明 細 書
遷移金属ス ピロべンゾビラ ン錯体、 その製造方法及び該 錯体からなるフオ トク ロ ミ ック材料
技 術 分 翳
本発明は、 遷移金厲スピロべンゾビラ ン錯体、 その製 造方法及び該鐯体からなるフ ォ トク口 ミ ッ ク材料に関す る
背 景 技 術
光又は熱エネルギーにより可逆的に発消色する典型的 な有機化合物と してス ビロ ピラ ン锈導体が最もよく知ら れており、 例えば G. H. Brof n 著の Phot。clironisii Uol Wi lej & Sons, Inc. 1 9 7 1年) にこれら诱導体の具体 例や物性がまとめられている。
しかしながら、 従来のスピロ ピラ ン誘導体を、 例えば 光応答材料と して実用化する場合、 発色種が溶液中でも 高分子バイ ンダー中でも熱安定性に欠けるために、 直ち に消色系に戻るので、 充分な発色濃度が安定的に保持で きないという致命的欠点を有している。
本発明の一つの目的は、 従来のス ピロ ピラ ン誘導体の 前記欠点を解消する化合物を提供するこ とにある。
本発明の他の一つの目的は、 安定なフ ォ ト ク 口 ミ ズム を示す化合物を提供するこ とにある O
発 明 の 開 示
本発明者は、 上記課題を解決すべく鋭意研究した結果 特定の遷移金属スピロべンゾビラン錯体が上記目的を達 成することを見い出し、 本発明を完成するに至った。 本 発明によって、 従来熱安定性に欠けるとされていたスピ ロビランの発色状態の固定化が達成された。
本発明の遷移金属スピロべンゾビラン鐯体は、 文献未 記載の新規な化合物であって、 下記一般式 (1 )
" CHs CH3
OC—
[式中、 R1 は炭索数 1〜 20のアルキル基又はァラル キル基を示す。 R2 、 R3 、 R4 及び R5 は、 同一又は 異なって、 水素原子、 炭素数 1 ~ 6のアルキル基、 ァリ ール基、 ァラルキル基、 炭素数 1〜5のアルコキシ基、 ハロゲン原子、 シァノ基又は二 ト 基を示す。 R6 及び R 7 は、 同一又は異なって、 水素原子、 炭素数 1〜 6の アルキル基、 ァ リール基、 ァラルキル基、 ハロゲン原子- シァノ基又はニトロ基を示す。 R8 は水素原子、 炭素数
1〜 6のアルキル基、 炭索数 1〜 5のアルコキシ基、 ク ロルメチル基、 メタク リ ロキシメチル基又はビニル基を 示す。 Yは酸素原子又は琉黄原子を示す。 . Mはクロム原 子、 モリ ブデン原子又はタ ングステン原子を示す。 ] で表わされる遷移金厲スピロべンゾビラン錯体である。
ところで、 これまでにスピロピラン、 スピロナフ トォ キサジン等のフォ トクロミ ック化合物に金厲埴を添加し て発色状態の安定化を達成しょうとする試みが例えば J. Aner. Chen. Soc. , 87, 4020 (1965) 、 J. Chei. So
Chem. CDIIB . , 1477 (1989)、 日化第 5 8春季年会予稿集、 1874 (1989)及び日化第 5 9春季年会予稿集、 1983 (1990) 等に記されている。 しかしながら例えば山本明夫著 有 機金厲化学一基礎と応用 (裳華房、 1 9 8 2年) による と有機金厲化合物とは金属元素あるいは類金属 (メ タ口 ィ ド) 元素が有機基としての炭素原子に少なく とも 1個 以上桔合しているものを指すのであるが、 ここに例示し たものに代表される従来の例は全てへテロ原子 (酸素、 窒素等) を介して炭素化合物が金属と結合を作っている ものであって、 通常これらを有機金属化合物とは呼ばな い。
即ち、 本発明の錯体はイ ン ド リ ノ スピロべンゾピラ ン のィ ン ドリ ン部分と第 V I B族遷移金属の間に 6個の金
属-炭素結合を有する真の意味での有機金属化合物であ つて、 全く新規な遷移金属スピロべンゾピラン錯体であ る。
本発明の一般式 (1 ) で表わされる遷移金属スピロべ ンゾビラン錯体は、 一般式
[式中、 R1 、 R2 、 R3 、 R4 、 R 5 及び Mは前記に 同じ。 ]
で表わされる有機金属鐯体と一般式
[式中、 R6 、 R7 、 R° 及び Yは前記に同じ。 ] で表わされる 5—二 トロ (チォ) サリチルアルデヒ ド誘 導体を反応させることにより製造される。
本発明において、 出発原料と して用いられる一般式
(2) で表わされる化合物は、 一般式
[式中 R1 、 R2 、 Ra 、 R4 及び R5 は前記に同じ。 ] で表わされる 3, 3—ジメチルー 2—メチレンイ ン ドリ ン誘導体に、 日本化学会編, 新実験化学講座, 第 1 2巻, 有機金厲化学, 第 1 1 4頁 (丸善、 1 9 79年) 等に記 載される公知の方法に従ってへキサカルボニルクロム、 へキサカルボニルモリブデンもしく はへキサカルボニル 夕ングステンと反応させることにより得ることができる。
また上記一般式 (4) で表わざれる化合物は一般式
〔式中 R1 、 R2 、 R3 、 R4 及び R5 は前記と同じ。 〕 で表わされる沃化 2, 3, 3— ト リ メ チルイ ン ドレニゥ ム塩を一旦苛性アル力 リ等の塩基で処理するこ とにより
容易に製造することができる o 上記 2, 3, 3— ト リメ チルイン ドレニン誘導体は、 HelT. Chim. Acta, 23, 2471 (1940)^ 特公昭 5 8— 5 8 6 5 4号公報、 特開昭 6 2 - 2 3 2 4 6 1号公報、 特公昭 6 2 - 2 1 7 8 0号 公報、 特開昭 6 3— 2 6 7 7 8 3号公報等に記載されて いる公知の化合物であるか又はこれらの文献に記載の方 法に従い容易に製造され得る化合物である。
一方前記一般式 (3) で表わされる化合物のうち Υが Sであるものは、 入手容易な Υが 0である一般式 ( 6 ) で表わされる 5—二トロサリチルアルデヒ ド誘導体を、 例えば特開昭 6 0 - 5 4 3 8 8号公報に記載の方法と同 様にして一般式
〔式中、 R6 、 R7 及び R8 は前記に同じ。 〕
で表わされる、 Ν, Ν—ジメチルチオカルバモイルク口 ラィ ドと反応させて一般式
S
II
0 - -c一
〔式中、 R6 、 7 及び R8 は前記に同じ。 〕
で表わされる 2— 0— (N, N—ジメチルチオカルバモ ィル) ベンズアルデヒ ド誘導体と し、 引き楝きこれを加 熱して異性化して一般式
0
〔式中、 R6 、 R7 及び R8 は前記に同じ。 〕
で表わされる 2— S— (N, N—ジメチルチオカルバモ ィル) ベンズアルデヒ ド誘導体に導き、 引き続いてアル 力 リ加水分解処理することにより製造される。
本発明の一般式 (1 ) で表わされる遷移金属スピロべ ンゾビラン錯体は、 上記で得られる一般式 (2) で表わ される有機金属錯体と一般式 ( 3) で表わされる 5—二 ト ロ (チォ) サリチルアルデヒ ド誘導体を空気を遮断し
た雰囲気の有機溶媒中で反 させることにより製造され る。
ここで一般式 (1 ) の遷移金属スピロベンゾピラン錯 体を製造する際に用いられる有機溶媒と しては、 該反応 条件で不活性なものである限り広く使用することができ、 例えばメ タノール、 エタノール、 プロパノール、 イソプ ロバノール、 n —ブタノール、 イソブタノール、 t ーブ タノール等の低級アルコール類、 ジェチルエーテル、 ジ メ トキシェタン、 テ トラヒ ドロフラン、 ジォキサン等の エーテル類、 ホルムアミ ド、 ジメチルホルムアミ ド、 ァ セ 卜アミ ド、 ジメチルァセ トアミ ド等のァミ ド類、 ァセ ト ン、 メチルェチルケ ト ン、 メチルイ ソプチルケ ト ン等 のケ トン類、 β [酸メチル、 纖酸ェチル、 醉酸メチル、 酢 酸ェチル、 醉酸ブチル等の低扱カルボン酸エステル類、 . ベンゼン、 トルエン、 キシレン等の芳香族炭化水素等を 挙げることができる。 斯かる溶媒の使用量は一般式 (2 ) で表わされる化合物濃度が 0 . O O l no l / \ 〜飽和濃 度の範囲でよい。 反応温度は使用する溶媒にもよるが、 0で〜使用する溶媒の涕点、 より好ま しく は室温〜
1 0 0でで実施できる。 反応時間は通常 1 〜 1 5 0時間 でよい。
このようにして得られる一般式 ( 1 ) で表わされる錯
体は、 反応溶液中から通常は結晶と して析出してく るの で、 a過、 遠心分雜等の汎用手段で単離できる し、 結晶 と して析出しない場合も反応液を濃縮することにより単 離できる。
上記に示す方法により製造される本発明の一般式 ( 1 ) で表わされる遷移金属スピロべンゾビラ ン錯体は、 安定 なフォ トクロ ミズムを示す。 一般式 ( 1 ) の錯体を適当 な溶媒に溶解した後紫外光照射して生成した発色種は、 とりわけ熱的に安定であり、 遷移金属に配位子と して結 合していないフ リ ーのスビ口べンゾビラン诱導体の発色 種が室温で速やかに無色化するのに対し、 本発明の化合 物の発色種は若干の初期退色の後に熱的に安定に固定化 されるところに特徴がある。
本発明の銪体をフォ トク口 ミ ック材料と して使用する 場合につき以下に説明する。
本発明の錯体を例えば、 ジェチルエーテル、 ジブチル エーテル、 テ トラ ヒ ドロフラ ン等のエーテル類、 ベンゼ ン、 トルエン、 キシ レン等の炭化水素類、 ジメチルホル ムア ミ ド、 ジメチルスルホキシ卞等の溶媒に高分子物質 と共に溶解し、 製膜するかも しく は支持体に塗布、 乾燥 することにより、 フ ォ トクロ ミ ック材料とするこ とがで きる。 こ こで高分子物質と しては、 本発明の錯体との相
溶性に優れ、 均一フィ ルムが調製できるものである限り、 従来公知のものを広く使用でき、 例えばポリメタク リル 酸メチル、 ポリ醉酸ビニル、 ボリ ビニルプチラール、 ポ リスチレン、 ポリ塩化ビニル、 ポリ塩化ビニリデン、 ポ リエチレン、 ポリプロピレン、 ポリウレタン等を挙げる ことができる。 また支持体と しては、 例えばボリエチレ ンテレフタレー ト、 ポリカーボネー ト、 ポリアク リ レー ト、 ガラス、 金属等が挙げられる。
本発明のフォ トク口 ミ ック材料は、 紫外光照射により 発色し、 可視光 ( 500 nm以上) 照射により元の無色 状態に戻すことができ、 且つこのサイクルを緣返すこと ができる。 このような特性を有する本発明の材料は、 例 えば記録材料、 レーザー用感光体、 光学フィルタ—、 デ ィ スプレイ、 装飾等々の広範囲の分野に有効に使用され 得る。
発明を実施するための最良の形態
以下に実施例を掲げて本発明をより一層明らかにする。 実施例 1
2, 3, 3— ト リメチルイ ン ドレニン (3. 2 6 g、 2 0. 5 πιιοΐ) をクロ口ホルム 7mlに加え、 ヨウ化メチ ル ( 3. 2 0 g、 2 2. 5 mniol) を加えてアンプル中、 8 0でで 1 7時間反応させた。 このとき反応溶液は、 赤
色溶液から赤色懸濁液に変化した。 反応終了後、 この懸 濁液を吸引慮過して赤色固体を取りだし、 氷冷しながら クロ口ホルムとジェチルエーテルを用いて洗浄した。 こ う して得られた桃色粉末は、 1 , 2, 3, 3—テ ト ラメ チルイ ン ドレニウムョージ ドであった。
収量 : 5. 7 g、 収率 : 94 %
1 H - NMR (D2 0) ; <5 p p m
1. 6 5 (s, 6 H, 3 - CH3 ) 、 2. 87 ( s , 3 H, 2 - C H3 ) 、 4. 1 0 ( s , 3 H, N - C H 3 ) 、 7. 5— 7. 8 (m, 4 H, 芳香族 H)
実施例 2
1, 2 , 3, 3—テ トラメチルイ ン ドレニウムョージ ド (1. 5 1 33 g、 5. 0 3 Dio l) を水酸化力 リ ウム 水溶液 (0. 7mol /1 , 1 07 nmol) に懸濁させ、 室 温で 1時間撹拌した。 このとき反応系に黄色の油状物質 が生成した。 この油層をジェチルエーテルを用いて抽出 し、 抽出液を飽和塩化ナ ト リ ゥム水溶液で水層が中性に なるまで洗浄した後に無水硫酸ナ ト リ ゥムを加えて乾燥 した。 乾燥後、 エーテルを留去するこ とによ り、 1, 3 , 3— ト リ メ チルー 2—メ チレ ンイ ン ド リ ンを赤色液体と して得た。
収量 : 8 07. 2 mg, 収率 : 9 3 %
^ -NMR CC D C l j ) ; <5 p p m
1. 3 ( s, 6 H, 3 - CH3 ) 、 3. 1 ( s, 3 H, N - C H3 ) 、 4. 0 ( s, 2 H, = C H2 ) 、 6. 5 一 7. 2 (m, 4 H, 芳香族 H)
実施例 3
へキサカルボニルクロム (1. 6 4 g、 7. 4 7 mnol) に 1, 3, 3— ト リメチルー 2—メチレンイ ン ドリ ン (1. 2 6 g、 7, 2 8ΒΙΒΟΙ) の乾燥ブチルエーテル溶 液 (3al) を窒素気流下で加え、 更に乾燥プチルェーテ ルを 4al及び乾燥テトラヒ ドロフラン 1. 5alを加えた。 この溶液を窒素気流下で 1 0 0W低圧水銀灯を厥射しな がら 1 40でで 2 8時間加熱した。 反応終了後、 熱時に 窒素下でセラィ ト it通し、 »液の黄色溶液から得られた 淡黄色針状晶は (7? u — 1 , 3, 3— ト リメチルー 2— メチレンイン ドリ ン (ト リカルボニル) クロムであった。 収量 : 1. 2 1 g, 収率 : 5 3 %
1 H -NMR (4 0 0 MHz , C D C 1 3 ) ; 5 p p m 1. 3 5 ( s , 3 H, 3 - C H3 ) 、 1. 5 1 ( s , 3 H, 3 - C H3 ) 、 2. 9 2 ( s , 3 H, N - C H 3 ) 、 4. 1 2 ( s, 2 H, 2 - C H2 ) 、 4. 7 1 ( t , 1 H, 5 - C H) 、 4. 8 1 (d, 1 H, 7 - C H) ゝ 5. 5 1 ( t , 1 H, 6— C H) 、 5. 7 0 ( d, 1 H,
丄 ά
4一 C Η)
I R (K B r ) ; 2 9 7 1 , 1 9 4 2, 1 8 6 5 ,
1 8 4 7 , 1 6 3 3, 1 5 5 1 cm'1
M S (E I , 2 0 e V) m/ z = 3 0 9 (M+ )
実施例 4
( 776 一 1, 3, 3— ト リ メ チルー 2—メ チレンイ ン ドリ ン ( ト リ カルボニル) ク ロム (4 9 8. 8 m,
1. 6 l nnol) を窒索気流下で乾燥メ タノール (2 5 ml) に溶解し、 5—二 ト ロサ リ チルアルデヒ ド ( 2 7 O nig、 1. 6 O naol) の乾燥メタノール溶液 (3. 7 ml) を少 しずつ滴下した。 2 5でで 1 4 1時間撞拌することによ り、 赤色溶液とオ レンジ色沈 JSの懸 »溶液が得られた。 このオレンジ色の沈 JRを分離して取り出し、 メ タノール で沈殺を洗浄した後に真空乾燥した。 こ う して得られた 黄色粉末は ( 1 , 3 , 3— ト リ メチルー 6 ' —二 トロス ピロ 〔 (2 ' H) — I .一べンゾビラ ン一 2 ', 2—
( 77。 一イ ン ドリ ン) ( ト リ カルボニル) ク ロム〕 であ つた。
収量 : 2 6 2. 7 nig, 収率 : 3 6 %
得られた黄色粉末の I Rスペク トルを図 1 に示す。
H H―- NMR (4 0 0 MH z , C D C 1 3 ) ; <5 P P m 2 1 ( s , 3 H, 3 - C H 3 ) 、 1. 3 3 ( s,
3 H, 3 - C H 3 ) 2. 7' 2 ( s , 3 H, N - C H 3 ) 、 4. 8 2 ( t , 1 H, J = 4. 8 5 H z , 5 - C H) 、
4. 8 5 ( d, 1 H, J = 4. 9 3 H z , 7 - C H) . 5. 5 3 ( t , 1 H, J - 5. 1 7 H z , 6 - C H) . 5. 5 7 (d, 1 H, J = 4. 9 6 H z , 4一 C H) 、
5. 6 2 (d, 1 H, J = 1 0. 2 8 H z , 3 ' - C H) 、 6. 9 3 (d, 1 H, J = 1 0. 2 8 H z ,
4 一 C H) 、 7. 2 0 (d, 1 H, J = 9. 0 0 H z , 8 ' - C H) 8. 0 1 (d, 1 H, 1 = 2. 5 6 H z ,
5 - C H) 、 8. 1 1 (dd, l.H, J = 9. 0 4 H z , 2. 6 4 H z , 7 ' - C H)
i3C - NMR ( 1 0 0 MH z , C D C 1 3 ) ; d p p m 2 1. 3 (3 - C H3 ) 、 2 6. 4 (3 - C H3 ) 、 2 8. 3 (N - CH3 ) 、 5 1. 2, 7 0. 5 ( 5 - C H) 、 8 3. 0 (7 - CH) 9 0. 5 (6 - C H) 、 9 4. 7 (4 - C H) . 1 0 3. 4, 1 0 4. 3 ,
1 1 6. 5 ( 8 ' - C H) . 1 2 0. 0 (3 ' - C H) . 1 2 2. 6 ( 5 ' - C H) . 1 2 6. 4 ( 7 ' - C H) . 1 2 8. 8 (4 ' — C H) 、 1 4 1. 5 , 1 5 8. 4 , 1 8 3. 9 , 2 3 4. 2 (C r — C O)
このようにして得た有機クロム錯体はベンゼン、 塩化 メ チレン、 ァセ ト ン等の溶媒中でフオ トクロ ミ ズムを示
した。 即ち 5 0 0 Wの超高圧'水銀灯を用いて波長を
3 5 0 n m付近に絞った紫外光を照射すると赤系統色に 着色した。 アセ ト ン中では極大吸収波長 (ス m a x ) = 5 6 4 n mであり、 これは金属に配'位子として結合して いないフ リーのスピロピラン体
CHs
とほぼ同じであつたのに対し、 ベンゼン及び埴化メチレ ン中では λ πι & χ - 5 0 0 η πιと短波長シフ ト していた。 これら着色溶液は 5 0 0 n m以上の可視光照射により黄 色に戻った。 更に先の紫外光照射により生成した発色種 は室温下で極めて安定であり、 若干の初期退色の後に安 定に固定された。 ベンゼン中での固定化の様子を図 2に 示す。 フ リーのスピロピランが室温下で無色化したのと 比べ対照的であった。
実施例 5
( ?70 - 1 , 3 , 3— ト リ メ チルー 2—メ チ レンイ ン ド リ ン ( ト リ カルボニル) ク ロム ( 3 0 9 mg, 1. 0 0 mmol) を窒素気流下で乾燥メ タノール ( 2 O ml) に溶解
し、 これに 5—二 トロチォサリチルアルデヒ ド ( 1 8 3 mg、 1. 0 0 fflaol) を乾燥メ タノール (2 ml) に溶かし た液を滴下した。 室湿で 2 2時間撹拌することにより、 橙色結晶が生成した。 この拮晶を分離して取り出し、 真 空乾燥することにより、 ( 1 , 3 , 3— ト リメチルー 6 - —二 トロスビロ 〔 (2 - H) — I - 一べンゾチオビ ラン一 2 , 2 ' — (" δ —イ ン ドリ ン) (ト リカルボ二 ル) クロム〕 を黄色結晶として得た。
収量: 1 3 収率: 2 8. 5 %
得られた結晶の1 H— NMR、 質量分析及び I Rの結 果を以下に示す。
1 H - NMR ( 4 0 0 MH z , C D C ) ; δ p m 1. 2 8 ( s , 3 H, 3 - C H 3 ) 、 1. 4 5 ( s , 3 H, 3 - C H 3 ) 、 2. 7 0 ( s , 3 H, N - C H 3 ) 、 5. 2 0 ( t , 1 H, 5 - C H) 、 5. 2 5 ( d , 1 H, 7 - C H) 、 5. 5 9 ( t , 1 H, 6 - C H) . 5. 7 5 ( d , 1 H, 4 - C H) . 5. 7 7 ( d , 1 H,
3 ' - C H) . 6. 7 3 ( d , 1 H, 4 ' C H) 、 7. 2 5 ( d, 1 H, 8 ' - C H) . 7. 9 9 ( d , 1 H, ァ - 一 C H) ゝ 8. 0 7 ( d, 1 H, 5 ' - C H) M S ( E I , 2 0 e V) m/ z = 4 7 4 (M+ ) ,
4 2 8 (M+ - N Oり ) , 0 0 (M+ - N 0
2 -
I R (K B r) ; 1 9 54, 1 86 7, 1 5 1 8, 1 344, 6 67 ci"1
このようにして得た有機クロム鐯体は、 メ タノール中 でフォ トクロ ミズムを示した。 即ち、 5 0 0 Wの超高圧 水銀灯を用いて波長を 35 0 nm付近に絞った紫外光を 照射すると、 赤系統色に着色した。 極大吸収波長
( λ m a ) - 550 nmであった。
実施例 6
実施例 4で得た黄色桔晶 20ag 市販のポリメチルメ タク リ レー ト 1 0 Oaiをベンゼン 2 O DUに溶解させ、 ァ ルゴン雰囲気下でガラス基板上にキャス トして淡黄色の フォ トクロミ ツク薄旗を得た。
この薄膜に 3 5 0 nm付近の紫外光を透過させるバン ドバスフィルターを装着した 5 00W超高圧水銀灯を用 いて紫外光を 3 0秒照射すると、 赤紫色に発色した。 発 色後のフイルムに 5 00 n m以上の光を透通させるバン ドバスフィ ルターを装着した 5 00 W超高圧水銀灯で可 視光を 2分間照射すると、 速やかに退色が起り、 元の淡 黄色薄膜に戻った。 この発消色のサイクルは繰返し行な うことができた。
図面の簡単な説明
図 1は、 実施例 4で得られる本発明錯体の ί Rスぺク トル図である。 図 2は、 該本発明錯体の発色伏態が固定 化されたことを示す吸光度スぺク トル図である。