JP2003070902A - 医療用チューブ - Google Patents

医療用チューブ

Info

Publication number
JP2003070902A
JP2003070902A JP2001267853A JP2001267853A JP2003070902A JP 2003070902 A JP2003070902 A JP 2003070902A JP 2001267853 A JP2001267853 A JP 2001267853A JP 2001267853 A JP2001267853 A JP 2001267853A JP 2003070902 A JP2003070902 A JP 2003070902A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyvinyl chloride
weight
parts
group
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001267853A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Kashiwabara
進 柏原
Masaki Sato
正喜 佐藤
Hitoshi Kawabata
等 河端
Hideyuki Kusano
英之 草野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Showa Kasei Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Showa Kasei Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd, Showa Kasei Kogyo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2001267853A priority Critical patent/JP2003070902A/ja
Publication of JP2003070902A publication Critical patent/JP2003070902A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的特性や耐久性に優れ、且つ、抗血栓
性、内分泌攪乱物質の体内への移行量削減などの安全性
の点でも優れた特性を有する医療用チューブを提供す
る。 【解決手段】 2以上の層からなるチューブであって、
該チューブの最内層が、ポリ塩化ビニル100重量部に
対して、ジオール成分とジカルボン酸成分の炭素原子数
の和が9〜20であるエステル単位からなり両末端にカ
ルボキシル基を有するポリエステルと、両末端にエポキ
シ基を有する末端エポキシ含有化合物とを反応させて得
られる改質ポリエステルを10〜150重量部混合して
なるポリ塩化ビニル系組成物(A)を主成分とし、最内
層以外の少なくとも一層が、ポリ塩化ビニル100重量
部に対して、トリメリット酸エステルを5〜150重量
部混合してなるポリ塩化ビニル系組成物(B)を主成分
とすることを特徴とする医療用チューブ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的特性や耐久
性に優れ、且つ、抗血栓性、内分泌攪乱物質の体内への
移行量削減などの安全性の点でも優れた特性を有する医
療用チューブを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、医療用チューブの形成材料として
ポリ塩化ビニル樹脂が広く用いられている。ポリ塩化ビ
ニル樹脂には、可塑剤として、フタル酸エステル、脂肪
族ポリエステル、エポキシ化合物等、種々の化合物が用
いられているが、可塑化効果が高く、得られる樹脂の透
明性や加工性が優れており、コストも安いことから、フ
タル酸エステルが多く用いられている。フタル酸エステ
ルと一般名称で呼称される可塑剤としては、フタル酸ベ
ンジルブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブ
チル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ−n−プロピ
ル、フタル酸ジ−n−ペンチル、フタル酸ジ−n−ヘキ
シル、フタル酸モノ(2−エチルヘキシル)、フタル酸
ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジシクロヘキシ
ル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシルなど
が挙げられる。
【0003】しかしながらフタル酸エステルを用いたポ
リ塩化ビニル樹脂成形物では、ポリエステルやポリアミ
ド、ポリウレタン等の他の樹脂と接触させた状態で放置
したり、あるいは空気中で放置した場合において、当該
成形物表面にフタル酸エステルが浸出、移行してしま
い、塩化ビニル樹脂の柔軟性、伸びの低下など、機械的
性質の劣化を引き起こす問題がある。また、フタル酸エ
ステルを使用した塩化ビニル樹脂にて形成された医療用
チューブでは、該チューブ内に種々の有機溶媒や血液、
血漿など通過させた際には、比較的簡単にフタル酸エス
テルが抽出されてしまう。これを防ぐためには、抗凝血
剤であるヘパリンを用いてチューブの内壁面をコーティ
ングする必要があるが、へパリンは高価であるため経済
的でない。さらにフタル酸エステルは、近年、生体内に
入った場合には内分泌攪乱物質として作用し、生物の生
殖機能を阻害することが危惧されている。したがって医
療用チューブの形成材料には、可塑剤としてフタル酸エ
ステルを使用しないポリ塩化ビニル樹脂を用いることが
望まれる。
【0004】特公昭52−36896号には、可塑剤と
してフタル酸エステルを使用しないポリ塩化ビニル系組
成物として、ポリ塩化ビニルA100重量部に対して、
炭素数6〜12の側鎖を有しない脂肪族カルボン酸aと
炭素数4〜12の側鎖を有さない脂肪族ジオールの4〜
15モル%を炭素数3〜12の側鎖を有する脂肪族ジオ
ールに置き換えた混合ジオールbからなるポリエステル
グリコールを使用して、ジイソシアネート成分1モルに
対しポリオール成分0.98〜1.06モルの割合で反
応させて得られるポリエステルウレタンBを40〜11
0重量部混合して得られる、毒性の低い軟質ポリ塩化ビ
ニル組成物が開示されている。しかし、この方法におい
ては、可塑剤のポリマーへの抽出性および移行性は改良
されているが、イソシアネートを使用するために残存イ
ソシアネート基による細胞毒性が懸念される。また、ウ
レタン結合が導入されているため、ポリエステル単独の
場合よりも可塑化効果が低く、加工性が悪い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、機械的特性
や耐久性に優れ、且つ、抗血栓性、内分泌攪乱物質の体
内への移行量削減などの安全性の点でも優れた特性を有
する医療用チューブを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。 (1)2以上の層からなるチューブであって、該チュー
ブの最内層が、ポリ塩化ビニル100重量部に対して、
ジオール成分とジカルボン酸成分の炭素原子数の和が9
〜20であるエステル単位からなり両末端にカルボキシ
ル基を有するポリエステルと、両末端にエポキシ基を有
する末端エポキシ含有化合物とを反応させて得られる改
質ポリエステルを10〜150重量部混合してなるポリ
塩化ビニル系組成物(A)を主成分とし、最内層以外の
少なくとも一層が、ポリ塩化ビニル100重量部に対し
て、トリメリット酸エステルを5〜150重量部混合し
てなるポリ塩化ビニル系組成物(B)を主成分とするこ
とを特徴とする医療用チューブ。 (2)上記末端エポキシ含有化合物が、下記一般式
(I)〜(V)のいずれかで表されるものである上記
(1)に記載の医療用チューブ。
【0007】
【化6】
【0008】(式中、R1は炭素原子数2〜30のアル
キレン基、アラルキレン基;Xはハロゲン原子;l,m
はそれぞれ独立した0〜10の整数(ただし、l,mが
ともに0である場合を除く)を示す。)
【0009】
【化7】
【0010】(式中、R2は炭素原子数1〜50のアル
キレン基、アルケニレン基、アラルキレン基または芳香
族基;nは1〜10の整数を示す。)
【0011】
【化8】
【0012】(式中、R3は炭素原子数1〜50のアル
キレン基、オキシアルキレン基、アラルキレン基または
芳香族基を示す。)
【0013】
【化9】
【0014】(式中、R4は炭素原子数4〜50のアル
キレン基、オキシアルキレン基、アラルキレン基または
芳香族基を示す。)
【0015】
【化10】
【0016】(式中、R5は炭素原子数1〜10のアル
キレン基、アルケニレン基、アリーレン基;oは1〜3
0の整数を示す。) (3)該最内層の厚さが1μm以上である上記(1)ま
たは(2)に記載の医療用チューブ。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の医療チューブは、2以上の層からなり、その最
内層がポリ塩化ビニルと特定の改質ポリエステルとの混
合物であるポリ塩化ビニル系組成物(A)を主成分と
し、かつ該最内層以外の層の少なくともいずれか一層が
ポリ塩化ビニル系組成物(B)を主成分とする。
【0018】本発明の医療用チューブの最内層の形成材
料であるポリ塩化ビニル系組成物(A)に用いられる改
質ポリエステルは、ジオール成分とジカルボン酸成分の
炭素原子数の和が9〜20であるエステル単位からなり
両末端にカルボキシル基を有するポリエステルと、後述
する末端エポキシ含有化合物とを反応させて得られる。
【0019】本発明における両末端がカルボキシル基を
有するポリエステルのジオール成分としては、1,6−
ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、ヘプタメチレングリコール、オクタメチレング
リコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリ
コール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメ
タノールなどの脂肪族および/または脂環式ジオールが
挙げられる。また、ジカルボン酸成分としてはグルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ウンデカジオン酸、ドデカジオン酸な
どがあげられる。
【0020】ただし、該ポリエステルにおいてジオール
成分とジカルボン酸成分の炭素原子数の和は9〜20、
好ましくは10〜15であるので、ジオール成分とジカ
ルボン酸成分はこの範囲で選択する必要がある。エステ
ル単位の炭素原子数の和が9より小さいと、これを用い
た改質ポリエステルのポリ塩化ビニルへの相溶性が悪く
なり、均一なポリ塩化ビニル系組成物(A)が得られな
い。またエステル単位の炭素原子数の和が20を越えて
も、改質ポリエステルのポリ塩化ビニルへの相溶性が悪
くなり、均一なポリ塩化ビニル系組成物(A)が得られ
ない。
【0021】上記ポリエステルの製造は、通常のエステ
ル化装置および条件、例えば、エステル化装置に原料の
ジオールおよびジカルボン酸またはその誘導体を加える
が、この際ジオール成分に対してジカルボン酸成分を過
剰に仕込み、この混合物を150℃〜260℃の温度で
攪拌しながらエステル化反応を行うことよって、実質的
に両末端にカルボキシル基を有するポリエステルが得ら
れる。上記ジカルボン酸の仕込み量は、ジオール成分の
仕込み量に対し、モル比で1.03〜1.20、好まし
くは1.05〜1.12である。上記エステル化反応に
おいて、適当なエステル化触媒、例えばリン酸、亜リン
酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン
酸、シュウ酸第一スズ塩、アルキル鉛酸化物、チタン酸
テトラブチル、酢酸亜鉛炭酸ナトリウムなどを適宜添加
してもよい。当該エステル化触媒の添加量としては、
0.01〜0.5重量%が例示される。上記エステル化
反応において、常圧、150〜260℃で2〜5時間反
応を行った後、徐々に減圧とし、圧力を0.1〜50m
mHgに減じて、残存する水を完全に除去することが好
ましい。
【0022】得られるポリエステルの数平均分子量は、
500〜20000、好ましくは1000〜8000で
ある。また、酸価は14〜110ミリ当量/kg、好ま
しくは20〜70ミリ当量/kgである。
【0023】本発明における末端エポキシ含有化合物
は、両末端にエポキシ基を有するものであれば、特に制
限はないが、たとえば下記の一般式(I)〜(V)で表
されるいずれかの化合物が例示される。
【0024】
【化11】
【0025】式(I)中、R1は炭素原子数2〜30、
好ましくは4〜20のアルキレン基、アラルキレン基を
示す。式(I)中、Xは例えばF、Clなどのハロゲン
原子を示す。式(I)中、l,mはそれぞれ独立した0
〜10、好ましくは1〜7の整数を示す(ただし、l,
mがともに0である場合を含まない。)。
【0026】
【化12】
【0027】式(II)中、R2は炭素原子数1〜5
0、好ましくは6〜20のアルキレン基、アルケニレン
基、アラルキレン基または芳香族基を示す。式(II)
中、nは1〜10を示す。
【0028】
【化13】
【0029】式(III)中、R3は炭素原子数1〜5
0、好ましくは6〜20のアルキレン基、オキシアルキ
レン基、アラルキレン基または芳香族基を示す。
【0030】
【化14】
【0031】式(IV)中、R4は炭素原子数4〜5
0、好ましくは6〜20のアルキレン基、オキシアルキ
レン基、アラルキレン基または芳香族基を示す。
【0032】
【化15】
【0033】式(V)中、R5は炭素原子数1〜10、
好ましくは2〜5のアルキレン基、アルケニレン基、ア
リーレン基を示す。式(V)中、oは1〜30の整数を
示す。
【0034】一般式(I)または(II)で示される末
端エポキシ含有化合物としては、炭素原子数4〜50の
脂肪族ジオール(例えば、テトラメチレングリコール、
ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール
など)、あるいは炭素原子数6〜50の芳香族ジオール
(例えば、4,4'−イソプロピリデンジフェノール、
4,4'−ジヒドロキシフェニルメタン、4,4'−ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシ
フェニルスルホンなど)、あるいは炭素原子数4〜50
のポリアルキレングリコール(例えば、分子量200〜
1000のポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオ
キサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体など)、
などの両末端水酸基をジグリシジルエーテル化したもの
が例示される。また、たとえば4,4’−イソプロピリ
デンジフェノールとエピクロルヒドリンとから得られる
分子量400〜2000の両末端にエポキシ基を有する
エポキシ樹脂なども例示される。
【0035】一般式(III)で示される末端エポキシ
含有化合物としては、炭素原子数4〜50の脂肪族飽和
カルボン酸(例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ダイマー酸など)、あるいは炭素原子数4〜5
0の脂肪族不飽和ジカルボン酸(例えば、マレイン酸、
フマル酸など)、あるいは炭素原子数6〜50の芳香族
ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸、イソフタル酸な
ど)、あるいは炭素原子数5〜50の芳香族核を側鎖に
有するジカルボン酸(例えば、1,2−ビス(ω―ヒド
ロキシカルボニルヘキサメチル−フェニル)エタンな
ど)など、の両末端カルボキシル基をジグリシジルエス
テル化したものが挙げられる。
【0036】一般式(IV)で示される末端エポキシ含
有化合物としては、オキシカルボン酸(例えば、ε−カ
プロン酸、安息香酸など)などのグリシジルエーテル、
グリシジルエステルが例示される。
【0037】一般式(V)で示される末端エポキシ含有
化合物としては、ポリテトラメチレングリコールや、下
記式(VI)
【0038】
【化16】
【0039】で示されるネオペンチルグリコールや、下
記式(VII)
【0040】
【化17】
【0041】で示されるレゾルシンジグリシジルエーテ
ル、下記一般式(VIII)
【0042】
【化18】
【0043】(式(VIII)中、pは1〜10、好ま
しくは4〜6の整数を示す。)で表される、たとえば
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルなどが
例示される。
【0044】本発明の改質ポリエステルを得るには、上
記両末端にカルボキシル基を有するポリエステル1モル
当り、末端エポキシ含有化合物を0.5〜1.5モル、
好ましくは0.7〜1.2モルの割合で反応させる。反
応条件は100℃〜250℃、好ましくは120℃〜2
30℃の温度で窒素気流下、攪拌しながら0.1〜10
時間反応を行う。この際、触媒としてエポキシ基の開環
触媒として一般に用いられる触媒を用いても良いが、特
に炭素数6〜50の脂肪族モノカルボン酸またはジカル
ボン酸のアルカリ金属塩が好ましい。触媒の添加量は
0.05〜0.5重量%である。得られる改質ポリエス
テルはクロロホルム溶媒中、30℃にて0.4g/dl
の濃度測定で還元粘度が0.30以上、好ましくは0.
50以上である。
【0045】本発明のポリ塩化ビニル系組成物(A)
は、ポリ塩化ビニル100重量部に対して上記改質ポリ
エステルを5〜150重量部、好ましくは15〜80重
量部混合して得られる。軟質のポリ塩化ビニルを得たい
時は改質ポリエステルを40重量部以上混合することが
好ましい。ポリ塩化ビニル100重量部に対し改質ポリ
エステルが5重量部未満しか混合されないと、改質ポリ
エステルの混合による組成物(A)の加工性(可塑性)
の向上が不充分であり、本発明の目的が達成されない。
またポリ塩化ビニル100重量部に対し改質ポリエステ
ルを150重量部を超えて混合すると、粘着性が増加
し、操業性、デバイスに加工した場合の操作性等に問題
が生じる。ポリ塩化ビニルに改質ポリエステルを混合す
る方法としては、従来公知のロール、ヘンシェルミキサ
ー、バンバリーミキサー等が使用される。
【0046】通常、ポリ塩化ビニル樹脂を加工する場
合、安定剤、滑剤の添加は必須であるが、本発明のポリ
塩化ビニル系組成物(A)を加工する場合も例外ではな
い。医療関係で使用される際には、安定剤としては特に
エポキシ系安定剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸亜鉛、リン系安定剤が好ましく用いられる。滑剤と
しては、特に脂肪酸系エステル系、パラフィン類、シリ
コーンオイルなどが好ましく用いられる。また、他の樹
脂やフィラーを混練しても構わない。これらを上記のミ
キサーにて混合した後、通常、押し出し成型によりスト
ランド状に引き出し、カッターにより切断して成型用の
ペレットを得る。
【0047】このようなポリ塩化ビニル系組成物(A)
を用いて最内層を形成した本発明の医療用チューブにお
いては、上述した改質ポリエステルを用いることによ
り、フタル酸エステルを可塑剤として用いることなく従
来のフタル酸エステルを用いて得られていた塩化ビニル
樹脂製の医療用チューブと同様の加工性(可塑性)が得
られるため、可塑剤の抽出、移行、毒性などの問題がな
く、さらにはその構成される成分によって高い生体適合
性、特に血小板の粘着抑制による抗血栓性の改善された
医療用チューブを提供することができる。
【0048】ポリ塩化ビニル系組成物(B)は、ポリ塩
化ビニルをトリメリット酸エステルを主とする可塑剤に
て可塑化した軟質のポリ塩化ビニル樹脂である。主な可
塑剤であるトリメリット酸エステルとしては、トリメリ
ット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリ
ブチル、トリメリット酸トリエチル、トリメリット酸ト
リ−n−ブチル、トリメリット酸トリイソブチル、トリ
メリット酸トリ−n−プロピル、トリメリット酸トリ−
n−ペンチル、トリメリット酸トリ−n−ヘキシル、ト
リメリット酸トリシクロヘキシル、トリメリット酸トリ
イソノニル、トリメリット酸トリイソデシル等が挙げら
れる。
【0049】本発明のポリ塩化ビニル系組成物(B)
は、ポリ塩化ビニル100重量部に対して、トリメリッ
ト酸エステルを10〜150重量部、好ましくは20〜
100重量部混合して得られる。ポリ塩化ビニル100
重量部に対しトリメリット酸エステルが10重量部未満
しか混合されないと、充分な可塑化効果が得られず、成
形したチューブが折れ易くなってしまう問題が生じる。
またポリ塩化ビニル100重量部に対しトリメリット酸
エステルが150重量部を越えて混合されると、得られ
たチューブの強度が低下したり、トリメリット酸エステ
ルが表面に移行してチューブがべとつき、商品価値が著
しく低下してしまう問題が生じる。トリメリット酸エス
テルとポリ塩化ビニルとの混合方法は、従来公知のロー
ル、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー等が使用
される。
【0050】本発明のポリ塩化ビニル系組成物(B)に
ついても、上述したポリ塩化ビニル系組成物(A)と同
様に、通常必須の成分として安定剤、滑剤が添加され
る。医療関係で使用される際には、安定剤としては特に
エポキシ系安定剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸亜鉛、リン系安定剤が好ましく用いられる。滑剤と
しては、特に脂肪酸系エステル系、パラフィン類、シリ
コーンオイルなどが好ましく用いられる。また、他の樹
脂やフィラーを混練しても構わない。これらについても
所定量を仕込んだ後、ミキサーにて混合した後、通常、
押し出し成型によりストランド状に引き出し、カッター
により切断して成型用のペレットを得る。
【0051】本発明は、内分泌攪乱物質を含まない抗血
栓性に優れたポリ塩化ビニル系組成物(A)、ならびに
内分泌攪乱物質を含まない成形性および機械的強度、耐
久性などの諸物性に優れたポリ塩化ビニル系組成物
(B)を必須成分とし、上述した構造となるように押し
出し成形にてチューブ状に加工して、たとえば人工心肺
回路、血液透析回路、心臓手術用のカニューレ、外科手
術に用いられる吸引用チューブ、薬液注入用などの用途
のチューブなど、種々の医療用チューブとして使用す
る。
【0052】本発明の医療用チューブは、血液や薬液に
接触するチューブ最内層がポリ塩化ビニル系組成物
(A)を主成分とし、最内層以外の少なくとも1層が諸
物性に優れるポリ塩化ビニル系組成物(B)を主成分と
して、2層以上の多層チューブに加工してなる構成とす
るものである。この構成において、特にローラーポンプ
などのしごきに対する耐久性が要求される場合には、ポ
リ塩化ビニル系組成物(A)による最内層の厚みはチュ
ーブ全体の肉厚の50%以下が好ましく、30%以下が
更に好ましい。ただし、ポリ塩化ビニル系組成物(A)
の抗血栓性と溶出物の少なさを活かすためには、最内層
の厚さは1μm以上であるのが好ましく、20μm〜3
00μmであるのがより好ましい。また、本発明の医療
用チューブは、ポリ塩化ビニル系組成物(A)を主成分
とする内側の層と、ポリ塩化ビニル系組成物(B)を主
成分とする外側の層との、二層のチューブで実現される
のが好ましい。
【0053】これらの内分泌攪乱物質を含まないポリ塩
化ビニル系組成物(A)、ポリ塩化ビニル系組成物
(B)を各々単独で用いてチューブ成形した場合には、
本発明の医療用チューブのような優れた効果は得ること
ができない。すなわち、ポリ塩化ビニル系組成物(A)
単独で成形されたチューブでは、高分子量の改質ポリエ
ステルの特性から低温(0℃〜37℃程度)時にチュー
ブが大幅に硬くなってしまい、医療用チューブとして要
求される可撓性を得ることができなくなってしまう。ま
た、フタル酸エステルを可塑剤として用いたポリ塩化ビ
ニル樹脂製の従来の医療用チューブと比較して、弾性等
の諸物性に劣る。さらに、ポリ塩化ビニル系組成物
(A)に用いる改質ポリエステルは、フタル酸エステル
などポリ塩化ビニル樹脂に通常用いられる可塑剤に比べ
て高価であり、近年の医療費の抑制という社会的な要求
に答えられないものとなってしまう。
【0054】また、ポリ塩化ビニル系組成物(B)単独
で成形されたチューブでは、ポリ塩化ビニル系組成物
(A)が有するような抗血栓性はまったく保有しない。
抗血栓性を得るためには、フタル酸エステルにて可塑化
された従来のポリ塩化ビニル製チューブと同様に、高価
な抗凝血剤であるヘパリンを利用したコーティングを行
う必要がある。また、チューブの最内層以外の少なくと
も一層をポリ塩化ビニル系組成物(B)にて形成し、か
つ抗血栓性に優れたポリウレタンやある種のシリコーン
樹脂、アクリル樹脂などにて最内層を形成して多層チュ
ーブを得ることも容易に考えられるが、互いに異なる樹
脂同士の界面(最内層とそれに接する外側の層との間の
界面)で可塑剤が抽出されたり、あるいは互いに異なる
樹脂同士の間で十分な相溶性がないため、ローラーポン
プやクランプなど医療用途に必須である操作により、最
内層とそれに接する外側の層とが容易に剥離してしまう
などの問題が生じる。
【0055】このように、本発明の医療用チューブは、
ポリ塩化ビニル系組成物(A)を主成分とする最内層
と、ポリ塩化ビニル系組成物(B)を主成分とする最内
層以外の少なくとも一層を必須構成要件として備えるこ
とによって、医療用途としてきわめて優れた特性を得る
ことができる。
【0056】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の医療用チュー
ブをより詳細に説明するが、これらは単なる例示であっ
て、本発明の範囲を何ら限定するものではない。 (改質ポリエステル1の合成)アジピン酸1524重量
部、1,6−ヘキサンジオール1182重量部、チタン
酸テトラブチル0.108重量部およびトリメチルホス
フェート0.089重量部をオートクレーブに仕込み、
窒素気流下、150℃〜230℃に2時間かけて昇温
し、攪拌しながら、生成する水を除去し、反応を行っ
た。次いで、230℃に保持し、徐々に減圧し、60分
間かけて0.1mmHgとした。さらに230℃、0.
1mmHgで60分間反応を行い、酸価24.7ミリ当
量/kg、水酸基価0.50ミリ当量/kgの両末端に
カルボキシル基を有するポリエステルを得た。このポリ
エステル1500重量部とエポキシ樹脂(YD−12
8、東都化成KK製、エポキシ当量:192.3g/当
量)88.9重量部およびダイマー酸ジナトリウム3.
0重量部をオートクレーブに仕込み、窒素気流下、18
0℃で攪拌しながら4時間反応させて、ηsp/Cが0.
756の改質ポリエステル1を得た。 (ポリ塩化ビニル系組成物(A−1)の樹脂ペレットの
製造)ポリ塩化ビニル(重合度:1100)100重量
部と上記改質ポリエステル1を40重量部とエポキシ化
大豆油15重量部、ステアリン酸カルシウム0.5重量
部、ステアリン酸亜鉛0.5重量部を蒸気加熱式8イン
チミキシングロール(ロール温度:115℃)を使用し
て90分間混練りして、ポリ塩化ビニル系組成物(A−
1)を得た。該ポリ塩化ビニル系組成物(A−1)を、
二軸押し出し成形機を使用して175℃でストランド成
形を行い、ペレット状にした。
【0057】(改質ポリエステル2の合成)アジピン酸
1524重量部、1,4−ブタンジオール899重量
部、チタン酸テトラブチル0.108重量部およびトリ
メチルホスフェート0.089重量部をオートクレーブ
に仕込み、窒素気流下、150℃〜230℃に2時間か
けて昇温し、攪拌しながら生成する水を除去し、反応を
行った。次いで、230℃を保持し、徐々に減圧とし、
60分間かけて0.1mmHgとした。さらに230
℃、0.1mmHgで60分間反応を行い、酸価24.
7ミリ当量/kg、水酸基価0.50ミリ当量/kgの
両末端にカルボキシル基を有するポリエステルを得た。
このポリエステル1500重量部とジグリシジルセバケ
ート153重量部およびダイマー酸ジナトリウム3.0
重量部をオートクレーブに仕込み、窒素気流下、180
℃で攪拌しながら4時間反応させて、ηsp/Cが0.7
8の改質ポリエステル2を得た。 (ポリ塩化ビニル系組成物(A−2)の樹脂ペレットの
製造)ポリ塩化ビニル(重合度:1100)100重量
部と上記改質ポリエステル2を35重量部とエポキシ化
大豆油15重量部、ステアリン酸カルシウム0.5重量
部、ステアリン酸亜鉛0.5重量部を蒸気加熱式8イン
チミキシングロール(ロール温度:115℃)を使用し
て90分間混練りしてポリ塩化ビニル系組成物(A−
2)を得た。該ポリ塩化ビニル系組成物(A−2)を、
二軸押し出し成形機を使用して175℃でストランド成
形を行い、ペレット状にした。
【0058】(改質ポリエステル3の合成)アジピン酸
1524重量部、エチレングリコール460重量部、チ
タン酸テトラブチル0.108重量部およびトリメチル
ホスフェート0.089重量部をオートクレーブに仕込
み、窒素気流下、150℃〜230℃に2時間かけて昇
温し、攪拌しながら生成する水を除去し、反応を行っ
た。次いで、230℃を保持し、徐々に減圧とし、60
分間かけて0.1mmHgとした。さらに230℃、
0.1mmHgで60分間反応を行い、酸価26.5ミ
リ当量/kg、水酸基価0.35ミリ当量/kgの両末
端にカルボキシル基を有するポリエステルを得た。この
ポリエステル1500重量部とエポキシ樹脂(YD−1
28、東都化成KK製、エポキシ当量:192.3g/
当量)88.9重量部およびダイマー酸ジナトリウム
3.0重量部をオートクレーブに仕込み、窒素気流下、
180℃で攪拌しながら4時間反応させて、ηsp/Cが
0.78の改質ポリエステル3を得た。 (ポリ塩化ビニル系組成物(A−3)の樹脂ペレットの
製造)ポリ塩化ビニル(重合度:1100)100重量
部と上記改質ポリエステル3を20重量部とエポキシ化
大豆油20重量部、ステアリン酸カルシウム0.5重量
部、ステアリン酸亜鉛0.5重量部を蒸気過熱式8イン
チミキシングロール(ロール温度:115℃)を使用し
て90分間混練りしてポリ塩化ビニル系組成物(A−
3)を得た。該ポリ塩化ビニル系組成物(A−3)を、
二軸押し出し成形機を使用して175℃でストランド成
形を行い、ペレット状にした。
【0059】(改質ポリエステル4の合成)アジピン酸
1524重量部、1,6−ヘキサンジオール1182重
量部、チタン酸テトラブチル0.108重量部およびト
リメチルホスフェート0.089重量部をオートクレー
ブに仕込み、窒素気流下、150℃〜230℃に2時間
かけて昇温し、攪拌しながら生成する水を除去し、反応
を行った。次いで、230℃を保持し、徐々に減圧と
し、60分間かけて0.1mmHgとした。さらに23
0℃、0.1mmHgで60分間反応を行い、酸価3
7.4ミリ当量/kg、水酸基価0.3ミリ当量/kg
の両末端カルボキシル基を有するポリエステルを得た。
このポリエステル1500重量部とエポキシ樹脂(デナ
コール211、ナガセ化成KK製、エポキシ当量:14
0.0g/当量)151.8重量部およびステアリン酸
カルシウム6.0重量部をオートクレーブに仕込み、窒
素気流下、180℃で攪拌しながら4時間反応させて、
ηsp/Cが0.78の改質ポリエステル4を得た。 (ポリ塩化ビニル系組成物(A−4)の樹脂ペレットの
製造)ポリ塩化ビニル(重合度:1100)100重量
部と上記改質ポリエステル4を20重量部とエポキシ化
大豆油20重量部、ステアリン酸カルシウム0.5重量
部、ステアリン酸亜鉛0.5重量部を蒸気加熱式8イン
チミキシングロール(ロール温度:115℃)を使用し
て90分間混練りしてポリ塩化ビニル系組成物(A−
4)を得た。該ポリ塩化ビニル系組成物(A−4)を、
二軸押し出し成形機を使用して175℃でストランド成
形を行い、ペレット状にした。
【0060】(ポリ塩化ビニル系組成物(B−1)の樹
脂ペレットの製造)ポリ塩化ビニル(重合度:170
0)100重量部とトリメリット酸トリ−2−エチルヘ
キシル95重量部、エポキシ化大豆油5重量部、ステア
リン酸カルシウム0.5重量部、ステアリン酸亜鉛0.
5重量部を蒸気加熱式8インチミキシングロール(ロー
ル温度:60℃)を使用して20分間混練りしてポリ塩
化ビニル系組成物(B−1)を得た。該ポリ塩化ビニル
系組成物(B−1)を、二軸押し出し成形機を使用して
165℃でストランド成形を行い、ペレット状にした。
【0061】(ポリ塩化ビニル系組成物(B−2)の樹
脂ペレットの製造)ポリ塩化ビニル(重合度:170
0)100重量部とトリメリット酸トリ−n−オクチル
95重量部、エポキシ化大豆油5重量部、ステアリン酸
カルシウム0.5重量部、ステアリン酸亜鉛0.5重量
部を蒸気加熱式8インチミキシングロール(ロール温
度:60℃)を使用して20分間混練りしてポリ塩化ビ
ニル系組成物(B−2)を得た。該ポリ塩化ビニル系組
成物(B−2)を、二軸押し出し成形機を使用して16
5℃でストランド成形を行い、ペレット状にした。
【0062】(実施例1〜5)及び(比較例1〜4)上
記のポリ塩化ビニル系組成物(A−1)〜(A−4)、
およびポリ塩化ビニル系組成物(B−1)、(B−2)
のペレットおよびDOP、市販のアジピン酸系ポリエス
テル可塑剤を組み合わせて、表1に示した数値の重量比
で、実施例1〜5および比較例1〜4のチューブのサン
プルを成型した。チューブの寸法は内径6.4mm、外
径11.0mmとした。チューブが二層のチューブであ
る場合、内側の層を「内層」、外側の層を「外層」と呼
ぶものとする。
【0063】
【表1】
【0064】実施例1〜5、および比較例1〜4でそれ
ぞれ得られたチューブのサンプルについて、下記の試験
項目について評価を実施した。
【0065】(溶出物試験)実施例1〜5及び比較例1
〜4で得られた各チューブのサンプルに生理食塩液10
0ccを充填して、両端をクランプし恒温漕中にて70
±3℃で30分間加温した。冷却後、内溶液を取り出し
てこれを試験液とした。同時にこの時、清浄な共栓付き
三角フラスコで注射用蒸留水を同様に処理し、これを空
試験液とした。上記の試験液及び空試験液を用いて、人
工心肺用ディスポーザブルセット基準(昭和53年3月
6日 厚生省告示第42号)の「第III−1項 人工
肺の品質及び試験方法の溶出物試験」の項に準拠して、
外観、泡立ち(空試験液との比較)、ΔpH(空試験液
との比較)、紫外吸収スペクトルおよび過マンガン酸カ
リウム消費物質による定量、の各項目について実施し
た。試験結果を表2に示す。この結果から判明するよう
に市販のポリエステル系可塑剤を用いた場合には、紫外
吸収スペクトルおよび過マンガン酸カリウム消費物質の
試験結果で実施例と比較した場合、きわめて大きな値を
示し、可塑剤から一部の物質が溶出していることを示
す。
【0066】(DOP(フタル酸ジ(2−エチルヘキシ
ル)の定量)実施例1〜5及び比較例1〜4で得られた
各チューブのサンプルに血漿を使用して、下記の手順に
て内分泌攪乱物質であるDOPの定量を実施した。まず
チューブを10cmに切断して片方に栓をし、脱繊維処
理をした血漿を2ml加えて2時間37℃でインキュベ
ーションした。標準物質としてフタル酸ジ−2−エチル
ヘキシル−d4を用いて、取り出した血漿1mlに含ま
れるDOPの量をGC/MS測定にて定量した。この結
果、一般に医療用途として使用されているチューブから
は血漿中へDOPが抽出されていることが判明したが、
本発明の実施例からは検出されなかった。
【0067】(ローラーポンプ試験)実施例1〜5及び
比較例1〜4で得られた各チューブのサンプルについ
て、血液回路用のポンプチューブとしての耐久性を有し
ているかの確認試験を実施した。心臓手術用のローラー
ポンプに作製したチューブを取り付け、37℃の生理食
塩液20l(リットル)が入ったタンクに流入、流出口
を付けて200回転/分の回転にて24時間の耐久性を
試験した。24時間以内に破損した場合には、その時間
を記録した。試験結果を表2に示す。この結果、実施例
では全くクラックは発生しなかったが、本発明のポリ塩
化ビニル系樹脂(A)のみで製作した単層のチューブ
(比較例1)は、7時間の運転後に亀裂が発生した。
【0068】(抗血栓性試験)抗血栓性試験の評価はMa
kromol.Chem.,179,1121(1978)記載のカラム法を参考に
して行った。すなわち、直径200μmのガラスビーズ
を、実施例1〜5、及び比較例1〜4のチューブサンプ
ルの内壁面(すなわち、血液接触面)を形成する部分に
使用したポリ塩化ビニル系組成物にて被覆する。被覆す
る方法はポリ塩化ビニル組成物をテトラヒドロフラン
(以下、THF)に溶解して、この溶液中にガラスビー
ズを浸漬した後、引き上げて40℃の乾燥機中で窒素気
流下にて24時間乾燥させる。そのビーズ0.5gを両
端にコックを有する内径0.3cmの市販のポリウレタ
ン製チューブ10cmに最密充填し、生理食塩水で満た
す。成犬頸静脈より10ml容量のディスポーザブルシ
リンジ(ニプロ医工製)を用いて2mlの新鮮血を採取
し、ただちに一定流速で押し出し可能なシリンジポンプ
にセットして、この注射器の先端に前述のビーズ充填カ
ラムを接続する。次いで1.0ml/分の分速で1分間
カラム中に血液を流し、カラムを通過してきた血液をE
DTA処理された市販のポリドナービンに採取する。カ
ラム通過血液中の血小板数はBrecher Cronkite法を用
いて算出する。血小板粘着数はカラム通過前の血流中の
血小板数からカラム通過後の血小板数を差し引いた値で
ある。材料間の血小板の相対比較は下式の如く求め、こ
の値が小さいほど、血小板の粘着性が少ない。すなわち
抗血栓性が良好であることを示す。 (血小板粘着数比)=(高分子材料被覆ビーズに対する
粘着数)÷(塩ビ被覆ビーズに対する粘着数) 試験結果を表2に示す。表2から明らかなように本発明
で内層部に使用したポリ塩化ビニル系組成物は、従来の
ポリ塩化ビニル樹脂よりも良好な抗血栓性を有する。
【0069】
【表2】
【0070】このように本発明のポリ塩化ビニル系組成
物(A)を最内層(二層チューブにおいて内層)に、ポ
リ塩化ビニル系組成物(B)を最内層以外の一層(二層
チューブにおいて外層)に有する本発明の医療用チュー
ブは、ポリ塩化ビニル系組成物からの溶出物の抑制、内
分泌攪乱物質であるフタル酸エステル溶出の抑制、血液
回路としての耐久性、抗血栓性の全ての課題を解決でき
る優れた特性を有していた。
【0071】
【発明の効果】本発明の医療用のチューブは、これまで
使用されてきたフタル酸エステルを含む医療用チューブ
の問題点である抗血栓性、内分泌攪乱物質の体内への移
行などの諸問題点を解決でき、かつローラーポンプに対
する耐久性などの機械的強度も優れた特性を有する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 27/06 C08L 63/00 A 63/00 A61L 33/00 C P (72)発明者 佐藤 正喜 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 河端 等 埼玉県羽生市小松台1−603−29 昭和化 成工業株式会社内 (72)発明者 草野 英之 埼玉県羽生市小松台1−603−29 昭和化 成工業株式会社内 Fターム(参考) 4C081 AC08 BA02 BB07 BB08 CA041 CA161 CA162 CA182 CE07 DA03 DC03 DC06 4F100 AH02B AK15A AK15B AK41A AK53A AK53K AL05A AL06A BA02 BA07 DA02 GB66 JC00 JL00 YY00A YY00B 4J002 BD04 CD00 CD01 GB01 4J036 AA01 AJ01 AJ05 AJ15 AK19 CD11 DB17 FB11 JA15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2以上の層からなるチューブであって、 該チューブの最内層が、ポリ塩化ビニル100重量部に
    対して、ジオール成分とジカルボン酸成分の炭素原子数
    の和が9〜20であるエステル単位からなり両末端にカ
    ルボキシル基を有するポリエステルと、両末端にエポキ
    シ基を有する末端エポキシ含有化合物とを反応させて得
    られる改質ポリエステルを10〜150重量部混合して
    なるポリ塩化ビニル系組成物(A)を主成分とし、 最内層以外の少なくとも一層が、ポリ塩化ビニル100
    重量部に対して、トリメリット酸エステルを5〜150
    重量部混合してなるポリ塩化ビニル系組成物(B)を主
    成分とすることを特徴とする医療用チューブ。
  2. 【請求項2】 上記末端エポキシ含有化合物が、下記一
    般式(I)〜(V)のいずれかで表されるものである請
    求項1に記載の医療用チューブ。 【化1】 (式中、R1は炭素原子数2〜30のアルキレン基、ア
    ラルキレン基;Xはハロゲン原子;l,mはそれぞれ独
    立した0〜10の整数(ただし、l,mがともに0であ
    る場合を除く)を示す。) 【化2】 (式中、R2は炭素原子数1〜50のアルキレン基、ア
    ルケニレン基、アラルキレン基または芳香族基;nは1
    〜10の整数を示す。) 【化3】 (式中、R3は炭素原子数1〜50のアルキレン基、オ
    キシアルキレン基、アラルキレン基または芳香族基を示
    す。) 【化4】 (式中、R4は炭素原子数4〜50のアルキレン基、オ
    キシアルキレン基、アラルキレン基または芳香族基を示
    す。) 【化5】 (式中、R5は炭素原子数1〜10のアルキレン基、ア
    ルケニレン基、アリーレン基;oは1〜30の整数を示
    す。)
  3. 【請求項3】 該最内層の厚さが1μm以上である請求
    項1または2に記載の医療用チューブ。
JP2001267853A 2001-09-04 2001-09-04 医療用チューブ Pending JP2003070902A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001267853A JP2003070902A (ja) 2001-09-04 2001-09-04 医療用チューブ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001267853A JP2003070902A (ja) 2001-09-04 2001-09-04 医療用チューブ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003070902A true JP2003070902A (ja) 2003-03-11

Family

ID=19093925

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001267853A Pending JP2003070902A (ja) 2001-09-04 2001-09-04 医療用チューブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003070902A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005230058A (ja) * 2004-02-17 2005-09-02 Sumitomo Bakelite Co Ltd コネクター付カテーテル
WO2007144831A3 (en) * 2006-06-13 2008-05-08 Rinaldo Mezzalira Flexible hose with non-phthalate plasticizers additives for transporting food liquids
JPWO2020196396A1 (ja) * 2019-03-26 2020-10-01

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS539887A (en) * 1976-07-16 1978-01-28 Toray Ind Inc Laminated article
JPS5887143A (ja) * 1981-11-18 1983-05-24 Toyobo Co Ltd ポリ塩化ビニル組成物
JPS58198350A (ja) * 1982-05-13 1983-11-18 東洋紡績株式会社 血液輸送管または血液取扱い用具
JPS5997668A (ja) * 1982-11-27 1984-06-05 東洋紡績株式会社 血液輸送管または血液取扱い用具
JPS63125261A (ja) * 1986-11-17 1988-05-28 テルモ株式会社 医療用具
JPH03218770A (ja) * 1990-01-24 1991-09-26 Nissho Corp 血小板保存用バッグおよびそれを用いた複合バッグ
JPH08289928A (ja) * 1995-04-24 1996-11-05 Toyobo Co Ltd 医療用チューブおよびその製造方法
JPH10201840A (ja) * 1997-01-23 1998-08-04 Toyobo Co Ltd 易滑性医療用具およびその製造方法
WO2000061205A1 (en) * 1999-04-12 2000-10-19 Edwards Lifesciences Corporation Lubricious coatings for medical devices
WO2001007097A1 (fr) * 1999-07-28 2001-02-01 Nof Corporation Substances medicales et leur procede d'obtention

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS539887A (en) * 1976-07-16 1978-01-28 Toray Ind Inc Laminated article
JPS5887143A (ja) * 1981-11-18 1983-05-24 Toyobo Co Ltd ポリ塩化ビニル組成物
JPS58198350A (ja) * 1982-05-13 1983-11-18 東洋紡績株式会社 血液輸送管または血液取扱い用具
JPS5997668A (ja) * 1982-11-27 1984-06-05 東洋紡績株式会社 血液輸送管または血液取扱い用具
JPS63125261A (ja) * 1986-11-17 1988-05-28 テルモ株式会社 医療用具
JPH03218770A (ja) * 1990-01-24 1991-09-26 Nissho Corp 血小板保存用バッグおよびそれを用いた複合バッグ
JPH08289928A (ja) * 1995-04-24 1996-11-05 Toyobo Co Ltd 医療用チューブおよびその製造方法
JPH10201840A (ja) * 1997-01-23 1998-08-04 Toyobo Co Ltd 易滑性医療用具およびその製造方法
WO2000061205A1 (en) * 1999-04-12 2000-10-19 Edwards Lifesciences Corporation Lubricious coatings for medical devices
WO2001007097A1 (fr) * 1999-07-28 2001-02-01 Nof Corporation Substances medicales et leur procede d'obtention

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005230058A (ja) * 2004-02-17 2005-09-02 Sumitomo Bakelite Co Ltd コネクター付カテーテル
WO2007144831A3 (en) * 2006-06-13 2008-05-08 Rinaldo Mezzalira Flexible hose with non-phthalate plasticizers additives for transporting food liquids
US8057877B2 (en) 2006-06-13 2011-11-15 Alessandro Mezzalira, legal representative Flexible hose with non-phthalate plasticizers additives for transporting food liquids
JPWO2020196396A1 (ja) * 2019-03-26 2020-10-01
WO2020196396A1 (ja) * 2019-03-26 2020-10-01 日本ゼオン株式会社 塩化ビニル樹脂組成物、塩化ビニル樹脂成形体および積層体
JP7476884B2 (ja) 2019-03-26 2024-05-01 日本ゼオン株式会社 塩化ビニル樹脂組成物、塩化ビニル樹脂成形体および積層体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE3752171T2 (de) Polyesterharzzusammensetzung
JPH0335331B2 (ja)
JP2001525228A (ja) 特性が改良された医用デバイス
US6114441A (en) Blends of grafted fluoropolymer and polyester
JP3226576B2 (ja) ブロックポリエーテルアミド含有ポリマーブレンド
JP2003165881A (ja) ポリ塩化ビニル系組成物
US4478961A (en) Polyvinyl chloride composition
US4329992A (en) Medical apparatus for parenteral liquids
CN112111112A (zh) 一种含磁性微胶囊的高弹橡塑手套及其制备方法
JPS5887143A (ja) ポリ塩化ビニル組成物
Zhao et al. Update on medical plasticised PVC
JP4168904B2 (ja) ポリエステル系可塑剤および塩化ビニル系樹脂組成物
JPS6128541A (ja) 医療器具用塩化ビニル系樹脂組成物
JP4000314B2 (ja) 積層体および該積層体からなる医療用具
JPS6157785B2 (ja)
JPS58162649A (ja) 塩化ビニル樹脂組成物
JPS5998155A (ja) ポリ塩化ビニル組成物
JPH048061B2 (ja)
JPS5997668A (ja) 血液輸送管または血液取扱い用具
JPH07107119B2 (ja) ポリ塩化ビニル組成物
JP2008133372A (ja) ポリエステル系可塑剤、及びそれを含有する塩化ビニル系樹脂組成物
JPH08289928A (ja) 医療用チューブおよびその製造方法
JPH0229448A (ja) 含ハロゲン熱可塑性樹脂組成物
JPS6025449B2 (ja) 医療用又は飲食用薄葉構造体
JP4160195B2 (ja) 抗血栓性に優れた高分子組成物およびそれからなる医療用材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080902

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111018

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120703