JPH0210878B2 - - Google Patents
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- JPH0210878B2 JPH0210878B2 JP60013975A JP1397585A JPH0210878B2 JP H0210878 B2 JPH0210878 B2 JP H0210878B2 JP 60013975 A JP60013975 A JP 60013975A JP 1397585 A JP1397585 A JP 1397585A JP H0210878 B2 JPH0210878 B2 JP H0210878B2
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- Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
Description
<産業上の利用分野>
本発明はプレスなどの加工時や塗装後のめつき
密着性にすぐれ、耐赤錆性にすぐれ塗装下地とし
て好適で、塗装を含めた総合的防錆性にもすぐれ
た耐食鋼板、特に自動車用表面処理鋼板およびそ
の製造方法に関するものである。 <従来技術とその問題点> Znめつき鋼板は耐食性を目的とした表面処理
鋼板の中で最も一般的に使用されており、Znの
犠性防食作用により素地の鋼板を保護するもので
ある。そのため、家電製品、自動車車体、小物部
品、建築材料等に広くかつ大量に使用されてい
る。 しかし、近年、自動車車体の穴あき腐食やコズ
メチツクコロージヨンが問題となり、その防食が
必要となつてきたことから、Znめつき鋼板の耐
食性不良および塗装性不良が指摘され、その改善
が必須となつた。その結果、Feを合金化させた
合金化溶融Znめつき鋼板がη相を含有しないた
めに塗装後の耐食性(すなわち、耐ブリスター
性、耐穴あき性)に特にすぐれていることから、
大量に使用されるようになつた。しかし、合金化
溶融Znめつき鋼板は、加熱拡散によつて製造さ
れることから、めつき密着性が十分でなく、プレ
ス加工時にパウダリングを生じ、プレス欠陥を発
生すること、原板材質の制約があること、塗装鮮
映性に劣ることなどの問題を有していた。 そこで、Zn−Fe合金めつきを電気めつき法で
製造することができれば、上述の欠点が解消され
ると期待できるために、従来、各種の開発がなさ
れてきており、特開昭54−107838号、同57−
19393号、同57−60087号、同57−200589号などに
開示されている。その結果、合金化溶融Znめつ
き鋼板に近い塗装後耐食性を有し、かつ加工時の
密着性などにすぐれているものも一部には見られ
る。 しかし、自動車用表面処理鋼板に要求される性
能は、塗装後耐食性や加工時の密着性だけでな
く、これら以外にも必須の性能がある。すなわ
ち、上述の合金化溶融Znめつき鋼板と従来のZn
−Fe合金電気めつき鋼板には、塗装後のめつき
密着性および耐赤錆性が重大な欠陥として残され
ていた。すなわち、自動車の実際の使用環境は静
的なものではなく、走行中に小石や砂粒等による
強い衝撃を受ける場合がある。このような場合に
は、車体塗装の塗膜がZn−Fe合金めつき層ごと
剥離してしまうので、その防食能力が発揮されな
いどころか、素地鋼板が露出するために逆に腐食
が促進される結果となる。一方、Znめつき鋼板
の場合には塗膜がめつきごと剥離するような現象
は見られない。 また、従来のZn−Fe合金電気めつき鋼板は、
Zn含有率が低い場合には塗装性や塗装後の耐食
性にすぐれるが、塗膜にキズを生じた場合や無塗
装の場合は赤錆を発生しやすく、また、Zn含有
率が高い場合には赤錆は発生しにくいが塗装性や
塗装後の耐食性はZnめつきに類似したものとな
り不良であつた。すなわち塗装性や塗装後の耐食
性と耐赤錆性とを両立させたZn−Fe合金めつき
鋼板は存在しなかつた。従つて、コズメチツクコ
ロージヨンを防止することを目的として車体外面
に使用するには十分なものではなかつた。 <発明の目的> 本発明の目的は塗装後めつき密着性が良好で、
塗装後耐食性にすぐれ、かつ耐赤錆性にもすぐれ
たZn−Fe合金電気めつき鋼板およびその製造方
法を提供しようとするものである。 <発明の構成> 本発明は、Zn含有率が90wt%超97wt%以下で
あつてかつη相を含有しないZn−Fe系合金被覆
を少なくとも一方の面に有することを特徴とする
Zn−Fe系合金電気めつき鋼板を提供するもので
ある。 本発明はまた、Zn含有率が90wt%超97wt%で
あつてかつη相を含有しないZn−Fe系合金被覆
を少なくとも一方の面に有するZn−Fe系合金電
気めつき鋼板を製造するに際し、塩化物を主体と
し、Zn2+およびFe2+を0.03≦Fe2+/Fe2++Zn2+
<0.1なるモル濃度比で合計で0.5mol/以上溶
解限以内、かつ電導度助剤としてKCl、NH4 Cl、
NaCl、CaCl2、MgCl2の内より選ばれた1種以上
を合計で250g/以上、さらに置換または未置
換のポリエーテル類の1種以上を0.05〜10g/
含有する浴にて、電流密度50〜200A/dm2の電
解条件にてめつきすることを特徴とするZn−Fe
系合金電気めつき鋼板の製造方法を提供するもの
である。 以下、本発明を更に詳細に説明する。 本発明者等はまず塗装後のめつき密着性を支配
する因子の究明から始めた。すなわち、塗装後密
着性がZnめつき鋼板は良好でまた、従来のZn−
Fe合金めつき鋼板の大部分は不良であることか
ら、Zn含有率の影響を調査したところ次のよう
な事実をつきとめた。すなわち、第1図に示すご
とくZn含有率が90wt%以下では、塗装後めつき
密着性は不良であり、90wt%を越えると良好に
なることを見い出した。 なお、第2図に示すようにめつきによる収縮応
力はZn含有率90wt%以下で急激に大きくなつて
おり、これが塗装後めつき密着性不良の原因にな
つているものと考えられる。 次に、耐赤錆性は、Znによる犠性防食能力に
依存しているため、第3図に示すごとく、Zn含
有率の高いものほど良好であつた。次に、塗装後
の耐食性(耐ブリスター性、耐穴あき性)は合金
化溶融Znめつきにおいて良く知られているよう
にη相が存在すると不良であり、η相が存在しな
い場合には良好であつた。 しかし、特開昭57−19393号(特公昭57−61831
号)や特開昭57−200589号に開示されているよう
な公知技術をもつてしては、Zn含有率90wt%超
のZn−Fe合金電気めつきは必ずη相を含有する
ものであつた。すなわち、Zn含有率90wt%超で
η相を含有しないでZn−Fe合金電気めつきの性
能は未知なものであるばかりでなく、製造するこ
とさえ成し得ていなかつた。 そこで、本発明者はZn含有率90wt%超でなお
かつη相を含有しないZn−Fe合金電気めつき鋼
板を得る製造方法について研究を重ねた。 Zn−Fe系合金めつきを行うめつき浴は、塩化
物浴を主体とする。これは、後述の添加物や電流
密度の効果が最も発揮されやすいことを見い出し
たためである。金属イオンとしてはZn2+とFe2+
を主体とするが、その濃度は合計で0.5mol/
以上溶解限以内である。この理由は0.5mol/
未満ではヤケが生じやすくなるためであり、一
方、溶解限を越えると固体が生成するのみでデメ
リツトとなるだけである。 さらに、めつき中のZn含有率を90wt%超97wt
%以下に制御し、かつ本発明の効果を得るため
に、めつき浴中のZn2+とFe2+との比を0.03≦
Fe2+/Fe2++Zn2+<0.1なるモル比とする。なお、
97wt%を越えると本発明をもつてしてもη相の
析出を防止することはできない。 めつき浴には電導度助剤として KCl、NH4 Cl、NaCl、CaCl2、MgCl2の内よ
り選ばれた1種以上を250g/以上添加する。
これは大量に添加することによる電導度向上、電
力の低減、およびZnの優先析出を抑制するため
である。すなわち、Cl-イオンを大量に添加する
ことにより、Znの優先析出は抑制される傾向に
ある。 電流密度は50〜200A/dm2好ましくは70〜
150A/dm2が適当である。50A/dm2未満では
η相が析出しやすくなるためであり、200A/d
m2を越えるとヤケが生じやすくなり、また密着性
の不良な場合があるためである。浴温は25〜70℃
が好ましい。25℃未満では密着性が劣化し、逆に
70℃を越えると黒色外見となりやすい。 PHは1.0〜4.5が望ましい。1.0未満では、陰極析
出効率が低下するばかりでなく、装置の腐食が著
しい。一方、4.5を越えるとFe2+の酸化が著しく
早くなるためである。 本発明においては、上記塩類の他にη相の析出
を抑制するために、特異的に有効なポリエーテル
類を添加する。本発明の添加剤として特にすぐれ
ているのは、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコールポリ
プロピレングリコールコポリマーおよびその誘導
体である。これらの化合物を1種以上添加するこ
とにより、η相の析出が抑制されるので、η相を
含有しないZn含有率90wt%超のZn−Fe合金電気
めつき鋼板を得ることができる。添加量は合計で
0.05〜10g/、好ましくは0.1〜5g/が適
当である。0.05g/未満ではη相の析出を抑制
するには不十分であり、また10g/を越えて添
加しても効果は飽和しており無意味である。 以上の製造方法によつて得られるめつきはZn
含有率90wt%超97wt%以下であり、かつη相を
含有しない。また、白色〜白灰色の均一な色調を
示し、まためつき密着性も良好である。 なお、本発明はZn−Feを主体とするZn−Fe系
合金電気めつき、例えばZn−Fe−P、Zn−Fe−
Ni、Zn−Fe−Co、Zn−Fe−Ti化合物、Zn−Fe
−Ni−Crなどにも適用可能であり、本発明の範
囲内にあるかぎり本発明に包含されるものであ
る。 このようにして初めて得られたZn含有率90wt
%超97wt%以下でη相を含有しないZn−Fe合金
電気めつき鋼板は、すぐれた塗装後耐食性を示す
ことを初めて見い出した。すなわち第4図に示す
がごとく、η相を含有するZn−Fe合金めつきは
Znめつきに近い塗装後耐食性を示すのに対し、
η相を含有しないZn−Fe合金めつきは合金化溶
融めつきに匹敵するすぐれた塗装後耐食性を示す
ことが明らかとなつた。 従つて、Zn含有率90wt%超97wt%以下でη相
を含有しないZn−Fe合金めつきは、すぐれた塗
装後めつき密着性、耐赤錆性および塗装後耐食性
を重ね備えた、従来にない画期的な表面処理鋼板
である。そのため、耐穴あき腐食対策として自動
車車体内板および外板の内面に適しているばかり
でなく、コズメテイツクコロージヨン対策として
車体外板の外面にも適している表面処理鋼板であ
る。 なお、本発明のZn含有率90wt%超97wt%以下
でη相を含有しないZn−Fe合金めつきの特異な
効果は、Zn含有率が高いために赤錆発生を防止
する十分な犠牲防食能を有しながら、かつ同時に
η相を含有しないために塗装後の耐食性にすぐれ
ているためと考えられる。 <実施例> 次に実施例を挙げて本発明の効果について説明
する。 表1にZn含有率90wt%超97wt%以下でη相を
含有しないZn−Fe合金電気めつき鋼板の製造法
の本発明例、並びに比較例を示す。なお、η相の
有無はX線回折によつた。めつき浴は表1に示さ
れた薬剤を使用しているが、薬品中不純物や操作
中に起こるFe2+の酸化によつて生成するFe3+を
含有している。また、一部の浴はクエン酸等の薬
剤を別の目的で添加している。例えばクエン酸は
Fe3+水酸化物沈澱を抑制するため、酢酸や
H3BO3はPH緩衝性を持たせるためである。 比較例ではいずれもη相の存在が認られるが、
本発明例ではいずれもZn含有率90wt%を越えて
もη相の存在は認られない。 表2にZn含有率90wt%超97wt%以下でη相を
含有しないZn−Fe合金電気めつき鋼板、並びに
比較例の各種性能を示す。 比較例では、Zn含有率90wt%以下のものは、
塗装後耐食性にすぐれているが、赤錆が発生しや
すく、また、塗装後のめつき密着性に劣つてい
る。また、Zn含有率90wt%以上でη相を含有す
るものは塗装後のめつき密着性と赤錆防止にはす
ぐれているけれども、塗装後の耐食性には著しく
劣つている。 一方、本発明例では、塗装後のめつき密着性、
耐赤錆性および塗装後の耐食性のいずれにもすぐ
れていることがわかる。 (試験条件) (1) 表1のη相の有無はX線回折によつて調査し
た。 (2) 表2中の3コート後の密着性はめつき後に通
常のリン酸塩処理(ボンデライト #3030、デ
イツプ型 日本パーカライジング社製)、カチ
オン型電着塗装(中本ペイント社製 パワート
ツプ U−30、20μm)、中ぬり(関西ペイン
ト社製 ESプライマー 30μm)、上ぬり(関
西ペイント社製 TM−13、30μm)を施した
後、duPont衝撃試験(ポンチ径 1/2インチ、
重量1Kg、高さ50cm)を行い、めつきが塗膜ご
とはくりするかどうかにより判定した。 (3) 塗装後クロスカツト部の耐赤錆性は、上述の
3コート塗装後クロスカツトを施した後、塩水
噴霧試験360時間後の赤錆発生状況を観察した。 (4) 塗装後耐食性は、カチオン電着塗装材にクロ
スカツトを施した後、塩水噴霧試験を360時間
行い、クロスカツト部の片側最大剥離巾(mm)
を測定することによつて評価した。
密着性にすぐれ、耐赤錆性にすぐれ塗装下地とし
て好適で、塗装を含めた総合的防錆性にもすぐれ
た耐食鋼板、特に自動車用表面処理鋼板およびそ
の製造方法に関するものである。 <従来技術とその問題点> Znめつき鋼板は耐食性を目的とした表面処理
鋼板の中で最も一般的に使用されており、Znの
犠性防食作用により素地の鋼板を保護するもので
ある。そのため、家電製品、自動車車体、小物部
品、建築材料等に広くかつ大量に使用されてい
る。 しかし、近年、自動車車体の穴あき腐食やコズ
メチツクコロージヨンが問題となり、その防食が
必要となつてきたことから、Znめつき鋼板の耐
食性不良および塗装性不良が指摘され、その改善
が必須となつた。その結果、Feを合金化させた
合金化溶融Znめつき鋼板がη相を含有しないた
めに塗装後の耐食性(すなわち、耐ブリスター
性、耐穴あき性)に特にすぐれていることから、
大量に使用されるようになつた。しかし、合金化
溶融Znめつき鋼板は、加熱拡散によつて製造さ
れることから、めつき密着性が十分でなく、プレ
ス加工時にパウダリングを生じ、プレス欠陥を発
生すること、原板材質の制約があること、塗装鮮
映性に劣ることなどの問題を有していた。 そこで、Zn−Fe合金めつきを電気めつき法で
製造することができれば、上述の欠点が解消され
ると期待できるために、従来、各種の開発がなさ
れてきており、特開昭54−107838号、同57−
19393号、同57−60087号、同57−200589号などに
開示されている。その結果、合金化溶融Znめつ
き鋼板に近い塗装後耐食性を有し、かつ加工時の
密着性などにすぐれているものも一部には見られ
る。 しかし、自動車用表面処理鋼板に要求される性
能は、塗装後耐食性や加工時の密着性だけでな
く、これら以外にも必須の性能がある。すなわ
ち、上述の合金化溶融Znめつき鋼板と従来のZn
−Fe合金電気めつき鋼板には、塗装後のめつき
密着性および耐赤錆性が重大な欠陥として残され
ていた。すなわち、自動車の実際の使用環境は静
的なものではなく、走行中に小石や砂粒等による
強い衝撃を受ける場合がある。このような場合に
は、車体塗装の塗膜がZn−Fe合金めつき層ごと
剥離してしまうので、その防食能力が発揮されな
いどころか、素地鋼板が露出するために逆に腐食
が促進される結果となる。一方、Znめつき鋼板
の場合には塗膜がめつきごと剥離するような現象
は見られない。 また、従来のZn−Fe合金電気めつき鋼板は、
Zn含有率が低い場合には塗装性や塗装後の耐食
性にすぐれるが、塗膜にキズを生じた場合や無塗
装の場合は赤錆を発生しやすく、また、Zn含有
率が高い場合には赤錆は発生しにくいが塗装性や
塗装後の耐食性はZnめつきに類似したものとな
り不良であつた。すなわち塗装性や塗装後の耐食
性と耐赤錆性とを両立させたZn−Fe合金めつき
鋼板は存在しなかつた。従つて、コズメチツクコ
ロージヨンを防止することを目的として車体外面
に使用するには十分なものではなかつた。 <発明の目的> 本発明の目的は塗装後めつき密着性が良好で、
塗装後耐食性にすぐれ、かつ耐赤錆性にもすぐれ
たZn−Fe合金電気めつき鋼板およびその製造方
法を提供しようとするものである。 <発明の構成> 本発明は、Zn含有率が90wt%超97wt%以下で
あつてかつη相を含有しないZn−Fe系合金被覆
を少なくとも一方の面に有することを特徴とする
Zn−Fe系合金電気めつき鋼板を提供するもので
ある。 本発明はまた、Zn含有率が90wt%超97wt%で
あつてかつη相を含有しないZn−Fe系合金被覆
を少なくとも一方の面に有するZn−Fe系合金電
気めつき鋼板を製造するに際し、塩化物を主体と
し、Zn2+およびFe2+を0.03≦Fe2+/Fe2++Zn2+
<0.1なるモル濃度比で合計で0.5mol/以上溶
解限以内、かつ電導度助剤としてKCl、NH4 Cl、
NaCl、CaCl2、MgCl2の内より選ばれた1種以上
を合計で250g/以上、さらに置換または未置
換のポリエーテル類の1種以上を0.05〜10g/
含有する浴にて、電流密度50〜200A/dm2の電
解条件にてめつきすることを特徴とするZn−Fe
系合金電気めつき鋼板の製造方法を提供するもの
である。 以下、本発明を更に詳細に説明する。 本発明者等はまず塗装後のめつき密着性を支配
する因子の究明から始めた。すなわち、塗装後密
着性がZnめつき鋼板は良好でまた、従来のZn−
Fe合金めつき鋼板の大部分は不良であることか
ら、Zn含有率の影響を調査したところ次のよう
な事実をつきとめた。すなわち、第1図に示すご
とくZn含有率が90wt%以下では、塗装後めつき
密着性は不良であり、90wt%を越えると良好に
なることを見い出した。 なお、第2図に示すようにめつきによる収縮応
力はZn含有率90wt%以下で急激に大きくなつて
おり、これが塗装後めつき密着性不良の原因にな
つているものと考えられる。 次に、耐赤錆性は、Znによる犠性防食能力に
依存しているため、第3図に示すごとく、Zn含
有率の高いものほど良好であつた。次に、塗装後
の耐食性(耐ブリスター性、耐穴あき性)は合金
化溶融Znめつきにおいて良く知られているよう
にη相が存在すると不良であり、η相が存在しな
い場合には良好であつた。 しかし、特開昭57−19393号(特公昭57−61831
号)や特開昭57−200589号に開示されているよう
な公知技術をもつてしては、Zn含有率90wt%超
のZn−Fe合金電気めつきは必ずη相を含有する
ものであつた。すなわち、Zn含有率90wt%超で
η相を含有しないでZn−Fe合金電気めつきの性
能は未知なものであるばかりでなく、製造するこ
とさえ成し得ていなかつた。 そこで、本発明者はZn含有率90wt%超でなお
かつη相を含有しないZn−Fe合金電気めつき鋼
板を得る製造方法について研究を重ねた。 Zn−Fe系合金めつきを行うめつき浴は、塩化
物浴を主体とする。これは、後述の添加物や電流
密度の効果が最も発揮されやすいことを見い出し
たためである。金属イオンとしてはZn2+とFe2+
を主体とするが、その濃度は合計で0.5mol/
以上溶解限以内である。この理由は0.5mol/
未満ではヤケが生じやすくなるためであり、一
方、溶解限を越えると固体が生成するのみでデメ
リツトとなるだけである。 さらに、めつき中のZn含有率を90wt%超97wt
%以下に制御し、かつ本発明の効果を得るため
に、めつき浴中のZn2+とFe2+との比を0.03≦
Fe2+/Fe2++Zn2+<0.1なるモル比とする。なお、
97wt%を越えると本発明をもつてしてもη相の
析出を防止することはできない。 めつき浴には電導度助剤として KCl、NH4 Cl、NaCl、CaCl2、MgCl2の内よ
り選ばれた1種以上を250g/以上添加する。
これは大量に添加することによる電導度向上、電
力の低減、およびZnの優先析出を抑制するため
である。すなわち、Cl-イオンを大量に添加する
ことにより、Znの優先析出は抑制される傾向に
ある。 電流密度は50〜200A/dm2好ましくは70〜
150A/dm2が適当である。50A/dm2未満では
η相が析出しやすくなるためであり、200A/d
m2を越えるとヤケが生じやすくなり、また密着性
の不良な場合があるためである。浴温は25〜70℃
が好ましい。25℃未満では密着性が劣化し、逆に
70℃を越えると黒色外見となりやすい。 PHは1.0〜4.5が望ましい。1.0未満では、陰極析
出効率が低下するばかりでなく、装置の腐食が著
しい。一方、4.5を越えるとFe2+の酸化が著しく
早くなるためである。 本発明においては、上記塩類の他にη相の析出
を抑制するために、特異的に有効なポリエーテル
類を添加する。本発明の添加剤として特にすぐれ
ているのは、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコールポリ
プロピレングリコールコポリマーおよびその誘導
体である。これらの化合物を1種以上添加するこ
とにより、η相の析出が抑制されるので、η相を
含有しないZn含有率90wt%超のZn−Fe合金電気
めつき鋼板を得ることができる。添加量は合計で
0.05〜10g/、好ましくは0.1〜5g/が適
当である。0.05g/未満ではη相の析出を抑制
するには不十分であり、また10g/を越えて添
加しても効果は飽和しており無意味である。 以上の製造方法によつて得られるめつきはZn
含有率90wt%超97wt%以下であり、かつη相を
含有しない。また、白色〜白灰色の均一な色調を
示し、まためつき密着性も良好である。 なお、本発明はZn−Feを主体とするZn−Fe系
合金電気めつき、例えばZn−Fe−P、Zn−Fe−
Ni、Zn−Fe−Co、Zn−Fe−Ti化合物、Zn−Fe
−Ni−Crなどにも適用可能であり、本発明の範
囲内にあるかぎり本発明に包含されるものであ
る。 このようにして初めて得られたZn含有率90wt
%超97wt%以下でη相を含有しないZn−Fe合金
電気めつき鋼板は、すぐれた塗装後耐食性を示す
ことを初めて見い出した。すなわち第4図に示す
がごとく、η相を含有するZn−Fe合金めつきは
Znめつきに近い塗装後耐食性を示すのに対し、
η相を含有しないZn−Fe合金めつきは合金化溶
融めつきに匹敵するすぐれた塗装後耐食性を示す
ことが明らかとなつた。 従つて、Zn含有率90wt%超97wt%以下でη相
を含有しないZn−Fe合金めつきは、すぐれた塗
装後めつき密着性、耐赤錆性および塗装後耐食性
を重ね備えた、従来にない画期的な表面処理鋼板
である。そのため、耐穴あき腐食対策として自動
車車体内板および外板の内面に適しているばかり
でなく、コズメテイツクコロージヨン対策として
車体外板の外面にも適している表面処理鋼板であ
る。 なお、本発明のZn含有率90wt%超97wt%以下
でη相を含有しないZn−Fe合金めつきの特異な
効果は、Zn含有率が高いために赤錆発生を防止
する十分な犠牲防食能を有しながら、かつ同時に
η相を含有しないために塗装後の耐食性にすぐれ
ているためと考えられる。 <実施例> 次に実施例を挙げて本発明の効果について説明
する。 表1にZn含有率90wt%超97wt%以下でη相を
含有しないZn−Fe合金電気めつき鋼板の製造法
の本発明例、並びに比較例を示す。なお、η相の
有無はX線回折によつた。めつき浴は表1に示さ
れた薬剤を使用しているが、薬品中不純物や操作
中に起こるFe2+の酸化によつて生成するFe3+を
含有している。また、一部の浴はクエン酸等の薬
剤を別の目的で添加している。例えばクエン酸は
Fe3+水酸化物沈澱を抑制するため、酢酸や
H3BO3はPH緩衝性を持たせるためである。 比較例ではいずれもη相の存在が認られるが、
本発明例ではいずれもZn含有率90wt%を越えて
もη相の存在は認られない。 表2にZn含有率90wt%超97wt%以下でη相を
含有しないZn−Fe合金電気めつき鋼板、並びに
比較例の各種性能を示す。 比較例では、Zn含有率90wt%以下のものは、
塗装後耐食性にすぐれているが、赤錆が発生しや
すく、また、塗装後のめつき密着性に劣つてい
る。また、Zn含有率90wt%以上でη相を含有す
るものは塗装後のめつき密着性と赤錆防止にはす
ぐれているけれども、塗装後の耐食性には著しく
劣つている。 一方、本発明例では、塗装後のめつき密着性、
耐赤錆性および塗装後の耐食性のいずれにもすぐ
れていることがわかる。 (試験条件) (1) 表1のη相の有無はX線回折によつて調査し
た。 (2) 表2中の3コート後の密着性はめつき後に通
常のリン酸塩処理(ボンデライト #3030、デ
イツプ型 日本パーカライジング社製)、カチ
オン型電着塗装(中本ペイント社製 パワート
ツプ U−30、20μm)、中ぬり(関西ペイン
ト社製 ESプライマー 30μm)、上ぬり(関
西ペイント社製 TM−13、30μm)を施した
後、duPont衝撃試験(ポンチ径 1/2インチ、
重量1Kg、高さ50cm)を行い、めつきが塗膜ご
とはくりするかどうかにより判定した。 (3) 塗装後クロスカツト部の耐赤錆性は、上述の
3コート塗装後クロスカツトを施した後、塩水
噴霧試験360時間後の赤錆発生状況を観察した。 (4) 塗装後耐食性は、カチオン電着塗装材にクロ
スカツトを施した後、塩水噴霧試験を360時間
行い、クロスカツト部の片側最大剥離巾(mm)
を測定することによつて評価した。
【表】
【表】
【表】
【表】
<発明の効果>
本発明のZn含有率が90wt%超97wt%以下で、
かつη相を含有していないZn−Fe系合金電気め
つき鋼板は、加工時、塗装後のめつき密着性にす
ぐれ、また耐赤錆性にすぐれ、塗装下地として好
適で、塗装を含めた総合的防錆性にもすぐれてお
り、特に自動車用表面処理鋼板として優れてい
る。 本発明の方法によれば、Zn含有率が90wt%超
97wt%以下で、かつη相を含有しない上記の優
れた特性を有するZn−Fe系合金被覆を少なくと
も一方の面に有するZn−Fe系合金電気めつき鋼
板を製造することができる。
かつη相を含有していないZn−Fe系合金電気め
つき鋼板は、加工時、塗装後のめつき密着性にす
ぐれ、また耐赤錆性にすぐれ、塗装下地として好
適で、塗装を含めた総合的防錆性にもすぐれてお
り、特に自動車用表面処理鋼板として優れてい
る。 本発明の方法によれば、Zn含有率が90wt%超
97wt%以下で、かつη相を含有しない上記の優
れた特性を有するZn−Fe系合金被覆を少なくと
も一方の面に有するZn−Fe系合金電気めつき鋼
板を製造することができる。
第1図は、3コート塗装後のめつき密着性を
duPout衝撃試験におけるはくり高さで評価した
ものとZn含有率との関係を示す図である。第2
図は、めつきによつて発生する曲げ応力とZn含
有率との関係を示すグラフである。第3図は、3
コート後のクロスカツト部の耐赤錆性とZn含有
率との関係を示す図である。第4図は、カチオン
電着塗装材のクロスカツト部の耐ブリスター性と
相およびZn含有率との関係を示す説明図である。
duPout衝撃試験におけるはくり高さで評価した
ものとZn含有率との関係を示す図である。第2
図は、めつきによつて発生する曲げ応力とZn含
有率との関係を示すグラフである。第3図は、3
コート後のクロスカツト部の耐赤錆性とZn含有
率との関係を示す図である。第4図は、カチオン
電着塗装材のクロスカツト部の耐ブリスター性と
相およびZn含有率との関係を示す説明図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Zn含有率が90wt%超97wt%以下であつてか
つη相を含有しないZn−Fe系合金被覆を少なく
とも一方の面に有することを特徴とするZn−Fe
系合金電気めつき鋼板。 2 Zn含有率が90wt%超97wt%以下であつてか
つη相を含有しないZn−Fe系合金被覆を少なく
とも一方の面に有するZn−Fe系合金電気めつき
鋼板を製造するに際し、塩化物を主体とし、
Zn2+およびFe2+を0.03≦Fe2+/Fe2++Zn2+<0.1
なるモル濃度比で合計で0.5mol/以上溶解限
以内、かつ電導度助剤としてKCl、NH4Cl、
NaCl、CaCl2、MgCl2の内より選ばれた1種以上
を合計で250g/以上、さらに置換または未置
換のポリエーテル類の1種以上を0.05〜10g/
含有する浴にて、電流密度50〜200A/dm2の電
解条件にてめつきすることを特徴とするZn−Fe
系合金電気めつき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1397585A JPS61174397A (ja) | 1985-01-28 | 1985-01-28 | 耐食性および密着性に優れたZn−Fe合金電気めつき鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1397585A JPS61174397A (ja) | 1985-01-28 | 1985-01-28 | 耐食性および密着性に優れたZn−Fe合金電気めつき鋼板およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61174397A JPS61174397A (ja) | 1986-08-06 |
| JPH0210878B2 true JPH0210878B2 (ja) | 1990-03-09 |
Family
ID=11848224
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1397585A Granted JPS61174397A (ja) | 1985-01-28 | 1985-01-28 | 耐食性および密着性に優れたZn−Fe合金電気めつき鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61174397A (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6130695A (ja) * | 1984-07-20 | 1986-02-12 | Kawasaki Steel Corp | 外観色調にすぐれたZn−Fe系合金電気めつき鋼板の製造方法 |
| JPS6130697A (ja) * | 1984-07-20 | 1986-02-12 | Kawasaki Steel Corp | 外観色調とめつき密着性にすぐれたZn−Fe系合金電気めつき鋼板の製造方法 |
-
1985
- 1985-01-28 JP JP1397585A patent/JPS61174397A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61174397A (ja) | 1986-08-06 |
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