JP3763342B2 - 側面開放形荷台構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、トラック等の車両後部に設置される箱形をした荷台であって、その側面に開放可能な側扉を設けた側面開放形荷台の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、トラックの荷台構造として、箱形に形成され、その箱形をした荷台の左右側面にそれぞれヒンジを介して側扉を取り付け、荷台後部における扉の開閉に加えて側面も開放できるようにした側面開放形のものがある。この荷台では、後面側の扉の開閉に加えて左右側面側の扉の開閉もできるので、場所の状況に応じて荷役作業を行うことができるという利点がある。
【0003】
図6は従来の側面開放形荷台構造の一例をイメージ的に示す外観斜視図で、図7は図6のC−C線拡大概略断面図、図8は図6のD部における構造を示す拡大図である。図6乃至図8において、トラックの後部に設置される箱形をした荷台51は、後面に観音開きされる一対の後面扉52が取り付けられているとともに、左右両側に側扉53及び側煽り54がそれぞれ上下に分かれて配設されている。そのうち、側扉53は、荷台51の側面に設けた開口55(図7参照)の上部を画成しているサイドレール56の外側に取り付けられたヒンジ57を介して荷台51の側面に取り付けられている。そして、側扉53は、ヒンジ57を支点として上下に回動可能で、上方向に回動させると開いて行き、下方向に回動させると閉じる構造になっている。また、側扉53の開放方向への回動はガススプリング58を駆動力として行われ、閉方向への回動操作は側扉53に取り付けられている引きロープ59を作業者が強く引いて引き降ろすことによって行われる。図6及び図7中に実線で示す側扉53は開口55を閉じた閉位置に配置されている状態を示しており、一点鎖線で示す側扉53は開口55を開放させた開位置に配置されている状態を示している。
【0004】
なお、図6乃至図8において、符号60は防雨シートであり、その防雨シート60はサイドレール56と側扉53との間から雨水や埃等が浸入するのを阻止する目的でサイドレール56と側扉53との隙間を覆って取り付けられている。また、図7及び図8において、符号61はシールゴムであり、サイドレール56と側扉53との間から雨水等が浸入するのを阻止する目的で側扉53の端面に取り付けられており、側扉53が閉じられたときに、サイドレール56と側扉53との間に密に挟まれてシールする構造になっている。
【0005】
一方、側煽り54は、荷台51の床側面にヒンジ62を介して取り付けられている。その側煽り54は、ヒンジ62を支点として上下方向に回動可能で、下方向に回動させると開いて行き、上方向に回動させると閉じる構造になっている。なお、図6中に実線で示す側煽り54は開口55を閉じた閉位置に配置されている状態を示しており、この状態では同じく閉位置に配置されている側扉53に対して略面一で、荷台51の閉側面を形成している。これに対して一点鎖線で示す側煽り54は、荷台51の側面から垂れ下がって開口55を開放させた開位置に配置されている状態を示している。
【0006】
閉位置から開位置に向かって側扉53を回動させるためのガススプリング58は、本例では荷台51の左右両側で、かつ前後に配置されている。各部におけるガススプリング58は、図8で詳細に示しているように、一端側が枢軸63を介して荷台51のサイドレール側に上下方向に回動可能にして連結されているとともに、他端側が枢軸64及びブラケット65を介して側扉53の内側に上下方向に回動可能にして連結されていて、その枢軸64の位置は側扉53の位置によって図8中に弧65で示す軌跡上を移動する。すなわち、図8中に一点鎖線で示す閉位置に側扉53があるとき、枢軸64は符号Pcの位置(以下、「閉位置Pc」という)にあり、閉位置Pcから開放方向へ90度回転されて実線で示す開位置に側扉53が配置されると枢軸64は符号Poの位置(以下、「開位置Po」という)に配置され、さらに閉位置Pcから角度α回転された位置に死点位置Pdが作られる。また、ガススプリング58のバネ力は、開位置Pcから死点位置Pdに移動するまでの間は側扉53を閉じておく方向に作用し、死点位置Pdから開位置Poまでの間は側扉53を開ける方向に作用する。
【0007】
そして、このように構成された荷台構造では、通常は側扉53は閉じられ、図示せぬロック手段により閉ロックされている。そして、側扉53を開く場合は、まずロック手段による閉ロックを解除し、続いて作業者が側扉53の下側を持ち上げて開方向に回転させる。すると、閉位置Pcから死点位置Pdまでは側扉53を持ち上げる力を必要とするが、死点位置Pdを越えるとガススプリング58の力が側扉53を開方向に回動させる力として働き、側扉53はガススプリング58の力を借りて自動的に開位置Poまで開放される。また、開放位置Poでは図示せぬストッパーアームによりストップされ、開角度を制限する。
【0008】
反対に、側扉53を閉じる場合は、開放されている側扉53の内側から垂れ下がっている引きロープ59を作業者が手で持って下側に引き、側扉53の開放端に作業者の手が掛かるまで閉位置Pc側に回転させる。側扉53の開放端に作業者の手が掛かったら、その後は直接側扉53を閉位置側に回転させて行く。この回転では死点位置Pdまではガススプリング58を縮めるための大きな力を必要とするが、死点を越えるとガススプリング58の力は側扉53を閉じる方向に回転させる力として働き、その後は閉位置Pcまで閉じられる。また、閉じ位置Pcで閉ロックをすると、閉じ作業が終了する。
【0009】
図9は、側扉53を閉じるときに作業者が閉操作で必要とする操作力を示す作用モーメント線図で、縦軸にヒンジ57の周囲に発生するモーメントを示し、横軸に側扉53の開角度を示している。また、図9中において、符号Fgで示す曲線はガススプリング58の発生モーメントを示し、符号Fdで示す曲線は側扉53の自重により発生するモーメント、符号Faで示す曲線は合成モーメント(Fg−Fd)で、作業者が実際に必要とする操作力である。図9から判るように、開位置Po(開角度90度)から死点位置Pd(α角度=約10度)までは操作力Faは(+)で、死点位置Pdを越えるとガススプリング58の発生モーメントFgが閉方向に働いて操作力Faは(−)になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の側面開放形荷台の構造では、次に述べるような問題点があった。
・側扉53がサイドレール56の外側に取り付けられたヒンジ57を介して荷台51の側面に取り付けられていて、側扉53を開口したときの有効開口高さH1が側扉53によって制限される構造になっている。このため、図7に示すように開口55の上下方向における有効開口高さH1は、実際の開口高さをH0とした場合、この高さH0よりも側扉53の厚みtだけ小さい高さ、すなわち(H0−t)になる。このため、有効開口高さH1が小さく、荷台内の天井との間に大きな差(H2+t)があり、この荷物を積めない(H2+t)がデッドスペースとなるので、荷役作業を行うときの作業効率が悪い。
・ガススプリング58を駆動力とした構造では安価であるが開閉操作力が大きい。このため、引きロープ59を用いて側扉53を閉じるときに、勢いを付けて閉める必要があるので側扉53の閉スピードが早い。このため、安全面から緩やかに閉まるように改善が望まれている。
・サイドレール56と側扉53との間に防雨シート60を設けているので、外観上見栄えが悪い。
【0011】
本発明は、上記した問題に鑑みなされたもので、第1の目的は荷役時における荷台の側面開口を大きく確保し、荷役作業の効率化を図ることができる構造にした側面開放形荷台構造を提供することにある。
【0012】
本発明の第2の目的は、側扉を閉じるときの安全性を向上させることができる構造にした側面開放形荷台構造を提供することにある。
【0013】
本発明の第3の目的は、外観を向上させることができる構造にした側面開放形荷台構造を提供することにある。
【0014】
本発明の第4の目的は、小さな操作力で側扉を閉じることが可能な構造にした側扉開放形荷台構造を提供することにある。
【0015】
本発明の第5の目的は、コストを下げて安価に提供することができる構造にした側面開放形荷台構造を提供することにある。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、以下に説明する内容の中で順次明かにして行く。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたもので、本発明の請求項1記載の発明は、荷台の上面よりも上方に回動支点を設けて前記荷台の側面上部に取り付けられているヒンジと、前記荷台の側面に前記ヒンジを介して前記荷台の側面開口を開閉可能に閉じて取り付けられているとともに、開放時に前記側面開口よりも上側の位置まで回動される側扉と、前記側扉が閉位置から所定の角度まで開放される間は前記側扉に閉じ方向の力を付与し、前記所定の角度範囲を超えて開放されているときには前記側扉に開放方向の力を付与するメインガススプリングと、前記メインガススプリングにより前記閉方向の力が付与される範囲内に前記側扉が配置されているときに前記側扉に開放方向の力を付与する補助ガススプリングを備えてなる構成としたものである。
【0018】
請求項1記載の発明の構成によれば、次のような作用を有する。
・側扉は開放時に側面開口よりも上側まではね上げられるので、側面の開口高さが側扉によって制限を受けることがなく、荷台内の天井の高さとの差を小さくし、荷物を積めないデットスペースを減少させて荷役の効率化を図ることができることとなる。
・ヒンジを荷台の側面上部に取り付け、側面と荷台との境目及びヒンジが上面側に設けられ、荷台の側面からは見えない構造にしているので、外観上の見栄えを向上させることができることとなる。
・側扉に対してメインガススプリングから閉方向の力が付与される範囲内に側扉が配置されると、側扉を開放方向に押し返すが補助ガススプリングから側扉に付与されされるので、この戻し力がブレーキとなって最終位置の直前では緩やかに閉まることになり、安全性を向上させることができることとなる。また、側扉を閉位置から開放させる場合も、小さな操作力で開放することができることとなる。
・所定の角度を超えて閉じられる時に補助ガススプリングによりブレーキを掛けてメインガススプリングによる閉方向の力を緩和することができるので、所定の角度の位置(死点位置)を開方向側にずらせて、メインガススプリングの小さな操作力で側扉を所定の位置まで開放させることができるように設定することが可能になる。これにより、側扉を操作する力を軽減することができることとなる。
【0019】
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の側面開放形荷台構造において、前記ヒンジと前記側面開口との間に、前記側扉の内面を伝わって浸入される水を受け止めて外部に排出する前記荷台部の上部に沿って略水平に設けた2列の溝レールと、前記各溝レールと前記側扉内面との間をシールするシールゴムを設けてなる構成としたものである。
【0020】
請求項2記載の発明の構成によれば、ヒンジと側面開口との間に、荷台部の上部に沿って延びる2列の溝レールと、各溝レールと側扉内面との間をシールするシールゴムを設けて、側扉の内面を伝わって浸入される水を受け止めて外部に排出するようにしているので、従来構造で荷台の外側から見えるようにして設けていた防雨シートが不要になり、外観を向上させることができることになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態における側面開放形荷台の構造をイメージ的に示す外観斜視図で、図2は図1のA部における構造をより詳細に示す拡大斜視図、図3は図1のB−B線拡大概略断面図である。図1乃至図3において、トラックの荷台上に設置される箱形をした荷台1は、後面に観音開きされる一対の後面扉2が取り付けられているとともに、左右両側に側扉3及び側煽り4がそれぞれ上下に分かれて配設されている。
【0022】
そのうち、側扉3は、荷台1の側面に設けた開口5(図2及び図3参照)の上部を画成しているサイドレール6の外側上部に取り付けられたヒンジ7を介して荷台1の上部に取り付けられており、図2及び図3から判るように、荷台1と側扉3との境目は荷台1の横からは見えないように設定されている。これに伴ってヒンジ7の回動支点となる枢軸7aも、荷台1の上面1a(図3参照)よりも上側に設けられていて、ヒンジ7は荷台1の横からは見えない構造になっている。そして、側扉3は、ヒンジ7の枢軸7aを支点として上下に回動可能で、上方向に回動させると開いて行き、下方向に回動させると閉じる構造になっている。なお、開放方向への回動操作はメインガススプリング8を駆動力として行われ、閉方向への回動操作は側扉3に取り付けられている引きロープ9を作業者が強く引くことによって行われる。さらに、荷台1側には、側扉3の開閉力を制御するための補助ガススプリング15(図2及び図4参照)が設けられている。また、図1及び図3中に実線で示す側扉3は開口5を閉じた閉位置に配置されている状態を示している。これに対して、図1中に一点鎖線で描いていると共に、図2及び図4中に実線で描いている側扉3は開口5を開放させた開位置に各々配置されている状態を示しており、この開位置ではストップ手段25(図2参照)により開角度を制限する。なお、ストップ手段25を設けずにメインガススプリング8自身をストッパとして使用しても良い。
【0023】
したがって、本実施の形態の荷台構造において、側扉3を荷台1に取り付けている部分の構造では、側扉3は上面1aの上方まで開放されるので、開位置Poでは、側扉3が開口5の高さを制限することがない。また、開口5の上端から上面1aまでの寸法が小さくなり、荷物を積めないデッドスペースを少なくして、荷役作業の効率を向上させることができる。さらに、ヒンジ7は、荷台1の上面1a側に設けていて、ヒンジ7や、側扉3と荷台1との境目等は荷台1の側面からは見えない構造にしているので、見栄えを向上させることができる。
【0024】
また、本実施の形態の構造において、開口5と側扉3の間には、2つの溝レール部16a,16bを有したレール材16とシールゴム17a,17bとでなる防水手段が設けられている。レール材16は、開口5の上端に沿って水平に配置されているサイドレール6の外面に、溝レール部16a,16bの開口をそれぞれ上側に向けて左右方向に延ばした状態にして取り付けられている。その各溝レール部16a,16bは、サイドレール6と側扉3の隙間から浸入された雨水や埃等を溝レール部16a,16bで受け、さらに両端から荷台1の外部に排出することができる構造になっている。また、溝レール部16a,16bの突出側面の先端部には、ウエザーストリップ18が取り付けられている。そのウエザーストリップ18は細長い一本のベルト材として形成されていて、側扉3が閉じられると、その側扉3と密に当接されて開口5と側扉3との間をシールする。
【0025】
一方、側煽り4は、荷台1の床側面にヒンジ12を介して取り付けられており、そのヒンジ12を支点として上下方向に回動可能であって、下方向に回動させると開いて行き、上方向に回動させると閉じる構造になっている。なお、図1中に実線で示す側煽り4は開口5を閉じた閉位置に配置されている状態を示しており、この状態では同じく閉位置に配置されている側扉3に対して略面一で、荷台1の閉側面を形成している。これに対して一点鎖線で示す側煽り4は、荷台1の側面から垂れ下がって開口5を開放させた開位置に配置されている状態を示している。
【0026】
側扉3を閉位置から開位置に向かって回動させるためのメインガススプリング8は、本実施の形態の構造では荷台1の左右両側で、かつ前後に配置されている。各部におけるメインガススプリング8は、図2で詳細に示しているように、一端側が枢軸13を介して荷台1のサイドレール側に上下方向に回動可能にして連結されているとともに、他端側が枢軸14を介して側扉3の内側に上下方向に回動可能にして連結されていて、その枢軸14は側扉3の位置によって図4中に弧19で示す軌跡上を移動する。すなわち、図4中に一点鎖線で示す閉位置に側扉3があるとき、枢軸14は符号Pcの位置(以下、「閉位置Pc」という)にあり、閉位置から開放方向へ90度回転されて実線で示す開位置に側扉3が配置されると枢軸14は符号Poの位置(以下、「開位置Po」という)に配置され、さらに位置Pcから角度α回転された位置に死点位置Pdが作られる。また、メインガススプリング8のバネ力は、閉位置Pcから死点位置Pdに移動するまでの間は側扉3を閉じておく方向に作用し、死点位置Pdから開位置Poまでの間は側扉3を開ける方向に作用する。
【0027】
側扉3の開閉力を制御するための補助ガススプリング15は、本実施の形態の構造では荷台1の左右両側で、かつ前後に配置されている。各部の補助ガススプリング15は、図2及び図4で示しているように、一端側が枢軸20を介して荷台1の内部に上下方向に回動可能にして連結されているとともに、他端側は開口5に突出し、この開口5の部分でブラケット21及び枢軸22を介して上下方向回転自在に取り付けられている作動板23と枢軸24を介して上下方向回転自在にリンク結合されている。そして、本実施の形態の構造において、補助ガススプリング15は、側扉3が死点位置Pdから閉位置Pcに移動されるとき、作動板23を介して側扉3側からの押力を受け、バネチャージされながらロッド15aが内側に退避され、そのバネチャージされた状態で保持される。また、側扉3が閉位置Pcから開位置Poに向かって開かれるとき、補助ガススプリング15のロッド15aはバネチャージされている力で突出され、作動板23を図4中に実線で示す位置まで回動させる。その作動板23の回動は、側扉3を開方向へ押す力として作用する。
【0028】
このように構成された荷台構造では、通常は側扉3は閉じられ、図示せぬ側扉ロック手段により閉ロックされ、また補助ガススプリング15は側扉3で押されてバネチャージされた状態にある。そして、側扉3を開く場合は、まず側扉ロック手段による閉ロックを解除し、続いて作業者が側扉3の下側を持ち上げて開方向に回転させる。すると、図5でわかるように、閉位置Pcから死点位置Pdまでの間はメインガススプリング8が側扉3を閉じる方向に力を作用しているが、補助ガススプリング15からは側扉3を開放させようとする力Fcが作用され、この2つの力が相殺し合い、側扉3を小さな力で持ち上げることができる。また、側扉3が、死点位置Pdを越えると、補助ガススプリング15からの力は無くなる。そして、メインガススプリング8の力だけが側扉3を開方向に回動させる力として働き、その後は人手とメインガススプリング8の力を借りて側扉3は開位置Poまで開放される。なお、開放位置Poではストップ手段25によりストップされ、側扉3の開角度を制限する。
【0029】
反対に、側扉3を閉じる場合は、開放されている側扉3の内側から垂れ下がっている引きロープ9を作業者が手で持って下側に引き、側扉3の開放端に作業者の手が掛かるまで閉位置Pc側に回転させる。側扉3の開放端に作業者の手が掛かったら、その後は直接側扉3を閉位置側に回転させて行く。この回転では死点位置Pdまではメインガススプリング8を縮めるための大きな力を必要とする。死点位置Pdを越えるとメインガススプリング8の力は側扉3を閉じる方向に回転させる力として働くが、これと同時に側扉3の内面が作動板23に当接し、この作動板23を介して補助ガススプリング15をバネチャージさせながら退避させる。これにより、側扉3を閉じようとするメインガススプリング8からの力と側扉3を開こうとする補助ガススプリング15からの力とが相殺し、死点位置Pdから閉位置Pcまでの間は緩やかに閉じることができる。これにより、側扉3が急激に閉じられることが無くなり、安全性の向上が期待できる。
【0030】
図5は、側扉3を閉じるときに作業者が閉操作で必要とする操作力を示す作用モーメント線図で、縦軸にヒンジ7の周囲に発生するモーメントを、横軸に側扉3の開角度を示している。図中、符号Fgで示す曲線はメインガススプリング8の発生モーメントを示し、符号Fdで示す曲線は側扉3の自重により発生するモーメント、符号Fcで示す曲線は補助ガススプリング15の発生モーメント、符号Faで示す曲線は合成モーメント(Fg−Fd+Fc)であって、作業者が実際に必要とする操作力である。図5でわかるように、側扉3を開く場合は、閉位置Pc(開角度0度)から死点位置Pd(α角度=約25度)まではメインガススプリング8の発生モーメントFgは側扉3を閉じる方向に作用しているが、補助ガススプリング15の発生モーメントFcが側扉3を開く方向に作用しているので、側扉3を死点位置Pdまで開くときの操作力Faは(Fg−Fd+Fc)となる。次に、死点位置Pdから開位置Poまでの操作力Faは(Fg−Fd)で、側扉3は自動的に開かれて行く。これに対して、側扉3を閉じるときには、(Fg−Fd)に打ち勝つ力で側扉3を閉位置Pc側に引きロープ9を介して引いて回転させる。側扉3が死点位置Pdを越えると、メインガススプリング8の発生モーメントFgが閉方向に働いて操作力Faは(−)になるが、側扉3がさらに閉じられると作動板23が側扉3と当接する。すると、補助ガススプリング15の発生モーメントFcが側扉3を開位置Poの方向に押す力として働き、メインガススプリング8と補助ガススプリング15との力が相殺し、側扉3は(Fg+Fc)のブレーキ力が付与されながら緩やかに閉じられる。
【0031】
次に、本実施の形態で使用している補助ガススプリング15を設けていない従来構造の場合と補助ガススプリング15を設けている本実施の形態の構造について比較検討する。なず、側扉を操作するメインガススプリングだけについて見ると、α角(死点位置Pd)を大きくすると開位置Poでのモーメントを大きくとることができ、側扉を所定の位置まで確実に開かせることができる。しかし、逆に死点位置Poから閉位置Pcに閉じられるときのモーメントも大きくなる。このため、側扉を閉じる最終位置での速度が増し、安全性を損なう問題がある。これに対して、本実施の形態における荷台の構造のように、死点位置Pdを超えて閉じられる時に、補助ガススプリング15で側扉3にブレーキをかけて緩和することができる構造にした場合では、α角を大きくしても閉じられるときの問題は生じない。このため、同じパワーのメインガススプリングを使用しても、そのα角を大きくとるように設定することによって開位置Poでのモーメントを大きくとることができる。したがって、本実施の形態の構造では、開位置Poでのモーメントが従来と同じ大きさのものを得ようとした場合には、従来のものよりも小さなパワーのメインガススプリングを使用することが可能になるので、全体として操作力Faを小さくすることができ、側扉3を操作する力を軽減することも可能になる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る側面開放形荷台構造によれば、次のような効果が期待できる。
・側扉を側面の開口よりも上側まではね上げて開放する構造にしているので、側面の開口高さが側扉によって制限を受けることがない。このため、荷台内の天井の高さとの差を小さくすることができ、荷物を積めないデットスペースを減少させて荷役の効率化を図ることができる。
・ヒンジ及び側面と荷台との境目が上面側に設けられ、荷台の側面からは見えない構造にしているので、外観上の見栄えを向上させることができる。
・側扉に対してメインガススプリングから閉方向の力が付与される範囲内に側扉が配置されると、側扉を開放方向に押し返すが補助ガススプリングから側扉に付与されされるので、この戻し力がブレーキとなって最終位置の直前では緩やかに閉まり、安全性を向上させることができる。また、側扉を閉位置から開放させる場合も、小さな操作力で開放することができる。
・所定の角度を超えて閉じられる時に補助ガススプリングによりブレーキを掛けてメインガススプリングによる閉方向の力を緩和することができるので、所定の角度の位置(死点位置)を開方向側にずらせて、メインガススプリングの小さな操作力で側扉を所定の位置まで開放させることができるように設定することが可能になる。これにより、側扉を操作する力を軽減することができることとなる。・ヒンジと側面開口との間に、荷台部の上部に沿って延びる2列の溝レールと、各溝レールと側扉内面との間をシールするシールゴムを設けて、側扉の内面を伝わって浸入される水や埃を受け止めて外部に排出するようにしているので、従来構造で荷台の外側から見えるようにして設けていた防雨シート等が不要になり、外観を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における側面開放形荷台構造をイメージ的に示す外観斜視図である。
【図2】図1のA部における構造をより詳細に示す拡大斜視図である。
【図3】図1のB−B線拡大概略断面図である。
【図4】本実施の形態における側扉に対するメインガススプリングと補助ガススプリングの動作説明図である。
【図5】本実施の形態における作用モーメント線図である。
【図6】従来の側面開放形荷台構造の一例をイメージ的に示す外観斜視図である。
【図7】図6のC−C線拡大概略断面図である。
【図8】従来構造における側扉に対するメインガススプリングの動作説明図である。
【図9】従来構造における作用モーメント線図である。
【符号の説明】
1…荷台、3…側扉、4…側煽り、5…開口、6…サイドレール、7…ヒンジ、8…メインガススプリング、9…引きロープ、15…補助ガススプリング、16…レール材、16a…溝レール部、16b…溝レール部、23…作動板、25…ストップ手段、Po…開位置、Pd…死点位置、Pc…閉位置。
【発明が属する技術分野】
本発明は、トラック等の車両後部に設置される箱形をした荷台であって、その側面に開放可能な側扉を設けた側面開放形荷台の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、トラックの荷台構造として、箱形に形成され、その箱形をした荷台の左右側面にそれぞれヒンジを介して側扉を取り付け、荷台後部における扉の開閉に加えて側面も開放できるようにした側面開放形のものがある。この荷台では、後面側の扉の開閉に加えて左右側面側の扉の開閉もできるので、場所の状況に応じて荷役作業を行うことができるという利点がある。
【0003】
図6は従来の側面開放形荷台構造の一例をイメージ的に示す外観斜視図で、図7は図6のC−C線拡大概略断面図、図8は図6のD部における構造を示す拡大図である。図6乃至図8において、トラックの後部に設置される箱形をした荷台51は、後面に観音開きされる一対の後面扉52が取り付けられているとともに、左右両側に側扉53及び側煽り54がそれぞれ上下に分かれて配設されている。そのうち、側扉53は、荷台51の側面に設けた開口55(図7参照)の上部を画成しているサイドレール56の外側に取り付けられたヒンジ57を介して荷台51の側面に取り付けられている。そして、側扉53は、ヒンジ57を支点として上下に回動可能で、上方向に回動させると開いて行き、下方向に回動させると閉じる構造になっている。また、側扉53の開放方向への回動はガススプリング58を駆動力として行われ、閉方向への回動操作は側扉53に取り付けられている引きロープ59を作業者が強く引いて引き降ろすことによって行われる。図6及び図7中に実線で示す側扉53は開口55を閉じた閉位置に配置されている状態を示しており、一点鎖線で示す側扉53は開口55を開放させた開位置に配置されている状態を示している。
【0004】
なお、図6乃至図8において、符号60は防雨シートであり、その防雨シート60はサイドレール56と側扉53との間から雨水や埃等が浸入するのを阻止する目的でサイドレール56と側扉53との隙間を覆って取り付けられている。また、図7及び図8において、符号61はシールゴムであり、サイドレール56と側扉53との間から雨水等が浸入するのを阻止する目的で側扉53の端面に取り付けられており、側扉53が閉じられたときに、サイドレール56と側扉53との間に密に挟まれてシールする構造になっている。
【0005】
一方、側煽り54は、荷台51の床側面にヒンジ62を介して取り付けられている。その側煽り54は、ヒンジ62を支点として上下方向に回動可能で、下方向に回動させると開いて行き、上方向に回動させると閉じる構造になっている。なお、図6中に実線で示す側煽り54は開口55を閉じた閉位置に配置されている状態を示しており、この状態では同じく閉位置に配置されている側扉53に対して略面一で、荷台51の閉側面を形成している。これに対して一点鎖線で示す側煽り54は、荷台51の側面から垂れ下がって開口55を開放させた開位置に配置されている状態を示している。
【0006】
閉位置から開位置に向かって側扉53を回動させるためのガススプリング58は、本例では荷台51の左右両側で、かつ前後に配置されている。各部におけるガススプリング58は、図8で詳細に示しているように、一端側が枢軸63を介して荷台51のサイドレール側に上下方向に回動可能にして連結されているとともに、他端側が枢軸64及びブラケット65を介して側扉53の内側に上下方向に回動可能にして連結されていて、その枢軸64の位置は側扉53の位置によって図8中に弧65で示す軌跡上を移動する。すなわち、図8中に一点鎖線で示す閉位置に側扉53があるとき、枢軸64は符号Pcの位置(以下、「閉位置Pc」という)にあり、閉位置Pcから開放方向へ90度回転されて実線で示す開位置に側扉53が配置されると枢軸64は符号Poの位置(以下、「開位置Po」という)に配置され、さらに閉位置Pcから角度α回転された位置に死点位置Pdが作られる。また、ガススプリング58のバネ力は、開位置Pcから死点位置Pdに移動するまでの間は側扉53を閉じておく方向に作用し、死点位置Pdから開位置Poまでの間は側扉53を開ける方向に作用する。
【0007】
そして、このように構成された荷台構造では、通常は側扉53は閉じられ、図示せぬロック手段により閉ロックされている。そして、側扉53を開く場合は、まずロック手段による閉ロックを解除し、続いて作業者が側扉53の下側を持ち上げて開方向に回転させる。すると、閉位置Pcから死点位置Pdまでは側扉53を持ち上げる力を必要とするが、死点位置Pdを越えるとガススプリング58の力が側扉53を開方向に回動させる力として働き、側扉53はガススプリング58の力を借りて自動的に開位置Poまで開放される。また、開放位置Poでは図示せぬストッパーアームによりストップされ、開角度を制限する。
【0008】
反対に、側扉53を閉じる場合は、開放されている側扉53の内側から垂れ下がっている引きロープ59を作業者が手で持って下側に引き、側扉53の開放端に作業者の手が掛かるまで閉位置Pc側に回転させる。側扉53の開放端に作業者の手が掛かったら、その後は直接側扉53を閉位置側に回転させて行く。この回転では死点位置Pdまではガススプリング58を縮めるための大きな力を必要とするが、死点を越えるとガススプリング58の力は側扉53を閉じる方向に回転させる力として働き、その後は閉位置Pcまで閉じられる。また、閉じ位置Pcで閉ロックをすると、閉じ作業が終了する。
【0009】
図9は、側扉53を閉じるときに作業者が閉操作で必要とする操作力を示す作用モーメント線図で、縦軸にヒンジ57の周囲に発生するモーメントを示し、横軸に側扉53の開角度を示している。また、図9中において、符号Fgで示す曲線はガススプリング58の発生モーメントを示し、符号Fdで示す曲線は側扉53の自重により発生するモーメント、符号Faで示す曲線は合成モーメント(Fg−Fd)で、作業者が実際に必要とする操作力である。図9から判るように、開位置Po(開角度90度)から死点位置Pd(α角度=約10度)までは操作力Faは(+)で、死点位置Pdを越えるとガススプリング58の発生モーメントFgが閉方向に働いて操作力Faは(−)になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の側面開放形荷台の構造では、次に述べるような問題点があった。
・側扉53がサイドレール56の外側に取り付けられたヒンジ57を介して荷台51の側面に取り付けられていて、側扉53を開口したときの有効開口高さH1が側扉53によって制限される構造になっている。このため、図7に示すように開口55の上下方向における有効開口高さH1は、実際の開口高さをH0とした場合、この高さH0よりも側扉53の厚みtだけ小さい高さ、すなわち(H0−t)になる。このため、有効開口高さH1が小さく、荷台内の天井との間に大きな差(H2+t)があり、この荷物を積めない(H2+t)がデッドスペースとなるので、荷役作業を行うときの作業効率が悪い。
・ガススプリング58を駆動力とした構造では安価であるが開閉操作力が大きい。このため、引きロープ59を用いて側扉53を閉じるときに、勢いを付けて閉める必要があるので側扉53の閉スピードが早い。このため、安全面から緩やかに閉まるように改善が望まれている。
・サイドレール56と側扉53との間に防雨シート60を設けているので、外観上見栄えが悪い。
【0011】
本発明は、上記した問題に鑑みなされたもので、第1の目的は荷役時における荷台の側面開口を大きく確保し、荷役作業の効率化を図ることができる構造にした側面開放形荷台構造を提供することにある。
【0012】
本発明の第2の目的は、側扉を閉じるときの安全性を向上させることができる構造にした側面開放形荷台構造を提供することにある。
【0013】
本発明の第3の目的は、外観を向上させることができる構造にした側面開放形荷台構造を提供することにある。
【0014】
本発明の第4の目的は、小さな操作力で側扉を閉じることが可能な構造にした側扉開放形荷台構造を提供することにある。
【0015】
本発明の第5の目的は、コストを下げて安価に提供することができる構造にした側面開放形荷台構造を提供することにある。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、以下に説明する内容の中で順次明かにして行く。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたもので、本発明の請求項1記載の発明は、荷台の上面よりも上方に回動支点を設けて前記荷台の側面上部に取り付けられているヒンジと、前記荷台の側面に前記ヒンジを介して前記荷台の側面開口を開閉可能に閉じて取り付けられているとともに、開放時に前記側面開口よりも上側の位置まで回動される側扉と、前記側扉が閉位置から所定の角度まで開放される間は前記側扉に閉じ方向の力を付与し、前記所定の角度範囲を超えて開放されているときには前記側扉に開放方向の力を付与するメインガススプリングと、前記メインガススプリングにより前記閉方向の力が付与される範囲内に前記側扉が配置されているときに前記側扉に開放方向の力を付与する補助ガススプリングを備えてなる構成としたものである。
【0018】
請求項1記載の発明の構成によれば、次のような作用を有する。
・側扉は開放時に側面開口よりも上側まではね上げられるので、側面の開口高さが側扉によって制限を受けることがなく、荷台内の天井の高さとの差を小さくし、荷物を積めないデットスペースを減少させて荷役の効率化を図ることができることとなる。
・ヒンジを荷台の側面上部に取り付け、側面と荷台との境目及びヒンジが上面側に設けられ、荷台の側面からは見えない構造にしているので、外観上の見栄えを向上させることができることとなる。
・側扉に対してメインガススプリングから閉方向の力が付与される範囲内に側扉が配置されると、側扉を開放方向に押し返すが補助ガススプリングから側扉に付与されされるので、この戻し力がブレーキとなって最終位置の直前では緩やかに閉まることになり、安全性を向上させることができることとなる。また、側扉を閉位置から開放させる場合も、小さな操作力で開放することができることとなる。
・所定の角度を超えて閉じられる時に補助ガススプリングによりブレーキを掛けてメインガススプリングによる閉方向の力を緩和することができるので、所定の角度の位置(死点位置)を開方向側にずらせて、メインガススプリングの小さな操作力で側扉を所定の位置まで開放させることができるように設定することが可能になる。これにより、側扉を操作する力を軽減することができることとなる。
【0019】
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の側面開放形荷台構造において、前記ヒンジと前記側面開口との間に、前記側扉の内面を伝わって浸入される水を受け止めて外部に排出する前記荷台部の上部に沿って略水平に設けた2列の溝レールと、前記各溝レールと前記側扉内面との間をシールするシールゴムを設けてなる構成としたものである。
【0020】
請求項2記載の発明の構成によれば、ヒンジと側面開口との間に、荷台部の上部に沿って延びる2列の溝レールと、各溝レールと側扉内面との間をシールするシールゴムを設けて、側扉の内面を伝わって浸入される水を受け止めて外部に排出するようにしているので、従来構造で荷台の外側から見えるようにして設けていた防雨シートが不要になり、外観を向上させることができることになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態における側面開放形荷台の構造をイメージ的に示す外観斜視図で、図2は図1のA部における構造をより詳細に示す拡大斜視図、図3は図1のB−B線拡大概略断面図である。図1乃至図3において、トラックの荷台上に設置される箱形をした荷台1は、後面に観音開きされる一対の後面扉2が取り付けられているとともに、左右両側に側扉3及び側煽り4がそれぞれ上下に分かれて配設されている。
【0022】
そのうち、側扉3は、荷台1の側面に設けた開口5(図2及び図3参照)の上部を画成しているサイドレール6の外側上部に取り付けられたヒンジ7を介して荷台1の上部に取り付けられており、図2及び図3から判るように、荷台1と側扉3との境目は荷台1の横からは見えないように設定されている。これに伴ってヒンジ7の回動支点となる枢軸7aも、荷台1の上面1a(図3参照)よりも上側に設けられていて、ヒンジ7は荷台1の横からは見えない構造になっている。そして、側扉3は、ヒンジ7の枢軸7aを支点として上下に回動可能で、上方向に回動させると開いて行き、下方向に回動させると閉じる構造になっている。なお、開放方向への回動操作はメインガススプリング8を駆動力として行われ、閉方向への回動操作は側扉3に取り付けられている引きロープ9を作業者が強く引くことによって行われる。さらに、荷台1側には、側扉3の開閉力を制御するための補助ガススプリング15(図2及び図4参照)が設けられている。また、図1及び図3中に実線で示す側扉3は開口5を閉じた閉位置に配置されている状態を示している。これに対して、図1中に一点鎖線で描いていると共に、図2及び図4中に実線で描いている側扉3は開口5を開放させた開位置に各々配置されている状態を示しており、この開位置ではストップ手段25(図2参照)により開角度を制限する。なお、ストップ手段25を設けずにメインガススプリング8自身をストッパとして使用しても良い。
【0023】
したがって、本実施の形態の荷台構造において、側扉3を荷台1に取り付けている部分の構造では、側扉3は上面1aの上方まで開放されるので、開位置Poでは、側扉3が開口5の高さを制限することがない。また、開口5の上端から上面1aまでの寸法が小さくなり、荷物を積めないデッドスペースを少なくして、荷役作業の効率を向上させることができる。さらに、ヒンジ7は、荷台1の上面1a側に設けていて、ヒンジ7や、側扉3と荷台1との境目等は荷台1の側面からは見えない構造にしているので、見栄えを向上させることができる。
【0024】
また、本実施の形態の構造において、開口5と側扉3の間には、2つの溝レール部16a,16bを有したレール材16とシールゴム17a,17bとでなる防水手段が設けられている。レール材16は、開口5の上端に沿って水平に配置されているサイドレール6の外面に、溝レール部16a,16bの開口をそれぞれ上側に向けて左右方向に延ばした状態にして取り付けられている。その各溝レール部16a,16bは、サイドレール6と側扉3の隙間から浸入された雨水や埃等を溝レール部16a,16bで受け、さらに両端から荷台1の外部に排出することができる構造になっている。また、溝レール部16a,16bの突出側面の先端部には、ウエザーストリップ18が取り付けられている。そのウエザーストリップ18は細長い一本のベルト材として形成されていて、側扉3が閉じられると、その側扉3と密に当接されて開口5と側扉3との間をシールする。
【0025】
一方、側煽り4は、荷台1の床側面にヒンジ12を介して取り付けられており、そのヒンジ12を支点として上下方向に回動可能であって、下方向に回動させると開いて行き、上方向に回動させると閉じる構造になっている。なお、図1中に実線で示す側煽り4は開口5を閉じた閉位置に配置されている状態を示しており、この状態では同じく閉位置に配置されている側扉3に対して略面一で、荷台1の閉側面を形成している。これに対して一点鎖線で示す側煽り4は、荷台1の側面から垂れ下がって開口5を開放させた開位置に配置されている状態を示している。
【0026】
側扉3を閉位置から開位置に向かって回動させるためのメインガススプリング8は、本実施の形態の構造では荷台1の左右両側で、かつ前後に配置されている。各部におけるメインガススプリング8は、図2で詳細に示しているように、一端側が枢軸13を介して荷台1のサイドレール側に上下方向に回動可能にして連結されているとともに、他端側が枢軸14を介して側扉3の内側に上下方向に回動可能にして連結されていて、その枢軸14は側扉3の位置によって図4中に弧19で示す軌跡上を移動する。すなわち、図4中に一点鎖線で示す閉位置に側扉3があるとき、枢軸14は符号Pcの位置(以下、「閉位置Pc」という)にあり、閉位置から開放方向へ90度回転されて実線で示す開位置に側扉3が配置されると枢軸14は符号Poの位置(以下、「開位置Po」という)に配置され、さらに位置Pcから角度α回転された位置に死点位置Pdが作られる。また、メインガススプリング8のバネ力は、閉位置Pcから死点位置Pdに移動するまでの間は側扉3を閉じておく方向に作用し、死点位置Pdから開位置Poまでの間は側扉3を開ける方向に作用する。
【0027】
側扉3の開閉力を制御するための補助ガススプリング15は、本実施の形態の構造では荷台1の左右両側で、かつ前後に配置されている。各部の補助ガススプリング15は、図2及び図4で示しているように、一端側が枢軸20を介して荷台1の内部に上下方向に回動可能にして連結されているとともに、他端側は開口5に突出し、この開口5の部分でブラケット21及び枢軸22を介して上下方向回転自在に取り付けられている作動板23と枢軸24を介して上下方向回転自在にリンク結合されている。そして、本実施の形態の構造において、補助ガススプリング15は、側扉3が死点位置Pdから閉位置Pcに移動されるとき、作動板23を介して側扉3側からの押力を受け、バネチャージされながらロッド15aが内側に退避され、そのバネチャージされた状態で保持される。また、側扉3が閉位置Pcから開位置Poに向かって開かれるとき、補助ガススプリング15のロッド15aはバネチャージされている力で突出され、作動板23を図4中に実線で示す位置まで回動させる。その作動板23の回動は、側扉3を開方向へ押す力として作用する。
【0028】
このように構成された荷台構造では、通常は側扉3は閉じられ、図示せぬ側扉ロック手段により閉ロックされ、また補助ガススプリング15は側扉3で押されてバネチャージされた状態にある。そして、側扉3を開く場合は、まず側扉ロック手段による閉ロックを解除し、続いて作業者が側扉3の下側を持ち上げて開方向に回転させる。すると、図5でわかるように、閉位置Pcから死点位置Pdまでの間はメインガススプリング8が側扉3を閉じる方向に力を作用しているが、補助ガススプリング15からは側扉3を開放させようとする力Fcが作用され、この2つの力が相殺し合い、側扉3を小さな力で持ち上げることができる。また、側扉3が、死点位置Pdを越えると、補助ガススプリング15からの力は無くなる。そして、メインガススプリング8の力だけが側扉3を開方向に回動させる力として働き、その後は人手とメインガススプリング8の力を借りて側扉3は開位置Poまで開放される。なお、開放位置Poではストップ手段25によりストップされ、側扉3の開角度を制限する。
【0029】
反対に、側扉3を閉じる場合は、開放されている側扉3の内側から垂れ下がっている引きロープ9を作業者が手で持って下側に引き、側扉3の開放端に作業者の手が掛かるまで閉位置Pc側に回転させる。側扉3の開放端に作業者の手が掛かったら、その後は直接側扉3を閉位置側に回転させて行く。この回転では死点位置Pdまではメインガススプリング8を縮めるための大きな力を必要とする。死点位置Pdを越えるとメインガススプリング8の力は側扉3を閉じる方向に回転させる力として働くが、これと同時に側扉3の内面が作動板23に当接し、この作動板23を介して補助ガススプリング15をバネチャージさせながら退避させる。これにより、側扉3を閉じようとするメインガススプリング8からの力と側扉3を開こうとする補助ガススプリング15からの力とが相殺し、死点位置Pdから閉位置Pcまでの間は緩やかに閉じることができる。これにより、側扉3が急激に閉じられることが無くなり、安全性の向上が期待できる。
【0030】
図5は、側扉3を閉じるときに作業者が閉操作で必要とする操作力を示す作用モーメント線図で、縦軸にヒンジ7の周囲に発生するモーメントを、横軸に側扉3の開角度を示している。図中、符号Fgで示す曲線はメインガススプリング8の発生モーメントを示し、符号Fdで示す曲線は側扉3の自重により発生するモーメント、符号Fcで示す曲線は補助ガススプリング15の発生モーメント、符号Faで示す曲線は合成モーメント(Fg−Fd+Fc)であって、作業者が実際に必要とする操作力である。図5でわかるように、側扉3を開く場合は、閉位置Pc(開角度0度)から死点位置Pd(α角度=約25度)まではメインガススプリング8の発生モーメントFgは側扉3を閉じる方向に作用しているが、補助ガススプリング15の発生モーメントFcが側扉3を開く方向に作用しているので、側扉3を死点位置Pdまで開くときの操作力Faは(Fg−Fd+Fc)となる。次に、死点位置Pdから開位置Poまでの操作力Faは(Fg−Fd)で、側扉3は自動的に開かれて行く。これに対して、側扉3を閉じるときには、(Fg−Fd)に打ち勝つ力で側扉3を閉位置Pc側に引きロープ9を介して引いて回転させる。側扉3が死点位置Pdを越えると、メインガススプリング8の発生モーメントFgが閉方向に働いて操作力Faは(−)になるが、側扉3がさらに閉じられると作動板23が側扉3と当接する。すると、補助ガススプリング15の発生モーメントFcが側扉3を開位置Poの方向に押す力として働き、メインガススプリング8と補助ガススプリング15との力が相殺し、側扉3は(Fg+Fc)のブレーキ力が付与されながら緩やかに閉じられる。
【0031】
次に、本実施の形態で使用している補助ガススプリング15を設けていない従来構造の場合と補助ガススプリング15を設けている本実施の形態の構造について比較検討する。なず、側扉を操作するメインガススプリングだけについて見ると、α角(死点位置Pd)を大きくすると開位置Poでのモーメントを大きくとることができ、側扉を所定の位置まで確実に開かせることができる。しかし、逆に死点位置Poから閉位置Pcに閉じられるときのモーメントも大きくなる。このため、側扉を閉じる最終位置での速度が増し、安全性を損なう問題がある。これに対して、本実施の形態における荷台の構造のように、死点位置Pdを超えて閉じられる時に、補助ガススプリング15で側扉3にブレーキをかけて緩和することができる構造にした場合では、α角を大きくしても閉じられるときの問題は生じない。このため、同じパワーのメインガススプリングを使用しても、そのα角を大きくとるように設定することによって開位置Poでのモーメントを大きくとることができる。したがって、本実施の形態の構造では、開位置Poでのモーメントが従来と同じ大きさのものを得ようとした場合には、従来のものよりも小さなパワーのメインガススプリングを使用することが可能になるので、全体として操作力Faを小さくすることができ、側扉3を操作する力を軽減することも可能になる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る側面開放形荷台構造によれば、次のような効果が期待できる。
・側扉を側面の開口よりも上側まではね上げて開放する構造にしているので、側面の開口高さが側扉によって制限を受けることがない。このため、荷台内の天井の高さとの差を小さくすることができ、荷物を積めないデットスペースを減少させて荷役の効率化を図ることができる。
・ヒンジ及び側面と荷台との境目が上面側に設けられ、荷台の側面からは見えない構造にしているので、外観上の見栄えを向上させることができる。
・側扉に対してメインガススプリングから閉方向の力が付与される範囲内に側扉が配置されると、側扉を開放方向に押し返すが補助ガススプリングから側扉に付与されされるので、この戻し力がブレーキとなって最終位置の直前では緩やかに閉まり、安全性を向上させることができる。また、側扉を閉位置から開放させる場合も、小さな操作力で開放することができる。
・所定の角度を超えて閉じられる時に補助ガススプリングによりブレーキを掛けてメインガススプリングによる閉方向の力を緩和することができるので、所定の角度の位置(死点位置)を開方向側にずらせて、メインガススプリングの小さな操作力で側扉を所定の位置まで開放させることができるように設定することが可能になる。これにより、側扉を操作する力を軽減することができることとなる。・ヒンジと側面開口との間に、荷台部の上部に沿って延びる2列の溝レールと、各溝レールと側扉内面との間をシールするシールゴムを設けて、側扉の内面を伝わって浸入される水や埃を受け止めて外部に排出するようにしているので、従来構造で荷台の外側から見えるようにして設けていた防雨シート等が不要になり、外観を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における側面開放形荷台構造をイメージ的に示す外観斜視図である。
【図2】図1のA部における構造をより詳細に示す拡大斜視図である。
【図3】図1のB−B線拡大概略断面図である。
【図4】本実施の形態における側扉に対するメインガススプリングと補助ガススプリングの動作説明図である。
【図5】本実施の形態における作用モーメント線図である。
【図6】従来の側面開放形荷台構造の一例をイメージ的に示す外観斜視図である。
【図7】図6のC−C線拡大概略断面図である。
【図8】従来構造における側扉に対するメインガススプリングの動作説明図である。
【図9】従来構造における作用モーメント線図である。
【符号の説明】
1…荷台、3…側扉、4…側煽り、5…開口、6…サイドレール、7…ヒンジ、8…メインガススプリング、9…引きロープ、15…補助ガススプリング、16…レール材、16a…溝レール部、16b…溝レール部、23…作動板、25…ストップ手段、Po…開位置、Pd…死点位置、Pc…閉位置。
Claims (2)
- 箱形をした荷台の上面よりも上方に回動支点を設けて前記荷台の側面上部に取り付けられているヒンジと、
前記荷台の側面に前記ヒンジを介して前記荷台の側面開口を開閉可能に閉じて取り付けられているとともに、開放時に前記側面開口よりも上側の位置まで回動される側扉と、
前記側扉が閉位置から所定の角度まで開放される間は前記側扉に閉じ方向の力を付与し、前記所定の角度範囲を超えて開放されているときには前記側扉に開放方向の力を付与するメインガススプリングと、
前記メインガススプリングにより前記閉方向の力が付与される範囲内に前記側扉が配置されているときに前記側扉に開放方向の力を付与する補助ガススプリング、
を備えたことを特徴とする側面開放形荷台構造。 - 前記ヒンジと前記側面開口との間に、前記側扉の内面を伝わって浸入される水を受け止めて外部に排出する、前記荷台部の上部に沿って略水平に設けた2列の溝レールと、前記各溝レールと前記側扉内面との間をシールするシールゴムを設けたことを特徴とする請求項1記載の側面開放形荷台構造。
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