JP7679366B2 - 高い機械的特性を有する炭素繊維の製造 - Google Patents

高い機械的特性を有する炭素繊維の製造 Download PDF

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Description

本発明は、炭素繊維の製造方法に関する。
炭素繊維(CF又は黒鉛繊維)は、典型的には約5~10μmの直径を有する糸又はフィラメントの炭素質材料であり、少なくとも50重量%の炭素原子で主に構成される。炭素繊維は、高い剛性、高い引張強度、低い重量、高い耐薬品性、高温耐性及び低い熱膨張を含む多くの利点のために、航空宇宙、土木工学、軍事、モータースポーツ及びスポーツ用品に広く使用されている。
炭素繊維は、典型的には、ポリアクリロニトリル(PAN)の使用又はピッチからのいずれかの2つの主な方法を使用して製造される。ピッチは、植物、原油及び石炭などの炭素系材料の蒸留の生成物である。ピッチは等方性であるが、熱処理により異方性とすることができる。しかしながら、炭素繊維製造において最も重要な材料は、フィラメントの破断を伴わずに異方性メソフェーズピッチを溶融紡糸する能力に起因するメソフェーズピッチである。メソフェーズピッチはサーモトロピック結晶を形成し、これによりピッチが組織化され、張力を使用せずに直鎖を形成することが可能になる。
メソフェーズピッチは等方性ピッチを高分子量に重合することによって作られる。PAN炭素繊維を超えるピッチ系炭素繊維の製造における利点は、ピッチ炭素繊維がすべての加工段階で繊維に一定の張力を必要としないことである。
ピッチ系炭素繊維は、より粒状であるPAN系炭素繊維とは対照的に、結晶構造においてよりシート状であることが見出されている。ピッチからの炭素繊維の製造には、1)溶融紡糸、2)酸化、3)炭化、4)黒鉛化、5)表面処理及び6)サイジングという6つの主なステップがある。
溶融紡糸は、溶融物の急冷によって繊維を形成する方法である。冷却速度が速いため、メソフェーズピッチを高度に配向させることができる。メソフェーズピッチは溶融紡糸することができるが、その流れ特性のために、工程を確実に実施することは困難であり得る。メソフェーズピッチの粘度は、他の溶融紡糸材料よりも温度に敏感である。したがって、ピッチ系繊維の作製中、温度及び熱伝達率は慎重に制御されなければならない。
酸化は、繊維が溶融又は融合しない点まで分子を架橋するために使用される。これは、通常、空気中、約200℃~約400℃で数時間実施される。このステップは、炭化及び黒鉛化の高温で安定な繊維を製造するため、極めて重要である。架橋を行わない場合、繊維は、これらの工程ステップにおいて損なわれるであろう。
炭化は、不活性酸素を含まない雰囲気中で繊維を高温、典型的には約1000℃~約2000℃に加熱することによって達成される。このステップは、繊維から不純物(例えば、水素、酸素、窒素)の大部分を除去し、大部分が六角形の環に主に結晶性炭素を残す。
黒鉛化は、主繊維軸に沿った結晶領域の整列及び配向を改善するために、高温で繊維を処理する工程である。結晶領域を主繊維軸に沿って整列、積層、及び配向させることにより、炭素繊維の全体的な強度及び剛性が増加する。より高い弾性率及びより高い炭素含有量を有する炭素繊維を得るために、黒鉛化は、3000℃までのより高い温度で実施される。
複合材料を製造するための結合マトリックスへの炭素繊維の接着性を改善するために、表面処理を適用することができる。最後に、炭素繊維のサイジングは、個々のフィラメントの破断を防止し、非常に微細な炭素フィラメントの取り扱いを改善し、成形工程との適合性を提供するために、表面処理された炭素繊維をポリマーでコーティングすることを含む。
炭素繊維の高い強度は、上記の6つの主要工程に起因し得る。高レベルの結晶領域は、繊維が大きな応力に耐えることを可能にする。これらの結晶領域は、溶融紡糸工程によって形成され、結晶は、外部応力が加えられたときに容易に変形しない剛性領域である。
アスファルテンは、樹脂、芳香族炭化水素、及び飽和物と共に、ビチューメン若しくは原油、又は石炭などの炭素質材料に見られる分子物質である。アスファルテンは、脂肪族鎖及びヘテロ原子によって囲まれた芳香族多環式構造を含む複雑な分子構造を有し、これらは通常、軽質n-アルカン(n-ペンタン、nC又はn-ヘプタン、nCのような)に不溶性であるが、トルエンのような芳香族溶媒に可溶性である。それらの分子量は、通常、400u~1500uの範囲で見出されるが、平均値及び最大値は、溶液中の分子の凝集のために決定することが困難である。アスファルテンは、主に炭素、水素、窒素、酸素及び硫黄、並びに微量のバナジウム、ニッケル及び鉄からなる。C:H比は、アスファルテン源に応じて約1:1.2である。
アスファルテンは、炭素繊維のピッチ系前駆体の主成分である。例えば、アスファルテンは、炭素繊維のための高品位ピッチ前駆体の商品名であるAshland 260石油ピッチ全体の80重量%超を構成する。
純粋なアスファルテンは、ガラス様固体であり、周囲温度で粉末に容易に粉砕することができる。純粋な固体アスファルテンから炭素繊維を製造する試みはなされていない。重油の品質向上から得られたアスファルテンから炭素繊維を製造することが知られており、約60%~約70%のアスファルテンを含む室温の液相アスファルテン流を紡糸口金を通して導入して、炭素系フィラメントを得る。固体アスファルテンが利用可能である場合、紡糸口金を通してアスファルテン含有液相を導入して炭素系フィラメントを得る前に、固相アスファルテン流を溶媒に溶解してアスファルテン溶液を得るステップが必要である。後者の場合、固相アスファルテン流は、溶媒に溶解する前に、固相アスファルテン流の総重量を重量で100%とした場合に、約60%~約90%のアスファルテンを含む。
電界紡糸を使用して、アスファルテンから中実及び中空の両方のマイクロメートルサイズの繊維を製造することも知られている。しかしながら、高い機械的特性を達成するためのさらなる加工は実施されていない。このような処理は、炭素繊維が複合材料を製造するために必要な機械的特性に達するための必須のステップである。さらに、電界紡糸後の繊維は、短く、曲げられ、中空で分岐して見える。これらの欠陥は、構造用途のための炭素繊維の基本的な要件を満たしていない。
この背景情報は、本発明に関連する可能性があると出願人が考える既知の情報を作る目的で提供される。先の情報のいずれかが本発明に対する先行技術を構成すると認めることを必ずしも意図しておらず、解釈すべきでもない。
本発明は、固体アスファルテンの溶融紡糸によって炭素系繊維を製造する方法に関し、固体アスファルテンは、好ましくは供給原料ビチューメン又は原油の溶媒脱瀝によって排除されたアスファルテンであり得る。供給原料は、熱分解又は非熱分解されてもよい。溶融紡糸された炭素系繊維は、その後、望ましい機械的特性を達成するために処理される。
本発明の一態様を以下に示すが、本発明はそれに限定されない。
[発明1]
炭素繊維を製造する方法であって、
(a)アスファルテン固体を密閉容器内で溶融するステップ、
(b)溶融アスファルテンを紡糸して生繊維を製造するステップ、
(c)液体環境又は気体環境で前記生繊維を安定化させるステップ、及び
(d)前記安定化された生繊維を炭化させるステップ
を含む方法。
[発明2]
前記生繊維が空気中又は蒸気中で安定化される、発明1に記載の方法。
[発明3]
前記アスファルテン固体が、ステップ(a)において約150℃~約550℃で、窒素、水素、若しくは蒸気、又はそれらの混合物などの環境で溶融される、発明1又は2に記載の方法。
[発明4]
ステップ(a)が約6時間まで延長する、発明1~3のいずれか一に記載の方法。
[発明5]
ステップ(a)が0.5時間~2時間に延長する、発明4に記載の方法。
[発明6]
ステップ(a)において、前記密閉容器が、加熱中に0~約1000kPaのレベルに加圧される、発明1~5のいずれか一に記載の方法。
[発明7]
前記紡糸ステップが、溶融アスファルテンを紡糸口金を通して引っ張って前記生繊維を製造することと、前記生繊維を回転スプール上に巻き付けることとを含む、発明1~6のいずれか一に記載の方法。
[発明8]
紡糸時のアスファルテンの温度が、約150℃~約350℃に制御される、発明7に記載の方法。
[発明9]
紡糸時の密閉容器の圧力が、約100kPa~約1000kPa、優先的には約200kPa~約700kPaに制御される、発明7又は8に記載の方法。
[発明10]
回転スプールの速度が、毎分50~1000メートル、優先的には毎分100~300メートルの繊維引っ張り速度を達成するように制御される、発明7、8又は9に記載の方法。
[発明11]
紡糸口金の直径が、約50~約300μm、優先的には約100~約200μmの範囲のサイズに選択される、発明7~10のいずれか一に記載の方法。
[発明12]
生繊維の直径が、約1~約15μm、優先的には約7~約10μmの範囲のサイズに製造される、発明1~11のいずれか一に記載の方法。
[発明13]
前記生繊維が、前記生繊維をコーティングし、隣接する生繊維間の凝集を防止する水溶液に浸漬させることによって安定化される、発明1~12のいずれか一に記載の方法。
[発明14]
前記水溶液が、塩酸、硝酸、硫酸、フィチン酸、硝酸カリウム、塩化カリウム、それらの誘導体、及び/又はそれらの混合物を含む、発明13に記載の方法。
[発明15]
前記水溶液が濃縮又は希釈され得、希釈が濃縮溶液の1重量%~100重量%の範囲であり得る、発明13又は14に記載の方法。
[発明16]
前記浸漬時間が1秒~100分、優先的には5秒~50分である、発明13、14又は15に記載の方法。
[発明17]
前記安定化ステップが、空気又は蒸気環境において100℃~400℃の温度での少なくとも1段階の熱処理を含む、発明1~16のいずれか一に記載の方法。
[発明18]
前記安定化ステップが、2~5段階、優先的には2~3段階などの、少なくとも2段階の温度ステップを含む、発明17に記載の方法。
[発明19]
各温度段階が0.5時間~24時間続く、発明17又は18に記載の方法。
[発明20]
前記炭化ステップが、窒素ガスなどの不活性環境において約400℃~約1600℃の温度での少なくとも1段階の熱処理を含む、発明1~19のいずれか一に記載の方法。
[発明21]
前記少なくとも1段階の熱処理が、少なくとも低温段階及び高温段階を含む、発明20に記載の方法。
[発明22]
低温段階が、約0.5~約3時間の期間にわたって約400℃~約600℃で実施される、発明20又は21に記載の方法。
[発明23]
約0.5~約10時間、優先的には約1~約3時間の期間にわたって約700℃~約900℃の温度で実施される中間温度段階をさらに含む、発明21又は22に記載の方法。
[発明24]
前記高温段階が、0.5~10時間の期間にわたって約1300℃~約1600℃の温度で実施される、発明21~23のいずれか一に記載の方法。
[発明25]
前記熱処理段階が、低温も高温段階もなしで、中間温度段階を含む、発明20に記載の方法。
[発明26]
前記熱処理段階が、低温も中間温度段階もなしで、高温段階を含む、発明20に記載の方法。
[発明27]
最終処理後の炭素繊維の直径が、約5~約10μmの範囲に制御される、発明1~26のいずれか一に記載の方法。
[発明28]
固体アスファルテンが、溶融紡糸の前に、硫黄、酸素、金属種、特定の分子種又は基の含有量を低減又は変化させるように加工される、発明1~27のいずれか一に記載の方法。
[発明29]
固体アスファルテンを他の化学物質と共に添加するか又は熱処理して、溶融紡糸の温度を変更する、アスファルテンの化学的性質を変更する、メソフェーズの含有量を増加させる、及び/又は溶融アスファルテンの粘度を変更することができる、発明1~28のいずれか一に記載の方法。
[発明30]
前記炭化された繊維を黒鉛化させるさらなるステップを含む、発明1~29のいずれか一に記載の方法。
[発明31]
発明1~29のいずれか一に記載の方法から得られる炭素繊維。
一態様では、本発明は、炭素繊維を製造する方法であって、
(a)密閉容器内で加熱し、不活性ガスを使用して容器を加圧することによってアスファルテン固体を溶融するステップ、
b)溶融アスファルテンを紡糸口金に導入して、生繊維を得るステップ、
c)続く熱処理中に起こり得る繊維融合を回避するために、上記生繊維を液体又は気体で安定化させて上記生繊維を表面前処理するステップ、及び
d)上記表面処理された生繊維を熱処理するステップ
を含む方法を含む。
いくつかの実施形態では、紡糸口金の引っ張り速度及び直径を制御することによって、生繊維を所望の繊維直径で製造することができる。
本発明の実施形態は、概して、アスファルテンを含有する液体流を生成し、液体流を紡糸口金に導入して炭素系繊維を得ることを必要とせずに、アスファルテン固体から炭素繊維を直接製造する方法に関する。特に、アスファルテンを溶解するための溶媒は必要とされない。
上記で簡単に説明した本発明のさらなる詳細な説明を、本発明の特定の実施形態の以下の図面を参照して続ける。図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、その範囲を限定するものと見なされるべきではない。図面は必ずしも縮尺通りではなく、場合によっては、特定の特徴をより明確に示すために比率が誇張されていることがある。
アスファルテンのフィラメントを製造するための溶融紡糸装置を使用して確立された未加工アスファルテン(生繊維と呼ばれる)のスプール巻取り速度とフィラメント直径との関係を示す図である。
窒素中、260℃で1時間の熱処理あり及びなしの未加工アスファルテンの熱流-温度図である。
空気中350℃で2時間安定化させ、窒素中800℃で2時間炭化させた後の炭素繊維の引張強度に対する、生繊維を得るために紡糸口金に導入する前の溶融アスファルテンの保持時間の効果を示す図である。
生繊維を以下の工程/ステップで処理した後のインターフェログラム信号として減衰赤外線光を示すFTIR-ART(減衰全反射アクセサリを用いたフーリエ変換赤外線分光法)スペクトルの図である。上段のスペクトル:17%硝酸に10分間浸漬した後のアスファルテン由来の生繊維、中段のスペクトル:17%硝酸に10分間浸漬し、脱イオン水で完全に洗浄した後のアスファルテン由来の生繊維、下段のスペクトル:無処理のアスファルテン由来の生繊維。
それぞれ空気中350℃で2時間、窒素中800℃で2時間実施した安定化処理及び炭化処理後の炭素繊維の引張強度を示す図である。生繊維は、上で示した安定化処理及び炭化処理を実施する前に、空気中で様々な時間にわたって、150℃で前処理した。
それぞれ空気中350℃で2時間、窒素中800℃で2時間実施した安定化処理及び炭化処理後の炭素繊維の引張弾性率を示す図である。生繊維は、上で示した安定化処理及び炭化処理を実施する前に、空気中で様々な時間にわたって、150℃で前処理した。
空気中350℃で2時間の安定化処理、及び窒素中様々な温度で2時間の第1段階の炭化処理、及び窒素中800℃で2時間の第2段階の炭化後の炭素繊維の引張強度の図である。
空気中350℃で2時間の安定化処理及び窒素中様々な温度で2時間の炭化処理後の炭素繊維の引張強度の図である。
空気中350℃で2時間の安定化処理及び窒素中様々な温度で2時間の炭化処理後の炭素繊維の引張強度の図である。
空気中350℃で2時間の安定化処理及び窒素中様々な温度で2時間の炭化処理後の炭素繊維の引張弾性率の図である。
800℃で8時間の炭化処理後の炭素繊維の破壊断面の画像である。
溶融紡糸して生繊維にする前に、窒素環境で350℃までの異なる温度で2時間前処理した同じアスファルテン供給原料の溶融紡糸温度を示す。この処理は、生繊維を製造するための溶融紡糸の温度を上昇させた。この研究で使用された供給原料は、図2に示す研究で使用された供給原料とは異なることに留意されたい。
本発明の説明は、例示及び説明の目的で提示されているが、網羅的であること、又は開示された形態の本発明に限定されることを意図するものではない。本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、多くの修正及び変形が当業者には明らかであろう。実施形態は、本発明の原理及び実際の用途を最もよく説明し、当業者が企図される特定の用途に適した様々な修正を伴う様々な実施形態について本発明を理解することを可能にするために選択され説明された。以下の説明が本発明の特定の実施形態又は特定の使用に関するものである限り、それは例示のみを意図しており、特許請求される発明を限定するものではない。
本明細書で使用される場合、「炭素繊維」は、0.1mm未満の糸又はフィラメント直径を有する少なくとも50%(質量)の元素状炭素を含む任意の糸又はフィラメント材料を指し、これは破壊に対するより高い力又は応力のいずれかを達成するように制御することができる。「繊維(fiber)」という用語は、「繊維(fibre)」と互換的に綴られ得る。
炭素繊維を製造するためのアスファルテン固体は、ビチューメン又は原油にn-アルカン(n-ペンタン、nC又はn-ヘプタン、nCのような)などの溶媒を添加することによって得られる固体沈殿物を指すものとする。この工程は、当業者によって一般に溶媒脱瀝として知られており、周知であり、さらに説明する必要はない。この脱瀝工程は、ビチューメン及び原油に直接適用することができ、又はいくつかの熱変換工程若しくはクラッキングの後に適用することができ、選択された溶媒に不溶性のアスファルテン固体をもたらす。アスファルテンは、上記の特性及び組成を有し、当業者に周知でもある。
本発明は、炭素前駆体として固体アスファルテンを使用して炭素繊維を製造する方法に関する。表1は、異なる供給源からのアスファルテン固体の典型的な組成を提供する。本明細書に開示される方法の実施形態は、アスファルテンが固相である限り、任意の供給源からのアスファルテンに適用することができる。好ましくは、アスファルテンは、融点が約100℃より高いか、又はサイズが約1μmより大きい固体粒子を実質的に含有しない。いくつかの好ましい実施形態では、比較的少ない硫黄、酸素、任意の金属種、及び微細な非溶融粒子を含有するアスファルテン前駆体が、改善された機械的特性を有する炭素繊維を製造するために好ましい場合がある。
本明細書に開示される方法によって製造された炭素繊維は、高い強度を達成することができる。炭素繊維の強度は、炭素繊維の直径に非常に敏感である。本明細書に開示される方法によって製造される炭素繊維の直径は、従来技術の市販の炭素繊維の直径よりも大きいものであることができ、従来技術の市販の炭素繊維の直径は、通常は10μm未満、大部分は5~7μmの範囲である。対照的に、本明細書で製造される炭素繊維の直径は、10~16μmの範囲であり得る。これらの繊維は、炭素前駆体として純粋な固体アスファルテンを使用して製造された炭素繊維の機械的特性に対する熱処理の効果を実証するために試験することができる。
いくつかの実施形態では、固体アスファルテンを密閉チャンバに添加し、次いで不活性雰囲気中で加圧下で溶融させる。例えば、一実施形態では、アスファルテンは、約190℃で溶融され、窒素ガスを使用して約0~約1000kPa、好ましくは約200~約600kPa、より好ましくは約400kPaに加圧されてもよい。適切な大きさの紡糸口金をチャンバの底部に配置すればよく、例えば直径150μmの紡糸口金を用いてもよい。アスファルテンフィラメントを紡糸口金から引き出し、直径20cmのスプールなどの回転スプールに巻き付けることができる。スプールの回転速度は調整可能であることが好ましい。アスファルテンフィラメント又は生繊維の直径は、図1に示すように、スプールの回転速度に反比例する。
溶融紡糸のための適切な温度及び圧力は、炭素繊維に紡糸する前に、アスファルテンを溶融チャンバ内に保持する温度及び時間によって変更することができる。一実施形態では、バルクアスファルテンは、溶融紡糸前に密閉チャンバ内に窒素中で約260℃で1時間保持されてもよい。このような長時間の熱処理により、アスファルテンが軟化し始める温度点は、図2から分かるように、約175℃から約245℃に上昇する。
一実施形態では、バルクアスファルテンを、0時間の対照と共に、溶融紡糸前に、それぞれ1、2及び3時間、350℃で保持した。得られたアスファルテン繊維を、それぞれ空気中350℃で2時間、窒素中800℃で2時間実施した同じ溶融紡糸後ステップ(安定化処理及び炭化処理)に供した。すべての処理後の炭素繊維の引張強度は、バルクアスファルテンの処理を350℃で溶融紡糸前に1時間維持した場合に最も高いことが分かる。
図12は、溶融紡糸して生繊維にする前に、窒素環境で350℃までの異なる温度で2時間前処理した同じアスファルテン供給原料の溶融紡糸温度を示す。この処理は、生繊維を製造するための溶融紡糸の温度を上昇させた。この研究で使用された供給原料は、図2に示す研究で使用された供給原料とは異なることに留意されたい。
溶融紡糸された生繊維は、炭化及び/又は黒鉛化の前に、例えば液体又は気体で生繊維を表面処理することによって安定化されなければならない。アスファルテンを溶融紡糸して生繊維とする温度よりも高い温度で安定化処理を実施した場合、周囲温度から安定化温度まで加熱している間に、物理的に互いに接触している生繊維の融合が起こることがある。
いくつかの実施形態では、溶融紡糸された生繊維は、隣接する繊維間の融合を防止するために生繊維表面をコーティングする又は生繊維表面と相互作用する液体に浸漬されてもよい。適切な液体には、希若しくは濃鉱酸、例えば塩酸、硝酸、若しくは硫酸;有機酸、例えばフィチン酸;又は無機塩の溶液、例えばカリウム塩、例えば硝酸カリウム、塩化カリウム;又は前述のいずれかの誘導体;及び/又はそれらの混合物が含まれる。好ましい一実施形態では、溶融紡糸の温度より高い温度まで加熱している間に、物理的に接触した生繊維が融合するのを防止するために、生繊維を硝酸溶液(17%)に10分間浸漬させることができる。硝酸溶液に浸漬させると、生繊維の表面に化学種が付着し、生繊維が隣接する繊維と融合するのを防止することができる。硝酸に浸漬させた生繊維を水ですすいだ場合、コーティングされた化学種は除去され、溶融紡糸に使用される温度より高い温度まで加熱している間に、物理的に付着した生繊維の融合が再び起こり得る。
いくつかの実施形態では、生繊維は、空気中で段階的な温度体系で安定化又はさらに安定化されてもよい。一実施形態では、生繊維を最初に17%硝酸に10秒間浸漬させ、空気中で最大24時間、好ましくは少なくとも約16時間までの様々な時間、150℃で安定化させ、続いて350℃で2時間の第2の安定化処理を行ってもよい。次いで、安定化された繊維を800℃で2時間炭化させる。150℃での様々な処理時間についての例示的な結果を図5に示す。
安定化された生繊維は、例えば、約400℃~約1600℃の範囲の温度で、好ましくは不活性又は窒素環境で炭化されてもよい。炭化ステップは、1段階で行ってもよいし、複数段階で行ってもよい。例えば、400℃~600℃の範囲の温度の初期低温段階、600℃~約1200℃(好ましくは800℃~1000℃)の範囲の中間温度段階、及び約1200℃~約1600℃(好ましくは約1500℃)の範囲の最終高温段階を有する3段階の炭化処理が適切であり得る。各段階は、数分から数時間続けてもよく、例えば、各段階は、約1時間から約2時間続けてもよい。
その結果が図7に示されているいくつかの実施形態では、生繊維は、引張試験前に低温段階及び中間温度段階で炭化された。1段階目の炭化は、400℃~600℃の範囲の異なる温度で2時間実施され、2段階目の炭化は、800℃で2時間実施された。1段階目の炭化が500℃で2時間実施された場合、最良の引張強度が達成された。その結果が図8に示されている他の実施形態では、500℃で2時間の低温炭化が実施された後、800℃~1000℃の範囲の温度で2時間の中間温度炭化が実施された。900℃で2時間の中間炭化が実施された場合に最も低い引張強度が観察され、800℃で中間炭化が行われた場合に最も高い引張強度が観察された。
その結果が図9及び図10に示されているいくつかの実施形態では、高温炭化は、事前の中間温度段階の有無にかかわらず、2時間~8時間の範囲の様々な時間にわたって1500℃で実施された。最良の引張強度は、事前の中間温度段階なしで、1500℃での炭化が2時間続いた場合に達成された。1500℃での炭化処理時間を2時間より長くすると、引張強度が低下した。1500℃の高温処理に先立って800℃の中間温度の炭化処理が実施された場合、高温炭化が単独で実施された場合に得られた引張強度に比べて、引張強度は低下した。
アスファルテン由来の炭素繊維が900℃付近で炭化された場合に観察される強度の低下は、繊維内に金属含有化合物の凝集体が形成されたためと考えられる。図11に見られるように、800℃で8時間の中間温度炭化処理が実施された後、破壊処理された炭素繊維は、表2に示す化学組成を有する金属含有相のいくつかの凝集体を示す。
表2は、図11に示す中央の凝集体の化学組成のリストである。
生繊維の処理は、炭素繊維の化学的性質の変化を引き起こす可能性がある。一実施形態では、炭素、窒素、水素、及び硫黄の組成を様々な処理後に分析し、結果を表3に示した。一般に、炭素繊維中の炭素含有量は処理温度及び処理時間の増加と共に増加し、窒素、水素、及び硫黄含有量は処理温度及び処理時間の増加と共に減少した。
表3は、異なる温度で異なる時間の様々な段階の処理後のアスファルテン及びアスファルテン由来の炭素繊維の化学組成のリストである。
任意で、製造された炭素繊維は黒鉛化されていてもよい。黒鉛化は、主繊維軸に沿った結晶領域の整列及び配向を改善するために、高温で繊維を処理する工程である。結晶領域を主繊維軸に沿って整列、積層、及び配向させることにより、炭素繊維の全体的な強度及び剛性が増加する。より高い弾性率及びより高い炭素含有量を有する炭素繊維を得るために、黒鉛化は約3000℃までのより高い温度で実施される。
上記の説明を考慮して、本発明の特定のより詳細に記載された態様を以下に提示する。しかしながら、これらの詳細に列挙された態様は、本明細書に記載された異なる又はより一般的な教示を含む任意の異なる特許請求の範囲に対していかなる限定的な効果も有すると解釈されるべきではなく、又は「特定の」態様は、その中で文字通り使用される言語の固有の意味以外の何らかの方法で何らかの形で限定されると解釈されるべきではない。
態様1:炭素繊維を製造する方法であって、
(a)アスファルテン固体を密閉容器内で溶融するステップ、
(b)溶融アスファルテンを紡糸して生繊維を製造するステップ、
(c)液体環境又は気体環境で上記生繊維を安定化させるステップ、
(d)上記安定化された生繊維を炭化させるステップ、及び
(e)任意で、炭化された繊維を黒鉛化させるステップ
を含む方法。
態様2:上記生繊維が空気中又は蒸気中で安定化される、請求項1に記載の方法。
態様3:上記アスファルテン固体が、ステップ(a)において約150℃~約550℃で、窒素、水素、若しくは蒸気、又はそれらの混合物などの環境で溶融される、態様1又は2に記載の方法。
態様4:ステップ(a)が約6時間まで延長する、態様1~3のいずれか1つに記載の方法。
態様5:ステップ(a)が0.5時間~2時間に延長する、態様4に記載の方法。
態様6:ステップ(a)において、上記密閉容器が、加熱中に0~約1000kPaのレベルに加圧される、態様1~5のいずれか1つに記載の方法。
態様7:上記紡糸ステップが、溶融アスファルテンを紡糸口金を通して引っ張って上記生繊維を製造することと、上記生繊維を回転スプール上に巻き付けることとを含む、態様1~6のいずれか1つに記載の方法。
態様8:紡糸時のアスファルテンの温度が、約150℃~約350℃に制御される、態様7に記載の方法。
態様9:紡糸時の密閉容器の圧力が、約100kPa~約1000kPa、優先的には約200kPa~約700kPaに制御される、態様7又は8に記載の方法。
態様10:回転スプールの速度が、毎分50~1000メートル、優先的には毎分100~300メートルの繊維引っ張り速度を達成するように制御される、態様7、8又は9に記載の方法。
態様11:紡糸口金の直径が、約50~約300μm、優先的には約100~約200μmの範囲のサイズに選択される、態様7~10のいずれか1つに記載の方法。
態様12:生繊維の直径が、約1~約15μm、優先的には約7~約10μmの範囲のサイズに製造される、態様1~11のいずれか1つに記載の方法。
態様13:上記生繊維が、上記生繊維をコーティングし、隣接する生繊維間の凝集を防止する水溶液に浸漬させることによって安定化される、態様1~12のいずれか1つに記載の方法。
態様14:上記水溶液が、塩酸、硝酸、硫酸、フィチン酸、硝酸カリウム、塩化カリウム、それらの誘導体、及び/又はそれらの混合物を含む、態様13に記載の方法。
態様15:上記水溶液が濃縮又は希釈され得、希釈が濃縮溶液の1重量%~100重量%の範囲であり得る、態様13又は14に記載の方法。
態様16:上記浸漬時間が1秒~100分、優先的には5秒~50分である、態様13、14又は15に記載の方法。
態様17:上記安定化ステップが、空気又は蒸気環境において100℃~400℃の温度での少なくとも1段階の熱処理を含む、態様1~16のいずれか1つに記載の方法。
態様18:上記安定化ステップが、2~5段階、優先的には2~3段階などの少なくとも2段階の温度ステップを含む、態様17に記載の方法。
態様19:各温度段階が約0.5時間~約24時間続く、態様17又は18に記載の方法。
態様20:上記炭化ステップが、窒素ガスなどの不活性環境において約400℃~約1600℃の温度での少なくとも1段階の熱処理を含む、態様1~19のいずれか1つに記載の方法。
態様21:上記少なくとも1段階の熱処理が、少なくとも低温段階及び高温段階を含む、態様20に記載の方法。
態様22:低温段階が、約0.5~約3時間の期間にわたって約400℃~約600℃で実施される、態様20又は21に記載の方法。
態様23:約0.5~約10時間、優先的には約1~約3時間の期間にわたって約700℃~約900℃の温度で実施される中間温度段階をさらに含む、態様21又は22に記載の方法。
態様24:上記高温段階が、0.5~10時間の期間にわたって約1300℃~約1600℃の温度で実施される、態様21~23のいずれか1つに記載の方法。
態様25:上記熱処理段階が、低温も高温段階もなしで、中間温度段階を含む、態様20に記載の方法。
態様26:上記熱処理段階が、低温も中間温度段階もなしで、高温段階を含む、態様20に記載の方法。
態様27:最終処理後の炭素繊維の直径が、約5~約10μmの範囲に制御される、態様1~26のいずれか1つに記載の方法。
態様28:固体アスファルテンが、溶融紡糸の前に、硫黄、酸素、金属種、特定の分子種又は基の含有量を低減又は変化させるように加工される、態様1~27のいずれか1つに記載の方法。
態様29:固体アスファルテンを他の化学物質と共に添加するか又は熱処理して、溶融紡糸の温度を変更する、アスファルテンの化学的性質を変更する、メソフェーズの含有量を増加させる、及び/又は溶融アスファルテンの粘度を変更することができる、態様1~28のいずれか1つに記載の方法。
態様30:本明細書に記載の任意のステップ、特徴又は要素によって修正又は追加された、態様1~29のいずれか1つに記載の方法。
態様31:態様1~30のいずれか1つに記載の方法から得られる炭素繊維。
定義及び解釈
本明細書における「一実施形態」、「実施形態」などへの言及は、記載された実施形態が特定の態様、特徴、構造、又は特性を含み得るが、すべての実施形態がその態様、特徴、構造、又は特性を必ずしも含むとは限らないことを示す。さらに、そのような語句は、必ずしもそうとは限らないが、本明細書の他の部分で参照される同じ実施形態を指すことができる。さらに、特定の態様、特徴、構造、又は特性が実施形態に関連して記載されている場合、そのような態様、特徴、構造、又は特性を他の実施形態と組み合わせる、影響を及ぼす、又は接続することは、そのような接続又は組み合わせが明示的に記載されているか否かにかかわらず、当業者の知識の範囲内である。言い換えれば、任意の要素又は特徴は、2つの間に明白な又は固有の不適合性がない限り、又は特に除外されない限り、異なる実施形態において任意の他の要素又は特徴と組み合わせることができる。
特許請求の範囲は、任意の要素を除外するように起草され得ることにさらに留意されたい。したがって、この陳述は、特許請求の範囲の要素の列挙又は「負の」限定の使用に関連して、「単独で」、「のみ」などの排他的な用語を使用するための先行詞としての役割を果たすことを意図している。「好ましくは(preferably)」、「好ましい(preferred)」、「好ましい(prefer)」、「任意で(optionally)」、「してもよい(may)」という用語及び同様の用語は、言及されている項目、条件又はステップが本発明の任意の(必須ではない)特徴であることを示すために使用される。
単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈からそうでないことが明確に示されていない限り、複数形への言及を含む。「及び/又は」という用語は、この用語が関連する項目のいずれか1つ、項目の任意の組み合わせ、又は項目のすべてを意味する。
当業者によって理解されるように、ありとあらゆる目的のために、特に書面による説明を提供することに関して、本明細書に列挙されたすべての範囲はまた、任意の及びすべての可能な部分範囲及びその部分範囲の組み合わせ、並びに範囲を構成する個々の値、特に整数値を包含する。列挙された範囲(例えば、重量パーセント又は炭素基)は、その範囲内の各特定の値、整数、小数、又は同一性を含む。列挙された範囲はいずれも、同じ範囲を少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、又は10分の1に分割することを十分に説明し、可能にするものとして容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で説明する各範囲は、下3分の1、中央3分の1、及び上3分の1などに容易に分割することができる。
また、当業者によって理解されるように、「最大」、「少なくとも」、「より大きい」、「未満」、「より多い」、「以上」などのすべての言語は、列挙された数を含み、そのような用語は、上述のように後で部分範囲に分割することができる範囲を指す。同様に、本明細書に列挙されたすべての比は、より広い比の範囲内にあるすべての部分比も含む。

参考文献
以下の文献およびその中で言及されているあらゆる刊行物は、当業者の技術レベルを示すものであり、許可されている場合には、参照することにより本明細書に完全に組み込まれるものとする。
Figure 0007679366000004

Figure 0007679366000005

Claims (23)

  1. 炭素繊維を製造する方法であって、
    (a)溶媒脱瀝工程から得られるアスファルテン固体を密閉容器内で溶融するステップ、
    (b)溶融アスファルテンを紡糸して生繊維を製造するステップ、
    (c)液体環境又は気体環境で前記生繊維を安定化させるステップ、及び
    (d)前記安定化された生繊維を炭化させるステップ
    を含む方法。
  2. 前記生繊維が空気中又は蒸気中で安定化される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アスファルテン固体が、ステップ(a)において150℃~550℃で、窒素、水素、若しくは蒸気、又はそれらの混合物を含む気体環境で溶融される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ステップ(a)の溶融が0.5時間~2時間実施される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. ステップ(a)において、前記密閉容器が、加熱中に200~1000kPaのレベルに加圧される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記紡糸ステップが、溶融アスファルテンを紡糸口金を通して引っ張って前記生繊維を製造することと、前記生繊維を回転スプール上に巻き付けることとを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 紡糸時のアスファルテンの温度が、150℃~350℃に制御される、及び/又は、紡糸時の密閉容器の圧力が200kPa~700kPaに制御される、請求項6に記載の方法。
  8. 回転スプールの速度が、毎分50~1000メートルの繊維引っ張り速度を達成するように制御される、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 紡糸口金の直径が、50~300μmの範囲のサイズに選択され、生繊維の直径が1~15μmの範囲のサイズに製造される、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記生繊維が、前記生繊維をコーティングし、隣接する生繊維間の凝集を防止する水溶液に浸漬させることによって安定化され、前記水溶液が、塩酸、硝酸、硫酸、フィチン酸、硝酸カリウム、塩化カリウム、それらの誘導体、及び/又はそれらの混合物を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記浸漬時間が5秒~50分である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記安定化ステップが、空気又は蒸気環境において100℃~400℃の温度での少なくとも1段階の熱処理を含む又はさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記安定化ステップが少なくとも2段階の温度ステップを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 各温度段階が0.5時間~24時間続く、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 前記水溶液が17%硝酸溶液を含む、請求項10に記載の方法。
  16. 前記炭化ステップが、不活性環境において400℃~1600℃の温度での少なくとも1段階の熱処理を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記少なくとも1段階の熱処理が、少なくとも1の低温段階及び少なくとも1の高温段階を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 0.5~10時間の期間にわたって700℃~900℃の温度で実施される中間温度段階をさらに含む、請求項7に記載の方法。
  19. 前記少なくとも1の高温段階が、0.5~10時間の期間にわたって1300℃~1600℃の温度で実施される、請求項17又は18に記載の方法。
  20. 素繊維の直径が5~10μmの範囲である、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 融紡糸の前に、硫黄、酸素、又は金属種含有量を低減又は変化させるように加工された固体アスファルテン前駆体が使用される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 固体アスファルテンを他の化学物質と共に添加するか又は熱処理して、溶融紡糸の温度を変更する、アスファルテンの化学的性質を変更する、メソフェーズの含有量を増加させる、及び/又は溶融アスファルテンの粘度を変更することができる、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記炭化された繊維を黒鉛化させるさらなるステップを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
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