JPH0318281B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0318281B2 JPH0318281B2 JP58094840A JP9484083A JPH0318281B2 JP H0318281 B2 JPH0318281 B2 JP H0318281B2 JP 58094840 A JP58094840 A JP 58094840A JP 9484083 A JP9484083 A JP 9484083A JP H0318281 B2 JPH0318281 B2 JP H0318281B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lead
- thin film
- titanium
- compound
- producing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
Description
本発明は、誘電体薄膜、特に厚さが1000〜
15000〓のチタンジルコン酸鉛誘電体薄膜の製造
方法に関する。 誘導体膜は、従来粉粒体状の誘電体組成物を加
圧成型、焼結して製造しているが、該方法におい
ては優れた薄膜コンデンサーの条件である厚さが
十数ミクロン以下と薄くかつ高比誘電率を有する
薄膜を製造することは極めて困難であり、また焼
結温度が極めて高いため電極として高価な金属を
使用しなければならない。優れた薄膜コンデンサ
ーに適した誘電体膜の製造方法として、スパツタ
リング法、真空蒸着法、気相反応法等が検討され
ているが、これらの方法においてはストイツチオ
メトリ制御が極めて困難であるばかりでなく、膜
厚が極めて薄いものしか得られないため導通を生
じ易いことにより実用化されていない。これらの
方法とはべつに、有機金属化合物を含有する溶液
をガラス基板上に滴下法またはデイツピング法に
より塗布し、常温空気中で30分間、さらに110℃
の恒温槽中において30分間乾燥して加水分解反応
を終了させた後、電気炉中において強制的に水蒸
気を送入しながら200℃〜800℃の温度で加熱焼成
して誘電体薄膜の製造する方法が特開昭56−
28408号公報に提案されている。しかしながら、
該方法においては例示される有機金属化合物溶液
が大気中の水分を吸収して容易に加水分解され極
めて不安定であるため、均質な塗膜を得ることが
困難である。また、加水分解時および加熱焼成時
における雰囲気、特ち水蒸気分圧の制御が極めて
困難であることにより、形成された薄膜にクラツ
ク、ピンホール等の欠陥が発生し導通を生ずるた
め、良好な電気特性、特ち誘電特性を有する誘電
体薄膜を得ることは困難であり、該公報には電気
特性の具体的な記載はない。 一般に、高い比誘電率を得るためには、誘電体
組成を結晶化させる必要があるが、薄膜の場合、
薄膜組成の結晶化により結晶粒界に起因する導通
が生ずるため、高い比誘電率を有する誘電体薄膜
は得られないとするのが通説となつている。 本発明は、高い比誘電率を有し、膜厚が1000〓
〜15000〓の均質な、かつ透明なチタンジルコン
酸鉛誘電体薄膜およびその製造方法を提供するこ
とを、その目的とする。 本発明者等は、前期目的を達成すべく鋭意研究
した結果、チタニウム−ジルコニウム−鉛複合有
機金属化合物のアセチルアセトン溶液を、チタン
ジルコン酸鉛形成の前駆体溶液として耐熱性基板
上に塗布して加熱焼成し、その塗布および加熱焼
成を繰り返すことにより得られたチタンジルコン
酸鉛薄膜の積層体が、高比誘電率を有することを
見いだし本発明を完成した。 本発明において、チタンジルコン酸鉛誘電体薄
膜は、有機チタン化合物と有機ジルコニウム化合
物および鉛化合物とを、所定の比率で混合した混
合物のβ−ジケトン溶液、またはこれらを反応さ
せて得られる複合有機金属化合物のβ−ジケトン
溶液をチタンジルコン酸鉛生成の前駆体溶液とし
て、耐熱性基板上に塗布した後、加熱焼成してチ
タンジルコン酸鉛薄膜を形成し、該前駆体溶液の
塗布および加熱焼成を繰り返すことにより製造す
る。有機チタン化合物としては、β−ジケトンに
可溶性のものであればいかなる化合物をも使用で
きる。たとえば、テトラエトキシチタン、テトラ
イソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、
ジエトキシジイソプロポキシチタン等のチタンア
ルコキシド類およびその加水分解により生成する
重合体類、チタンアルコキシドのアルコキシ基の
一部または全部をアセチルアセトン、ベンゾイル
アセトンなどのβ−ジケトン類、アセト酢酸、プ
ロピオニル酪酸、ベンゾイル蟻酸などのケトン酸
類、該ケトン酸の低級アルキルエステル類、乳
酸、グリコール酸、α−オキシ酪酸、サリチル酸
などのオキシ酸類、該オキシ酸の低級アルキルエ
ステル類、ジアセトンアルコール、アセトインな
どのオキシケトン類、グリシン、アラニンなどの
α−アミノ酸類、アミノエチルアルコールなどの
アミノアルコール類等のキレート化剤の残基で置
換したチタンアルコキシド誘導体類を挙げること
ができる。また、有機ジルコニウム化合物とし
て、有機チタン化合物と同種の置換基を有する化
合物が使用できる。鉛化合物としては、酸化鉛、
水酸化鉛、塩化鉛等の無機化合物類、酢酸鉛等の
カルボン酸鉛類が使用できる。 本発明において、前記した有機チタン化合物と
有機ジルコニウム化合物および鉛化合物とを、所
定の比率で混合したβ−ジケトン、たとえばアセ
チルアセトン、ベンゾイルアセトン等の溶液、ま
たは有機チタン化合物と有機ジルコニウム化合物
および鉛化合物とを、所定の比率で反応させて得
られる鉛含有複合有機金属化合物、好ましくは、
本出願人が特開昭58−41723号で提案した、チタ
ンアルコキシドとジルコニウムアルコキシドおよ
びカルボン酸鉛を反応させて得られる。組成式(1) Pb・MO2(OR)n・(COOR′)o ……(1) (ここに、Mはチタンおよびジルコニウム原子 RおよびR′は同種または異種のアルキル基ま
たはアリール基を表し、 mおよびnは0、1または2であり、かつm+
nは2である。) で表される鉛含有複合有機金属化合物の、前記β
−ジケトン溶液をチタンジルコン酸鉛生成の前駆
体溶液として使用する。該前駆体溶液中の金属化
合物の濃度は、複合金属酸化物すなわちチタンジ
ルコン酸鉛に換算して5〜20重量%である。金属
化合物濃度が低過ぎると、1回の塗布、加熱焼成
で形成されるチタンジルコン酸鉛薄膜の厚さが薄
くなり過ぎ、塗布、加熱焼成の繰り返し回数を増
加させなければならず、また高過ぎると、1回の
塗布で形成される前駆体の塗膜厚さが厚くなり、
加熱焼成時にクラツクが発生し易いので好ましく
ない。 溶媒として、β−ジケトン以外にメタノール、
エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の
低級アルコール類、蟻酸メチル、酢酸メチル、酢
酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸プロピ
ル等の低級エステル類も使用できるが、前駆体溶
液の安定性からβ−ジケトンが好ましく、特にア
セチルアセトンが好ましい。 本発明において、チタンジルコン酸鉛薄膜形成
の対象となる耐熱性基板として、ガラス板、セラ
ミツク板、導電性薄膜で被覆したガラス板または
セラミツク板、金属板、金属箔等を使用できる。
該耐熱性基板上に前記前駆体溶液を塗布する方法
として、デイツピング法、スプレー法、スピンナ
ー法、印刷法、刷毛塗法等の公知の塗布法の何れ
をも使用できるが、一定の厚さの均質な塗膜の得
られ易いデイツピング法が好ましく、前駆体溶液
の温度を40〜95℃に保持してデイツピングを行う
ホツトデイツピング法がさらに好ましい。前駆体
溶液を塗布した耐熱性基板の加熱焼成温度は、前
駆体溶液中の金属化合物の種類、濃度、溶媒の種
類、耐熱性基板の種類等により異なるが、チタン
ジルコン酸鉛の結晶化温度以上の温度に加熱する
必要があり、450〜800℃、好ましくは500〜700℃
である。 本発明のチタンジルコン酸鉛誘電体薄膜は、前
記した前駆体溶液の塗布および加熱焼成を複数回
繰り返すことにより、所定の合計厚さを有するも
のが製造される。塗布および加熱焼成の繰り返し
回数は、2〜10回、好ましくは5〜10回である。
1回の塗布および加熱焼成では、ピンホール等の
薄膜欠陥が残留して導通を生じ、また1回以上の
繰り返しは、これ以上の電気特性の向上が認めら
れないので好ましくない。 本発明で得られるチタンジルコン酸鉛誘電体薄
膜は組成に特に制限はないが好ましい範囲は組成
式(2) Pb(Zrx・Tiy)O3 ……(2) (ここに、xは0.7〜0.45 yは0.3〜0.55であり かつx+y=1である) で表される範囲であり、好ましくは合計厚さが
1000〜15000〓の薄膜であり、この時特に優れた
電気特性を有する。 本発明のチタンジルコン酸鉛誘電体薄膜は、優
れた電気特性を有しており、薄膜コンデンサーと
して使用できるばかりでなく、焦電材料および圧
電材料としても使用できる。 本発明のチタンジルコン酸鉛誘電体薄膜が、高
比誘電率を有する理由は、驚きべきことにチタン
ジルコン酸鉛結晶の結晶軸が、一定方向に配向し
ており、かつチタンジルコン酸鉛薄膜を多層に形
成されたことにより、ピンホール等の薄膜欠陥が
補修され、また同時に結晶粒界を通しての導通も
防止されることによるものである。 本発明は優れた電気特性を有し、かつ従来製造
が困難とされている厚さのチタンジルコン酸鉛誘
電体薄膜およびその製造方法を提供するものであ
り、その産業的意義は極めて大きい。 以下、本発明を、実施例によりさらに詳しく説
明する。ただし、本発明の範囲は、下記実施例に
より何等限定されるものではない。 実施例 1 チタンジルコン酸鉛前駆体溶液の調製: 酸化鉛:PbOとジルコニウムアセチルアセトナ
ート:Zr・(CH3COCHCOCH3)4およびテトラブ
トキシチタン:Ti・(OC4H9)4とを、PbTiO3/
PbZrO3モル比が45/55となる如く、それぞれを
秤取してアセチルアセトン中において、100〜110
℃の温度に加熱し反応させ、複合金属酸化物換算
濃度として12.5重量%のチタンジルコン酸鉛前駆
体溶液を調製した。 調製した前駆体溶液を加熱して溶媒をドライア
ツプした後、500℃の温度において加熱分解し黄
色粉末を得た。得られた黄色粉末のX線回折を行
つた結果、チタンジルコン酸鉛の結晶であること
が確認された。得られた黄色粉末のX線回折図
を、第1図に示す。 チタンジルコン酸鉛誘電体薄膜の製造: 錫をドープした酸化インジウム透明導電膜
(ITO膜)を被覆したガラス基板を、50〜60℃に
保持した前記調製したチタンジルコン酸鉛前駆体
溶液中に浸漬し、47cm/minの速度で引き上げチ
タンジルコン酸鉛前駆体の塗膜を形成した。次い
で、500℃の温度に加熱した電気炉中において、
30分間保持して加熱焼成した。このデイツピング
および加熱焼成を繰り返し、透明な薄膜体を得
た。 得られた薄膜体のX線回折を行つた結果、チタ
ンジルコン酸鉛の薄膜体であることが確認され
た。 得られたチタンジルコン酸鉛薄膜体の、デイツ
ピング−加熱焼成の繰り返し回数と電気特性を第
1表に示す。また、得られたチタンジルコン酸鉛
薄膜体のX線回折図を第2図に示す。
15000〓のチタンジルコン酸鉛誘電体薄膜の製造
方法に関する。 誘導体膜は、従来粉粒体状の誘電体組成物を加
圧成型、焼結して製造しているが、該方法におい
ては優れた薄膜コンデンサーの条件である厚さが
十数ミクロン以下と薄くかつ高比誘電率を有する
薄膜を製造することは極めて困難であり、また焼
結温度が極めて高いため電極として高価な金属を
使用しなければならない。優れた薄膜コンデンサ
ーに適した誘電体膜の製造方法として、スパツタ
リング法、真空蒸着法、気相反応法等が検討され
ているが、これらの方法においてはストイツチオ
メトリ制御が極めて困難であるばかりでなく、膜
厚が極めて薄いものしか得られないため導通を生
じ易いことにより実用化されていない。これらの
方法とはべつに、有機金属化合物を含有する溶液
をガラス基板上に滴下法またはデイツピング法に
より塗布し、常温空気中で30分間、さらに110℃
の恒温槽中において30分間乾燥して加水分解反応
を終了させた後、電気炉中において強制的に水蒸
気を送入しながら200℃〜800℃の温度で加熱焼成
して誘電体薄膜の製造する方法が特開昭56−
28408号公報に提案されている。しかしながら、
該方法においては例示される有機金属化合物溶液
が大気中の水分を吸収して容易に加水分解され極
めて不安定であるため、均質な塗膜を得ることが
困難である。また、加水分解時および加熱焼成時
における雰囲気、特ち水蒸気分圧の制御が極めて
困難であることにより、形成された薄膜にクラツ
ク、ピンホール等の欠陥が発生し導通を生ずるた
め、良好な電気特性、特ち誘電特性を有する誘電
体薄膜を得ることは困難であり、該公報には電気
特性の具体的な記載はない。 一般に、高い比誘電率を得るためには、誘電体
組成を結晶化させる必要があるが、薄膜の場合、
薄膜組成の結晶化により結晶粒界に起因する導通
が生ずるため、高い比誘電率を有する誘電体薄膜
は得られないとするのが通説となつている。 本発明は、高い比誘電率を有し、膜厚が1000〓
〜15000〓の均質な、かつ透明なチタンジルコン
酸鉛誘電体薄膜およびその製造方法を提供するこ
とを、その目的とする。 本発明者等は、前期目的を達成すべく鋭意研究
した結果、チタニウム−ジルコニウム−鉛複合有
機金属化合物のアセチルアセトン溶液を、チタン
ジルコン酸鉛形成の前駆体溶液として耐熱性基板
上に塗布して加熱焼成し、その塗布および加熱焼
成を繰り返すことにより得られたチタンジルコン
酸鉛薄膜の積層体が、高比誘電率を有することを
見いだし本発明を完成した。 本発明において、チタンジルコン酸鉛誘電体薄
膜は、有機チタン化合物と有機ジルコニウム化合
物および鉛化合物とを、所定の比率で混合した混
合物のβ−ジケトン溶液、またはこれらを反応さ
せて得られる複合有機金属化合物のβ−ジケトン
溶液をチタンジルコン酸鉛生成の前駆体溶液とし
て、耐熱性基板上に塗布した後、加熱焼成してチ
タンジルコン酸鉛薄膜を形成し、該前駆体溶液の
塗布および加熱焼成を繰り返すことにより製造す
る。有機チタン化合物としては、β−ジケトンに
可溶性のものであればいかなる化合物をも使用で
きる。たとえば、テトラエトキシチタン、テトラ
イソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、
ジエトキシジイソプロポキシチタン等のチタンア
ルコキシド類およびその加水分解により生成する
重合体類、チタンアルコキシドのアルコキシ基の
一部または全部をアセチルアセトン、ベンゾイル
アセトンなどのβ−ジケトン類、アセト酢酸、プ
ロピオニル酪酸、ベンゾイル蟻酸などのケトン酸
類、該ケトン酸の低級アルキルエステル類、乳
酸、グリコール酸、α−オキシ酪酸、サリチル酸
などのオキシ酸類、該オキシ酸の低級アルキルエ
ステル類、ジアセトンアルコール、アセトインな
どのオキシケトン類、グリシン、アラニンなどの
α−アミノ酸類、アミノエチルアルコールなどの
アミノアルコール類等のキレート化剤の残基で置
換したチタンアルコキシド誘導体類を挙げること
ができる。また、有機ジルコニウム化合物とし
て、有機チタン化合物と同種の置換基を有する化
合物が使用できる。鉛化合物としては、酸化鉛、
水酸化鉛、塩化鉛等の無機化合物類、酢酸鉛等の
カルボン酸鉛類が使用できる。 本発明において、前記した有機チタン化合物と
有機ジルコニウム化合物および鉛化合物とを、所
定の比率で混合したβ−ジケトン、たとえばアセ
チルアセトン、ベンゾイルアセトン等の溶液、ま
たは有機チタン化合物と有機ジルコニウム化合物
および鉛化合物とを、所定の比率で反応させて得
られる鉛含有複合有機金属化合物、好ましくは、
本出願人が特開昭58−41723号で提案した、チタ
ンアルコキシドとジルコニウムアルコキシドおよ
びカルボン酸鉛を反応させて得られる。組成式(1) Pb・MO2(OR)n・(COOR′)o ……(1) (ここに、Mはチタンおよびジルコニウム原子 RおよびR′は同種または異種のアルキル基ま
たはアリール基を表し、 mおよびnは0、1または2であり、かつm+
nは2である。) で表される鉛含有複合有機金属化合物の、前記β
−ジケトン溶液をチタンジルコン酸鉛生成の前駆
体溶液として使用する。該前駆体溶液中の金属化
合物の濃度は、複合金属酸化物すなわちチタンジ
ルコン酸鉛に換算して5〜20重量%である。金属
化合物濃度が低過ぎると、1回の塗布、加熱焼成
で形成されるチタンジルコン酸鉛薄膜の厚さが薄
くなり過ぎ、塗布、加熱焼成の繰り返し回数を増
加させなければならず、また高過ぎると、1回の
塗布で形成される前駆体の塗膜厚さが厚くなり、
加熱焼成時にクラツクが発生し易いので好ましく
ない。 溶媒として、β−ジケトン以外にメタノール、
エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の
低級アルコール類、蟻酸メチル、酢酸メチル、酢
酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸プロピ
ル等の低級エステル類も使用できるが、前駆体溶
液の安定性からβ−ジケトンが好ましく、特にア
セチルアセトンが好ましい。 本発明において、チタンジルコン酸鉛薄膜形成
の対象となる耐熱性基板として、ガラス板、セラ
ミツク板、導電性薄膜で被覆したガラス板または
セラミツク板、金属板、金属箔等を使用できる。
該耐熱性基板上に前記前駆体溶液を塗布する方法
として、デイツピング法、スプレー法、スピンナ
ー法、印刷法、刷毛塗法等の公知の塗布法の何れ
をも使用できるが、一定の厚さの均質な塗膜の得
られ易いデイツピング法が好ましく、前駆体溶液
の温度を40〜95℃に保持してデイツピングを行う
ホツトデイツピング法がさらに好ましい。前駆体
溶液を塗布した耐熱性基板の加熱焼成温度は、前
駆体溶液中の金属化合物の種類、濃度、溶媒の種
類、耐熱性基板の種類等により異なるが、チタン
ジルコン酸鉛の結晶化温度以上の温度に加熱する
必要があり、450〜800℃、好ましくは500〜700℃
である。 本発明のチタンジルコン酸鉛誘電体薄膜は、前
記した前駆体溶液の塗布および加熱焼成を複数回
繰り返すことにより、所定の合計厚さを有するも
のが製造される。塗布および加熱焼成の繰り返し
回数は、2〜10回、好ましくは5〜10回である。
1回の塗布および加熱焼成では、ピンホール等の
薄膜欠陥が残留して導通を生じ、また1回以上の
繰り返しは、これ以上の電気特性の向上が認めら
れないので好ましくない。 本発明で得られるチタンジルコン酸鉛誘電体薄
膜は組成に特に制限はないが好ましい範囲は組成
式(2) Pb(Zrx・Tiy)O3 ……(2) (ここに、xは0.7〜0.45 yは0.3〜0.55であり かつx+y=1である) で表される範囲であり、好ましくは合計厚さが
1000〜15000〓の薄膜であり、この時特に優れた
電気特性を有する。 本発明のチタンジルコン酸鉛誘電体薄膜は、優
れた電気特性を有しており、薄膜コンデンサーと
して使用できるばかりでなく、焦電材料および圧
電材料としても使用できる。 本発明のチタンジルコン酸鉛誘電体薄膜が、高
比誘電率を有する理由は、驚きべきことにチタン
ジルコン酸鉛結晶の結晶軸が、一定方向に配向し
ており、かつチタンジルコン酸鉛薄膜を多層に形
成されたことにより、ピンホール等の薄膜欠陥が
補修され、また同時に結晶粒界を通しての導通も
防止されることによるものである。 本発明は優れた電気特性を有し、かつ従来製造
が困難とされている厚さのチタンジルコン酸鉛誘
電体薄膜およびその製造方法を提供するものであ
り、その産業的意義は極めて大きい。 以下、本発明を、実施例によりさらに詳しく説
明する。ただし、本発明の範囲は、下記実施例に
より何等限定されるものではない。 実施例 1 チタンジルコン酸鉛前駆体溶液の調製: 酸化鉛:PbOとジルコニウムアセチルアセトナ
ート:Zr・(CH3COCHCOCH3)4およびテトラブ
トキシチタン:Ti・(OC4H9)4とを、PbTiO3/
PbZrO3モル比が45/55となる如く、それぞれを
秤取してアセチルアセトン中において、100〜110
℃の温度に加熱し反応させ、複合金属酸化物換算
濃度として12.5重量%のチタンジルコン酸鉛前駆
体溶液を調製した。 調製した前駆体溶液を加熱して溶媒をドライア
ツプした後、500℃の温度において加熱分解し黄
色粉末を得た。得られた黄色粉末のX線回折を行
つた結果、チタンジルコン酸鉛の結晶であること
が確認された。得られた黄色粉末のX線回折図
を、第1図に示す。 チタンジルコン酸鉛誘電体薄膜の製造: 錫をドープした酸化インジウム透明導電膜
(ITO膜)を被覆したガラス基板を、50〜60℃に
保持した前記調製したチタンジルコン酸鉛前駆体
溶液中に浸漬し、47cm/minの速度で引き上げチ
タンジルコン酸鉛前駆体の塗膜を形成した。次い
で、500℃の温度に加熱した電気炉中において、
30分間保持して加熱焼成した。このデイツピング
および加熱焼成を繰り返し、透明な薄膜体を得
た。 得られた薄膜体のX線回折を行つた結果、チタ
ンジルコン酸鉛の薄膜体であることが確認され
た。 得られたチタンジルコン酸鉛薄膜体の、デイツ
ピング−加熱焼成の繰り返し回数と電気特性を第
1表に示す。また、得られたチタンジルコン酸鉛
薄膜体のX線回折図を第2図に示す。
【表】
実施例 2
鉛含有複合有機金属化合物の合成:
プロピオン酸鉛:Pb(OCOC2Hs)2とテトラブ
トキシジルコニウム:Zr(OC4Hg)4およびテトラ
ブトキシチタン:Ti(OC4Hg)4とを、PbTiO3/
PbTiO3モル比が50/50となる如く秤取し、デカ
リン中において130〜140℃の温度に加熱して反応
させた。減圧下に低沸物を留去し、粉末状の反応
生成物を得た。I.R分析、Pb、Ti、Zrの元素分析
およびブタノールならびにブチルアセテートの留
出量より、得られた反応生成物平均組成は、
Pb・Ti0.5・Zr0.5・O2(OC4Hg)1.4・(OCOC2H5)0.
6であることを認めた。 得られた反応生成物粉末を、600℃の温度にお
いて加熱分解して得られた粉末をX線回折した結
果、チタンジルコン酸鉛であることが確認され
た。 チタンジルコン酸鉛誘電体薄膜の製造: 前記得られた鉛含有複合有機金属化合物粉末
を、アセチルアセトンに溶解し、複合酸化物換算
濃度12.5重量%のチタンジルコン酸鉛形成前駆体
溶液を調製した。 50〜60℃の温度に加熱保持した前記調製したチ
タンジルコン酸鉛形成前駆体溶液に、実施例1と
同一の条件において、ITO膜を被覆したガラス基
板をデイツピングして該前駆体を塗布した後、
500℃の温度に30分間保持して加熱焼成を行い、
以下デイツピング−加熱焼成を4回繰り返し5層
の積層薄膜体を得た。 得られた積層薄膜体の電気特性は、下記の通り
であつた。 膜厚 :d6000Å 静電容量:C0.71μF/cm2 比誘電率:ε480 誘電損失:tanδ0.054 比抵抗 :4×1010 比較例 1 実施例1で調製したチタンジルコン酸鉛形成前
駆体溶液に、実施例1と同一の条件でITO膜を被
覆したガラス基板をデイツピングし加熱焼成し
て、チタンジルコン酸鉛の単層薄膜体を得た。 得られた薄膜体の電気特性は、導通があり測定
できなかつた。
トキシジルコニウム:Zr(OC4Hg)4およびテトラ
ブトキシチタン:Ti(OC4Hg)4とを、PbTiO3/
PbTiO3モル比が50/50となる如く秤取し、デカ
リン中において130〜140℃の温度に加熱して反応
させた。減圧下に低沸物を留去し、粉末状の反応
生成物を得た。I.R分析、Pb、Ti、Zrの元素分析
およびブタノールならびにブチルアセテートの留
出量より、得られた反応生成物平均組成は、
Pb・Ti0.5・Zr0.5・O2(OC4Hg)1.4・(OCOC2H5)0.
6であることを認めた。 得られた反応生成物粉末を、600℃の温度にお
いて加熱分解して得られた粉末をX線回折した結
果、チタンジルコン酸鉛であることが確認され
た。 チタンジルコン酸鉛誘電体薄膜の製造: 前記得られた鉛含有複合有機金属化合物粉末
を、アセチルアセトンに溶解し、複合酸化物換算
濃度12.5重量%のチタンジルコン酸鉛形成前駆体
溶液を調製した。 50〜60℃の温度に加熱保持した前記調製したチ
タンジルコン酸鉛形成前駆体溶液に、実施例1と
同一の条件において、ITO膜を被覆したガラス基
板をデイツピングして該前駆体を塗布した後、
500℃の温度に30分間保持して加熱焼成を行い、
以下デイツピング−加熱焼成を4回繰り返し5層
の積層薄膜体を得た。 得られた積層薄膜体の電気特性は、下記の通り
であつた。 膜厚 :d6000Å 静電容量:C0.71μF/cm2 比誘電率:ε480 誘電損失:tanδ0.054 比抵抗 :4×1010 比較例 1 実施例1で調製したチタンジルコン酸鉛形成前
駆体溶液に、実施例1と同一の条件でITO膜を被
覆したガラス基板をデイツピングし加熱焼成し
て、チタンジルコン酸鉛の単層薄膜体を得た。 得られた薄膜体の電気特性は、導通があり測定
できなかつた。
第1図実施例1で得られたチタンジルコン酸鉛
粉末のX線回折図、第2図実施例1で得られたチ
タンジルコン酸鉛薄膜体のX線回折図。
粉末のX線回折図、第2図実施例1で得られたチ
タンジルコン酸鉛薄膜体のX線回折図。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 有機チタニウム化合物、有機ジルコニウム化
合物および鉛化合物からなる混合物または有機チ
タニウム化合物および有機ジルコニウム化合物と
鉛化合物との反応生成物の、β−ジケトン溶液を
チタンジルコン酸鉛生成の前駆体溶液とし、該前
駆体溶液を耐熱性基板に塗布して加熱焼成し、さ
らに該前駆体溶液の塗布および加熱焼成を繰り返
し、当該耐熱性基板上にチタンジルコン酸鉛薄膜
を多層に形成せしめることを特徴とするチタンジ
ルコン酸鉛誘電体薄膜の製造方法。 2 有機チタニウム化合物および有機ジルコニウ
ム化合物が当該金属のアルコキシド類および該ア
ルコキシドのアルコキシ基の一部または全部をキ
レート化剤で置換した化合物の少なくとも一種で
ある特許請求の範囲第1項記載のチタンジルコン
酸鉛誘電体薄膜の製造方法。 3 鉛化合物が酸化鉛、水酸化鉛およびカルボン
酸鉛の少なくとも一種である特許請求の範囲第1
項記載のチタンジルコン酸鉛誘電体薄膜の製造方
法。 4 β−ジケトンがアセチルアセトンである特許
請求の範囲第1項記載のチタンジルコン酸鉛誘電
体薄膜の製造方法。 5 前駆体溶液がチタンジルコン酸鉛に換算した
濃度で5〜20重量%である特許請求の範囲第1項
記載のチタンジルコン酸鉛誘電体薄膜の製造方
法。 6 前駆体溶液の耐熱性基板への塗布法がデイツ
ピング法である特許請求の範囲第1項記載のチタ
ンジルコン酸鉛誘電体薄膜の製造方法。 7 前駆体溶液の耐熱性基板への塗布温度が40〜
90℃である特許請求の範囲第1項記載のチタンジ
ルコン酸鉛誘電体薄膜の製造方法。 8 前駆体溶液を塗布した耐熱性基板の加熱焼成
温度が、450〜800℃、好ましくは500〜700℃であ
る特許請求の範囲第1項記載のチタンジルコン酸
鉛誘電体薄膜の製造方法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9484083A JPS59220913A (ja) | 1983-05-31 | 1983-05-31 | チタンジルコン酸鉛誘電体薄膜の製造方法 |
| US06/662,295 US4636908A (en) | 1983-01-31 | 1984-01-31 | Thin-film dielectric and process for its production |
| EP19840900646 EP0134249A4 (en) | 1983-01-31 | 1984-01-31 | PROCESS FOR PRODUCING A THIN FILM DIELECTRIC. |
| PCT/JP1984/000027 WO1984003003A1 (fr) | 1983-01-31 | 1984-01-31 | Dielectrique a film mince et son procede de production |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9484083A JPS59220913A (ja) | 1983-05-31 | 1983-05-31 | チタンジルコン酸鉛誘電体薄膜の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59220913A JPS59220913A (ja) | 1984-12-12 |
| JPH0318281B2 true JPH0318281B2 (ja) | 1991-03-12 |
Family
ID=14121234
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9484083A Granted JPS59220913A (ja) | 1983-01-31 | 1983-05-31 | チタンジルコン酸鉛誘電体薄膜の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59220913A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS60200403A (ja) * | 1984-03-24 | 1985-10-09 | 日本曹達株式会社 | 薄膜誘電体の製造方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS56147312A (en) * | 1980-04-15 | 1981-11-16 | Citizen Watch Co Ltd | Method of manufacturing ferrodielectric thin film |
-
1983
- 1983-05-31 JP JP9484083A patent/JPS59220913A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59220913A (ja) | 1984-12-12 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4636908A (en) | Thin-film dielectric and process for its production | |
| US4963390A (en) | Metallo-organic solution deposition (MOSD) of transparent, crystalline ferroelectric films | |
| JPS60236404A (ja) | 薄膜強誘電体の製造方法 | |
| KR100432621B1 (ko) | Ba1-xSrxTiyO3 박막 형성용 조성물 및 Ba1-xSrxTiyO3 박막의 형성방법 | |
| EP0524630A2 (en) | Composition for use in a transparent and electrically conductive film and a method for making the film | |
| Sriprang et al. | Processing and Sol Chemistry of a Triol‐Based Sol–Gel Route for Preparing Lead Zirconate Titanate Thin Films | |
| JPH0318281B2 (ja) | ||
| JP4329237B2 (ja) | 強誘電体薄膜形成用溶液の製造方法及び強誘電体薄膜形成用溶液 | |
| WO2015056587A1 (ja) | LaNiO3薄膜形成用組成物及びこの組成物を用いたLaNiO3薄膜の形成方法 | |
| JPH0449721B2 (ja) | ||
| JPH0260397B2 (ja) | ||
| JP2783158B2 (ja) | 酸化物薄膜の製造方法 | |
| JPH0790594A (ja) | チタン系複合酸化物形成用塗布液 | |
| JP3013411B2 (ja) | 強誘電体薄膜の製造方法 | |
| JP3446461B2 (ja) | Ba1−xSrxTiyO3薄膜形成用組成物、Ba1−xSrxTiyO3薄膜の形成方法及び薄膜コンデンサの製造方法 | |
| JPH0543241A (ja) | ジルコン酸チタン酸鉛薄膜の製造方法 | |
| JPH0414516B2 (ja) | ||
| JPS59139617A (ja) | チタン酸鉛誘電体薄膜およびその製造方法 | |
| US5637346A (en) | Process for preparing a thin ferroelectric or para-dielectric oxide film | |
| JP3026871B2 (ja) | ニオブ酸タンタル酸カリウム薄膜の製造方法 | |
| JP6365294B2 (ja) | LaNiO3薄膜の形成方法 | |
| JP2955293B2 (ja) | 誘電体薄膜の製造方法 | |
| WO2007007561A1 (ja) | 常誘電体薄膜形成用組成物、常誘電体薄膜および誘電体メモリ | |
| JP3066834B2 (ja) | 強誘電体薄膜の製造方法 | |
| JP2956356B2 (ja) | 鉛含有ペロブスカイト構造複合酸化物強誘電体薄膜、その製法及び材料 |