JPH0414137B2 - - Google Patents
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- JPH0414137B2 JPH0414137B2 JP58004147A JP414783A JPH0414137B2 JP H0414137 B2 JPH0414137 B2 JP H0414137B2 JP 58004147 A JP58004147 A JP 58004147A JP 414783 A JP414783 A JP 414783A JP H0414137 B2 JPH0414137 B2 JP H0414137B2
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Description
本発明は、剛性、低温耐衝撃性、耐塩水性、外
観に優れ、かつ成形性に優れたポリアミド樹脂の
組成物に関する。 ポリアミド樹脂は、その優れた物性によりエン
ジニアリングプラスチツクとして大きな需要が期
待されている。しかし、低温耐衝撃性、耐水性、
耐塩水性などの性能が十分とは言えず、その改良
が望まれている。アイゾツト衝撃強度などの耐衝
撃性を改良する方法として、たとえば特公昭42−
12546号公報、特公昭55−44108号公報、特開昭55
−9661号公報、特開昭55−9662号公報などの先行
技術文献には、ポリアミド樹脂にα,β−不飽和
カルボン酸をグラフトしたエチレン・α−オレフ
イン共重合体などの変性α−オレフイン系弾性重
合体を配合する方法が提案されている。これらの
先行技術文献に提案された組成物は、いずれもア
イゾツト衝撃強度などの耐衝撃性を改良すると、
剛性が大きく低下し、さらに低温での落錘衝撃強
度に関しても不十分であり、これら組成物では高
剛性でかつ高耐衝撃性の実成形品は得難いという
欠点がある。また、これらの組成物は溶融流動性
が低下し過ぎる場合が多く、成形法によつては成
形加工性が低下するという欠点もある。 また、ポリアミド樹脂の吸湿性などの耐水性あ
るいは耐塩水性を向上させる方法として、特開昭
53−80014号公報、特開昭56−167751号公報、特
開昭56−109427号公報、特開昭56−157451号公報
には、ポリアミド樹脂に1成分としてエチレン・
α,β−不飽和モノカルボン酸共重合体中和物
(アイオノマー樹脂)を配合する方法が提案され
ている。これらの先行技術文献に提案された組成
物は吸水性、耐塩水分解性などの耐水性を改善す
ることができても、低温耐衝撃性の改良効果の点
では劣つているという欠点がある。 また、前述のポリアミド樹脂組成物の剛性の低
下を改善する方法として、特開昭57−8246号公報
には結晶性ポリオレフインとエチレン・α−オレ
フイン弾性共重合体との組成物のグラフト変性物
を配合する方法が提案されている。しかし、この
方法では架橋のためグラフト変性物中の変性ポリ
オレフインと変性エチレン・α−オレフイン弾性
共重合体それぞれの溶融流動性の制御が困難であ
り、その結果分散性の良好なポリアミド組成物が
得られなくなり、耐衝撃性の改善温度範囲が著し
く狭くなり、その改善効果も小さく、とくに−20
℃以下の低温アイゾツト衝撃強度および落錘衝撃
強度が著しく低下し、かつ組成物の溶融流動性も
低下するという欠点がある。 さらに、前記先行技術文献の中で、特開昭55−
36279号公報には、前述のようにポリアミドの耐
衝撃性を改善するために変性低結晶性エチレン・
α−オレフイン共重合体を配合する際に、さらに
未変性の低結晶性エチレン・α−オレフイン共重
合体を一緒に配合すると、外観および色調に優れ
たポリアミド組成物が得られ、しかも高価な変性
低結晶性エチレン・α−オレフイン共重合体の使
用割合を低減させることができるので、経済的効
果にも優れていることが記載されている。しかし
ながら該公開公報明細書の記載、とくにその実施
例および比較例の記載によれば、ポリアミドに配
合される変性低結晶性エチレン・α−オレフイン
共重合体と未変性低結晶性エチレン・α−オレフ
イン共重合体との組成を変化させた際に得られる
ポリアミド組成物の耐衝撃性の改善効果に関して
考察するならば、未変性低結晶性エチレン・α−
オレフイン共重合体を単独で配合した実験(比較
例1)にくらべて耐衝撃性の改善効果が認められ
るが、変性低結晶性エチレン・α−オレフイン共
重合体を単独で配合した実験(参考例)にくらべ
て、その耐衝撃性は変性低結晶性エチレン・α−
オレフイン共重合体の配合割合に比例して耐衝撃
性が改善されているに過ぎず、該変性低結晶性エ
チレン・α−オレフイン共重合体の使用量を低減
することによる経済的効果が達成されているに過
ぎない。さらに、外観においては、光沢むらが発
生するという欠点を有している。 本発明者らは、優れた性能のポリアミド組成物
の開発について検討した結果、変性低結晶性プロ
ピレン・α−オレフイン共重合体とエチレン・α
−オレフイン系弾性重合体とを特定の範囲となる
ような割合でポリアミドに配合して組成物とする
ことにより、該ポリアミド組成物の耐衝撃性の改
善効果に関して、該変性低結晶性プロピレン・α
−オレフイン共重合体と該エチレン・α−オレフ
イン系弾性重合体との配合に相乗効果が存在し、
単なる変性低結晶性プロピレン・α−オレフイン
共重合体の使用量の低減効果のみでないことを見
出し、本発明に到達した。本発明によれば、本発
明のポリアミド組成物はアイゾツト衝撃強度、低
温での落錘衝撃強度などの耐衝撃性、耐ストレス
クラツク性が改善されかつ吸水、塩水条件下にお
ける耐塩水分解性などの耐水性が著しく改善さ
れ、外観すなわち光沢むらがなく、しかもこの組
成物は溶融流動性の低下が少ないので成形加工性
に優れているという特徴を有している。 本発明を概説すれば、本発明は、ポリアミド
(A)、変性低結晶性プロピレン・α−オレフイン共
重合体(B)およびエチレン・α−オレフイン系弾性
重合体(C)を含むポリアミド組成物であつて、 〔〕 該組成物中の各成分の組成が、該ポリア
ミド(A)100重量部に対して該変性低結晶性プロ
ピレン・α−オレフイン共重合体(B)が1ないし
100重量部の範囲にあり、該α−オレフイン系
弾性重合体(C)が1ないし100重量部の範囲にあ
ること、 〔〕 該変性低結晶性プロピレン・α−オレフ
イン共重合体(B)が、主成分のプロピレン成分単
位を50モル%を超えて90モル%以下の量で含有
する基剤低結晶性プロピレン・α−オレフイン
共重合体100重量部に対して不飽和カルボン酸
またはその誘導体成分単位を0.01ないし10重量
部の範囲でグラフト共重合してなり、その結晶
化度が40%以下の範囲にあり、かつ135℃のデ
カリン中における極限粘度〔η〕が0.5ないし
7dl/gの範囲にあること、および 〔〕 該エチレン・α−オレフイン系弾性重合
体(C)が、主成分のエチレン成分単位を63モル%
以上の量で含有するものであつて、その結晶化
度が40%以下の範囲にあり、かつその135℃の
デカリン中における極限粘度〔η〕が0.5ない
し7dl/gの範囲にあること、 を特徴とするポリアミド組成物、を発明の要旨と
するものである。 本発明のポリアミド組成物において使用される
ポリアミド(A)は、成形品を生成するに充分な分子
量のものであり、4ないし12個の炭素原子を有す
る飽和有機ジカルボン酸と2ないし13個の炭素原
子を有する有機ジアミンとを等モル量縮合させる
ことによつて製造することができる。ここで、必
要に応じてジアミンをポリアミド中でカルボキシ
ル基末端よりもアミノ基末端が過剰となるように
使用することもできるし、逆にカルボキシル基が
過剰となるようにジカルボン酸を使用することも
できる。また、同様にエステル、酸塩水物、アミ
ン塩等の如き該アミンおよび酸を生成する誘導体
およびアミンを生成する誘導体からこれらのポリ
アミドを製造することもできる。ポリアミドを製
造するのに使用される代表的なジカルボン酸とし
てはアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバ
シン酸およびドデカン二酸がある。一方、代表的
なジアミンにはヘキサメチレンジアミンおよびオ
クタメチレンジアミンがある。さらに、ポリアミ
ドはラクタムの自己縮合によつてもまた製造し得
る。ポリアミドの例としては、ポリヘキサメチレ
ンアンジパミド(6.6ナイロン)、ポリヘキサメチ
レンアゼラアミド(6.9ナイロン)、ポリヘキサメ
チレンセバサミド(6.10ナイロン)およびポリヘ
キサメチレンドデカノアミド(6.12ナイロン)、
ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンド
デカノアミドまたはラクタム類の開環によつて製
造されるポリアミド、すなわちポリカプロラクタ
ム(6ナイロン)、ポリラウリツクラクタムまた
はポリ−11−アミノウンデカン酸がある。前記の
ポリアミドを製造するのに使用される少なくとも
2種のアミンまたは酸の重合によつて製造される
ポリアミド、例えば、アジピン酸およびイソフタ
ル酸およびヘキサメチレンジアミンから作られる
ポリマーを使用することも可能であ。6.6ナイロ
ンおよび6ナイロンの混合物の如きポリアミドの
配合物を使用することも可能である。本発明にお
いて使用される縮合ポリアミドは、好ましくは、
ポリヘキサメチレンアジパミド(6.6ナイロン)
またはポリヘキサメチレンアゼラミド(6.9ナイ
ロン)およびポリカプロラクタム(6ナイロン)
である。 本発明のポリアミド組成物に配合される変性低
結晶性プロピレン・α−オレフイン共重合体(B)
は、プロピレンを主成分とする基剤低結晶性プロ
ピレン・α−オレフイン共重合体100重量部に対
して不飽和カルボン酸またはその誘導体成分単位
を0.01ないし10重量部の範囲でグラフト共重合し
てなり、その結晶化度が40%以下の範囲にあり、
かつ135℃のデカリン中における極限粘度〔η〕B
が0.5ないし7dl/gの範囲にあることが必要で
あり、さらにはプロピレンを主成分とする基剤低
結晶性プロピレン・α−オレフイン共重合体100
重量部に対して不飽和カルボン酸またはその誘導
体成分単位を0.02ないし5重量部の範囲でグラフ
ト共重合してなり、その結晶化度が1ないし30%
の範囲にあり、かつ135℃のデカリン中における
極限粘度〔η〕Bが0.7ないし5dl/gの範囲にあ
ることが好ましい。さらに、該変性低結晶性プロ
ピレン・α−オレフイン共重合体(B)の他の物性
は、分子量分布(w/n)が通常1.5ないし
50、好ましくは2ないし30の範囲にあり、ガラス
転移温度が通常−5℃以下、好ましくは−20℃以
下の範囲にある。該変性低結晶性プロピレン・α
−オレフイン共重合体中の不飽和カルボン酸また
はその誘導体成分単位のグラフト割合が0.01重量
部より小さくなると、ポリアミドに対する相容性
が悪く、ポリアミド組成物の衝撃強度が低下し、
10重量部より大きくなると衝撃強度がやはり低下
するようになる。該変性低結晶性プロピレン・α
−オレフイン共重合体の結晶化度が40%より大き
くなると、ポリアミド組成物の耐衝撃性が低下す
るようになり、またその極限粘度が0.5dl/gよ
り小さくなると、ポリアミド組成物の耐衝撃性が
低下するようになり、7dl/gより大きくなると
分散不良により耐衝撃性および溶融流動性が低下
するようになる。 該変性低結晶性プロピレン・α−オレフイン共
重合体を構成する基剤重合体はプロピレンとプロ
ピレン以外のα−オレフインとの共重合体であり
かつプロピレンを主成分とする共重合体であり、
低結晶性のプロピレン・α−オレフイン共重合体
である。そのプロピレン含有率は50を越えて90モ
ル%、好ましくは50を越えて80モル%の範囲にあ
る。また、その基剤重合体の結晶化度は通常40%
以下、好ましくは30%以下の範囲であり、135℃
のデカリン中における極限粘度〔η〕は通常0.5
ないし7dl/g、好ましくは1ないし5dl/gの
範囲にあり、そのガラス転移温度は通常−5℃以
下、好ましくは−20℃以下の範囲である。該低結
晶性プロピレン・α−オレフイン共重合体を構成
するプロピレン以外のα−オレフイン成分単位と
しては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、
4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−
オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどを例示
することができる。 該変性低結晶性プロピレン・α−オレフイン共
重合体(B)を構成するグラフトモノマー成分の不飽
和カルボン酸またはその誘導体成分単位として
は、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、α−
エチルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イ
タコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル
酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドシス−
ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−
ジカルボン酸(ナジツク酸 )、メチル−エンド
シス−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,
3−ジカルボン酸(メチルナジツク酸 )などの
不飽和ジカルボン酸、該不飽和ジカルボン酸に酸
ハライド、アミド、イミド、酸無水物、エステル
などの不飽和ジカルボン酸の誘導体が挙げられ、
具体的には、塩化マレニル、マレイミド、無水マ
レイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメ
チル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエー
トなどが例示される。これらの中では、不飽和ジ
カルボン酸またはその酸無水物が好適であり、と
くにマレイン酸、ナジツク酸またはこれらの酸無
水物が好適である。 該不飽和カルボン酸またはその誘導体から選ば
れるグラフトモノマーを低結晶性プロピレン・α
−オレフイン共重合体にグラフト共重合して前記
変性低結晶性プロピレン・α−オレフイン共重合
体を製造するには、従来公知の種々の方法を採用
することができる。たとえば低結晶性プロピレ
ン・α−オレフイン共重合体を溶融させグラフト
モノマーを添加してグラフト共重合させる方法あ
るいは溶媒に溶解させグラフトモノマーを添加し
てグラフト共重合させる方法がある。いずれの場
合にも前記グラフトモノマーを効率よくグラフト
共重合させるためには、ラジカル開始剤の存在下
に反応を実施することが好ましい。グラフト反応
は通常60ないし350℃の温度で行われる。ラジカ
ル開始剤の使用割合は低結晶性プロピレン・α−
オレフイン共重合体100重量部に対して通常0.01
ないし100重量部の範囲である。ラジカル開始剤
としては有機ペルオキシド、有機ペルエステル、
アゾ化合物などを例示することができる。 本発明のポリアミド組成物に配合されるエチレ
ン・α−オレフイン系弾性重合体(C)は、エチレン
を主成分とするものであつてその結晶化度が40%
以下の範囲にあり、かつその135℃のデカリン中
における極限粘度〔η〕が0.5ないし7dl/gの
範囲にあることが必要であり、さらにはその結晶
化度が30%以下の範囲にあり、かつその135℃の
デカリン中における極限粘度〔η〕Cが0.5ないし
7dl/gの範囲にあることが必要であり、さらに
はその結晶化度が30%以下の範囲にあり、かつそ
の135℃のデカリン中における極限粘度〔η〕Cが
0.7ないし5dl/gの範囲にあるものが好ましい。
また、該α−オレフイン系弾性重合体の他の物性
に関しては、ガラス転移温度が通常−5℃以下、
好ましくは−20℃以下の範囲にある。該α−オレ
フイン系弾性重合体の結晶化度が40%より高くな
ると、ポリアミド組成物の耐衝撃性の改善効果が
低下するようになる。また、該α−オレフイン系
弾性重合体の135℃のデカリン中における極限粘
度〔η〕が0.5dl/gよりも小さくなると、ポリ
アミド組成物の耐衝撃性が低下するようになり、
7dl/gより大きくなると、ポリアミド組成物の
耐衝撃性および溶融流動性が低下するようにな
る。ここで、α−オレフイン成分単位としては、
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−デセン、1−ドデセンなどを例示するこ
とができる。該エチレン・α−オレフイン系弾性
重合体は通常二成分以上のα−オレフインの混合
成分から構成されており、これらのα−オレフイ
ン成分単位のほかに少量の他の共重合可能な成分
を含んでいても差しつかえない。共重合可能なα
−オレフイン以外の成分としては、1,4−ヘキ
サジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデ
ン−2−ノルボルネン、2,5−ノルボナジエン
などの非共役ジエン成分、ブタジエン、イソプレ
ン、ピペリレンなどの共役ジエン成分などを例示
することができる。該エチレン・α−オレフイン
系弾性重合体を構成するエチレン成分単位の含有
率は63モル%以上、好ましくは85モル%以上、特
に好ましくは90モル%以上の範囲である。該エチ
レン・α−オレフイン系弾性重合体としては、エ
チレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブ
テン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペン
テン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合
体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレ
ン・1−デセン共重合体などの2成分系のエチレ
ン・α−オレフイン弾性共重合体、エチレン・プ
ロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチ
レン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合
体、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボル
ネン共重合体、エチレン・プロピレン・ノルボル
ナジエン共重合体などの3元系のエチレン・α−
オレフイン・非共役ジエン弾性共重合体などを例
示することができる。これらのエチレン・α−オ
レフイン系弾性重合体のうちでは2成分系のエチ
レン・α−オレフイン系弾性重合体であることが
好ましい。 本発明のポリアミド組成物において、該変性低
結晶性エチレン・α−オレフイン共重合体(B)およ
び該エチレン・α−オレフイン系弾性重合体(C)と
をポリアミドに配合する際には、両者の135℃の
デカリン中における極限粘度〔η〕の比、 〔η〕B/〔η〕C の値は通常0.1ないし10の範囲に調整され、さら
に0.2ないし5の範囲に調整することが好ましい。 本発明のポリアミド組成物において、前記ポリ
アミド(A)の100重量部に対する前記変性低結晶性
プロピレン・α−オレフイン共重合体(B)の配合割
合は1ないし100重量部の範囲にあることが必要
であり、さらに好ましくは5ないし80重量部、と
くに好ましくは5ないし50重量部の範囲にある。
前記変性低結晶性プロピレン・α−オレフイン共
重合体の配合割合が100重量部より大きくなると、
ポリアミド組成物の剛性および溶融流動性が低下
するようになり、1重量部より少なくなると、ポ
リアミド組成物の耐衝撃性、耐ストレスクラツク
性、耐水性が低下しさらに光沢むらの改善効果が
低下するようになる。また、前記ポリアミド(A)
100重量部に対する前記エチレン・α−オレフイ
ン系弾性重合体(C)の配合割合は1ないし100重量
部の範囲にあることが必要であり、さらに好まし
くは5ないし80重量部、とくに好ましくは5ない
し50重量部の範囲にある。前記エチレン・α−オ
レフイン系弾性重合体の配合割合が100重量部よ
り多くなると、ポリアミド組成物の剛性および溶
融流動性が低下するようになり、1重量部より少
なくなると、ポリアミド組成物の耐衝撃性、耐ス
トレスクラツク性および耐水性が低下するように
なる。また、本発明のポリアミド組成物におい
て、前記変性低結晶性プロピレン・α−オレフイ
ン共重合体(B)100重量部に対する前記エチレン・
α−オレフイン系弾性重合体(C)の配合割合は通常
5ないし2000重量部、好ましくは10ないし1500重
量部の範囲である。さらに、本発明のポリアミド
組成物において、前記変性低結晶性プロピレン・
α−オレフイン共重合体(B)および前記エチレン・
α−オレフイン系弾性重合体(C)の合計量に対する
グラフト共重合した前記不飽和カルボン酸または
その誘導体成分単位の割合は通常0.02ないし7重
量%、好ましくは0.05ないし5重量%の範囲であ
る。 本発明のポリアミド組成物には、前記必須の三
成分の他に必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収
剤、光保護剤、亜燐酸塩安定剤、過酸化物分解
剤、塩基性補助剤、増核剤、可塑剤、潤滑剤、帯
電防止剤、難燃剤、顔料、染料、カーボンブラツ
ク、アスベスト、ガラス繊維、チタン酸カリウイ
スカー、雲母、カリオン、タルク、シリカ、シリ
カアルミナなどの充填剤を配合することも可能で
ある。さらに、本発明の組成物には、その物性を
損わない範囲において他の重合体を配合すること
もできる。これらの添加剤の配合割合は適宜の範
囲である。 本発明のポリアミド組成物は、種々の方法で溶
融混合することにより調製される。たとえば必須
の二成分を予備混合した後に、残りの他の成分と
混合したり、同時に必須の三成分と他の残りの成
分とを混合する方法があげられる。また、これら
の任意の段階で必要に応じて前記添加剤、たとえ
ば酸化防止剤などを添加することもできる。 本発明のポリアミド組成物はその剛性、耐衝撃
性、耐水性などの諸性質に優れている。その中で
も組成物を製造するに際して、(B)成分および(C)成
分を予備的に溶融混合した予備混合物に、ポリア
ミド(A)成分を溶融混合することによつて得られる
組成物はとくにその性能が優れている。 本発明の組成物の溶融流動性〔メルトフローレ
ート(MFR、235℃、1000g荷重)〕は、通常0.1
ないし500g/10min、好ましくは0.2ないし100
g/10minの範囲である。 本発明のポリアミド組成物は、従来から公知の
種々の溶融成形法により、種々の形状に成形され
る。たとえば射出成形、押出成形、圧縮成形、発
泡成形などの方法が挙げられ、自動車用部品、電
機器具、電機部品をはじめとする広い用途に利用
される。 次に、本発明を実施例によつて具体的に説明す
る。なお、本発明の方法において、結晶化度およ
び極限粘度〔η〕は次の方法により求めた。 結晶化度;23℃でX線回折法により求めた。 極限粘度〔η〕;135℃のデカリン中にて求めた。 実施例 1 無水マレイン酸グラフトプロピレン・エチレン
共重合体〔プロピレン含量60モル%、〔η〕1.54
dl/g、密度0.86g/cm3、結晶化度5%、無水マ
レイン酸単位含量基剤共重合体100重量部に対し
て0.5重量部〕とエチレン・1−ブテン共重合体
〔エチレン含量90モル%、〔η〕2.31dl/g、密度
0.88g/cm3、結晶化度17%〕を表1に示す割合に
なる様に30mmφ押出機(L/D=28、230℃)に
より予備混合した。つづいて、この予備混合品と
ナイロン6(東レ(株)製、アミランCM1021XF、
MFR3.74g/10min、Q条件)を表1に示す割合
になる様に混合し、2種のペレツトからなるドラ
イブレンド物を調製した。さらに、260℃に設定
した一軸押出機(L/D28、30mmφ)に供給し、
メルトブレンド物(ペレツト状)を調製した。該
ペレツトを100℃で1昼夜真空乾燥したのち、下
記条件で射出成形を行い、物性測定用スペシメン
を作成した。 シリンダー温度 260℃ 射出圧力 650Kg/cm2 射出時間 10sec 金型温度 80℃ 続いて、下記の方法により物性評価を行つた。 MFR測定;ASTM D−1238−79Q条件でMFR
を測定した。 曲げ試験;1/8″厚みの試験片を用い、ASTM D
−790−80により曲げ弾性率FM(Kg/cm2)、曲
げ降伏強度FS(Kg/cm2)を測定した。なお、試
験片の状態調節は23℃、50%RHの恒温恒湿室
で3日行つた。 落錘衝撃強度;−60℃において水平に置いた試験
片(直径50mmφ、厚み1.2mm)に90cmの高さか
ら一定形状の錘を落下させ、錘の重量を変化さ
せることにより、一定枚数の試験片の50%が破
壊するに要する錘の重量(g)にて落錘衝撃強
度を評価した。なお、試験片の状態調節は23
℃、50%RHの恒温恒湿室で3日行つた。 アイゾツト衝撃強度;1/8″厚みの試験片を用い、
ASTM D256により−40℃ノツチ付きアイゾ
ツト衝撃強度を測定した。試験片の状態調節は
23℃、50%RHの恒温恒湿室で3日行つた。 吸水試験;ASTM D570に従い、試験片(直径
2インチ、厚み1/8インチ)を100℃で24時間乾
燥後、50℃水中で48時間吸水試験を行い、試験
片の重量変化率から吸水率(%)を求めた。 光沢むら;射出成形品の光沢むらを目視にて判定
した。 結果を表1に示した。 実施例2ないし12、比較例1ないし4 表1に示した変性低結晶性プロピレン・α−オ
レフイン共重合体(B)およびα−オレフイン系弾性
重合体(C)を表1に示した割合で用いる他は実施例
1と同様の方法でブレンド物を調製し、物性を測
定した。その結果を表1に示した。なお、変性低
結晶性プロピレン・α−オレフイン共重合体(B)お
よびα−オレフイン系弾性重合体(C)を配合しなか
つた場合のポリアミドの物性をも表1に示した
(比較例1)。
観に優れ、かつ成形性に優れたポリアミド樹脂の
組成物に関する。 ポリアミド樹脂は、その優れた物性によりエン
ジニアリングプラスチツクとして大きな需要が期
待されている。しかし、低温耐衝撃性、耐水性、
耐塩水性などの性能が十分とは言えず、その改良
が望まれている。アイゾツト衝撃強度などの耐衝
撃性を改良する方法として、たとえば特公昭42−
12546号公報、特公昭55−44108号公報、特開昭55
−9661号公報、特開昭55−9662号公報などの先行
技術文献には、ポリアミド樹脂にα,β−不飽和
カルボン酸をグラフトしたエチレン・α−オレフ
イン共重合体などの変性α−オレフイン系弾性重
合体を配合する方法が提案されている。これらの
先行技術文献に提案された組成物は、いずれもア
イゾツト衝撃強度などの耐衝撃性を改良すると、
剛性が大きく低下し、さらに低温での落錘衝撃強
度に関しても不十分であり、これら組成物では高
剛性でかつ高耐衝撃性の実成形品は得難いという
欠点がある。また、これらの組成物は溶融流動性
が低下し過ぎる場合が多く、成形法によつては成
形加工性が低下するという欠点もある。 また、ポリアミド樹脂の吸湿性などの耐水性あ
るいは耐塩水性を向上させる方法として、特開昭
53−80014号公報、特開昭56−167751号公報、特
開昭56−109427号公報、特開昭56−157451号公報
には、ポリアミド樹脂に1成分としてエチレン・
α,β−不飽和モノカルボン酸共重合体中和物
(アイオノマー樹脂)を配合する方法が提案され
ている。これらの先行技術文献に提案された組成
物は吸水性、耐塩水分解性などの耐水性を改善す
ることができても、低温耐衝撃性の改良効果の点
では劣つているという欠点がある。 また、前述のポリアミド樹脂組成物の剛性の低
下を改善する方法として、特開昭57−8246号公報
には結晶性ポリオレフインとエチレン・α−オレ
フイン弾性共重合体との組成物のグラフト変性物
を配合する方法が提案されている。しかし、この
方法では架橋のためグラフト変性物中の変性ポリ
オレフインと変性エチレン・α−オレフイン弾性
共重合体それぞれの溶融流動性の制御が困難であ
り、その結果分散性の良好なポリアミド組成物が
得られなくなり、耐衝撃性の改善温度範囲が著し
く狭くなり、その改善効果も小さく、とくに−20
℃以下の低温アイゾツト衝撃強度および落錘衝撃
強度が著しく低下し、かつ組成物の溶融流動性も
低下するという欠点がある。 さらに、前記先行技術文献の中で、特開昭55−
36279号公報には、前述のようにポリアミドの耐
衝撃性を改善するために変性低結晶性エチレン・
α−オレフイン共重合体を配合する際に、さらに
未変性の低結晶性エチレン・α−オレフイン共重
合体を一緒に配合すると、外観および色調に優れ
たポリアミド組成物が得られ、しかも高価な変性
低結晶性エチレン・α−オレフイン共重合体の使
用割合を低減させることができるので、経済的効
果にも優れていることが記載されている。しかし
ながら該公開公報明細書の記載、とくにその実施
例および比較例の記載によれば、ポリアミドに配
合される変性低結晶性エチレン・α−オレフイン
共重合体と未変性低結晶性エチレン・α−オレフ
イン共重合体との組成を変化させた際に得られる
ポリアミド組成物の耐衝撃性の改善効果に関して
考察するならば、未変性低結晶性エチレン・α−
オレフイン共重合体を単独で配合した実験(比較
例1)にくらべて耐衝撃性の改善効果が認められ
るが、変性低結晶性エチレン・α−オレフイン共
重合体を単独で配合した実験(参考例)にくらべ
て、その耐衝撃性は変性低結晶性エチレン・α−
オレフイン共重合体の配合割合に比例して耐衝撃
性が改善されているに過ぎず、該変性低結晶性エ
チレン・α−オレフイン共重合体の使用量を低減
することによる経済的効果が達成されているに過
ぎない。さらに、外観においては、光沢むらが発
生するという欠点を有している。 本発明者らは、優れた性能のポリアミド組成物
の開発について検討した結果、変性低結晶性プロ
ピレン・α−オレフイン共重合体とエチレン・α
−オレフイン系弾性重合体とを特定の範囲となる
ような割合でポリアミドに配合して組成物とする
ことにより、該ポリアミド組成物の耐衝撃性の改
善効果に関して、該変性低結晶性プロピレン・α
−オレフイン共重合体と該エチレン・α−オレフ
イン系弾性重合体との配合に相乗効果が存在し、
単なる変性低結晶性プロピレン・α−オレフイン
共重合体の使用量の低減効果のみでないことを見
出し、本発明に到達した。本発明によれば、本発
明のポリアミド組成物はアイゾツト衝撃強度、低
温での落錘衝撃強度などの耐衝撃性、耐ストレス
クラツク性が改善されかつ吸水、塩水条件下にお
ける耐塩水分解性などの耐水性が著しく改善さ
れ、外観すなわち光沢むらがなく、しかもこの組
成物は溶融流動性の低下が少ないので成形加工性
に優れているという特徴を有している。 本発明を概説すれば、本発明は、ポリアミド
(A)、変性低結晶性プロピレン・α−オレフイン共
重合体(B)およびエチレン・α−オレフイン系弾性
重合体(C)を含むポリアミド組成物であつて、 〔〕 該組成物中の各成分の組成が、該ポリア
ミド(A)100重量部に対して該変性低結晶性プロ
ピレン・α−オレフイン共重合体(B)が1ないし
100重量部の範囲にあり、該α−オレフイン系
弾性重合体(C)が1ないし100重量部の範囲にあ
ること、 〔〕 該変性低結晶性プロピレン・α−オレフ
イン共重合体(B)が、主成分のプロピレン成分単
位を50モル%を超えて90モル%以下の量で含有
する基剤低結晶性プロピレン・α−オレフイン
共重合体100重量部に対して不飽和カルボン酸
またはその誘導体成分単位を0.01ないし10重量
部の範囲でグラフト共重合してなり、その結晶
化度が40%以下の範囲にあり、かつ135℃のデ
カリン中における極限粘度〔η〕が0.5ないし
7dl/gの範囲にあること、および 〔〕 該エチレン・α−オレフイン系弾性重合
体(C)が、主成分のエチレン成分単位を63モル%
以上の量で含有するものであつて、その結晶化
度が40%以下の範囲にあり、かつその135℃の
デカリン中における極限粘度〔η〕が0.5ない
し7dl/gの範囲にあること、 を特徴とするポリアミド組成物、を発明の要旨と
するものである。 本発明のポリアミド組成物において使用される
ポリアミド(A)は、成形品を生成するに充分な分子
量のものであり、4ないし12個の炭素原子を有す
る飽和有機ジカルボン酸と2ないし13個の炭素原
子を有する有機ジアミンとを等モル量縮合させる
ことによつて製造することができる。ここで、必
要に応じてジアミンをポリアミド中でカルボキシ
ル基末端よりもアミノ基末端が過剰となるように
使用することもできるし、逆にカルボキシル基が
過剰となるようにジカルボン酸を使用することも
できる。また、同様にエステル、酸塩水物、アミ
ン塩等の如き該アミンおよび酸を生成する誘導体
およびアミンを生成する誘導体からこれらのポリ
アミドを製造することもできる。ポリアミドを製
造するのに使用される代表的なジカルボン酸とし
てはアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバ
シン酸およびドデカン二酸がある。一方、代表的
なジアミンにはヘキサメチレンジアミンおよびオ
クタメチレンジアミンがある。さらに、ポリアミ
ドはラクタムの自己縮合によつてもまた製造し得
る。ポリアミドの例としては、ポリヘキサメチレ
ンアンジパミド(6.6ナイロン)、ポリヘキサメチ
レンアゼラアミド(6.9ナイロン)、ポリヘキサメ
チレンセバサミド(6.10ナイロン)およびポリヘ
キサメチレンドデカノアミド(6.12ナイロン)、
ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンド
デカノアミドまたはラクタム類の開環によつて製
造されるポリアミド、すなわちポリカプロラクタ
ム(6ナイロン)、ポリラウリツクラクタムまた
はポリ−11−アミノウンデカン酸がある。前記の
ポリアミドを製造するのに使用される少なくとも
2種のアミンまたは酸の重合によつて製造される
ポリアミド、例えば、アジピン酸およびイソフタ
ル酸およびヘキサメチレンジアミンから作られる
ポリマーを使用することも可能であ。6.6ナイロ
ンおよび6ナイロンの混合物の如きポリアミドの
配合物を使用することも可能である。本発明にお
いて使用される縮合ポリアミドは、好ましくは、
ポリヘキサメチレンアジパミド(6.6ナイロン)
またはポリヘキサメチレンアゼラミド(6.9ナイ
ロン)およびポリカプロラクタム(6ナイロン)
である。 本発明のポリアミド組成物に配合される変性低
結晶性プロピレン・α−オレフイン共重合体(B)
は、プロピレンを主成分とする基剤低結晶性プロ
ピレン・α−オレフイン共重合体100重量部に対
して不飽和カルボン酸またはその誘導体成分単位
を0.01ないし10重量部の範囲でグラフト共重合し
てなり、その結晶化度が40%以下の範囲にあり、
かつ135℃のデカリン中における極限粘度〔η〕B
が0.5ないし7dl/gの範囲にあることが必要で
あり、さらにはプロピレンを主成分とする基剤低
結晶性プロピレン・α−オレフイン共重合体100
重量部に対して不飽和カルボン酸またはその誘導
体成分単位を0.02ないし5重量部の範囲でグラフ
ト共重合してなり、その結晶化度が1ないし30%
の範囲にあり、かつ135℃のデカリン中における
極限粘度〔η〕Bが0.7ないし5dl/gの範囲にあ
ることが好ましい。さらに、該変性低結晶性プロ
ピレン・α−オレフイン共重合体(B)の他の物性
は、分子量分布(w/n)が通常1.5ないし
50、好ましくは2ないし30の範囲にあり、ガラス
転移温度が通常−5℃以下、好ましくは−20℃以
下の範囲にある。該変性低結晶性プロピレン・α
−オレフイン共重合体中の不飽和カルボン酸また
はその誘導体成分単位のグラフト割合が0.01重量
部より小さくなると、ポリアミドに対する相容性
が悪く、ポリアミド組成物の衝撃強度が低下し、
10重量部より大きくなると衝撃強度がやはり低下
するようになる。該変性低結晶性プロピレン・α
−オレフイン共重合体の結晶化度が40%より大き
くなると、ポリアミド組成物の耐衝撃性が低下す
るようになり、またその極限粘度が0.5dl/gよ
り小さくなると、ポリアミド組成物の耐衝撃性が
低下するようになり、7dl/gより大きくなると
分散不良により耐衝撃性および溶融流動性が低下
するようになる。 該変性低結晶性プロピレン・α−オレフイン共
重合体を構成する基剤重合体はプロピレンとプロ
ピレン以外のα−オレフインとの共重合体であり
かつプロピレンを主成分とする共重合体であり、
低結晶性のプロピレン・α−オレフイン共重合体
である。そのプロピレン含有率は50を越えて90モ
ル%、好ましくは50を越えて80モル%の範囲にあ
る。また、その基剤重合体の結晶化度は通常40%
以下、好ましくは30%以下の範囲であり、135℃
のデカリン中における極限粘度〔η〕は通常0.5
ないし7dl/g、好ましくは1ないし5dl/gの
範囲にあり、そのガラス転移温度は通常−5℃以
下、好ましくは−20℃以下の範囲である。該低結
晶性プロピレン・α−オレフイン共重合体を構成
するプロピレン以外のα−オレフイン成分単位と
しては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、
4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−
オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどを例示
することができる。 該変性低結晶性プロピレン・α−オレフイン共
重合体(B)を構成するグラフトモノマー成分の不飽
和カルボン酸またはその誘導体成分単位として
は、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、α−
エチルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イ
タコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル
酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドシス−
ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−
ジカルボン酸(ナジツク酸 )、メチル−エンド
シス−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,
3−ジカルボン酸(メチルナジツク酸 )などの
不飽和ジカルボン酸、該不飽和ジカルボン酸に酸
ハライド、アミド、イミド、酸無水物、エステル
などの不飽和ジカルボン酸の誘導体が挙げられ、
具体的には、塩化マレニル、マレイミド、無水マ
レイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメ
チル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエー
トなどが例示される。これらの中では、不飽和ジ
カルボン酸またはその酸無水物が好適であり、と
くにマレイン酸、ナジツク酸またはこれらの酸無
水物が好適である。 該不飽和カルボン酸またはその誘導体から選ば
れるグラフトモノマーを低結晶性プロピレン・α
−オレフイン共重合体にグラフト共重合して前記
変性低結晶性プロピレン・α−オレフイン共重合
体を製造するには、従来公知の種々の方法を採用
することができる。たとえば低結晶性プロピレ
ン・α−オレフイン共重合体を溶融させグラフト
モノマーを添加してグラフト共重合させる方法あ
るいは溶媒に溶解させグラフトモノマーを添加し
てグラフト共重合させる方法がある。いずれの場
合にも前記グラフトモノマーを効率よくグラフト
共重合させるためには、ラジカル開始剤の存在下
に反応を実施することが好ましい。グラフト反応
は通常60ないし350℃の温度で行われる。ラジカ
ル開始剤の使用割合は低結晶性プロピレン・α−
オレフイン共重合体100重量部に対して通常0.01
ないし100重量部の範囲である。ラジカル開始剤
としては有機ペルオキシド、有機ペルエステル、
アゾ化合物などを例示することができる。 本発明のポリアミド組成物に配合されるエチレ
ン・α−オレフイン系弾性重合体(C)は、エチレン
を主成分とするものであつてその結晶化度が40%
以下の範囲にあり、かつその135℃のデカリン中
における極限粘度〔η〕が0.5ないし7dl/gの
範囲にあることが必要であり、さらにはその結晶
化度が30%以下の範囲にあり、かつその135℃の
デカリン中における極限粘度〔η〕Cが0.5ないし
7dl/gの範囲にあることが必要であり、さらに
はその結晶化度が30%以下の範囲にあり、かつそ
の135℃のデカリン中における極限粘度〔η〕Cが
0.7ないし5dl/gの範囲にあるものが好ましい。
また、該α−オレフイン系弾性重合体の他の物性
に関しては、ガラス転移温度が通常−5℃以下、
好ましくは−20℃以下の範囲にある。該α−オレ
フイン系弾性重合体の結晶化度が40%より高くな
ると、ポリアミド組成物の耐衝撃性の改善効果が
低下するようになる。また、該α−オレフイン系
弾性重合体の135℃のデカリン中における極限粘
度〔η〕が0.5dl/gよりも小さくなると、ポリ
アミド組成物の耐衝撃性が低下するようになり、
7dl/gより大きくなると、ポリアミド組成物の
耐衝撃性および溶融流動性が低下するようにな
る。ここで、α−オレフイン成分単位としては、
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−デセン、1−ドデセンなどを例示するこ
とができる。該エチレン・α−オレフイン系弾性
重合体は通常二成分以上のα−オレフインの混合
成分から構成されており、これらのα−オレフイ
ン成分単位のほかに少量の他の共重合可能な成分
を含んでいても差しつかえない。共重合可能なα
−オレフイン以外の成分としては、1,4−ヘキ
サジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデ
ン−2−ノルボルネン、2,5−ノルボナジエン
などの非共役ジエン成分、ブタジエン、イソプレ
ン、ピペリレンなどの共役ジエン成分などを例示
することができる。該エチレン・α−オレフイン
系弾性重合体を構成するエチレン成分単位の含有
率は63モル%以上、好ましくは85モル%以上、特
に好ましくは90モル%以上の範囲である。該エチ
レン・α−オレフイン系弾性重合体としては、エ
チレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブ
テン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペン
テン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合
体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレ
ン・1−デセン共重合体などの2成分系のエチレ
ン・α−オレフイン弾性共重合体、エチレン・プ
ロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチ
レン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合
体、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボル
ネン共重合体、エチレン・プロピレン・ノルボル
ナジエン共重合体などの3元系のエチレン・α−
オレフイン・非共役ジエン弾性共重合体などを例
示することができる。これらのエチレン・α−オ
レフイン系弾性重合体のうちでは2成分系のエチ
レン・α−オレフイン系弾性重合体であることが
好ましい。 本発明のポリアミド組成物において、該変性低
結晶性エチレン・α−オレフイン共重合体(B)およ
び該エチレン・α−オレフイン系弾性重合体(C)と
をポリアミドに配合する際には、両者の135℃の
デカリン中における極限粘度〔η〕の比、 〔η〕B/〔η〕C の値は通常0.1ないし10の範囲に調整され、さら
に0.2ないし5の範囲に調整することが好ましい。 本発明のポリアミド組成物において、前記ポリ
アミド(A)の100重量部に対する前記変性低結晶性
プロピレン・α−オレフイン共重合体(B)の配合割
合は1ないし100重量部の範囲にあることが必要
であり、さらに好ましくは5ないし80重量部、と
くに好ましくは5ないし50重量部の範囲にある。
前記変性低結晶性プロピレン・α−オレフイン共
重合体の配合割合が100重量部より大きくなると、
ポリアミド組成物の剛性および溶融流動性が低下
するようになり、1重量部より少なくなると、ポ
リアミド組成物の耐衝撃性、耐ストレスクラツク
性、耐水性が低下しさらに光沢むらの改善効果が
低下するようになる。また、前記ポリアミド(A)
100重量部に対する前記エチレン・α−オレフイ
ン系弾性重合体(C)の配合割合は1ないし100重量
部の範囲にあることが必要であり、さらに好まし
くは5ないし80重量部、とくに好ましくは5ない
し50重量部の範囲にある。前記エチレン・α−オ
レフイン系弾性重合体の配合割合が100重量部よ
り多くなると、ポリアミド組成物の剛性および溶
融流動性が低下するようになり、1重量部より少
なくなると、ポリアミド組成物の耐衝撃性、耐ス
トレスクラツク性および耐水性が低下するように
なる。また、本発明のポリアミド組成物におい
て、前記変性低結晶性プロピレン・α−オレフイ
ン共重合体(B)100重量部に対する前記エチレン・
α−オレフイン系弾性重合体(C)の配合割合は通常
5ないし2000重量部、好ましくは10ないし1500重
量部の範囲である。さらに、本発明のポリアミド
組成物において、前記変性低結晶性プロピレン・
α−オレフイン共重合体(B)および前記エチレン・
α−オレフイン系弾性重合体(C)の合計量に対する
グラフト共重合した前記不飽和カルボン酸または
その誘導体成分単位の割合は通常0.02ないし7重
量%、好ましくは0.05ないし5重量%の範囲であ
る。 本発明のポリアミド組成物には、前記必須の三
成分の他に必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収
剤、光保護剤、亜燐酸塩安定剤、過酸化物分解
剤、塩基性補助剤、増核剤、可塑剤、潤滑剤、帯
電防止剤、難燃剤、顔料、染料、カーボンブラツ
ク、アスベスト、ガラス繊維、チタン酸カリウイ
スカー、雲母、カリオン、タルク、シリカ、シリ
カアルミナなどの充填剤を配合することも可能で
ある。さらに、本発明の組成物には、その物性を
損わない範囲において他の重合体を配合すること
もできる。これらの添加剤の配合割合は適宜の範
囲である。 本発明のポリアミド組成物は、種々の方法で溶
融混合することにより調製される。たとえば必須
の二成分を予備混合した後に、残りの他の成分と
混合したり、同時に必須の三成分と他の残りの成
分とを混合する方法があげられる。また、これら
の任意の段階で必要に応じて前記添加剤、たとえ
ば酸化防止剤などを添加することもできる。 本発明のポリアミド組成物はその剛性、耐衝撃
性、耐水性などの諸性質に優れている。その中で
も組成物を製造するに際して、(B)成分および(C)成
分を予備的に溶融混合した予備混合物に、ポリア
ミド(A)成分を溶融混合することによつて得られる
組成物はとくにその性能が優れている。 本発明の組成物の溶融流動性〔メルトフローレ
ート(MFR、235℃、1000g荷重)〕は、通常0.1
ないし500g/10min、好ましくは0.2ないし100
g/10minの範囲である。 本発明のポリアミド組成物は、従来から公知の
種々の溶融成形法により、種々の形状に成形され
る。たとえば射出成形、押出成形、圧縮成形、発
泡成形などの方法が挙げられ、自動車用部品、電
機器具、電機部品をはじめとする広い用途に利用
される。 次に、本発明を実施例によつて具体的に説明す
る。なお、本発明の方法において、結晶化度およ
び極限粘度〔η〕は次の方法により求めた。 結晶化度;23℃でX線回折法により求めた。 極限粘度〔η〕;135℃のデカリン中にて求めた。 実施例 1 無水マレイン酸グラフトプロピレン・エチレン
共重合体〔プロピレン含量60モル%、〔η〕1.54
dl/g、密度0.86g/cm3、結晶化度5%、無水マ
レイン酸単位含量基剤共重合体100重量部に対し
て0.5重量部〕とエチレン・1−ブテン共重合体
〔エチレン含量90モル%、〔η〕2.31dl/g、密度
0.88g/cm3、結晶化度17%〕を表1に示す割合に
なる様に30mmφ押出機(L/D=28、230℃)に
より予備混合した。つづいて、この予備混合品と
ナイロン6(東レ(株)製、アミランCM1021XF、
MFR3.74g/10min、Q条件)を表1に示す割合
になる様に混合し、2種のペレツトからなるドラ
イブレンド物を調製した。さらに、260℃に設定
した一軸押出機(L/D28、30mmφ)に供給し、
メルトブレンド物(ペレツト状)を調製した。該
ペレツトを100℃で1昼夜真空乾燥したのち、下
記条件で射出成形を行い、物性測定用スペシメン
を作成した。 シリンダー温度 260℃ 射出圧力 650Kg/cm2 射出時間 10sec 金型温度 80℃ 続いて、下記の方法により物性評価を行つた。 MFR測定;ASTM D−1238−79Q条件でMFR
を測定した。 曲げ試験;1/8″厚みの試験片を用い、ASTM D
−790−80により曲げ弾性率FM(Kg/cm2)、曲
げ降伏強度FS(Kg/cm2)を測定した。なお、試
験片の状態調節は23℃、50%RHの恒温恒湿室
で3日行つた。 落錘衝撃強度;−60℃において水平に置いた試験
片(直径50mmφ、厚み1.2mm)に90cmの高さか
ら一定形状の錘を落下させ、錘の重量を変化さ
せることにより、一定枚数の試験片の50%が破
壊するに要する錘の重量(g)にて落錘衝撃強
度を評価した。なお、試験片の状態調節は23
℃、50%RHの恒温恒湿室で3日行つた。 アイゾツト衝撃強度;1/8″厚みの試験片を用い、
ASTM D256により−40℃ノツチ付きアイゾ
ツト衝撃強度を測定した。試験片の状態調節は
23℃、50%RHの恒温恒湿室で3日行つた。 吸水試験;ASTM D570に従い、試験片(直径
2インチ、厚み1/8インチ)を100℃で24時間乾
燥後、50℃水中で48時間吸水試験を行い、試験
片の重量変化率から吸水率(%)を求めた。 光沢むら;射出成形品の光沢むらを目視にて判定
した。 結果を表1に示した。 実施例2ないし12、比較例1ないし4 表1に示した変性低結晶性プロピレン・α−オ
レフイン共重合体(B)およびα−オレフイン系弾性
重合体(C)を表1に示した割合で用いる他は実施例
1と同様の方法でブレンド物を調製し、物性を測
定した。その結果を表1に示した。なお、変性低
結晶性プロピレン・α−オレフイン共重合体(B)お
よびα−オレフイン系弾性重合体(C)を配合しなか
つた場合のポリアミドの物性をも表1に示した
(比較例1)。
【表】
【表】
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ポリアミド(A)、変性低結晶性プロピレン・α
−オレフイン共重合体(B)およびエチレン・α−オ
レフイン系弾性共重合体(C)を含むポリアミド組成
物であつて、 [] 該組成物中の各成分の組成が、該ポリア
ミド(A)100重量部に対して該変性低結晶性プロ
ピレン・α−オレフイン共重合体(B)が1ないし
100重量部の範囲にあり、該エチレン・α−オ
レフイン系弾性共重合体(C)が1ないし100重量
部の範囲にあること、 [] 該変性低結晶性プロピレン・α−オレフ
イン共重合体(B)が、主成分のプロピレン成分単
位を50モル%を超えて90モル%の量で含量する
基剤低結晶性プロピレン・α−オレフイン共重
合体100重量部に対して不飽和カルボン酸また
はその誘導体成分単位を0.01ないし10重量部の
範囲でグラフト共重合してなり、その結晶化度
が40%以下の範囲にあり、かつ135℃のデカリ
ン中における極限粘度[η]が0.5ないし7
dl/gの範囲にあること、および [] 該エチレン・α−オレフイン系弾性共重
合体(C)が、主成分のエチレン成分単位を63モル
%以上の量で含有するものであつて、 その結晶化度が40%以下の範囲にあり、かつ
135℃のデカリン中における極限粘度[η]が
0.5ないし7dl/gの範囲にあること、 を特徴とするポリアミド組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP414783A JPS59129258A (ja) | 1983-01-17 | 1983-01-17 | ポリアミド組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP414783A JPS59129258A (ja) | 1983-01-17 | 1983-01-17 | ポリアミド組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59129258A JPS59129258A (ja) | 1984-07-25 |
| JPH0414137B2 true JPH0414137B2 (ja) | 1992-03-11 |
Family
ID=11576660
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP414783A Granted JPS59129258A (ja) | 1983-01-17 | 1983-01-17 | ポリアミド組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59129258A (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS59149940A (ja) * | 1983-02-16 | 1984-08-28 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | プロピレン重合体組成物 |
| JPS6076548A (ja) * | 1983-10-03 | 1985-05-01 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | 無機充填剤配合ポリプロピレン組成物 |
| JPS60110740A (ja) * | 1983-11-21 | 1985-06-17 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | プロピレン重合体組成物 |
| JPS60262853A (ja) * | 1984-06-08 | 1985-12-26 | Mitsubishi Chem Ind Ltd | ポリアミド樹脂組成物 |
| AU625751B2 (en) * | 1987-02-13 | 1992-07-16 | Dexter Corporation, The | Blends of polyamides with graft compounds |
| FR3016167B1 (fr) * | 2014-01-03 | 2017-05-19 | Arkema France | Composition thermoplastique a base de polypropylene et de polyolefine greffee polyamide |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS55165952A (en) * | 1979-06-14 | 1980-12-24 | Unitika Ltd | Polyamide composition |
| JPS57200448A (en) * | 1981-06-03 | 1982-12-08 | Mitsubishi Chem Ind Ltd | Polyamide resin composition |
-
1983
- 1983-01-17 JP JP414783A patent/JPS59129258A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59129258A (ja) | 1984-07-25 |
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