JPH05201937A - 新規トレハゾリン誘導体の製造法 - Google Patents

新規トレハゾリン誘導体の製造法

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JPH05201937A
JPH05201937A JP4281688A JP28168892A JPH05201937A JP H05201937 A JPH05201937 A JP H05201937A JP 4281688 A JP4281688 A JP 4281688A JP 28168892 A JP28168892 A JP 28168892A JP H05201937 A JPH05201937 A JP H05201937A
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sank
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acid
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Mutsuo Nakajima
睦男 中島
Osamu Ando
治 安東
Kiyoshi Hamano
潔 浜野
Hideji Takahashi
秀次 高橋
Akira Sato
章 佐藤
Yasuyuki Takamatsu
安行 高松
Ryuzo Enokida
竜三 榎田
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Sankyo Co Ltd
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Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】化合物(II) 【化6】 を加水分解することからなる、化合物(I) 【化7】 の製造法。 【効果】本発明の化合物(I)は顕著なβ−グルコシダ
ーゼ阻害活性を有しており、例えば抗腫瘍剤、抗エイズ
剤等として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、β−グルコシダーゼ阻
害活性を有する新規トレハゾリン誘導体の製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、β−グルコシダーゼに対して強い
阻害活性を示す物質としては、カスタノスペルミン、デ
オキシノジリマイシン等が知られており、抗腫瘍、抗エ
イズ等に有用な物質として報告されている(R.A.Gruter
s et al.、 Nature 、330 巻、74-77 頁、(1987
年);M.J.Humphries et al.、 Cancer Res.、 46 巻、
5215-5222 頁、(1986 年)等)。したがって、β−グ
ルコシダーゼ阻害活性を有する化合物は、抗腫瘍薬、抗
エイズ薬として有用であることが予想される。
【0003】なお、本発明のβ−グルコシダーゼ阻害活
性を有する下記の式(I)で示される化合物は、式(I
II)
【0004】
【化3】
【0005】で示される化合物を加水分解することによ
っても得られている(特願平 4−27901 号、EP 0499489
A )。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは下記式
(II)で示される化合物を加水分解することにより、
下記式(I)で示される化合物が得られることを見出し
て本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、式(II)
【0008】
【化4】
【0009】で示される化合物を加水分解することから
なる、式(I)
【0010】
【化5】
【0011】で示される化合物の製造方法に関するもの
である。以下、式(I)で示される化合物を化合物
(I)と、式(II)で示される化合物を化合物(I
I)という。
【0012】本発明の加水分解反応は酸または塩基の存
在下で行なわれる。使用される酸または塩基としては、
通常の加水分解反応において使用されるものであれば特
に限定はない。
【0013】酸を使用する場合、使用される酸として
は、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸などのハロ
ゲン化水素酸;硫酸;過塩素酸;燐酸;硝酸;のような
無機酸または蟻酸、酢酸、蓚酸、トリフルオロ酢酸など
の低級アルキルカルボン酸;メタンスルホン酸、エタン
スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの低級
アルカンスルホン酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエ
ンスルホン酸などのアリールスルホン酸;のような有機
酸をあげることができる。好適には無機酸、特に塩酸で
ある。
【0014】反応は通常、溶剤の存在下で好適に行なわ
れる。使用される溶剤としては反応に影響を与えなけれ
ば特に限定はなく、例えばメタノール、エタノール、プ
ロパノール、 ブタノールのようなアルコール類;ジメチ
ルスルホキシド、スルホランのようなスルホキシド類;
酢酸、プロピオン酸のような有機酸類;水;などがあげ
られる。好適には水、および水と有機溶剤との混合溶剤
である。
【0015】酸の添加量は通常、原料化合物 1 モルに
対して 1 乃至 20 モル、好適には5 乃至 10 モルで
ある。反応温度は室温乃至 150 ℃で行なわれるが、好
適には、90 ℃乃至 110 ℃である。反応時間は、主に
反応温度、反応試薬または使用される溶剤の種類によっ
て異なるが、通常 1 時間乃至 2 日間であり、好適に
は 20 時間乃至 30 時間である。
【0016】また、塩基を使用する場合、使用される塩
基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸
化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属
水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカ
リ金属炭酸塩;ヨウ化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨ
ウ化カリウムなどのアルカリ金属ハロゲン化物;のよう
な無機塩基またはアンモニア;トリエチルアミンなどの
アルキルアミン類;モルホリン、N-エチルピペリジン、
ピリジンなどの複素環アミン類;のような有機塩基をあ
げることができる。
【0017】反応は通常、溶剤の存在下で好適に行なわ
れる。使用される溶剤としては反応に影響を与えなけれ
ば特に限定はなく、例えばメタノール、エタノール、プ
ロパノール、 ブタノールのようなアルコール類;テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;ジメチ
ルスルホキシド、スルホランのようなスルホキシド類;
水;などがあげられる。好適には水、および水と有機溶
剤との混合溶剤である。
【0018】塩基の添加量は通常、原料化合物 1 モル
に対して 0.01 乃至 10 モル、好適には 1 乃至 5 モ
ルである。反応温度は 0 ℃乃至 120 ℃で行なわれる
が、好適には、室温乃至 100 ℃である。反応時間は、
主に反応温度、反応試薬または使用される溶剤の種類に
よって異なるが、通常 0.5 時間乃至 2 日間であり、
好適には 1 時間乃至 20 時間である。
【0019】このようにして得られた反応液から化合物
(I)を純粋に単離するには、通常有機化合物の分離精
製に利用される方法、例えば各種担体を用いたクロマト
グラフィーを単独またはこれらの組み合わせで必要に応
じて繰り返し行なうことによって得られる。
【0020】例えば、反応終了後、反応液をイオン交換
樹脂、例えばアンバーライト IRC−50、CG−50(ローム
・アンド・ハース社製)、ダウエックス 50W×4 、ダウ
エックス SBR−P (ダウ・エミカル社製)の層を通過さ
せて不純物を吸着させて取り除くか、または化合物
(I)を吸着させた後、アンモニア水または塩酸を用い
て溶出させることにより得られる。あるいは吸着剤とし
て、例えば活性炭または吸着用樹脂であるアンバーライ
ト XAD−2 、XAD −4(ローム・アンド・ハース社製)等
や、ダイヤイオンHP−10、HP−20、 CHP−20、HP−50
( 三菱化成(株)社製) 等が使用される。化合物(I)
を含む液を上記のごとき吸着剤の層を通過させて不純物
を吸着させて取り除くか、または化合物(I)を吸着さ
せた後、メタノール水、アセトン水等の水と有機溶剤と
の混合溶剤を用いて溶出させることにより得られる。
【0021】このようにして得られた化合物(I)は、
更にシリカゲル、フロリジルのような担体を用いた吸着
カラムクロマトグラフィー、アビセル (旭化成工業
(株)社製) 、セファデックスLH−20( ファルマシア社
製) 等を用いた分配カラムクロマトグラフィーおよび順
相、逆相カラム、イオン交換カラムを用いた高速液体ク
ロマトグラフィー等で精製することができる。
【0022】このようにして得られた化合物(I)は次
のような特性を有する。 1)色と形状:塩基性白色粉末 2)溶解性:水に可溶。アセトン、クロロホルムに不
溶。 3)呈色試験:ニンヒドリンに陽性 4)分子式:C613NO5 5)分子量:179 (FAB −MSスペクトルにより測定) 6)比旋光度: [α]D 25 −3.7 °(c 0.51 、水) 7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(E(1cm,1%)) 水溶液中で測定した紫外線吸収スペクトルは、210 nm以
上に特徴的な吸収を示さない。 8)赤外線吸収スペクトル:νmax(KBr) cm-1 KBrディスクで測定した赤外線吸収スペクトルは,次
の通りである。 3384、1582、1474、1380、1040 9) 1H−核磁気共鳴スペクトル:δppm 重水中、外部基準にTMS(テトラメチルシラン)を使
用して測定した1H−核磁気共鳴スペクトル(400 MHz)
は次の通りである。 3.12(1H、d 、 J=7.1 Hz)、 3.56(1H、d 、 J=
11.98 Hz)、3.62(1H、d 、 J=12.2 Hz )、 3.62
(1H、d 、 J=6.8 Hz)、3.78(1H、dd、 J=5.5 およ
び 6.8 Hz )、3.90(1H、dd、 J=5.5 および 7.1 Hz
) 10)13C−核磁気共鳴スペクトル:δppm 重水中、外部基準にTMS(テトラメチルシラン)を使
用して測定した13C−核磁気共鳴スペクトルは次の通り
である。 57.8、 61.0 、 73.6 、 79.4 、 81.5 、 81.7 11)薄層クロマトグラフィー: Rf 値;0.39 吸着剤;シリカゲルプレート Art 5715(メルク社製) 展開溶媒;アセトニトリル:酢酸:水=6:1:3 。
【0023】本発明の化合物(I)は、常法にしたがっ
て塩にすることができる。そのような塩としては、例え
ば弗化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩
のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫
酸塩、燐酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリ
フルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のよ
うな低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸
塩、p-トルエンスルホン酸塩のようなアリ−ルスルホン
酸塩、フマ−ル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸
塩、蓚酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩およびグルタミ
ン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩を挙げる
ことができる。好適には薬理上許容しうる塩である。
【0024】なお、本発明の化合物(I)は、種々の異
性体を有する。化合物(I)においては、これらの異性
体およびこれらの異性体の混合物がすべて単一の式で示
されている。従って、本発明においてはこれらの異性体
およびこれらの異性体の混合物をもすべて含むものであ
る。
【0025】なお、本発明の原料化合物である化合物
(II)は、微生物生産物として得られる。化合物(I
I)の製造において用いられる微生物としては、例えば
ミクロモノスポラ(Micromonospora)属に属するミクロ
モノスポラ エスピー (Micromonospora sp.)SANK 6
2390 株またはアミコラトプシス(Amycolatopsis)属に
属するアミコラトプシス エスピー (Amycolatopsis
sp.) SANK 60791 株等を挙げることができる。
【0026】ミクロモノスポラ エスピー SANK 6239
0 株の菌学的性状は、次の通りである。 1.形態学的性状 SANK 62390 株は、菌株同定用寒天培地上 28 ℃、7 な
いし 14 日間の培養において普通もしくはやや貧弱に生
育する。基生菌糸は良好に伸長、分岐し、明るい橙、橙
ないし暗い茶味灰色を示すが、ノカルディア(Nocardi
a)属菌株様の断裂やジグザグ伸長は観察されない。気
菌糸は原痕跡的に僅かに形成し、白ないし茶味白色を示
す。胞子は基生菌糸上にのみ観察されるが、比較的短い
胞子柄の先端に 1 個ずつ形成し、球状である。胞子の
表面は平滑である。胞子のう、菌核、車軸分岐等の特殊
器官は認められない。
【0027】2.各種培養基上の諸性質 各種培養基上で 28 ℃、 14 日間培養後の性状は表1に
示した通りである。色調の表示は日本色彩研究所版「標
準色表」のカラーチップ・ナンバーをあらわす。
【0028】
【表1】 ─────────────────────────────────── 培地の種類 項目 SANK 62390 株の性状 ─────────────────────────────────── シュクロース・ G: 余り良くない、平坦、薄橙(3-9-6 ) 硝酸塩寒天 AM: 形成せず R: 薄橙(3-9-6 ) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── グルコース・ G: 余り良くない、平坦、黄味橙(12-7-7) アスパラギン寒天 AM: 形成せず R: 薄橙(6-8-7 ) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── グリセリン・ G: 余り良くない、平坦、明るい橙(8-7-6 ) アスパラギン寒天 AM: 形成せず (ISP 5) R: 明るい茶味灰(2-6-6 ) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── 澱粉・無機塩寒天 G: 良好、平坦、明るい橙(8-7-6) (ISP 4) AM: 形成せず R: 灰(N-5 ) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── チロシン寒天 G: 余り良くない、平坦、鈍橙(6-8-6 ) (ISP 7) AM: 僅かに形成、原痕跡的、白 R: 茶味白(2-9-7 ) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── 栄養寒天 G: 余り良くない、平坦、黄橙(10-8-7) (DIFCO) AM: 形成せず R: 鈍黄味橙(8-8-7 ) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── イーストエキス・ G: 良好、平坦、暗い茶味灰(1-4-6 ) 麦芽エキス寒天 AM: 僅かに形成、原痕跡的、茶味白(1-8-6 ) (ISP 2) R: 茶味黒(1-2-6 ) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── オートミール寒天 G: 良好、平坦、橙(10-7-6) (ISP 3) AM: 僅かに形成、原痕跡的、白 R: 橙(12-7-6) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── 水寒天 G: 余り良くない、平坦、薄黄味橙(2-9-9 ) AM: 形成せず R: 灰(N-5 ) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── ポテトエキス・ G: 良好、平坦、黄味灰(1-9-10) 人参エキス寒天 AM: 僅かに形成、原痕跡的、白 R: 茶味白(2-9-7 ) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── G:生育,AM:気菌糸,R:裏面,SP:可溶性色素。
【0029】3.生理学的性質 28 ℃で培養後、2 ないし 21 日間に観察した SANK 62
390 株の生理学的性質は表2に示した通りである。
【0030】
【表2】 ─────────────────────────────────── 澱粉の水解 陽 性 ゼラチンの液化 陽 性 硝酸塩の還元 陰 性 ミルクの凝固 陽 性 ミルクのペプトン化 陽 性 メラニン様色素生産性 (培地1)* 陰 性 (培地2)* 陰 性 (培地3)* 陰 性 基質分解性 カゼイン 陽 性 チロシン 陰 性 キサンチン 陰 性 生育温度範囲 (培地4)* 17-42 ℃ 生育適正温度 (培地4)* 27-32 ℃ 食塩耐性 2 % ─────────────────────────────────── *:培地1;トリプトン・イーストエキス・ブロス(ISP
1) 培地2;ペプトン・イーストエキス・鉄寒天(ISP 6) 培地3;チロシン寒天(ISP 7) 培地4;イーストエキス・麦芽エキス寒天(ISP 2) 。
【0031】また、プリドハム・ゴトリーブ寒天培地(I
SP 9) を使用して、 28 ℃、 14 日間培養後に観察した
SANK 62390 株の炭素源の資化性は表3に示す通りであ
る。
【0032】
【表3】 ─────────────────────────────────── D-グルコース 利用する D-フルクトース 利用する L-アラビノース 利用する L-ラムノース 利用しない D-キシロース 利用する シュクロース 利用しない イノシトール 利用する ラフィノース 利用する D-マンニトール 利用しない 対照 利用しない ──────────────────────────────────。
【0033】4.菌体成分について SANK 62390 株の細胞壁は、ビー・ベッカーらの方法
(B. Becker et al.、アプライド マイクロバイオロジ
ー(Applied Microbiology)、12巻、 421-423頁、1984
年)に従い検討した結果、メソージアミノピメリン酸お
よびグリシンが検出された。また、SANK 62390 株の全
細胞壁中の糖成分をエム・ピー・レシェバリエの方法
(M. P. Lechevalier 、ジャーナル オブ ラボラトリ
ー アンドクリニカル メディシン( Journal of Labo
ratory & Clinical Medicine)、71巻、 834頁、1968
年)に従い検討した結果、アラビノースとキシロースが
検出された。ミコール酸の存在は確認されなかった。細
胞壁ペプチドグリカン中のアシル型はグリコリル型であ
った。また、主要メナキノン成分として MK-10(H6)、M
K-10(H4) 、MK-10(H8) が検出された。
【0034】以上から、本菌株は放線菌の中でもミクロ
モノスポラ属に属することが判明したので、ミクロモノ
スポラ エスピー( Micromonospora sp.) SANK 62390
株(寄託機関、工業技術院微生物工業技術研究所:寄託
番号、微工研条寄第 3521 号(FERM BP-3521): 原寄託
日、1990 年 7 月 26 日 )と命名された。
【0035】アミコラトプシス エスピー SANK 6079
1 株の菌学的性状は、次の通りである。 1.形態学的特徴 SANK 60791 株は菌株同定用寒天培地上、28 ℃、7 な
いし 14 日間の培養において普通もしくは、やや貧弱に
生育する。基生菌糸は良好に伸長、分岐し平坦もしくは
しわ状となり、茶白、薄黄味茶ないし鈍黄色を示す。気
菌糸はやや貧弱もしくは原痕跡的に僅かに形成し、白、
薄黄ないし薄橙色を示す。培養後期には基生菌糸や気菌
糸の分断が認められることもあり気菌糸では桿菌状構造
が観察されることもある。菌糸のノカルディア( Nocar
dia )様のジグザグ( Zig-Zag)伸長は認められない。
胞子のう、菌核、車軸分岐等の特殊器官は認められな
い。
【0036】2.各種培養基上の諸性質 各種培養基上で 28 ℃、 14 日間培養後の性状は表4に
示した通りである。色調の表示は日本色彩研究所版「標
準色表」のカラーチップ・ナンバーをあらわす。
【0037】
【表4】 ─────────────────────────────────── 培地の種類 項目 SANK 60791 株の性状 ─────────────────────────────────── シュクロース・ G: 良好、平坦、黄味灰(1-9-10) 硝酸塩寒天 AM: 余り良くない、白 R: 黄味灰(2-9-10) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── グルコース・ G: 余り良くない、平坦、薄橙(3-9-6 ) アスパラギン寒天 AM: 僅かに形成、黄味灰(2-9-10) R: 薄茶(3-8-6 ) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── グリセリン・ G: 良好、平坦、茶味白(2-9-7 ) アスパラギン寒天 AM: 原痕跡的に形成、白 (ISP 5) R: 薄黄味茶(6-8-8 ) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── 澱粉・無機塩寒天 G: 余り良くない、平坦、薄黄味茶(4-8-9) (ISP 4) AM: 原痕跡的に形成、薄黄(3-9-10) R: 薄黄味茶(6-8-9 ) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── チロシン寒天 G: 非常に良好、しわ状、茶味白(2-9-6 ) (ISP 7) AM: 僅かに形成、薄橙(3-9-6 ) R: 薄橙(6-8-7 ) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── 栄養寒天 G: 良好、平坦、薄黄味茶(4-8-8 ) (DIFCO) AM: 原痕跡的に形成、白 R: 薄黄(3-9-8 ) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── イーストエキス・ G: 良好、しわ状、鈍黄(10- 7-9 ) 麦芽エキス寒天 AM: 原痕跡的に形成、白 (ISP 2) R: 鈍黄味橙(10- 7-8 ) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── オートミール寒天 G: 余り良くない、平坦、薄黄味茶(4-8-9) (ISP 3) AM: 原痕跡的に形成、白 R: 薄黄(4-9-9 ) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── 水寒天 G: 余り良くない、平坦、黄味灰(1-9-10) AM: 余り良くない、白 R: 黄味灰(1-9-10) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── ポテトエキス・ G: 余り良くない、平坦、黄味灰(1-9-10) 人参エキス寒天 AM: 原痕跡的に形成、白 R: 黄味灰(2-9-11) SP: 産生せず ─────────────────────────────────── G:生育,AM:気菌糸,R:裏面,SP:可溶性色素。
【0038】3.生理学的性質 28 ℃で培養後、2 ないし 21 日間に観察した SANK 60
791 株の生理学的性質は表5に示した通りである。
【0039】
【表5】 ─────────────────────────────────── 澱粉の水解 陰 性 ゼラチンの液化 陽 性 硝酸塩の還元 陽 性 ミルクの凝固 陽 性 ミルクのペプトン化 陰 性 メラニン様色素生産性 (培地1)* 陰 性 (培地2)* 陰 性 (培地3)* 陰 性 基質分解性 カゼイン 陰 性 チロシン 陽 性 キサンチン 陰 性 食塩耐性 (培地4)* 3 % ─────────────────────────────────── *:培地1;トリプトン・イーストエキス・ブロス(ISP
1) 培地2;ペプトン・イーストエキス・鉄寒天(ISP 6) 培地3;チロシン寒天(ISP 7) 培地4;イーストエキス・麦芽エキス寒天(ISP 2) 。
【0040】また、プリドハム・ゴトリーブ寒天培地
(ISP 9 )を使用して、28 ℃、14日間培養後に観察し
た SANK 60791 株の炭素源の資化性は表6に示す通りで
ある。
【0041】
【表6】 ─────────────────────────────────── D-グルコース 利用する D-フルクトース 利用する L-アラビノース 弱く利用する L-ラムノース 利用する D-キシロース 利用する シュクロース 利用する イノシトール 利用しない ラフィノース 利用する D-マンニトール 利用する 対 照 利用しない ──────────────────────────────────。
【0042】4.菌体成分について SANK 60791 株の細胞壁はビー・ベッカーらの方法〔B.
Becker et al.、アプライド マイクロバイオロジー
( Applied Microbiology)、 12 巻、 421〜423 頁、
1984年〕に従い検討した結果、メソ−ジアミノピメリン
酸が検出された。また、SANK 60791 株の全細胞壁中の
糖成分をエム・ピー・レシェバリエの方法〔M. P. Lech
evalier 、ジャーナル オブ ラボラトリー アンド
クリニカルメディシン( Journal of Laboratory & Cli
nical Medicine)、 71 巻、834 頁、1968 年〕に従い
検討した結果、アラビノースが検出された。ミコール酸
の存在は確認されなかった。細胞壁ペプチドグリカン中
のアシル型はアセチル型であった。また、主要メナキノ
ン成分として MK −9 (H4)が検出された。
【0043】以上から、本菌株は放線菌の中でもアミコ
ラトプシス属に属する放線菌であると判断するのが妥当
であると考えられ、アミコラトプシス エスピー( Amy
colatopsis sp.)SANK 60791 株(寄託機関、工業技術
院微生物工業技術研究所:寄託番号、微工研条寄第 351
3 号(FERM BP-3513): 原寄託日、1991 年 8 月 14
日)と命名された。
【0044】なお、SANK 62390 株および SANK 60791
株の同定はISP〔ジ・インターナショナル・ストレプ
トマイセス・プロジェクト(The International Strept
omyces Project)〕基準、バージーズ・マニュアル・オ
ブ・システマテック・バクテリオロジー(Bergey's Man
ual of Systematic Bacteriology)第 4 巻、ジ・アク
チノミセテス(The Actinomycetes )第 2 巻および放
線菌に関する最近の文献によって行った。
【0045】周知のとおり、放線菌は自然界において、
または人工的な操作(例えば、紫外線照射、放射線照
射、化学薬品処理等)により、変異を起こし易く、本発
明のSANK 62390 株および SANK 60791 株もこの点は同
じである。本発明にいう SANK 62390 株および SANK
60791 株はそのすべての変異株を包含する。また、これ
らの変異株の中には、遺伝学的方法、例えば、組み替
え、形質導入、形質転換等により得られたものも包含さ
れる。即ち、化合物(II)を生産する、SANK62390 株
および SANK 60791 株、その変異株およびそれらと明確
に区別されない菌株は、すべて SANK 62390 株および
SANK 60791 株に包含されるものである。
【0046】化合物(II)を得るため、これらの微生
物の培養は、他の醗酵生成物を生産するために用いられ
るような培地中で行う。このような培地中には、微生物
が同化できる炭素源、窒素源及び無機塩を含有する。
【0047】一般に、炭素源としてグルコース、フラク
トース、マルトース、シュークロース、マンニトール、
グリセロール、デキストリン、オート麦、ライ麦、トウ
モロコシデンプン、ジャガイモ、トウモロコシ粉、大豆
粉、綿実油、糖蜜、クエン酸、酒石酸等を単一に、ある
いは併用して用いる事ができる。一般には、培地量の1
−10 重量%で変量する。
【0048】窒素源としては、一般に蛋白質を含有する
物質を醗酵工程に用いる。適当な窒素源としては、大豆
粉、フスマ、落花生粉、綿実油、綿実粉、カゼイン加水
分解物、ファーマミン、魚粉、コーンスチープリカー、
ペプトン、肉エキス、イースト、イーストエキス、マル
トエキス、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硫酸ア
ンモニウム等である。窒素源は、単一または併用して培
地量の 0.2−6 重量%の範囲で用いる。
【0049】培地中にとり入れる栄養無機塩は、ナトリ
ウム、アンモニウム、カルシウム、フォスフェート、サ
ルフェート、クロライド、カーボネート等のイオンを得
ることのできる通常の塩類である。また、カリウム、カ
ルシウム、コバルト、マンガン、鉄、マグネシウム等の
微量の金属も含む。
【0050】液体培養に際しては、シリコン油、植物
油、界面活性剤等が、消泡剤として使用される。
【0051】SANK 62390 株または SANK 60791 株を培
養し、化合物(II)を生産する培地の pH は、 5.0−
8.0 に変化できる。
【0052】菌の生育は 22 ℃から 38 ℃の範囲が良好
であり、更に化合物(II)の生産には 22 ℃から 28
℃が好適である。化合物(II)は、好気的に培養して
得られるが、通常用いられる好気的培養法、例えば固体
培養法、振盪培養法、通気撹拌培養法等が用いられる。
【0053】小規模な培養においては、 28 ℃で数日間
振盪培養を行うのが良好である。
【0054】培養は、バッフル( 水流調節壁) のついた
三角フラスコ中で、 1−2 段階の種の発育工程により開
始する。種発育段階の培地は、炭素源および窒素源を併
用できる。種フラスコは定温インキュベーター中で 28
℃、 7 日間振盪するか、または充分に成長するまで振
盪する。成長した種は第二の種培地または生産培地に接
種するのに用いる。中間の発育工程を用いる場合には、
本質的に同様の方法で成長させ生産培地に接種するため
に、それを部分的に用いる。接種したフラスコを一定温
度で数日間振盪し、インキュベーションが終わったらフ
ラスコの含有物を遠心分離またはろ過する。
【0055】大量培養の場合には、撹拌機、通気装置を
付けた適当なタンクで培養するのが好ましい。この方法
によれば、栄養培地をタンクの中で作成できる。栄養培
地を125 ℃ まで加熱して滅菌し、冷却後、滅菌培地に
あらかじめ成長させてあった種を接種する。培養は 28
℃で通気撹拌して行う。この方法は、多量の化合物を得
るのに適している。
【0056】培養の経過に伴って生産される化合物(I
I)の量の経時変化を知るには、例えば培養ろ液中の化
合物(II)をアンバーライト IRC−50(NH4 +)に吸着さ
せ、水洗後、0.5 N アンモニア水溶液で溶出し、濃縮
し、凍結乾燥した粉末中の化合物(II)の量を高速液
体クロマトグラフィーに付して測定するか、または化合
物(II)をアセチル化後、ガスクロマト−マススペク
トロメトリー(GC/MS)により測定する。通常は 9
6 時間から 168 時間の培養で化合物(II)の生産量
は最高値に達する。
【0057】培養終了後、培養液中の液体部分 (および
菌体内) に存在する化合物(II)は、菌体、その他の
固形部分を珪藻土をろ過助剤とするろ過操作または遠心
分離によって分別し、そのろ液または上清中に存在する
化合物(II)を、その物理化学的性状を利用し抽出精
製することにより得られる。
【0058】例えば、ろ液または上清中に存在する化合
物(II)をイオン交換樹脂、例えばアンバーライト I
RC−50、CG−50、ダウエックス 50W×4 、ダウエックス
SBR−P の層を通過させて不純物を吸着させて取り除く
か、または化合物(II)を吸着させた後、アンモニア
水または塩酸を用いて溶出させることにより得られる。
あるいは吸着剤として、例えば活性炭または吸着用樹脂
であるアンバーライトXAD−2 、XAD −4 等や、ダイヤ
イオンHP−10、HP−20、 CHP−20、HP−50 等が使用さ
れる。化合物(II)を含む液を上記のごとき吸着剤の
層を通過させて不純物を吸着させて取り除くか、または
化合物(II)を吸着させた後、メタノール水、アセト
ン水等の水と有機溶剤との混合溶剤を用いて溶出させる
ことにより得られる。
【0059】このようにして得られた化合物(II)
は、更にシリカゲル、フロリジルのような担体を用いた
吸着カラムクロマトグラフィー、アビセル、セファデッ
クスLH−20 等を用いた分配カラムクロマトグラフィー
および順相、逆相カラム、イオン交換カラムを用いた高
速液体クロマトグラフィー等で精製することができる。
【0060】なお、化合物(II)の生産菌であるミク
ロモノスポラ エスピー SANK 62390 株の培養におい
て、化合物(II)と共にトレハゾリン(Trehazolin)
(特開平 4−99792 号)も生産される。
【0061】
【作用】本発明の製造法によって得られる化合物(I)
は、文献未載の新規化合物であり、β−グルコシダーゼ
阻害活性を有する。従って、本化合物は抗腫瘍薬、抗エ
イズ薬等として有用である。本発明の製造法によって得
られる化合物(I)を医薬として用いる場合、常法に従
ってそれ自体または適宜の薬学的に許容される担体、賦
形剤、希釈剤と混合し、粉末、顆粒、錠剤、カプセル
剤、注射剤などの形態で経口的または非経口的に安全に
投与することが出来る。投与量は対象疾患、投与経路お
よび投与回数などにより異なるが、例えば成人に対して
は 1 日 1 mg から 1000 mg を、症状に応じて 1 回
または数回に分けて投与するのが好ましい。
【0062】
【実施例】次に、実施例および参考例を挙げて本発明を
更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。
【0063】実施例 1.化合物(I)の製造 化合物(II)の粉末 16 mg を 6N 塩酸 2 ml に溶解
しアンプルに入れ密封し 100 ℃で 24 時間加水分解を
行なった。加水分解液に水を加え、減圧下濃縮乾固を繰
り返し行ない、塩酸を留去後、水 20 ml に溶解し、pH
を 6.0 に調整してアンバーライトCG-50(NH4 +) 20 m
l のカラムに通し反応溶液中の化合物(I)を吸着さ
せ、脱イオン水 60 ml で洗浄後、0.2 N アンモニア水
で溶出を行なった。溶出液を減圧下濃縮すると、濃縮液
5 ml が得られた。得られた濃縮液をダウエックス 1×
2(OH-) 50 ml を充填したカラムに付し、200 ml の脱
イオン水で水洗した。次いで 20 %メタノール水で 5 m
l づつ分画して溶出した。β−グルコシダーゼ阻害活性
を有するフラクション番号 5 から 23 を集め、減圧下
で濃縮し凍結乾燥することにより白色粉末の化合物
(I)6.2 mg が得られた。
【0064】
【参考例】
参考例 1.化合物(II)の製造 (A)培養 アミコラトプシス エスピー SANK 60791 株を培地組
成−1 で示される培地80 ml を含む 500 ml 容三角フラ
スコ( バッフル付) 2 本にスラントより一白金耳接種
し、 210 rpm の回転振盪培養機で 28 ℃で 96 時間培養
した。 培地組成−1 グルコース 1 % シュクロース 1 % グリセリン 1 % オートミール 0.5 % 生イースト 1 % 大豆粉 2 % カザミノ酸 0.5 % CaCO3 0.1 % CB−442 0.01 % ─────────────────────────── 滅菌前 pH 7.0 。
【0065】培地組成−2 で示される培地を 30 リット
ル容ジャーファーメンター 2基に各 15 リットルづつ仕
込み、 120 ℃で 30 分間加熱滅菌した。次いで、これ
を28 ℃に冷却した後に、 種培養液 75 ml を接種し
た。次いで、これを溶存酸素濃度を 2 ppm に保持する
ように回転数を 100−400 rpm の範囲で調整し、 通気量
7.5 リットル/分、 28 ℃ で 144 時間攪拌培養し
た。 培地組成−2 グルコース 2 % 可溶性デンプン 1 % 生イースト 0.9 % 極東肉エキス 0.5 % ポリペプトン 0.5 % NaCl 0.5 % CaCO3 0.3 % CB−442 0.01 % ─────────────────────────── 滅菌前 pH 7.2。
【0066】(B)単離 得られた培養液 25 リットルにろ過助剤としてセライト
545(ジョンズ マンビル プロダクト コーポレーシ
ョン製) を 1.5 kg 加えてろ過しろ液 23 リットルを得
た。 塩酸を用いて pH 6.0 に調整したろ液をアンバーラ
イト IRC-50(NH4 +) 3リットルを充填したカラムに通じ
て化合物(II)を吸着させ、 脱イオン水 15 リットル
で洗浄後 0.5 N アンモニア水溶液で溶出を行った。 溶
出液のpH がアルカリ性になってから 4.5 リットルを
集め、減圧下濃縮し、 200 mlとした。 次いで濃縮液を
ダウエックス 1×2 (OH-) を 450 ml 充填したカラムに
通し脱イオン水で展開溶出した。 最初の流出液 800 ml
を除いた後、 続く流出液を 20 mlづつ分画した。 後述の
定量法により分析を行い化合物(II)の認められたフ
ラクション番号 60 から 90 を集めた。 得られた画分を
減圧下で濃縮、 凍結乾燥すると白色粉末の化合物(I
I) 16.6 mg が得られた。
【0067】化合物(II)の定量は次の方法で行なっ
た。 高速液体クロマトグラフィーによる定量法 分離カラム;アサヒパック ES−502 C (旭化成工業
(株)社製) 移動相; 20 mM 酢酸アンモニウム(pH 8.5) + 50 mM
食塩水 流速; 1 ml /分 検出波長; 210 nm 温度; 25 ℃ 保持時間; 8.39 分。
【0068】GC/MSによる定量法 サンプルを一定の液量にした後、 その 10 μl をアセチ
ル化するために反応用のバイアルにとり、乾固した。 残
渣に無水酢酸 30 μl とピリジン 50 μlを加え 60 ℃
で 40 分間加熱した。 窒素ガスで過剰の試薬を留去し、
内部標準物質(ペンタアセチル−1 −アミノ−1 −デ
オキシ−β−D −グルコース)を一定量加え、酢酸エチ
ル 100 μl に溶かしてGC/MSに注入するサンプル
とした。 分析条件は、 ガスクロマトグラフィ−カラムに
ヒューズドシリカキャピラリカラム DB-5 ( 15 m x φ
0.25 mm 、0.25 μm 薄膜、J & W SCIENTIFIC社製)
を用い、 キャリアーガスとしてヘリウムを用い 5 psi
で流した。 インジェクターとインターフェースの温度を
250 ℃に設定した。 サンプル 2 μl をスプリットレ
スで注入し、 カラム温度を 60 ℃ から 25 ℃/ 分で 2
80 ℃まで昇温した。
【0069】四重極型質量分析計 Trio-1 (VG 社製) を
用い、 メタンガスを用いる化学イオン化法で負イオンを
検出した。 即ち、 イオン源温度 180 ℃、 イオン化エネ
ルギー70 eV、 イオン源圧力 1x10-4 トールで検出され
る保持時間 約 8.8 分のm/z 388 の内部標準物質、 約
9.6 分の m/z 413 の化合物(II)( 共にペンタア
セテート) の負イオンピークを定量に用いた。 内部標準
法により化合物(II)の含有量を算出した。
【0070】得られた化合物(II)は次のような特性
を有する。 1)色と形状:塩基性白色粉末 2)溶解性:水に可溶。アセトン、クロロホルムに不
溶。 3)分子式:C71225 4)分子量: 204(FAB-MSスペクトルにより測定) 5)比旋光度: [α]D 25 +10.0°(c 0.51,水) 6)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(E(1cm,1%)) 水溶液中で測定した紫外線吸収スペクトルは、210 nmよ
り長波長側には特徴的な吸収を示さない。 7)赤外線吸収スペクトル:νmax(KBr) cm-1 3358、1668、1528、1398、1066 8) 1H−核磁気共鳴スペクトル:δppm 重水中、内部基準にTSP(トリメチルシリルプロピオ
ン酸ナトリウム)を使用して測定した核磁気共鳴スペク
トル(500 MHz )は、次の通りである。 3.73(1H,d,J=11.72Hz)、3.82(1H,d,J=12.21Hz)、3.97(1
H,d,J=4.4Hz)、4.23(1H,dd,J=4.4 および 2.44Hz)、4.
37(1H,d,J=8.79Hz) 、5.03(1H,dd,J=8.79 および 2.
44Hz) 9)高速液体クロマトグラフィー 分離カラム;アサヒパック ES−502 C (旭化成工業
(株)製) 移動相; 20 mM 酢酸アンモニウム(pH 8.5) + 50 mM
食塩水 流速; 1 ml /分 検出波長; 210 nm 温度; 25 ℃ 保持時間; 8.39 分。
【0071】参考例 2.化合物(II)の製造 (A)培養 ミクロモノスポラ エスピー SANK 62390 株のスラント
1 本を生理食塩水10 ml でホモゲナイズし、 菌の懸濁
液を調製して、 その 1ml を培地組成−3 で示される培
地 500 ml を含む 2リットル容三角フラスコ 2 本に接
種して、210 rpm の回転振盪培養機により 28 ℃ で 96
時間培養して初代種培養液とした。
【0072】 培地組成−3 グルコース 2 % イーストエキス(difco) 0.5 % ポリペプトン 0.5 % CaCO3 0.1 % CB−442 0.01 % ─────────────────────────── 滅菌前 pH 7.2。
【0073】培地組成−3 で示される培地 30 リットル
を 60 リットル容ジャーファーメンターに仕込み、 120
℃ で 30 分間加熱滅菌した。次いで、これを 28 ℃
に冷却した後に、 初代種培養液 600 ml を接種した。次
いで、これを回転数 165rpm、 通気量 15 リットル/分
で 28 ℃、 48 時間攪拌培養して、 第 2 代種培養液を
調製した。培地組成−4 で示される培地 300 リットル
を 600 リットル容タンクに仕込み、 120 ℃で 35 分間
加熱滅菌した。次いで、これを 28 ℃に冷却した後に、
第2 代種培養液 15 リットルを接種した。次いで、こ
れを溶存酸素濃度を 2 ppmに保つように回転数を 82ー14
2 rpm の範囲で調整し、 通気量 150 リットル/分、 内
圧 0.5 kg /cm2 、 28℃ で 144 時間攪拌培養した。
【0074】 培地組成−4 グルコース 8 % (別滅菌 120 ℃、15 分) ラスターゲンFK 2 % 生イースト 1.8 % 極東肉エキス 1 % ポリペプトン 1 % NaCl 0.5 % CaCO3 0.3 % K2 HPO4 0.25 % CB−442 0.02 % ─────────────────────────── 滅菌前 pH 7.2。
【0075】(B)単離 得られた培養液 300リットルにろ過助剤としてセライト
545(ジョンズ マンビル プロダクト コーポレーショ
ン製) を 15 kg 加えてろ過することによりろ液 290
リットルを得た。 そのうち 20 リットルを塩酸で pH 6.
0 に調整し、 アンバーライト IRC-50 (NH4 +) 3リットル
を充填したカラムに通じて化合物(II)を吸着させ、
脱イオン水 15 リットルで洗浄後 0.5 N アンモニア水
溶液で溶出を行った。 溶出液の pH がアルカリ性になっ
てから 4.5リットルを集め減圧下濃縮し 150 ml とし
た。 次いで、濃縮液をダウエックス 1 X 2 (OH-) 500 m
l を充填したカラムに通し脱イオン水で展開溶出した。
最初の流出液 1 リットルを除いた後、 続く流出液を 2
0 ml づつ分画した。 参考例 1.に記載の定量法によ
り分析を行い、化合物(II)の認められるフラクショ
ン番号 58 から 80 を集めた。 活性画分を減圧下で濃
縮、 凍結乾燥すると化合物(II)の粗粉末 9.6mg が
得られた。 この粉末を再度、 ダウエックス 1 X 2 (OH-)
100 ml のカラムで精製すると白色粉末の化合物(I
I) 4.8 mg が得られた。得られた化合物(II)の特
性は、参考例 1.で得られたものと同じであった。
【0076】
【発明の効果】
試験例 1.化合物(I)のβ−グルコシダーゼに対す
る阻害活性 β−グルコシダーゼ(From Almonds)、p-ニトロフェニル
−β-D- グルコピラノシド、デオキシノジリマイシン、
カスタノスペルミンはシグマ社より購入した。β−グル
コシダーゼ 0.01 Unit/ml、および化合物(I)、デオ
キシノジリマイシン、カスタノスペルミンの各試料を含
んだ 20 mM クエン酸−40 mM リン酸二ナトリウム緩衝
液(pH 5.6) 100 μl を 37 ℃で 15 分保持した後、p-
ニトロフェニル−β-D- グルコピラノシド 3 mg /mlを
含む緩衝液 50 μl を加え、37℃で 20 分間反応させ
た。これに 1 M グリシン・ NaOH 緩衝液(pH 10.4 )
を20μl 加え、遊離した p- ニトロフェノール量を 405
nm の吸光度で測定した。各試料の反応液中の 50 %
阻害濃度を表7に示す。
【0077】
【表7】 ─────────────────────────────────── 阻害剤 β−グルコシダーゼ 50 % 阻害濃度 ─────────────────────────────────── 化合物(I) 1.0 μg /ml デオキシノジリマイシン 15 μg /ml カスタノスペルミン 4.3 μg /ml ─────────────────────────────────── 以上から、本発明の化合物(I)は顕著なβ−グルコシ
ダーゼ阻害活性を有しており、例えば抗腫瘍剤、抗エイ
ズ剤等として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/13 AED 8413−4C (72)発明者 高橋 秀次 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 佐藤 章 福島県いわき市泉町下川字大剱389−4 三共株式会社内 (72)発明者 高松 安行 福島県いわき市泉町下川字大剱389−4 三共株式会社内 (72)発明者 榎田 竜三 茨城県つくば市御幸が丘33 三共株式会社 内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(II) 【化1】 で示される化合物を加水分解することからなる、式
    (I) 【化2】 で示される化合物の製造法。
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