いるYSZは2〜5モル%のY2O3
を使用したものが望ましい。 この様なYSZに対し、上述のA成分、B成分
を含ませ非酸化性雰囲気で焼結して得られる本願
発明の材料が何故灰黒色系の色調を与えるのか明
確ではないが、非酸化性雰囲気で着色剤が低級酸
化物に変化すると共にYSZ成分と反応して均質
な色調を与えるのではないかと推定される。これ
らの観点から原料としてのA成分は最終製品中で
は低級酸化物となり黒色系材料となることの他、
YSZと反応し色調のみならず強度面でも優れた
特性を与えるものと思われる。なお第1表に示し
た酸化物の各々を単独でホツトプレス法及びホツ
トアイソスタテイツクプレス法の非酸化性雰囲気
で焼結した後、X線回折により分析した所全ての
酸化物に於いて酸素量がより少ない即ち低級酸化
物を示す回折線及び回折不可能な回折線が確認さ
れた。この現象から第1表に示した各種素成のも
のは焼結雰囲気を不活性ガス雰囲気とし焼結炉や
断熱材に少なくとも一部はカーボンを用いていた
為に不活性ガス中に微量酸酸素とカーボンの反応
でCOが生じそれによつて原料酸化物が還元され
た、あるいは上記TiO2,Fe2O3,NiO,Cr2O3,
CoO等はその全てが高温域(O2が殆ど存在しな
い)では酸素を幾分放出解離する性質がある為の
いずれかであるものと考えられる。従つて特に還
元雰囲気での焼結をしなくても、これら原料とし
てのA成分は低級酸化物となる。しかるにH2あ
るいはCO等の還元性ガス雰囲気で焼結すれば、
なお一層の低級酸化物化が生成するものと思われ
る。またB成分については、Al2O3―TiO2―
Y2O3の本願組成の着色原料成分中のTiO2は非酸
化性雰囲気での焼結中やはり低級酸化物TiOx
(x<2)と成り、色調および強度他耐摩耗性に
ついても優れた特性を与えることを見出したもの
である。 このB成分中のTiO2がTiOx(x<2)なる低
級酸化物となるのも上記A成分についてと同様と
考えられ、これもX線回折法により確認した。と
ころでこのB成分について上述の如く、その原料
組成をAl2O3:TiO2:Y2O3=60:40:10の割合
となしたのは、この割合の物が安定した焼成が出
来原料として使用し易いからである。即ちこのB
成分原料もそれを部分安定化ZrO2へ混入するに
際しては上記した様にある範囲を持つた適正量が
あり、その混合量を変化せしめる事で、Al2O3,
TiO2,Y2O3各々の量は変化出来る訳であるから
部分安定化ZrO2へ配合する際に取扱い易い組成
が好ましいという観点から種々実験をなした結果
この60:40:10なる割合の物がそれ自体を焼成す
る際に割れもなく、かつ相対密度の点でも優れた
材料が得られ、又このB成分を上述の範囲で部分
安定化ZrO2へ配合した際に強度も大で、真黒色
に近い材料が得られる事を確認したからである。
なおこのB成分中のY2O3はそれが部分安定化
ZrO2と配合焼結される際に、ZrO2中へ固溶する
という事は考えられるが、元々ZrO2はY2O3で部
分安定化されている事もあり、B成分中のY2O3
がZrO2中へ固溶するとしてもその量は僅かであ
り、例え固溶したとしてもB成分としての割合に
変化があるものではない。 更にAおよびB成分を併用する場合においても
実施例に示す如く本願発明の用途に非常に適した
特性を与えることを見出したものである。 なお着色剤各成分を微量配合する方法は粉体混
合法で可能であるが、より均質に分散配合し得る
可能性はドーピング方法を採用する方策が優れて
いることを付言しておく。 本願発明の着色剤のA成分としてTiO2を用い
た場合、YSZ原料の調整方法により灰黒色系に
赤味を帯びた材料が得られる場合があるが、上記
実験ではこれも灰黒色系として分類した。 この様に得られる材料を灰黒色化する為A・B
成分の少なくとも1種の配合量が0.005重量%未
満の場合は灰白色系に近づくため、僅かな斑点が
存在する場合でもそれが目立ち易くなり装飾品と
しての価値が無くなり、また配合量が7重量%を
越えると急速に強度が低下する傾向があり、装飾
品を取り落とした場合破損する可能性が大きくな
るのでこれらの配合量は0.005〜7.0重量%とす
る。 次に製造方法に関し考察すれば、まずHP法で
焼結する場合はHP時の加圧力が50Kg/cm2未満の
場合は加圧力不足に伴なう緻密度不足品が出来る
頻度が多くなり、ラツピング面がくもつたりナシ
地状となつたり、またはスポツトが存在する等の
不良品が発生しやすくなる。 また加圧力の上限はホツトプレス型として用い
る黒鉛等の材料強度に左右されるのは当然のこと
である。 次にHP時の焼結温度が1300℃未満の場合は緻
密焼結体が得られ難く、また緻密に焼結する為に
は長時間の保持を要する等経済的ではない。 一方焼結温度が1600℃を越える場合はモールド
との反応接着等を起こし、割れ不良品等が発生し
やすくなる他、結晶粒径の均一微細な材料が得ら
れず強度低下あるいは美麗な光沢面が得にくくな
る。 次にHIP法による場合の不活性ガス(通常アル
ゴンガス)圧力が1000気圧未満の場合は加圧力不
足に伴なう緻密度不足品が出来る頻度が多くな
り、ラツピング面がくもつたりナシ地状となつた
り、スポツトが存在する等の不良品が発生しやす
くなる。 またHIP時の温度が1300℃未満の場合は、温度
不足に伴なうHIP効果即ち緻密化が不足すること
になる。一方温度が1600℃を越えると、過焼結の
ため結晶粒径が大きくなり、強度の高い製品が得
られなくなる。またHIPに供する予備焼結体の相
対密度が94.5%未満の場合は、予備焼結体に局部
的な密度ムラが存在する場合があり、HIP処理し
ても局部的な緻密度不足品が得られることにな
り、均質な材料を得るためには少なくとも94.5%
の相対密度を有するのが好ましいものである。 以上の如き成分組織、製造条件を選択する事に
より黒色で均質な材料が得られるが、その材料の
強度面から考えると、HIP法またはHP法により
得られた材料の密度をその材料の配合成分から算
出した理論密度で徐した値、即ち相対密度が99%
未満の場合は、1%以上に相当するマイクロポア
あるいはスポツト等が存在することになり、均質
で美麗な光沢面を有する装飾品は得られず、また
強度面でもシヤルピー値が0.1Kgfm/cm2以上の材
料が得られなくなるので相対密度は99%以上のも
のとする事が望ましい。また装飾品は取扱い中に
取り落としたり物に当たる等の可能性があり、強
度の低いもの程破損しやすいことは当然のことで
ある。 発明者等は上記現象における耐破損性は、セラ
ミツク材料に通常用いられている曲げ強さ(Kg/
mm2)よりもシヤルピー値の方が耐破損性と関連性
が高いこと、更にはシヤルピー値が0.1Kgfm/cm2
未満の場合は、破損する可能性があることを見出
したものである。 この耐破損性は落下テストにより調査した結果
得た結論であり、その落下距離は人が通常取扱う
高さである1mの高さから最高2mの範囲とし
た。 なお理論密度の値は、2モル%Y2O3および6
モル%の範囲のY2O3で部分安定化処理した焼結
体の単斜晶、正方晶及び立方晶の格子定数と組成
割合からYSZの理論密度を計算し、更に着色成
分配合割合も加味して本願発明材料の理論密度を
算出した。 以上述べて来た如く、本発明材料は硬度は大で
耐摩耗性に優れているので永年の使用によつても
傷が入り難く、しかも装飾部材として最も重要な
均質で美しい外観という点では均質な灰黒色を呈
している点で優れている。 また例えばTaC系やWC系の超硬合金と比べた
場合に材料そのものの抗折力や衝撃値では多少劣
るかもしれないが、これらの超硬合金の比重が通
常13〜14と高いのに比べ、本発明材料の比重は上
述の如く大体5〜6と超硬合金の半分以下の値で
あり非常に軽いので時計側その他の装飾品に用い
た場合に使い易く、かつ使用中に取り落としたり
した場合にあつても材料自体が軽いので落下時に
受けるダメージは超硬合金に比べ著しく小である
ので欠損、破割する事がないという効果がある。
従つて本発明材料はセラミツク特有の耐摩耗性、
耐食性を損う事なく均質な黒色を有し、しかも装
飾部材としての実用強度が大なる優れた材料とい
う事が出来るものである。
材料として望ましい成分や特性並びに該望ましい
材料を得る為の製造条件等を考察する。 本発明材料のベースとなつているZrO2焼結材
料は従来CaOおよびMgOによる安定化または部
分安定化品が常用されていたが、近年Y2O3によ
る安定化、部分安定化品(以下YSZという)が
強度、耐摩耗性その他の特性が優れているために
大きな期待を集めるところとなつた。 しかしながらこのYSZは一般的にプレス成型
体を大気雰囲気炉で焼結する方法が採用されてお
り、こうして得られる材料の色調は高純度品の場
合は白色系であり、純度が悪くなるにつれて黄色
から茶色系へと変化し、しかも純度が悪くなるに
つれて強度が低下する傾向にあつた。この様な白
色系のYSZでは原料粉末の純度により微妙な色
調の変化があり、かつ斑点等が存在することが多
く、商品価値の高い材料を得ることは出来なかつ
た。そこで本発明者等は種々研究の結果(主とし
て実験の結果)非酸化性雰囲気でHIP法あるいは
HP法により焼結する方法を採用することにより
美麗な灰黒色系光沢面を現出させ得る着色剤を見
出した。 ところで用いるZrO2はそれ単味では難焼結性
であり、Y2O3,MgO,CaO等で安定化、部分安
定化させなければ焼結が困難で、その中でも
Y2O3を用いたYSZが望ましい事は先に述べた通
りであるが、この場合のY2O3の量について述べ
れば、2モル%未満では焼結時のジルコニア結晶
の変態に伴う体積変化が大き過ぎて亀裂が発生し
易くなるし、一方5モル%を越えるY2O3を用い
た場合には得られる焼結体の結晶組織の粗大化を
まねき、かつ該焼結体に応力がかかつた際に結晶
が正方晶から単斜晶へと変態し難くなる結果応力
吸収作用が低下し高強度、高靭性の材料が得られ
ない。従つて用いるYSZは2〜5モル%のY2O3
を使用したものが望ましい。 この様なYSZに対し、上述のA成分、B成分
を含ませ非酸化性雰囲気で焼結して得られる本願
発明の材料が何故灰黒色系の色調を与えるのか明
確ではないが、非酸化性雰囲気で着色剤が低級酸
化物に変化すると共にYSZ成分と反応して均質
な色調を与えるのではないかと推定される。これ
らの観点から原料としてのA成分は最終製品中で
は低級酸化物となり黒色系材料となることの他、
YSZと反応し色調のみならず強度面でも優れた
特性を与えるものと思われる。なお第1表に示し
た酸化物の各々を単独でホツトプレス法及びホツ
トアイソスタテイツクプレス法の非酸化性雰囲気
で焼結した後、X線回折により分析した所全ての
酸化物に於いて酸素量がより少ない即ち低級酸化
物を示す回折線及び回折不可能な回折線が確認さ
れた。この現象から第1表に示した各種素成のも
のは焼結雰囲気を不活性ガス雰囲気とし焼結炉や
断熱材に少なくとも一部はカーボンを用いていた
為に不活性ガス中に微量酸酸素とカーボンの反応
でCOが生じそれによつて原料酸化物が還元され
た、あるいは上記TiO2,Fe2O3,NiO,Cr2O3,
CoO等はその全てが高温域(O2が殆ど存在しな
い)では酸素を幾分放出解離する性質がある為の
いずれかであるものと考えられる。従つて特に還
元雰囲気での焼結をしなくても、これら原料とし
てのA成分は低級酸化物となる。しかるにH2あ
るいはCO等の還元性ガス雰囲気で焼結すれば、
なお一層の低級酸化物化が生成するものと思われ
る。またB成分については、Al2O3―TiO2―
Y2O3の本願組成の着色原料成分中のTiO2は非酸
化性雰囲気での焼結中やはり低級酸化物TiOx
(x<2)と成り、色調および強度他耐摩耗性に
ついても優れた特性を与えることを見出したもの
である。 このB成分中のTiO2がTiOx(x<2)なる低
級酸化物となるのも上記A成分についてと同様と
考えられ、これもX線回折法により確認した。と
ころでこのB成分について上述の如く、その原料
組成をAl2O3:TiO2:Y2O3=60:40:10の割合
となしたのは、この割合の物が安定した焼成が出
来原料として使用し易いからである。即ちこのB
成分原料もそれを部分安定化ZrO2へ混入するに
際しては上記した様にある範囲を持つた適正量が
あり、その混合量を変化せしめる事で、Al2O3,
TiO2,Y2O3各々の量は変化出来る訳であるから
部分安定化ZrO2へ配合する際に取扱い易い組成
が好ましいという観点から種々実験をなした結果
この60:40:10なる割合の物がそれ自体を焼成す
る際に割れもなく、かつ相対密度の点でも優れた
材料が得られ、又このB成分を上述の範囲で部分
安定化ZrO2へ配合した際に強度も大で、真黒色
に近い材料が得られる事を確認したからである。
なおこのB成分中のY2O3はそれが部分安定化
ZrO2と配合焼結される際に、ZrO2中へ固溶する
という事は考えられるが、元々ZrO2はY2O3で部
分安定化されている事もあり、B成分中のY2O3
がZrO2中へ固溶するとしてもその量は僅かであ
り、例え固溶したとしてもB成分としての割合に
変化があるものではない。 更にAおよびB成分を併用する場合においても
実施例に示す如く本願発明の用途に非常に適した
特性を与えることを見出したものである。 なお着色剤各成分を微量配合する方法は粉体混
合法で可能であるが、より均質に分散配合し得る
可能性はドーピング方法を採用する方策が優れて
いることを付言しておく。 本願発明の着色剤のA成分としてTiO2を用い
た場合、YSZ原料の調整方法により灰黒色系に
赤味を帯びた材料が得られる場合があるが、上記
実験ではこれも灰黒色系として分類した。 この様に得られる材料を灰黒色化する為A・B
成分の少なくとも1種の配合量が0.005重量%未
満の場合は灰白色系に近づくため、僅かな斑点が
存在する場合でもそれが目立ち易くなり装飾品と
しての価値が無くなり、また配合量が7重量%を
越えると急速に強度が低下する傾向があり、装飾
品を取り落とした場合破損する可能性が大きくな
るのでこれらの配合量は0.005〜7.0重量%とす
る。 次に製造方法に関し考察すれば、まずHP法で
焼結する場合はHP時の加圧力が50Kg/cm2未満の
場合は加圧力不足に伴なう緻密度不足品が出来る
頻度が多くなり、ラツピング面がくもつたりナシ
地状となつたり、またはスポツトが存在する等の
不良品が発生しやすくなる。 また加圧力の上限はホツトプレス型として用い
る黒鉛等の材料強度に左右されるのは当然のこと
である。 次にHP時の焼結温度が1300℃未満の場合は緻
密焼結体が得られ難く、また緻密に焼結する為に
は長時間の保持を要する等経済的ではない。 一方焼結温度が1600℃を越える場合はモールド
との反応接着等を起こし、割れ不良品等が発生し
やすくなる他、結晶粒径の均一微細な材料が得ら
れず強度低下あるいは美麗な光沢面が得にくくな
る。 次にHIP法による場合の不活性ガス(通常アル
ゴンガス)圧力が1000気圧未満の場合は加圧力不
足に伴なう緻密度不足品が出来る頻度が多くな
り、ラツピング面がくもつたりナシ地状となつた
り、スポツトが存在する等の不良品が発生しやす
くなる。 またHIP時の温度が1300℃未満の場合は、温度
不足に伴なうHIP効果即ち緻密化が不足すること
になる。一方温度が1600℃を越えると、過焼結の
ため結晶粒径が大きくなり、強度の高い製品が得
られなくなる。またHIPに供する予備焼結体の相
対密度が94.5%未満の場合は、予備焼結体に局部
的な密度ムラが存在する場合があり、HIP処理し
ても局部的な緻密度不足品が得られることにな
り、均質な材料を得るためには少なくとも94.5%
の相対密度を有するのが好ましいものである。 以上の如き成分組織、製造条件を選択する事に
より黒色で均質な材料が得られるが、その材料の
強度面から考えると、HIP法またはHP法により
得られた材料の密度をその材料の配合成分から算
出した理論密度で徐した値、即ち相対密度が99%
未満の場合は、1%以上に相当するマイクロポア
あるいはスポツト等が存在することになり、均質
で美麗な光沢面を有する装飾品は得られず、また
強度面でもシヤルピー値が0.1Kgfm/cm2以上の材
料が得られなくなるので相対密度は99%以上のも
のとする事が望ましい。また装飾品は取扱い中に
取り落としたり物に当たる等の可能性があり、強
度の低いもの程破損しやすいことは当然のことで
ある。 発明者等は上記現象における耐破損性は、セラ
ミツク材料に通常用いられている曲げ強さ(Kg/
mm2)よりもシヤルピー値の方が耐破損性と関連性
が高いこと、更にはシヤルピー値が0.1Kgfm/cm2
未満の場合は、破損する可能性があることを見出
したものである。 この耐破損性は落下テストにより調査した結果
得た結論であり、その落下距離は人が通常取扱う
高さである1mの高さから最高2mの範囲とし
た。 なお理論密度の値は、2モル%Y2O3および6
モル%の範囲のY2O3で部分安定化処理した焼結
体の単斜晶、正方晶及び立方晶の格子定数と組成
割合からYSZの理論密度を計算し、更に着色成
分配合割合も加味して本願発明材料の理論密度を
算出した。 以上述べて来た如く、本発明材料は硬度は大で
耐摩耗性に優れているので永年の使用によつても
傷が入り難く、しかも装飾部材として最も重要な
均質で美しい外観という点では均質な灰黒色を呈
している点で優れている。 また例えばTaC系やWC系の超硬合金と比べた
場合に材料そのものの抗折力や衝撃値では多少劣
るかもしれないが、これらの超硬合金の比重が通
常13〜14と高いのに比べ、本発明材料の比重は上
述の如く大体5〜6と超硬合金の半分以下の値で
あり非常に軽いので時計側その他の装飾品に用い
た場合に使い易く、かつ使用中に取り落としたり
した場合にあつても材料自体が軽いので落下時に
受けるダメージは超硬合金に比べ著しく小である
ので欠損、破割する事がないという効果がある。
従つて本発明材料はセラミツク特有の耐摩耗性、
耐食性を損う事なく均質な黒色を有し、しかも装
飾部材としての実用強度が大なる優れた材料とい
う事が出来るものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記A成分及びB成分の少なくとも1種類を
0.005〜7.0重量%と、残部が2〜5モル%のY2O3
で部分安定化されたZrO2から成り、美麗な光沢
面を有することを特徴とするジルコニア質黒色系
装飾部材用材料。 A成分;Fe、Co、Ni、Cr及びTiの低級酸化物
であるFeO、Fe3O4若しくはFeOx(x<
1.5)、CoOx(x<1)、NiOx(x<1)、
CrO若しくはCrOx(x<1.5)、TiOx(x<
2)の少なくとも1種類 B成分;Al2O3:TiOx(x<2):Y2O3が重量
比で60:40:10の割合から成るもの 2 相対密度が99%以上でかつシヤルピー衝撃値
が0.1Kgfm/cm2以上であることを特徴とする特許
請求の範囲第1項記載のジルコニア質黒色系装飾
部材用材料。 3 下記A成分及びB成分の少なくとも1種類を
0.005〜7.0重量%と、残部が2〜5モル%のY2O3
の部分安定化されたZrO2との均一混合粉末とを
所要形状の型内で非酸化性雰囲気のホツトプレス
法により焼結することを特徴とするジルコニア質
黒色系装飾部材用材料の製造方法。 A成分;Fe、Co、Ni、Cr及びTiの酸化物の少
なくとも1種類 B成分;Al2O3:TiO2:Y2O3が重量比で60:
40:10の割合から成るもの 4 ホツトプレス法の条件が、加圧力50Kg/cm2以
上、温度1300〜1600℃であることを特徴とする特
許請求の範囲第3項記載の製造方法。 5 下記A成分及びB成分の少なくとも1種類を
0.005〜7.0重量%と、残部が2〜5モル%のY2O3
で部分安定化されたZrO2との均一混合粉末とを
所要形状に成型し、次いで該成型体を相対密度
94.5%以上に予備焼結した後非酸化性雰囲気のホ
ツトアイソスタテイツクプレス法により焼結する
ことを特徴とするジルコニア質黒色系装飾部材用
材料の製造方法。 A成分;Fe、Co、Ni、Cr及びTiの酸化物の少
なくとも1種類 B成分;Al2O3:TiO2:Y2O3が重量比で60:
40:10の割合から成るもの 6 ホツトアイソスタテイツクプレス法の条件
が、不活性ガス圧500気圧以上、温度1300〜1600
℃であることを特徴とする特許請求の範囲第5項
記載の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58148424A JPS6042276A (ja) | 1983-08-12 | 1983-08-12 | ジルコニア質黒色系装飾部材用材料並びにその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58148424A JPS6042276A (ja) | 1983-08-12 | 1983-08-12 | ジルコニア質黒色系装飾部材用材料並びにその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6042276A JPS6042276A (ja) | 1985-03-06 |
| JPS6337060B2 true JPS6337060B2 (ja) | 1988-07-22 |
Family
ID=15452482
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58148424A Granted JPS6042276A (ja) | 1983-08-12 | 1983-08-12 | ジルコニア質黒色系装飾部材用材料並びにその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6042276A (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6272552A (ja) * | 1985-09-26 | 1987-04-03 | 住友セメント株式会社 | 着色セラミツクス装飾部材 |
| JPH08698B2 (ja) * | 1986-04-21 | 1996-01-10 | 第一稀元素化学工業株式会社 | 部分安定化ジルコニア粉末 |
| JPH0712978B2 (ja) * | 1986-12-27 | 1995-02-15 | 京セラ株式会社 | 黒色系ジルコニアセラミックス及びその製造方法 |
| JPH083964B2 (ja) * | 1989-08-16 | 1996-01-17 | 三菱電機株式会社 | 油入電気機器 |
| JPH1079272A (ja) * | 1996-09-03 | 1998-03-24 | Yazaki Corp | 多段コネクタおよびその製造,組立方法 |
Family Cites Families (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4931723A (ja) * | 1972-07-20 | 1974-03-22 | ||
| JPS539249B2 (ja) * | 1972-09-18 | 1978-04-04 | ||
| JPS5623532A (en) * | 1979-08-02 | 1981-03-05 | Fuji Heavy Ind Ltd | Air-fuel ratio controller |
| JPS57140376A (en) * | 1981-02-20 | 1982-08-30 | Ngk Spark Plug Co | Partially stabilized zirconium oxide sintered body for oxygen sensor and manufacture |
| JPS5836653A (ja) * | 1981-08-28 | 1983-03-03 | 日本タングステン株式会社 | 磁性材料粉砕用メディア及びその製造方法 |
| JPS5838843A (ja) * | 1981-08-31 | 1983-03-07 | Masayuki Isomura | ダイアモンドの色等級鑑別基準石 |
| JPS59105055A (ja) * | 1982-12-07 | 1984-06-18 | Kyocera Corp | ジルコニア系着色部材 |
-
1983
- 1983-08-12 JP JP58148424A patent/JPS6042276A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6042276A (ja) | 1985-03-06 |
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