JPH0355591B2 - - Google Patents

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JPH0355591B2
JPH0355591B2 JP60085375A JP8537585A JPH0355591B2 JP H0355591 B2 JPH0355591 B2 JP H0355591B2 JP 60085375 A JP60085375 A JP 60085375A JP 8537585 A JP8537585 A JP 8537585A JP H0355591 B2 JPH0355591 B2 JP H0355591B2
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micropores
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polyester
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acid
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Description

【発明の詳細な説明】
(イ) 産業上の利用分野 本発明は高発色性と耐摩耗性に優れたポリエス
テル染色布帛に関する。 (ロ) 従来の技術 ポリエステル繊維は優れた物理的性質を有して
いることから衣料用,非衣料用に広く用いられて
きたが、その染色物の色彩がアクリルやアセテー
ト繊維に比較して劣つており、これまで、種々の
改良方策に提案されている。例えば低屈折率剤を
用いてポリエステル繊維の表面を被覆する方法で
ある。ポリエステル繊維は繊維素材の中でも高い
屈折率を持つており、表面反射率が大きくなり染
色物はパステル調で、いわゆる白茶けて見える。
このために繊維の表面に低屈折率剤を付与して、
この欠点を改良するものであつて、低屈折率物質
としてふつ素系,シリコン系,ウレタン系,シリ
カ系等の化合物が用いられる。処理法としてはパ
ツドキユア,浴中からの吸着法等が挙げられてい
る(例えば特公昭58−51557号,特開昭57−25485
号等)。しかしながら、これらの方法では、洗濯
による耐久性が悪く、染色堅牢度の低下や、風合
が損なわれること、さらには繊維処理時の不均一
による斑が起こり、高発色化技術としては充分と
は言えないものであつた。 又、他の手段としては繊維表面の微細孔を形成
し、表面を粗面化による方法が挙げられる。この
方法は例えば特開昭55−107512号,特開昭57−
139118号等に例示されているものであつて、ポリ
マー製造段階で不活性な微粒子をブレンドし、紡
糸延伸して得たポリエステル繊維をアルカリ減量
加工によつて表面を凹凸化するものであり、該不
活性微粒子としては、シラノール基をアルキル基
で封鎖したシリカや、リン化合物とアルカリ士類
金属を反応させて析出した粒子を用いる内部析出
粒子法などが提案されている。これらのポリエス
テル繊維は減量加工して、微細孔を繊維表面に形
成した後に染色することによつて初めて発色性を
向上させることができるものである。ところが、
かかる微細多孔繊維は、表面に微細孔を有するが
故に耐摩耗性が不充分で、加工プロセス中に設備
との摩擦等によるスレ当りを多発する欠点があ
る。この対策として、あらかじめ布帛全体にワツ
シヤーなどで均一に損傷を与え、製品にした時に
視感的に判り難らくする方法(特開昭57−101036
号)が提案されているが、この方法ではワツシヤ
ー工程を通さない様にフラツトな商品(例えば、
タフタ,加工糸平織物)には適用出来ないこと、
及び繊維に損傷を与えるため本来目的とした高発
色性が損われるという欠点がある。繊維表面を凹
凸化する他の技術的手段としては低温プラズマ照
射によるポリエステル繊維表面の微細孔形成が提
案(特公昭59−11709号)されている。この方法
も該微細多孔の形成により発色性を改良するもの
であるが、得られた染色布帛の耐摩耗性が劣悪で
あること、並びにその技術は末だ開発途上にあつ
て、とても現段階では実用化に供し得るものでは
ない。 (ハ) 発明が解決しようとする問題点 本発明が解決しようとする問題点は、微細多孔
形成剤を含有するポリエステル繊維を従来の様に
アルカリ減量後に染色すると、第1に、染色後の
還元洗浄、又はソーピングにより微細孔中の染料
の除去が非常に困難となり、孔の中に染料が表面
付着して残存する。このため、微細孔の光学的機
能を充分に生かすことができないことと共に染料
による本来の色彩が得られず、発色性を著しく低
下せしめている点である。第2には、表面に微細
孔を形成したポリエステル繊維を例えば液流染色
機で染色する際に、高温高圧水中で処理するため
に布帛と布帛、或いは布帛と缶体内壁とが激しく
ぶつかり合い、この結果、フイブリル化して孔の
変形やつぶれ等を生じ、いわゆるスレ当りを発生
し、品位を著しく低下せしめている点にある。 (ニ) 問題点を解決するための手段 本発明者らは、これらの問題点を解決するため
鋭意・研究を行なつた結果、微細孔形成剤を含有
するポリエステル繊維から成る織・編物を、染色
後にアルカリ減量することにより、高発色性と耐
摩耗性の改良という2つの性質を同時に満足する
布帛が得られることを見い出し、本発明に到達し
たものである。 即ち、本発明は、少なくとも繊維表面に微細孔
を有し、該微細孔はその大きさの度数分布におい
て最大頻度を示す値が繊維軸と直交する方向に沿
う巾について0.1〜0.5μの範囲にあり、かつ、繊
維軸方向に沿う長さについて0.5〜5μの範囲にあ
るポリエステル繊維からなる布帛であつて、該布
帛は分散染料で、且つ10%owf以上の染料濃度で
染色されており、該染色布帛の常温アセトンによ
る染料抽出量が繊維1g重量当り20mg以下である
ことを特徴とするポリエステル染色布帛にある。 本発明に用いるポリエステル繊維は微細孔形成
例を含有する必要があり、微細孔形成剤を含有し
ないポリエステル繊維では本発明の効果が得られ
ない。 かかる微細孔形成剤としてはアルカリ減量処理
によつてポリエステル繊維の表面又は表面と内部
に微細孔を形成することができ、こうすることに
よつて天然繊維様風合,吸湿性,吸水性,色の深
みや鮮明性等の微細孔の機能を実質的に発揮でき
るものであれば特に限定する必要はないが、なか
でも微細孔形成剤が金属を含有する化合物である
場合に本発明の効果が顕著に奏せられる。 上記微細孔形成例の中で本発明の目的を達成す
るために、特に望ましいものとしては、ポリエス
テルの合成が完了するまでの任意の段階で(a)ポリ
エステルを構成する酸成分に対して0.3〜3モル
%の下記一般式() 〔式中、R1及びR2は水素原子又は1価の有機
基、Xは水素原子,1価の有機基又は金属mは0
又は1を示す。〕 で表わされるリン化合物及び(b)アルカリ士類金属
化合物を(a)と(b)とを予め反応させることなく且つ
(a)と(b)の金属の当量数の合計量が(a)のリン化合物
のモル数に対して2.0〜3.2倍となるように添加す
ることによつて、ポリエステル反応系内部で(a)と
(b)との反応によつて析出した不溶性微粒子があげ
られる。 リン化合物を示す上記式()中R1及びR2
水素原子又は1価の有機基である。この1価の有
機基は具体的にはアルキル基,アリール基,アラ
ルキル基又は〔−(CH2kR3(但し、R3は水素原
子,アルキル基,アリール基又はアラルキル基,
lは2以上の整数,kは1以上の整数)等が好ま
しく、R1とR2とは同一でも異なつていてもよい。
Xは水素原子,1価の有機基又は金属であり、1
価の有機基としては上記R1,R2における有機基
の定義と同様であつて、R1,R2と同一でも異な
つていてもよく、また金属としては特にアルカリ
金属,アルカリ土類金属が好ましく、なかでも
Li,Na,K,Mg1/2,Ca1/2,Sr1/2,
Ba1/2が特に好ましい。mは0又は1の整数で
ある。 かかるリン化合物としては、例えば正リン酸,
リン酸トリメチル,リン酸トリエチル,リン酸ト
リブチル,リン酸トリフエニルの如きリン酸トリ
エステル,メチルアシドホスフエート,エチルア
シドホスフエート,ブチルアシドホスフエートの
如きリン酸モノ及びジエステル,亜リン酸,亜リ
ン酸トリメチル,亜リン酸トリエチル,亜リント
リブチル,亜リン酸トリフエニルの如き亜リン酸
トリエステル,メチルアシドホスフアイト,エチ
ルアシドホスフアイト,ブチルアシドホスフアイ
トの如き亜リン酸モノ及びジエステル,上記リ化
合物をグリコール及び/又は水と反応することに
より得られるリン化合物,更に上記したリン化合
物を所定量のLi,Na,K等の如きアルカリ金属
の化合物又はMg,Ca,Sr,Ba等の如きアルカ
リ土類金属の化合物と反応することにより得られ
るリン化合物等から選ばれた1種以上のリン化合
物を用いることができる。 上記リン化合物と併用するアルカリ土類金属化
合物としては、上記リン化合物と反応してポリエ
ステルに不溶性の塩を形成するものであれば特に
制限はなく、アルカリ土類金属の酢酸塩,しゆう
酸塩,安息香酸塩,フタル酸塩,ステアリン酸塩
の如き有機カルボン酸塩,硼酸塩,硫酸塩,珪酸
塩,炭酸塩,重炭酸塩の如き無機酸塩,塩化物の
ようなハロゲン化物,エチレンジアミン4酢酸錯
塩の如きキレート化合物,水酸化物,酸化物,メ
チラート,エチラート,グリコレート等のアルコ
ラート類,フエノラート等をあげることができ
る。特にエチレングリコールに可溶性である有機
カルボン酸塩,ハロゲン化物,キレート化合物,
アルコラートが好ましく、なかでも有機カルボン
酸塩が特に好ましい。上記のアルカリ士類金属化
合物は1種のみ単独で使用しても、また2種以上
併用してもよい。 微細孔形成剤としては、上記したもの以外にも
シリカゾル,酸化アルミニウムを含有する乾式法
シリカ,粒子表面のシラノール基を封鎖した乾式
法シリカ,アルミナゾル,微粒子状アルミナ,極
微粒酸化チタン,炭酸カルシウムゾル及び微粒子
状炭酸カルシウムより選ばれた少なくとも1種か
らなる平均の一次粒子径が100mμ以下の不活性無
機微粒子を好ましくあげらることができる。かか
る不活性無機微粒子のポリエステル繊維中におけ
る含有量は、ポリエステル繊維に対して0.1〜10
重量%の範囲が好ましく、なかでも0.3〜5重量
%の範囲が特に好ましい。 上記不活性微粒子はグリコール,アルコール又
は水等の分散スラリー又はゾルとして、例えばシ
リカゾルについて説明すれば(1)水ガラスよりアル
カリ分を除去して得られた水系シリカゲルをその
まま(2)この水系シリカゾルにグリコール及び/又
はアルコールを混合して(3)この水系シリカゾルの
水をグリコール及び/又はアルコールで置換して
ポリエステルの合成反応が完了するまでの任意の
段階で添加することが望ましい。 このようにして得られた微細孔形成剤を含有す
るポリエステルは通常の製糸方法により繊維とさ
れる。 本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を
主たる酸成分とし、少なくとも1種のグリコー
ル,好ましくはエチレングリコール,トリメチレ
ングリコール,テトラメチレングリコールから選
ばれた少なくとも1種のアルキレングリコールを
主たるグリコール成分とするポリエステルを主た
る対象とする。 また、テレフタル酸成分の一部を他の二官能性
カルボン酸成分で置換えたポリエステルであつて
もよく、及び/又はグリコール成分の一部を主成
分以外の上記グリコール若しくは他のジオール成
分で置換えたポリエステルであつてもよい。 ここで使用されるテレフタル酸以外の二官能性
カルボン酸としては、例えばイソフタル酸,ナフ
タリンジカルボン酸,ジフエニルジカルボン酸,
ジフエノキシエタンジカルボン酸,β−ヒドロキ
シエトキシ安息香酸,p−オキシ安息香酸,5−
ナトリウムスルホイソフタル酸,アジピン酸,セ
バシン酸,1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
の如き芳香族,脂肪族,脂環族の二官能性カルボ
ン酸をあげることができる。また、上記グリコー
ル以外のジオール化合物としては例えばシクロヘ
キサン−1,4−ジメタノール,ネオペンチルグ
リコール,ビスフエノールA,ビスフエノールS
の如き脂肪族,脂環族,芳香族のジオール化合物
及びポリオキシアルキレングリコール等をあげる
ことができる。 かかるポリエステルは任意の方法によつて合成
したものでよい。例えばポリエチレンテレフタレ
ートについて説明すれば、通常、テレフタル酸と
エチレングリコールとを直接エステル化反応させ
るか、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸
の低級アルキルエステルとエチレングリコールと
をエステル交換反応させるか又はテレフタル酸と
エチレンオキサイドを反応させるかしてテレフタ
ル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合
体を生成させる第1段階の反応と、第1段階の反
応生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるま
で重縮合反応させる第2段階の反応によつて製造
される。 該、微細孔形成剤含有ポリエステルを溶融紡糸
するに際しては、通常のポリエステル繊維の溶融
紡糸法が任意に採用でき、紡糸速度は1000〜
8000m/minの範囲が好適である。 延伸は、必要に応じて行われるが、その場合に
は例えば、ホツトローラやホツトピンを用いて加
熱延伸し、必要に応じてプレートヒーターを用い
てヒートセツトすればよい。その場合、延伸倍率
を延伸糸の残留伸度が30〜50%と高くなるような
低い倍率を選定するのが好ましい。 延伸温度(ホツトローラー温度)は、紡糸未延
伸糸の複屈折率(△n)が0.035未満の時はポリ
エステルのガラス転移点以上とするのがよく、△
nが0.035以上の時は、室温延伸でも構わない。 本発明のポリエステル布帛を構成するポリエス
テル繊維の断面形状は丸断面でも異型断面でもよ
い。発色性、およびドレープ性を高めるには丸断
面が好適でシルキー光沢を加味したい場合には三
角断面が好適である。単糸デニールは、1〜3デ
ニールが好ましく、レーヨン調の腰のあるドレー
プ性を得るには約2デニールの繊維が特に好まし
い。 繊維の沸水収縮率は通常のポリエステル繊維が
6.5%であるのに対し、7.5〜15%のものが好まし
い。 又、他の繊維と混織したり、乱流空気で所謂タ
スラン糸としてもよい。編織に際し、撚糸を施す
と、一層ドレープ性と発色性が向上するので、無
撚または甘撚の糸(0〜300T/m)の糸から編
織成するよりもむしろ経糸及び/又は緯糸に中撚
または強撚の糸(500〜3500T/m)を用いて編
織成するのが好ましい。又、本発明に使用するポ
リエステル繊維には必要に応じて任意の添加剤、
例えば触媒,着色防止剤,耐熱剤,螢光増白剤,
艶消剤,着色剤等が含まれていてもよい。 かくして得られたポリエステル繊維は製織又は
編成して布帛にした後、熱水中にてリラツス処理
し乾燥後、熱固定する。リラツクス法としては、
通常採用されているワツシヤー法,キヤリヤーワ
ツシヤー法,連続リラツクス法などが用いられる
が、リラツクス工程でポリエステル繊維の収縮力
を充分に発現させることが重要である。通常10〜
20%収縮させるのが良い。又、熱固定時の巾出し
率は、5%以内にとどめることが望ましい。 かかる処理を施された布帛は、次いで染色され
る。染色法としては、特に本発明の効果を最大限
に発揮させるために、液流染色機の採用が望まし
い。例えば、サーキユラー染色機(日阪製作所(株)
製),ユニエース染色機(日本染色機械(株)製)な
どがある。用いる染料としては分散染料が必要で
あり、しかも高堅牢度タイプのものを使用するこ
とが好ましい。即ち、分散染料には分子量が150
未満のソフトタイプのものと、分子量が150以上
のハードタイプのものが知られており、ソフトタ
イプのものは均染性が良好なため主として使用さ
れている。本発明の染色布帛は、該分散染料とし
てハードタイプのものを使用することが好まし
く、特に分子量として250〜350程度のものを使用
することが好ましい。該ハードタイプの染料は堅
牢度は良好であるが、均染性にはやや難があるた
め、染色助剤を使用したり、前記液流タイプの染
色機を用いることが好適である。さらに、本発明
では染料濃度が10%owf以上の濃度で染色されて
いるものに効果がある。本発明布帛は、該染色布
帛にアルカリ減量処理を施すことにより得られ
る。このアルカリ減量処理により繊維軸方向に配
列した微細孔が形成され、発色性に優れた布帛を
与える。 ここで使用するアルカリ化合物としては、水酸
化ナトリウム,水酸化カリウム,テトラメチルア
ンモニウムハイドロオキサイド,炭酸ナトリウ
ム,炭酸カリウム等をあげることができる。なか
でも水酸化ナトリウム,水酸化カリウムが特に好
ましい。 また、セチルトリメチルアンモニウムブロマイ
ド,ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロ
ライド等の如きアルカリ減量促進剤を適宜使用す
ることができる。 該アルカリ減量処理は、染色機,ワツシヤー等
の高圧若しくは常圧液中法でもよいが、パツドス
チーム法。。さらに、コールドバツチ法でも行う
ことができる。このアルカリ減量処理によつて減
量する量は、繊維重量に対して2重量%以上にす
るのが良く、通常は2〜40重量%の範囲のものが
好適に用いられる。該アルカリ減量処理により得
られる微細孔の大きさとしては、当該微細孔の度
数分布において最大頻度を有する値が、繊維軸に
直角な断面方向の巾に関しては0.1〜0.5μの範囲
にありかつ繊維軸方向の長さに関しては0.5〜5μ
の範囲にあるものが本発明の目的を達成すること
ができる。 上記範囲を越える場合は、本発明の効果が顕著
に減少する。アルカリ減量によつて得られる微細
孔の大きさは繊維表面の摩擦係数を下げてドレー
プ性を付与する為には、前記下限値以上の大きさ
が必要である。しかし乍ら、微細孔の孔径が大き
くなると、光散乱の影響から色調がパステル化す
るという欠点をひき起す。従つて鮮明な発色性を
得る点から微細孔の大きさは、前記上限値以下に
抑えなければならない。 アルカリ減量処理後に仕上セツトを行なうが、
この場合、巾出し率は5%以下にとどめることが
好ましい。尚、セツト温度は、分散染料が繊維表
面へのマイグレーシヨンによる鮮明度の低下を防
止するために、出来るだけ低温度(160゜〜180℃)
で行うことが好ましい。 なお、本発明の染色布帛はアルカリ減量処理後
に親水化加工等を施すことができる。かかるアル
カリ減量処理後の加工としては、例えばジメチル
ポリシロキサン,テトラフルオロエチレン−プロ
ピレン共重参体の如きポリエステルよりも低い屈
折率を有する重合体でポリエステル繊維の表面を
被覆する方法等が好ましく採用できる。親水化後
加工としては、例えばテレフタル酸及び/又はイ
ソフタル酸若しくはそれらの低級アルキルエステ
ル、低級アルキレングリコール及びポリアルキレ
ングリコールからなるポリエステルポリエーテル
ブロツク共重合体の水性分散液でポリエステル繊
維を処理する方法等が好ましく採用できる。 かくして得られる本発明の染色布帛は、常温の
アセトンによる染料抽出量が繊維1g重量当り20
mg以下のものである。これは、該染色布帛を構成
する繊維に染料が表面付着している量が少ないこ
とを意味している。特に、本発明の染色布帛はそ
れを構成するポリエステル繊維が染色加工後に形
成されるアルカリ減量処理により微細孔を有し該
微細孔は、従来の染色布帛のように染料を表面付
着させることなく形成されているものである。該
染料抽出量が繊維20mg重量当り1.0をえる場合は、
発色性が低下し、好ましくない。 (ホ) 発明の作用 本発明は、以上のように染色布帛を構成するポ
リエステル繊維が微細孔を有し、しかも該微細孔
の存在にも拘わらず染料の表面付着が少ないため
に得られる染色布帛の深色性が良好なものであ
る。繊維表面に微細孔を形成せしめた繊維からな
る染色布帛は、従来方法によるものは微細孔表面
に凝集染料が多量に残存し、微細孔の光学的機能
を充分生かすことができず発色性を著しく低下せ
しめている。残存凝集染料は、微細孔中に存在す
るために染色後直ちに実施される通常の還元洗浄
法では除去することができず。色彩に悪影響を及
ぼす。本発明の布帛は高温高圧下で分散染料によ
り染色した後にアルカリ減量する方法により得ら
れるものであり、表面に付着した染料を完成に除
去すると同時に、繊維表面対するケミカルエツチ
ングにより、多数の微細孔を形成するものであ
る。従つて、微細孔の深色化機能が充分に発揮さ
れるものであり、従来の先減量法に比較して高発
色性となり同等の深色化度アルカリ減量率を大巾
に低下することが可能なものである。 本発明に於ける発色性改良とはKubelka−
Munkの式から算出されるK/S値で評価するこ
とができ、アルカリ減量処理をしていない未減量
品として対比、K/S値差で1以上である場合に
良好な深色効果を示すものである。さらに、本発
明による布帛は、染色加工する際には未だ微細孔
が形成されていないため染色工程において起る摩
擦により、繊維が微細孔のためにフイブリル化す
ることがなく微細孔が変形し、潰れることもな
い。染色加の際に微細孔が形成されていると、フ
イブリル化や、微細孔の潰れによりいわゆるスレ
当りを発生し品位低下を起すが本発明の布帛では
このような問題点が改良される。 (ヘ) 実施例 (実施例 1〜3) テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコ
ール60部,酢酸カルシウム1水塩0.06部(テレフ
タル酸ジメチルに対して0.066モル%)をエステ
ル交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下4時間かけ
て140℃から230℃まで昇温して生成するメタノー
ルを系外に留去しながらエステル交換反応を行な
つた。続いて得られた反応生成物に、0.5部のリ
ン酸トリメチル(テレフタル酸ジメチルに対して
0.693モル%)と0.31部の酢酸カルシウム1水塩
(リン酸トリメチルに対して1/2倍モル)とを
8.5部のエチレングリコール中で120℃の温度にお
いて全環流下60分間反応せしめて精製したリン酸
ジエステルカルシウム塩の透明溶液9.31部に室温
下0.57部の酢酸カルシウム1水塩(リン酸トリメ
チルに対して0.9倍モル)を溶解せしめて得たリ
ン酸ジエステルカルシウム塩と酢酸カルシウムと
の混合透明溶液9.88部を添加し、次いで三酸化ア
ンチモン0.04部を添加して重合缶に移した。次い
で1時間かけて760mmHgから1mmHgまで減圧し、
同時に1時間30分かけて230℃から285℃まで昇温
した。1mmHg以下の減圧下、重合温度285℃で更
に3時間、合計4時間30分重合して極限粘度
0.640、軟化点259℃のポリマーを得た。反応終了
後ポリマーを常法に従いチツプ化した。 このチツプを常法により乾燥し、孔径0.3mmの
円形紡糸孔を36個穿設した紡糸口金を使用して
290℃で溶融紡糸して1300m/minで巻取つたの
ち延伸して75デニール/36フイラメントの延伸糸
を得た。 この延伸糸にS撚2800T/M及びZ撚2800T/
Mの強撚を施し、続いて該強撚糸を70℃で30分間
蒸熱処理して撚止めを行ない、この糸を緯糸に供
した。同様に、S撚300T/Mだけの撚を施し、
撚止めセツトを行つた糸を経糸に供した。該撚止
め強撚糸を経密度64本/cm,緯密度32本/cmで
S,Z撚を2本交互に配して緯強撚パレス織物を
製織した。 得られた生機をロータリーワツシヤーにて沸騰
温度で20分間リラツクス処理を施し、シボ立を行
ない、常法によりプリセツト後、 Dianix Black HG−FS(三菱化成工業(株)製品)
15%owfでジエチレントリアミン五酢酸5Na塩2
g/を含む染色液にて130℃で60分間染色後、
水酸化ナトリウム2g/,ハイドロサルフアイ
ト1g/及びエチレントリアミン五酢酸5Na塩
1g/を含む水溶液にて90℃で20分間還元洗浄
して黒染布を得た。更に、3.5%の水酸化ナトリ
ウム水溶液で沸騰温度にて処理し、減量率が5,
10,20%の発色性に優れた黒色布帛を得た。 (比較例 1) 実施例1〜3と同様にして得た生機を実施例と
同様にして精練・染色して得た黒染布をアルカリ
で処理することなく仕上げた。このものは実施例
として深色性の点で劣るものであつた。 (比較例 2〜3) 実施例1〜3と同様にして得た生機を、実施例
と同様に精練した後、常法によりプリセツトし次
いで、アルカリ減量処理(減量率10,20%)し、
しかる後に実施例と同様の処方により染色・還元
洗浄して得た黒染布は、フイブリル化による当り
が著しく品位の低下が見られた。第1表に、実施
例1〜3,比較例1〜3の結果を示す。
【表】 尚、測定値は下記の測定法により求める。 発色性 島津製作所製の自記分光光度計RC−330を用い
て染色された布帛の反射率R(%)を測定(波長
500mμ)し、下記のKubelka−Munkの式から発
色性(K/S)を算出した。 K/S=(1−R)2/2R アセトン抽出(微細多孔の穴の中の染料除去) 染色布を、アセトンにて常温で20分抽出し、繊
維重量当りの染料抽出量(mg/g)を求める。 当りの判定 当りのレベルを視感で判定し、下記のランク分
けを行つた。 (当りが見られない)◎>〇>△>×(当り極
めて大) 本発明法(染色後に減量実施)による染色布は
アセトンによる抽出を行つても発色性の変化はな
く、又当りもまつたく見られない。一方、比較例
2〜3に示す様に、減量後に染色したものは微細
多孔中に染料が蓄積しているために、発色性が極
めて悪く、この染料をアセトン抽出により抽出す
ると本来の孔による光学機能を発揮し、発色性が
向上する。そして、当りのレベルも極めて低く、
実用に供することはできない。 以上の如く、微細孔形成剤を含有するポリエス
テル繊維を染色後にアルカリ減量して表面に微細
孔凹凸を付与することによつて、発色性と耐摩耗
性とが同時に満足するポリエステル布帛を得た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 少なくとも繊維表面に微細孔を有し、該微細
    孔は、その大きさの度数分布において最大頻度を
    示す値が繊維軸と直交する方向に沿う巾について
    0.1〜0.5μの範囲にあり、かつ、繊維軸方向に沿
    う長さについて0.5〜5μの範囲にあるポリエステ
    ル繊維からなる布帛であつて、該布帛は分散染料
    で、且つ10%owf以上の染料濃度で染色されてお
    り、該染色布帛の常温アセトンによる染料抽出量
    が繊維1g重量当り20mg以下であることを特徴と
    するポリエステル染色布帛。
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