JPH0565638B2 - - Google Patents
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- JPH0565638B2 JPH0565638B2 JP7812888A JP7812888A JPH0565638B2 JP H0565638 B2 JPH0565638 B2 JP H0565638B2 JP 7812888 A JP7812888 A JP 7812888A JP 7812888 A JP7812888 A JP 7812888A JP H0565638 B2 JPH0565638 B2 JP H0565638B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は電気絶縁積層板用一次処理原紙、特に
寸法安定性、打ち抜き加工性、電気特性、耐熱性
の優れた紙基材合成樹脂電気絶縁積層板用一次処
理原紙の製造方法に関するものである。 〔従来の技術〕 積層板用原紙は積層板メーカーにおいてフエノ
ール樹脂などの合成樹脂ワニスを横型または縦型
の熱風乾燥装置を持つた含浸機で含浸乾燥後、加
熱成形されて電気絶縁積層板に加工され、主にプ
リント配線板として民生用、産業用電子機器など
の広範な分野に使用されているが、近年電子機器
の小型化、軽量化、高性能化に伴なつてプリント
配線板の使用条件が苛酷となり、積層板用原紙に
要求される物性が高度化する傾向が強まつて来て
いる。特に高密度配線化に対応するため電気絶縁
積層板での寸法安定性、低温打ち抜き加工性、電
気特性、耐熱性などが良好である積層板用原紙が
求められている。 従来から木材パルプを原料とした積層板用原紙
としては晒クラフトパルプ紙が使われており、寸
法安定性は優れているが低温打ち抜き加工性が劣
り高密度配線積層板用原紙としては問題があつ
た。また非木材パルプを原料としたコツトンリン
ター紙は晒クラフトパルプ紙に較べ打ち抜き加工
性、耐熱性、および電気特性は良好ではあるが寸
法安定性が劣るためこれも高密度配線積層板用原
紙としては適していない。 高密度配線積層板用原紙としては晒クラフトパ
ルプ紙の寸法安定性とコツトンリンター紙の低温
打ち抜き加工性、耐熱性および電気特性を兼ね備
えた原紙の出現が待たれている。一方、積層板用
の合成樹脂サイドでも従来から樹脂の変性、添化
剤の配合などによつて前述の要求品質を満たすべ
く検討が行なわれているが、未だ満足すべき結果
が得られていないのが現状である。特開昭61−
296199、特開昭61−293231では上記の要求を満足
し得る手法を示しているが、寸法安定性に就いて
は従来の晒クラフトパルプ紙並みの程度である。 〔発明が解決しようとする課題〕 本発明は高密度配線板に要求される良好な低温
打ち抜き加工性、耐熱性、電気特性を持ち、なお
且つ特に寸法安定性の更に優れた電気絶縁積層板
用一次処理原紙を提供するものである。 〔課題を解決するための手段〕 本発明は前述の課題を解決するために鋭意検討
を重ねた結果、積層板用原紙に自己乳化型エポキ
シ樹脂を付与乾燥させることによつて得られる電
気絶縁積層板用一次処理原紙の製造工程におい
て、付与紙の走行方向と直行する方向の収縮を抑
制して乾燥することを特徴とする電気絶縁積層板
用一次処理原紙を用いることによりその目的を達
成し得ることを見い出したものである。 なお、ここで言う付与紙とは一次処理用自己乳
化型エポキシ樹脂を付与した直後(乾燥前)のも
のを指し、更に付与紙が乾燥された後のものを一
次処理原紙と定義する。 本発明を更に詳しく説明する。積層板用原紙と
しては上市されている積層板用原紙が使用可能で
あるが、晒クラフトパルプ紙と同等の夾雑物量、
水浸液導電率のものであれば原料パルプの材種、
蒸解方法、漂白方法などに特に制限はない。 本発明に於いて使用する積層板用原紙を抄造す
る際のパルプ水度に就いては特に制限するもの
ではないが、積層板用原紙への樹脂の浸透性を良
好にするためには450mlCSF以上の比較的軽い叩
解のものであることが好ましい。 積層板用原紙の坪量、密度に就いても特に制限
するものではないが、積層板に化工する時の作業
性、生産性などを考慮すると坪量60〜280g/m2、
密度0.4〜0.7g/m3程度が好適である。 積層板用原紙に付与される一次処理用自己乳化
型エポキシ樹脂としては、ポリアルキレングリコ
ール変性ビスフエノールA型グリシジルエーテル
を使用することが出来る。ビスフエノールA型グ
リシジルエーテルは本来、溶剤系エポキシ樹脂で
あり水には自己分散しない。しかし、このタイプ
のものはビスフエノールA主鎖の側鎖にポリアル
キレングリコールを導入することにより、水に分
散可能なエマルジヨンタイプに変性した自己乳化
型エポキシ樹脂である。自己乳化型エポキシ樹脂
の触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、硼弗化亜鉛、硼弗化マグネシウム、塩化錫
()、四級アンモニウム塩、第三アミン、イミダ
ゾール化合物、三弗化硼素などが使用出来る。ま
た硬化剤としては脂肪族ポリアミン、芳香族ポリ
アミン、第二、第三アミンなどのアミン類、無水
フタル酸などの酸無水物、フエノール樹脂、メラ
ミン樹脂などの合成樹脂初期縮合物、その他ポリ
アミド樹脂、ジシアンジアミドなどを使用するこ
とが出来る。 溶媒としては水単独系または水とアルコール類
などの有機溶媒との混合系の何れでも良い。また
自己乳化型エポキシ樹脂の水への分散化を促進す
るために界面活性剤を樹脂に対し最大10%程度ま
で併用することが出来る。電気絶縁積層板用一次
処理原紙中の自己乳化型エポキシ樹脂の付与率と
しては1〜20%が好適である。 積層板用原紙への一次処理用自己乳化型エポキ
シ樹脂の付与方法としては、従来水または水/有
機溶媒混合溶液の状態で積層板用原紙中に各種含
浸ヘツドによる付与後、横型または縦型の熱風乾
燥装置で乾燥するタイプが用いられる。この場
合、付与紙は走行方向と直行する方向には自由収
縮する。本発明は走行方向と直行する方向の付与
紙の収縮を抑制するため、直行方向に対しても張
力を掛けた状態で乾燥するものである。実際の方
法としては例えば、付与紙が担体と共に伴走され
るシングルカンバス或いはコンベンシヨナルカン
バスを用いた多筒式シリンダー乾燥機やヤンキー
ドライヤーで乾燥することによつて走行方向と直
行する方向の収縮の抑制が可能となる。なお、付
与手段としてはオンマシン(抄紙機)でもオフマ
シン(含浸機、コーターなど)で行なつても良
い。 次に電気絶縁積層板用一次処理原紙に含浸しプ
リプレグとするための積層板用樹脂としては、フ
エノール樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレー
ト樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂
などの合成樹脂が適用可能である。 本発明の積層板用一次処理原紙に上記合成樹脂
ワニスを含浸させてプリプレグとし、次いで、こ
のものを加熱下に積層成形して電気絶縁用積層板
を得るのであるが、その際の含浸乾燥及び加熱成
形には公知の方法を使用することが出来る。プリ
プレグの樹脂含有量は40〜65%の範囲が好適であ
る。合成樹脂には必要に応じて充填、顔料、染
料、可塑剤、難燃剤などを適宜配合することも出
来る。なお上記プリプレグを積層した積層体の片
面ないしは両面に金属箔を載せて加熱積層成形を
行なうと金属箔張り積層板を得ることも出来る。 〔作用〕 ポリアルキレングリコールグリシジルエーテル
(水溶性エポキシ樹脂も含む)をフエノール樹脂
の変性剤として使用することで樹脂を可塑化させ
積層板の打ち抜き加工性を向上させることは既に
報告されている(特開昭55−62916)。 また、水溶性エポキシ樹脂を水溶液の状態でフ
エノール樹脂中ではなく、原紙中に予め付与乾燥
させることによつて積層板の打ち抜き加工性はも
とより寸法安定性、耐熱性も向上させ得ることが
既に報告されている(特開昭61−296199)。本発
明者等はモノ或いはポリアルキレングリコールを
主鎖とするエポキシ樹脂(特開昭61−296199)で
はなく、耐熱性、耐水性の高いビスフエノールA
を主鎖とする自己乳化型のエポキシ樹脂であるポ
リアルキレングリコール変性ビスフエノールA型
グリシジルエーテルをフエノール樹脂中ではな
く、原紙中に予め付与乾燥させることによつて積
層板の打ち抜き加工性はもとより、耐熱性、寸法
安定性を向上させ得るばかりでなく、電子絶縁性
を向上させ得ることを見い出した。このことは、
活性なエポキシ基を持つ自己乳化型エポキシ樹脂
が原紙中に付与され、繊維表面はもとより、ムー
メン或いは繊維壁内にも親水性基を介してエポキ
シ樹脂が存在するため、エポキシ基と木材繊維の
セルロース水酸基との間に化学結合が生じ、更に
後から含浸するフエノール樹脂との親和性を向上
し、複合材料としての原紙とフエノール樹脂との
一体化を促進した結果と考えられる。 また自己乳化型エポキシ樹脂は水溶性のエポキ
シ樹脂より主鎖の耐水性が良好であるため、電気
絶縁積層板での耐水性が向上し、電気特性の向上
にも関与したと考えられる。 本発明者等は自己乳化型エポキシ樹脂を付与さ
せることによつて得られる電気絶縁積層板用一次
処理原紙の製造工程において、付与紙の走行方向
と直行する方向の収縮を抑制して乾燥することに
より得られる一次処理原紙を用いることにより、
電気絶縁用積層板での電気特性及び低温打ち抜き
加工性が良好な状態のまま、寸法安定性を更に大
幅に向上させ得ることを見い出した。この事は自
己乳化型エポキシ樹脂付与紙が緊張乾燥されて内
部応力が高められた結果、熱変化に対する伸縮量
が小さくなつたたためと考えられる。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例及びそれに対応する比較
例を示す。 実施例 1 自己乳化型エポキシ樹脂であるポリアルキレン
グリコール変性ビスフエノールA型グリシジルエ
ーテルで、アルキレンがエチレンであるポリエチ
レングリコール変性ビスフエノールA型グリシジ
ルエーテル100部(以下、総べて重量部)と触媒
としての硼弗化亜鉛2部とを水に溶解し処理液と
する。この処理液を晒クラフトパルプ紙に抄紙機
上で付与し、ヤンキードライヤーにより加熱乾燥
することにより付与率*1 15%、坪量135g/
m2の自己乳化型エポキシ樹脂を含有させた積層板
用一次処理原紙を得た。この一次処理原紙に市販
アルコール溶性桐油変性フエノール樹脂、〔商品
名BLS−3122:昭和高分子(株)製〕を含浸、乾燥
しプリプレグを作製した。次にプリプレグ8枚と
接着剤付き銅箔(厚さ35μm)1枚を積層し、
155℃、100g/cm2、60分間の条件に熱圧成形し化
圧状態のまま、30分間冷却後、樹脂含有率*2
50%、板厚1.6mmの片面銅張り電気絶演積層板を
得た。 *1 付与率=B−A/B×100 *2 樹脂含有率=C−nA/C×100 A:未処理原紙重量(g/m2) B:自己乳化型エポキシ樹脂付与一次処理原紙重
量(g/m2) C:電気絶縁積層板の重量(g/m2) n:電気絶縁積層板1枚当りの積層板用原紙の積
層枚数 実施例 2 実施例1で用いた処理液を晒クラフトパルプ紙
に抄紙機上で付与し、コンベンシヨナルカンバス
を用いた多筒式シリンダーにより加熱乾燥するこ
と以降は実施例1と同様にして樹脂含有率51%、
板厚1.6mmの片面銅張り電気絶縁積層板を得た。 実施例 3 実施例1で用いた処理液を晒クラフトパルプ紙
に従来型含浸ヘツドにより付与後、コンベンシヨ
ナルカンバスを用いた多筒式シリンダーにより加
熱処理すること以降は実施例1と同様にして樹脂
含有率50%、板厚1.6mmの片面銅張り電気絶縁積
層板を得た。 実施例 4 自己乳化型エポキシ樹脂であるポリアルキレン
グリコール変性ビスフエノールA型グリシジルエ
ーテルで、アルキレンがプロピレンであるポリプ
ロピレングリコール変性ビスフエノールA型グリ
シジルエーテル100部と触媒としてKOH2部とを
水に溶解し処理液とした。 以下、実施例1と同様にして板厚1.6mmの片面
銅張り積層板を得た。 比較例 1 実施例1で用いた処理液と晒クラフトパルプ紙
に含浸機(コーター)で付与し、横型の熱風乾燥
機により加熱乾燥すること以降は実施例1と同様
にして樹脂含有率50%、板厚1.6mmの片面銅張り
電気絶縁積層板を得た。 比較例 2 実施例4で用いた処理液を坪量135g/m2のコ
ツトンリンター紙に含浸機で付与し、横型の熱風
乾燥機により加熱乾燥すること以外は実施例4と
同様にして樹脂含有率50%、板厚1.6mmの片面銅
張り電気絶縁積層板を得た。 以上、実施例、比較例の経過を纏めて表に示
す。なお、MDは走行方向、CDは走行方向と直
行する方向を指す。
寸法安定性、打ち抜き加工性、電気特性、耐熱性
の優れた紙基材合成樹脂電気絶縁積層板用一次処
理原紙の製造方法に関するものである。 〔従来の技術〕 積層板用原紙は積層板メーカーにおいてフエノ
ール樹脂などの合成樹脂ワニスを横型または縦型
の熱風乾燥装置を持つた含浸機で含浸乾燥後、加
熱成形されて電気絶縁積層板に加工され、主にプ
リント配線板として民生用、産業用電子機器など
の広範な分野に使用されているが、近年電子機器
の小型化、軽量化、高性能化に伴なつてプリント
配線板の使用条件が苛酷となり、積層板用原紙に
要求される物性が高度化する傾向が強まつて来て
いる。特に高密度配線化に対応するため電気絶縁
積層板での寸法安定性、低温打ち抜き加工性、電
気特性、耐熱性などが良好である積層板用原紙が
求められている。 従来から木材パルプを原料とした積層板用原紙
としては晒クラフトパルプ紙が使われており、寸
法安定性は優れているが低温打ち抜き加工性が劣
り高密度配線積層板用原紙としては問題があつ
た。また非木材パルプを原料としたコツトンリン
ター紙は晒クラフトパルプ紙に較べ打ち抜き加工
性、耐熱性、および電気特性は良好ではあるが寸
法安定性が劣るためこれも高密度配線積層板用原
紙としては適していない。 高密度配線積層板用原紙としては晒クラフトパ
ルプ紙の寸法安定性とコツトンリンター紙の低温
打ち抜き加工性、耐熱性および電気特性を兼ね備
えた原紙の出現が待たれている。一方、積層板用
の合成樹脂サイドでも従来から樹脂の変性、添化
剤の配合などによつて前述の要求品質を満たすべ
く検討が行なわれているが、未だ満足すべき結果
が得られていないのが現状である。特開昭61−
296199、特開昭61−293231では上記の要求を満足
し得る手法を示しているが、寸法安定性に就いて
は従来の晒クラフトパルプ紙並みの程度である。 〔発明が解決しようとする課題〕 本発明は高密度配線板に要求される良好な低温
打ち抜き加工性、耐熱性、電気特性を持ち、なお
且つ特に寸法安定性の更に優れた電気絶縁積層板
用一次処理原紙を提供するものである。 〔課題を解決するための手段〕 本発明は前述の課題を解決するために鋭意検討
を重ねた結果、積層板用原紙に自己乳化型エポキ
シ樹脂を付与乾燥させることによつて得られる電
気絶縁積層板用一次処理原紙の製造工程におい
て、付与紙の走行方向と直行する方向の収縮を抑
制して乾燥することを特徴とする電気絶縁積層板
用一次処理原紙を用いることによりその目的を達
成し得ることを見い出したものである。 なお、ここで言う付与紙とは一次処理用自己乳
化型エポキシ樹脂を付与した直後(乾燥前)のも
のを指し、更に付与紙が乾燥された後のものを一
次処理原紙と定義する。 本発明を更に詳しく説明する。積層板用原紙と
しては上市されている積層板用原紙が使用可能で
あるが、晒クラフトパルプ紙と同等の夾雑物量、
水浸液導電率のものであれば原料パルプの材種、
蒸解方法、漂白方法などに特に制限はない。 本発明に於いて使用する積層板用原紙を抄造す
る際のパルプ水度に就いては特に制限するもの
ではないが、積層板用原紙への樹脂の浸透性を良
好にするためには450mlCSF以上の比較的軽い叩
解のものであることが好ましい。 積層板用原紙の坪量、密度に就いても特に制限
するものではないが、積層板に化工する時の作業
性、生産性などを考慮すると坪量60〜280g/m2、
密度0.4〜0.7g/m3程度が好適である。 積層板用原紙に付与される一次処理用自己乳化
型エポキシ樹脂としては、ポリアルキレングリコ
ール変性ビスフエノールA型グリシジルエーテル
を使用することが出来る。ビスフエノールA型グ
リシジルエーテルは本来、溶剤系エポキシ樹脂で
あり水には自己分散しない。しかし、このタイプ
のものはビスフエノールA主鎖の側鎖にポリアル
キレングリコールを導入することにより、水に分
散可能なエマルジヨンタイプに変性した自己乳化
型エポキシ樹脂である。自己乳化型エポキシ樹脂
の触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、硼弗化亜鉛、硼弗化マグネシウム、塩化錫
()、四級アンモニウム塩、第三アミン、イミダ
ゾール化合物、三弗化硼素などが使用出来る。ま
た硬化剤としては脂肪族ポリアミン、芳香族ポリ
アミン、第二、第三アミンなどのアミン類、無水
フタル酸などの酸無水物、フエノール樹脂、メラ
ミン樹脂などの合成樹脂初期縮合物、その他ポリ
アミド樹脂、ジシアンジアミドなどを使用するこ
とが出来る。 溶媒としては水単独系または水とアルコール類
などの有機溶媒との混合系の何れでも良い。また
自己乳化型エポキシ樹脂の水への分散化を促進す
るために界面活性剤を樹脂に対し最大10%程度ま
で併用することが出来る。電気絶縁積層板用一次
処理原紙中の自己乳化型エポキシ樹脂の付与率と
しては1〜20%が好適である。 積層板用原紙への一次処理用自己乳化型エポキ
シ樹脂の付与方法としては、従来水または水/有
機溶媒混合溶液の状態で積層板用原紙中に各種含
浸ヘツドによる付与後、横型または縦型の熱風乾
燥装置で乾燥するタイプが用いられる。この場
合、付与紙は走行方向と直行する方向には自由収
縮する。本発明は走行方向と直行する方向の付与
紙の収縮を抑制するため、直行方向に対しても張
力を掛けた状態で乾燥するものである。実際の方
法としては例えば、付与紙が担体と共に伴走され
るシングルカンバス或いはコンベンシヨナルカン
バスを用いた多筒式シリンダー乾燥機やヤンキー
ドライヤーで乾燥することによつて走行方向と直
行する方向の収縮の抑制が可能となる。なお、付
与手段としてはオンマシン(抄紙機)でもオフマ
シン(含浸機、コーターなど)で行なつても良
い。 次に電気絶縁積層板用一次処理原紙に含浸しプ
リプレグとするための積層板用樹脂としては、フ
エノール樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレー
ト樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂
などの合成樹脂が適用可能である。 本発明の積層板用一次処理原紙に上記合成樹脂
ワニスを含浸させてプリプレグとし、次いで、こ
のものを加熱下に積層成形して電気絶縁用積層板
を得るのであるが、その際の含浸乾燥及び加熱成
形には公知の方法を使用することが出来る。プリ
プレグの樹脂含有量は40〜65%の範囲が好適であ
る。合成樹脂には必要に応じて充填、顔料、染
料、可塑剤、難燃剤などを適宜配合することも出
来る。なお上記プリプレグを積層した積層体の片
面ないしは両面に金属箔を載せて加熱積層成形を
行なうと金属箔張り積層板を得ることも出来る。 〔作用〕 ポリアルキレングリコールグリシジルエーテル
(水溶性エポキシ樹脂も含む)をフエノール樹脂
の変性剤として使用することで樹脂を可塑化させ
積層板の打ち抜き加工性を向上させることは既に
報告されている(特開昭55−62916)。 また、水溶性エポキシ樹脂を水溶液の状態でフ
エノール樹脂中ではなく、原紙中に予め付与乾燥
させることによつて積層板の打ち抜き加工性はも
とより寸法安定性、耐熱性も向上させ得ることが
既に報告されている(特開昭61−296199)。本発
明者等はモノ或いはポリアルキレングリコールを
主鎖とするエポキシ樹脂(特開昭61−296199)で
はなく、耐熱性、耐水性の高いビスフエノールA
を主鎖とする自己乳化型のエポキシ樹脂であるポ
リアルキレングリコール変性ビスフエノールA型
グリシジルエーテルをフエノール樹脂中ではな
く、原紙中に予め付与乾燥させることによつて積
層板の打ち抜き加工性はもとより、耐熱性、寸法
安定性を向上させ得るばかりでなく、電子絶縁性
を向上させ得ることを見い出した。このことは、
活性なエポキシ基を持つ自己乳化型エポキシ樹脂
が原紙中に付与され、繊維表面はもとより、ムー
メン或いは繊維壁内にも親水性基を介してエポキ
シ樹脂が存在するため、エポキシ基と木材繊維の
セルロース水酸基との間に化学結合が生じ、更に
後から含浸するフエノール樹脂との親和性を向上
し、複合材料としての原紙とフエノール樹脂との
一体化を促進した結果と考えられる。 また自己乳化型エポキシ樹脂は水溶性のエポキ
シ樹脂より主鎖の耐水性が良好であるため、電気
絶縁積層板での耐水性が向上し、電気特性の向上
にも関与したと考えられる。 本発明者等は自己乳化型エポキシ樹脂を付与さ
せることによつて得られる電気絶縁積層板用一次
処理原紙の製造工程において、付与紙の走行方向
と直行する方向の収縮を抑制して乾燥することに
より得られる一次処理原紙を用いることにより、
電気絶縁用積層板での電気特性及び低温打ち抜き
加工性が良好な状態のまま、寸法安定性を更に大
幅に向上させ得ることを見い出した。この事は自
己乳化型エポキシ樹脂付与紙が緊張乾燥されて内
部応力が高められた結果、熱変化に対する伸縮量
が小さくなつたたためと考えられる。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例及びそれに対応する比較
例を示す。 実施例 1 自己乳化型エポキシ樹脂であるポリアルキレン
グリコール変性ビスフエノールA型グリシジルエ
ーテルで、アルキレンがエチレンであるポリエチ
レングリコール変性ビスフエノールA型グリシジ
ルエーテル100部(以下、総べて重量部)と触媒
としての硼弗化亜鉛2部とを水に溶解し処理液と
する。この処理液を晒クラフトパルプ紙に抄紙機
上で付与し、ヤンキードライヤーにより加熱乾燥
することにより付与率*1 15%、坪量135g/
m2の自己乳化型エポキシ樹脂を含有させた積層板
用一次処理原紙を得た。この一次処理原紙に市販
アルコール溶性桐油変性フエノール樹脂、〔商品
名BLS−3122:昭和高分子(株)製〕を含浸、乾燥
しプリプレグを作製した。次にプリプレグ8枚と
接着剤付き銅箔(厚さ35μm)1枚を積層し、
155℃、100g/cm2、60分間の条件に熱圧成形し化
圧状態のまま、30分間冷却後、樹脂含有率*2
50%、板厚1.6mmの片面銅張り電気絶演積層板を
得た。 *1 付与率=B−A/B×100 *2 樹脂含有率=C−nA/C×100 A:未処理原紙重量(g/m2) B:自己乳化型エポキシ樹脂付与一次処理原紙重
量(g/m2) C:電気絶縁積層板の重量(g/m2) n:電気絶縁積層板1枚当りの積層板用原紙の積
層枚数 実施例 2 実施例1で用いた処理液を晒クラフトパルプ紙
に抄紙機上で付与し、コンベンシヨナルカンバス
を用いた多筒式シリンダーにより加熱乾燥するこ
と以降は実施例1と同様にして樹脂含有率51%、
板厚1.6mmの片面銅張り電気絶縁積層板を得た。 実施例 3 実施例1で用いた処理液を晒クラフトパルプ紙
に従来型含浸ヘツドにより付与後、コンベンシヨ
ナルカンバスを用いた多筒式シリンダーにより加
熱処理すること以降は実施例1と同様にして樹脂
含有率50%、板厚1.6mmの片面銅張り電気絶縁積
層板を得た。 実施例 4 自己乳化型エポキシ樹脂であるポリアルキレン
グリコール変性ビスフエノールA型グリシジルエ
ーテルで、アルキレンがプロピレンであるポリプ
ロピレングリコール変性ビスフエノールA型グリ
シジルエーテル100部と触媒としてKOH2部とを
水に溶解し処理液とした。 以下、実施例1と同様にして板厚1.6mmの片面
銅張り積層板を得た。 比較例 1 実施例1で用いた処理液と晒クラフトパルプ紙
に含浸機(コーター)で付与し、横型の熱風乾燥
機により加熱乾燥すること以降は実施例1と同様
にして樹脂含有率50%、板厚1.6mmの片面銅張り
電気絶縁積層板を得た。 比較例 2 実施例4で用いた処理液を坪量135g/m2のコ
ツトンリンター紙に含浸機で付与し、横型の熱風
乾燥機により加熱乾燥すること以外は実施例4と
同様にして樹脂含有率50%、板厚1.6mmの片面銅
張り電気絶縁積層板を得た。 以上、実施例、比較例の経過を纏めて表に示
す。なお、MDは走行方向、CDは走行方向と直
行する方向を指す。
【表】
表から明らかな様に、本発明による乾燥方法で
自己乳化型エポキシ樹脂を付与した一次処理原紙
の品質は、走行方向と直行する方向の張力によ
り、付与紙の直行方向の収縮が抑制されて乾燥さ
れているため、通常の熱風乾燥法で乾燥したもの
より水中伸びが小さくヤング率は高くなつてい
る。また電気絶縁積層板の品質は熱風乾燥法で乾
燥したものと較べ電気特性、打ち抜き加工性は良
好な状態のまま、更に優れた寸法安定性(反り)
を有している。従つて本発明の電気絶縁積層板用
一次処理原紙の工業的意義は極めて大なるものが
ある。
自己乳化型エポキシ樹脂を付与した一次処理原紙
の品質は、走行方向と直行する方向の張力によ
り、付与紙の直行方向の収縮が抑制されて乾燥さ
れているため、通常の熱風乾燥法で乾燥したもの
より水中伸びが小さくヤング率は高くなつてい
る。また電気絶縁積層板の品質は熱風乾燥法で乾
燥したものと較べ電気特性、打ち抜き加工性は良
好な状態のまま、更に優れた寸法安定性(反り)
を有している。従つて本発明の電気絶縁積層板用
一次処理原紙の工業的意義は極めて大なるものが
ある。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 積層板用原紙に自己乳化型エポキシ樹脂を付
与乾燥させることによつて得られる電気絶縁積層
板用一次処理原紙の製造工程において、付与紙の
走行方向と直行する方向の収縮を抑制して乾燥す
ることを特徴とする電気絶縁積層板一次処理原紙
の製造方法。 2 自己乳化型エポキシ樹脂がポリアルキレング
リコール変性ビスフエノールA型グリシジルエー
テルである請求項1記載の電気絶縁積層板用一次
処理原紙の製造方法。 3 自己乳化型エポキシ樹脂がポリエチレングリ
コール変性ビスフエノールA型グリシジルエーテ
ルである請求項1記載の電気絶縁積層板用一次処
理原紙の製造方法。 4 自己乳化型エポキシ樹脂がポリプロピレング
リコール変性ビスフエノールA型グリシジルエー
テルである請求項1記載の電気絶縁積層板用一次
処理原紙の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7812888A JPH0319993A (ja) | 1988-04-01 | 1988-04-01 | 電気絶縁積層板用一次処理原紙の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7812888A JPH0319993A (ja) | 1988-04-01 | 1988-04-01 | 電気絶縁積層板用一次処理原紙の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0319993A JPH0319993A (ja) | 1991-01-29 |
| JPH0565638B2 true JPH0565638B2 (ja) | 1993-09-20 |
Family
ID=13653245
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7812888A Granted JPH0319993A (ja) | 1988-04-01 | 1988-04-01 | 電気絶縁積層板用一次処理原紙の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0319993A (ja) |
-
1988
- 1988-04-01 JP JP7812888A patent/JPH0319993A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0319993A (ja) | 1991-01-29 |
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