JPH0478736B2 - - Google Patents
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- JPH0478736B2 JPH0478736B2 JP1165082A JP16508289A JPH0478736B2 JP H0478736 B2 JPH0478736 B2 JP H0478736B2 JP 1165082 A JP1165082 A JP 1165082A JP 16508289 A JP16508289 A JP 16508289A JP H0478736 B2 JPH0478736 B2 JP H0478736B2
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は、正方晶系トンネル構造を有し、一般
式BaxGa16+2xTi16-2xO56(但し、x=0.2〜1.0)で
示される組成の化合物(チタノガリウム酸バリウ
ム)の繊維又は膜状物の製造法に関する。 (従来の技術) 一般式BaxGa16+2xTi16-2xO56(x=0.2〜1.0)で
示される正方晶系トンネル構造を有する化合物
(チタノガリウム酸バリウム)は、耐熱性、断熱
性に優れるため、耐熱、断熱材料として有用であ
り、またプラスチツク、金属、セラミツクス等の
補強材料としても用いられる。 従来、この種の化合物を製造する方法として
は、Baに代えてアルカリ金属を用いる化合物の
場合はフラツクス法が知られている(特願昭61−
124095)。この方法は、モリブデン酸アルカリを
フラツクスとして用いて高温で溶融せしめてから
徐冷し、溶解−析出反応で繊維状単結晶を育成す
る方法である。 しかし、上記一般式でBaの場合の化合物(チ
タノガリウム酸バリウム)は、適当なフラツクス
がないので、この方法では育成できない。 一方、従来よりアルミナ繊維、ジルコニア繊維
などの無機繊維の多結晶体繊維製造法として、前
駆ポリマー法、スラリー法、無機塩法、ゾル法な
どが知られており、前記化合物の製造に適用する
ことも考えられる。まず、これらの方法の代表例
を挙げると次の通りである。 前駆ポリマー法は、
式BaxGa16+2xTi16-2xO56(但し、x=0.2〜1.0)で
示される組成の化合物(チタノガリウム酸バリウ
ム)の繊維又は膜状物の製造法に関する。 (従来の技術) 一般式BaxGa16+2xTi16-2xO56(x=0.2〜1.0)で
示される正方晶系トンネル構造を有する化合物
(チタノガリウム酸バリウム)は、耐熱性、断熱
性に優れるため、耐熱、断熱材料として有用であ
り、またプラスチツク、金属、セラミツクス等の
補強材料としても用いられる。 従来、この種の化合物を製造する方法として
は、Baに代えてアルカリ金属を用いる化合物の
場合はフラツクス法が知られている(特願昭61−
124095)。この方法は、モリブデン酸アルカリを
フラツクスとして用いて高温で溶融せしめてから
徐冷し、溶解−析出反応で繊維状単結晶を育成す
る方法である。 しかし、上記一般式でBaの場合の化合物(チ
タノガリウム酸バリウム)は、適当なフラツクス
がないので、この方法では育成できない。 一方、従来よりアルミナ繊維、ジルコニア繊維
などの無機繊維の多結晶体繊維製造法として、前
駆ポリマー法、スラリー法、無機塩法、ゾル法な
どが知られており、前記化合物の製造に適用する
ことも考えられる。まず、これらの方法の代表例
を挙げると次の通りである。 前駆ポリマー法は、
【式】(Yは、例え
ばエチル基、エトキシ基)からなる主鎖を有する
無機重合体のポリアルミノキサンを含む粘稠溶液
にけい酸エルテルを混合して乾式紡糸して焼成す
る方法である。 スラリー法はAl2O3微粉及び少量のMgCl2・
6H2Oにバインダー成分としてAl2(OH)5Cl・
2.2H2Oを加えて粘稠なスラリーとし、これを乾
式紡糸して焼成する方法である。 無機塩法はアルミニウム塩の水溶液にポリエチ
レンオキサイドやPVAなどの水溶性有機高分子
を加え、更に水溶性ポリシロキサンを混合して粘
稠液となし、ノズルより吹き出し、これを焼成す
る方法である。 ゾル法はHCOO、CH3COOなどのイオンを含
むアルミナゾルにシリカゾル、ほう酸を加えて粘
稠液とし、これを紡糸して焼成する方法である。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、前記フラツクス法や多結晶体繊
維の製造法を前記一般式を有する化合物(チタノ
ガリウム酸バリウム)の製造に適用した場合に
は、いずれも次のような問題点がある。 まず、フラツクス法では、長繊維のものを得る
ことが無理なばかりでなく、高価なフラツクスを
使用するため、回収工程を必要とし、そのために
製造コストが高くなるという問題がある。 一方、多結晶体繊維の製造法の場合は、紡糸液
を用いて紡糸して繊維とするため、紡糸原液が重
要であり、溶液の粘性、曳糸性、均一性、安定性
の物性が重要な要素であると共に、紡糸原液の製
造が容易で、かつ紡糸性が優れていることが重要
な要素である。 このような観点からすると、前記の各種方法を
適用して場合、まず、前駆ポリマー法は、均一性
は高いが、紡糸原液を作るための製造プロセスの
制御が難しい。ゾルーゲル法は、その濃縮段階に
おいて、沈澱、濁りが生じたり、また急激に粘度
が増大したりするため、濃縮の制御が難しい。無
機塩法は繊維形態を付与する粘性を水溶性有機重
合体で行つているため、調液段階でゲル化してし
まうなど、原液の安定性を欠くことがある。ま
た、スラリー法は所謂不均一系であり、紡糸原液
を構成する固体粒子の粘度、添加量、分散状態な
どが微妙に紡糸性に影響を与え、制御が難しい等
の問題点がある。 本発明は、前記一般式BaxGa16+2xTi16-2xO56
(x=0.2〜1.0)で示される正方晶系トンネル構
造を有する化合物(チタノガリウム酸バリウム)
の繊維又は膜状物の製造に際し、従来法における
紡糸原液の持つ問題点を解消し、紡糸原液の粘性
を適当に調整することが容易で、曳糸性、均一
性、安定性に優れ、紡糸性も良好であり、その製
造も容易な方法を提供することを目的とするもの
である。 (課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記目的を達成するためには、
高価なフラツクスを使用するフラツクス法ではな
く、多結晶体繊維の製造法の適用が有利であるこ
とに着目し、更に固有の問題を解決するべく鋭意
研究を重ねた結果、組成原料として特定のものを
用い、これを特定の有機酸水溶液に所定の割合で
加えて溶解、濃縮する紡糸に適する粘稠液が得ら
れ、該液の押し出し、成形、焼成により、所期の
目的が達成できることを見い出し、本発明を完成
したのである。 すなわち、本発明に係る一般式BaxGa16+2x
Ti16-2xO56で示される化合物(チタノガリウム酸
バリウム)の繊維又は膜状物の製造法は、要する
に、原料のTi成分にはチタンアルコキシドを用
い、Ga成分には該成分の硝酸塩を用い、Ba成分
には該成分の炭酸塩を用いて、上記一般式で示さ
れる組成割合に配合した各原料を、前記Ba成分、
Ti成分及びGa成分の総量に対し0.85倍モル量以
上のクエン酸及び酒石酸の単独又は混合有機酸の
水溶液に加え、溶解、濃縮して紡糸液とし、次い
でこれを紡糸して繊維状又は膜状物に成形した
後、1200〜1600℃で焼成することにより、Bax
Ga16+2xTi16-2xO56単一相よりなる形成体を得る
ことができ、或いはBaxGa16+2xTi16-2xO56が主生
成相であり、それ以外にGa2TiO5相、β−Ga2O3
(β−ガリア)及び未知相などが少量生成してな
る2相、3相或いは4相の混合系の成形体を得る
ことを特徴とするものである。 以下に本発明を詳述する。 (作用) まず、前述の一般式BaxGa16+2xTi16-2xO56で表
わされる組成で正方晶系トンネル構造を有する化
合物(チタノガリウム酸バリウム)の製造原料と
して、以下の如く特定の成分原料を用いる。 Ti成分としては、チタンアルコキシドを用い
る。このチタンアルコキシドとしては、例えば、
チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラノ
ルマルブトキシド等が挙げられる。なお、チタン
アルコキシドは、クエン酸、酒石酸と極めて容易
に反応して、透明均一な溶液が得られ、焼成によ
り酸化物となし得る。 Ga成分としては、入手の容易さや扱い易さよ
り、その硝酸塩が用いられる。 このようにして得られた透明溶液に、Ga成分
としてその硝酸塩を添加しても、何ら溶液が不均
一化することはない。 また、Ga〓はFe、Cr、Alと固溶してもよく、
この場合、それらの適当な有機塩、無機塩、アル
コキシドを原料として用いることができる。 また、Ba成分にはその炭酸塩が用いられるが、
これは有機酸水溶液(後述)と混合するとCO2を
放出して透明均一な溶液となる。 これらの各原料は、クエン酸及び酒石酸の単独
又は混合有機酸水溶液に、前記一般式の組成割合
となるように加えられ、溶解、濃縮することによ
り、曳糸性を有する粘稠液となる。 この場合におけるクエン酸及び酒石酸の単独又
は混合有機酸の量としては、前記Ba成分、Ti成
分及びGa成分の総モル数に対し、0.85倍モル量
以上であることが必要である。0.85倍モル未満で
は、得られる紡糸原液が不均一化したり、また曳
糸性を示さず、また固化することが困難となり、
繊維状又は膜状物に形成し得ない。前記有機酸の
水溶液には、Ba成分、Ti成分及びGa成分の総モ
ル数の20〜50倍モルの水を用いることが好まし
い。 これにより、透明均一な溶液が得られるので、
これを加熱して粘度が1〜100ポイズ程度に濃縮
すると、90〜100℃で曳糸性を有する粘稠液が得
られる。この液は温度が低くなるに従い固化す
る。したがつて、紡糸は90〜100℃で行うことが
好ましい。 紡糸に際し、ノズルを用いると長繊維が得ら
れ、スリツトより押し出すと膜状物が得られる。
また太目の口径ノズルより押し出し、火炎で焼成
吹き飛ばすと極細な短繊維とすることができる。 なお、前記一般式BaxGa16+2xTi16-2xO56におけ
るxの範囲が0.2≦x≦1.0の場合の紡糸原液の曳
糸性、粘性等に見られる紡糸性には、さほど差が
認められない。 得られた繊維状又は膜状物は、水分を除去し、
700〜1000℃で空気中で加熱して有機物を分解除
去した後、1200〜1600℃で焼成すると、目的物で
ある正方晶系トンネル構造を有する化合物の成形
体(繊維又は膜状物)が得られる。但し、1200℃
未満では焼結が完結せず、また1600℃を超えると
溶融し始めるので、好ましくない。 なお、前記一般式BaxGa16+2xTi16-2xO56におい
てx=0.6、1350℃の場合、焼成により得られる
生成相は、正方晶系トンネル構造を有する化合物
のみの単一相或いは痕跡程度のGa2TiO5相、β−
Ga2O3相との混合相となるが、xが0.6より小さ
くなるほど、生成相において正方晶系トンネル構
造を有する化合物以外に、未知相(3.29Å、3.15
Å、2.48Å、2.22Å、2.18Åの面間隔を示す)が
多くなり、またxが0.6より大きくなるほど、生
成相において正方晶系トンネル構造を有する化合
物以外にβ−Ga2O3(β−ガリア)相、Ga2TiO5
及び未知相が多くなる。xの最適組成範囲は0.5
<x≦0.65であるが、前記一般式において示され
るxの範囲0.2≦x≦1.0においても得られるもの
は、その用途としての基本物性には殆ど影響を及
ぼさない。 (実施例) 次に本発明の実施例を示す。 実施例 1 本例は、前記一般式BaxGa16+2xTi16-2xO56にお
いて、x=0.6の場合であり、また有機酸として
クエン酸を使用して合成する場合の例である。 まず、クエン酸28.6gを蒸留水50mlに溶解させ
た溶液に、チタンテトライソプロポキシド21.0g
を滴下させ、約半日攪拌することにより透明な溶
液を得た。 次に、この溶液に炭酸バリウム0.59gを徐々に
加え、透明均一となるまで攪拌を行つた。以上の
操作はすべて室温で作つた。 これに、更に硝酸ガリウム・9水和物(Ga
(NO3)3・9H2O)35.9gを加え、しばらく室温で
攪拌した後、100℃にて加熱して粘度が100ポイズ
になるまで濃縮した。このものは透明均一な粘稠
な溶液であり、これを放冷したところ、粘度が
徐々に増大し、良好な曳糸性を有するものとなつ
た。 次いで、適当な粘性状態のものをノズルより室
温乾燥大気雰囲気下に押し出し、直径5〜100μ
mの長繊維を得た。この繊維は無色透明であつ
た。 得られた繊維を100℃で1晩乾燥した後、900℃
で2時間加熱処理し、次いで1350℃で30時間焼成
した。 得られた繊維は、Ba0.6Ga17.2Ti14.8O56の組成の
正方晶系トンネル構造を有するガロチタノガリウ
ム酸バリウムの単一相及び痕跡程度のGa2TiO5
相、β−Ga2O3相との混合相よりなる繊維であつ
た。 実施例 2 本例は、前記一般式BaxGa16+2xTi16-2xO56にお
いて、x=0.5の場合であり、また有機酸として
酒石酸を使用して合成する場合の例である。 まず、酒石酸16.3gを蒸留水30mlに溶解させた
溶液に、チタンテトライソプロポキシド14.2gを
滴下させ、約半日攪拌することにより透明な溶液
を得た。 次に、この溶液に炭酸バリウム0.33gを徐々に
加え、透明均一となるまで攪拌を行つた。以上の
操作はすべて室温で行つた。 これに、更に硝酸ガリウム・9水和物(Ga
(NO3)3・9H2O)23.7gを加え、しばらく室温で
攪拌した後、100℃にて加熱して粘度が100ポイズ
になるまで濃縮した。このものは透明均一な粘稠
溶液であり、これを放冷したところ、粘度が徐々
に増大し、良好な曳糸性を有するものとなつた。 次いで、適当な粘性状態のものをノズルより室
温乾燥大気雰囲気下に押し出し、直径5〜100μ
mの長繊維を得た。この繊維は無色透明であつ
た。 得られた繊維を100℃で1晩乾燥した後、900℃
で2時間加熱処理し、次いで1350℃で40時間焼成
した。 得られた繊維は、Ba0.5Ga17Ti15O56の組成の正
方晶系トンネル構造を有するガロチタノガリウム
酸塩と、若干量の未知相との混合相よりなる繊維
であつた。 実施例 3 本例は前記一般式BaxGa16+2xTi16-2xO56におい
て、x=0.7の場合であり、また有機酸としてク
エン酸を使用して合成する場合の例である。 まず、クエン酸23.5gを蒸留水50mlに溶解させ
た溶液に、チタンテトライソプロポキシド14.2g
を滴下させ、約半日攪拌することにより透明な溶
液を得た。 次に、この溶液に炭酸バリウム0.47gを徐々に
加え、透明均一となるまで攪拌を行つた。以上の
操作はすべて室温で行つた。 これに、更に硝酸ガリウム・9水和物(Ga
(NO3)3・9H2O)24.9gを加え、しばらく室温で
攪拌した後、100℃にて加熱して粘度が100ポイズ
になるまで濃縮した。このものは、透明均一な粘
稠溶液であり、これを放冷したところ、粘度が
徐々に増大し、良好な曳糸性を有するものとなつ
た。 次いで、適当な粘性状態のものをノズルより室
温乾燥大気雰囲気下に押し出し、直径5〜100μ
mの長繊維を得た。この繊維は無色透明であつ
た。 得られた繊維を100℃で1晩乾燥した後、900℃
で2時間加熱処理し、次いで1350℃で50時間処理
した。 得られた繊維はBa0.7Ga17.4Ti14.6O56の組成の正
方晶系トンネル構造を有するガロチタノガリウム
酸塩と、若干量のβ−Ga2O3(β−ガリア)相及
びGa2TiO5との混合相よりなる繊維であつた。 (発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、前記一
般式で表される正方晶系トンネル構造を有する化
合物(チタノガリウム酸バリウム)の繊維又は膜
状物を製造するに際し、紡糸原液の粘性を適当な
ものに調整することが容易であり、しかも曳糸
性、均一性、安定性に優れ、紡糸性も良好であ
り、かつその製造も容易である。 したがつて、目的組成を有する繊維又は膜状物
を、より容易に、且つ安価に得られるという優れ
た効果を有する。
無機重合体のポリアルミノキサンを含む粘稠溶液
にけい酸エルテルを混合して乾式紡糸して焼成す
る方法である。 スラリー法はAl2O3微粉及び少量のMgCl2・
6H2Oにバインダー成分としてAl2(OH)5Cl・
2.2H2Oを加えて粘稠なスラリーとし、これを乾
式紡糸して焼成する方法である。 無機塩法はアルミニウム塩の水溶液にポリエチ
レンオキサイドやPVAなどの水溶性有機高分子
を加え、更に水溶性ポリシロキサンを混合して粘
稠液となし、ノズルより吹き出し、これを焼成す
る方法である。 ゾル法はHCOO、CH3COOなどのイオンを含
むアルミナゾルにシリカゾル、ほう酸を加えて粘
稠液とし、これを紡糸して焼成する方法である。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、前記フラツクス法や多結晶体繊
維の製造法を前記一般式を有する化合物(チタノ
ガリウム酸バリウム)の製造に適用した場合に
は、いずれも次のような問題点がある。 まず、フラツクス法では、長繊維のものを得る
ことが無理なばかりでなく、高価なフラツクスを
使用するため、回収工程を必要とし、そのために
製造コストが高くなるという問題がある。 一方、多結晶体繊維の製造法の場合は、紡糸液
を用いて紡糸して繊維とするため、紡糸原液が重
要であり、溶液の粘性、曳糸性、均一性、安定性
の物性が重要な要素であると共に、紡糸原液の製
造が容易で、かつ紡糸性が優れていることが重要
な要素である。 このような観点からすると、前記の各種方法を
適用して場合、まず、前駆ポリマー法は、均一性
は高いが、紡糸原液を作るための製造プロセスの
制御が難しい。ゾルーゲル法は、その濃縮段階に
おいて、沈澱、濁りが生じたり、また急激に粘度
が増大したりするため、濃縮の制御が難しい。無
機塩法は繊維形態を付与する粘性を水溶性有機重
合体で行つているため、調液段階でゲル化してし
まうなど、原液の安定性を欠くことがある。ま
た、スラリー法は所謂不均一系であり、紡糸原液
を構成する固体粒子の粘度、添加量、分散状態な
どが微妙に紡糸性に影響を与え、制御が難しい等
の問題点がある。 本発明は、前記一般式BaxGa16+2xTi16-2xO56
(x=0.2〜1.0)で示される正方晶系トンネル構
造を有する化合物(チタノガリウム酸バリウム)
の繊維又は膜状物の製造に際し、従来法における
紡糸原液の持つ問題点を解消し、紡糸原液の粘性
を適当に調整することが容易で、曳糸性、均一
性、安定性に優れ、紡糸性も良好であり、その製
造も容易な方法を提供することを目的とするもの
である。 (課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記目的を達成するためには、
高価なフラツクスを使用するフラツクス法ではな
く、多結晶体繊維の製造法の適用が有利であるこ
とに着目し、更に固有の問題を解決するべく鋭意
研究を重ねた結果、組成原料として特定のものを
用い、これを特定の有機酸水溶液に所定の割合で
加えて溶解、濃縮する紡糸に適する粘稠液が得ら
れ、該液の押し出し、成形、焼成により、所期の
目的が達成できることを見い出し、本発明を完成
したのである。 すなわち、本発明に係る一般式BaxGa16+2x
Ti16-2xO56で示される化合物(チタノガリウム酸
バリウム)の繊維又は膜状物の製造法は、要する
に、原料のTi成分にはチタンアルコキシドを用
い、Ga成分には該成分の硝酸塩を用い、Ba成分
には該成分の炭酸塩を用いて、上記一般式で示さ
れる組成割合に配合した各原料を、前記Ba成分、
Ti成分及びGa成分の総量に対し0.85倍モル量以
上のクエン酸及び酒石酸の単独又は混合有機酸の
水溶液に加え、溶解、濃縮して紡糸液とし、次い
でこれを紡糸して繊維状又は膜状物に成形した
後、1200〜1600℃で焼成することにより、Bax
Ga16+2xTi16-2xO56単一相よりなる形成体を得る
ことができ、或いはBaxGa16+2xTi16-2xO56が主生
成相であり、それ以外にGa2TiO5相、β−Ga2O3
(β−ガリア)及び未知相などが少量生成してな
る2相、3相或いは4相の混合系の成形体を得る
ことを特徴とするものである。 以下に本発明を詳述する。 (作用) まず、前述の一般式BaxGa16+2xTi16-2xO56で表
わされる組成で正方晶系トンネル構造を有する化
合物(チタノガリウム酸バリウム)の製造原料と
して、以下の如く特定の成分原料を用いる。 Ti成分としては、チタンアルコキシドを用い
る。このチタンアルコキシドとしては、例えば、
チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラノ
ルマルブトキシド等が挙げられる。なお、チタン
アルコキシドは、クエン酸、酒石酸と極めて容易
に反応して、透明均一な溶液が得られ、焼成によ
り酸化物となし得る。 Ga成分としては、入手の容易さや扱い易さよ
り、その硝酸塩が用いられる。 このようにして得られた透明溶液に、Ga成分
としてその硝酸塩を添加しても、何ら溶液が不均
一化することはない。 また、Ga〓はFe、Cr、Alと固溶してもよく、
この場合、それらの適当な有機塩、無機塩、アル
コキシドを原料として用いることができる。 また、Ba成分にはその炭酸塩が用いられるが、
これは有機酸水溶液(後述)と混合するとCO2を
放出して透明均一な溶液となる。 これらの各原料は、クエン酸及び酒石酸の単独
又は混合有機酸水溶液に、前記一般式の組成割合
となるように加えられ、溶解、濃縮することによ
り、曳糸性を有する粘稠液となる。 この場合におけるクエン酸及び酒石酸の単独又
は混合有機酸の量としては、前記Ba成分、Ti成
分及びGa成分の総モル数に対し、0.85倍モル量
以上であることが必要である。0.85倍モル未満で
は、得られる紡糸原液が不均一化したり、また曳
糸性を示さず、また固化することが困難となり、
繊維状又は膜状物に形成し得ない。前記有機酸の
水溶液には、Ba成分、Ti成分及びGa成分の総モ
ル数の20〜50倍モルの水を用いることが好まし
い。 これにより、透明均一な溶液が得られるので、
これを加熱して粘度が1〜100ポイズ程度に濃縮
すると、90〜100℃で曳糸性を有する粘稠液が得
られる。この液は温度が低くなるに従い固化す
る。したがつて、紡糸は90〜100℃で行うことが
好ましい。 紡糸に際し、ノズルを用いると長繊維が得ら
れ、スリツトより押し出すと膜状物が得られる。
また太目の口径ノズルより押し出し、火炎で焼成
吹き飛ばすと極細な短繊維とすることができる。 なお、前記一般式BaxGa16+2xTi16-2xO56におけ
るxの範囲が0.2≦x≦1.0の場合の紡糸原液の曳
糸性、粘性等に見られる紡糸性には、さほど差が
認められない。 得られた繊維状又は膜状物は、水分を除去し、
700〜1000℃で空気中で加熱して有機物を分解除
去した後、1200〜1600℃で焼成すると、目的物で
ある正方晶系トンネル構造を有する化合物の成形
体(繊維又は膜状物)が得られる。但し、1200℃
未満では焼結が完結せず、また1600℃を超えると
溶融し始めるので、好ましくない。 なお、前記一般式BaxGa16+2xTi16-2xO56におい
てx=0.6、1350℃の場合、焼成により得られる
生成相は、正方晶系トンネル構造を有する化合物
のみの単一相或いは痕跡程度のGa2TiO5相、β−
Ga2O3相との混合相となるが、xが0.6より小さ
くなるほど、生成相において正方晶系トンネル構
造を有する化合物以外に、未知相(3.29Å、3.15
Å、2.48Å、2.22Å、2.18Åの面間隔を示す)が
多くなり、またxが0.6より大きくなるほど、生
成相において正方晶系トンネル構造を有する化合
物以外にβ−Ga2O3(β−ガリア)相、Ga2TiO5
及び未知相が多くなる。xの最適組成範囲は0.5
<x≦0.65であるが、前記一般式において示され
るxの範囲0.2≦x≦1.0においても得られるもの
は、その用途としての基本物性には殆ど影響を及
ぼさない。 (実施例) 次に本発明の実施例を示す。 実施例 1 本例は、前記一般式BaxGa16+2xTi16-2xO56にお
いて、x=0.6の場合であり、また有機酸として
クエン酸を使用して合成する場合の例である。 まず、クエン酸28.6gを蒸留水50mlに溶解させ
た溶液に、チタンテトライソプロポキシド21.0g
を滴下させ、約半日攪拌することにより透明な溶
液を得た。 次に、この溶液に炭酸バリウム0.59gを徐々に
加え、透明均一となるまで攪拌を行つた。以上の
操作はすべて室温で作つた。 これに、更に硝酸ガリウム・9水和物(Ga
(NO3)3・9H2O)35.9gを加え、しばらく室温で
攪拌した後、100℃にて加熱して粘度が100ポイズ
になるまで濃縮した。このものは透明均一な粘稠
な溶液であり、これを放冷したところ、粘度が
徐々に増大し、良好な曳糸性を有するものとなつ
た。 次いで、適当な粘性状態のものをノズルより室
温乾燥大気雰囲気下に押し出し、直径5〜100μ
mの長繊維を得た。この繊維は無色透明であつ
た。 得られた繊維を100℃で1晩乾燥した後、900℃
で2時間加熱処理し、次いで1350℃で30時間焼成
した。 得られた繊維は、Ba0.6Ga17.2Ti14.8O56の組成の
正方晶系トンネル構造を有するガロチタノガリウ
ム酸バリウムの単一相及び痕跡程度のGa2TiO5
相、β−Ga2O3相との混合相よりなる繊維であつ
た。 実施例 2 本例は、前記一般式BaxGa16+2xTi16-2xO56にお
いて、x=0.5の場合であり、また有機酸として
酒石酸を使用して合成する場合の例である。 まず、酒石酸16.3gを蒸留水30mlに溶解させた
溶液に、チタンテトライソプロポキシド14.2gを
滴下させ、約半日攪拌することにより透明な溶液
を得た。 次に、この溶液に炭酸バリウム0.33gを徐々に
加え、透明均一となるまで攪拌を行つた。以上の
操作はすべて室温で行つた。 これに、更に硝酸ガリウム・9水和物(Ga
(NO3)3・9H2O)23.7gを加え、しばらく室温で
攪拌した後、100℃にて加熱して粘度が100ポイズ
になるまで濃縮した。このものは透明均一な粘稠
溶液であり、これを放冷したところ、粘度が徐々
に増大し、良好な曳糸性を有するものとなつた。 次いで、適当な粘性状態のものをノズルより室
温乾燥大気雰囲気下に押し出し、直径5〜100μ
mの長繊維を得た。この繊維は無色透明であつ
た。 得られた繊維を100℃で1晩乾燥した後、900℃
で2時間加熱処理し、次いで1350℃で40時間焼成
した。 得られた繊維は、Ba0.5Ga17Ti15O56の組成の正
方晶系トンネル構造を有するガロチタノガリウム
酸塩と、若干量の未知相との混合相よりなる繊維
であつた。 実施例 3 本例は前記一般式BaxGa16+2xTi16-2xO56におい
て、x=0.7の場合であり、また有機酸としてク
エン酸を使用して合成する場合の例である。 まず、クエン酸23.5gを蒸留水50mlに溶解させ
た溶液に、チタンテトライソプロポキシド14.2g
を滴下させ、約半日攪拌することにより透明な溶
液を得た。 次に、この溶液に炭酸バリウム0.47gを徐々に
加え、透明均一となるまで攪拌を行つた。以上の
操作はすべて室温で行つた。 これに、更に硝酸ガリウム・9水和物(Ga
(NO3)3・9H2O)24.9gを加え、しばらく室温で
攪拌した後、100℃にて加熱して粘度が100ポイズ
になるまで濃縮した。このものは、透明均一な粘
稠溶液であり、これを放冷したところ、粘度が
徐々に増大し、良好な曳糸性を有するものとなつ
た。 次いで、適当な粘性状態のものをノズルより室
温乾燥大気雰囲気下に押し出し、直径5〜100μ
mの長繊維を得た。この繊維は無色透明であつ
た。 得られた繊維を100℃で1晩乾燥した後、900℃
で2時間加熱処理し、次いで1350℃で50時間処理
した。 得られた繊維はBa0.7Ga17.4Ti14.6O56の組成の正
方晶系トンネル構造を有するガロチタノガリウム
酸塩と、若干量のβ−Ga2O3(β−ガリア)相及
びGa2TiO5との混合相よりなる繊維であつた。 (発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、前記一
般式で表される正方晶系トンネル構造を有する化
合物(チタノガリウム酸バリウム)の繊維又は膜
状物を製造するに際し、紡糸原液の粘性を適当な
ものに調整することが容易であり、しかも曳糸
性、均一性、安定性に優れ、紡糸性も良好であ
り、かつその製造も容易である。 したがつて、目的組成を有する繊維又は膜状物
を、より容易に、且つ安価に得られるという優れ
た効果を有する。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式BaxGa16+2xTi16-2xO56(但し、x=0.2
〜1.0)で示される正方晶系トンネル構造を有す
る化合物の製造に際し、原料のTi成分にはチタ
ンアルコキシドを用い、Ga成分には該成分の硝
酸塩を用い、Ba成分には該成分の炭素塩を用い
て、上記一般式で示される組成割合に配合した各
原料を、前記Ba成分、Ti成分及びGa成分の総量
に対して0.85倍モル量以上のクエン酸及び酒石酸
の単独又は混合有機酸の水溶液に加え、溶解、濃
縮して紡糸液とし、次いでこれを紡糸して繊維状
又は膜状物に成形した後、1200〜1600℃で焼成す
ることにより、BaxGa16+2xTi16-2xO56単一相より
なる形成体を得ることを特徴とするBaxGa16+2x
Ti16-2xO56で示されるチタノガリウム酸バリウム
の繊維又は膜状物の製造法。 2 前記焼成により生成する相が、BaxGa16+2x
Ti16-2xO56が主生成相であり、それ以外に
Ga2TiO5相、β−Ga2O3(β−ガリア)及び未知
相などが少量生成してなる混合系である請求項1
に記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16508289A JPH0333219A (ja) | 1989-06-27 | 1989-06-27 | チタノガリウム酸バリウム繊維又は膜状物の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16508289A JPH0333219A (ja) | 1989-06-27 | 1989-06-27 | チタノガリウム酸バリウム繊維又は膜状物の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0333219A JPH0333219A (ja) | 1991-02-13 |
| JPH0478736B2 true JPH0478736B2 (ja) | 1992-12-14 |
Family
ID=15805533
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16508289A Granted JPH0333219A (ja) | 1989-06-27 | 1989-06-27 | チタノガリウム酸バリウム繊維又は膜状物の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0333219A (ja) |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6011228A (ja) * | 1983-06-28 | 1985-01-21 | Natl Inst For Res In Inorg Mater | オクトチタン酸塩耐熱性断熱材料 |
| JPS62278124A (ja) * | 1986-05-28 | 1987-12-03 | Natl Inst For Res In Inorg Mater | 耐熱性断熱材料 |
| JPS62283815A (ja) * | 1986-05-29 | 1987-12-09 | Natl Inst For Res In Inorg Mater | A↓xTi↓1↓6−↓xM↓yGa↓(↓1↓6↓+↓x↓)−↓yO↓5↓6で示される正方晶系のトンネル構造を有する化合物およびその製造法 |
| JPS63165435A (ja) * | 1986-12-27 | 1988-07-08 | Nippon Steel Corp | 有機金属重合組成物の製造方法 |
-
1989
- 1989-06-27 JP JP16508289A patent/JPH0333219A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0333219A (ja) | 1991-02-13 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
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| EXPY | Cancellation because of completion of term |