JPH05247331A - 射出成形用ポリエステル樹脂組成物およびその成形方法 - Google Patents
射出成形用ポリエステル樹脂組成物およびその成形方法Info
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- JPH05247331A JPH05247331A JP20415892A JP20415892A JPH05247331A JP H05247331 A JPH05247331 A JP H05247331A JP 20415892 A JP20415892 A JP 20415892A JP 20415892 A JP20415892 A JP 20415892A JP H05247331 A JPH05247331 A JP H05247331A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 結晶化速度が極めて速く、成形加工性が著し
く改善されるとともに、優れた耐熱性、機械的強度を有
するポリエステル樹脂組成物をうること。 【構成】 (A)加熱結晶化温度Tc(H)が100℃
以下であるポリエステル系共重合体5〜59重量部、
(B)ポリエチレンテレフタレート樹脂95〜5重量
部、および(C)強化充填剤0〜65重量部を含有する
射出成形用ポリエステル樹脂組成物、ならびに前記組成
物を100℃以下の金型温度で、かつ短い成形サイクル
で成形する方法。
く改善されるとともに、優れた耐熱性、機械的強度を有
するポリエステル樹脂組成物をうること。 【構成】 (A)加熱結晶化温度Tc(H)が100℃
以下であるポリエステル系共重合体5〜59重量部、
(B)ポリエチレンテレフタレート樹脂95〜5重量
部、および(C)強化充填剤0〜65重量部を含有する
射出成形用ポリエステル樹脂組成物、ならびに前記組成
物を100℃以下の金型温度で、かつ短い成形サイクル
で成形する方法。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形用ポリエステ
ル樹脂組成物およびその成形方法に関する。さらに詳し
くは、ポリエステル系共重合体とポリエチレンテレフタ
レート樹脂を混合することにより結晶化速度が極めて速
く成形加工性が著しく改善されるとともに、優れた耐熱
性、機械的強度を付与したポリエステル樹脂組成物およ
びその成形方法に関する。 【0002】 【従来の技術・発明が解決しようとする課題】テレフタ
ル酸を主とするジカルボン酸またはそのエステル形成性
誘導体とエチレングリコールまたはそのエステル形成性
誘導体からえられる高分子量線状ポリエチレンテレフタ
レート樹脂は、高軟化点を有し、耐熱性、耐薬品性、耐
光性をはじめ、優れた電気的性質や物理的・機械的性質
を有することから、繊維、フイルム、成形品として広く
使用されている。 【0003】しかしながら、かかるポリエチレンテレフ
タレート樹脂を射出成形品として用いるとき、同じ結晶
性ポリマーであるナイロン、ポリアセタールなどと比較
して結晶化速度が遅く、100℃以下ではほとんど結晶
化が進行しない。ポリエチレンテレフタレート樹脂の結
晶化特性を改善し、成形サイクルを短縮し、かつ成形時
の金型温度域を拡大させることが強く望まれてきた。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは今回、驚く
べきことに、ポリエステル系共重合体とポリエチレンテ
レフタレート樹脂を混合することにより、ポリエチレン
テレフタレート樹脂の結晶化速度を著しく促進し、成形
サイクルを短縮させるとともに、射出成形時の金型温度
を100℃以下に設定しても結晶化速度が迅速であり、
かつ耐熱性、機械的強度のきわめて優れた成形品がえら
れることを見出した。 【0005】本発明は、(A)加熱結晶化温度Tc
(H)が100℃以下であるポリエステル系共重合体5
〜95部(重量部、以下同様)、(B)ポリエチレンテ
レフタレート樹脂95〜5部、および(C)強化充填剤
0〜65部を含有する射出成形用ポリエステル樹脂組成
物、ならびに前記組成物を100℃以下の金型温度で、
かつ短い成形サイクルで成形する方法に関する。 【0006】 【実施例】本発明における、加熱結晶化温度Tc(H)
が100℃以下であるポリエステル系共重合体(A)に
ついて最初に述べる。 【0007】加熱結晶化温度Tc(H)は、走査型示差
熱量計(DSC)を用いて、ガラス状態の樹脂から10
℃/分の昇温速度にて加熱したばあいの結晶化温度であ
り、これが100℃以下のものを指す。 【0008】ポリエステル系共重合体とは、エチレンテ
レフタレート単位を主成分とするポリマーに、結晶化を
促進する改質剤成分を共重合した樹脂をいう。 【0009】エチレンテレフタレート単位を主成分とす
るポリマーとは、少なくとも90モル%までがテレフタ
ル酸であるジカルボン酸成分と、少なくとも90モル%
までがエチレングリコールであるジオール成分とから、
直接エステル化あるいはエステル交換後、重縮合してえ
られるものである。 【0010】ジカルボン酸成分の0〜10モル%は炭素
数6〜14の他の芳香族ジカルボン酸、炭素数4〜8の
脂肪族ジカルボン酸または炭素数8〜12の脂環族ジカ
ルボン酸であってもよい。そのようなジカルボン酸の例
としては、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、
ジフェニルエタン−4,4´−ジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などがあ
げられる。 【0011】また、ジオール成分の0〜10モル%は炭
素数3〜10の他の脂肪族ジオール、炭素数6〜15の
他の脂環族ジオール、または炭素数6〜12の芳香族ジ
オールであってもよい。そのようなジオールの例として
は、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジ
オール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,
6−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノー
ル、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、
2,2−ビス−(4´−ヒドロキシシクロヘキシル)−
プロパン、2,2−ビス−(4´−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ハイドロキノンなどがあげられる。 【0012】さらに、ジカルボン酸成分およびジオール
成分の10モル%以下の量のオキシカルボン酸、たとえ
ばε−オキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などが共
重合されていてもよい。 【0013】もちろん、ポリエステル系共重合体は3価
または4価のアルコール、あるいは3塩基性または4塩
基性酸で分岐されていてもよく、適当な分岐剤の例とし
ては、トリメシン酸、トリメリット酸、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトールなどがあげられる。 【0014】共重合される改質剤成分としては、前述の
Tc(H)を100℃以下にすることができる各種の化
合物があげられる。以下に具体例でもって示す。 【0015】(イ)ポリアルキレングリコール類;たと
えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコールなどがあげられる。 【0016】(ロ)有機酸金属塩を有するポリオキシア
ルキレン化合物;たとえばポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合
体などのモノコハク酸エステルカリウム塩、モノフタル
酸エステルナトリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、アル
ミニウム塩、モノ(テトラブロモ)フタル酸エステルナ
トリウム塩、ポリエチレングリコールのモノトリメリッ
ト酸エステルナトリウム塩、グリセリン−アルキレンオ
キサイド付加体、トリメチロールプロパン−アルキレン
オキサイド付加体のフタル酸エステルナトリウム塩、お
よびモノ、ジ、トリ、あるいはテトラブロモフタル酸エ
ステルナトリウム塩、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、
エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、
多価アルコール−アルキレンオキサイド付加体などのフ
ェニルエーテルのスルホン酸もしくはリン酸のナトリウ
ム塩、カルシウム塩などがあげられる。 【0017】(ハ)エポキシ基を有するポリオキシアル
キレン化合物;たとえばポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合
体などのモノおよびジグリシジルエーテル、メトキシポ
リエチレングリコール、エトキシポリエチレングリコー
ルのモノグリシジルエーテル、グリセリン−アルキレン
オキサイド付加体、トリメチロールプロパン−アルキレ
ンオキサイド付加体、ペンタエリスリトール−アルキレ
ンオキサイド付加体のグリシジルエーテルなどがあげら
れる。 【0018】(ニ)脂肪族ポリエステルオリゴマー化合
物;たとえばブタン−1,3−ジオールアジペートオリ
ゴマー、ブタン−1,4−ジオールアジペートオリゴマ
ー、ブタン−1,3−ジオールセバケートオリゴマー、
ブタン−1,4−ジオールセバケートオリゴマー、ヘキ
サン−1,6−ジオールアジペートオリゴマーなどがあ
げられる。 【0019】上記においてアルキレン単位は通常炭素数
1〜18、好ましくは2〜6のものが使用できる。 【0020】以上、具体例にて示したが、改質剤はこれ
らのみに限定されるものではない。また、改質剤は単独
で使用してもよく、二種以上併用してもよい。 【0021】これら改質剤の共重合方法としては、直接
エステル化あるいはエステル交換後に添加する方法、重
縮合の中途あるいは末期に添加する方法などがあるが、
改質剤の種類により有利な方法を選択することができ
る。 【0022】改質剤の添加量は、個々によって異なり、
Tc(H)を100℃以下にする量が添加される。一般
的にいって10〜80%(重量%、以下同様)の範囲に
含まれる。 【0023】これらの改質剤の中で、分子量200〜6
000のポリオキシアルキレン化合物、とりわけ有機酸
金属塩を含むものがとくに有効である。 【0024】本発明におけるポリエチレンテレフタレー
ト樹脂(B)とは、エチレンテレフタレート単位を主成
分とするポリマーで、前述のポリエステル系共重合体の
説明の内で、共重合する改質剤成分を除いたものを指
し、市販のすべてのポリエチレンテレフタレート樹脂を
使用することができる。 【0025】ポリエステル系共重合体(A)とポリエチ
レンテレフタレート樹脂(B)の使用割合は、各々5〜
95部の範囲にあり、一般的にいって、ポリエステル系
共重合体の割合が多いほど、射出成形時の金型温度を低
下させることができるので、たとえば製品の品質設計に
基づき添加量を決めることができる。 【0026】本発明における強化充填剤(C)とは、繊
維状、板状あるいは粒状無機充填剤をいい、これらを配
合することにより機械的強度、耐熱性、寸法安定性を一
層高めることができる。具体例としては、ガラス繊維、
鉱物繊維、炭素繊維、炭化珪素繊維、炭化硼素繊維、チ
タン酸カリウム繊維、石膏繊維、マイカ、タルク、カオ
リン、クレー、アスベスト、珪酸カルシウム、硫酸カル
シウム、炭酸カルシウムなどがあげられるが、とくにガ
ラス繊維、鉱物繊維、タルク、マイカ、カオリンが好ま
しく、これらは、単独あるいは二種以上併用されてもよ
い。また樹脂との親和性を向上させるためにシランカッ
プリング剤などで表面処理されていてもよい。 【0027】配合量は通常0〜65部であり、機械的強
度、耐熱性、流動性を考慮すると、10〜55部が望ま
しく、品質設定に基づき決めることができる。 【0028】本発明の組成物を製造するには、ポリエス
テル系共重合体(A)、ポリエチレンテレフタレート樹
脂(B)および強化充填剤(C)を公知の方法にて混合
すればよい。押出機を用いて混合押出する方法が有利で
ある。 【0029】本発明の組成物には公知の他の核剤、熱酸
化安定剤、光安定剤などのほか、可塑剤、滑剤、着色剤
などの添加剤を配合してもよい。さらにまた、他種の熱
可塑性樹脂を少割合で配合することもできるし、耐衝撃
性を向上させるために少割合のゴム成分を導入すること
も可能である。さらに必要に応じて、難燃化剤、難燃助
剤を添加して難燃性を付与することもできる。 【0030】かくして、ポリエチレンテレフタレート単
独成形品が金型温度140℃以上、長い成形サイクル下
ではじめて満足な成形品がえられるのに対し、本発明の
組成物は100℃以下の金型温度で、かつ短い成形サイ
クルを用いたときでも金型からの離型性、表面外観、耐
熱性、機械強度の優れた成形品がえられるのである。 【0031】本発明の組成物は、各種成形部品、パイ
プ、容器などの成形に広く利用でき、とくに電気部品、
建材部品、自動車部品などに好適に利用でき、繊維やフ
イルム・シートへの利用も可能である。 【0032】以下に実施例にあげて本発明を説明する
が、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではな
い。 【0033】なお、実施例中、重合体の固有粘度はフェ
ノール/テトラクロルエタン(1:1(重量比))中、
25℃、0.5g/dl濃度で測定した対数粘度から求
めた値である。変性ポリアルキレンテレフタレートの融
点Tm、溶融状態からの冷却結晶化温度Tc(C)、ガ
ラス状態からの加熱結晶化温度Tc(H)の測定は、パ
ーキン−エルマー社製DSC−1B型によった。成形品
の引張強度はASTM−D638、曲げ強度および曲げ
弾性率はASTM−D79C、アイゾット耐衝撃値はA
STM−D256、熱変形温度(18.6kg/c
m2 )はASTM−D648に準拠した方法にて測定し
た。また、射出成形時、各種の金型にて成形し、表面外
観を目視でもって判定した。実施例中の添加量は重量部
である。 【0034】実施例1、比較例1 平均分子量1740のポリエチレングリコールモノトリ
メリット酸エステル二ナトリウム塩40%を含むポリエ
チレンテレフタレートとの共重合体(Tc(H)=60
℃、Tc(C)=205℃、Tm=225℃、[η]=
0.62)100部、ポリエチレンテレフタレート樹脂
300部、繊維長3mmのガラス繊維200部を押出機
を用いて混合したのち、各種の金型温度にて射出成形し
た。 【0035】結果は、表1に示すように、機械的強度、
耐熱性に優れるとともに金型温度100℃においても表
面外観の良好な成形体がえられた。 【0036】 【表1】 【0037】比較例1として、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂400部に繊維長3mmのガラス繊維200部
を混合したばあいを表1に併せ示したが、耐熱性、表面
外観が低レベルであることがわかる。 【0038】実施例2 平均分子量3000のブタン−1,4−ジオールアジペ
ートオリゴマーを60%共重合したポリエステル系共重
合体(Tc(H)=52℃、Tc(C)=162℃、T
m=210℃、[η]=0.58)100部、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂200部、繊維長3mmのガラ
ス繊維150部を押出機を用いて混合したのち、各種の
金型温度にて射出成形した。金型温度90℃においても
表面外観の良好な成形体がえられた。金型温度90℃に
おける熱変形温度(1/8″厚)は212℃であり、良
好な耐熱性を示した。 【0039】実施例3 平均分子量1000のポリエチレングリコール30%と
ポリエチレンテレフタレートとの共重合体(Tc(H)
=72℃、Tc(C)=187℃、Tm=229℃
[η]=0.75)100部、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂200部、繊維長3mmのガラス繊維150部
を押出機を用いて混合したのち、各種の金型温度にて射
出成形した。金型温度100℃においても表面外観の良
好な成形体がえられた。金型温度100℃における熱変
形温度(1/8″厚)は216℃であり、良好な耐熱性
を示した。 【0040】 【発明の効果】本発明の組成物を用いると、ポリエチレ
ンテレフタレート単独成形品のばあい、金型温度140
℃以上、長い成形サイクル下ではじめて満足な成形品が
えられるのに対し100℃以下の金型温度で、かつ短い
成形サイクルで成形したときでも、金型の離型性、表面
外観、耐熱性、機械強度に優れた成形品がえられる。
ル樹脂組成物およびその成形方法に関する。さらに詳し
くは、ポリエステル系共重合体とポリエチレンテレフタ
レート樹脂を混合することにより結晶化速度が極めて速
く成形加工性が著しく改善されるとともに、優れた耐熱
性、機械的強度を付与したポリエステル樹脂組成物およ
びその成形方法に関する。 【0002】 【従来の技術・発明が解決しようとする課題】テレフタ
ル酸を主とするジカルボン酸またはそのエステル形成性
誘導体とエチレングリコールまたはそのエステル形成性
誘導体からえられる高分子量線状ポリエチレンテレフタ
レート樹脂は、高軟化点を有し、耐熱性、耐薬品性、耐
光性をはじめ、優れた電気的性質や物理的・機械的性質
を有することから、繊維、フイルム、成形品として広く
使用されている。 【0003】しかしながら、かかるポリエチレンテレフ
タレート樹脂を射出成形品として用いるとき、同じ結晶
性ポリマーであるナイロン、ポリアセタールなどと比較
して結晶化速度が遅く、100℃以下ではほとんど結晶
化が進行しない。ポリエチレンテレフタレート樹脂の結
晶化特性を改善し、成形サイクルを短縮し、かつ成形時
の金型温度域を拡大させることが強く望まれてきた。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは今回、驚く
べきことに、ポリエステル系共重合体とポリエチレンテ
レフタレート樹脂を混合することにより、ポリエチレン
テレフタレート樹脂の結晶化速度を著しく促進し、成形
サイクルを短縮させるとともに、射出成形時の金型温度
を100℃以下に設定しても結晶化速度が迅速であり、
かつ耐熱性、機械的強度のきわめて優れた成形品がえら
れることを見出した。 【0005】本発明は、(A)加熱結晶化温度Tc
(H)が100℃以下であるポリエステル系共重合体5
〜95部(重量部、以下同様)、(B)ポリエチレンテ
レフタレート樹脂95〜5部、および(C)強化充填剤
0〜65部を含有する射出成形用ポリエステル樹脂組成
物、ならびに前記組成物を100℃以下の金型温度で、
かつ短い成形サイクルで成形する方法に関する。 【0006】 【実施例】本発明における、加熱結晶化温度Tc(H)
が100℃以下であるポリエステル系共重合体(A)に
ついて最初に述べる。 【0007】加熱結晶化温度Tc(H)は、走査型示差
熱量計(DSC)を用いて、ガラス状態の樹脂から10
℃/分の昇温速度にて加熱したばあいの結晶化温度であ
り、これが100℃以下のものを指す。 【0008】ポリエステル系共重合体とは、エチレンテ
レフタレート単位を主成分とするポリマーに、結晶化を
促進する改質剤成分を共重合した樹脂をいう。 【0009】エチレンテレフタレート単位を主成分とす
るポリマーとは、少なくとも90モル%までがテレフタ
ル酸であるジカルボン酸成分と、少なくとも90モル%
までがエチレングリコールであるジオール成分とから、
直接エステル化あるいはエステル交換後、重縮合してえ
られるものである。 【0010】ジカルボン酸成分の0〜10モル%は炭素
数6〜14の他の芳香族ジカルボン酸、炭素数4〜8の
脂肪族ジカルボン酸または炭素数8〜12の脂環族ジカ
ルボン酸であってもよい。そのようなジカルボン酸の例
としては、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、
ジフェニルエタン−4,4´−ジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などがあ
げられる。 【0011】また、ジオール成分の0〜10モル%は炭
素数3〜10の他の脂肪族ジオール、炭素数6〜15の
他の脂環族ジオール、または炭素数6〜12の芳香族ジ
オールであってもよい。そのようなジオールの例として
は、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジ
オール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,
6−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノー
ル、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、
2,2−ビス−(4´−ヒドロキシシクロヘキシル)−
プロパン、2,2−ビス−(4´−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ハイドロキノンなどがあげられる。 【0012】さらに、ジカルボン酸成分およびジオール
成分の10モル%以下の量のオキシカルボン酸、たとえ
ばε−オキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などが共
重合されていてもよい。 【0013】もちろん、ポリエステル系共重合体は3価
または4価のアルコール、あるいは3塩基性または4塩
基性酸で分岐されていてもよく、適当な分岐剤の例とし
ては、トリメシン酸、トリメリット酸、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトールなどがあげられる。 【0014】共重合される改質剤成分としては、前述の
Tc(H)を100℃以下にすることができる各種の化
合物があげられる。以下に具体例でもって示す。 【0015】(イ)ポリアルキレングリコール類;たと
えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコールなどがあげられる。 【0016】(ロ)有機酸金属塩を有するポリオキシア
ルキレン化合物;たとえばポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合
体などのモノコハク酸エステルカリウム塩、モノフタル
酸エステルナトリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、アル
ミニウム塩、モノ(テトラブロモ)フタル酸エステルナ
トリウム塩、ポリエチレングリコールのモノトリメリッ
ト酸エステルナトリウム塩、グリセリン−アルキレンオ
キサイド付加体、トリメチロールプロパン−アルキレン
オキサイド付加体のフタル酸エステルナトリウム塩、お
よびモノ、ジ、トリ、あるいはテトラブロモフタル酸エ
ステルナトリウム塩、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、
エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、
多価アルコール−アルキレンオキサイド付加体などのフ
ェニルエーテルのスルホン酸もしくはリン酸のナトリウ
ム塩、カルシウム塩などがあげられる。 【0017】(ハ)エポキシ基を有するポリオキシアル
キレン化合物;たとえばポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合
体などのモノおよびジグリシジルエーテル、メトキシポ
リエチレングリコール、エトキシポリエチレングリコー
ルのモノグリシジルエーテル、グリセリン−アルキレン
オキサイド付加体、トリメチロールプロパン−アルキレ
ンオキサイド付加体、ペンタエリスリトール−アルキレ
ンオキサイド付加体のグリシジルエーテルなどがあげら
れる。 【0018】(ニ)脂肪族ポリエステルオリゴマー化合
物;たとえばブタン−1,3−ジオールアジペートオリ
ゴマー、ブタン−1,4−ジオールアジペートオリゴマ
ー、ブタン−1,3−ジオールセバケートオリゴマー、
ブタン−1,4−ジオールセバケートオリゴマー、ヘキ
サン−1,6−ジオールアジペートオリゴマーなどがあ
げられる。 【0019】上記においてアルキレン単位は通常炭素数
1〜18、好ましくは2〜6のものが使用できる。 【0020】以上、具体例にて示したが、改質剤はこれ
らのみに限定されるものではない。また、改質剤は単独
で使用してもよく、二種以上併用してもよい。 【0021】これら改質剤の共重合方法としては、直接
エステル化あるいはエステル交換後に添加する方法、重
縮合の中途あるいは末期に添加する方法などがあるが、
改質剤の種類により有利な方法を選択することができ
る。 【0022】改質剤の添加量は、個々によって異なり、
Tc(H)を100℃以下にする量が添加される。一般
的にいって10〜80%(重量%、以下同様)の範囲に
含まれる。 【0023】これらの改質剤の中で、分子量200〜6
000のポリオキシアルキレン化合物、とりわけ有機酸
金属塩を含むものがとくに有効である。 【0024】本発明におけるポリエチレンテレフタレー
ト樹脂(B)とは、エチレンテレフタレート単位を主成
分とするポリマーで、前述のポリエステル系共重合体の
説明の内で、共重合する改質剤成分を除いたものを指
し、市販のすべてのポリエチレンテレフタレート樹脂を
使用することができる。 【0025】ポリエステル系共重合体(A)とポリエチ
レンテレフタレート樹脂(B)の使用割合は、各々5〜
95部の範囲にあり、一般的にいって、ポリエステル系
共重合体の割合が多いほど、射出成形時の金型温度を低
下させることができるので、たとえば製品の品質設計に
基づき添加量を決めることができる。 【0026】本発明における強化充填剤(C)とは、繊
維状、板状あるいは粒状無機充填剤をいい、これらを配
合することにより機械的強度、耐熱性、寸法安定性を一
層高めることができる。具体例としては、ガラス繊維、
鉱物繊維、炭素繊維、炭化珪素繊維、炭化硼素繊維、チ
タン酸カリウム繊維、石膏繊維、マイカ、タルク、カオ
リン、クレー、アスベスト、珪酸カルシウム、硫酸カル
シウム、炭酸カルシウムなどがあげられるが、とくにガ
ラス繊維、鉱物繊維、タルク、マイカ、カオリンが好ま
しく、これらは、単独あるいは二種以上併用されてもよ
い。また樹脂との親和性を向上させるためにシランカッ
プリング剤などで表面処理されていてもよい。 【0027】配合量は通常0〜65部であり、機械的強
度、耐熱性、流動性を考慮すると、10〜55部が望ま
しく、品質設定に基づき決めることができる。 【0028】本発明の組成物を製造するには、ポリエス
テル系共重合体(A)、ポリエチレンテレフタレート樹
脂(B)および強化充填剤(C)を公知の方法にて混合
すればよい。押出機を用いて混合押出する方法が有利で
ある。 【0029】本発明の組成物には公知の他の核剤、熱酸
化安定剤、光安定剤などのほか、可塑剤、滑剤、着色剤
などの添加剤を配合してもよい。さらにまた、他種の熱
可塑性樹脂を少割合で配合することもできるし、耐衝撃
性を向上させるために少割合のゴム成分を導入すること
も可能である。さらに必要に応じて、難燃化剤、難燃助
剤を添加して難燃性を付与することもできる。 【0030】かくして、ポリエチレンテレフタレート単
独成形品が金型温度140℃以上、長い成形サイクル下
ではじめて満足な成形品がえられるのに対し、本発明の
組成物は100℃以下の金型温度で、かつ短い成形サイ
クルを用いたときでも金型からの離型性、表面外観、耐
熱性、機械強度の優れた成形品がえられるのである。 【0031】本発明の組成物は、各種成形部品、パイ
プ、容器などの成形に広く利用でき、とくに電気部品、
建材部品、自動車部品などに好適に利用でき、繊維やフ
イルム・シートへの利用も可能である。 【0032】以下に実施例にあげて本発明を説明する
が、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではな
い。 【0033】なお、実施例中、重合体の固有粘度はフェ
ノール/テトラクロルエタン(1:1(重量比))中、
25℃、0.5g/dl濃度で測定した対数粘度から求
めた値である。変性ポリアルキレンテレフタレートの融
点Tm、溶融状態からの冷却結晶化温度Tc(C)、ガ
ラス状態からの加熱結晶化温度Tc(H)の測定は、パ
ーキン−エルマー社製DSC−1B型によった。成形品
の引張強度はASTM−D638、曲げ強度および曲げ
弾性率はASTM−D79C、アイゾット耐衝撃値はA
STM−D256、熱変形温度(18.6kg/c
m2 )はASTM−D648に準拠した方法にて測定し
た。また、射出成形時、各種の金型にて成形し、表面外
観を目視でもって判定した。実施例中の添加量は重量部
である。 【0034】実施例1、比較例1 平均分子量1740のポリエチレングリコールモノトリ
メリット酸エステル二ナトリウム塩40%を含むポリエ
チレンテレフタレートとの共重合体(Tc(H)=60
℃、Tc(C)=205℃、Tm=225℃、[η]=
0.62)100部、ポリエチレンテレフタレート樹脂
300部、繊維長3mmのガラス繊維200部を押出機
を用いて混合したのち、各種の金型温度にて射出成形し
た。 【0035】結果は、表1に示すように、機械的強度、
耐熱性に優れるとともに金型温度100℃においても表
面外観の良好な成形体がえられた。 【0036】 【表1】 【0037】比較例1として、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂400部に繊維長3mmのガラス繊維200部
を混合したばあいを表1に併せ示したが、耐熱性、表面
外観が低レベルであることがわかる。 【0038】実施例2 平均分子量3000のブタン−1,4−ジオールアジペ
ートオリゴマーを60%共重合したポリエステル系共重
合体(Tc(H)=52℃、Tc(C)=162℃、T
m=210℃、[η]=0.58)100部、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂200部、繊維長3mmのガラ
ス繊維150部を押出機を用いて混合したのち、各種の
金型温度にて射出成形した。金型温度90℃においても
表面外観の良好な成形体がえられた。金型温度90℃に
おける熱変形温度(1/8″厚)は212℃であり、良
好な耐熱性を示した。 【0039】実施例3 平均分子量1000のポリエチレングリコール30%と
ポリエチレンテレフタレートとの共重合体(Tc(H)
=72℃、Tc(C)=187℃、Tm=229℃
[η]=0.75)100部、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂200部、繊維長3mmのガラス繊維150部
を押出機を用いて混合したのち、各種の金型温度にて射
出成形した。金型温度100℃においても表面外観の良
好な成形体がえられた。金型温度100℃における熱変
形温度(1/8″厚)は216℃であり、良好な耐熱性
を示した。 【0040】 【発明の効果】本発明の組成物を用いると、ポリエチレ
ンテレフタレート単独成形品のばあい、金型温度140
℃以上、長い成形サイクル下ではじめて満足な成形品が
えられるのに対し100℃以下の金型温度で、かつ短い
成形サイクルで成形したときでも、金型の離型性、表面
外観、耐熱性、機械強度に優れた成形品がえられる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所
C08L 67/00
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (A)加熱結晶化温度Tc(H)が100℃以下で
あるポリエステル系共重合体5〜59重量部、(B)ポ
リエチレンテレフタレート樹脂95〜5重量部、および
(C)強化充填剤0〜65重量部を含有する射出成形用
ポリエステル樹脂組成物。 2 ポリエステル系共重合体が、ポリオキシアルキレン
化合物とポリエステルとの共重合体である特許請求の範
囲第1項記載の組成物。 3 (A)加熱結晶化温度Tc(H)が100℃以下で
あるポリエステル系共重合体5〜59重量部、(B)ポ
リエチレンテレフタレート樹脂95〜5重量部、および
(C)強化充填剤0〜65重量部を含有する射出成形用
ポリエステル樹脂組成物を100℃以下の金型温度で、
かつ短い成形サイクルで成形する方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20415892A JPH05247331A (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | 射出成形用ポリエステル樹脂組成物およびその成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20415892A JPH05247331A (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | 射出成形用ポリエステル樹脂組成物およびその成形方法 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18883382A Division JPS5978254A (ja) | 1982-10-26 | 1982-10-26 | 射出成形用ポリエステル樹脂組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05247331A true JPH05247331A (ja) | 1993-09-24 |
Family
ID=16485800
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20415892A Pending JPH05247331A (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | 射出成形用ポリエステル樹脂組成物およびその成形方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05247331A (ja) |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5134991A (ja) * | 1974-09-19 | 1976-03-25 | Toray Industries | Kairyosaretaseishitsunohoriesuteruhaigobutsu no seizohoho |
| JPS55165948A (en) * | 1979-06-11 | 1980-12-24 | Toray Ind Inc | Polyester elastomer molded product |
| JPS5978254A (ja) * | 1982-10-26 | 1984-05-07 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 射出成形用ポリエステル樹脂組成物 |
-
1992
- 1992-07-31 JP JP20415892A patent/JPH05247331A/ja active Pending
Patent Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5134991A (ja) * | 1974-09-19 | 1976-03-25 | Toray Industries | Kairyosaretaseishitsunohoriesuteruhaigobutsu no seizohoho |
| JPS55165948A (en) * | 1979-06-11 | 1980-12-24 | Toray Ind Inc | Polyester elastomer molded product |
| JPS5978254A (ja) * | 1982-10-26 | 1984-05-07 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 射出成形用ポリエステル樹脂組成物 |
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