JPH0445159B2 - - Google Patents
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- JPH0445159B2 JPH0445159B2 JP15524090A JP15524090A JPH0445159B2 JP H0445159 B2 JPH0445159 B2 JP H0445159B2 JP 15524090 A JP15524090 A JP 15524090A JP 15524090 A JP15524090 A JP 15524090A JP H0445159 B2 JPH0445159 B2 JP H0445159B2
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Description
本発明は新規な微生物菌株に関するものであ
る。 本発明の新規微生物菌株は、特にα−L−アス
パルチル−L−フエニルアラニン低級アルキルエ
ステルの製造に用いることができる。 α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニン
低級アルキルエステル(以下α−APEと云う)、
特にメチルエステルは新しい甘味剤として注目さ
れている有用な物質である。α−APEの製造法
としては、N−保護L−アスパラギン酸無水物と
L−フエニルアラニン低級アルキルエステルを反
応させてL−保護α−APEとし、保護基を除去
してα−APEとする方法、N−保護L−アスパ
ラギン酸とフエニルアラニン低級アルキルエステ
ルとを蛋白分解酵素の存在下で反応させてN−保
護α−APE、またN−保護α−APEとフエニル
アラニン低級アルキルエステルとの付加化合物と
し、保護基を除去してα−APEとする方法など
が知られている。 前者の方法は、N−保護α−APEとともにN
−保護β−APEが副生するという問題がある。
後者の方法は、そのような問題がない点及び原料
としてラセミ体を使用できる点などで優れた方法
である。しかし、いずれの方法でも、原料のアス
パラギン酸又はその無水物は、アミノ基をベンジ
ルオキシカルボニル基のような保護基で保護した
のち用いる必要があつた。 これらの公知技術では当然必要とされるアミノ
基への保護基導入及び除去の工程の不必要な方法
を開発することができれば工程の簡略化とそれに
伴なう原料、製品等の損失を避けることができ、
工業的に非常な利点が生ずる。 本発明者らは、L−アスパラギン酸の代りに、
有機酸であり、より経済的なフマル酸を用いるこ
とができれば、より有利なα−APEの合成法が
確立されると考え、フマル酸とフエニルアラニン
低級アルキルエステルから直接α−APEを合成
する方法について鋭意検討した結果、シユードモ
ナス属に属する新規微生物、シユードモナス・プ
チダTS−15001を発見した。そして、この微生物
又はその処理物を用いることによつて、フマル
酸、アンモニア及びL−フエニルアラニン低級ア
ルキルエステルからα−APEが生成することを
見出した。 従つて本発明はシユードモナス・プチダに属
し、フマール酸、アンモニア及びL−フエニルア
ラニン低級アルキルエステルからα−L−アスパ
ルチル−L−フエニルアラニン低級アルキルエス
テルを生成させることのできる微生物を提供する
ものである。 この微生物の代表的な例としては、シユードモ
ナス プチダ TS−15001を挙げることができ
る。 本発明者らによつて山口県新南陽市の土壌中よ
り分離されたこの微生物菌株の菌学的性質は下記
の通りである。 (a) 形態 肉汁寒天倍地で37℃、6〜24時間生育した場合 細胞の形及び大きさ 桿菌 0.5〜0.7×1.0〜1.5μm 細胞の多形性の有無 単菌又は双菌 運動性の有無 有極鞭毛 胞子の有無 無 グラム染色性 陰性 抗酸性 無 (b) 各培地における生育状態 肉汁寒天板培養(37℃、2日間培養) イ) コロニー形状の遅速普通 直径約6mm ロ) コロニーの形 円形 ハ) コロニー表面の形状 平滑 ニ) コロニーの隆起状態 半レンズ状 ホ) コロニーの周縁 全縁 ヘ) コロニーの内容 均質 ト) コロニーの色調 乳白色 チ) コロニーの透明度 半透明 リ) コロニーの光沢 鈍光 ヌ) 可溶性色素の生成
可溶性淡緑色色素生成 肉汁寒天斜面培養(37℃、2日間培養) イ) 生育の良否 生育良好 ロ) コロニーの形 平滑 ハ) コロニーの断面の隆起状態 扁平状 ニ) コロニーの光沢 鈍光 ホ) コロニー表面の形状 平滑 ヘ) コロニーの透明度 半透明 ト) コロニーの色 乳白色 チ) コロニーの質 バター質 肉汁液体培養(37℃、2日間培養) イ) 表面の生育 なし ロ) 濁度 やや濁る ハ) 沈殿 粉末状 ニ) ガス発生 なし ホ) 培地の着色 なし 肉汁寒天穿刺培養(37℃、2日間培養) イ) 生育の場所 上下一様 ロ) コロニーの形状 乳頭状 肉汁ゼラチン穿刺培養(20℃、14日間培
養) イ) ゼラチン液化 なし リトマスミルク(37℃、7日間培養) イ) 反応 BCPを青色に、リトマスを青
紫色にする ロ) 凝固、液化 なし (c) 生理学的性質 硝酸塩の還元 − 脱窒反応 − MRテスト − VRテスト − インドールの生成 − 硫化水素の生成 +(W) デンプンの加水分解 − クエン酸の利用 + 無機窒素源の利用 アンモニア態のみ利用 色素の生成 緑黄色水溶性蛍光色素生成 ウレアーゼ − オキシダーゼ + カタラーゼ + 生育の範囲 PH5〜9.5 温度10〜43℃ 酸素に対する態度 好気性 O−Fテスト 0 糖類からの酸及びガスの生成の有無
る。 本発明の新規微生物菌株は、特にα−L−アス
パルチル−L−フエニルアラニン低級アルキルエ
ステルの製造に用いることができる。 α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニン
低級アルキルエステル(以下α−APEと云う)、
特にメチルエステルは新しい甘味剤として注目さ
れている有用な物質である。α−APEの製造法
としては、N−保護L−アスパラギン酸無水物と
L−フエニルアラニン低級アルキルエステルを反
応させてL−保護α−APEとし、保護基を除去
してα−APEとする方法、N−保護L−アスパ
ラギン酸とフエニルアラニン低級アルキルエステ
ルとを蛋白分解酵素の存在下で反応させてN−保
護α−APE、またN−保護α−APEとフエニル
アラニン低級アルキルエステルとの付加化合物と
し、保護基を除去してα−APEとする方法など
が知られている。 前者の方法は、N−保護α−APEとともにN
−保護β−APEが副生するという問題がある。
後者の方法は、そのような問題がない点及び原料
としてラセミ体を使用できる点などで優れた方法
である。しかし、いずれの方法でも、原料のアス
パラギン酸又はその無水物は、アミノ基をベンジ
ルオキシカルボニル基のような保護基で保護した
のち用いる必要があつた。 これらの公知技術では当然必要とされるアミノ
基への保護基導入及び除去の工程の不必要な方法
を開発することができれば工程の簡略化とそれに
伴なう原料、製品等の損失を避けることができ、
工業的に非常な利点が生ずる。 本発明者らは、L−アスパラギン酸の代りに、
有機酸であり、より経済的なフマル酸を用いるこ
とができれば、より有利なα−APEの合成法が
確立されると考え、フマル酸とフエニルアラニン
低級アルキルエステルから直接α−APEを合成
する方法について鋭意検討した結果、シユードモ
ナス属に属する新規微生物、シユードモナス・プ
チダTS−15001を発見した。そして、この微生物
又はその処理物を用いることによつて、フマル
酸、アンモニア及びL−フエニルアラニン低級ア
ルキルエステルからα−APEが生成することを
見出した。 従つて本発明はシユードモナス・プチダに属
し、フマール酸、アンモニア及びL−フエニルア
ラニン低級アルキルエステルからα−L−アスパ
ルチル−L−フエニルアラニン低級アルキルエス
テルを生成させることのできる微生物を提供する
ものである。 この微生物の代表的な例としては、シユードモ
ナス プチダ TS−15001を挙げることができ
る。 本発明者らによつて山口県新南陽市の土壌中よ
り分離されたこの微生物菌株の菌学的性質は下記
の通りである。 (a) 形態 肉汁寒天倍地で37℃、6〜24時間生育した場合 細胞の形及び大きさ 桿菌 0.5〜0.7×1.0〜1.5μm 細胞の多形性の有無 単菌又は双菌 運動性の有無 有極鞭毛 胞子の有無 無 グラム染色性 陰性 抗酸性 無 (b) 各培地における生育状態 肉汁寒天板培養(37℃、2日間培養) イ) コロニー形状の遅速普通 直径約6mm ロ) コロニーの形 円形 ハ) コロニー表面の形状 平滑 ニ) コロニーの隆起状態 半レンズ状 ホ) コロニーの周縁 全縁 ヘ) コロニーの内容 均質 ト) コロニーの色調 乳白色 チ) コロニーの透明度 半透明 リ) コロニーの光沢 鈍光 ヌ) 可溶性色素の生成
可溶性淡緑色色素生成 肉汁寒天斜面培養(37℃、2日間培養) イ) 生育の良否 生育良好 ロ) コロニーの形 平滑 ハ) コロニーの断面の隆起状態 扁平状 ニ) コロニーの光沢 鈍光 ホ) コロニー表面の形状 平滑 ヘ) コロニーの透明度 半透明 ト) コロニーの色 乳白色 チ) コロニーの質 バター質 肉汁液体培養(37℃、2日間培養) イ) 表面の生育 なし ロ) 濁度 やや濁る ハ) 沈殿 粉末状 ニ) ガス発生 なし ホ) 培地の着色 なし 肉汁寒天穿刺培養(37℃、2日間培養) イ) 生育の場所 上下一様 ロ) コロニーの形状 乳頭状 肉汁ゼラチン穿刺培養(20℃、14日間培
養) イ) ゼラチン液化 なし リトマスミルク(37℃、7日間培養) イ) 反応 BCPを青色に、リトマスを青
紫色にする ロ) 凝固、液化 なし (c) 生理学的性質 硝酸塩の還元 − 脱窒反応 − MRテスト − VRテスト − インドールの生成 − 硫化水素の生成 +(W) デンプンの加水分解 − クエン酸の利用 + 無機窒素源の利用 アンモニア態のみ利用 色素の生成 緑黄色水溶性蛍光色素生成 ウレアーゼ − オキシダーゼ + カタラーゼ + 生育の範囲 PH5〜9.5 温度10〜43℃ 酸素に対する態度 好気性 O−Fテスト 0 糖類からの酸及びガスの生成の有無
【表】
【表】
バージイズ・マニアル・オブ・デターミネイテ
イブ・バクテリオロジー(Bergey′s Manual of
Deteminative Bacteriology)、8版(1974年)
の記載に従つて帰属同定を行なうと本菌はシユー
ドモナス属の特徴を有する。 更に細胞にポリ−β−ヒドロキシ酪酸(poly−
β−hydroxybutyrate)の蓄積がないこと。蛍光
性色素を生成すること。アルギニン・ジヒドロラ
ーゼ(arginine dihydrolase)が存在することか
らシユードモナス属のエアロギノサ種(P.
aeroginosa)、プチダ種(P.putida)、フロレセン
種(P.fluorescene)、クロラフイス種(P.
chloraphis)、オウレオフアシエンス種(P.
aureofaciens)のいずれかに該当することがわか
つた。 そして生育温度範囲はプチダ種のそれよりも高
くエアロギノサ種に近いものを示すが、硝酸塩を
還元しないこと。ゲラニオール、イノシツト及び
トレハロースを資化せず、バリン及びβ−アラニ
ンを資化することからプチダ種(Pseudomonas
putide)の変種と同定した。 本発明の新規微生物菌株、シユードモナス・プ
チダ(Pseudomonas putide)TS−15001は工業
技術院微生物技術研究所に寄託されている(微工
研条寄第159号)。 この微生物を培養するための培地としては、炭
素源、窒素源、有機栄養源、無機栄養源などを含
む通常の栄養培地が使用できる。 炭素源としては、グルコース、シユクロース、
糖蜜等の炭化水素ならびに酒石酸、フマル酸、マ
レイン酸、リンゴ酸等の有機酸及びその塩類を、
窒素源としては通常の酵素に用いられる硫酸アン
モニウム、塩化アンモニウム、アンモニア、リン
酸アンモニウム、硝酸アンモニウム等の無機窒素
化合物及び尿素、コーン・ステイーブ・リカー、
カゼイン、ペプトン、酵母エキス、肉エキスなど
の有機窒素化合物を用いることができる。 その他無機栄養源としては、例えば、カルシウ
ム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、リン酸塩、
鉱酸、マンガン塩、亜鉛塩、銅塩などが用いられ
る。 この微生物の培養は慣用の方法で行なうことが
できる。通常、温度約20ないし約40℃、好ましく
は約25ないし約38℃で、PH約5ないし約9、好ま
しくは約5.5ないし約7.5で、振とう、通気撹拌な
どの手段により好気的に行なわれる。なお、培養
に当つて、培地中にα−APE、フエニルアラニ
ン低級アルキルエステル等を少量添加しておくこ
とによつて得られる微生物の培養物又はその処理
物のα−APE生産能を高めることができる。 本発明の新規微生物菌株、シユードモナス・プ
チダTS−15001の培養物又はそれらの処理物は、
フマル酸、アンモニア及びL−フエニルアラニン
低級アルキルエステルと接触させることによつて
α−APEを生成させることができる。 本発明の新規微生物菌株の培養物又はその処理
物とはこの微生物を培養して得られた培養液、こ
の培養液等から採取した菌体、これらを処理して
得た洗浄菌体、乾燥菌体、菌体破砕物、自己消化
等による菌体消化物、菌体の超音波処理物、その
他の溶菌生成物又はこれらを固定化したものなど
を云う。また、これらの培養物から得られた酵素
蛋白質区分も含むものである。 培養液からの菌体の分離、得られた菌体の処理
等は慣用の方法で容易に行なうことができる。 本発明の新規微生物菌株の培養物又はその処理
物を用いてα−APEを生成させる反応は以下の
様な反応式で説明できるものと考えられる(式中
Rは低級アルキル基を表わす)。 ここで用いる、フマル酸、アンモニア及びL−
フエニルアラニン低級アルキルエステルは、それ
ぞれ遊離の形のものであつてもよいし、それぞれ
の塩の形のものであつてもよい。フマル酸に対す
るアンモニアの量比は通常当量比で、前者1に対
して後者約0.5ないし約10程度、好ましくは約1
ないし約5である。従つて、実際的にはこの両原
料としてフマル酸アンモニウム(フマル酸水素ア
ンモニウム又はフマル酸二アンモニウム)を用い
るのが便利である。 本発明の微生物の培養物又はその処理物を、フ
マル酸、アンモニア及びL−フエニルアラニン低
級アルキルエステルと接触させる際の濃度には格
別の制限はないが、フマル酸及びL−フエニルア
ラニン低級アルキルエステルの濃度は、通常、約
1重量%ないし溶解度の許す範囲、好ましくは約
5重量%ないし約40重量%程度である。 本発明の微生物の培養物又はその処理物の使用
量にも格別の制限はないが、これらは通常モル濃
度でより低い濃度の基質1モル当り、湿菌重量で
約10gないし約1000g、好ましくは約50gないし
約500gの菌体に相当する培養物又は処理物を用
いる。 この反応の方法の反応温度は通常約10℃ないし
約50℃、好ましくは約25℃ないし約40℃である。
また、反応液の液性は、PH約4ないし約7、好ま
しくは約5ないし約6である。従つてこの調節の
ために緩衝剤、酸又は塩基等を適当に添加してよ
い。 反応時間は何ら限定的でないが、通常約1時間
ないし約40時間、好ましくは約10時間ないし約20
時間程度が便利である。 本反応で用いるL−フエニルアラニン低級アル
キルエステルの低級アルキル基は、メチル基、エ
チル基、イソプロピル基などの基である。 フエニルアラニン低級アルキルエステルのD−
体は利用されず、また反応に関与しないので、そ
のL−体に代えてラセミ体を用いてもよい。 生成したα−APEは公知の分離精製手段によ
り分離精製することができる。例えば、反応液に
菌体等の固形分を含むときは、遠心分離、過等
によりこれを分離したのち、必要に応じて除蛋白
等の処理を行ない、慣用のカラムクロマトグラフ
イー、薄層クロマトグラフイー、晶析、減圧下で
の乾燥等の分離精製手段によりα−APEを精製
単離することができる。 本発明の新規微生物菌株の培養物又はその処理
物の利用によつて、L−アスパラギン酸や、その
N−保護体の代りに、より容易に得られ、かつよ
り経済的なフマル酸を用いて、直ちにα−APE
を製造することができる。また生化学反応を利用
するので、原料としてラセミ体を用いてもα−
APEのLL−体のみを選択的に製造することがで
きる。また、β−APEの副生がない。 以下、本発明の新規微生物菌株の利用例を示
す。 例 1 フマール酸水素アンモニウム2%、リン酸2水
素1カリウム0.1%、リン酸1水素2カリウム0.1
%、硫酸マグネシウム・7水塩0.05%、硫酸第2
鉄・7水塩0.01%、塩化マンガン0.01%、塩化ナ
トリウム0.01%及び残部水からなる培地(PH5.5)
1.0を2容ミニジヤー型醗酵槽に入れ、120
℃、15分間滅菌を行なつた。 これにこれと同一組成の培地(PH5.5)にシユ
ードモナス プチダTS−15001を37℃で16時間培
養して得た前培養液50mlを接種し、培養期間中PH
5.5〜6.0を維持するように2N−HCl水溶液、2N
−NaOH水溶液を添加しながら培養温度37℃、
撹拌器回転数500rpm、通気量1空気/分の条
件下で通気撹拌培養を行なつた。16時間培養後、
得られた培養液のうち、その500mlを遠心分離し
て菌体を集め(湿潤菌体量5g)、これを1/
50Nリン酸塩緩衝液(PH5.5)25mlに懸濁した。
この懸濁液をフマル酸水素アンモニウム3.3g、
L−フエニルアラニンメチルエステル4.5gを含
む水溶液25mlに加え、振とうしながら37℃で16時
間反応を行なつた。反応了終後、反応液を15℃、
10000rpmで30分間遠心分離して菌体を除いた。
得られた上清液を水:エタノール(容量比80:
20)を溶離液とするカラムクロマトグラフイー
(充填剤トヨパール55F、商標、東洋曹達工業(株)
製)により分画を行なつた。α−L−アスパルチ
ル−L−フエニルアラニンメチルエステルに相当
する分画区分を減圧下で濃縮を行ない白色粉末50
mgを得た。このものの元素分析値及び物理化学的
性質は以下の通りであつた。 実測値(%) α−L−アスパルチル−L −フエニルアラニンメチル エステルとしての計算値(%) C 57.70 57.14 H 6.20 6.12 N 10.05 9.52 融点:235〜236℃で分解した。 比旋光度:〔α〕25 D+32.0(C=1.0、酢酸) アミノ基をトリフロロアセチル化、カルボキシ
ル基をメチル化したものの分子量は404であつた。 また、これをL−フエニルアラニル−L−フエ
ニルアラニン、L−フエニルアラニル−L−フエ
ニルアラニンメチルエステル、ジケトピペラジ
ン、L−フエニルアラニン、L−フエニルアラニ
ンメチルエステル、L−アスパラギン酸、L−ア
スパルチル−L−フエニルアラニン、L−アスパ
ルチル−L−アスパラギン酸、α−L−アスパル
チル−L−フエニルアラニンメチルエステル、β
−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンを標
準物質として薄層クロマトグラフイー、高速液体
クロマトグラフイー及びアミノ酸分析計で分析を
行なつた。更に塩酸メタノールによるメチル化及
びトリフロロアセテートメチルエステルによるト
リフロロアセチル化処理を行なつた試料のガスク
ロマトグラフイーならびにガスクロマトグラフイ
ー・マススペクトルグラフイー分析によりこれが
α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメ
チルエステルであることを同定確認した。 例 2 シユードモナス・プチダTS−15001を実施例1
と同一組成の培地に同一条件で培養した。得られ
た培養液のうち、その500mlから遠心分離により
菌体を集め(湿潤菌体量5g)、1/50Mリン酸
塩緩衝液25mlに懸濁した。こうして得た菌体懸濁
液を5℃で15分間超音波処理して菌体を破砕し
た。破砕液を5℃、10000rpmで15分間遠心分離
して得た上清液をフマル酸水素アンモニウム3.0
g及びL−フエニルアラニンメチルエステル4.5
gを含む水溶液25mlに加え、振とうしながら37℃
で16時間反応を行なつた。以下実施例1と同様に
処理を行ない、L−アスパルチル−L−フエニル
アラニンメチルエステルの白色粉末30mgを得た。
イブ・バクテリオロジー(Bergey′s Manual of
Deteminative Bacteriology)、8版(1974年)
の記載に従つて帰属同定を行なうと本菌はシユー
ドモナス属の特徴を有する。 更に細胞にポリ−β−ヒドロキシ酪酸(poly−
β−hydroxybutyrate)の蓄積がないこと。蛍光
性色素を生成すること。アルギニン・ジヒドロラ
ーゼ(arginine dihydrolase)が存在することか
らシユードモナス属のエアロギノサ種(P.
aeroginosa)、プチダ種(P.putida)、フロレセン
種(P.fluorescene)、クロラフイス種(P.
chloraphis)、オウレオフアシエンス種(P.
aureofaciens)のいずれかに該当することがわか
つた。 そして生育温度範囲はプチダ種のそれよりも高
くエアロギノサ種に近いものを示すが、硝酸塩を
還元しないこと。ゲラニオール、イノシツト及び
トレハロースを資化せず、バリン及びβ−アラニ
ンを資化することからプチダ種(Pseudomonas
putide)の変種と同定した。 本発明の新規微生物菌株、シユードモナス・プ
チダ(Pseudomonas putide)TS−15001は工業
技術院微生物技術研究所に寄託されている(微工
研条寄第159号)。 この微生物を培養するための培地としては、炭
素源、窒素源、有機栄養源、無機栄養源などを含
む通常の栄養培地が使用できる。 炭素源としては、グルコース、シユクロース、
糖蜜等の炭化水素ならびに酒石酸、フマル酸、マ
レイン酸、リンゴ酸等の有機酸及びその塩類を、
窒素源としては通常の酵素に用いられる硫酸アン
モニウム、塩化アンモニウム、アンモニア、リン
酸アンモニウム、硝酸アンモニウム等の無機窒素
化合物及び尿素、コーン・ステイーブ・リカー、
カゼイン、ペプトン、酵母エキス、肉エキスなど
の有機窒素化合物を用いることができる。 その他無機栄養源としては、例えば、カルシウ
ム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、リン酸塩、
鉱酸、マンガン塩、亜鉛塩、銅塩などが用いられ
る。 この微生物の培養は慣用の方法で行なうことが
できる。通常、温度約20ないし約40℃、好ましく
は約25ないし約38℃で、PH約5ないし約9、好ま
しくは約5.5ないし約7.5で、振とう、通気撹拌な
どの手段により好気的に行なわれる。なお、培養
に当つて、培地中にα−APE、フエニルアラニ
ン低級アルキルエステル等を少量添加しておくこ
とによつて得られる微生物の培養物又はその処理
物のα−APE生産能を高めることができる。 本発明の新規微生物菌株、シユードモナス・プ
チダTS−15001の培養物又はそれらの処理物は、
フマル酸、アンモニア及びL−フエニルアラニン
低級アルキルエステルと接触させることによつて
α−APEを生成させることができる。 本発明の新規微生物菌株の培養物又はその処理
物とはこの微生物を培養して得られた培養液、こ
の培養液等から採取した菌体、これらを処理して
得た洗浄菌体、乾燥菌体、菌体破砕物、自己消化
等による菌体消化物、菌体の超音波処理物、その
他の溶菌生成物又はこれらを固定化したものなど
を云う。また、これらの培養物から得られた酵素
蛋白質区分も含むものである。 培養液からの菌体の分離、得られた菌体の処理
等は慣用の方法で容易に行なうことができる。 本発明の新規微生物菌株の培養物又はその処理
物を用いてα−APEを生成させる反応は以下の
様な反応式で説明できるものと考えられる(式中
Rは低級アルキル基を表わす)。 ここで用いる、フマル酸、アンモニア及びL−
フエニルアラニン低級アルキルエステルは、それ
ぞれ遊離の形のものであつてもよいし、それぞれ
の塩の形のものであつてもよい。フマル酸に対す
るアンモニアの量比は通常当量比で、前者1に対
して後者約0.5ないし約10程度、好ましくは約1
ないし約5である。従つて、実際的にはこの両原
料としてフマル酸アンモニウム(フマル酸水素ア
ンモニウム又はフマル酸二アンモニウム)を用い
るのが便利である。 本発明の微生物の培養物又はその処理物を、フ
マル酸、アンモニア及びL−フエニルアラニン低
級アルキルエステルと接触させる際の濃度には格
別の制限はないが、フマル酸及びL−フエニルア
ラニン低級アルキルエステルの濃度は、通常、約
1重量%ないし溶解度の許す範囲、好ましくは約
5重量%ないし約40重量%程度である。 本発明の微生物の培養物又はその処理物の使用
量にも格別の制限はないが、これらは通常モル濃
度でより低い濃度の基質1モル当り、湿菌重量で
約10gないし約1000g、好ましくは約50gないし
約500gの菌体に相当する培養物又は処理物を用
いる。 この反応の方法の反応温度は通常約10℃ないし
約50℃、好ましくは約25℃ないし約40℃である。
また、反応液の液性は、PH約4ないし約7、好ま
しくは約5ないし約6である。従つてこの調節の
ために緩衝剤、酸又は塩基等を適当に添加してよ
い。 反応時間は何ら限定的でないが、通常約1時間
ないし約40時間、好ましくは約10時間ないし約20
時間程度が便利である。 本反応で用いるL−フエニルアラニン低級アル
キルエステルの低級アルキル基は、メチル基、エ
チル基、イソプロピル基などの基である。 フエニルアラニン低級アルキルエステルのD−
体は利用されず、また反応に関与しないので、そ
のL−体に代えてラセミ体を用いてもよい。 生成したα−APEは公知の分離精製手段によ
り分離精製することができる。例えば、反応液に
菌体等の固形分を含むときは、遠心分離、過等
によりこれを分離したのち、必要に応じて除蛋白
等の処理を行ない、慣用のカラムクロマトグラフ
イー、薄層クロマトグラフイー、晶析、減圧下で
の乾燥等の分離精製手段によりα−APEを精製
単離することができる。 本発明の新規微生物菌株の培養物又はその処理
物の利用によつて、L−アスパラギン酸や、その
N−保護体の代りに、より容易に得られ、かつよ
り経済的なフマル酸を用いて、直ちにα−APE
を製造することができる。また生化学反応を利用
するので、原料としてラセミ体を用いてもα−
APEのLL−体のみを選択的に製造することがで
きる。また、β−APEの副生がない。 以下、本発明の新規微生物菌株の利用例を示
す。 例 1 フマール酸水素アンモニウム2%、リン酸2水
素1カリウム0.1%、リン酸1水素2カリウム0.1
%、硫酸マグネシウム・7水塩0.05%、硫酸第2
鉄・7水塩0.01%、塩化マンガン0.01%、塩化ナ
トリウム0.01%及び残部水からなる培地(PH5.5)
1.0を2容ミニジヤー型醗酵槽に入れ、120
℃、15分間滅菌を行なつた。 これにこれと同一組成の培地(PH5.5)にシユ
ードモナス プチダTS−15001を37℃で16時間培
養して得た前培養液50mlを接種し、培養期間中PH
5.5〜6.0を維持するように2N−HCl水溶液、2N
−NaOH水溶液を添加しながら培養温度37℃、
撹拌器回転数500rpm、通気量1空気/分の条
件下で通気撹拌培養を行なつた。16時間培養後、
得られた培養液のうち、その500mlを遠心分離し
て菌体を集め(湿潤菌体量5g)、これを1/
50Nリン酸塩緩衝液(PH5.5)25mlに懸濁した。
この懸濁液をフマル酸水素アンモニウム3.3g、
L−フエニルアラニンメチルエステル4.5gを含
む水溶液25mlに加え、振とうしながら37℃で16時
間反応を行なつた。反応了終後、反応液を15℃、
10000rpmで30分間遠心分離して菌体を除いた。
得られた上清液を水:エタノール(容量比80:
20)を溶離液とするカラムクロマトグラフイー
(充填剤トヨパール55F、商標、東洋曹達工業(株)
製)により分画を行なつた。α−L−アスパルチ
ル−L−フエニルアラニンメチルエステルに相当
する分画区分を減圧下で濃縮を行ない白色粉末50
mgを得た。このものの元素分析値及び物理化学的
性質は以下の通りであつた。 実測値(%) α−L−アスパルチル−L −フエニルアラニンメチル エステルとしての計算値(%) C 57.70 57.14 H 6.20 6.12 N 10.05 9.52 融点:235〜236℃で分解した。 比旋光度:〔α〕25 D+32.0(C=1.0、酢酸) アミノ基をトリフロロアセチル化、カルボキシ
ル基をメチル化したものの分子量は404であつた。 また、これをL−フエニルアラニル−L−フエ
ニルアラニン、L−フエニルアラニル−L−フエ
ニルアラニンメチルエステル、ジケトピペラジ
ン、L−フエニルアラニン、L−フエニルアラニ
ンメチルエステル、L−アスパラギン酸、L−ア
スパルチル−L−フエニルアラニン、L−アスパ
ルチル−L−アスパラギン酸、α−L−アスパル
チル−L−フエニルアラニンメチルエステル、β
−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンを標
準物質として薄層クロマトグラフイー、高速液体
クロマトグラフイー及びアミノ酸分析計で分析を
行なつた。更に塩酸メタノールによるメチル化及
びトリフロロアセテートメチルエステルによるト
リフロロアセチル化処理を行なつた試料のガスク
ロマトグラフイーならびにガスクロマトグラフイ
ー・マススペクトルグラフイー分析によりこれが
α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメ
チルエステルであることを同定確認した。 例 2 シユードモナス・プチダTS−15001を実施例1
と同一組成の培地に同一条件で培養した。得られ
た培養液のうち、その500mlから遠心分離により
菌体を集め(湿潤菌体量5g)、1/50Mリン酸
塩緩衝液25mlに懸濁した。こうして得た菌体懸濁
液を5℃で15分間超音波処理して菌体を破砕し
た。破砕液を5℃、10000rpmで15分間遠心分離
して得た上清液をフマル酸水素アンモニウム3.0
g及びL−フエニルアラニンメチルエステル4.5
gを含む水溶液25mlに加え、振とうしながら37℃
で16時間反応を行なつた。以下実施例1と同様に
処理を行ない、L−アスパルチル−L−フエニル
アラニンメチルエステルの白色粉末30mgを得た。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 シユードモナス・プチダに属し、フマール
酸、アンモニア及びL−フエニルアラニン低級ア
ルキルエステルからα−L−アスパルチル−L−
フエニルアラニン低級アルキルエステルを生成さ
せることのできる微生物。 2 シユードモナス・プチダ TS−15001である
特許請求の範囲第1項記載の微生物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15524090A JPH0315381A (ja) | 1990-06-15 | 1990-06-15 | 新規微生物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15524090A JPH0315381A (ja) | 1990-06-15 | 1990-06-15 | 新規微生物 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP57136332A Division JPS5928493A (ja) | 1982-08-06 | 1982-08-06 | アスパルチルフエニルアラニンアルキルエステルの製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0315381A JPH0315381A (ja) | 1991-01-23 |
| JPH0445159B2 true JPH0445159B2 (ja) | 1992-07-23 |
Family
ID=15601602
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15524090A Granted JPH0315381A (ja) | 1990-06-15 | 1990-06-15 | 新規微生物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0315381A (ja) |
-
1990
- 1990-06-15 JP JP15524090A patent/JPH0315381A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0315381A (ja) | 1991-01-23 |
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