JPH0158199B2 - - Google Patents
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- JPH0158199B2 JPH0158199B2 JP8704782A JP8704782A JPH0158199B2 JP H0158199 B2 JPH0158199 B2 JP H0158199B2 JP 8704782 A JP8704782 A JP 8704782A JP 8704782 A JP8704782 A JP 8704782A JP H0158199 B2 JPH0158199 B2 JP H0158199B2
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- carbaldehyde
- hydroxypregner
- dien
- diene
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
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Description
本発明は12β―ヒドロキシプレグナー1,4―
ジエン―3―オン―20α―カルブアルデヒド及び
その製造法に関する。 本発明により提供される12β―ヒドロキシプレ
グナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブ
アルデヒドは公知文献に未記載の新規化合物であ
り、優れた抗炎症作用を有するプレドニゾン、プ
レゾニゾロンに代表されるコルチコイド系ステロ
イドの合成原料となる12β―ヒドロキシプレグナ
ー1,4―ジエン―3,20―ジオンを製造するた
めの中間体として有用である。 従来、プレドニゾンの製造法としては、デオキ
シコール酸を出発原料として20数段階の工程を経
る方法〔エル・エフ・フイーザー、エム・フイー
ザー共著;ステロイド(レインホルド社発行、
1959年)、634〜647頁参照〕が知られているが、
この方法は用いる試薬が高価であるうえに工程が
長く、工業的実施には必ずしも適していない。 本発明者らは先にプレドニゾンを製造するため
にその有用な中間体について鋭意検討し、新規な
12α―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―3
―オン―20α―カルブアルデヒドがデオキシコー
ル酸及び/又はその塩にアルカリゲネス属に属す
る特定の細菌を作用させることによつて容易に得
られ、かつ簡単にプレドニゾンの合成原料となる
12α―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―
3,20―ジオンに誘導できることを見出した(特
願昭57―30899号明細書参照)。本発明者らはさら
に上記のアルカリゲネス属に属する特定の細菌が
デオキシコール酸及び/又はその塩を基質として
12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―3
―オン―20α―カルブアルデヒドをも生産するこ
とを見出し、本発明に至つた。なお、12β―ヒド
ロキシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルブアルデヒドもまたプレドニゾンの合
成原料となる12β―ヒドロキシプレグナー1,4
―ジエン―3,20―ジオンに容易に誘導できる。 又は (上記式中、Rは水素原子、アルカリ金属又は
アルカリ土類金属を示し、R1はアルキル基を示
す。) 本発明によれば、デオキシコール酸及び/又は
その塩を基質として12β―ヒドロキシプレグナー
1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデ
ヒドを生産するアルカリゲネス属に属する細菌
を、デオキシコール酸及び/又はその塩を含む培
地に培養することにより、12β―ヒドロキシプレ
グナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブ
アルデヒドを得ることができる。通常、12α―ヒ
ドロキシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルブアルデヒドが併産されるが、デオキ
シコール酸及び/又はその塩の転化が比較的緩や
かに起る条件下で培養するか及び/又は培養を短
期間に終らせることにより12β―ヒドロキシプレ
グナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブ
アルデヒドが好収量で得られる。12α―ヒドロキ
シプレグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―
カルブアルデヒドは12β―ヒドロキシプレグナー
1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデ
ヒドに対するのと同一の反応条件により12α―ヒ
ドロキシプレグナー1,4―ジエン―3,20―ジ
オンに、さらにはプレドニゾンに誘導することが
できるので、本発明の目的に関する限り12β―ヒ
ドロキシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルブアルデヒドと12α―ヒドロキシプレ
グナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブ
アルデヒドとは等価であり、これらの化合物を分
離する必要はない。 上記のアルカリゲネス属に属する細菌として
は、アルカリゲネス・フエカリスD4020―K15
(Alcaligenes faecalis D4020―K15)菌株(微
工研条寄第204号)がある。この菌株は土壌中か
ら取得したアルカリゲネス・フエカリスD4020
(Alcaligenes faecalis D4020)菌株(微工研条
寄第182号)に突然変異処理を施して得られた変
異株である。 アルカリゲネス・フエカリスD4020菌株及びア
ルカリゲネス・フエカリスD4020―K15菌株の菌
学的性質を列挙すると次表のとおりである。
ジエン―3―オン―20α―カルブアルデヒド及び
その製造法に関する。 本発明により提供される12β―ヒドロキシプレ
グナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブ
アルデヒドは公知文献に未記載の新規化合物であ
り、優れた抗炎症作用を有するプレドニゾン、プ
レゾニゾロンに代表されるコルチコイド系ステロ
イドの合成原料となる12β―ヒドロキシプレグナ
ー1,4―ジエン―3,20―ジオンを製造するた
めの中間体として有用である。 従来、プレドニゾンの製造法としては、デオキ
シコール酸を出発原料として20数段階の工程を経
る方法〔エル・エフ・フイーザー、エム・フイー
ザー共著;ステロイド(レインホルド社発行、
1959年)、634〜647頁参照〕が知られているが、
この方法は用いる試薬が高価であるうえに工程が
長く、工業的実施には必ずしも適していない。 本発明者らは先にプレドニゾンを製造するため
にその有用な中間体について鋭意検討し、新規な
12α―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―3
―オン―20α―カルブアルデヒドがデオキシコー
ル酸及び/又はその塩にアルカリゲネス属に属す
る特定の細菌を作用させることによつて容易に得
られ、かつ簡単にプレドニゾンの合成原料となる
12α―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―
3,20―ジオンに誘導できることを見出した(特
願昭57―30899号明細書参照)。本発明者らはさら
に上記のアルカリゲネス属に属する特定の細菌が
デオキシコール酸及び/又はその塩を基質として
12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―3
―オン―20α―カルブアルデヒドをも生産するこ
とを見出し、本発明に至つた。なお、12β―ヒド
ロキシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルブアルデヒドもまたプレドニゾンの合
成原料となる12β―ヒドロキシプレグナー1,4
―ジエン―3,20―ジオンに容易に誘導できる。 又は (上記式中、Rは水素原子、アルカリ金属又は
アルカリ土類金属を示し、R1はアルキル基を示
す。) 本発明によれば、デオキシコール酸及び/又は
その塩を基質として12β―ヒドロキシプレグナー
1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデ
ヒドを生産するアルカリゲネス属に属する細菌
を、デオキシコール酸及び/又はその塩を含む培
地に培養することにより、12β―ヒドロキシプレ
グナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブ
アルデヒドを得ることができる。通常、12α―ヒ
ドロキシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルブアルデヒドが併産されるが、デオキ
シコール酸及び/又はその塩の転化が比較的緩や
かに起る条件下で培養するか及び/又は培養を短
期間に終らせることにより12β―ヒドロキシプレ
グナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブ
アルデヒドが好収量で得られる。12α―ヒドロキ
シプレグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―
カルブアルデヒドは12β―ヒドロキシプレグナー
1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデ
ヒドに対するのと同一の反応条件により12α―ヒ
ドロキシプレグナー1,4―ジエン―3,20―ジ
オンに、さらにはプレドニゾンに誘導することが
できるので、本発明の目的に関する限り12β―ヒ
ドロキシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルブアルデヒドと12α―ヒドロキシプレ
グナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブ
アルデヒドとは等価であり、これらの化合物を分
離する必要はない。 上記のアルカリゲネス属に属する細菌として
は、アルカリゲネス・フエカリスD4020―K15
(Alcaligenes faecalis D4020―K15)菌株(微
工研条寄第204号)がある。この菌株は土壌中か
ら取得したアルカリゲネス・フエカリスD4020
(Alcaligenes faecalis D4020)菌株(微工研条
寄第182号)に突然変異処理を施して得られた変
異株である。 アルカリゲネス・フエカリスD4020菌株及びア
ルカリゲネス・フエカリスD4020―K15菌株の菌
学的性質を列挙すると次表のとおりである。
【表】
【表】
【表】
【表】
上記の表に示した菌学的性質に基づき、アルカ
リゲネス・フエカリスD4020菌株及びアルカリゲ
ネス・フエカリスD4020―K15菌株の同定を行な
つた。アルカリゲネス・フエカリスD4020菌株
は、桿菌であること、周鞭毛を有していること、
グラム染色が陰性であることなどの顕微鏡的所見
並びにオキシダーゼ反応及びカタラーゼ反応がと
もに陽性であること、好気性であること、O―F
テストの結果が酸化的(Oxidative)であること
などの生理学的性質からバージエイズ・マニユア
ル・オブ・デイターミネイテイブ・バクテリオロ
ジー第7版及び第8版に基づき、アルカリゲネス
属に属する細菌であると同定した。さらにアルカ
リゲネス・フエカリスD4020菌株は、ゼラチンを
液化しない点、ミルクがアルカリ性となる以外に
変化しない点及び脱窒反応がない点から、アルカ
リゲネス属のフエカリス種に属する細菌であると
同定した。また、一般に突然変異株はその親株と
同じ種に属するものと考えられており、アルカリ
ゲネス・フエカリスD4020―K15菌株はアルカリ
ゲネス属のフエカリス種に属する細菌であると判
定した。 本発明による12β―ヒドロキシプレグナー1,
4―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデヒド
の生産は、デオキシコール酸及び/又はその塩を
基質として12β―ヒドロキシプレグナー1,4―
ジエン―3―オン―20α―カルブアルデヒドを生
産するアルカリゲネス属に属する細菌を、デオキ
シコール酸及び/又はその塩を含む培地に培養す
ることにより行なわれる。デオキシコール酸の塩
としては具体的にはデオキシコール酸のナトリウ
ム、カリウムなどのアルカリ金属の塩又はカルシ
ウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩
が挙げられる。デオキシコール酸及び/又はその
塩の濃度は通常約1〜200g/の範囲でよいが、
生産される12β―ヒドロキシプレグナー1,4―
ジエン―3―オン―20α―カルブアルデヒドの収
量、培養条件及び操作性などの経済的観点から約
10〜100g/の範囲が好ましい。培養方法は原
則的には一般微生物の好気培養で採用される方法
と同じであるが、通常は液体培地による振盪培養
法又は通気撹拌培養法が用いられる。培地は上記
のデオキシコール酸及び/又はその塩を基質とし
て12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―
3―オン―20α―カルブアルデヒドを生産するア
ルカリゲネス属に属する細菌が資化利用できる栄
養源を含有するものであればよい。炭素源として
はデオキシコール酸及び/又はその塩を単一炭素
源としてもよく、或いはデオキシコール酸及び/
又はその塩にグルコース、グリセリン、ペプト
ン、肉エキス、酵母エキスなどを併用してもよ
い。また窒素源としては、例えば硫酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム、燐酸アンモニウム、硝酸
アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムな
どの無機窒素源、又はポリペプトン、ペプトン、
肉エキスなどの有機窒素源が用いられる。また、
この他に燐酸水素2カリウム、燐酸2水素カリウ
ム、硫酸マグネシウムなどの無機塩類が添加され
る。培養条件に特徴はないが、通常25〜35℃で10
時間〜7日間振盪培養又は通気撹拌培養を行な
う。 このようにして培養液中に蓄積された12β―ヒ
ドロキシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルブアルデヒドは、基質のデオキシコー
ル酸又はその塩と比較して水に対する溶解度が著
しく小さく、通常は培養液中に析出沈澱してく
る。この12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジ
エン―3―オン―20α―カルブアルデヒドを分離
採取するには、沈澱している12β―ヒドロキシプ
レグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カル
ブアルデヒド又はこれと12α―ヒドロキシプレグ
ナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブア
ルデヒドとの混合物(以下、この混合物を12α及
びβ―ヒドロキシ混合物と称す)をデカンテーシ
ヨンにより浮遊している菌体を含む培養液から分
離するか、または浮遊している菌体が沈澱しない
ような回転数で遠心分離を行ない、析出している
12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―3
―オン―20α―カルブアルデヒド又は12α及びβ
―ヒドロキシ混合物を沈澱させたのち上記のデカ
ンテーシヨンにより12β―ヒドロキシプレグナー
1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデ
ヒド又は12α及びβ―ヒドロキシ混合物を分離す
る方法が採られる。沈澱した12β―ヒドロキシプ
レグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カル
ブアルデヒド又は12α及びβ―ヒドロキシ混合物
を除去した培養液に含まれる菌体その他の不溶成
分を濾過又は遠心分離などにより分離除去して得
られた培養濾液又は上清に、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカ
リを加えてその培養濾液又は上清をアルカリ性と
したのち、上記のアルデヒドを溶解しかつ水と相
分離する有機溶媒、例えば酢酸エチル、クロロホ
ルム、クロロホルムとメタノールの混合液などを
用いて抽出操作を行ない、得られた抽出液を集
め、これより溶媒を溜去することによつて、培養
液中に溶解している12β―ヒドロキシプレグナー
1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデ
ヒド又は12α及びβ―ヒドロキシ混合物を回収す
ることができる。この有機溶媒による抽出操作は
培養濾液又は上清についてのみでなく、培養液そ
のものについて行なうことができる。上記の方法
で得られた沈澱物又は抽出物中には12β―ヒドロ
キシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―20α
―カルブアルデヒド又はこれと12α―ヒドロキシ
プレグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カ
ルブアルデヒドが含まれている他には残存基質の
デオキシコール酸及び/又はその塩並びに副生物
はほとんど含まれておらず、例えばメタノール水
溶液からの再結晶により容易に高純度の12β―ヒ
ドロキシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルブアルデヒド又は12α及びβ―ヒドロ
キシ混合物を取得することができる。12α及びβ
―ヒドロキシ混合物からの12β―ヒドロキシプレ
グナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブ
アルデヒドと12α―ヒドロキシプレグナー1,4
―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデヒドと
の分離は、12α及びβ―ヒドロキシ混合物をシリ
カゲルカラムに吸着させ、クロロホルム―エタノ
ールの混合溶媒で溶出することにより行なう。ま
ず12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―
3―オン―20α―カルブアルデヒドが溶出し、つ
いで12α―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン
―3―オン―20α―カルブアルデヒドが溶出す
る。溶出液から減圧下に溶媒を溜去することによ
り各々のアルデヒドを取得することができる。 本発明により得られる12β―ヒドロキシプレグ
ナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブア
ルデヒドは、(方法―1)これを炭酸カリウム、
酸化バリウムなどの脱水剤の存在下にピペリジン
と反応させて12β―ヒドロキシ―22―(N―ピペ
リジン)ビスノル―1,4,20(22)―コラトリ
エン―3―オンとし、ついでこの生成物をオゾン
酸化することにより12β―ヒドロキシプレグナー
1,4―ジエン―3,20―ジオンに誘導できる。 また(方法―2)によれば、12β―ヒドロキシ
プレグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カ
ルブアルデヒドと一般式() R1COOH ……() (式中、R1はアルキル基を表わす。)で示され
るカルボン酸又はその反応性誘導体、例えば酸ハ
ライド、酸無水物などとを常法により反応させる
ことにより一般式()で示される12β―アシル
オキシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルブアルデヒドが得られる。代表的な反
応例として挙げられる12β―ヒドロキシプレグナ
ー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブアル
デヒドと一般式()で示されるカルボン酸のク
ロライドとの反応はトリエチルアミン、ピリジン
などの第3級アミンの存在下に行なわれる。この
反応は溶媒中で行なうのが好ましく、溶媒として
塩化メチレン、クロロホルム又はこれらとベンゼ
ン、トルエン、酢酸エチルなどとの混合溶媒が好
ましく用いられる。この反応は通常室温で行なう
が、必要に応じて約60℃までの加温下に行なうこ
ともできる。反応後、反応混合物を希塩酸水、重
曹水、水などで洗滌したのち乾燥し、ついでこれ
より低沸点物を留去することにより一般式()
で示される12β―アシルオキシプレグナー1,4
―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデヒドの
粗生成物を得る。この粗生成物をそのまま次の反
応に用いることができる。一般式()で示され
る12β―アシルオキシプレグナー1,4―ジエン
―3―オン―20α―カルブアルデヒドとピペリジ
ン、ピロリジン、モルホリンなどの第2級アミン
とを反応させることにより一般式()で示され
るエナミンが生成する。第2級アミンは一般式
()で示される12β―アシルオキシプレグナー
1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデ
ヒドに対して等モル〜2倍モル量用いる。反応中
に副生する水を、ベンゼン、トルエンなどの水と
共沸する溶媒を用いて加熱還流下に反応系から除
去する。この反応は特に触媒を要しないが、p―
トルエンスルホン酸などの触媒の存在下に反応を
行なうこともできる。反応後、反応混合物から減
圧下に低沸点物を留去することにより、一般式
()で示されるエナミンの粗生成物が得られる。
この粗生成物をそのまま次の反応に用いることが
できる。一般式()で示されるエナミンをオゾ
ン酸化又は無水クロム酸、ピリジニウムクロルク
ロメート、重クロム酸ナトリウムなどを用いて酸
化することにより、一般式()で示される12β
―アシルオキシプレグナー1,4―ジエン―3,
20―ジオンを得ることができる。なお、無水クロ
ム酸を用いる酸化反応は通常ピリジン溶媒中で行
なう。この場合、一般式()で示されるエナミ
ンを溶解させたピリジン溶液に無水クロム酸とピ
リジンの混合液を徐徐に加えるか、又は無水クロ
ム酸とピリジンの混合液に一般式()で示され
るエナミンを溶解させたピリジン溶液を徐々に加
えることにより反応を行なう。この酸化反応は氷
冷下ないしは室温下に行なわれる。反応後、反応
混合物をベンゼン、トルエンなどで希釈し、これ
より固形物を濾過により除去したのち、濾液に希
塩酸水を加え、ついでベンゼン、トルエンなどで
抽出し、抽出液から低沸点物を留去することによ
り、一般式()で示される12β―アシルオキシ
プレグナー1,4―ジエン―3,20―ジオンの粗
生成物が得られる。この粗生成物を必要に応じて
シリカゲルカラムクロマトグラフイーにより精製
するか、再結晶法により精製することにより高純
度の一般式()で示される12β―アシルオキシ
プレグナー1,4―ジエン―3,20―ジオンを得
ることができる。一般式()で示される12β―
アシルオキシプレグナー1,4―ジエン―3,20
―ジオンを通常の加水分解反応に付することによ
り12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―
3,20―ジオンが得られる。例えば、この加水分
解反応はメタノール、エタノールなどの溶媒中で
水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの存在
下、室温ないし溶媒の還流温度で行なわれる。反
応後、反応混合物を減圧下に濃縮し、ついでベン
ゼン、トルエンなどで希釈し、水、希塩酸水など
で洗滌し、乾燥したのち、これより低沸点物を留
去することにより12β―ヒドロキシプレグナー
1,4―ジエン―3,20―ジオンの粗生成物が得
られる。この粗生成物は例えば酢酸エチルなどか
ら再結晶することにより精製することができる。 12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―
3,20―ジオンは例えば次の方法によりプレドニ
ゾンに誘導できる。 (上記式中、Meはメチル基を表わし、Acはア
セチル基を表わす。) すなわち、12β―ヒドロキシプレグナー1,4
―ジエン―3,20―ジオンを三酸化クロムで酸化
し、さらにその酸化生成物を水酸化カリウムの存
在下に二酸化セレンで酸化することによりプレグ
ナー1,4,9(11)―トリエン―3,12,20―トリ
オンを得る。このプレグナー1,4,9(11)―トリ
エン―3,12,20―トリオンを白金の存在下に水
素添加することにより12α―ヒドロキシプレグナ
ー1,4,9(11)―トリエン―3,20―ジオンと
し、ついでこの生成物に酸性条件下でメタノール
を作用させて12α―メトキシプレグナー1,4,
9(11)―トリエン―3,20―ジオンを得、この生成
物に塩化水素を作用させることにより12―クロロ
プレグナー1,4,9(11)―トリエン―3,20―ジ
オンを得る。この12―クロロプレグナー1,4,
9(11)―トリエン―3,20―ジオンを炭酸水素ナト
リウムで処理することによりプレグナー1,4,
11―トリエン―3,20―ジオンを得、この生成物
に臭素を作用させて11,12―ジブロモプレグナー
1,4―ジエン―3,20―ジオンとし、ついでこ
れをクロム酸銀及び三酸化クロムの存在下に加水
分解することにより12―ブロモプレグナー1,4
―ジエン―3,11,20―トリオンを得、この生成
物に金属亜鉛を作用させてプレグナー1,4―ジ
エン―3,11,20―トリオンとする。このプレグ
ナー1,4―ジエン―3,11,20―トリオンを無
水酢酸で処理することにより20―アセトキシ―
1,4,17(20)―トリエン―3,11―ジオンを
得る。この生成物に過テレフタル酸を作用させる
ことにより20―アセトキシ―17α,20α―エポキ
シプレグナー1,4―ジエン―3,11―ジオンと
し、これを加水分解して17α―ヒドロキシプレグ
ナー1,4―ジエン―3,11,20―トリオンを
得、ついでこの生成物にヨードを作用させて17α
―ヒドロキシ―21―インドプレグナー1,4―ジ
エン―3,11,20―トリオンを得る。この17α―
ヒドロキシ―21―インドプレグナー1,4―ジエ
ン―3,11,20―トリオンをアセトン中で酢酸カ
リウムで処理することにより21―アセトキシ―プ
レドニゾンとし、これを加水分解することにより
プレドニゾンを得ることができる。 また12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエ
ン―3,20―ジオンは次の方法により公知化合物
であるプレグナー1,4,11(12)―トリエン―3,
20―ジオンを経由してプレドニゾン、さらにはプ
レドニゾロンに誘導できる。 (上記式中、R2はアルキル基を表わす。) すなわち、12β―ヒドロキシプレグナー1,4
―ジエン―3,20―ジオンを通常のスルホネート
化反応に付することにより、一般式()で示さ
れるスルホネートが得られる。例えば、このスル
ホネート化反応は、12β―ヒドロキシプレグナー
1,4―ジエン―3,20―ジオンをピリジン、ピ
コリン又はこれらとベンゼン、トルエンなどとの
混合溶媒に溶解し、この溶液に一般式() R2SO2Cl ……() (式中、R2はアルキル基を表わす。)で示され
るスルホン酸クロライドを該12β―ヒドロキシプ
レグナー1,4―ジエン―3,20―ジオンに対し
等モル〜2倍モル量を加え、室温ないしは必要に
応じて約80℃までの加温下に行なわれる。反応
後、反応混合物を希塩酸水などにあけ、ベンゼン
などで抽出し、抽出液を希塩酸水、重曹水、水な
どで洗滌し、乾燥したのち、これより低沸点物を
留去することにより一般式()で示されるスル
ホネートの粗生成物が得られる。この粗生成物を
例えば酢酸エチルなどから再結晶することにより
高純度の一般式()で示されるスルホネートを
得ることができる。一般式()で示されるスル
ホネートは、これを脱スルホン酸反応に付するこ
とにより、公知化合物であるプレグナー1,4,
11(12)―トリエン―3,20―ジオンに誘導される。
この脱スルホン酸反応は通常、酢酸カリウム、塩
化リリウム、コリジン、ボタシウムt―ブトキサ
イドなどの反応助剤(スルホン酸を捕捉すること
ができる化合物)の存在下に行なわれる。反応助
剤の使用量は一般式()で示されるスルホネー
トに対して等モル〜20倍モル量である。この反応
はヘキサメチルホスホルトリアミド、N,N―ジ
メチルホルムアミドなどの溶媒中で行なうのが好
ましく、通常約80〜140℃の温度下に加熱して行
なわれる。プレグナー1,4,11(12)―トリエン―
3,20―ジオンは常法によりプレドニゾン、さら
にはプレドニゾロンに誘導される。 以下、実施例及び参考例によつて本発明をさら
に詳細に説明する。 参考例 アルカリゲネス・フエカリスD4020―K15菌株
の取得方法 培地1(組成:デオキシコール酸0.5%、水酸化
ナトリウム0.05%、ペプトン0.5%、酵母エキス
0.5%、塩化ナトリウム0.5%及び寒天1.5%)のス
ラントに生育させたアルカリゲネス・フエカリス
D4020菌株の一白金耳を、予め試験管内に準備し
た培地2(組成:デオキシコール酸2%、水酸化
ナトリウム0.2%、硝酸アンモニウム0.2%、燐酸
2水素カリウム0.1%、燐酸水素2カリウム0.6
%、硫酸マグネシウム・7水和物0.02%及び酵母
エキス0.02%)の10mlに植菌し、30℃で8〜10時
間振盪培養した。この培養液の0.3mlを予め試験
管に準備した培地3(組成:デオキシコール酸0.5
%、水酸化ナトリウム0.05%、グルコース0.1%、
硝酸アンモニウム0.2%、燐酸2水素カリウム0.1
%、燐酸水素2カリウム0.6%、硫酸マグネシウ
ム・7水和物0.02%及び酵母エキス0.02%)の10
mlに加え、30℃で10〜15時間培養した。ついで、
この対数増殖期にある菌体を0.45μのメンブレン
フイルターで無菌的に濾過集菌し、0.1M燐酸塩
緩衝液(PH:7.0)20mlで洗滌後、同じ緩衝液25
mlに懸濁させた。これに終濃度が20μg/mlにな
るようにN―メチル―N′―ニトロ―N―ニトロ
ソグアニジンを添加し、30℃で10〜15分間振盪す
ることにより突然変異処理を行なつた。突然変異
処理を施した菌体を0.45μのメンブレンフイルタ
ーで濾過集菌し、0.1M燐酸塩緩衝液(PH:7.0)
20mlで洗滌後、同じ緩衝液20mlに懸濁した。得ら
れた菌懸濁液を滅菌生理食塩水で希釈し、それを
培地4(組成:デオキシコール酸0.5%、水酸化ナ
トリウム0.05%、硝酸アンモニウム0.2%、燐酸
2水素カリウム0.1%、燐酸水素2カリウム0.6
%、硫酸マグネシウム・7水和物0.02%、酵母エ
キス0.02%及び寒天1.5%)の寒天平板上に500〜
1000個のコロニーを出現させるように塗布したの
ち、30℃で3〜4日間培養した。出現したコロニ
ー中の極小コロニーを培地1のスラントに単離し
たのち、その一白金耳を予め試験管に準備した培
地5(組成:デオキシコール酸0.2%、水酸化ナト
リウム0.02%、グルコース0.1%、硝酸アンモニ
ウム0.2%、燐酸2水素カリウム0.1%、燐酸水素
2カリウム0.6%、硫酸マグネシウム・7水和物
0.02%及び酵母エキス0.02%)の10mlに植菌し、
30℃で24時間振盪培養した。得られたそれぞれの
培養液中の生成物を薄層クロマトグラフイーによ
り検定し、上記の培養条件下で12α―ヒドロキシ
プレグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カ
ルブアルデヒドを選択的に蓄積している一菌株を
見い出し、これをアルカリゲネス・フエカリス
D4020―K15と命名した。 実施例 1 アルカリゲネス・フエカリスD4020―K15菌株
(微工研条寄第204号)を次に示す方法で培養し
た。デオキシコール酸1.0g、グルコース0.1g、
硝酸アンモニウム0.2g、燐酸2水素カリウム
0.12g、燐酸水素2カリウム0.61g、硫酸マグネ
シウム・7水和物0.02g、酵母エキス0.02g及び
水酸化ナトリウム0.1gに水道水を加えて容量を
100ml(PH:8.4)に調整し、これを培地とした。
この培地を大型試験管10本に10ml宛分注し、120
℃で15分間、蒸気殺菌を行なつた。予め上記の培
地と同じ培地で試験管振盪機にて1日間増殖させ
た種菌の0.5mlの上記の大型試験管に添加し、30
℃で2日間振盪培養した。培養後、この培養液を
集め、遠心分離機で培養中に生じた沈澱物と菌体
とからなる混合物を培養液上清と分離した。この
混合物に1規定の水酸化ナトリウム水溶液を加え
ることにより、この溶液のPHを9に調整し、つい
でこの溶液を酢酸エチル200mlで抽出した。一方、
培養液上清に1規定の水酸化ナトリウム水溶液を
加え、この溶液のPHを9に調整したのち、この溶
液を酢酸エチル200mlで抽出した。この抽出液と
上記で得られた抽出液との混合液を無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、ロータリー・エバポレーターで
酢酸エチルを溜去することにより、12β―ヒドロ
キシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―20α
―カルブアルデヒドと12α―ヒドロキシプレグナ
ー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブアル
デヒドの混合物を750mg得た。 得られた混合物の一部を取り、これにメタノー
ルを加えて1%溶液とし、この溶液25μlをミクロ
ボンダパツクC―18カラムを備えた高速液体クロ
マトグラフイー(米国ウオーターズ社製、HLC
―GPC―244型)に注入した。移動相としてPH4.0
に調整した水/メタノールの25/75容量比の混合
液を流速1ml/分で流し、検出を屈折率方式で行
なつた。得られた液体クロマトグラフにおける各
ピークの面積比を積分計(島津製作所製、島津ク
ロマトパツクC―R1A)で求めたところ、12β―
ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―3―オン
―20α―カルブアルデヒド及び12α―ヒドロキシ
プレグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カ
ルブアルデヒドの占める面積比の合計は全体の95
%であつた。また、上記の混合物中の12β―ヒド
ロキシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルブアルデヒド/12α―ヒドロキシプレ
グナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブ
アルデヒドの比率は1/8であつた。 上記で得られた混合物から12β―ヒドロキシプ
レグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カル
ブアルデヒド及び12α―ヒドロキシプレグナー
1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデ
ヒドの分離を次に示す方法で行なつた。まず、内
径2.6cm、長さ70cmのカラムチユーブに、クロロ
ホルム約200mlにシリカゲル約100gを懸濁させた
ものを担体として詰めた。一方、上記で得られた
混合物1.2gをクロロホルム約20mlに溶解させ、
不溶物を除去した。このクロロホルム溶液を約5
mlに濃縮したのち上記のシリカゲルカラムに吸着
させ、このカラムにクロロホルム、クロロホル
ム/エタノールの99/1容量比の混合液及びクロ
ロホルム/エタノールの97/3容量比の混合物を
この順序で流し、溶出を行なつた。クロロホル
ム/エタノールの99/1容量比の混合物を流し始
めてから約250ml〜280mlの画分に12β―ヒドロキ
シプレグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―
カルブアルデヒドが溶出され、ついで約450ml〜
510mlの画分に12α―ヒドロキシプレグナー1,
4―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデヒド
が溶出された。この2つのアルデヒドの判別は、
薄層プレート(米国メルク社製、シリカゲル60、
F―254)及びイソオクタン/酢酸エチル/酢酸
の10/10/2容量比の混合液からなる展開溶媒を
用いる薄層クロマトグラフイーにおいてRf値0.4
付近に12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエ
ン―3―オン―20α―カルブアルデヒドのスポツ
トが現われ、Rf値0.34付近に12α―ヒドロキシプ
レグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カル
ブアルデヒドのスポツトが現われることを利用し
て行なつた。このようにして得られた各々の溶出
液からロータリー・エバポレーターを用いてクロ
ロホルム及びエタノールを溜去し、その残渣をジ
エチルエーテルで洗滌し、乾燥することにより
12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―3
―オン―20α―カルブアルデヒドを約80mg、12α
―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―3―オ
ン―20α―カルブアルデヒドを約360mg得た。 12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―
3―オン―20α―カルブアルデヒド及び12α―ヒ
ドロキシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルブアルデヒドの確認を下記の方法で行
なつた。 12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―
3―オン―20α―カルブアルデヒド 融点:157〜160℃ マススペクトルm/Z:342〔M〕+
リゲネス・フエカリスD4020菌株及びアルカリゲ
ネス・フエカリスD4020―K15菌株の同定を行な
つた。アルカリゲネス・フエカリスD4020菌株
は、桿菌であること、周鞭毛を有していること、
グラム染色が陰性であることなどの顕微鏡的所見
並びにオキシダーゼ反応及びカタラーゼ反応がと
もに陽性であること、好気性であること、O―F
テストの結果が酸化的(Oxidative)であること
などの生理学的性質からバージエイズ・マニユア
ル・オブ・デイターミネイテイブ・バクテリオロ
ジー第7版及び第8版に基づき、アルカリゲネス
属に属する細菌であると同定した。さらにアルカ
リゲネス・フエカリスD4020菌株は、ゼラチンを
液化しない点、ミルクがアルカリ性となる以外に
変化しない点及び脱窒反応がない点から、アルカ
リゲネス属のフエカリス種に属する細菌であると
同定した。また、一般に突然変異株はその親株と
同じ種に属するものと考えられており、アルカリ
ゲネス・フエカリスD4020―K15菌株はアルカリ
ゲネス属のフエカリス種に属する細菌であると判
定した。 本発明による12β―ヒドロキシプレグナー1,
4―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデヒド
の生産は、デオキシコール酸及び/又はその塩を
基質として12β―ヒドロキシプレグナー1,4―
ジエン―3―オン―20α―カルブアルデヒドを生
産するアルカリゲネス属に属する細菌を、デオキ
シコール酸及び/又はその塩を含む培地に培養す
ることにより行なわれる。デオキシコール酸の塩
としては具体的にはデオキシコール酸のナトリウ
ム、カリウムなどのアルカリ金属の塩又はカルシ
ウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩
が挙げられる。デオキシコール酸及び/又はその
塩の濃度は通常約1〜200g/の範囲でよいが、
生産される12β―ヒドロキシプレグナー1,4―
ジエン―3―オン―20α―カルブアルデヒドの収
量、培養条件及び操作性などの経済的観点から約
10〜100g/の範囲が好ましい。培養方法は原
則的には一般微生物の好気培養で採用される方法
と同じであるが、通常は液体培地による振盪培養
法又は通気撹拌培養法が用いられる。培地は上記
のデオキシコール酸及び/又はその塩を基質とし
て12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―
3―オン―20α―カルブアルデヒドを生産するア
ルカリゲネス属に属する細菌が資化利用できる栄
養源を含有するものであればよい。炭素源として
はデオキシコール酸及び/又はその塩を単一炭素
源としてもよく、或いはデオキシコール酸及び/
又はその塩にグルコース、グリセリン、ペプト
ン、肉エキス、酵母エキスなどを併用してもよ
い。また窒素源としては、例えば硫酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム、燐酸アンモニウム、硝酸
アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムな
どの無機窒素源、又はポリペプトン、ペプトン、
肉エキスなどの有機窒素源が用いられる。また、
この他に燐酸水素2カリウム、燐酸2水素カリウ
ム、硫酸マグネシウムなどの無機塩類が添加され
る。培養条件に特徴はないが、通常25〜35℃で10
時間〜7日間振盪培養又は通気撹拌培養を行な
う。 このようにして培養液中に蓄積された12β―ヒ
ドロキシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルブアルデヒドは、基質のデオキシコー
ル酸又はその塩と比較して水に対する溶解度が著
しく小さく、通常は培養液中に析出沈澱してく
る。この12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジ
エン―3―オン―20α―カルブアルデヒドを分離
採取するには、沈澱している12β―ヒドロキシプ
レグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カル
ブアルデヒド又はこれと12α―ヒドロキシプレグ
ナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブア
ルデヒドとの混合物(以下、この混合物を12α及
びβ―ヒドロキシ混合物と称す)をデカンテーシ
ヨンにより浮遊している菌体を含む培養液から分
離するか、または浮遊している菌体が沈澱しない
ような回転数で遠心分離を行ない、析出している
12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―3
―オン―20α―カルブアルデヒド又は12α及びβ
―ヒドロキシ混合物を沈澱させたのち上記のデカ
ンテーシヨンにより12β―ヒドロキシプレグナー
1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデ
ヒド又は12α及びβ―ヒドロキシ混合物を分離す
る方法が採られる。沈澱した12β―ヒドロキシプ
レグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カル
ブアルデヒド又は12α及びβ―ヒドロキシ混合物
を除去した培養液に含まれる菌体その他の不溶成
分を濾過又は遠心分離などにより分離除去して得
られた培養濾液又は上清に、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカ
リを加えてその培養濾液又は上清をアルカリ性と
したのち、上記のアルデヒドを溶解しかつ水と相
分離する有機溶媒、例えば酢酸エチル、クロロホ
ルム、クロロホルムとメタノールの混合液などを
用いて抽出操作を行ない、得られた抽出液を集
め、これより溶媒を溜去することによつて、培養
液中に溶解している12β―ヒドロキシプレグナー
1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデ
ヒド又は12α及びβ―ヒドロキシ混合物を回収す
ることができる。この有機溶媒による抽出操作は
培養濾液又は上清についてのみでなく、培養液そ
のものについて行なうことができる。上記の方法
で得られた沈澱物又は抽出物中には12β―ヒドロ
キシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―20α
―カルブアルデヒド又はこれと12α―ヒドロキシ
プレグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カ
ルブアルデヒドが含まれている他には残存基質の
デオキシコール酸及び/又はその塩並びに副生物
はほとんど含まれておらず、例えばメタノール水
溶液からの再結晶により容易に高純度の12β―ヒ
ドロキシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルブアルデヒド又は12α及びβ―ヒドロ
キシ混合物を取得することができる。12α及びβ
―ヒドロキシ混合物からの12β―ヒドロキシプレ
グナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブ
アルデヒドと12α―ヒドロキシプレグナー1,4
―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデヒドと
の分離は、12α及びβ―ヒドロキシ混合物をシリ
カゲルカラムに吸着させ、クロロホルム―エタノ
ールの混合溶媒で溶出することにより行なう。ま
ず12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―
3―オン―20α―カルブアルデヒドが溶出し、つ
いで12α―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン
―3―オン―20α―カルブアルデヒドが溶出す
る。溶出液から減圧下に溶媒を溜去することによ
り各々のアルデヒドを取得することができる。 本発明により得られる12β―ヒドロキシプレグ
ナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブア
ルデヒドは、(方法―1)これを炭酸カリウム、
酸化バリウムなどの脱水剤の存在下にピペリジン
と反応させて12β―ヒドロキシ―22―(N―ピペ
リジン)ビスノル―1,4,20(22)―コラトリ
エン―3―オンとし、ついでこの生成物をオゾン
酸化することにより12β―ヒドロキシプレグナー
1,4―ジエン―3,20―ジオンに誘導できる。 また(方法―2)によれば、12β―ヒドロキシ
プレグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カ
ルブアルデヒドと一般式() R1COOH ……() (式中、R1はアルキル基を表わす。)で示され
るカルボン酸又はその反応性誘導体、例えば酸ハ
ライド、酸無水物などとを常法により反応させる
ことにより一般式()で示される12β―アシル
オキシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルブアルデヒドが得られる。代表的な反
応例として挙げられる12β―ヒドロキシプレグナ
ー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブアル
デヒドと一般式()で示されるカルボン酸のク
ロライドとの反応はトリエチルアミン、ピリジン
などの第3級アミンの存在下に行なわれる。この
反応は溶媒中で行なうのが好ましく、溶媒として
塩化メチレン、クロロホルム又はこれらとベンゼ
ン、トルエン、酢酸エチルなどとの混合溶媒が好
ましく用いられる。この反応は通常室温で行なう
が、必要に応じて約60℃までの加温下に行なうこ
ともできる。反応後、反応混合物を希塩酸水、重
曹水、水などで洗滌したのち乾燥し、ついでこれ
より低沸点物を留去することにより一般式()
で示される12β―アシルオキシプレグナー1,4
―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデヒドの
粗生成物を得る。この粗生成物をそのまま次の反
応に用いることができる。一般式()で示され
る12β―アシルオキシプレグナー1,4―ジエン
―3―オン―20α―カルブアルデヒドとピペリジ
ン、ピロリジン、モルホリンなどの第2級アミン
とを反応させることにより一般式()で示され
るエナミンが生成する。第2級アミンは一般式
()で示される12β―アシルオキシプレグナー
1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデ
ヒドに対して等モル〜2倍モル量用いる。反応中
に副生する水を、ベンゼン、トルエンなどの水と
共沸する溶媒を用いて加熱還流下に反応系から除
去する。この反応は特に触媒を要しないが、p―
トルエンスルホン酸などの触媒の存在下に反応を
行なうこともできる。反応後、反応混合物から減
圧下に低沸点物を留去することにより、一般式
()で示されるエナミンの粗生成物が得られる。
この粗生成物をそのまま次の反応に用いることが
できる。一般式()で示されるエナミンをオゾ
ン酸化又は無水クロム酸、ピリジニウムクロルク
ロメート、重クロム酸ナトリウムなどを用いて酸
化することにより、一般式()で示される12β
―アシルオキシプレグナー1,4―ジエン―3,
20―ジオンを得ることができる。なお、無水クロ
ム酸を用いる酸化反応は通常ピリジン溶媒中で行
なう。この場合、一般式()で示されるエナミ
ンを溶解させたピリジン溶液に無水クロム酸とピ
リジンの混合液を徐徐に加えるか、又は無水クロ
ム酸とピリジンの混合液に一般式()で示され
るエナミンを溶解させたピリジン溶液を徐々に加
えることにより反応を行なう。この酸化反応は氷
冷下ないしは室温下に行なわれる。反応後、反応
混合物をベンゼン、トルエンなどで希釈し、これ
より固形物を濾過により除去したのち、濾液に希
塩酸水を加え、ついでベンゼン、トルエンなどで
抽出し、抽出液から低沸点物を留去することによ
り、一般式()で示される12β―アシルオキシ
プレグナー1,4―ジエン―3,20―ジオンの粗
生成物が得られる。この粗生成物を必要に応じて
シリカゲルカラムクロマトグラフイーにより精製
するか、再結晶法により精製することにより高純
度の一般式()で示される12β―アシルオキシ
プレグナー1,4―ジエン―3,20―ジオンを得
ることができる。一般式()で示される12β―
アシルオキシプレグナー1,4―ジエン―3,20
―ジオンを通常の加水分解反応に付することによ
り12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―
3,20―ジオンが得られる。例えば、この加水分
解反応はメタノール、エタノールなどの溶媒中で
水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの存在
下、室温ないし溶媒の還流温度で行なわれる。反
応後、反応混合物を減圧下に濃縮し、ついでベン
ゼン、トルエンなどで希釈し、水、希塩酸水など
で洗滌し、乾燥したのち、これより低沸点物を留
去することにより12β―ヒドロキシプレグナー
1,4―ジエン―3,20―ジオンの粗生成物が得
られる。この粗生成物は例えば酢酸エチルなどか
ら再結晶することにより精製することができる。 12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―
3,20―ジオンは例えば次の方法によりプレドニ
ゾンに誘導できる。 (上記式中、Meはメチル基を表わし、Acはア
セチル基を表わす。) すなわち、12β―ヒドロキシプレグナー1,4
―ジエン―3,20―ジオンを三酸化クロムで酸化
し、さらにその酸化生成物を水酸化カリウムの存
在下に二酸化セレンで酸化することによりプレグ
ナー1,4,9(11)―トリエン―3,12,20―トリ
オンを得る。このプレグナー1,4,9(11)―トリ
エン―3,12,20―トリオンを白金の存在下に水
素添加することにより12α―ヒドロキシプレグナ
ー1,4,9(11)―トリエン―3,20―ジオンと
し、ついでこの生成物に酸性条件下でメタノール
を作用させて12α―メトキシプレグナー1,4,
9(11)―トリエン―3,20―ジオンを得、この生成
物に塩化水素を作用させることにより12―クロロ
プレグナー1,4,9(11)―トリエン―3,20―ジ
オンを得る。この12―クロロプレグナー1,4,
9(11)―トリエン―3,20―ジオンを炭酸水素ナト
リウムで処理することによりプレグナー1,4,
11―トリエン―3,20―ジオンを得、この生成物
に臭素を作用させて11,12―ジブロモプレグナー
1,4―ジエン―3,20―ジオンとし、ついでこ
れをクロム酸銀及び三酸化クロムの存在下に加水
分解することにより12―ブロモプレグナー1,4
―ジエン―3,11,20―トリオンを得、この生成
物に金属亜鉛を作用させてプレグナー1,4―ジ
エン―3,11,20―トリオンとする。このプレグ
ナー1,4―ジエン―3,11,20―トリオンを無
水酢酸で処理することにより20―アセトキシ―
1,4,17(20)―トリエン―3,11―ジオンを
得る。この生成物に過テレフタル酸を作用させる
ことにより20―アセトキシ―17α,20α―エポキ
シプレグナー1,4―ジエン―3,11―ジオンと
し、これを加水分解して17α―ヒドロキシプレグ
ナー1,4―ジエン―3,11,20―トリオンを
得、ついでこの生成物にヨードを作用させて17α
―ヒドロキシ―21―インドプレグナー1,4―ジ
エン―3,11,20―トリオンを得る。この17α―
ヒドロキシ―21―インドプレグナー1,4―ジエ
ン―3,11,20―トリオンをアセトン中で酢酸カ
リウムで処理することにより21―アセトキシ―プ
レドニゾンとし、これを加水分解することにより
プレドニゾンを得ることができる。 また12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエ
ン―3,20―ジオンは次の方法により公知化合物
であるプレグナー1,4,11(12)―トリエン―3,
20―ジオンを経由してプレドニゾン、さらにはプ
レドニゾロンに誘導できる。 (上記式中、R2はアルキル基を表わす。) すなわち、12β―ヒドロキシプレグナー1,4
―ジエン―3,20―ジオンを通常のスルホネート
化反応に付することにより、一般式()で示さ
れるスルホネートが得られる。例えば、このスル
ホネート化反応は、12β―ヒドロキシプレグナー
1,4―ジエン―3,20―ジオンをピリジン、ピ
コリン又はこれらとベンゼン、トルエンなどとの
混合溶媒に溶解し、この溶液に一般式() R2SO2Cl ……() (式中、R2はアルキル基を表わす。)で示され
るスルホン酸クロライドを該12β―ヒドロキシプ
レグナー1,4―ジエン―3,20―ジオンに対し
等モル〜2倍モル量を加え、室温ないしは必要に
応じて約80℃までの加温下に行なわれる。反応
後、反応混合物を希塩酸水などにあけ、ベンゼン
などで抽出し、抽出液を希塩酸水、重曹水、水な
どで洗滌し、乾燥したのち、これより低沸点物を
留去することにより一般式()で示されるスル
ホネートの粗生成物が得られる。この粗生成物を
例えば酢酸エチルなどから再結晶することにより
高純度の一般式()で示されるスルホネートを
得ることができる。一般式()で示されるスル
ホネートは、これを脱スルホン酸反応に付するこ
とにより、公知化合物であるプレグナー1,4,
11(12)―トリエン―3,20―ジオンに誘導される。
この脱スルホン酸反応は通常、酢酸カリウム、塩
化リリウム、コリジン、ボタシウムt―ブトキサ
イドなどの反応助剤(スルホン酸を捕捉すること
ができる化合物)の存在下に行なわれる。反応助
剤の使用量は一般式()で示されるスルホネー
トに対して等モル〜20倍モル量である。この反応
はヘキサメチルホスホルトリアミド、N,N―ジ
メチルホルムアミドなどの溶媒中で行なうのが好
ましく、通常約80〜140℃の温度下に加熱して行
なわれる。プレグナー1,4,11(12)―トリエン―
3,20―ジオンは常法によりプレドニゾン、さら
にはプレドニゾロンに誘導される。 以下、実施例及び参考例によつて本発明をさら
に詳細に説明する。 参考例 アルカリゲネス・フエカリスD4020―K15菌株
の取得方法 培地1(組成:デオキシコール酸0.5%、水酸化
ナトリウム0.05%、ペプトン0.5%、酵母エキス
0.5%、塩化ナトリウム0.5%及び寒天1.5%)のス
ラントに生育させたアルカリゲネス・フエカリス
D4020菌株の一白金耳を、予め試験管内に準備し
た培地2(組成:デオキシコール酸2%、水酸化
ナトリウム0.2%、硝酸アンモニウム0.2%、燐酸
2水素カリウム0.1%、燐酸水素2カリウム0.6
%、硫酸マグネシウム・7水和物0.02%及び酵母
エキス0.02%)の10mlに植菌し、30℃で8〜10時
間振盪培養した。この培養液の0.3mlを予め試験
管に準備した培地3(組成:デオキシコール酸0.5
%、水酸化ナトリウム0.05%、グルコース0.1%、
硝酸アンモニウム0.2%、燐酸2水素カリウム0.1
%、燐酸水素2カリウム0.6%、硫酸マグネシウ
ム・7水和物0.02%及び酵母エキス0.02%)の10
mlに加え、30℃で10〜15時間培養した。ついで、
この対数増殖期にある菌体を0.45μのメンブレン
フイルターで無菌的に濾過集菌し、0.1M燐酸塩
緩衝液(PH:7.0)20mlで洗滌後、同じ緩衝液25
mlに懸濁させた。これに終濃度が20μg/mlにな
るようにN―メチル―N′―ニトロ―N―ニトロ
ソグアニジンを添加し、30℃で10〜15分間振盪す
ることにより突然変異処理を行なつた。突然変異
処理を施した菌体を0.45μのメンブレンフイルタ
ーで濾過集菌し、0.1M燐酸塩緩衝液(PH:7.0)
20mlで洗滌後、同じ緩衝液20mlに懸濁した。得ら
れた菌懸濁液を滅菌生理食塩水で希釈し、それを
培地4(組成:デオキシコール酸0.5%、水酸化ナ
トリウム0.05%、硝酸アンモニウム0.2%、燐酸
2水素カリウム0.1%、燐酸水素2カリウム0.6
%、硫酸マグネシウム・7水和物0.02%、酵母エ
キス0.02%及び寒天1.5%)の寒天平板上に500〜
1000個のコロニーを出現させるように塗布したの
ち、30℃で3〜4日間培養した。出現したコロニ
ー中の極小コロニーを培地1のスラントに単離し
たのち、その一白金耳を予め試験管に準備した培
地5(組成:デオキシコール酸0.2%、水酸化ナト
リウム0.02%、グルコース0.1%、硝酸アンモニ
ウム0.2%、燐酸2水素カリウム0.1%、燐酸水素
2カリウム0.6%、硫酸マグネシウム・7水和物
0.02%及び酵母エキス0.02%)の10mlに植菌し、
30℃で24時間振盪培養した。得られたそれぞれの
培養液中の生成物を薄層クロマトグラフイーによ
り検定し、上記の培養条件下で12α―ヒドロキシ
プレグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カ
ルブアルデヒドを選択的に蓄積している一菌株を
見い出し、これをアルカリゲネス・フエカリス
D4020―K15と命名した。 実施例 1 アルカリゲネス・フエカリスD4020―K15菌株
(微工研条寄第204号)を次に示す方法で培養し
た。デオキシコール酸1.0g、グルコース0.1g、
硝酸アンモニウム0.2g、燐酸2水素カリウム
0.12g、燐酸水素2カリウム0.61g、硫酸マグネ
シウム・7水和物0.02g、酵母エキス0.02g及び
水酸化ナトリウム0.1gに水道水を加えて容量を
100ml(PH:8.4)に調整し、これを培地とした。
この培地を大型試験管10本に10ml宛分注し、120
℃で15分間、蒸気殺菌を行なつた。予め上記の培
地と同じ培地で試験管振盪機にて1日間増殖させ
た種菌の0.5mlの上記の大型試験管に添加し、30
℃で2日間振盪培養した。培養後、この培養液を
集め、遠心分離機で培養中に生じた沈澱物と菌体
とからなる混合物を培養液上清と分離した。この
混合物に1規定の水酸化ナトリウム水溶液を加え
ることにより、この溶液のPHを9に調整し、つい
でこの溶液を酢酸エチル200mlで抽出した。一方、
培養液上清に1規定の水酸化ナトリウム水溶液を
加え、この溶液のPHを9に調整したのち、この溶
液を酢酸エチル200mlで抽出した。この抽出液と
上記で得られた抽出液との混合液を無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、ロータリー・エバポレーターで
酢酸エチルを溜去することにより、12β―ヒドロ
キシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―20α
―カルブアルデヒドと12α―ヒドロキシプレグナ
ー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブアル
デヒドの混合物を750mg得た。 得られた混合物の一部を取り、これにメタノー
ルを加えて1%溶液とし、この溶液25μlをミクロ
ボンダパツクC―18カラムを備えた高速液体クロ
マトグラフイー(米国ウオーターズ社製、HLC
―GPC―244型)に注入した。移動相としてPH4.0
に調整した水/メタノールの25/75容量比の混合
液を流速1ml/分で流し、検出を屈折率方式で行
なつた。得られた液体クロマトグラフにおける各
ピークの面積比を積分計(島津製作所製、島津ク
ロマトパツクC―R1A)で求めたところ、12β―
ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―3―オン
―20α―カルブアルデヒド及び12α―ヒドロキシ
プレグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カ
ルブアルデヒドの占める面積比の合計は全体の95
%であつた。また、上記の混合物中の12β―ヒド
ロキシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルブアルデヒド/12α―ヒドロキシプレ
グナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブ
アルデヒドの比率は1/8であつた。 上記で得られた混合物から12β―ヒドロキシプ
レグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カル
ブアルデヒド及び12α―ヒドロキシプレグナー
1,4―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデ
ヒドの分離を次に示す方法で行なつた。まず、内
径2.6cm、長さ70cmのカラムチユーブに、クロロ
ホルム約200mlにシリカゲル約100gを懸濁させた
ものを担体として詰めた。一方、上記で得られた
混合物1.2gをクロロホルム約20mlに溶解させ、
不溶物を除去した。このクロロホルム溶液を約5
mlに濃縮したのち上記のシリカゲルカラムに吸着
させ、このカラムにクロロホルム、クロロホル
ム/エタノールの99/1容量比の混合液及びクロ
ロホルム/エタノールの97/3容量比の混合物を
この順序で流し、溶出を行なつた。クロロホル
ム/エタノールの99/1容量比の混合物を流し始
めてから約250ml〜280mlの画分に12β―ヒドロキ
シプレグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―
カルブアルデヒドが溶出され、ついで約450ml〜
510mlの画分に12α―ヒドロキシプレグナー1,
4―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデヒド
が溶出された。この2つのアルデヒドの判別は、
薄層プレート(米国メルク社製、シリカゲル60、
F―254)及びイソオクタン/酢酸エチル/酢酸
の10/10/2容量比の混合液からなる展開溶媒を
用いる薄層クロマトグラフイーにおいてRf値0.4
付近に12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエ
ン―3―オン―20α―カルブアルデヒドのスポツ
トが現われ、Rf値0.34付近に12α―ヒドロキシプ
レグナー1,4―ジエン―3―オン―20α―カル
ブアルデヒドのスポツトが現われることを利用し
て行なつた。このようにして得られた各々の溶出
液からロータリー・エバポレーターを用いてクロ
ロホルム及びエタノールを溜去し、その残渣をジ
エチルエーテルで洗滌し、乾燥することにより
12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―3
―オン―20α―カルブアルデヒドを約80mg、12α
―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―3―オ
ン―20α―カルブアルデヒドを約360mg得た。 12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―
3―オン―20α―カルブアルデヒド及び12α―ヒ
ドロキシプレグナー1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルブアルデヒドの確認を下記の方法で行
なつた。 12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン―
3―オン―20α―カルブアルデヒド 融点:157〜160℃ マススペクトルm/Z:342〔M〕+
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン
―3―オン―20α―カルブアルデヒド。 2 デオキシコール酸及び/又はその塩を基質と
して12β―ヒドロキシプレグナー1,4―ジエン
―3―オン―20α―カルブアルデヒドを生産する
アルカリゲネス属に属する細菌を、デオキシコー
ル酸及び/又はその塩を含む培地に培養すること
を特徴とする12β―ヒドロキシプレグナー1,4
―ジエン―3―オン―20α―カルブアルデヒドの
製造法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8704782A JPS58204000A (ja) | 1982-05-21 | 1982-05-21 | 12β−ヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3−オン−20α−カルブアルデヒド及びその製造法 |
| DE8383101884T DE3360856D1 (en) | 1982-02-26 | 1983-02-25 | Pregnane derivatives and method of producing the same |
| EP83101884A EP0087787B1 (en) | 1982-02-26 | 1983-02-25 | Pregnane derivatives and method of producing the same |
| US06/911,970 US4867914A (en) | 1982-02-26 | 1986-09-26 | Pregnane derivatives and method of producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8704782A JPS58204000A (ja) | 1982-05-21 | 1982-05-21 | 12β−ヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3−オン−20α−カルブアルデヒド及びその製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58204000A JPS58204000A (ja) | 1983-11-28 |
| JPH0158199B2 true JPH0158199B2 (ja) | 1989-12-11 |
Family
ID=13904022
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8704782A Granted JPS58204000A (ja) | 1982-02-26 | 1982-05-21 | 12β−ヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3−オン−20α−カルブアルデヒド及びその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58204000A (ja) |
-
1982
- 1982-05-21 JP JP8704782A patent/JPS58204000A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58204000A (ja) | 1983-11-28 |
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