JP7701110B2 - ポンプ制御装置及びポンプ制御システム - Google Patents

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Description

関連出願への相互参照
本出願は、2020年3月31日に出願された日本特許出願第2020-064576号(発明の名称「ポンプ制御装置及びポンプ制御システム」)に基づく優先権を主張し、さらに、この日本特許出願の内容は、参照により本明細書に完全に援用される。
本発明は、制御装置に関し、特に、共振駆動する振動アクチュエータを用いたポンプの制御装置に関する。
従来、共振周波数で駆動するアクチュエータを用いたポンプとしては、例えば、特許文献1、2等のポンプが知られている。
特許文献1のポンプは、アクチュエータにより、ピストンあるいはダイヤフラム等の可動壁を変位させ、この可動壁の変位によりポンプ室の容積を変更して、ポンプ室への動作流体の流入、ポンプ室から動作流体の流出を行う。このポンプでは、可動壁のポンプ室容積圧縮行程での変位時間、変位量、または、変位速度に応じて、可動壁自体の運動周期を変更している。
また、特許文献2のポンプ装置では、振動体に印加する交流電圧における周波数、振幅、位相のうちの一つ以上のパラメータに、所定の変動を与える変動付与手段と、変動付与手段が出力する変動を入力とし、振動体の振動に応じて変化する物理量を出力とする、一つ以上の所定周波数での周波数応答特性を求める周波数応答特性計測手段と、を備える。このポンプ装置では、共振周波数推定手段から出力された共振周波数の推定値に応じて、交流電圧生成手段が出力する交流電圧の周波数範囲を決定するように制御している。
特許第4396095号公報 特開2012-135174号公報
ところで、ポンプ装置においては、近年、小型化が図られるとともにポンプ圧力、流量が大きいものが望まれている。しかしながら、引用文献1のポンプでは、可動壁の変位量、または変位速度などを測定する必要があり、これを実現するためには、可動壁の変位量、または変位速度を計測するための計測部をポンプ内に設ける必要がある。計測部をポンプ内に設ける場合、その配置スペースを確保するために小型化が困難であるという問題がある。また、特許文献2の構成では、振動体の振動に応じて変化する物理量に対する、一つ以上の所定周波数での周波数応答特性を求める処理や、駆動電圧のパラメータ変更に応じて変化する振動体の共振周波数を推定する処理等を伴うため、制御に時間がかかるという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、小型化が可能であるとともに、より好適なポンプ圧力、流量を確保でき、安定して駆動できるポンプ制御装置及びポンプ制御システムを提供することを目的とする。
このような目的は、以下の(1)~()の本発明により達成される。
(1) コイルへの電流供給による電磁駆動により振動体を振動させる振動アクチュエータと、
前記振動体の振動により変位する可動壁を有し、前記可動壁の変位により、内部の容積が変更されて流体が前記内部に吸入されまたは前記内部から吐出される密閉室と、
前記密閉室から吐出される前記流体を溜めて前記流体の圧力を増加させるタンクと前記密閉室とを流体連通させる吐出部と、
を有するポンプを制御するためのポンプ制御装置であって、
前記タンク内の前記流体の圧力の値または前記圧力に対応する値を示す圧力値情報を取得する取得部と、
取得された前記圧力値情報に基づいて、前記コイルへ供給する電流の駆動周波数を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記タンク内の前記流体の前記圧力の前記値が切替圧力値になった際に、前記ポンプから前記タンクへの前記流体の流量を最大化する第1駆動周波数から前記タンク内の前記流体の圧力を最大化する第2駆動周波数に前記駆動周波数を切り替える、
ポンプ制御装置。
(2)前記制御部は、前記電流が、前記タンク内の前記流体の圧力に応じて異なる前記振動体の共振周波数で、前記コイルに供給されるように、前記駆動周波数を制御する、上記(1)に記載のポンプ制御装置。
(3)前記第2駆動周波数は、前記第1駆動周波数よりも高い周波数である、上記(1)に記載のポンプ制御装置。
)上記(1)に記載のポンプ制御装置と、
前記ポンプと、
前記タンク内の前記流体の圧力を測定して、前記圧力の前記値を示す前記圧力値情報を得る圧力検出部と、
を有し、
前記取得部は、前記圧力検出部から前記圧力値情報を取得する、ポンプ制御システム。
)上記(1)に記載のポンプ制御装置と、
前記ポンプと、
前記タンク内の前記流体の圧力を増加させる際に、前記振動体の駆動時間を計測して、前記駆動時間を示す前記圧力値情報を得るタイマーと、
を有し、
前記取得部は、前記タイマーから前記圧力値情報を取得する、ポンプ制御システム。
)前記ポンプ制御装置は、予め設定された前記振動体の駆動時間と前記駆動時間により増加する前記タンク内の前記流体の圧力との関係を示すテーブルを記憶する記憶部を有し、
前記制御部は、前記テーブルを用いて、前記駆動周波数を制御する、上記()に記載のポンプ制御システム。
本発明によれば、小型化が可能であるとともに、より好適なポンプ圧力、流量を確保でき、安定して駆動できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムの概略構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムのポンプの外観斜視図である。 図3は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムのポンプの要部構成を示す平面図である。 図4は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムのポンプの分解斜視図である。 図5は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムのポンプにおけるコイルコア部の斜視図である。 図6は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムのポンプにおける振動体の斜視図である。 図7は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムのポンプの内部構成を示す平断面図である。 図8は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムのポンプにおけるポンプ部の分解斜視図である。 図9は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムのポンプのポンプ部の空気流路を示す図である。 図10は、図10A、図10Bは、本発明の第1実施形態に係る制御システムポンプのポンプにおける空気の吐出吸入動作を示す図である。 図11は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムのポンプの磁気ばねを示す図である。 図12は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムのポンプの磁気回路構成を示す図である。 図13は、ポンプの動作原理を示す図である。 図14は、本実施の形態の共振タイプのポンプを用いた際のポンプ開路時とポンプ閉路時のタンク部内の空気の圧力の周波数特性を示す図である。 図15は、本発明に係る実施の形態のポンプ制御システムにおける周波数制御の一例を示す図である。 図16は、本発明に係る実施の形態のポンプ制御システムの周波数制御フローを示す図である。 図17は、本発明の第2実施形態に係るポンプ制御システムの概略構成を示すブロック図である。 図18は、タンク容量が異なる場合の駆動周波数制御のパターンを示す図である。 図19は、タンク容量が異なる場合の駆動周波数制御のパターンを示す図である。 図20は、第1実施形態のポンプ制御システムを用いて、圧力値で駆動周波数を切り替える場合のテーブルを示す図である。 図21A、図21Bは、第2実施形態のポンプ制御システムを用いて、時間で駆動周波数を切り替える場合のテーブルを示す図である。 図22は、本第1実施形態、2による周波数制御のパターンを示す図である。 図23は、第1実施形態の制御システムポンプを用いて、圧力値で駆動周波数を切り替える場合のテーブルを示す図である。 図24は、第2実施形態の制御システムポンプを用いて、時間で駆動周波数を切り替える場合のテーブルを示す図である。 図25は、本発明の第3実施形態に係るポンプ制御システムを模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
<ポンプ制御システム100の全体構成>
図1は、本発明の実施の形態に係るポンプ制御システム100の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態に係るポンプ制御システム100は、ポンプ1と、タンク部120と、圧力測定部(圧力検出部)130と、マイコン部(制御部)140とを有する。
ポンプ制御システム100は、ポンプ1から吐出する流体、本実施形態では、空気(気体)を、タンク部120で圧力調整して出力可能とされている。
ポンプ1は、マイコン部140から出力される駆動信号(電流供給)により、周波数制御される。具体的には、ポンプ1を構成する振動アクチュエータに共振周波数の駆動信号が入力されて電磁駆動し、流体である空気をタンク部120に供給する。まず、ポンプ1の一例を図2~図11を参照して説明する。
<ポンプ1の全体構成>
図2は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムのポンプのポンプ部の外観斜視図である。図3は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムのポンプの要部構成を示す平面図である。図4は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムのポンプの分解斜視図である。図5は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムのポンプにおけるコイルコア部の斜視図である。図6は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムのポンプにおける振動体の斜視図である。図7は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムのポンプの内部構成を示す平断面図である。図8は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムのポンプにおけるポンプ部の分解斜視図である。
なお、図2~図8に加えて、図9~図12では、ポンプを説明する場合、ポンプ制御システムにおけるポンプの振動アクチュエータにおいて往復回転する振動体の振動方向を図3に示す方向とする。この方向に対して直交する2方向をそれぞれ、横方向(左右方向)と、高さ方向(上下方向であり、厚み方向とも言う)として説明する。また、本実施形態において、ポンプ1の各部の構成及び動作を説明するために使用される左右(横)、高さ(上下)等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、ポンプの各部が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
図2及び図3に示すポンプ1は、電磁駆動する振動アクチュエータ10の作用により空気を吐出する。なお、本実施形態において、ポンプは空気を吐出、吸入するものとして説明したが、ポンプによって吐出、吸入されるものは、空気に限らず、流体であればよく、特に気体であることが好ましい。
ポンプ1は、図2に示すように、高さ(図面上では上下方向の長さであり、厚みに相当する)が横(図面上では左右方向)、縦(図面上では奥行方向であり振動方向ともいえる)の双方よりも短い平板形状をなしている。また、縦は横よりも短い。なお、図2は、ポンプ1を裏面側から見た斜視図である。
ポンプ1は、固定体20に対し軸部40を介して振動体(可動体)30が往復回転自在に設けられた振動アクチュエータ10と、振動アクチュエータ10の駆動により空気を吐出、吸入するポンプ部80(80a、80b)とを有する。
本実施形態では、固定体20のケース21内に、軸部40を介して振動体30が往復回転自在に設けられている。
コイル50a、50bが巻回されたコア部60(60a、60b)と、マグネット70(70a、70b)との協働により、振動体30が、固定体20に対し、軸部40の軸方向に沿って往復移動、つまり振動する。ポンプ1は、振動体30の振動を利用することにより、吐出部86から空気を吐出、吸入することができる。
ポンプ1では、平面視矩形状のケース21内に、振動体30が、その中央に配置された軸部40を中心に往復回転自在に設けられている。マグネット70a、70bは、振動体30の長手方向で離間する両端壁部のそれぞれの内面上に設けられている。コイル50a及びコア部60aを含むコイルコア部62aは、マグネット70aと対向する側のケース21の端壁部の内面上に設けられ、コイル50b及びコア部60bを含むコイルコア部62bは、マグネット70bと対向する側のケース21の端壁部の内面上に設けられている。マグネット70a、70bは、例えば、永久磁石であることが好ましい。
<振動アクチュエータ10>
振動アクチュエータ10は、固定体20と、軸部40と、軸部40を介して固定体20に対して往復回転自在に支持される振動体30と、を有する。振動アクチュエータ10は、固定体20及び振動体30の一方に、マグネット70(70a、70b)が設けられ、固定体20及び振動体30の他方に、マグネット70に対してコアの着磁面が対向するよう配置されたコイルコア部62(62a、62b)が設けられている。本実施形態では、振動体30にマグネット70(70a、70b)を設け、固定体20側にコイルコア部62(62a、62b)を設けている。換言すれば、本実施形態では、振動体30は、マグネット70(70a、70b)を含み、固定体20は、コイルコア部62(62a、62b)を含んでいる。振動アクチュエータ10は、コイル50a、50bへ電流供給することによって、振動体30を電磁駆動させ、振動体である振動体30を振動させる。
<固定体20>
固定体20は、ケース21と、カバー22と、コイルコア部62a、62bと、を有する。また、固定体20には、ポンプ部80(80a、80b)が設けられている。
ケース21は、ポンプ1の筐体として機能し、一方に開口した矩形箱形状を有している。ケース21内には軸部40が立設されており、ケース21内に配置される振動体30を回動自在に支持する。
また、ケース21の長手方向で離間する両端壁部の内面上には、コイルコア部62a、62bが、振動体30のマグネット70a、70bにそれぞれ対向するように配置されている。
ケース21の開口部分、本実施形態では、上方に開口する開口部分は、カバー22で覆われている。これにより、ケース21及びカバー22は、中空の電磁シールドとして機能し、且つ、ポンプ1が平板形状を有することになる。
軸部40は、ケース21の底面上であって、ケース21の横方向及び奥行方向の中心に、ケース21の高さ方向に延在するよう設けられている。軸部40は、振動体30の軸受け部34に挿通された状態で、カバー22の軸孔23に圧入、或いは挿入後の接着等により嵌合して固定されている。これにより、軸部40は、振動体30の軸受け部34に挿通された状態で、ケース21の底面と、カバー22とに架設された状態で支持されている。
コイルコア部62a、62bは、ケース21において長手方向で離間する両端壁部のそれぞれの内面上に、互いに対向して配置されている。また、コイルコア部62a、62bは、振動体30を、ケース21の長手方向で挟むように配置されている。
コイルコア部62a、62bは、本実施形態では同様に構成され、平面視において軸部40の軸を中心に対称な位置に設けられている。
コア部60a、60bは、コイル50a、50bへの通電により磁化する磁性体である。コア部60a、60bは、例えば、電磁ステンレス、焼結材、MIM(メタルインジェクションモールド)材、積層鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板(SECC)等により構成されてもよい。コア部60a、60bは、本実施形態では、積層鋼板により構成される積層コアにより構成されている。
コア部60a、60bは、コイル50a、50bが巻回される芯601a、601bと、芯601a、601bの両端部に連続して形成された磁極(以下、便宜上、「コア磁極」と称する)602a、603a、602b、603bと、を有している。
コア磁極602a、603a、602b、603bのそれぞれは、本実施形態では、往復回転するマグネット70a、70bの着磁面形状に応じた、平面視円弧状の湾曲した磁極面を有する。
コア部60aのコア磁極602a、603aは、マグネット70aに対向しており、コア部60bのコア磁極602b、603bは、マグネット70bに対向している。コア磁極602a、603a、602b、603bは、振動体30の往復回転の回転方向に並んで配置されている。
コア磁極602a、603a、602b、603bは、軸部40を中心とした円の円周上に配置されていることが好ましい。この円周は、マグネット70a、70bの運動軌道に沿う円周である。
コイルコア部62a、62bでは、コイル50a、50bが巻回されたコア部60a、60bのコア磁極602a、603a、602b、603bが、マグネット70a、70bの着磁方向に向くよう配置されている。
コイル50a、50bは、コア部60a、60bのそれぞれにおいて、例えば、図示しない電源供給部に接続される。コイル50a、50bは、電源供給部から給電されることにより、コア磁極602a、603a、602b、603bを励磁する。各コア部60a、60bにおいて、コア磁極602a、602b、と、コア磁極603a、603bとを異なる極性で励磁する。
<振動体30>
振動体30は、図3、図4、図6及び図7に示すように、固定体20のケース21内で軸部40(振動体30の回転軸)と直交する方向(ケース21の長手方向)に延在して配置されている。
振動体30はケース21内において軸部40を中心に往復回転自在に支持されている。振動体30は、振動体本体32と、軸受け部34と、複数の磁極(本実施形態では3極)がそれぞれ回転方向(奥行き方向)に交互に配置された一対のマグネット70a、70bと、押圧部35と、を有する。
振動体本体32には、軸受け部34が固定され、軸受け部34には、軸部40が挿通されている。振動体本体32には、軸受け部34を介して挿通される軸部40を挟むように、一対のマグネット70a、70bが固定されている。
振動体本体32は、磁性体(強磁性体)であってもなくてもよく、本実施形態ではヨークであり、振動体30のウェイトとして機能する。振動体本体32は、例えば、ヨーク鉄心を積層して構成される。振動体本体32の構成材料は、金属材料に限らず、樹脂材料などを使用しても良い。
振動体本体32は、中央部に軸受け部34が固定される中央開口部322と、この中央部から互いに逆方向に延出したアーム部324a、324bを有する。アーム部324a、324bは細長の平板形状を有し、それぞれの先端部は、延在方向と交差する方向に張り出して形成されている。さらに、アーム部324a、324bの先端面には、マグネット固定部326a、326bが形成されている。
マグネット固定部326a、326bの先端面は、円弧状に湾曲して形成され、この先端面に、マグネット70a、70bが固定されている。また、アーム部324a、324bには、押圧部35が設けられている。
<マグネット70a、70b>
マグネット70a、70bは、それぞれ対向配置されるコイルコア部62a、62bとともに、振動アクチュエータ10を駆動する磁気回路を構成する。
マグネット70a、70bは、複数の磁極として機能する磁極面72を有し、マグネット70aの磁極面72と、マグネット70bの磁極面72とが、軸部40を挟み互いに逆側に向くよう、配置される。本実施形態では、マグネット70a、70bは、中央部で軸部40が挿通された振動体本体32の延在方向で離間する両端部、つまり、両アーム部324a、324bの先端部のそれぞれに、磁極面72が外側に向くように、設けられている。
磁極面72は、図3-7及び図11に示すように、交互に配置された3つの異なる磁極721、722、723を含む。なお、マグネット70a、70bは、複数の磁極の異なるマグネット(マグネット片)を交互に並べて構成してもよいし、回転方向に並び交互に異なる磁性を持つように着磁されたものでもよい。マグネット70a、70bは、例えば、Nd焼結マグネット等により構成される。
マグネット70a、70bの磁極721、722、723は、軸部40を挟み軸部40の軸線と直交する奥行方向、つまり回転方向で隣接して配置されている。
マグネット70a、70bは、振動体30の両端部のそれぞれにおいて、軸部40を中心とする円の円周上に、磁極面72が位置するよう、配置されている。マグネット70a、70bは、常態、つまり、コイル50a、50bへ電流が供給されていない非通電状態にある際、それぞれの磁極面72のうちの中央の磁極722の回転方向の長さの中心位置が、コア磁極602a、603aの間の中心位置に位置するように設けられている。
本実施形態では、マグネット70a、70bは、振動体30において、軸部40からアーム部324a、324bを介して、互いに最も離間した位置で、筐体(ケース21)の両端壁部の内面上にそれぞれ設けられたコイルコア部62a、62bのそれぞれと、対向して配置されている。
<押圧部35>
押圧部35は、振動体30が回転移動した際に、ポンプ部80の一対の密閉室82の可動壁822を押圧する。具体的には、押圧部35は、アーム部324a、324bが往復回転した際に、一対の密閉室82の可動壁822を押圧する一対の押圧子351を有する。
押圧部35の一対の押圧子351は、アーム部324a、324b上に、幅方向、つまり回転方向に突出するよう設けられている。押圧部35は、例えば、振動体30が回転する場合でも可動壁822を対向方向に直線的に押圧するように形成されてもよい。なお、本実施形態では、押圧部35の各押圧子351は、軸部40を中心に円弧状に移動して、可動壁822に当接して可動壁822を押圧する。押圧部35は、振動体30の回転移動に伴い、可動壁側に変位して可動壁822を押圧して可動壁822を可動させる構成であれば、どのように構成されてもよい。押圧部35の移動経路を交差するように、可動壁822が配置され、移動する押圧部35が可動壁822に面接触するように配置されていることが望ましい。
例えば、押圧部35は、図10に示すように、丸穴328に回動可能に軸着される軸突起353と、長穴329にガイドさせるガイド突起352とを介して、アーム部324a、324bのそれぞれに対して固定されている。これにより、押圧子351は振動体30の往復回転運動に伴い、円弧状に揺動する。例えば、長穴329にガイド突起352を遊嵌させ、押圧部35が、アーム部324a、324bに対して、ガイド突起352によって揺動可能とすることにより、押圧子351の先端を揺動可能にしてもよい。この場合、振動体30の回転に伴い、押圧部35は、円弧状に移動するものの、押圧子351を、可動壁822に対して直線的に移動させて押圧させることが可能となる。
押圧部35は、本実施形態では、押圧子351を介してポンプ部80の可動壁822に接続されている。押圧子351は、振動体30が回転移動した際に、ダイヤフラムである可動壁822の挿入部822aに挿入され、回転方向に可動壁822を押圧して変位させる。押圧部35は、振動体30の回転により、可動壁822側に移動すると可動壁822を押圧する。一方、押圧部35は、振動体30の逆方向への回転により、可動壁822側と逆側に移動すると、可動壁822への押圧を徐々に減少させて、可動壁822を押圧方向とは逆方向に変位させる。
軸受け部34は、例えば、焼結スリーブベアリングにより形成される。軸受け部34は、振動体本体32の中心軸上に、軸部40が位置するように、振動体本体32の中央開口部322に嵌合されている。
振動体本体32は、コイル50a、50bに給電されていない場合、コア部60a、60及びマグネット70a、70bによる磁気ばねの機能により、ケース21(固定体20)内で、長手方向の中心に位置するように付勢される。
<ポンプ部80>
ポンプ部80(80a、80b)のそれぞれは、可動壁822、可動壁822により画成される密閉室82、吸入部83、バルブ84、吐出部86、吐出流路部88を有する。
<可動壁822>
可動壁822は、室形成部824と吐出流路部88を仕切る一壁部を構成し、変位可能に設けられている。可動壁822は、振動体30の振動により変位することにより、密閉室82室内の容積を変更する。可動壁822は、室形成部824とともに密閉室82を構成している。
可動壁822は、例えば、弾性変形可能な材料により形成され、室形成部824を閉塞するように設けられている。可動壁822は、例えば、ダイヤフラムである。
可動壁822は、押圧部35の押圧子351が挿入される挿入部822aを有し、挿入部822aを介して押圧部35に接続される。可動壁822は、振動体30の回転に伴い移動する押圧部35により押圧されて変位する。
可動壁822は、挿入部822aを介して、押圧部35により室形成部824側に押圧されることにより、弾性変形し、室形成部824の容積が小さくなるように変形する。可動壁822は、室形成部824側に変位して、室形成部824内に突出することにより、密閉室82内の容積を可変可能である。
振動体30の往復回転の往回転移動(回転方向の一方側への揺動)により可動壁822は室形成部824内に挿入して、室形成部824内部を押圧し、密閉室82内の容量を減少させ、空気を吐出する。一方、振動体30が復回転移動(回転方向の他方側への移動)すると、可動壁822は、密閉室82内の容量を増加させ、空気を流入させる。
<密閉室82>
密閉室82は、吸入部83及び吐出部86が接続され、且つ、可動壁822の変位により容積が変更する密閉された空間である。なお、吐出部86は、外部に連通する吐出口を有し、吐出口を介して、ポンプ1から空気を外部に吐出する。例えば、吐出口は、密閉室82の底面に接続された吐出部86に連通する開口である。可動壁822が変位すると、密閉室82内の容積が変更され、空気が密閉室82内に吸入、または、空気が密閉室82内から外部へ吐出される。吐出部86は、タンク部120と密閉室82とを流体連通させる。
ポンプ部80では、可動壁822が押圧部35により押圧されると、可動壁822が密閉室82内に向かって弾性変形し、密閉室82内の空気を押圧する。押圧された密閉室82内の空気は、吐出部86を介して外部に吐出される。可動壁822が元の位置に復帰するように移動すると、つまり、押圧部35による押圧状態が解除され、押圧状態から密閉室82内の容積が増加すると、密閉室82内に、吸入部83を介して外部から空気が吸入される。例えば、吸入部83は、吸入口を有し、吸入口を介して、密閉室82内に空気を吸入する。例えば、吸入口は、室形成部824内において吸入部83に連通する開口である。
ポンプ部80(80a、80b)は、ケース21内において、振動体30の延在方向、すなわち、ケース21の長手方向に延在する側壁部に沿って、それぞれ配置されている。さらに、ポンプ部80(80a、80b)は、ケース21の奥行方向で、振動体30の振動体本体32を挟むように配置されている。
ポンプ部80は、例えば、ベース801、ダイヤフラム部802、シリンダ部803、バルブ部804、バルブカバー部805、仕切り部806、及び流路形成部807を有する。ベース801、ダイヤフラム部802、シリンダ部803、バルブ部804、バルブカバー部805、仕切り部806、及び流路形成部807は、それぞれケース21の長手方向に延在する細長板状を有しており、積層されることにより密閉された内部空間を有するポンプ部80を構成する。
ベース801は、開口部を有し、この開口部内にダイヤフラム部802の挿入部822aが背面側から挿通され、挿入部822aが前面側に突出した状態で配置される。ベース801は、流路形成部807とともに、帯板形状のポンプ部80の筐体を構成している。ダイヤフラム部802は、ゴムなどの弾性材料により形成される。ダイヤフラム部802は、挿入部822aと、可動壁822を有する。可撓性を有し弾性変形する可動壁822の背面側には、シリンダ部803の室形成部824が配置されている。ダイヤフラム部802とシリンダ部803は、ダイヤフラム部802の可動壁822とシリンダ部803の室形成部824とによって、密閉空間である密閉室82が構成されるよう、互いに取り付けられる。
シリンダ部803は、室形成部824を有し、密閉室82において、可動壁822と対向する面上には、吐出部86及び吸入部83とそれぞれ連通する2つの連通孔が形成されている。2つの連通孔は、シリンダ部803の背面側から、連通孔にそれぞれ重なるように取り付けられるバルブ部804のバルブ84を介して、それぞれ、バルブカバー部805及び流路形成部807の吐出流路部88と、吸入部83とに接続される。
バルブ部804は、バルブカバー部805に取り付けられる。吐出部86に接続されるバルブ84は、密閉室82内の容量が減少する際に、流路形成部807の吐出部86と連通するよう構成されている。一方、吐出部86に接続されるバルブ84は、密閉室82内の容量が増加する際に、閉塞するように構成されている。吸入部83に接続されるバルブ84は、密閉室82内の容量が減少する際に、閉塞するよう構成されている。一方、吸入部83に接続されるバルブ84は、密閉室82の容量が増加する際に、流路形成部807の吸入部83と連通するように構成されている。
本実施形態では、ポンプ部80(80a、80b)のそれぞれは、可動壁822及び室形成部824からなる一対の密閉室82を有している。ポンプ部80(80a、80b)のそれぞれは、自身の一対の密閉室82が、軸部40を挟み互いに逆方向に延在するアーム部324a、324bのそれぞれの側面に対向するように配置されている。すなわち、ポンプ部80(80a、80b)は、ポンプ部80(80a、80b)の一対の密閉室82同士が、アーム部324a、324bを、アーム部324a、324bが往復回転運動する方向で挟む位置で、互いに対向して配置されている。
図10A及び図10Bは、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムのポンプにおける空気の吐出・吸入動作を示す図である。
図10Aに示すように、押圧部35が可動壁822に向かって移動すると、押圧子351は、挿入部822aを介して可動壁822に当接して押圧する。これにより、可動壁822は、室形成部824側に変位し、密閉室82内の空気は押圧され圧縮される。圧縮された空気は、開放されているバルブ84を介して、唯一連通する吐出部86側に流れる(図10Aの白矢印参照)。
一方、図10Bに示すように、押圧部35が、復回転移動、つまり、ポンプ部80側から後退すると、押圧部35に追従して可動壁822が弾性復元して、密閉室82内の容積が復元、つまり、大きくなる。このとき、吐出部86に接続されるバルブ84は締められ、吐出経路を閉塞する一方、吸入部83に接続されるバルブ84は、開放状態となり、吸入部83を介して、密閉室82内に、空気が吸入される(図10Bの白矢印参照)。
<磁気回路構成>
本実施形態では、図3及び図7に示すように、ケース21内において、振動体軸部40を挟んで対向する振動体30の両端部にそれぞれ配置されるマグネット70a、70bのそれぞれに、長手方向で離間して対向するように、磁性体であるコア部60a、60bが対向して配置されている。コア部60a、60bは、長手方向で離間して互いに対向するよう、ケース21の長手方向の両端壁部の内面上にそれぞれ配置されている。
コア部60aとマグネット70aとの間、及び、コア部60bとマグネット70b間にそれぞれ磁気吸引力が発生する。長手方向(アーム部324a、324bの延在方向)に発生する2つの磁気吸引力は、軸部40を挟み互いに同一直線上で、且つ、逆向きに発生するので、互いに相殺される。
図11は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システムのポンプの磁気ばねを示す図である。ポンプ1内では、コイルコア部62a及びマグネット70aにより提供される磁気回路と、コイルコア部62b及びマグネット70bにより提供される磁気回路は、軸部40を中心として点対称に構成される。よって、図11では、コイルコア部62a及びマグネット70aによって提供される磁気回路のみ説明し、コイルコア部62b及びマグネット70bによって提供される磁気回路についての説明は、省略する。
図11では、マグネット70aは、コア部60aと対向する磁極面72において、磁極721、722、723がそれぞれN極、S極、N極である構成を有している。マグネット70aの磁極面72における各磁極721~723はそれぞれ近いコア磁極602a、603aを吸引する。
マグネット70aの中央の磁極722は、コア磁極602a、603aの双方を吸引する。マグネット70aの磁極721は、コア磁極602aを吸引し、マグネット70aの磁極723は、コア磁極603aを吸引する。これにより、マグネット70a中央の磁極722は、コイルコア部62aの中央部、つまり、コア磁極602a、603aとの間に位置する。
ポンプ1では、コイルコア部62aのコイル50aに電流が流れると、コア部60aのコア磁極602a、603aが、異なる極性で励磁される。これにより、コイルコア部62aと対向配置されるマグネット70aとの関係に応じて、振動体30に対する推力が発生する。コイルコア部62bとマグネット70bとによって提供される磁気回路においても同様である。したがって、コイル50a、50bへ供給する電流の向き周期的にを変えることで、マグネット70a、70bを備える振動体30は、軸部40を中心に回動方向に回転往復運動(回転往復振動)する。
<ポンプ1の動作>
その動作の一例を、図12を参照して説明する。図12は、本発明の第1実施形態に係るポンプ制御システム100のポンプの磁気回路構成を示す図である。なお、図12を参照したポンプ1の動作の一例の説明においても、図11を参照した説明と同様に、コイルコア部62a及びマグネット70aによって提供される磁気回路のみ説明し、コイルコア部62b及びマグネット70bによって提供される磁気回路についての説明は、省略する。
マグネット70aは、磁極面72において、振動体30の回転方向に交互に並ぶ、3つの極性の磁極を有するものとする。図12に示すマグネット70aでは、コア部60aと対向する磁極面72において、中央の磁極722をS極とし、中央の磁極722を挟む磁極721、723をそれぞれN極としている。
そして、図12に示すように、コイルコア部62aのコイル50aに、電流を供給してコア部60aを励磁すると、コア部60aのコア磁極602aがS極、コア磁極603aがN極で磁化する。
図12に示すように、N極となるコア磁極603aに対向するマグネット70aの磁極723は、N極であるため、N極となるコア磁極603aに対して反発する。また、マグネット70aの磁極722は、S極であるので、N極となるコア磁極603aとの間で磁気吸引力が発生する一方、S極となるコア磁極602aとは反発する。また、マグネット70aの磁極721は、N極であるので、S極となるコア磁極602aとの間で磁気吸引力が発生する。
これにより、マグネット70aとコイルコア部62aとの間には、F1方向の推力が発生し、振動体30は、F1方向に駆動する。コイル50aへの通電をしない状態では、振動体30は、磁気ばねの磁気吸引力により、回転基準位置、往復運動する際の中立位置に位置する。
また、コイル50aへ電流を逆方向に供給して、コア部60aの極性を逆にする、つまり、マグネット70aに対向するコア部60aの磁極603aをS極、磁極602aをN極にする。これにより、コア部60aに対向するマグネット70aは、F1方向とは逆の方向(-F1方向)に回転移動する。振動体30は、F1方向とは真逆の-F1方向に駆動する。
振動体30において、軸部40を挟んでマグネット70aの反対側に配置されるマグネット70bと、コイルコア部62bとの関係は、マグネット70aとコイルコア部62aとの関係に対して、軸部40を中心に点対称となる。よって、マグネット70bと、コイルコア部62bとの間でも、マグネット70aとコイルコア部62aとで、、F1方向または-F1方向の推力が、同様に発生する。これにより、振動体30の両端部での磁気回路において効果的に発生する磁気吸引力及び反発力により、振動体30は、軸部40を中心に好適に回転往復する。
この駆動原理を以下に示す。振動アクチュエータ10では、振動体30の慣性モーメントをJ[kg*m]、回転方向のばね定数をKspとした場合、振動体30は、固定体20に対して、下記式(1)によって算出される共振周波数f[Hz]で振動する。
ポンプ1は、コイル50a、50bに振動体30の共振周波数fと略等しい周波数の交流電流を供給して、コイル50a、50bを介してコア部60a、60b(詳細にはコア磁極602a、603a、602b、603b)を励磁する。これにより、振動体30を効率良く駆動させることができる。
振動アクチュエータ10における振動体30は、コイル50a、50bとコア部60a、60bとそれぞれを有するコイルコア部62a、62b及びマグネット70a、60bによって提供される磁気ばねによって構成されたバネマス系構造で支持された状態となっている。よって、コイル50a、50bに振動体30の共振周波数fに等しい周波数の交流電流が供給されると、振動体30は共振状態で駆動される。
振動アクチュエータ10の駆動原理を示す運動方程式及び回路方程式を以下に示す。振動アクチュエータ10は、下記式(2)で示す運動方程式及び下記式(3)で示す回路方程式に基づいて駆動する。
すなわち、ポンプ1の振動アクチュエータ10における振動体30の慣性モーメントJ[kg*m]、変位角(回転角度)θ(t)[rad]、推力定数(トルク定数)K[Nm/A]、電流i(t)[A]、ばね定数Ksp[Nm/rad]、減衰係数D[Nm/(rad/s)]等は、式(2)を満たす範囲内で適宜変更できる。また、電圧e(t)[V]、抵抗R[Ω]、インダクタンスL[H]、逆起電力定数K[V/(m/s)]は、式(3)を満たす範囲内で適宜変更できる。
このように、ポンプ1の振動アクチュエータ10では、振動体30の慣性モーメントJと磁気ばねのばね定数Kspにより決まる共振周波数fに対応する交流電流によりコイル50a、50bへの通電を行った場合に、効率的に大きな振動出力を得ることができる。
なお、ポンプ1では、振動体30が往復回転すると、ポンプ部80の可動壁822の変位(具体的にはダイヤフラムの変形)によって密閉室82内の容積が変化し、ポンプとして機能する。以下では、このポンプとしての機能は、下記式(4)で流量が設定され、下記式(5)により圧力が設定される。
すなわち、ポンプ1における流量Q[L/min]、ピストン面積A[m]、ピストン変位x[m]、駆動周波数f[Hz]等は、式(4)を満たす範囲内で適宜変更できる。また、増加圧力[kPa]、大気圧P[kPa]、密閉室体積V[m]、変動体積ΔV[m]=ピストン面積[m]A*ピストン変位[m]は、式(5)を満たす範囲内で適宜変更できる。
このように本実施形態のポンプ1は、電磁駆動する振動アクチュエータ10と、振動アクチュエータ10の電磁駆動により空気を吸入吐出するポンプ部80(80a、80b)とを有する。振動アクチュエータ10では、固定体20は、コイル50a及びコイル50aが巻回されるコア60aを有するコイルコア部62aと、コア60aの端部と対向配置されるマグネット70aとのうちの一方を含む。さらに、固定体20には、ポンプ部80が設けられている。振動体30は、コイルコア部62aとマグネット70aとのうちの他方を含み、マグネット70aの磁気吸引力により弾性保持される。軸部40は、振動体30を往復回転自在に支持する。ポンプ部80は、振動体30の回転移動により可動する可動壁822と、空気の吐出口86及び空気の吸入口83に連通し、可動壁822の変位により容積が変更される密閉室82と、を有する。振動体30は、振動体30の往復回転運動に伴い軸部40を中心に円弧状に移動して、可動壁822に当接して押圧する押圧部35を有する。可動壁822は、押圧部35の移動方向に配置され、押圧部35に押圧された際に変位して密閉室82内の空気を、吐出口86を介して吐出する。
<タンク部120>
図1に戻り、タンク部120は、ポンプ部1から排出される流体の圧力を調整する。具体的には、タンク部120は、ポンプ1の密閉室82から吐出される空気を溜めて、タンク部120から吐出される空気の圧力を増加させる。タンク部120は、タンク吐出経路に接続され、閉塞室82内から吐出される空気を外部に出力せず、収容することにより、タンク部120内に空気を貯留し、タンク部120内の圧力を調整可能である。タンク部120は、ポンプ1の吐出口86に接続され、ポンプ1(ポンプ部80)の密閉室82と流体連通する。
タンク部120内には、ポンプ1(ポンプ部80)から吐出された流体、本実施形態では気体である空気、が供給される。タンク部120は、供給される流体を貯留し、タンク部120内の流体の圧力を増加させ、所望の圧力で適宜放出してもよい。タンク部120としては、空気を溜めてタンク部120から放出される流体の圧力を増加できるだけの容量を有し、供給される空気を用いる装置で在ればどの様な装置でもよく、例えば、血圧計のカフ等としてもよい。
<圧力測定部130>
圧力測定部130は、タンク部120内の空気(流体)の状態を計測する。具体的には、圧力測定部130は、タンク部120内の空気(流体)の圧力を測定して、圧力の値を示す圧力値情報を得て、該圧力情報をマイコン部140に出力する。圧力測定部130は、タンク部120内の空気(流体)の圧力を測定できれば、どのように構成されてもよい。圧力測定部130はタンク部120に設けられてよく、タンク部120内に設けられてもよい。
<マイコン部140>
マイコン部140は、取得部146と、出力部144と、記憶部142とを有する。取得部146は、圧力情報測定部130から入力された圧力情報に基づいて、タンク部120内の空気の圧力の値を取得する。取得部146は、圧力測定部130に接続され、圧力測定部130から入力された圧力情報に基づいて、測定されたタンク部120内の空気の圧力値を取得する。出力部144は、コイル50a、50bに駆動周波数を出力する機能を有している。出力部144は、取得部146によって取得されたタンク部120内の空気の圧力値の情報に基づいた駆動周波数を、ポンプ1のコイル50a、50bへ出力する。
マイコン部140は、制御部としての機能を有し、測定されたタンク部120内の空気の圧力値に基づいて、ポンプ1の振動アクチュエータの振動を変更する。マイコン部140は、タンク部120内の空気の圧力値、ここでは、測定された圧力値を、圧力値の情報として取得し、この取得された圧力値の情報に基づいて、コイル50a、50bへ供給する電流の駆動周波数を制御する。
マイコン部140は、ポンプ1に出力する駆動信号の周波数を変更して、タンク部120内の空気の圧力を変更する。マイコン部140は、タンク部120内の空気の圧力に応じて異なる振動体30の共振周波数の電流が、コイル50a、50bに供給されるように、駆動周波数を制御する。
マイコン部140は、例えば、記憶部142として用いられる内蔵ROM内に保存されているルックアップテーブルを参照して、タンク部120内の空気の圧力が、所望の圧力となるように、タンク部120内に空気を貯留するように制御する。ルックアップテーブルとしては、駆動周波数とタンク部120内の空気の圧力値とを関連付けて、駆動周波を、タンク部120内の空気の圧力値により切り替えるためのテーブル等を用いることができる。
マイコン部140は、ポンプ1からタンク部120への空気の流量(図14のG2参照)を最大化する第1駆動周波数と、タンク部120内の空気の圧力(図14のG1参照)を最大化する第2駆動周波数と、の間で、コイル50a、50bに供給する駆動周波数を切り替える。
また、マイコン部140は、タンク部120内の空気の圧力を増加させる過程で、駆動周波数を、第1駆動周波数(図14のH1参照)から第2駆動周波数(図14のH2参照)に切り替える。なお、タンク部120内の空気の圧力を増加させる過程で駆動周波数を切り替えるタイミングの圧力値を、便宜上、過程値とも称する。これにより、第1駆動周波数(図14のH1参照)で制御する場合よりも、効率よく短時間でタンク部120内の空気の圧力を増加させることできる。マイコン部140は、ROM等に格納されたプログラムにより各部を制御する。これにより、例えば、取得されたタンク部120内の空気の圧力値情報に基づいて変更された駆動周波数の駆動信号を、コイル50a、50bに供給して、ポンプ1を制御することができる。
本実施の形態のポンプ制御システム100は、ポンプ1の共振タイプの振動アクチュエータ10の振動体30を駆動する際に、タンク部120内の圧力に基づいて、振動体30を駆動する駆動信号の周波数変更し、タンク部120内の空気の圧力に応じた周波数の駆動信号を、ポンプ1のコイル50a、50b供給する。
<マイコン部140(制御部)によるポンプ1の動作原理>
ポンプ1は、必要とされる搬送する流体(空気)の流量、搬送する流体への圧力の大きさ(空気圧力)を確保する必要がある。
一般的に、共振タイプの振動アクチュエータにタンクを接続した構成では、タンク内の空気圧力の変化に従って、共振周波数が変化する現象が生じることが知られている。
図13はポンプ制御システム100のポンプ1の動作原理を示す図である。図13Aは、排出口(吐出部86に相当)にタンク部が繋がれていない等のように、ポンプ1においてポンプの吐出経路が開放されている状態を示す概念図である。図13Bは、ポンプの排出口にタンクが取り付けられることでポンプの吐出経路が閉じている状態を示す概念図である。
図13Aに示すように、共振駆動するポンプの吐出経路が開放されている場合(「ポンプ開路時」ともいう)、ポンプが振動、つまり、ポンプ部の駆動により可動壁が変位すると、密閉室から吐出される空気は、排出口を介してポンプの外に排出される。これに対して、図13Bに示すように、共振駆動するポンプに、タンク部(タンク部120に相当)が接続され、ポンプ外への吐出経路が閉塞されている場合(「ポンプ閉路時」ともいう)、タンク部内の空気が、ポンプの振動に作用する。なお、これは、密閉室とタンク部とが、排出口(吐出部86に相当)を介して流体連通されていることに起因する。
すなわち、タンク部内の圧力の上がり始めでは、ポンプ1から吐出された空気は、タンク部内にそのまま供給されるので、ポンプ開路時と類似の挙動を示す。一方、タンク部内の圧力が増加すると、ポンプ1から供給された空気の逃げ場がないので、タンク部内に、ポンプ1から供給された空気が貯留する(空気の流れを太い白矢印で示す)。
密閉室と流体連通するタンク部内の空気は、供給される空気を介して、ポンプ1(より詳細には、ポンプ部80および振動体30)に作用し、ポンプ1において空気バネとして作用する。このように、ポンプ1の排出口にタンク部が取り付けられている場合、ポンプ閉路時では、ポンプ開路時の状態と比べて、空気バネの作用が働く。よって、下記式(6)で表されるポンプ開路時における共振周波数fは、下記(7)で表されるポンプ閉路時における共振周波数f‘となる。すなわち、ポンプ閉路時において、ポンプ1の駆動によりタンク部120内の圧力が増加すると、バネ性も増加し、ポンプ開路時よりもポンプのアクチュエータの共振周波数が高くなる。
このようなことを踏まえて、ポンプ制御システム100は、図14に示すタンク部内の空気の圧力とタンク部からの空気の流量の周波数特性を有する。図14は、本実施の形態の共振タイプのポンプを用いた際のポンプ開路時とポンプ閉路時のタンク部内の空気の圧力の周波数特性を示す図である。図14に示すように、共振タイプのポンプの場合、各駆動周波数における閉路時のタンク部内の空気の圧力G1と、開路時のポンプからタンク部への空気の流量を表す、タンク部内への空気の圧力G2(以下、G2はポンプからタンク部内への空気の流量を表すので、流量G2という)のそれぞれの最大値は、それぞれ異なる共振周波数帯(共振点H1、H2近傍)での駆動により実現される。例えば、駆動周波数H1(第1駆動周波数H1)で共振駆動する共振タイプのポンプの場合、開路時において、駆動周波数H1(第1駆動周波数H1)で駆動させれば、流量G2は大きくなる(図では最大値)。しかしながら、閉路時では、空気がバネとして振動体30に作用するため、ポンプの振動体30の共振点がシフトしてしまい(図14では共振点がH2にシフト)、圧力G1は上がりにくくなる。一方、共振点がシフトすることを踏まえ、駆動周波数H1よりも高い周波数である駆動周波数H2付近の周波数(第2駆動周波数H2)で共振駆動させれば、圧力G1は大きくなるものの、流量G2の出にくい共振周波数での使用となる。このように、一例としての血圧計のように、タンク部120内において所望の圧力が必要となされる製品においては、単一の周波数で共振駆動した場合、流量・圧力のいずれかにおいて不利な周波数で駆動しなくてはならない。
この特性を利用するため、本実施形態のポンプ制御システム100では、マイコン部140(制御部)は、所定の容量のタンク部120内の圧力を所定の圧力値になるまで増加させる場合、駆動周波数を変更する。具体的には、マイコン部140は、ポンプ1からタンク部120への空気の流量G2を最大化する第1駆動周波数H1と、タンク部120内の空気の圧力G1を最大化する第2駆動周波数H2と、の間で、駆動周波数を切り替えることで駆動周波数を変更する。
図15は、本発明に係る実施の形態のポンプ制御システム100における周波数制御の一例を示す図である。
ポンプ制御システム100では、マイコン部140は、タンク部120内に空気(流体)を供給して、タンク部120内の空気の圧力が、所望の圧力になるまで、タンク部120内の空気の圧力を増加させる。
所望の圧力(値)は、本実施形態のポンプ制御装置及びポンプ制御システム100の適用対象によって適宜異なる。ポンプ制御システム100(ポンプ制御装置)を、例えば、血圧計に適用する場合とすると、高血圧治療ガイドライン(JSH2004)では高血圧が、18kPa(135mmHg)以上であるとされ、また、非観血式機械血圧計のJIS規格(T115)では40kPaを超えてはならないとされており、これらに基づいて設定される。所望の圧力値を40kPaとし、18kPa~40kPaまで変更できるものとしてもよい。以下、図15を参照して、タンク容量を一定の容量(例えば、500cc)として、ポンプ制御システム100によりタンク部120の圧力を40kPaまで増加させる場合について詳述する。
この場合、マイコン部140は、圧力0からの増加が早い周波数、つまり、圧力が0から立ち上がる増加度が高い周波数の駆動信号をコイルコイル50a、50bに供給する。より具体的には、第1駆動周波数H1、第2駆動周波数H2のうちの低い周波数(図14と同様にH1で示す)、すなわち、第1駆動周波数H1の駆動信号を、コイル50a、50bに入力して励磁する。
図15は、第1駆動周波数H1での駆動と、第2駆動周波数H2(>H1)での駆動(図14のH2で示す周波数と同様にH2で示す)よる圧力と、圧力増加時間の関係を示している。そして、マイコン部140は、所定の切り替えタイミングで、第1駆動周波数H1の処理から第2駆動周波数H2の処理に切り替える。この切り替えタイミングは、タンク部120内の空気の圧力状態に基づいて変更される。タンク部120内の空気の圧力値の増加を示す傾きが緩やかになるタイミングは、図15では、「周波数切替」で示されている。この緩やかになったタイミングで、駆動周波数を、第1駆動周波数H1から第2駆動周波数H2に変更する。これにより、立ち上がり時(ポンプ1の起動時)においては、タンク部120内の空気の圧力の増加が早い第1駆動周波数H1の駆動信号でポンプ1を駆動し、第1駆動周波数H1の駆動信号では、タンク部120内の空気の圧力の増加を示す傾きが緩やかになるタイミング(図15中における「周波数切替」)で、駆動周波数を、第1駆動周波数H1から第2駆動周波数H2に変更する。このように、第1駆動周波数H1から第2駆動周波数H2に駆動周波数にシフトすることによる特性を、図15中においてK1で示す。
具体的には、異なる周波数(例えば第1駆動周波数H1、第2駆動周波数H2)を比較して、0から立ち上がり、駆動周波数を切り替えるタイミングでの圧力値、すなわち、過程値(10kPa程度)までの圧力増加時間が短い第1駆動周波数で、コイル50a、50bを励磁し、振動体30を共振駆動する。第1駆動周波数H1での共振駆動では、10kPa程度まではタンク部120内の空気の圧力の増加時間は短い。しかしながら、第1駆動周波数H1での共振駆動を続けた場合、タンク部120内の圧力は、所望の圧力値(例えば、40kPa)まで、増加しない。
また、第1駆動周波数H1よりも高い第2駆動周波数H2で共振駆動した場合、タンク部120内の空気の圧力を、所望の高い圧力(例えば、40kPa)は超えさせることができるものの、第1駆動周波数H1によって共振駆動した場合に比べて、タンク部120内の空気の0から過程値(10kPa程度)までの圧力増加時間が長い。よって、本実施形態では、第1駆動周波数H1の駆動信号でポンプ1の共振駆動を開始し、所定の切り替えタイミング、例えば、10KPaで、駆動信号の駆動周波数を、第2駆動周波数H2に変更する。これにより、図15に示す特性K1で、ポンプ1の駆動することができる。
これにより、単一の周波数(第2駆動周波数H2)での共振駆動と比較して、より早い時間で圧力を増加させることが可能となる。具体的には、図15中において、第2駆動周波数H2でのみ共振駆動した場合の特性曲線(図15中において、点線で示されているグラフ)よりも、特性K1の特性曲線の方が、所望の高い圧力(例えば、40kPa)をより短い時間で達成することができる。
図16は、本発明の実施の形態に係るポンプの制御フローの一例を示す図である。図16に示すように、まず、ステップS11では、ポンプ制御システム100の駆動信号の駆動周波数を、駆動周波数1(第1駆動周波数H1)を設定する。ステップS12では、マイコン部140は、圧力測定部130によりタンク部120内の圧力を計測して、取得部146で、タンク部120内の空気の圧力値として取得する。ステップS13では、マイコン部140は、取得した空気の圧力値が、切替圧力値(過程値)であるか否かを判定し、取得した空気の圧力値が、切替圧力値になるまで判定を繰り返す。すなわち、ステップS13では、ポンプ1からタンク部120への空気(流体)の流量G2を最大化する第1駆動周波数H1と、タンク部120内の空気(流体)の圧力G1を最大化する第2駆動周波数H2と、の間で、コイル50a、50bに供給する電流の駆動周波数を切り替える。ステップS13において、圧力値が、切替圧力値に到達していれば、ステップS14に移行して、コイル50a、50bに供給する電流の駆動周波数を、駆動周波数2(第2駆動周波数H2)に設定する。
次いで、マイコン部140は、タンク部120内の空気の圧力を計測し(ステップS15)、必要な圧力であるかどうか、つまり、所望の圧力値まで達したか否か(ステップS16)を判定し、所望の圧力値になるまでこれを繰り返す。
本実施形態は、例えば、単一周波数毎の駆動を用いた周波数応答計測(設定した各駆動周波数で駆動し、その駆動による圧力が最大圧力値である場合に、現在の駆動周波数が、必要駆動周波数であるかを判定するまでの一連の計測処理)と異なる。つまり、本実施形態によれば、周波数応答計測と異なり、設定した各駆動周波数で最大圧力を出するように制御することがなく、制御時間が増加することがない。本実施形態によれば、ポンプの小型化が可能であるとともに、より好適なポンプ圧力、流量を確保でき、安定して駆動できる。特に、共振タイプの振動アクチュエータを用いたポンプにおいて、単一周波数での駆動に比べて早い時間で、タンク部120内の空気の圧力を増加させることができる。
(第2実施形態)
図17は、本発明の第2実施形態に係るポンプの概略構成を示すブロック図である。図17に示すポンプ制御システム100Aは、ポンプ制御システム100と比較して、圧力検出部130(図1参照)に替えてタイマー160を用いる。
第2実施形態に係るポンプ制御システム100Aの基本的な構成は、第1実施形態のポンプ制御システム100の基本的な構成と同様であるので、異なる構成のみ説明し、同様の構成については、同符号同名称を付して説明は省略する。
ポンプ制御システム100Aは、ポンプ1と、タンク部120と、マイコン部140Aと、タイマー160とを有する。
タイマー160は、タンク部120内の空気(流体)の圧力を増加させる際に、振動体30の駆動時間を計測し、振動体30の駆動時間を得る。取得部146は、振動体30の駆動時間を取得する。取得部146がタイマー160から振動体30の駆動時間を取得すると、振動体30の駆動時間から、圧力値情報が取得される。この圧力値情報は、本実施形態では、予め設定された振動体30の駆動時間とこの駆動時間駆動により増加するタンク部120内の空気の圧力との関係を示すテーブルであり、記憶部142に格納される。このテーブルは、例えば、タンク部120内の空気の圧力を増加させる過程で、コイル50a、50bに供給する電流の駆動周波数を、第1駆動周波数H1から第2駆動周波数H2に切り替えるタイミングを示すタイミングテーブルである。
マイコン部140Aは、記憶部142内のテーブルを用いて各部を動作し、特に、取得部146で圧力値情報として取得されたテーブルに基づいて、コイル50a、50bへ供給する電流の駆動周波数を制御する。このように、ポンプ制御システム100Aでは、タンク部120の圧力を測定することなく、マイコン部140Aは、タンク部120内の空気の圧力が増加している圧力増加時間、すなわち、振動体30の駆動時間をタイマー160で取得し、圧力に対応する値を示す圧力値情報を取得部146で取得する。マイコン部140Aは、この取得した情報に基づいて、コイル50a、50bへ供給する電流の駆動周波数を制御する。
これにより、マイコン部140Aは、コイル50a、50bに供給する電流の駆動周波数を制御する際の周波数切替時間(タイミング)を設定することができ、マイコン部140と同様の動作を行うことができる。マイコン部140Aの動作の一例を、図15を参照して説明する。図15では、第1駆動周波数H1で駆動すると、約5秒経過した段階(図15では「周波数切替」で示す位置)で圧力が増加しにくくなっている。このような周波数切替位置を示すタイミングテーブルが、圧力値情報として、記憶部142に格納されてもよい。
マイコン部140Aは、記憶部142に格納された圧力値情報、つまり、周波数切替位置を示すタイミングテーブルに基づいて、圧力増加開始から5秒後に、コイル50a、50bに供給する電流の駆動周波数を、第1駆動周波数H1から第2駆動周波数H2に切り替える制御を行う。これにより、マイコン部140Aは、圧力検出部130で検出した圧力値を用いた場合と同様に、第1駆動周波数H1から第2駆動周波数H2にシフトした特性K1を得られるよう、コイル50a、50bに供給する電流の駆動周波数を制御できる。
<切換パターン1>
図18、図19はタンク容量が異なる場合のコイル50a、50bに供給する電流の駆動周波数制御のパターンを示す図である。図20は、第1実施形態のポンプを用いて、圧力値で駆動周波数を切り替える場合のテーブルを示す。図21A、図21Bは、第2実施形態のポンプを用いて、時間で駆動周波数を切り替える場合のテーブルを示す。なお、各図において、対応する圧力、流量が異なる初期駆動周波数として150Hz、250Hz、270Hzとしているが、これは一例であり、異なる複数の周波数であれば、高低は限定されない。
図18及び図19に示す特性K2、K3は、ポンプ開路時とポンプ閉路時で特性が異なる共振タイプのアクチュエータの特性(図14参照)において、「流量の出やすい周波数帯域(領域)」の周波数を用いたときの特性である。
第1実施形態のポンプ制御システム100は、圧力測定部130により計測されるタンク部120内の圧力値に基づいて、図20のテーブルを用いて、図18及び図19に示す駆動周波数制御を行う。図18及び図19では、駆動信号の駆動周波数を、周波数シフトして特性K2、K3となるように制御する際に、2回、コイル50a、50bに供給する電流の駆動周波数を変更し、タンク部120内の圧力の増加時間の短縮化が図られている。2回の駆動周波数の変更は、いずれも、タンク部120内の空気の圧力の増加過程で、空気の流量G2を最大化する駆動周波数と、空気の圧力G1を最大化する駆動周波数と、の間で、コイル50a、50bに供給する電流の駆動周波数を切り替えることで行われている。
図20では、初期駆動周波数の例として、3つの異なる周波数[Hz]と、それらの周波数に切り替える際のタンク部120内の流体の圧力(「目標圧力」)とを対応させている。これにより、ポンプ制御システム100は、タンク容量に関わらず、タンク部120内の流体の圧力変化に対応して、タンク部120内の空気を、単一の周波数で駆動させるよりも早く(図18及び図19に、増加時間の短縮を示す矢印参照)、効果的に増加させることができる。
第2実施形態のポンプ制御システム100Aのマイコン部140Aは、図21Aに示すテーブルを用いて、図18に示す特性K2となるような制御を行い、図21Bのテーブルを用いて図19に示す特性K3となるような制御を行う。図21A、図21Bの各テーブルは、それぞれ異なる複数の初期駆動周波数と、これら初期駆動周波数のそれぞれにより駆動する時間、及び駆動時間に対応した目標圧力とが関連付けられたテーブルを有し、記憶部142に格納される。これにより、ポンプ制御システム100Aは、タンク容量に応じたテーブルを用いて、タンク部120内の流体の圧力変化に対応して、単一の周波数駆動よりも早く、タンク部120内の空気を効果的に増加させることができる。
<切換パターン2>
図22は、本第1実施形態、2による周波数制御により、タンク内の空気を緩やかに増加させたパターンを示す図であり、図23は、第1実施形態のポンプを用いて、圧力値により図22で示す駆動周波数を切り替えて、特性K4となるように制御する場合のテーブルを示す。また、図24は、第2実施形態のポンプを用いて、時間により図22で示す駆動周波数を切り替えて、特性K4となるように制御する場合のテーブルを示す。なお、各図において初期駆動周波数として300Hz、280Hz、270Hzとしているが、これは一例であり、異なる複数の周波数であれば、数値の高低は限定されない。
図22に示す周波数制御は、図14で示す共振タイプのアクチュエータの特性において、第2駆動周波数H2よりも高い周波数領域である「流量の出難い周波数帯域(領域)」の周波数を用いている。このように、コイル50a、50bに供給する電流の駆動周波数を制御するポンプ制御システムは、緩やかに空気圧を増加させたい場合等、圧力増加時間を延長する場合に用いられる。例えば、ポンプは、乳幼児の血管検査、被検者へのベルトの締め付け等の際に、緩やかに空気を送る必要がある場合で使用される。
<第3実施形態>
図25は、本発明の第3実施形態に係るポンプ制御システムを模式的に示す図である。図25に示すポンプ制御システムは、例えば、血圧装置10Dである。血圧装置10Dは、タンク部120に相当するカフ102と、カフに空気を送る管部5と、ポンプ駆動ユニット101と、圧力測定部13Dとを有する。
駆動ユニット101は、図1に示すポンプ1である共振ポンプ1Dと、マイコン部としての制御部140とを有する。
マイコン部である制御部140は、共振ポンプ1D、圧力測定部13Dに接続されており、共振ポンプ1Dに対して駆動信号を供給する。
共振ポンプ1Dは、マイコン部140からの駆動信号に従って駆動する。具体的には、共振ポンプ1Dの吐出部86に管部5を接続して共振ポンプ1Dにおいて、振動体30が振動し、ポンプ部を駆動し、血圧計検査等カフに好適に空気を供給できる。ポンプ制御システムの構成により、小型化が可能であるとともに、より好適なポンプ圧力、流量を確保でき、安定して駆動できるともに、カフに対して、短い時間でカフ内の圧力を所望の圧力値まで増加させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記装置の構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。
本発明に係るポンプは、小型化が可能であるとともに、より好適なポンプ圧力、流量を確保でき、安定して駆動できる効果を有する。例えば、本発明に係るポンプは、薄型化高出力化が望まれるウェアラブル装置として有用である。したがって、本発明は産業上の利用可能性を有する。

Claims (6)

  1. コイルへの電流供給による電磁駆動により振動体を振動させる振動アクチュエータと、
    前記振動体の振動により変位する可動壁を有し、前記可動壁の変位により、内部の容積が変更されて流体が前記内部に吸入されまたは前記内部から吐出される密閉室と、
    前記密閉室から吐出される前記流体を溜めて前記流体の圧力を増加させるタンクと前記密閉室とを流体連通させる吐出部と、
    を有するポンプを制御するためのポンプ制御装置であって、
    前記タンク内の前記流体の圧力の値または前記圧力に対応する値を示す圧力値情報を取得する取得部と、
    取得された前記圧力値情報に基づいて、前記コイルへ供給する電流の駆動周波数を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記タンク内の前記流体の前記圧力の前記値が切替圧力値になった際に、前記ポンプから前記タンクへの前記流体の流量を最大化する第1駆動周波数から前記タンク内の前記流体の圧力を最大化する第2駆動周波数に前記駆動周波数を切り替える、
    ポンプ制御装置。
  2. 前記制御部は、前記電流が、前記タンク内の前記流体の圧力に応じて異なる前記振動体の共振周波数で、前記コイルに供給されるように、前記駆動周波数を制御する、請求項1に記載のポンプ制御装置。
  3. 前記第2駆動周波数は、前記第1駆動周波数よりも高い周波数である、請求項1に記載のポンプ制御装置。
  4. 請求項1に記載のポンプ制御装置と、
    前記ポンプと、
    前記タンク内の前記流体の圧力を測定して、前記圧力の前記値を示す前記圧力値情報を得る圧力検出部と、
    を有し、
    前記取得部は、前記圧力検出部から前記圧力値情報を取得する、ポンプ制御システム。
  5. 請求項1に記載のポンプ制御装置と、
    前記ポンプと、
    前記タンク内の前記流体の圧力を増加させる際に、前記振動体の駆動時間を計測して、前記駆動時間を示す前記圧力値情報を得るタイマーと、
    を有し、
    前記取得部は、前記タイマーから前記圧力値情報を取得する、ポンプ制御システム。
  6. 前記ポンプ制御装置は、予め設定された前記振動体の駆動時間と前記駆動時間により増加する前記タンク内の前記流体の圧力との関係を示すテーブルを記憶する記憶部を有し、
    前記制御部は、前記テーブルを用いて、前記駆動周波数を制御する、請求項に記載のポンプ制御システム。
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