JPH055852B2 - - Google Patents
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- JPH055852B2 JPH055852B2 JP58172675A JP17267583A JPH055852B2 JP H055852 B2 JPH055852 B2 JP H055852B2 JP 58172675 A JP58172675 A JP 58172675A JP 17267583 A JP17267583 A JP 17267583A JP H055852 B2 JPH055852 B2 JP H055852B2
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- polyisocyanate compound
- acid
- magnetic
- compound
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- Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
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Description
この発明は、塗料等の硬化剤として使用可能な
ポリイソシアネート化合物に関し、さらに詳細に
は、かかる塗料等に含まれている無機物粉体の分
散状態が良好な塗膜を与えるポリイソシアネート
化合物に関する。 従来、塗料や接着剤の硬化剤として種々のポリ
イソシアネート化合物が用いられている。その
際、ポリイソシアネート化合物は、ジイソシアネ
ート単量体が毒性を有するうえに揮発し易いこと
から、多価アルコールにジイソシアネートを付加
して得られるポリウレタンプレポリマーの形で用
いられることが多い。代表的なものにはトリメチ
ロールプロパン1モルにトリレンジイソシアネー
トを3モル反応させて得られるトリメチロールプ
ロパントリス(トリレンジイソシアネート)があ
り、コロネートL(日本ポリウレタン(株))などの
商品名で知られている。このようなポリイソシア
ネート化合物はそれ自体では揮発性が小さくて毒
性も小さい。ところが、合成の際にジイソシアネ
ートを多価アルコールに対して過剰に用いるため
に、ポリイソシアネート化合物に遊離のジイソシ
アネートが混入することは免れない。このジイソ
シアネートを完全に除去するのは極めて困難であ
る。このようにジイソシアネートを微量ながらも
含有するポリイソシアネート化合物を例えば塗料
の硬化剤に用いる場合には、塗布工程における作
業の安全衛生の点で問題がある。また、高分子量
のポリイソシアネート化合物を得る場合にも、高
分子量のアクリルポリオールなどに過剰のジイソ
シアネートを反応させるために同様の問題が起こ
る。一方、ジイソシアネートの代わりにトリイソ
シアネートを用いて高分子量のイソシアネート化
合物を得ようとする試みもなされている。しかし
ながら、この場合、3つのイソシアネート基の反
応性が同等であるとそれぞれのイソシアネート基
が反応に関与するために、枝分れ鎖が生長したゲ
ル状のポリイソシアネート化合物が生成する。し
かしこのような枝分れ鎖の成長したポリイソシア
ネート化合物は、汎用溶剤に溶けにくいために塗
料用途などとしては不適当なものである。 一方、磁気記録媒体の製造において磁性塗料を
調製する場合、硬化剤は材料の混合工程の終了直
前に添加されるのが一般的である。しかしなが
ら、硬化剤の中には磁性塗料中の磁性粉末の分散
を損なうものがあり、その使用量にも限界があつ
た。 そこで、この発明は、低毒性で汎用溶剤に対す
る溶解性が良好であり、さらに磁性粉末等の無機
物粉体の分散が良好な塗膜を与える多官能のイソ
シアネート化合物を提供することを目的とするも
のである。 すなわち、この発明に係るポリイソシアネート
化合物は、 一般式: (式中、Rは炭素原子数2又は3の2価の炭化
水素残基を表し、Aは両末端に水酸基を有しかつ
活性水素を含まない極性基を側鎖に有する共重合
ポリエステルの2価の有機残基を表す)で示され
る繰り返し単位を有し、かつ一般式: 又は一般式: (式中、R及びAは、それぞれ、前記と同義で
ある)で示される両末端基を有する数平均分子量
1530〜19400のポリイソシアネート化合物である。 この発明における前記繰り返し単位中のAは、
量末端に水酸基を有し、かつ活性水素を含まない
極性基を側鎖に有する共重合ポリエステルの2価
の有機残基を表す。この共重合ポリエステルのカ
ルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸など
の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン
酸などの脂肪族ジカルボン酸などのジカルボン
酸、p−オキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシ
エトキシ)安息香酸などの芳香族オキシカルボン
酸などが使用可能である。このうち、特に好まし
いカルボン酸成分は、テレフタル酸、イソフタル
酸、アジピン酸、セバシン酸などである。また、
共重合ポリエステルの別の成分である多価アルコ
ール成分としては、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサ
ンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−
ペンタンジオールなどの脂肪族ジオールまたはそ
の置換誘導体、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールなどの脂環式ジオール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコールなどのポリアルキレングリコ
ールなどのジオール類、ビスフエノールAのエチ
レンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサ
イド付加物、水素化ビスフエノールAのエチレン
オキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド
付加物などの芳香族ジオールのアルキレンオキサ
イド付加物などのオキサイド類などが列挙でき
る。 また、この共重合ポリエステルは、活性水素を
持たない極性基を有するものである。この極性基
が活性水素を有すると、後述するトリイソシアネ
ート化合物のイソシアネート基と反応するので適
当でない。活性水素を持たない極性基としては、
次の一般式で示される極性基が挙げられる。 −SO3M、−OSO3M、−COOM、−OM、
ポリイソシアネート化合物に関し、さらに詳細に
は、かかる塗料等に含まれている無機物粉体の分
散状態が良好な塗膜を与えるポリイソシアネート
化合物に関する。 従来、塗料や接着剤の硬化剤として種々のポリ
イソシアネート化合物が用いられている。その
際、ポリイソシアネート化合物は、ジイソシアネ
ート単量体が毒性を有するうえに揮発し易いこと
から、多価アルコールにジイソシアネートを付加
して得られるポリウレタンプレポリマーの形で用
いられることが多い。代表的なものにはトリメチ
ロールプロパン1モルにトリレンジイソシアネー
トを3モル反応させて得られるトリメチロールプ
ロパントリス(トリレンジイソシアネート)があ
り、コロネートL(日本ポリウレタン(株))などの
商品名で知られている。このようなポリイソシア
ネート化合物はそれ自体では揮発性が小さくて毒
性も小さい。ところが、合成の際にジイソシアネ
ートを多価アルコールに対して過剰に用いるため
に、ポリイソシアネート化合物に遊離のジイソシ
アネートが混入することは免れない。このジイソ
シアネートを完全に除去するのは極めて困難であ
る。このようにジイソシアネートを微量ながらも
含有するポリイソシアネート化合物を例えば塗料
の硬化剤に用いる場合には、塗布工程における作
業の安全衛生の点で問題がある。また、高分子量
のポリイソシアネート化合物を得る場合にも、高
分子量のアクリルポリオールなどに過剰のジイソ
シアネートを反応させるために同様の問題が起こ
る。一方、ジイソシアネートの代わりにトリイソ
シアネートを用いて高分子量のイソシアネート化
合物を得ようとする試みもなされている。しかし
ながら、この場合、3つのイソシアネート基の反
応性が同等であるとそれぞれのイソシアネート基
が反応に関与するために、枝分れ鎖が生長したゲ
ル状のポリイソシアネート化合物が生成する。し
かしこのような枝分れ鎖の成長したポリイソシア
ネート化合物は、汎用溶剤に溶けにくいために塗
料用途などとしては不適当なものである。 一方、磁気記録媒体の製造において磁性塗料を
調製する場合、硬化剤は材料の混合工程の終了直
前に添加されるのが一般的である。しかしなが
ら、硬化剤の中には磁性塗料中の磁性粉末の分散
を損なうものがあり、その使用量にも限界があつ
た。 そこで、この発明は、低毒性で汎用溶剤に対す
る溶解性が良好であり、さらに磁性粉末等の無機
物粉体の分散が良好な塗膜を与える多官能のイソ
シアネート化合物を提供することを目的とするも
のである。 すなわち、この発明に係るポリイソシアネート
化合物は、 一般式: (式中、Rは炭素原子数2又は3の2価の炭化
水素残基を表し、Aは両末端に水酸基を有しかつ
活性水素を含まない極性基を側鎖に有する共重合
ポリエステルの2価の有機残基を表す)で示され
る繰り返し単位を有し、かつ一般式: 又は一般式: (式中、R及びAは、それぞれ、前記と同義で
ある)で示される両末端基を有する数平均分子量
1530〜19400のポリイソシアネート化合物である。 この発明における前記繰り返し単位中のAは、
量末端に水酸基を有し、かつ活性水素を含まない
極性基を側鎖に有する共重合ポリエステルの2価
の有機残基を表す。この共重合ポリエステルのカ
ルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸など
の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン
酸などの脂肪族ジカルボン酸などのジカルボン
酸、p−オキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシ
エトキシ)安息香酸などの芳香族オキシカルボン
酸などが使用可能である。このうち、特に好まし
いカルボン酸成分は、テレフタル酸、イソフタル
酸、アジピン酸、セバシン酸などである。また、
共重合ポリエステルの別の成分である多価アルコ
ール成分としては、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサ
ンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−
ペンタンジオールなどの脂肪族ジオールまたはそ
の置換誘導体、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールなどの脂環式ジオール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコールなどのポリアルキレングリコ
ールなどのジオール類、ビスフエノールAのエチ
レンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサ
イド付加物、水素化ビスフエノールAのエチレン
オキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド
付加物などの芳香族ジオールのアルキレンオキサ
イド付加物などのオキサイド類などが列挙でき
る。 また、この共重合ポリエステルは、活性水素を
持たない極性基を有するものである。この極性基
が活性水素を有すると、後述するトリイソシアネ
ート化合物のイソシアネート基と反応するので適
当でない。活性水素を持たない極性基としては、
次の一般式で示される極性基が挙げられる。 −SO3M、−OSO3M、−COOM、−OM、
【式】または−NO2
(式中、Mは、Li、Na、K、Ba+、Ca+または
Mg+を表わす。) 前述したような活性水素を持たない極性基を共
重合ポリエステルに導入する方法としては、共重
合ポリエステルの出発原料である前述したカルボ
ン酸および/または多価アルコールに前記極性基
を有する化合物を併用するのが好ましい。前記極
性基を有するカルボン酸成分のうち、スルホン酸
金属塩基(−SO3M)を有するカルボン酸成分と
しては、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、2
−カリウムスルホテレフタル酸、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフ
タル酸などが好ましい例として挙げられる。 また、カルボン酸金属塩基(−COOM)を有
するカルボン酸成分としては、1,3,5−ベン
ゼントリカルボン酸二水素カリウムなどが使用可
能であり、ニトロ基、(−NO2)を有するジカル
ボン酸成分として5−ニトロイソフタル酸など;
アルコールまたはフエノールの金属塩基(−
OM)を有するカルボン酸成分として、カリウム
−3,5−ジカルボキシフエノラートなど;リン
酸金属塩基
Mg+を表わす。) 前述したような活性水素を持たない極性基を共
重合ポリエステルに導入する方法としては、共重
合ポリエステルの出発原料である前述したカルボ
ン酸および/または多価アルコールに前記極性基
を有する化合物を併用するのが好ましい。前記極
性基を有するカルボン酸成分のうち、スルホン酸
金属塩基(−SO3M)を有するカルボン酸成分と
しては、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、2
−カリウムスルホテレフタル酸、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフ
タル酸などが好ましい例として挙げられる。 また、カルボン酸金属塩基(−COOM)を有
するカルボン酸成分としては、1,3,5−ベン
ゼントリカルボン酸二水素カリウムなどが使用可
能であり、ニトロ基、(−NO2)を有するジカル
ボン酸成分として5−ニトロイソフタル酸など;
アルコールまたはフエノールの金属塩基(−
OM)を有するカルボン酸成分として、カリウム
−3,5−ジカルボキシフエノラートなど;リン
酸金属塩基
【式】を有するカルボン酸成分として、
ジ−P−カルボキシフエニルリン酸金属塩(下記
化学式)などもそれぞれ使用可能である。 前記極性基を有する多価アルコール成分として
は次のような化合物が代表的な例として挙げられ
る。 () ジ−P−β−ヒドロキシエトキシフエニ
ルリン酸金属塩 () ジ−P−ヒドロキシメトキシフエニルリ
ン酸金属塩 () ジ−P−ヒドロキシカルボメトキシフエ
ニルリン酸金属塩 () P−ヒドロキシメトキシフエニル−P−
β−ヒドロキシエトキシフエニルリン酸金属塩 () ジ−β−ヒドロキシエチルリン酸金属塩 以上、活性水素を持たない極性基を有するカル
ボン酸成分および多価アルコール成分の代表的な
例を示したが、これらの他、先に共重合ポリエス
テルのカルボン酸成分あるいは多価アルコール成
分として例示したカルボン酸あるいは多価アルコ
ールであつて、前記極性基を有するものも使用可
能である。 この発明における前記繰り返し単位中のmで示
される部分は、一般式: (式中、Rは炭素原子数2もしくは3の2価の
炭化水素残基を表す) で示されるトリイソンアネート化合物を使用して
得られたものである。この一般式において、3個
のイソシアネート基を区別するためにそれぞれを
便宜的にX、Y、Zで置き換えて、 の様に書き換えた場合、イソシアネート基の反応
性を比較すると、 X<Y、Z Y≒Z ……(3) となる。さらに詳しく述べると、YおよびZは常
温においてXの2倍の反応性を有し、この反応性
の差は高温になるにしたがつて更に広がる。 前記一般式(1)で表わされる化合物は、具体的に
は2,6−ジイソシアナトヘキサン酸−2−イソ
シアナトエチルエステル、2,6−ジイソシアナ
トヘキサン酸−3−イソシアナトプロピルエステ
ルおよび2,6−ジイソシアナトヘキサン酸−2
−イソシアナト−2−メチルエチルエステルであ
る。これらはいずれもリジンとアミノアルコール
とのエステルをホスゲン化することによつて製造
することができる。 前記一般式(1)においてRが炭素原子数1のもの
は合成するのが困難であり、また炭素原子数が4
以上になるとイソシアネート基Zの反応性が小さ
くなるので適当でない。 前述したような共重合ポリエステルとトリイソ
シアネート化合物とからなるこの発明のポリイソ
シアネート化合物は、共重合ポリエステルとトリ
イソシアネート化合物とを、共重合ポリエステル
の水酸基に対するトリイソシアネート化合物のイ
ソシアネート基のモル比Mが1.5<M≦3となる
ように反応させて得られる。この反応は、トリイ
ソシアネート化合物の3個のイソシアネート基の
うち反応性の劣るイソシアネート基を除いた2個
のイソシアネート基が優先的に関与して行われ
る。そこで、この発明のポリイソシアネート化合
物は共重合ポリエステルがトリイソシアネート化
合物によつてウレタン結合を介して二次元に鎖長
され、鎖状構造を有するものとなり、また、前記
モル比Mが3の場合には未反応のイソシアネート
基を両末端にそれぞれ2個有する4官能のポリイ
ソシアネート化合物、前記モル比Mが1.5<M<
3の場合はイソシアネート基を両末端および側鎖
に有する5官能以上のポリイソシアネート化合物
となる。しかし、前記モル比Mが1.5以下ではこ
のような多官能のポリイソシアネート化合物は得
られず、またこのモル比Mが3より大きい化合物
を合成することは実質的に不可能である。ただ
し、このモル比Mが3より大きい、すなわちトリ
イソシアネート化合物が過剰に存在する反応系で
合成を行うことは可能である。ここでトリイソシ
アネート化合物として、3個のイソシアネート基
の反応性が全て同等のものを用いると、鎖が三次
元に生長してゲル化するため、合成上も使用上も
不利である。 また、この発明のポリイソシアネート化合物
は、活性水素を持たない極性基を側鎖に有する共
重合ポリエステルを一成分とすることによつて、
それ自身も側鎖にこの極性基を有する。そしてこ
の極性基はポリイソシアネート化合物1分子中に
1種だけ含まれていてもよく、また複数種含まれ
ていてもよい。また、この極性基は、ポリイソシ
アネート化合物1g当り0.02mmol〜1.0mmol含ま
れているのが好ましい。この極性基が少なすぎる
と、表面に親水基を持つ無機物粉体、例えばγ−
Fe2O3などの磁性粉に対する親和性が不充分とな
る。またこの極性基が多すぎると、汎用溶剤に対
する溶解性が悪くなる。 この発明に係るポリイソシアネート化合物は熱
架橋によつて樹脂を硬化させ、また極性基を側鎖
に有するので、無機物粉体を含有する塗料の硬化
剤に有用なものである。その場合、ポリイソシア
ネート化合物のイソシアネート基濃度は2%以
上、分子量は通常1530〜19400の範囲である。す
なわち、イソシアネート基濃度が2%より小さい
と、架橋密度が小さくなつて硬化膜の硬さが不十
分となり、また硬化速度が遅くなる。分子量が
19400より大きくなると同様に硬化性能が悪くな
つて好ましくない。なおここでいう、イソシアネ
ート基濃度とは、式(5)によつて定義されるもので
ある。 イソシアネート基濃度(%)=ポリイソシアネート化
合物1分子中のイソシアネート基数×42/ポリイソシア
ネート化合物の分子量……(5) ポリイソシアネート化合物の分子量およびイソ
シアネート基濃度は、各成分の分子量を適宜選択
することによつて任意のものとすることができ
る。また、表1に示すようにこれらはMの値にも
依存するので、合成の際のトリイソシアネート化
合物と共重合ポリエステルの配合比によつても
種々の物性を有するポリイソシアネート化合物が
得られる。なお、表1では共重合ポリエステル
(分子量1500)およびT−100(東レ(株)製のトリイ
ソシアネート化合物、分子量267)からなるポリ
イソシアネート化合物について例示されている。
化学式)などもそれぞれ使用可能である。 前記極性基を有する多価アルコール成分として
は次のような化合物が代表的な例として挙げられ
る。 () ジ−P−β−ヒドロキシエトキシフエニ
ルリン酸金属塩 () ジ−P−ヒドロキシメトキシフエニルリ
ン酸金属塩 () ジ−P−ヒドロキシカルボメトキシフエ
ニルリン酸金属塩 () P−ヒドロキシメトキシフエニル−P−
β−ヒドロキシエトキシフエニルリン酸金属塩 () ジ−β−ヒドロキシエチルリン酸金属塩 以上、活性水素を持たない極性基を有するカル
ボン酸成分および多価アルコール成分の代表的な
例を示したが、これらの他、先に共重合ポリエス
テルのカルボン酸成分あるいは多価アルコール成
分として例示したカルボン酸あるいは多価アルコ
ールであつて、前記極性基を有するものも使用可
能である。 この発明における前記繰り返し単位中のmで示
される部分は、一般式: (式中、Rは炭素原子数2もしくは3の2価の
炭化水素残基を表す) で示されるトリイソンアネート化合物を使用して
得られたものである。この一般式において、3個
のイソシアネート基を区別するためにそれぞれを
便宜的にX、Y、Zで置き換えて、 の様に書き換えた場合、イソシアネート基の反応
性を比較すると、 X<Y、Z Y≒Z ……(3) となる。さらに詳しく述べると、YおよびZは常
温においてXの2倍の反応性を有し、この反応性
の差は高温になるにしたがつて更に広がる。 前記一般式(1)で表わされる化合物は、具体的に
は2,6−ジイソシアナトヘキサン酸−2−イソ
シアナトエチルエステル、2,6−ジイソシアナ
トヘキサン酸−3−イソシアナトプロピルエステ
ルおよび2,6−ジイソシアナトヘキサン酸−2
−イソシアナト−2−メチルエチルエステルであ
る。これらはいずれもリジンとアミノアルコール
とのエステルをホスゲン化することによつて製造
することができる。 前記一般式(1)においてRが炭素原子数1のもの
は合成するのが困難であり、また炭素原子数が4
以上になるとイソシアネート基Zの反応性が小さ
くなるので適当でない。 前述したような共重合ポリエステルとトリイソ
シアネート化合物とからなるこの発明のポリイソ
シアネート化合物は、共重合ポリエステルとトリ
イソシアネート化合物とを、共重合ポリエステル
の水酸基に対するトリイソシアネート化合物のイ
ソシアネート基のモル比Mが1.5<M≦3となる
ように反応させて得られる。この反応は、トリイ
ソシアネート化合物の3個のイソシアネート基の
うち反応性の劣るイソシアネート基を除いた2個
のイソシアネート基が優先的に関与して行われ
る。そこで、この発明のポリイソシアネート化合
物は共重合ポリエステルがトリイソシアネート化
合物によつてウレタン結合を介して二次元に鎖長
され、鎖状構造を有するものとなり、また、前記
モル比Mが3の場合には未反応のイソシアネート
基を両末端にそれぞれ2個有する4官能のポリイ
ソシアネート化合物、前記モル比Mが1.5<M<
3の場合はイソシアネート基を両末端および側鎖
に有する5官能以上のポリイソシアネート化合物
となる。しかし、前記モル比Mが1.5以下ではこ
のような多官能のポリイソシアネート化合物は得
られず、またこのモル比Mが3より大きい化合物
を合成することは実質的に不可能である。ただ
し、このモル比Mが3より大きい、すなわちトリ
イソシアネート化合物が過剰に存在する反応系で
合成を行うことは可能である。ここでトリイソシ
アネート化合物として、3個のイソシアネート基
の反応性が全て同等のものを用いると、鎖が三次
元に生長してゲル化するため、合成上も使用上も
不利である。 また、この発明のポリイソシアネート化合物
は、活性水素を持たない極性基を側鎖に有する共
重合ポリエステルを一成分とすることによつて、
それ自身も側鎖にこの極性基を有する。そしてこ
の極性基はポリイソシアネート化合物1分子中に
1種だけ含まれていてもよく、また複数種含まれ
ていてもよい。また、この極性基は、ポリイソシ
アネート化合物1g当り0.02mmol〜1.0mmol含ま
れているのが好ましい。この極性基が少なすぎる
と、表面に親水基を持つ無機物粉体、例えばγ−
Fe2O3などの磁性粉に対する親和性が不充分とな
る。またこの極性基が多すぎると、汎用溶剤に対
する溶解性が悪くなる。 この発明に係るポリイソシアネート化合物は熱
架橋によつて樹脂を硬化させ、また極性基を側鎖
に有するので、無機物粉体を含有する塗料の硬化
剤に有用なものである。その場合、ポリイソシア
ネート化合物のイソシアネート基濃度は2%以
上、分子量は通常1530〜19400の範囲である。す
なわち、イソシアネート基濃度が2%より小さい
と、架橋密度が小さくなつて硬化膜の硬さが不十
分となり、また硬化速度が遅くなる。分子量が
19400より大きくなると同様に硬化性能が悪くな
つて好ましくない。なおここでいう、イソシアネ
ート基濃度とは、式(5)によつて定義されるもので
ある。 イソシアネート基濃度(%)=ポリイソシアネート化
合物1分子中のイソシアネート基数×42/ポリイソシア
ネート化合物の分子量……(5) ポリイソシアネート化合物の分子量およびイソ
シアネート基濃度は、各成分の分子量を適宜選択
することによつて任意のものとすることができ
る。また、表1に示すようにこれらはMの値にも
依存するので、合成の際のトリイソシアネート化
合物と共重合ポリエステルの配合比によつても
種々の物性を有するポリイソシアネート化合物が
得られる。なお、表1では共重合ポリエステル
(分子量1500)およびT−100(東レ(株)製のトリイ
ソシアネート化合物、分子量267)からなるポリ
イソシアネート化合物について例示されている。
【表】
この発明のポリイソシアネート化合物を塗料の
硬化剤に用いる場合、その塗料に含まれ硬化せし
められる樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアル
コール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレ
イン酸共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共
重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合
体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重
合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重
合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン共
重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合
体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フエノキシ樹
脂、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロ
ニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−ア
クリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−メタクリル酸共重合体、ポリビニルブチラー
ル、セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共
重合体、ポリエステル樹脂、フエノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルム
アルデヒド樹脂またはこれらの混合物などが挙げ
られる。これらのうち、末端および/または側鎖
に水酸基を有する樹脂はこの発明のポリイソシア
ネート化合物との間にウレタン結合を形成しうる
ので特に好ましく、水酸基を有する樹脂と水酸基
を有しない樹脂との混合物も同様に効果的であ
る。 この発明によるポリイソシアネート化合物は、
前述したように塗料の硬化剤として使用可能であ
るが特に磁気記録媒体を製造する際における磁性
塗料の硬化剤に用いて好適なものである。そして
前述の樹脂は何れも磁気記録媒体の結合剤として
使用可能である。 磁性塗料には結合剤の他に基本的構成材料とし
て、強磁性粉末や有機溶剤が含まれる。この強磁
性粉末には、強磁性酸化鉄粒子、強磁性二酸化ク
ロム、強磁性合金粉末等が使用可能である。強磁
性酸化鉄粒子としては、一般式FeOxで表した場
合、Xの値が1.33≦X≦1.50の範囲にあるもの、
即ちマグヘマイト(γ−Fe2O3X=1.50)、マグネ
タイト(Fe3O4X=1.33)、及びこれらの固溶体
(FeOx 1.33<X<1.50)が使用可能である。こ
れら強磁性酸化鉄は抗磁力をあげる目的でコバル
トを添加してもよい。コバルト含有磁性酸化鉄に
は、大別してドープ型と被着型の2種類があるが
そのどちらであつてもよい。強磁性二酸化クロム
としてはCrO2あるいはこれらにHcを向上させる
目的でRu・Sn・Te・Sb・Fe・Ti・V・Hn等の
少なくとも一種を添加したものを使用できる。強
磁性合金粉末としては、Fe、Co、Ni、Fe−Co、
Fe−Ni又はFe−Co−Ni等が使用でき、又これら
に種々の特性を改善する目的でAl、Si、Ti、Cr、
Mn、Cu、Zn等の金属成分を添加したものがあ
る。 有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチル
エーテル等のエステル系;エーテル、グリコール
ジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテ
ル、ジオキサン等のグリコールエーテル系;ベン
ゼン、トルエン、キシレン等のタール系(芳香族
炭化水素);メチレンクロライド、エチレンクロ
ライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンク
ロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化
水素系等のものが選択して使用できる。 また、磁性塗料にはさらに、研摩材として、酸
化アルミニウム、酸化クロム、酸化ケイ素など、
帯電防止剤としてカーボンブラツクなど、更に潤
滑剤として二硫化モリブデン、グラフアイト、シ
リコーンオイル、オリーブ油などを添加すること
ができる。 前述したような材料からなる磁性塗料にこの発
明のポリシアネート化合物を混合させた後、常法
に従つて磁性塗料は非磁性担体に塗布される。こ
の非磁性担体の素材としてはポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート
等のポリエステル類;ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフイン類;セルローストリアセ
テート、セルロースダイアセテート、セルロース
アセテートブチレート、セルロースアセテートプ
ロピオネート等のセルロース誘導体;ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂;ポ
リカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド
等のプラスチツクの他に用途に応じてアルミニウ
ム、銅、スズ、亜鉛またはこれらを含む非磁性合
金などの非磁性金属類;ガラス、陶器、磁器など
のセラミツク類;紙、バライタまたはポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−ブテン共重合体
などの炭素数2〜10のα−ポリオレフイン類を塗
布またはラミネートした紙などの紙類も使用でき
る。これらの非磁性担体は使用目的に応じて透明
あるいは不透明であつてよい。又、非磁性担体の
形態はフイルム、テープ、シート、デイスク、カ
ード、ドラム等いずれでも良く、形態に応じて
種々の材料が必要に応じて選択される。これらの
非磁性担体の厚みはフイルム、テープ、シート状
の場合は約1〜50μm程度、好ましくは1〜30μm
である。又、デイスク、カード状の場合は、0.5
〜10mm程度であり、ドラム状の場合は円筒状と
し、使用するレコーダに応じてその型は決められ
る。 さらに、表面処理、配向、熱硬化、裁断などの
諸工程を経て磁気記録媒体は完成される。 この発明のポリイソシアネート化合物の特徴を
まとめると次のようになる。 (1) イソシアネート基の数および濃度を広範囲に
選択できる。 (2) 合成の際にジイソシアネートよりも毒性の小
さいトリイソシアネート化合物を用いる。 (3) 任意の分子量のものが得られる。 (4) 合成の際に、側鎖のイソシアネート基は反応
性が低いのでゲル化せず、鎖状構造を有するも
のとなる。 (5) 極性基を有するので無機物粉体との親和性が
よい。 特に、磁性塗料などの塗料の硬化剤に用いた場
合には、前述の各項目についてそれぞれ次のよう
な利点が得られる。 (1) イソシアネート基の数および濃度を大きくで
きるから、架橋密度の高い硬化膜が形成され、
硬化膜の強度、耐久性、耐溶剤性が良好とな
る。また硬化速度が速い。 (2) 塗布工程の際におけるジイソシアネートの毒
性の心配を回避できる。 (3) 高分子量であるから、硬化膜の表面の滑か
さ、光沢の点で有利である。 (4) 塗料に用いる溶剤によく溶ける。 (5) 塗料添加した際にその中に含まれている無機
物粉体(磁性粉末)の分散状態を悪くすること
がなく、良好な分散状態を維持したまま塗料を
硬化させることができる。 以下、この発明を実施例によつて説明する。 実施例 1:ポリイソシアネート化合物の合成 温度計、攪拌機および部分還流式冷却器を備え
た反応容器中に、 メチルエチルケトン 73重量部 トルエン 73 〃 共重合ポリエステル 50 〃 (分子量:1500、核磁気共鳴(NMR)組成分
析結果より同定された。成分は以下の通りであ
る。カルボン酸成分:テレフタル酸20モル%、イ
ソフタル酸15モル%、5−スルホイソフタル酸ナ
トリウム5モル%、セバシン酸60モル% ジオール成分:エチレングリコール50モル%、プ
ロピレングリコール50モル%) トリイソシアネート化合物 104重量部 (T−100、東レ(株)製) を加え、70〜90℃で3時間反応させた。生成した
ポリイソシアート化合物の数平均分子量は10900、
イソシアネート基濃度は3.5%、イソシアート基
数は9であつた。繰り返し単位は共重合ポリエス
テル1分子及びトリイソシアネート1分子より成
つていた。 比較例 1: 極性基を有しないポリイソシアネ
ート化合物の合成 共重合ポリエステルとして、そのカルボン酸成
分がテレフタル酸20モル%、イソフタル酸20モル
%、セバシン酸60モル%、多価アルコール成分が
エチレングリコール50モル%、プロピレングリコ
ール50モル%からなるものを用いた以外は実施例
1と同様にしてポリイソシアネート化合物を合成
した。得られたポリイソシアネート化合物は極性
基を有さず、その数平均分子量は10900、イソシ
アネート基濃度は3.5%、イソシアネート基数は
9であつた。 実施例2および比較例2、3:硬化膜の形成 実施例1で得たポリイソシアネート化合物20重
量部と、ポリエステルポリウレタン(パラプレン
225、日本ポリウレタン工業(株)製)80重量部とを
メチルエチルケトン50重量部とトルエン50重量部
の混合溶剤に溶解させた。それから、この溶液を
ガラス板上にドクターブレードを用いて塗布し、
製膜した。室温で1日自然乾燥させた後、80℃の
真空乾燥機中に48時間置いて硬化させて硬化膜を
作製した(実施例2)。 同様に、比較例1のポリイソシアネート化合物
を用いて硬化膜を作製した(比較例2)。 さらに、コロネートL(日本ポリウレタン(株)製
のトリイソシアネート化合物)20重量部を実施例
1のポリイソシアネート化合物の代わりに用いた
以外は、実施例2と同様にして硬化膜を作製した
(比較例3)。 実施例2および比較例2、3で得られた硬化膜
について、鉛筆硬度、光沢、耐溶剤性を測定した
結果を表2に示す。
硬化剤に用いる場合、その塗料に含まれ硬化せし
められる樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアル
コール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレ
イン酸共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共
重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合
体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重
合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重
合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン共
重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合
体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フエノキシ樹
脂、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロ
ニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−ア
クリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−メタクリル酸共重合体、ポリビニルブチラー
ル、セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共
重合体、ポリエステル樹脂、フエノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルム
アルデヒド樹脂またはこれらの混合物などが挙げ
られる。これらのうち、末端および/または側鎖
に水酸基を有する樹脂はこの発明のポリイソシア
ネート化合物との間にウレタン結合を形成しうる
ので特に好ましく、水酸基を有する樹脂と水酸基
を有しない樹脂との混合物も同様に効果的であ
る。 この発明によるポリイソシアネート化合物は、
前述したように塗料の硬化剤として使用可能であ
るが特に磁気記録媒体を製造する際における磁性
塗料の硬化剤に用いて好適なものである。そして
前述の樹脂は何れも磁気記録媒体の結合剤として
使用可能である。 磁性塗料には結合剤の他に基本的構成材料とし
て、強磁性粉末や有機溶剤が含まれる。この強磁
性粉末には、強磁性酸化鉄粒子、強磁性二酸化ク
ロム、強磁性合金粉末等が使用可能である。強磁
性酸化鉄粒子としては、一般式FeOxで表した場
合、Xの値が1.33≦X≦1.50の範囲にあるもの、
即ちマグヘマイト(γ−Fe2O3X=1.50)、マグネ
タイト(Fe3O4X=1.33)、及びこれらの固溶体
(FeOx 1.33<X<1.50)が使用可能である。こ
れら強磁性酸化鉄は抗磁力をあげる目的でコバル
トを添加してもよい。コバルト含有磁性酸化鉄に
は、大別してドープ型と被着型の2種類があるが
そのどちらであつてもよい。強磁性二酸化クロム
としてはCrO2あるいはこれらにHcを向上させる
目的でRu・Sn・Te・Sb・Fe・Ti・V・Hn等の
少なくとも一種を添加したものを使用できる。強
磁性合金粉末としては、Fe、Co、Ni、Fe−Co、
Fe−Ni又はFe−Co−Ni等が使用でき、又これら
に種々の特性を改善する目的でAl、Si、Ti、Cr、
Mn、Cu、Zn等の金属成分を添加したものがあ
る。 有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチル
エーテル等のエステル系;エーテル、グリコール
ジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテ
ル、ジオキサン等のグリコールエーテル系;ベン
ゼン、トルエン、キシレン等のタール系(芳香族
炭化水素);メチレンクロライド、エチレンクロ
ライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンク
ロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化
水素系等のものが選択して使用できる。 また、磁性塗料にはさらに、研摩材として、酸
化アルミニウム、酸化クロム、酸化ケイ素など、
帯電防止剤としてカーボンブラツクなど、更に潤
滑剤として二硫化モリブデン、グラフアイト、シ
リコーンオイル、オリーブ油などを添加すること
ができる。 前述したような材料からなる磁性塗料にこの発
明のポリシアネート化合物を混合させた後、常法
に従つて磁性塗料は非磁性担体に塗布される。こ
の非磁性担体の素材としてはポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート
等のポリエステル類;ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフイン類;セルローストリアセ
テート、セルロースダイアセテート、セルロース
アセテートブチレート、セルロースアセテートプ
ロピオネート等のセルロース誘導体;ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂;ポ
リカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド
等のプラスチツクの他に用途に応じてアルミニウ
ム、銅、スズ、亜鉛またはこれらを含む非磁性合
金などの非磁性金属類;ガラス、陶器、磁器など
のセラミツク類;紙、バライタまたはポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−ブテン共重合体
などの炭素数2〜10のα−ポリオレフイン類を塗
布またはラミネートした紙などの紙類も使用でき
る。これらの非磁性担体は使用目的に応じて透明
あるいは不透明であつてよい。又、非磁性担体の
形態はフイルム、テープ、シート、デイスク、カ
ード、ドラム等いずれでも良く、形態に応じて
種々の材料が必要に応じて選択される。これらの
非磁性担体の厚みはフイルム、テープ、シート状
の場合は約1〜50μm程度、好ましくは1〜30μm
である。又、デイスク、カード状の場合は、0.5
〜10mm程度であり、ドラム状の場合は円筒状と
し、使用するレコーダに応じてその型は決められ
る。 さらに、表面処理、配向、熱硬化、裁断などの
諸工程を経て磁気記録媒体は完成される。 この発明のポリイソシアネート化合物の特徴を
まとめると次のようになる。 (1) イソシアネート基の数および濃度を広範囲に
選択できる。 (2) 合成の際にジイソシアネートよりも毒性の小
さいトリイソシアネート化合物を用いる。 (3) 任意の分子量のものが得られる。 (4) 合成の際に、側鎖のイソシアネート基は反応
性が低いのでゲル化せず、鎖状構造を有するも
のとなる。 (5) 極性基を有するので無機物粉体との親和性が
よい。 特に、磁性塗料などの塗料の硬化剤に用いた場
合には、前述の各項目についてそれぞれ次のよう
な利点が得られる。 (1) イソシアネート基の数および濃度を大きくで
きるから、架橋密度の高い硬化膜が形成され、
硬化膜の強度、耐久性、耐溶剤性が良好とな
る。また硬化速度が速い。 (2) 塗布工程の際におけるジイソシアネートの毒
性の心配を回避できる。 (3) 高分子量であるから、硬化膜の表面の滑か
さ、光沢の点で有利である。 (4) 塗料に用いる溶剤によく溶ける。 (5) 塗料添加した際にその中に含まれている無機
物粉体(磁性粉末)の分散状態を悪くすること
がなく、良好な分散状態を維持したまま塗料を
硬化させることができる。 以下、この発明を実施例によつて説明する。 実施例 1:ポリイソシアネート化合物の合成 温度計、攪拌機および部分還流式冷却器を備え
た反応容器中に、 メチルエチルケトン 73重量部 トルエン 73 〃 共重合ポリエステル 50 〃 (分子量:1500、核磁気共鳴(NMR)組成分
析結果より同定された。成分は以下の通りであ
る。カルボン酸成分:テレフタル酸20モル%、イ
ソフタル酸15モル%、5−スルホイソフタル酸ナ
トリウム5モル%、セバシン酸60モル% ジオール成分:エチレングリコール50モル%、プ
ロピレングリコール50モル%) トリイソシアネート化合物 104重量部 (T−100、東レ(株)製) を加え、70〜90℃で3時間反応させた。生成した
ポリイソシアート化合物の数平均分子量は10900、
イソシアネート基濃度は3.5%、イソシアート基
数は9であつた。繰り返し単位は共重合ポリエス
テル1分子及びトリイソシアネート1分子より成
つていた。 比較例 1: 極性基を有しないポリイソシアネ
ート化合物の合成 共重合ポリエステルとして、そのカルボン酸成
分がテレフタル酸20モル%、イソフタル酸20モル
%、セバシン酸60モル%、多価アルコール成分が
エチレングリコール50モル%、プロピレングリコ
ール50モル%からなるものを用いた以外は実施例
1と同様にしてポリイソシアネート化合物を合成
した。得られたポリイソシアネート化合物は極性
基を有さず、その数平均分子量は10900、イソシ
アネート基濃度は3.5%、イソシアネート基数は
9であつた。 実施例2および比較例2、3:硬化膜の形成 実施例1で得たポリイソシアネート化合物20重
量部と、ポリエステルポリウレタン(パラプレン
225、日本ポリウレタン工業(株)製)80重量部とを
メチルエチルケトン50重量部とトルエン50重量部
の混合溶剤に溶解させた。それから、この溶液を
ガラス板上にドクターブレードを用いて塗布し、
製膜した。室温で1日自然乾燥させた後、80℃の
真空乾燥機中に48時間置いて硬化させて硬化膜を
作製した(実施例2)。 同様に、比較例1のポリイソシアネート化合物
を用いて硬化膜を作製した(比較例2)。 さらに、コロネートL(日本ポリウレタン(株)製
のトリイソシアネート化合物)20重量部を実施例
1のポリイソシアネート化合物の代わりに用いた
以外は、実施例2と同様にして硬化膜を作製した
(比較例3)。 実施例2および比較例2、3で得られた硬化膜
について、鉛筆硬度、光沢、耐溶剤性を測定した
結果を表2に示す。
【表】
表2に示すように、この発明のポリイソシアネ
ート化合物は、硬化剤として使用した場合に、従
来から使用されている硬化剤(コロネートL)と
同等以上の性能を有していた。 実施例3および比較例4、5:磁気テープの作製 ポリエステルポリウレタン 40重量部 (同 上) 塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体 40 〃 (YAGH:U.C.C社製) および レシチン 2 〃 を、メチルエチルケトン80重量部とトルエン80重
量部の混合溶剤に溶解させた後、γ−Fe2O3 を
25重量部投入し、ボールミル中で24時間混合して
磁性塗料を調製した。この磁性塗料にさらに実施
例1で得たポリイソシアネート化合物を20重量部
加えて30分間混合した。次いで、ポリエステルフ
イルム上にドクターブレード法にて磁性塗料を塗
布し、900エルステツドの平行磁場内に約1秒間
静置して磁性粉末の配向を行い、90℃の熱風乾燥
機中に約30分間放置して溶剤を除去し、さらに、
80℃で48時間かけて塗膜を硬化させた。最後にフ
イルムを裁断して磁気テープを得た。(実施例3) 実施例1のポリイソシアネート化合物の代わり
に、それぞれ比較例1のポリイソシアネート化合
物およびコロネートL(同上)を用いた以外は、
実施例3と同様にして磁気テープを作製した(比
較例4、5)。 実施例3と比較例4、5の磁気テープについて
粉落ち、耐溶剤性および角型比を測定した結果を
表3に示す。
ート化合物は、硬化剤として使用した場合に、従
来から使用されている硬化剤(コロネートL)と
同等以上の性能を有していた。 実施例3および比較例4、5:磁気テープの作製 ポリエステルポリウレタン 40重量部 (同 上) 塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体 40 〃 (YAGH:U.C.C社製) および レシチン 2 〃 を、メチルエチルケトン80重量部とトルエン80重
量部の混合溶剤に溶解させた後、γ−Fe2O3 を
25重量部投入し、ボールミル中で24時間混合して
磁性塗料を調製した。この磁性塗料にさらに実施
例1で得たポリイソシアネート化合物を20重量部
加えて30分間混合した。次いで、ポリエステルフ
イルム上にドクターブレード法にて磁性塗料を塗
布し、900エルステツドの平行磁場内に約1秒間
静置して磁性粉末の配向を行い、90℃の熱風乾燥
機中に約30分間放置して溶剤を除去し、さらに、
80℃で48時間かけて塗膜を硬化させた。最後にフ
イルムを裁断して磁気テープを得た。(実施例3) 実施例1のポリイソシアネート化合物の代わり
に、それぞれ比較例1のポリイソシアネート化合
物およびコロネートL(同上)を用いた以外は、
実施例3と同様にして磁気テープを作製した(比
較例4、5)。 実施例3と比較例4、5の磁気テープについて
粉落ち、耐溶剤性および角型比を測定した結果を
表3に示す。
【表】
【表】
表3から、実施例3の磁気テープでは、粉落ち
量および耐溶剤性については比較例4および5の
磁気テープとの差はみられないが、角型比につい
ては優れており、磁性粉末の分散が良好であるこ
とがわかる。
量および耐溶剤性については比較例4および5の
磁気テープとの差はみられないが、角型比につい
ては優れており、磁性粉末の分散が良好であるこ
とがわかる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式: (式中、Rは炭素原子数2又は3の2価の炭化
水素残基を表し、Aは両末端に水酸基を有しかつ
活性水素を含まない極性基を側鎖に有する共重合
ポリエステルの2価の有機残基を表す)で示され
る繰り返し単位を有し、かつ一般式: 又は一般式: (式中、R及びAはそれぞれ前記と同義であ
る)で示される両末端基を有する数平均分子量
1530〜19400のポリイソシアネート化合物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17267583A JPS6065019A (ja) | 1983-09-19 | 1983-09-19 | ポリイソシアネ−ト化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17267583A JPS6065019A (ja) | 1983-09-19 | 1983-09-19 | ポリイソシアネ−ト化合物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6065019A JPS6065019A (ja) | 1985-04-13 |
| JPH055852B2 true JPH055852B2 (ja) | 1993-01-25 |
Family
ID=15946281
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17267583A Granted JPS6065019A (ja) | 1983-09-19 | 1983-09-19 | ポリイソシアネ−ト化合物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6065019A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2609560B2 (ja) * | 1989-12-27 | 1997-05-14 | 日本ゼオン株式会社 | 磁性粉の結合剤、磁性塗料および磁気記録媒体 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5841565B2 (ja) * | 1978-06-01 | 1983-09-13 | 東洋紡績株式会社 | 磁気記録媒体 |
-
1983
- 1983-09-19 JP JP17267583A patent/JPS6065019A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6065019A (ja) | 1985-04-13 |
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