JPH0420600B2 - - Google Patents
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- JPH0420600B2 JPH0420600B2 JP57190571A JP19057182A JPH0420600B2 JP H0420600 B2 JPH0420600 B2 JP H0420600B2 JP 57190571 A JP57190571 A JP 57190571A JP 19057182 A JP19057182 A JP 19057182A JP H0420600 B2 JPH0420600 B2 JP H0420600B2
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Description
本発明はデオキシコール酸及び/又はその塩か
ら微生物により12β−ヒドロキシアンドロスター
1,4−ジエン−3,17−ジオンを製造する方法
に関し、詳しくはシユードモナス・プチダD4014
(Pseudomonas putida D4014)菌株(微工研条
寄第205号)を、デオキシコール酸及び/又はそ
の塩を含む培地に培養して12β−ヒドロキシアン
ドロスター1,4−ジエン−3,17−ジオンを生
成せしめ、これを採取することを特徴とする12β
−ヒドロキシアンドロスター1,4−ジエン−
3,17−ジオンの製造方法に関する。 従来、デオキシコール酸に微生物を作用させて
12β−ヒドロキシアンドロスター1,4−ジエン
−3,17−ジオン(以下、12β−ヒドロキシADD
と称す)を得る方法として次に示す報告が見られ
る。まずバルネス(P.J.Barnes)らによつて、シ
ユードモナス・エスピーNCIB10590
(Pseudomonas sp.NCIB10590)菌株を用いる方
法が報告されている〔J.Chem.Soc.Chem.
Commun、(1974年)、115〜116頁及び
Tetrahedron、32巻、89〜93頁(1976年)参照〕。
この方法は、デオキシコール酸ナトリウムを0.1
%含む無機塩培地10でシユードモナス・エスピ
ーNCIB10590菌株を14時間好気的に培養し、デ
オキシコール酸ナトリウム10gから12β−ヒドロ
キシADD960mg及び12α−ヒドロキシプレグナ−
1,4−ジエン−3−オン−20α−カルボン酸
657mgを主生産物として得、さらに12α−ヒドロ
キシアンドロスター1,4−ジエン−3,17−ジ
オン、12β−ヒドロキシ−4−アンドロステン−
3,17−ジオン及び12ξ、17ξ−ジヒドロキシ−
4−アンドロステン−3−オンを微量成分として
得るものである。この方法は12β−ヒドロキシ
ADDの収率が10%未満と低い点、12β−ヒドロキ
シプレグナ−1,4−ジエン−3−オン−20α−
カルボン酸が12β−ヒドロキシADDの収量の約2/
3程副生し12β−ヒドロキシADDへの選択率が低
い点、及び基質であるデオキシコール酸の濃度が
0.1%と低い点で実用的ではない。なお、この方
法で使用されているシユードモナス・エスピー
NCIB10590菌株については、この菌株が動物糞
便から採取されたシユードモナス属に属する細菌
であること以外には全く報告されていない。また
レピツク(R.A.Leppik)によつてシユードモナ
ス・エスピーMR108(Pseudomonas sp.MR108)
菌株を用いる方法が報告されている
〔Tetrahedron.37巻、1747〜1751頁(1981年)参
照〕。この方法は、デオキシコール酸を0.2%含む
無機塩培地15でシユードモナス・エスピ−
MR108菌株を好気的に培養し、デオキシコール
酸30gから12β−ヒドロキシADD270mg、12α−
ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,
17−ジオン146mg、3,12β−ジヒドロキシ−9,
10−セコアンドロスタ一1,3,5,(10)−トリエ
ン−9,17−ジオン29mg及び3aα−H−4α−
〔3′−プロピオン酸〕−5α−ヒドロキシ−7aβ−メ
チル−ヘキサヒドロ−1−インダノン−δ−ラク
トン34mgを得るものである。この方法は12β−ヒ
ドロキシADDの収率が1%未満と極めて低い点
及び基質であるデオキシコール酸の濃度が0.2%
と低い点で工業的には採用し得ない。なお、この
方法で使用されているシユードモナス・エスピー
MR108菌株についても、この菌株が土壌から採
取されたシユードモナス属に属する細菌であるこ
と以外には全く報告されていない。さらに、テネ
ソン(M.E.Tenneson)らによる、嫌気性大腸菌
を用いてデオキシコール酸から12β−ヒドロキシ
ADD及び12α−ヒドロキシプレグナ−1,4−ジ
エン−3−オン−20α−カルボン酸を得る方法
〔Biochem.Soc.Trans.、5巻、1758〜1760頁
(1977年)参照〕;オーエン(R.W.Owen)らによ
る、バクテロイデス・フラギリスXF23
(Bacteroides fragilis XF23)菌株又はバクテロ
イデス・フラギリス・サブスピーシーズ・セタイ
オタオミフロンE59(Bacteroides fragilis subsp.
thetaiotaomicron E59)菌株を用いてデオキシ
コール酸から12β−ヒドロキシADD、12α−ヒド
ロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−
ジオン、12β−ヒドロキシ−4−アンドロステン
−3,17−ジオン及び12α−ヒドロキシプレグナ
−1,4−ジエン−3−オン−20α−カルボン酸
を得る方法〔Biochem.Soc.Trans.、5巻、1711
〜1713頁(1977年)参照〕が知られているが、こ
れらの方法はいずれも嫌気性菌を用いており、用
いる基質が低濃度となること、培養に長期間を要
すること、目的物の収率が低いことなど工業的に
発酵生産するに当り種々の問題点を有する。 本発明者らはデオキシコール酸及び/又はその
塩を基質として12β−ヒドロキシADDを生産する
微生物の探索を長期間行なつた結果、シユードモ
ナス・プチダに属する特定の細菌がデオキシコー
ル酸及び/又はその塩を基質として12β−ヒドロ
キシADDを高選択率、好収率で生産することを
見出し、本発明を完成するに至つた。 本発明者らが得た上記のシユードモナス・プチ
ダに属する細菌としては、土壌中より採取したシ
ユードモナス・プチダD4014(Pseudomonas
putida D4014)菌株(微工研条寄第205号)があ
る。 本発明者らが得たシユードモナス・プチダ
D4014菌株の菌学的性質を列挙すると次表のとお
りである。
ら微生物により12β−ヒドロキシアンドロスター
1,4−ジエン−3,17−ジオンを製造する方法
に関し、詳しくはシユードモナス・プチダD4014
(Pseudomonas putida D4014)菌株(微工研条
寄第205号)を、デオキシコール酸及び/又はそ
の塩を含む培地に培養して12β−ヒドロキシアン
ドロスター1,4−ジエン−3,17−ジオンを生
成せしめ、これを採取することを特徴とする12β
−ヒドロキシアンドロスター1,4−ジエン−
3,17−ジオンの製造方法に関する。 従来、デオキシコール酸に微生物を作用させて
12β−ヒドロキシアンドロスター1,4−ジエン
−3,17−ジオン(以下、12β−ヒドロキシADD
と称す)を得る方法として次に示す報告が見られ
る。まずバルネス(P.J.Barnes)らによつて、シ
ユードモナス・エスピーNCIB10590
(Pseudomonas sp.NCIB10590)菌株を用いる方
法が報告されている〔J.Chem.Soc.Chem.
Commun、(1974年)、115〜116頁及び
Tetrahedron、32巻、89〜93頁(1976年)参照〕。
この方法は、デオキシコール酸ナトリウムを0.1
%含む無機塩培地10でシユードモナス・エスピ
ーNCIB10590菌株を14時間好気的に培養し、デ
オキシコール酸ナトリウム10gから12β−ヒドロ
キシADD960mg及び12α−ヒドロキシプレグナ−
1,4−ジエン−3−オン−20α−カルボン酸
657mgを主生産物として得、さらに12α−ヒドロ
キシアンドロスター1,4−ジエン−3,17−ジ
オン、12β−ヒドロキシ−4−アンドロステン−
3,17−ジオン及び12ξ、17ξ−ジヒドロキシ−
4−アンドロステン−3−オンを微量成分として
得るものである。この方法は12β−ヒドロキシ
ADDの収率が10%未満と低い点、12β−ヒドロキ
シプレグナ−1,4−ジエン−3−オン−20α−
カルボン酸が12β−ヒドロキシADDの収量の約2/
3程副生し12β−ヒドロキシADDへの選択率が低
い点、及び基質であるデオキシコール酸の濃度が
0.1%と低い点で実用的ではない。なお、この方
法で使用されているシユードモナス・エスピー
NCIB10590菌株については、この菌株が動物糞
便から採取されたシユードモナス属に属する細菌
であること以外には全く報告されていない。また
レピツク(R.A.Leppik)によつてシユードモナ
ス・エスピーMR108(Pseudomonas sp.MR108)
菌株を用いる方法が報告されている
〔Tetrahedron.37巻、1747〜1751頁(1981年)参
照〕。この方法は、デオキシコール酸を0.2%含む
無機塩培地15でシユードモナス・エスピ−
MR108菌株を好気的に培養し、デオキシコール
酸30gから12β−ヒドロキシADD270mg、12α−
ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,
17−ジオン146mg、3,12β−ジヒドロキシ−9,
10−セコアンドロスタ一1,3,5,(10)−トリエ
ン−9,17−ジオン29mg及び3aα−H−4α−
〔3′−プロピオン酸〕−5α−ヒドロキシ−7aβ−メ
チル−ヘキサヒドロ−1−インダノン−δ−ラク
トン34mgを得るものである。この方法は12β−ヒ
ドロキシADDの収率が1%未満と極めて低い点
及び基質であるデオキシコール酸の濃度が0.2%
と低い点で工業的には採用し得ない。なお、この
方法で使用されているシユードモナス・エスピー
MR108菌株についても、この菌株が土壌から採
取されたシユードモナス属に属する細菌であるこ
と以外には全く報告されていない。さらに、テネ
ソン(M.E.Tenneson)らによる、嫌気性大腸菌
を用いてデオキシコール酸から12β−ヒドロキシ
ADD及び12α−ヒドロキシプレグナ−1,4−ジ
エン−3−オン−20α−カルボン酸を得る方法
〔Biochem.Soc.Trans.、5巻、1758〜1760頁
(1977年)参照〕;オーエン(R.W.Owen)らによ
る、バクテロイデス・フラギリスXF23
(Bacteroides fragilis XF23)菌株又はバクテロ
イデス・フラギリス・サブスピーシーズ・セタイ
オタオミフロンE59(Bacteroides fragilis subsp.
thetaiotaomicron E59)菌株を用いてデオキシ
コール酸から12β−ヒドロキシADD、12α−ヒド
ロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−
ジオン、12β−ヒドロキシ−4−アンドロステン
−3,17−ジオン及び12α−ヒドロキシプレグナ
−1,4−ジエン−3−オン−20α−カルボン酸
を得る方法〔Biochem.Soc.Trans.、5巻、1711
〜1713頁(1977年)参照〕が知られているが、こ
れらの方法はいずれも嫌気性菌を用いており、用
いる基質が低濃度となること、培養に長期間を要
すること、目的物の収率が低いことなど工業的に
発酵生産するに当り種々の問題点を有する。 本発明者らはデオキシコール酸及び/又はその
塩を基質として12β−ヒドロキシADDを生産する
微生物の探索を長期間行なつた結果、シユードモ
ナス・プチダに属する特定の細菌がデオキシコー
ル酸及び/又はその塩を基質として12β−ヒドロ
キシADDを高選択率、好収率で生産することを
見出し、本発明を完成するに至つた。 本発明者らが得た上記のシユードモナス・プチ
ダに属する細菌としては、土壌中より採取したシ
ユードモナス・プチダD4014(Pseudomonas
putida D4014)菌株(微工研条寄第205号)があ
る。 本発明者らが得たシユードモナス・プチダ
D4014菌株の菌学的性質を列挙すると次表のとお
りである。
【表】
【表】
【表】
上記の表に示した菌学的性質に基づき、シユー
ドモナス・プチダD4014菌株の同定を行なつた。
シユードモナス・プチダD4014菌株は、桿菌であ
ること、極鞭毛を有していること、グラム染色が
陰性であることなどの顕微鏡的所見並びにオキシ
ダーゼ反応及びカラターゼ反応がともに陽性であ
ること、好気性であると、O−Fテストの結果が
酸化的(Oxidative)であることなどの生理学的
性質からバージエイズ・マニユアル・オブ・デイ
ターミネイテイブ・バクテリオロジ−第7版及び
第8版に基づき、シユードモナス属に属する細菌
であると同定した。さらにシユードモナス・プチ
ダD4014菌株は、培養液が蛍光色を帯びる点、ゼ
ラチンを液化しない点、37℃で生育する点、アル
ギニン・ジヒドロラーゼを生成する点などからシ
ユードモナス属のプチダ種に属する細菌であると
同定した。 本発明の方法による12β−ヒドロキシADDの生
産は、シユードモナス・プチダD4014
(Pseudomonas putida D4014)菌株(微工研条
寄第205号)を、デオキシコール酸及び/又はそ
の塩を含む培地に培養することにより行なわれ
る。デオキシコール酸の塩としては具体的にはデ
オキシコール酸のナトリウム、カリウムなどのア
ルカリ金属の塩が挙げられる。デオキシコール酸
及び/又はその塩の濃度は通常約1〜100g/
の範囲でよいが、生産される12β−ヒドロキシ
ADDの収量、培養条件及び操作性などの経済的
観点から約2〜50g/の範囲が好ましい。培養
方法は原則的には一般微生物の好気培養で採用さ
れる方法と同じであるが、通常は液体培地による
振盪培養法又は通気撹拌培養法が用いられる。培
地は上記のシユードモナス・プチダD4014
(Pseudomonas putida D4014)菌株(微工研条
寄第205号)が資化利用できる栄養源を含有する
ものであればよい。炭素源としてはデオキシコー
ル酸及び/又はその塩を単一炭素源としてもよい
が好ましくはデオキシコール酸及び/又はその塩
にグルコース、グリセリン、ペプトン、肉エキ
ス、麦芽エキス、酵母エキスなどを併用するのが
よい。また窒素源としては、例えば硫酸アンモニ
ウム、塩化アンモニウム、燐酸アンモニウム、硝
酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム
などの無機窒素源、又はポリペプトン、ペプト
ン、肉エキスなどの有機窒素源が用いられる。ま
た、この他に燐酸水素2カリウム、燐酸2水素カ
リウム、硫酸マグネシウムなどの無機塩類が添加
される。培養条件に特徴はないが、通常25〜35℃
で10時間〜7日間振盪培養又は通気撹拌培養を行
なう。 このようにして培養液中に蓄積された12β−ヒ
ドロキシADDを分離、採取するには、培養液を
アルカリ性にしたのち、12β−ヒロドキシADDを
溶解しかつ水と相分離する有機溶媒、例えば酢酸
エチル、クロロホルム、クロロホルムとメタノー
ルの混合液などを用いて抽出する方法が採られ
る。この有機溶媒による抽出は、菌体を含んだ状
態の培養液について行なつてもよいし、予め培養
液中の菌体その他の不溶成分を濾過又は遠心分離
などにより分離除去し、得られた培養濾液又は上
清について行なつてもよい。後者の抽出方法を採
る場合には、必要に応じて濾過又は遠心分離など
によつて分離除去される不溶成分について上記の
有機溶媒による抽出操作を行なうことにより、培
養液中に析出又は沈澱している12β−ヒドロキシ
ADDを回収することができる。このようにして
得られた抽出液を集め、これより溶媒を溜去する
ことによつて目的とする12β−ヒドロキシADDを
ほぼ全量回収することができる。得られた抽出物
中には12β−ヒドロキシADDの他に残存基質のデ
オキシコール及び/又はその塩並びに副生物がほ
とんど含まれておらず、例えば酢酸エチル、ジク
ロルメタン/メタノールなどから再結晶すること
により高純度の12β−ヒドロキシADDを取得する
ことができる。 本発明の方法により得られる12β−ヒドロキシ
ADDは、そのA環を部分水添し12位のヒドロキ
シ基を化学的に除去することによつて利尿剤とし
て有用なスピロノラクトンなどのステロイドの合
成原料となる4−アンドロステン−3,17−ジオ
ンに誘導することができる。例えば、12β−ヒド
ロキシADDをトリス(トリフエニルホスフイン)
クロロロジウムを用いて部分水添することにより
12β−ヒドロキシ−4−アンドロステン−3,17
−ジオンを得〔C.Djerassi and J.Gutzwiller、J.
Am.Chem.Soc.、88巻.4538〜4539頁(1966年)
参照〕、この12β−ヒドロキシ−4−アンドロス
テン−3,17−ジオンを2−メチル−2−エチル
−1,3−ジオキソランと反応させることにより
3位と17位のケト基が保護された12β−ヒドロキ
シ−5−アンドロステン−3,17−ジオン−3,
17−ビス(エチレンアセタール)を得る〔G.
Rosenkranz et al.、J.Am.Chem.Soc.、76巻.
5024〜5026頁(1954年)参照〕。このアセタール
をp−トルエンスルホニルクロリドで処理して12
位のヒドロキシル基をトシル化し、ついで水素化
オリエチルホウ素リチウムで還元しその12位のト
シルオキシ基を脱離するか、又はトシル化後、ヨ
ウ化ナトリウムを作用させてトシルオキシ基をヨ
ウ素で置換し、ついで金属亜鉛で接触還元したの
ち、鉱酸/アセトン処理して3位と17位の保護基
を脱離させることにより4−アンドロステン−
3,17−ジオンとすることができる。 以下実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
する。 実施例 1 シユードモナス・プチダD4014菌株(微工研菌
寄第6325号)を次に示す方法で培養した。デオキ
シコール酸1.0g、グルコース0.1g、硝酸アンモ
ニウム0.2g、燐酸2水素カリウム0.1g、燐酸水
素2カリウム0.6g、硫酸マグネシウム・7水和
物0.02g及び酵母エキス0.05gを50mlの水道水に
加え、この水溶液に2規定の水酸化ナトリウム水
溶液を加えることにより、この水溶液のPHを8.5
に調整したのち、さらに水道水を加えて容量を
100mlとし、これを培地とした。この培地を500ml
容坂口フラスコに入れ、120℃で15分間、蒸気殺
菌を行なつた。予め上記の培地と同じ培地で試験
管振盪機にて15時間増殖させた種菌の4mlを上記
の500ml容坂口フラスコに添加し、30℃で48時間
振盪培養した。 得られた培養液の5μを薄層プレート上にス
ポツトし、イソオクタンと酢酸エチルと酢酸とか
らなる展開溶剤(組成比5:5:1)を用いて8
cm展開し、乾燥後、硫酸とエタノールとからなる
発色試薬液(組成比1:1)を噴霧し、120〜130
℃で5〜10分間加熱したところ、Rf値が0.24の位
置に橙色のスポツトが鮮明に見られたのみで、他
の位置にはスポツトは認められなかつた。このこ
とより、培養液中には唯一の発酵生産物が蓄積し
ているものと判定した。 上記の培養により得られた培養液に1規定の水
酸化ナトリウム水溶液を加えることにより、この
培養液のPHを12附近に調整した。ついで、培養液
を酢酸エチル300mlで抽出し、抽出液から酢酸エ
チルをロータリー・エバポレーターで溜去するこ
とにより発酵生産物を322mg得た。この発酵生産
物を下記の方法により12β−ヒドロキシADDであ
ると同定した。 マススペクトルm/z:300〔M〕+・ 282〔M−H2O〕+・ またm/z=121及び122より3−ケト−1,4
−ジエンの存在が確認された。 NMRスペクトル(90MHz)δCDCl3 HMS: 0.96(3H、s)18−CH3 1.21(3H、s)19−CH3 3.72(1H、dd、J=5Hz及び10Hz)12α−H 6.06(1H、s)4−H 6.20(1H、d、J=10Hz)2−H 6.98(1H、d、J=10Hz)1−H 得られた12β−ヒドロキシADDの一部を取り、
これにメタノールを加えて2%溶液とし、この溶
液25μをミクロボンダパツクC−18カラムを備
えた高速液体クロマトグラフイー(米国ウオータ
ーズ社製、HLC−GPC−244型)に注入した。移
動相としてPH4.0に調整した水/メタノールの
30/70容量比の混合液を流速1ml/分で流し、検
出を屈折率方式で行なつた。得られた液体クロマ
トグラムにおける各ピークの面積比を積分計(島
津製作所製、島津クロマトパツクC−R1A)で
求め、この面積比から上記の12β−ヒドロキシ
ADDの純度を求めたところ、94.9%であつた。
ドモナス・プチダD4014菌株の同定を行なつた。
シユードモナス・プチダD4014菌株は、桿菌であ
ること、極鞭毛を有していること、グラム染色が
陰性であることなどの顕微鏡的所見並びにオキシ
ダーゼ反応及びカラターゼ反応がともに陽性であ
ること、好気性であると、O−Fテストの結果が
酸化的(Oxidative)であることなどの生理学的
性質からバージエイズ・マニユアル・オブ・デイ
ターミネイテイブ・バクテリオロジ−第7版及び
第8版に基づき、シユードモナス属に属する細菌
であると同定した。さらにシユードモナス・プチ
ダD4014菌株は、培養液が蛍光色を帯びる点、ゼ
ラチンを液化しない点、37℃で生育する点、アル
ギニン・ジヒドロラーゼを生成する点などからシ
ユードモナス属のプチダ種に属する細菌であると
同定した。 本発明の方法による12β−ヒドロキシADDの生
産は、シユードモナス・プチダD4014
(Pseudomonas putida D4014)菌株(微工研条
寄第205号)を、デオキシコール酸及び/又はそ
の塩を含む培地に培養することにより行なわれ
る。デオキシコール酸の塩としては具体的にはデ
オキシコール酸のナトリウム、カリウムなどのア
ルカリ金属の塩が挙げられる。デオキシコール酸
及び/又はその塩の濃度は通常約1〜100g/
の範囲でよいが、生産される12β−ヒドロキシ
ADDの収量、培養条件及び操作性などの経済的
観点から約2〜50g/の範囲が好ましい。培養
方法は原則的には一般微生物の好気培養で採用さ
れる方法と同じであるが、通常は液体培地による
振盪培養法又は通気撹拌培養法が用いられる。培
地は上記のシユードモナス・プチダD4014
(Pseudomonas putida D4014)菌株(微工研条
寄第205号)が資化利用できる栄養源を含有する
ものであればよい。炭素源としてはデオキシコー
ル酸及び/又はその塩を単一炭素源としてもよい
が好ましくはデオキシコール酸及び/又はその塩
にグルコース、グリセリン、ペプトン、肉エキ
ス、麦芽エキス、酵母エキスなどを併用するのが
よい。また窒素源としては、例えば硫酸アンモニ
ウム、塩化アンモニウム、燐酸アンモニウム、硝
酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム
などの無機窒素源、又はポリペプトン、ペプト
ン、肉エキスなどの有機窒素源が用いられる。ま
た、この他に燐酸水素2カリウム、燐酸2水素カ
リウム、硫酸マグネシウムなどの無機塩類が添加
される。培養条件に特徴はないが、通常25〜35℃
で10時間〜7日間振盪培養又は通気撹拌培養を行
なう。 このようにして培養液中に蓄積された12β−ヒ
ドロキシADDを分離、採取するには、培養液を
アルカリ性にしたのち、12β−ヒロドキシADDを
溶解しかつ水と相分離する有機溶媒、例えば酢酸
エチル、クロロホルム、クロロホルムとメタノー
ルの混合液などを用いて抽出する方法が採られ
る。この有機溶媒による抽出は、菌体を含んだ状
態の培養液について行なつてもよいし、予め培養
液中の菌体その他の不溶成分を濾過又は遠心分離
などにより分離除去し、得られた培養濾液又は上
清について行なつてもよい。後者の抽出方法を採
る場合には、必要に応じて濾過又は遠心分離など
によつて分離除去される不溶成分について上記の
有機溶媒による抽出操作を行なうことにより、培
養液中に析出又は沈澱している12β−ヒドロキシ
ADDを回収することができる。このようにして
得られた抽出液を集め、これより溶媒を溜去する
ことによつて目的とする12β−ヒドロキシADDを
ほぼ全量回収することができる。得られた抽出物
中には12β−ヒドロキシADDの他に残存基質のデ
オキシコール及び/又はその塩並びに副生物がほ
とんど含まれておらず、例えば酢酸エチル、ジク
ロルメタン/メタノールなどから再結晶すること
により高純度の12β−ヒドロキシADDを取得する
ことができる。 本発明の方法により得られる12β−ヒドロキシ
ADDは、そのA環を部分水添し12位のヒドロキ
シ基を化学的に除去することによつて利尿剤とし
て有用なスピロノラクトンなどのステロイドの合
成原料となる4−アンドロステン−3,17−ジオ
ンに誘導することができる。例えば、12β−ヒド
ロキシADDをトリス(トリフエニルホスフイン)
クロロロジウムを用いて部分水添することにより
12β−ヒドロキシ−4−アンドロステン−3,17
−ジオンを得〔C.Djerassi and J.Gutzwiller、J.
Am.Chem.Soc.、88巻.4538〜4539頁(1966年)
参照〕、この12β−ヒドロキシ−4−アンドロス
テン−3,17−ジオンを2−メチル−2−エチル
−1,3−ジオキソランと反応させることにより
3位と17位のケト基が保護された12β−ヒドロキ
シ−5−アンドロステン−3,17−ジオン−3,
17−ビス(エチレンアセタール)を得る〔G.
Rosenkranz et al.、J.Am.Chem.Soc.、76巻.
5024〜5026頁(1954年)参照〕。このアセタール
をp−トルエンスルホニルクロリドで処理して12
位のヒドロキシル基をトシル化し、ついで水素化
オリエチルホウ素リチウムで還元しその12位のト
シルオキシ基を脱離するか、又はトシル化後、ヨ
ウ化ナトリウムを作用させてトシルオキシ基をヨ
ウ素で置換し、ついで金属亜鉛で接触還元したの
ち、鉱酸/アセトン処理して3位と17位の保護基
を脱離させることにより4−アンドロステン−
3,17−ジオンとすることができる。 以下実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
する。 実施例 1 シユードモナス・プチダD4014菌株(微工研菌
寄第6325号)を次に示す方法で培養した。デオキ
シコール酸1.0g、グルコース0.1g、硝酸アンモ
ニウム0.2g、燐酸2水素カリウム0.1g、燐酸水
素2カリウム0.6g、硫酸マグネシウム・7水和
物0.02g及び酵母エキス0.05gを50mlの水道水に
加え、この水溶液に2規定の水酸化ナトリウム水
溶液を加えることにより、この水溶液のPHを8.5
に調整したのち、さらに水道水を加えて容量を
100mlとし、これを培地とした。この培地を500ml
容坂口フラスコに入れ、120℃で15分間、蒸気殺
菌を行なつた。予め上記の培地と同じ培地で試験
管振盪機にて15時間増殖させた種菌の4mlを上記
の500ml容坂口フラスコに添加し、30℃で48時間
振盪培養した。 得られた培養液の5μを薄層プレート上にス
ポツトし、イソオクタンと酢酸エチルと酢酸とか
らなる展開溶剤(組成比5:5:1)を用いて8
cm展開し、乾燥後、硫酸とエタノールとからなる
発色試薬液(組成比1:1)を噴霧し、120〜130
℃で5〜10分間加熱したところ、Rf値が0.24の位
置に橙色のスポツトが鮮明に見られたのみで、他
の位置にはスポツトは認められなかつた。このこ
とより、培養液中には唯一の発酵生産物が蓄積し
ているものと判定した。 上記の培養により得られた培養液に1規定の水
酸化ナトリウム水溶液を加えることにより、この
培養液のPHを12附近に調整した。ついで、培養液
を酢酸エチル300mlで抽出し、抽出液から酢酸エ
チルをロータリー・エバポレーターで溜去するこ
とにより発酵生産物を322mg得た。この発酵生産
物を下記の方法により12β−ヒドロキシADDであ
ると同定した。 マススペクトルm/z:300〔M〕+・ 282〔M−H2O〕+・ またm/z=121及び122より3−ケト−1,4
−ジエンの存在が確認された。 NMRスペクトル(90MHz)δCDCl3 HMS: 0.96(3H、s)18−CH3 1.21(3H、s)19−CH3 3.72(1H、dd、J=5Hz及び10Hz)12α−H 6.06(1H、s)4−H 6.20(1H、d、J=10Hz)2−H 6.98(1H、d、J=10Hz)1−H 得られた12β−ヒドロキシADDの一部を取り、
これにメタノールを加えて2%溶液とし、この溶
液25μをミクロボンダパツクC−18カラムを備
えた高速液体クロマトグラフイー(米国ウオータ
ーズ社製、HLC−GPC−244型)に注入した。移
動相としてPH4.0に調整した水/メタノールの
30/70容量比の混合液を流速1ml/分で流し、検
出を屈折率方式で行なつた。得られた液体クロマ
トグラムにおける各ピークの面積比を積分計(島
津製作所製、島津クロマトパツクC−R1A)で
求め、この面積比から上記の12β−ヒドロキシ
ADDの純度を求めたところ、94.9%であつた。
Claims (1)
- 1 シユードモナス・プチダD4014
(Pseudomonas putida D4014)菌株(微工研条
寄第205号)を、デオキシコール酸及び/又はそ
の塩を含む培地に培養して12β−ヒドロキシアン
ドロスター1,4−ジエン−3,17−ジオンを生
成せしめ、これを採取することを特徴とする12β
−ヒドロキシアンドロスター1,4−ジエン−
3,17−ジオンの製造法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19057182A JPS5978698A (ja) | 1982-10-28 | 1982-10-28 | 12β−ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンの製造法 |
| EP83400341A EP0088007B1 (en) | 1982-02-26 | 1983-02-18 | Microbial process for producing 12-hydroxyandrosta-1,4-diene-3,17-dione |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19057182A JPS5978698A (ja) | 1982-10-28 | 1982-10-28 | 12β−ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンの製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5978698A JPS5978698A (ja) | 1984-05-07 |
| JPH0420600B2 true JPH0420600B2 (ja) | 1992-04-03 |
Family
ID=16260274
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19057182A Granted JPS5978698A (ja) | 1982-02-26 | 1982-10-28 | 12β−ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンの製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5978698A (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5939298A (ja) * | 1982-08-25 | 1984-03-03 | Kuraray Co Ltd | 12β−ヒドロキシアンドロスタ−4−エン−3,17−ジオンの製造法 |
-
1982
- 1982-10-28 JP JP19057182A patent/JPS5978698A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5978698A (ja) | 1984-05-07 |
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