JP2009108917A - ドラムブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工コストが高騰する高精度な雌ねじ加工をシリンダボディに実施する必要がなく、しかも制動トルクを受けるアンカ用ピン部の太径化が図り易いドラムブレーキ装置を得る。
【解決手段】シリンダ固定ボルトを兼ねるアンカピン43,44は、シリンダボディ41に貫通形成されたピン嵌合孔71に嵌合するシリンダ嵌合軸部81と、シリンダボディ41の上面を押えるフランジ部82と、バッキングプレート39に形成された取付穴74を挿通してバッキングプレート39の裏面側からナット75により締結されるねじ部84と、フランジ部82の中心に突設されると共にブレーキシュー33,34の端部に当接してアンカ反力を受けるアンカ用ピン部85とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、アンカ反力を受ける一対のアンカピンが、ブレーキシューを拡開操作するホイールシリンダをバッキングプレートに固定するシリンダ固定ボルトを兼ねているドラムブレーキ装置に関するものである。
従来、車両の走行を制動するために種々の形式のドラムブレーキ装置が用いられているが、これらのドラムブレーキ装置は、略円筒状のドラムの内周面に押圧されるブレーキシューの配置によって、リーディングトレーリング式やツーリーディング式、若しくはデュオサーボ式等に分類される。
デュオサーボ式のドラムブレーキ装置は、一般に、円筒状のドラム内に、互いに対向して配置されたプライマリ・シューとセカンダリ・シューの一対のブレーキシューを備える。プライマリ・シューは、ドラムの前進回転方向入口側が入力部とされると共に、ドラムの前進回転方向出口側は例えばアジャスタを介してセカンダリ・シューの入口側に連結される。一方、セカンダリ・シューの出口側はバッキングプレート上に装備されたアンカ部に当接させられ、プライマリ・シュー及びセカンダリ・シューに作用するアンカ反力をこのアンカ部で受け止めるようになっている。
これにより、プライマリ・シュー及びセカンダリ・シューを拡開させてドラムの内周面に押し付けると、プライマリ・シューに作用するアンカ反力がセカンダリ・シューの入口側に入力してセカンダリ・シューをドラム内周面に押し付けるように作用するため、プライマリ・シューとセカンダリ・シューの双方がリーディング・シューとして動作し、非常にゲインの高い制動力を得ることができる。
前述したデュオサーボ式ドラムブレーキ装置は、リーディングトレーリング式やツーリーディング式のドラムブレーキ装置と比較して、極めて高い制動力を得ることができるばかりでなく、小型化し易く、かつ、駐車ブレーキの組み込みも容易である等の多くの長所を有している。ところが、このようなデュオサーボ式ドラムブレーキ装置は、ブレーキシューのライニングの摩擦係数の変化に敏感であるため、制動力を安定させにくい傾向にあり、制動力を安定化させる工夫が要求されている。
また、デュオサーボ式ドラムブレーキ装置は、ドラムが前進回転した場合及び後進回転した場合のいずれの場合であっても等しい制動力が得られるので、制動力を安定させる工夫もまた、ドラムの回転方向に拘わらず同等に作動するように、配慮することが重要な課題となる。
このような背景から、本願出願人は、一対のブレーキシューを拡開操作するホイールシリンダの出力を、アンカ反力に応じて制御することで、制動力を安定させる多数の提案を既にしている。しかし、アンカ反力に応じてホイールシリンダの出力を制御する場合、制御精度を向上させるには、アンカ反力を受けるアンカピンが必要十分な強度を確保すると同時に、ホイールシリンダに対するアンカピンの取付位置精度を向上させることが必要不可欠になる。従来では、例えば、前進制動時用と後進制動時用に一対のアンカピンが装備されるダブルアンカ型のデュオサーボ式ドラムブレーキ装置の場合、一般に、アンカピンとホイールシリンダとはそれぞれ別体で、それぞれ個別にバッキングプレートに取り付けられていた。ところが、このような構成では、バッキングプレートに対する各アンカピンの組み付け時の寸法誤差と、ホイールシリンダの組み付け時の寸法誤差とが累積するため、ホイールシリンダに対するアンカピンの取付位置精度を向上させることが難しく、また、パーキングブレーキを組み付けるための部品点数が増えるという問題が生じた。
そこで、ホイールシリンダのシリンダボディ上に、一対のアンカピンを一体形成することが提案された。このようにすれば、組立時の累積誤差がなくなり、ホイールシリンダに対するアンカピンの取付位置精度を、ホイールシリンダの加工精度の範囲まで向上させることができるし、部品点数を削減することもできる。
ところが、ホイールシリンダのシリンダボディにアンカピンを一体成形する構成では、最終的には、シリンダボディ自体がアンカ反力を受けることになるため、シリンダボディ自体にアンカ反力に耐える強度、剛性を付与しなければならず、シリンダボディの厚肉化や大型化といった問題が生じたり、あるいは、設置スペース等の制約からシリンダボディの厚肉化や大型化が不可能な場合には、アンカピンの強度不足といった問題が生じたりする虞があった。
そこで、このような問題を解消するべく、図5に示すデュオサーボ式ドラムブレーキ装置が提案された。
このドラムブレーキ装置1は、下記特許文献1に開示されたもので、車両の前進制動時にセカンダリ・シュー3からのアンカ反力を受ける第1のアンカピン5と、車両の後進制動時にプライマリ・シュー7からのアンカ反力を受ける第2のアンカピン9とを備えると共に、これら一対のアンカピン5,9が各ブレーキシュー3,7を拡開操作するホイールシリンダ11のシリンダボディ12を貫通してバッキングプレート14に固定され、シリンダボディ12をバッキングプレート14に固定するシリンダ固定ボルトを兼ねている。
各アンカピン5,9は、バッキングプレート14の裏面側からシリンダボディ12に螺合させるもので、バッキングプレート14の裏面に当接する頭部21と、該頭部21から延出してバッキングプレート14に形成された取付穴14aを挿通するプレート挿通軸部22と、プレート挿通軸部22の先端に同軸に形成されてシリンダボディ12に刻設された雌ねじ12aに螺合する雄ねじ部23と、雄ねじ部23の先端に同軸に設けられて各ブレーキシュー3,7の端部3a,7aが当接するアンカ用ピン部24とを備えた構成となっている。
上記のアンカピン5,9を採用したことにより、シリンダボディ12自体には直接アンカ反力が作用しなくなるため、シリンダボディにアンカピンを一体形成した場合のシリンダボディの厚肉化や大型化といった問題を解消することができる。
特開2000−55090号公報
ところが、前述したアンカピン5,9の構成の場合は、比較的に大型で複雑な構造の部品であるシリンダボディ12に高精度な雌ねじ12aを形成しなければならず、シリンダボディ12のねじ加工が加工コストの高騰を招くという問題が生じた。
また、アンカピン5,9のアンカ用ピン部24は、制動トルクを受けるため、できるだけ太径にすることが望ましいが、上記の従来構造では、アンカ用ピン部24が雄ねじ部23よりも先端側に位置しているため、アンカ用ピン部24の外径は雄ねじ部23の外径よりも細く設定しなければならず、太径化が難しいという問題も生じた。
更に、シリンダボディ12に螺合させたアンカピン5,9は、回り止め機構が無いため、長期に渡る使用の内にアンカピン5,9が回転して、雄ねじ部23の螺合に緩みを招く虞があった。
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、アンカピンの取り付けのためにシリンダボディに加工コストが嵩む高精度な雌ねじを形成する必要がなく、加工コストの低減を図ることができ、更に、制動トルクを受けるアンカ用ピン部の太径化が図り易いドラムブレーキ装置を提供すること、更には、制動トルクの作用による衝撃を長期に渡って繰り返し受けてもアンカピンが回ってアンカピンを固定しているねじ部の螺合が弛むことがなく、長期に渡って安定した取り付け強度を維持することができるドラムブレーキ装置を提供することである。
上記目的は下記構成により達成される。
(1)本発明に係るドラムブレーキ装置は、車両の前進及び後進の制動時にアンカ反力を受ける一対のアンカピンを備えると共に、これらのアンカピンが各ブレーキシューを拡開操作するホイールシリンダのシリンダボディを貫通してバッキングプレートに固定され、前記シリンダボディを前記バッキングプレートに固定するシリンダ固定ボルトを兼ねているドラムブレーキ装置であって、
前記各アンカピンは、前記シリンダボディに嵌合するシリンダ嵌合軸部と、前記シリンダボディの上面を押えるフランジ部と、前記シリンダ嵌合軸部に連設され前記バッキングプレートの裏面側からナットにより締結されるねじ部と、前記ブレーキシューの端部が当接してアンカ反力を受けるアンカ用ピン部とを備えていることを特徴とする。
(2)上記(1)に記載の構成で、前記各アンカピンは、前記シリンダボディとの間に介在する回転防止手段によって回り止めされていることを特徴としても良い。
(3)上記(2)に記載の構成で、前記回転防止手段は、前記アンカピンのフランジ部に貫通形成された切り欠き穴と、前記シリンダボディに嵌合すると共に前記切り欠き穴を挿通する回り止めピンとにより、前記アンカピンの回り止めを行うことを特徴としても良い。
(4)上記(3)に記載の構成で、前記回り止めピンが、前記各アンカピンのフランジ部に形成した切り欠き穴を挿通して、前記シリンダボディに形成されたピン係合孔に嵌合することを特徴としても良い。
(5)上記(4)に記載の構成で、前記各アンカピンは前記アンカ用ピン部にプレート係合用軸部が連設され、前記アンカピンのプレート係合用軸部間に橋渡しされた連結プレートが前記回り止めピンの上を覆って、前記回り止めピンの抜け止めをしていることを特徴としても良い。
(6)上記(5)に記載の構成で、前記各アンカピンのアンカ用ピン部と対応するブレーキシューの端部との間には、ホイールシリンダが各ブレーキシューの端部を押圧する力を制御するシュー駆動用レバー部材が介在し、前記連結プレートが前記シュー駆動用レバー部材の抜け止めを兼ねていることを特徴としても良い。
上記に記載のドラムブレーキ装置では、ブレーキシューから制動トルクを受けるアンカピンがシリンダボディをバッキングプレートに固定するシリンダ固定ボルトを兼ねる構成で、アンカピンをシリンダボディに一体形成したものと比較すると、シリンダボディ自体には直接アンカ反力が作用しなくなるため、シリンダボディの厚肉化や大型化といった問題を解消することができる。
また、アンカピンは、シリンダボディ側からバッキングプレートを貫通する先端部のねじ部にナットを螺合させることでバッキングプレートに固定されるもので、アンカピンの取り付けのためシリンダボディに加工コストの嵩む高精度な雌ねじを形成する必要がなく、加工コストの低減を図ることができる。
また、制動トルクを受けるアンカ用ピン部は、ねじ部の反対側に位置しているため、ねじ部の外径よりも太い外径に設定することが可能で、作用する制動トルクの大きさや要求される制動性能に応じたアンカピンの太径化が図り易い。
以下、本発明に係るドラムブレーキ装置の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施の形態の正面図、図2は図1に示したドラムブレーキ装置の斜視図、図3は図2に示したホイールシリンダの分解斜視図、図4は図1のA−A断面図である。
この一実施の形態のドラムブレーキ装置31は、所謂、ダブルアンカ型のデュオサーボ式で、略円筒形の図示せぬドラム内の空間に対向配備される一対のプライマリ・シュー33及びセカンダリ・シュー34と、これらのブレーキシュー33,34の一方の対向端間に配設されて各ブレーキシュー33,34を拡開操作するホイールシリンダ36と、他方の対向端間に配設されてプライマリ・シュー33の出力をセカンダリ・シュー34に入力するリンク機構を兼ねたアジャスタ38と、これらの構成部材を支持するバッキングプレート39と、ホイールシリンダ36のシリンダボディ41の両端寄りに装備された第1及び第2のアンカピン43,44とを備えている。
ブレーキシュー33,34は、ドラムの内周に向かって移動可能に、シュー支持軸46によりバッキングプレート39に取り付けられている。
また、各ブレーキシュー33,34のホイールシリンダ36側の端部は、シュースプリング48,49を介して、第1及び第2のアンカピン43,44の上端に一体形成されたスプリング支持ピン51に連結され、それぞれのブレーキシュー33,34の端部が互いに接近する方向(即ち、ドラムから離間する方向)に付勢されている。
また、各ブレーキシュー33,34のアジャスタ38側の端部相互は、スプリング53により連結されて、アジャスタ38に当接した状態が維持されるように付勢されている。
また、バッキングプレート39上には、駐車ブレーキ機構を構成するストラット52やストラット付勢用のスプリング54やパーキングレバー55も組み込まれている。
アジャスタ38は、本来は、各ブレーキシュー33,34のライニング33c,34cの摩耗の進行に応じて、これらのブレーキシュー33,34の端部間の間隔を調整するもので、レバースプリング56の付勢力によって先端がアジャスタ38上の調整用歯車38aに当接されたアジャスタレバー57の回動動作で、ブレーキシュー33,34の端部間の間隔を自動調整するように構成されている。
アジャスタレバー57には、シリンダボディ41上のスプリング支持ピン51からセカンダリ・シュー34上に取り付けられたケーブルガイド58を経由するケーブル組立体59の端部が連結されている。
このケーブル組立体59は、セカンダリ・シュー34の拡開時の移動量に応じて、アジャスタレバー57に回動力を作用させて、アジャスタレバー57に回動動作をさせる。
図示せぬドラムは、バッキングプレート39と同心で、車両の前進時には図1の矢印R方向に回転する。
第1のアンカピン43は、車両の前進制動時にセカンダリ・シュー34からのアンカ反力を受ける。また、第2のアンカピン44は、車両の後進制動時にプライマリ・シュー33からのアンカ反力を受ける。
本実施形態の場合、前進制動時のセカンダリ・シュー34からのアンカ反力は、セカンダリ・シュー34の端部とホイールシリンダ36との間に介在する第1のシュー駆動用レバー部材61によって、第1のアンカピン43と、ホイールシリンダ36に装備されている制御ロッド63とに分配される。
第1のシュー駆動用レバー部材61は、図4に示すように、その一端が第1のアンカピン43とセカンダリ・シュー34との間に回動自在に介在しており、セカンダリ・シュー34から受けるアンカ反力に応じた第1のアンカピン43回りの回動動作によって、セカンダリ・シュー34からのアンカ反力の一部を制御ロッド63に分配して、制御ロッド63がセカンダリ・シュー34の端部を押圧する力を制御する。
また、本実施形態の場合、後進制動時のプライマリ・シュー33からのアンカ反力は、プライマリ・シュー33の端部とホイールシリンダ36との間に介在する第2のシュー駆動用レバー部材67によって、第2のアンカピン44と、ホイールシリンダ36に装備されている駆動ロッド65とに分配される。
第2のシュー駆動用レバー部材67は、図4に示すように、その一端が第2のアンカピン44とプライマリ・シュー33との間に回動自在に介在しており、プライマリ・シュー33から受けるアンカ反力に応じた第2のアンカピン44回りの回動動作によって、プライマリ・シュー33からのアンカ反力の一部を駆動ロッド65に分配して、駆動ロッド65がプライマリ・シュー33の端部を押圧する力を制御する。
ホイールシリンダ36は、シリンダボディ41内に画成された液室に供給されるマスタシリンダからの液圧で、各ブレーキシュー33,34に当接している駆動ロッド65と制御ロッド63とを駆動して、各ブレーキシュー33,34を拡開操作する。
但し、本実施形態のホイールシリンダ36は、詳述はしないが、第1のシュー駆動用レバー部材61から制御ロッド63に分配されたアンカ反力が、マスタシリンダからシリンダボディ41内の液室に供給される液圧に対して所定の倍率に達すると、マスタシリンダからの液圧供給を停止させて、アンカ反力を所定倍率に抑える構成とされている。
本実施の形態の場合、一対のアンカピン43,44は、各ブレーキシュー33,34を拡開操作するホイールシリンダ36のシリンダボディ41を貫通してバッキングプレート39に固定されており、また、これらのアンカピン43,44がシリンダボディ41をバッキングプレート39に固定するシリンダ固定ボルトを兼ねている。
各アンカピン43,44は、図3及び図4に示すように、シリンダボディ41に貫通形成されたピン嵌合孔71に嵌合するシリンダ嵌合軸部81と、該シリンダ嵌合軸部81の基端側に鍔状に設けられてシリンダボディ41の上面を押えるフランジ部82と、シリンダ嵌合軸部81の先端に連設されると共にバッキングプレート39に形成された取付穴74(図4参照)を挿通してバッキングプレート39の裏面側からナット75により締結されるねじ部84と、フランジ部82の中心に突設されると共にブレーキシュー33,34の端部が当接してアンカ反力を受けるアンカ用ピン部85と、を備えている。
また、本実施の形態の場合、図3に示すように、シリンダボディ41のピン嵌合孔71の開口縁には、アンカピン43,44のフランジ部82が着座する座ぐり部71aが形成されている。そして、この座ぐり部71aの縁に跨って、小径の円柱状の回り止めピン77が圧入されるピン係合孔78が穿設されている。
ピン係合孔78は、図3に示すように、一対の座ぐり部71aの対向方向の内側の縁にそれぞれ形成されている。
各アンカピン43,44のフランジ部82には、ピン係合孔78に対応して、回り止めピン77が挿通可能な切り欠き穴82aが貫通形成されている。
そして、アンカピン43,44は、ピン嵌合孔71に嵌合装着する際には、切り欠き穴82aの位置がピン係合孔78の上に重なるように装着される。そして、回り止めピン77が、切り欠き穴82aを挿通して、シリンダボディ41上のピン係合孔78に圧入嵌合することで、各アンカピン43,44が回り止めされる。
なお、本実施の形態では、フランジ部82に貫通形成された切り欠き穴82aと該切り欠き穴82aに挿通されてシリンダボディ41に嵌合する回り止めピン77とを含んで、各アンカピン43,44の回転防止手段と呼ぶ。しかし、アンカピンの回転防止手段としては、このような構成に限定されるものでないことは勿論である。例えば、図示はしないが、回り止めピン77の代わりに、シリンダ嵌合軸部81に一体に突出形成させた微小突起を用いることもできる。この構成によれば、回り止めピン77が省略されて部品数を減らすことができる。
また、本実施の形態の場合、各アンカピン43,44は、アンカ用ピン部85の上面に、該アンカ用ピン部85よりも小径のプレート係合用軸部87と、更にこのプレート係合用軸部87よりも小径のスプリング支持ピン51と、このスプリング支持ピン51よりも大径のスプリング抜け止め用の頭部88とが一体形成されている。頭部88の外径は、プレート係合用軸部87の外径を超えないように設定されている。
プレート係合用軸部87、スプリング支持ピン51、頭部88は、アンカ用ピン部85と同軸に形成されている。スプリング支持ピン51は、先に説明したように、シュースプリング48,49を係止する部位である。
本実施の形態の場合、一対のアンカピン43,44のプレート係合用軸部87,87には、連結プレート91が橋渡しされる。この連結プレート91は、両端部にプレート係合用軸部87が挿通可能な取付穴91aを有したもので、これらの取付穴91aとプレート係合用軸部87との嵌合により、アンカピン43,44に係止される。また、一対のアンカピン43,44間に橋渡しされた連結プレート91は、プレート係合用軸部87の上のスプリング支持ピン51に係合するシュースプリング48,49の端部により抜け止めされる。
本実施の形態の場合、一対のアンカピン43,44のプレート係合用軸部87,87間に橋渡しされた連結プレート91は、図2及び図4に示すように、回り止めピン77の上を覆って、回り止めピン77の抜け止めをしている。
更に、本実施の形態の場合、図4に示すように、連結プレート91の両端部は、それぞれ、第1のシュー駆動用レバー部材61及び第2のシュー駆動用レバー部材67とアンカ用ピン部85との係合部の上を覆っていて、連結プレート91が第1及び第2のシュー駆動用レバー部材61,67の抜け止めを兼ねている。
以上に説明したドラムブレーキ装置31では、一対のアンカピン43,44がシリンダボディ41をバッキングプレート39に固定するシリンダ固定ボルトを兼ねる構成で、一対のアンカピンをシリンダボディに一体形成したものと比較すると、シリンダボディ41自体には直接アンカ反力が作用しなくなるため、シリンダボディ41の厚肉化や大型化といった問題を解消することができる。
また、一対のアンカピン43,44は、シリンダボディ41側からバッキングプレート39を貫通する先端部に形成されたねじ部84にナット75を螺合させることでバッキングプレート39に固定されるもので、アンカピン43,44の取り付けのためにシリンダボディ41に加工コストが嵩む高精度な雌ねじを形成する必要がなく、加工コストの低減を図ることができる。
また、制動トルクを受けるアンカ用ピン部85は、ねじ部84の反対側に位置しているため、ねじ部84の外径よりも太い外径に設定することが可能で、作用する制動トルクの大きさや要求される制動性能に応じたアンカピンの太径化が図り易い。
更に、一対のアンカピン43,44は、シリンダボディ41のピン嵌合孔71に嵌合するシリンダ嵌合軸部81の基端に鍔状に設けられたフランジ部82がシリンダボディ41の上面を押えることによって、シリンダボディ41をバッキングプレート39に固定する構造で、シリンダボディ41に接触するフランジ部82の面積を大きく設定しておくことで、シリンダボディ41をしっかりとバッキングプレート39に固定することができる。
また、上記のドラムブレーキ装置31では、シリンダボディ41をバッキングプレート39に固定するアンカピン43,44は、それぞれのフランジ部82が回り止めピン77によりシリンダボディ41に回り止めされているため、制動トルクの作用による衝撃を長期に渡って繰り返し受けても回って締結・固定しているねじ部84の螺合が弛むことがない。
従って、長期に渡って安定した取り付け強度を維持することができる。
更に、上記のドラムブレーキ装置31では、アンカピン43,44を回り止めする回り止めピン77は、アンカピン43,44のフランジ部82と別体のため、フランジ部82は凹凸の無い偏平な鍔構造の一部に切り欠き穴82aを形成するだけで良く、回り止めピン77をフランジ部82に一体形成する場合よりも、アンカピン43,44の形状を単純化して、アンカピン43,44の製造コストを安価にすることができる。
但し、本発明に係るドラムブレーキ装置では、上記の回り止めピン77を、フランジ部82に一体の突起構造として、部品点数の削減を図るようにしても良い。
また、上記のドラムブレーキ装置31では、一対のアンカピン43,44に橋渡しされた連結プレート91が回り止めピン77の抜け止めをしているため、回り止めピン77が不用意に抜けて回り止め効果が損なわれることがなく、回り止めピン77による回り止め効果を長期に渡って安定維持することができる。
更に、上記のドラムブレーキ装置31では、連結プレート91が、各アンカピン43,44のアンカ用ピン部85とブレーキシュー33,34の端部との間に介在するシュー駆動用レバー部材61,67の抜け止めも兼用しているため、シュー駆動用レバー部材61,67の抜け止めを図るために専用の部品を追加投入する必要がなく、ホイールシリンダ36周辺の構成部品の増加を抑止しつつ、シュー駆動用レバー部材61,67の取り付け安定性を向上させることができる。
本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施の形態の正面図である。 図1に示したドラムブレーキ装置の斜視図である。 図2に示したホイールシリンダの分解斜視図である。 図1のA−A断面図である。 従来のドラムブレーキ装置の要部の斜視図である。
符号の説明
31 ドラムブレーキ装置
33 プライマリ・シュー(ブレーキシュー)
34 セカンダリ・シュー(ブレーキシュー)
36 ホイールシリンダ
39 バッキングプレート
41 シリンダボディ
43 第1のアンカピン
44 第2のアンカピン
48,49 シュースプリング
51 スプリング支持ピン
61 第1のシュー駆動用レバー部材
67 第2のシュー駆動用レバー部材
71 ピン嵌合孔
71a 座ぐり部
77 回り止めピン
78 ピン係合孔
81 シリンダ嵌合軸部
82 フランジ部
82a 切り欠き穴
84 ねじ部
85 アンカ用ピン部
87 プレート係合用軸部
88 頭部
91 連結プレート
91a 取付穴

Claims (6)

  1. 車両の前進及び後進の制動時にアンカ反力を受ける一対のアンカピンを備えると共に、これらのアンカピンが各ブレーキシューを拡開操作するホイールシリンダのシリンダボディを貫通してバッキングプレートに固定され、前記シリンダボディを前記バッキングプレートに固定するシリンダ固定ボルトを兼ねているドラムブレーキ装置であって、
    前記各アンカピンは、前記シリンダボディに嵌合するシリンダ嵌合軸部と、前記シリンダボディの上面を押えるフランジ部と、前記シリンダ嵌合軸部に連設され前記バッキングプレートの裏面側からナットにより締結されるねじ部と、前記ブレーキシューの端部が当接してアンカ反力を受けるアンカ用ピン部とを備えていることを特徴とするドラムブレーキ装置。
  2. 前記各アンカピンは、前記シリンダボディとの間に介在する回転防止手段によって回り止めされていることを特徴とする請求項1に記載のドラムブレーキ装置。
  3. 前記回転防止手段は、前記アンカピンのフランジ部に貫通形成された切り欠き穴と、前記シリンダボディに嵌合すると共に前記切り欠き穴を挿通する回り止めピンとにより、前記アンカピンの回り止めを行うことを特徴とする請求項2に記載のドラムブレーキ装置。
  4. 前記回り止めピンが、前記各アンカピンのフランジ部に形成した切り欠き穴を挿通して、前記シリンダボディに形成されたピン係合孔に嵌合することを特徴とする請求項3に記載のドラムブレーキ装置。
  5. 前記各アンカピンは前記アンカ用ピン部にプレート係合用軸部が連設され、前記各アンカピンのプレート係合用軸部間に橋渡しされた連結プレートが前記回り止めピンの上を覆って、前記回り止めピンの抜け止めをしていることを特徴とする請求項4に記載のドラムブレーキ装置。
  6. 前記各アンカピンのアンカ用ピン部と対応するブレーキシューの端部との間には、ホイールシリンダが各ブレーキシューの端部を押圧する力を制御するシュー駆動用レバー部材が介在し、前記連結プレートが前記シュー駆動用レバー部材の抜け止めを兼ねていることを特徴とする請求項5に記載のドラムブレーキ装置。
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