JPH0578822A - 薄膜の製造方法 - Google Patents
薄膜の製造方法Info
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- JPH0578822A JPH0578822A JP3243083A JP24308391A JPH0578822A JP H0578822 A JPH0578822 A JP H0578822A JP 3243083 A JP3243083 A JP 3243083A JP 24308391 A JP24308391 A JP 24308391A JP H0578822 A JPH0578822 A JP H0578822A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 薄膜の製造方法において、高分子基板等の支
持基体上に薄膜を形成する場合、支持基体と円筒状キャ
ンの密着性が不充分であると支持基体が熱損傷を受けて
薄膜が形成できないという課題を解決し、支持基体の熱
損傷なしに真空中で金属等の薄膜を形成できる薄膜の製
造方法を提供する。 【構成】 真空中で長尺の支持基体1を円筒状キャン3
に沿って走行させつつ支持基体1上に直接または下地層
を介して薄膜を形成する際に、円筒状キャン3の表面を
絶縁体13で被覆し、薄膜の形成に先立ち円筒状キャン
3の表面に電子ビーム,イオンビーム等の荷電粒子15
を照射する。
持基体上に薄膜を形成する場合、支持基体と円筒状キャ
ンの密着性が不充分であると支持基体が熱損傷を受けて
薄膜が形成できないという課題を解決し、支持基体の熱
損傷なしに真空中で金属等の薄膜を形成できる薄膜の製
造方法を提供する。 【構成】 真空中で長尺の支持基体1を円筒状キャン3
に沿って走行させつつ支持基体1上に直接または下地層
を介して薄膜を形成する際に、円筒状キャン3の表面を
絶縁体13で被覆し、薄膜の形成に先立ち円筒状キャン
3の表面に電子ビーム,イオンビーム等の荷電粒子15
を照射する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体や装飾用
包装紙等において用いる薄膜の製造方法に関する。
包装紙等において用いる薄膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近代社会において薄膜の果たす役割は大
きく、その利用範囲の中でも装飾包装紙や磁気記録媒体
などにおいては大面積の金属薄膜を高速度・低コストで
形成すことが要求されている。大面積の金属薄膜を形成
する代表的な方法の一つとして、真空蒸着法を応用した
連続蒸着法がある。
きく、その利用範囲の中でも装飾包装紙や磁気記録媒体
などにおいては大面積の金属薄膜を高速度・低コストで
形成すことが要求されている。大面積の金属薄膜を形成
する代表的な方法の一つとして、真空蒸着法を応用した
連続蒸着法がある。
【0003】図2は従来の薄膜の製造方法において使用
する装置を示すものであり、この装置による方法は図に
示すように長尺の支持基体1を真空中で供給ロール2よ
り巻き出しつつ円筒状キャン3に沿って走行させながら
所望の蒸気入射角で電子ビーム4を照射して蒸発源5よ
り金属薄膜の蒸着を行い、その後巻き取りロール6に巻
き取る方法であり、この方法を用いることにより、金属
薄膜を高速かつ連続して形成することができる。例えば
磁気テープの製造においては、図2でポリエチレンテレ
フタレート(PET)などの高分子フィルム基板よりな
る支持基体1が円筒状キャン3の周面に沿って走行中
に、磁性材料が充填された蒸発源5から磁性層を電子ビ
ーム蒸着することによって磁気テープの量産ができる。
なお、図において、7は支持基体1の走行方向、8は開
口部9を備えたマスク、10は排気系11によって真空
排気された真空槽である。
する装置を示すものであり、この装置による方法は図に
示すように長尺の支持基体1を真空中で供給ロール2よ
り巻き出しつつ円筒状キャン3に沿って走行させながら
所望の蒸気入射角で電子ビーム4を照射して蒸発源5よ
り金属薄膜の蒸着を行い、その後巻き取りロール6に巻
き取る方法であり、この方法を用いることにより、金属
薄膜を高速かつ連続して形成することができる。例えば
磁気テープの製造においては、図2でポリエチレンテレ
フタレート(PET)などの高分子フィルム基板よりな
る支持基体1が円筒状キャン3の周面に沿って走行中
に、磁性材料が充填された蒸発源5から磁性層を電子ビ
ーム蒸着することによって磁気テープの量産ができる。
なお、図において、7は支持基体1の走行方向、8は開
口部9を備えたマスク、10は排気系11によって真空
排気された真空槽である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】連続法によって金属薄
膜を形成する場合、支持基体1と円筒状キャン3との密
着性は安定した金属薄膜形成のためには非常に重要な問
題である。すなわち高速度で薄膜の形成を行うので、支
持基体1に付着する原子の凝縮熱は非常に大きく、支持
基体1と円筒状キャン3の密着性が不十分であると支持
基体1は熱損傷を受けるという課題がある。
膜を形成する場合、支持基体1と円筒状キャン3との密
着性は安定した金属薄膜形成のためには非常に重要な問
題である。すなわち高速度で薄膜の形成を行うので、支
持基体1に付着する原子の凝縮熱は非常に大きく、支持
基体1と円筒状キャン3の密着性が不十分であると支持
基体1は熱損傷を受けるという課題がある。
【0005】支持基体1から円筒状キャン3への熱の逃
げを十分にするために円筒状キャン3の表面を平滑にす
ることも一般に行われている。さらに支持基体1と円筒
状キャン3を静電引力によって張り付かせることも有効
である。その手段として、図3に示すように支持基体1
の表面に電子ビーム12を照射することが提案されてい
るが、支持基体1への電子打ち込みによる悪影響、特に
積層膜の場合の繰り返し電子照射によって支持基体1が
劣化するという課題がある。
げを十分にするために円筒状キャン3の表面を平滑にす
ることも一般に行われている。さらに支持基体1と円筒
状キャン3を静電引力によって張り付かせることも有効
である。その手段として、図3に示すように支持基体1
の表面に電子ビーム12を照射することが提案されてい
るが、支持基体1への電子打ち込みによる悪影響、特に
積層膜の場合の繰り返し電子照射によって支持基体1が
劣化するという課題がある。
【0006】本発明は上記課題を解決するものであり、
支持基体を何ら損傷することなく金属薄膜等を形成する
ことができる薄膜の製造方法を提供することを目的とす
る。
支持基体を何ら損傷することなく金属薄膜等を形成する
ことができる薄膜の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、真空中で長尺の支持基体を円筒状キャンに沿
って走行させつつ支持基体上に直接または下地層を介し
て金属薄膜を形成する薄膜の製造方法において、円筒状
キャンの表面を絶縁体で被覆し、金属薄膜の形成に先立
ち円筒状キャンの表面に荷電粒子を照射するものであ
る。
本発明は、真空中で長尺の支持基体を円筒状キャンに沿
って走行させつつ支持基体上に直接または下地層を介し
て金属薄膜を形成する薄膜の製造方法において、円筒状
キャンの表面を絶縁体で被覆し、金属薄膜の形成に先立
ち円筒状キャンの表面に荷電粒子を照射するものであ
る。
【0008】
【作用】したがって本発明によれば、表面が絶縁体であ
る円筒状キャンに荷電粒子を照射することにより、円筒
状キャン表面が帯電状態になり、この円筒状キャンに沿
って支持基体を走行させることによって支持基体は円筒
状キャンの表面に静電引力によって密着する。これによ
って蒸着時に支持基体が熱損傷を受けることなく、金属
薄膜が形成できる。また円筒状キャンに荷電粒子を照射
するので金属薄膜を積層形成する場合にも荷電粒子の繰
り返し照射による支持基体の劣化を防止することができ
る。
る円筒状キャンに荷電粒子を照射することにより、円筒
状キャン表面が帯電状態になり、この円筒状キャンに沿
って支持基体を走行させることによって支持基体は円筒
状キャンの表面に静電引力によって密着する。これによ
って蒸着時に支持基体が熱損傷を受けることなく、金属
薄膜が形成できる。また円筒状キャンに荷電粒子を照射
するので金属薄膜を積層形成する場合にも荷電粒子の繰
り返し照射による支持基体の劣化を防止することができ
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図1ととも
に図2、図3と同一部分には同一番号を付して詳しい説
明を省略し、相違する点について説明する。図に示すよ
うに、排気系11によって真空排気された真空槽10の
中で供給ロール2から走行方向7に沿って巻出された長
尺の高分子基板よりなる支持基体1は金属薄膜形成用の
円筒状キャン3の周面に沿って走行中に電子ビーム4を
照射されている蒸発源5よりマスク8の開口部9より金
属薄膜の蒸着を受けた後に、巻き取りロール6に巻き取
られる。この際円筒状キャン3の周表面は絶縁体13で
覆われており、この部分に密着用電子ビーム源14から
電子ビーム15の照射を行う。また金属薄膜の多層化は
この工程を繰り返し行うことによって行われる。
に図2、図3と同一部分には同一番号を付して詳しい説
明を省略し、相違する点について説明する。図に示すよ
うに、排気系11によって真空排気された真空槽10の
中で供給ロール2から走行方向7に沿って巻出された長
尺の高分子基板よりなる支持基体1は金属薄膜形成用の
円筒状キャン3の周面に沿って走行中に電子ビーム4を
照射されている蒸発源5よりマスク8の開口部9より金
属薄膜の蒸着を受けた後に、巻き取りロール6に巻き取
られる。この際円筒状キャン3の周表面は絶縁体13で
覆われており、この部分に密着用電子ビーム源14から
電子ビーム15の照射を行う。また金属薄膜の多層化は
この工程を繰り返し行うことによって行われる。
【0010】(実施例1)支持基体1として厚さ10μ
mのポリエチレンテレフタレート基板(以下、PET基
板と記す)を用い、酸素ガスを導入しつつ蒸着を行うこ
とにより、金属薄膜として厚さ200nmのCo−O金
属薄膜(図示せず)を形成した。また、円筒状キャン3
の周表面は厚さ50μmのSiO2よりなる絶縁体13
で被覆した。密着用電子ビーム源14から円筒状キャン
3までの距離30cmから電子ビーム15を照射しなが
ら、膜堆積速度400nm/sで円筒状キャン3の温度
を変化させて蒸着を行った。
mのポリエチレンテレフタレート基板(以下、PET基
板と記す)を用い、酸素ガスを導入しつつ蒸着を行うこ
とにより、金属薄膜として厚さ200nmのCo−O金
属薄膜(図示せず)を形成した。また、円筒状キャン3
の周表面は厚さ50μmのSiO2よりなる絶縁体13
で被覆した。密着用電子ビーム源14から円筒状キャン
3までの距離30cmから電子ビーム15を照射しなが
ら、膜堆積速度400nm/sで円筒状キャン3の温度
を変化させて蒸着を行った。
【0011】電子ビーム15を照射しない場合、円筒状
キャン3の温度が10゜C以下ではCo−O層の蒸着が
できたが、円筒状キャン3の温度が10゜Cを超えると
PET基板1の熱損傷が発生し、その温度が30゜C以
上ではPET基板1が分解して全く蒸着はできなかっ
た。
キャン3の温度が10゜C以下ではCo−O層の蒸着が
できたが、円筒状キャン3の温度が10゜Cを超えると
PET基板1の熱損傷が発生し、その温度が30゜C以
上ではPET基板1が分解して全く蒸着はできなかっ
た。
【0012】これに対して密着用電子ビーム源14を用
いて電子ビーム15を照射した場合には、例えば加速電
圧2kV、ビーム電流200mAとすることによって円
筒状キャン3の温度が30゜Cまで安定な蒸着を行うこ
とができた。同様の実験を円筒状キャン3の表面のSi
O2よりなる絶縁体13の厚みのみを変えて行ったとこ
ろ、絶縁体13の厚さが10μmの時蒸着可能な円筒状
キャン3の温度は15゜C、20μmの時は20゜Cであ
った。
いて電子ビーム15を照射した場合には、例えば加速電
圧2kV、ビーム電流200mAとすることによって円
筒状キャン3の温度が30゜Cまで安定な蒸着を行うこ
とができた。同様の実験を円筒状キャン3の表面のSi
O2よりなる絶縁体13の厚みのみを変えて行ったとこ
ろ、絶縁体13の厚さが10μmの時蒸着可能な円筒状
キャン3の温度は15゜C、20μmの時は20゜Cであ
った。
【0013】(実施例2)支持基体1として実施例と同
じPET基板を用い、酸素ガスを導入しつつ蒸着を行う
ことにより、金属薄膜として厚さ100nmのCo−O
金属薄膜を形成した。これを2回繰り返すことによって
200nmのCo−O金属薄膜を形成した。
じPET基板を用い、酸素ガスを導入しつつ蒸着を行う
ことにより、金属薄膜として厚さ100nmのCo−O
金属薄膜を形成した。これを2回繰り返すことによって
200nmのCo−O金属薄膜を形成した。
【0014】円筒状キャン3の周表面は厚さ50μmの
SiO2よりなる絶縁体13で被覆し、密着用電子ビー
ム源14から円筒状キャン3までの距離30cmから電
子ビーム15を照射しながら膜堆積速度を400nm/
sで円筒状キャン温度を変化させて蒸着を行った。
SiO2よりなる絶縁体13で被覆し、密着用電子ビー
ム源14から円筒状キャン3までの距離30cmから電
子ビーム15を照射しながら膜堆積速度を400nm/
sで円筒状キャン温度を変化させて蒸着を行った。
【0015】電子ビーム15を照射しない場合、2層目
形成時の円筒状キャン3の温度が0゜C以下ではCo−
O層の蒸着ができたが、その温度が0゜Cを超えるとP
ET基板1の熱損傷が発生し、2層目形成時の円筒状キ
ャン3の温度が15゜C以上になるとPET基板1が分
解して全く蒸着はできなかった。これに対して密着用電
子ビーム源14を用いて電子ビーム15を照射した場合
には、例えば加速電圧2kV、ビーム電流200mAと
することによって2層目形成時の円筒状キャン3の温度
が35゜Cまで安定な蒸着を行うことができた。
形成時の円筒状キャン3の温度が0゜C以下ではCo−
O層の蒸着ができたが、その温度が0゜Cを超えるとP
ET基板1の熱損傷が発生し、2層目形成時の円筒状キ
ャン3の温度が15゜C以上になるとPET基板1が分
解して全く蒸着はできなかった。これに対して密着用電
子ビーム源14を用いて電子ビーム15を照射した場合
には、例えば加速電圧2kV、ビーム電流200mAと
することによって2層目形成時の円筒状キャン3の温度
が35゜Cまで安定な蒸着を行うことができた。
【0016】(実施例3)支持基体1として厚さ10μ
mのポリイミド基板(以下、PI基板と記す)を用い、
金属薄膜として厚さ200nmのCo−Cr金属薄膜を
形成した。また円筒状キャン3の周表面は厚さ50μm
のSiO2よりなる絶縁体13で被覆した。密着用電子
ビーム源14から円筒状キャン3までの距離30cmか
ら電子ビーム15を照射しながら膜堆積速度600nm
/sで円筒状キャン3の温度を変化させて蒸着を行っ
た。
mのポリイミド基板(以下、PI基板と記す)を用い、
金属薄膜として厚さ200nmのCo−Cr金属薄膜を
形成した。また円筒状キャン3の周表面は厚さ50μm
のSiO2よりなる絶縁体13で被覆した。密着用電子
ビーム源14から円筒状キャン3までの距離30cmか
ら電子ビーム15を照射しながら膜堆積速度600nm
/sで円筒状キャン3の温度を変化させて蒸着を行っ
た。
【0017】電子ビーム15を照射しない場合、円筒状
キャン3の温度が50゜C以下ではCo−Cr層の蒸着
はできたが、その温度が50゜Cを超えるとPI基板1
の熱損傷が発生し、円筒状キャン3の温度が80゜C以
上ではPI基板1が分解して全く蒸着はできなかった。
これに対して密着用電子ビーム源14を用いて電子ビー
ム15を照射した場合には、例えば加速電圧2kV、ビ
ーム電流200mAとすることによって円筒状キャン3
の温度が250゜Cまで安定な蒸着を行うことができ
た。
キャン3の温度が50゜C以下ではCo−Cr層の蒸着
はできたが、その温度が50゜Cを超えるとPI基板1
の熱損傷が発生し、円筒状キャン3の温度が80゜C以
上ではPI基板1が分解して全く蒸着はできなかった。
これに対して密着用電子ビーム源14を用いて電子ビー
ム15を照射した場合には、例えば加速電圧2kV、ビ
ーム電流200mAとすることによって円筒状キャン3
の温度が250゜Cまで安定な蒸着を行うことができ
た。
【0018】(実施例4)支持基体1として実施例3と
同じPI基板を用い、金属薄膜として厚さ100nmの
Co−Cr金属薄膜を形成した。これを2回繰り返すこ
とによって200nmのCo−Cr金属薄膜を形成し
た。円筒状キャン3の周表面は厚さ50μmのSiO2
よりなる絶縁体13で被覆し、密着用電子ビーム源14
から円筒状キャン3までの距離30cmから電子ビーム
15を照射しながら膜堆積速度600nm/sで円筒状
キャン3の温度を変化させて蒸着を行った。
同じPI基板を用い、金属薄膜として厚さ100nmの
Co−Cr金属薄膜を形成した。これを2回繰り返すこ
とによって200nmのCo−Cr金属薄膜を形成し
た。円筒状キャン3の周表面は厚さ50μmのSiO2
よりなる絶縁体13で被覆し、密着用電子ビーム源14
から円筒状キャン3までの距離30cmから電子ビーム
15を照射しながら膜堆積速度600nm/sで円筒状
キャン3の温度を変化させて蒸着を行った。
【0019】電子ビーム15を照射しない場合、2層目
形成時の円筒状キャン3の温度が30゜C以下ではCo
−Cr層の蒸着はできたが、その温度が30゜Cを超え
るとPI基板1の熱損傷が発生し、2層目形成時の円筒
状キャン3の温度が50゜C以上ではPI基板1が分解
して全く蒸着はできなかった。これに対して密着用電子
ビーム源14を用いて電子ビーム15を照射した場合に
は、例えば加速電圧2kV、ビーム電流200mAとす
ることによって2層目形成時の円筒状キャン3の温度が
300゜Cまで安定な蒸着を行うことができた。
形成時の円筒状キャン3の温度が30゜C以下ではCo
−Cr層の蒸着はできたが、その温度が30゜Cを超え
るとPI基板1の熱損傷が発生し、2層目形成時の円筒
状キャン3の温度が50゜C以上ではPI基板1が分解
して全く蒸着はできなかった。これに対して密着用電子
ビーム源14を用いて電子ビーム15を照射した場合に
は、例えば加速電圧2kV、ビーム電流200mAとす
ることによって2層目形成時の円筒状キャン3の温度が
300゜Cまで安定な蒸着を行うことができた。
【0020】(実施例5)支持基体1として厚さ6μm
を有する実施例1と同じPET基板を用い、金属薄膜と
して厚さ50nmのCo−O金属薄膜を形成した。これ
を4回繰り返すことにより200nmのCo−O金属薄
膜を形成した。円筒状キャン3の周表面は厚さ50μm
のSiO2より絶縁体13で被覆し、密着用電子ビーム
源14から円筒状キャン3までの距離30cmから電子
ビーム15を照射しながら膜堆積速度400nm/sで
円筒状キャン3の温度を変化させて蒸着を行った。
を有する実施例1と同じPET基板を用い、金属薄膜と
して厚さ50nmのCo−O金属薄膜を形成した。これ
を4回繰り返すことにより200nmのCo−O金属薄
膜を形成した。円筒状キャン3の周表面は厚さ50μm
のSiO2より絶縁体13で被覆し、密着用電子ビーム
源14から円筒状キャン3までの距離30cmから電子
ビーム15を照射しながら膜堆積速度400nm/sで
円筒状キャン3の温度を変化させて蒸着を行った。
【0021】電子ビーム15を照射しない場合、2層目
形成時の円筒状キャン3の温度を0゜Cとした場合でも
PET基板1の熱損傷がひどく金属薄膜の形成はできな
かった。また図3に示す従来の製造方法によって4層の
積層を行った場合には、円筒状キャン3の温度が15゜
Cを超えると積層を繰り返すにしたがってPET基板1
の熱損傷が顕著に認められるが、本発明の方法を用いた
場合には円筒状キャン3の温度が25゜Cにおいても4
層の積層がPET基板1の熱損傷なしに行うことができ
た。
形成時の円筒状キャン3の温度を0゜Cとした場合でも
PET基板1の熱損傷がひどく金属薄膜の形成はできな
かった。また図3に示す従来の製造方法によって4層の
積層を行った場合には、円筒状キャン3の温度が15゜
Cを超えると積層を繰り返すにしたがってPET基板1
の熱損傷が顕著に認められるが、本発明の方法を用いた
場合には円筒状キャン3の温度が25゜Cにおいても4
層の積層がPET基板1の熱損傷なしに行うことができ
た。
【0022】(実施例6)支持基体1として実施例1と
同じPET基板を用い、酸素ガスを導入しつつ蒸着を行
うことにより、金属薄膜として厚さ200nmのCo−
O金属薄膜を形成した。また円筒状キャン3の周表面は
厚さ50μmのSiO2よりなる絶縁体12で被覆し
た。図1に示す密着用電子ビーム源14の代わりにイオ
ン源を用い、イオン源から円筒状キャン3までの距離3
0cmから電子ビーム15の代わりにイオンビームを照
射しながら膜堆積速度400nm/sで円筒状キャン3
の温度を変化させて蒸着を行った。
同じPET基板を用い、酸素ガスを導入しつつ蒸着を行
うことにより、金属薄膜として厚さ200nmのCo−
O金属薄膜を形成した。また円筒状キャン3の周表面は
厚さ50μmのSiO2よりなる絶縁体12で被覆し
た。図1に示す密着用電子ビーム源14の代わりにイオ
ン源を用い、イオン源から円筒状キャン3までの距離3
0cmから電子ビーム15の代わりにイオンビームを照
射しながら膜堆積速度400nm/sで円筒状キャン3
の温度を変化させて蒸着を行った。
【0023】イオンビームを照射しない場合、円筒状キ
ャン3の温度が10゜C以下ではCo−O層の蒸着がで
きたが、円筒状キャン3の温度が10゜Cを超えるとP
ET基板1の熱損傷が発生し、円筒状キャン3の温度が
30゜C以上ではPET基板1が分解して全く蒸着はで
きなかった。これに対してイオンビームを照射した場合
には、例えばビーム電圧500V、ビーム電流100m
Aとすることによって円筒状キャン3の温度が25゜C
まで安定な蒸着を行うことができた。
ャン3の温度が10゜C以下ではCo−O層の蒸着がで
きたが、円筒状キャン3の温度が10゜Cを超えるとP
ET基板1の熱損傷が発生し、円筒状キャン3の温度が
30゜C以上ではPET基板1が分解して全く蒸着はで
きなかった。これに対してイオンビームを照射した場合
には、例えばビーム電圧500V、ビーム電流100m
Aとすることによって円筒状キャン3の温度が25゜C
まで安定な蒸着を行うことができた。
【0024】このように上記実施例によれば、真空中で
長尺の支持基体1を円筒状キャン3に沿って走行させつ
つ金属薄膜を形成する際に、円筒状キャン3の表面を絶
縁体13で被覆し、円筒状キャン3の表面に電子ビーム
15やイオンビーム等の荷電粒子を照射することによ
り、支持基体1と円筒状キャン3との密着性を高め、支
持基体1の熱損傷を小さくして金属薄膜の形成を行うこ
とができる。
長尺の支持基体1を円筒状キャン3に沿って走行させつ
つ金属薄膜を形成する際に、円筒状キャン3の表面を絶
縁体13で被覆し、円筒状キャン3の表面に電子ビーム
15やイオンビーム等の荷電粒子を照射することによ
り、支持基体1と円筒状キャン3との密着性を高め、支
持基体1の熱損傷を小さくして金属薄膜の形成を行うこ
とができる。
【0025】支持基体1と円筒状キャン3の密着性は円
筒状キャン3の表面の絶縁体13と支持基体1上に形成
されている金属薄膜層との間の静電引力による。したが
って、支持基体1上に予め金属薄膜層が形成されている
場合には金属薄膜層の形成初期から支持基体1と円筒状
キャン3は強い密着状態にあるが、支持基体1上に予め
金属薄膜層が形成されていない場合には真空プロセスで
の製膜によって金属薄膜層が多少形成されてより後に支
持基体1と円筒状キャン3との静電引力による密着が得
られる。
筒状キャン3の表面の絶縁体13と支持基体1上に形成
されている金属薄膜層との間の静電引力による。したが
って、支持基体1上に予め金属薄膜層が形成されている
場合には金属薄膜層の形成初期から支持基体1と円筒状
キャン3は強い密着状態にあるが、支持基体1上に予め
金属薄膜層が形成されていない場合には真空プロセスで
の製膜によって金属薄膜層が多少形成されてより後に支
持基体1と円筒状キャン3との静電引力による密着が得
られる。
【0026】したがって、熱損傷防止の効果は支持基体
1上に予め金属薄膜層が形成されている場合の方が大き
い。したがって、どちらかといえば本発明は多層膜の積
層時により大きな効果を発揮するものであり、(実施例
1)、(実施例2)の結果もこれを示唆している。(実
施例3)、(実施例4)の比較においても同様である。
1上に予め金属薄膜層が形成されている場合の方が大き
い。したがって、どちらかといえば本発明は多層膜の積
層時により大きな効果を発揮するものであり、(実施例
1)、(実施例2)の結果もこれを示唆している。(実
施例3)、(実施例4)の比較においても同様である。
【0027】また、その際に円筒状キャン3の表面の絶
縁体13の厚みはある程度大きいほうがより強い密着性
が得られ、円筒状キャン3の温度が高くても蒸着可能で
あることが(実施例1)の結果から分かる。これは次の
理由によると考察される。
縁体13の厚みはある程度大きいほうがより強い密着性
が得られ、円筒状キャン3の温度が高くても蒸着可能で
あることが(実施例1)の結果から分かる。これは次の
理由によると考察される。
【0028】電子ビーム15やイオンビーム等の荷電粒
子の照射による静電引力は絶縁体13と円筒状キャン3
の本体間、および絶縁体13と支持基体1の表面の金属
薄膜層間の両方に働くが、実際に熱損傷防止に寄与する
後者の静電引力の成分が、絶縁体13の厚みの増加とと
もに大きくなるためと思われる。
子の照射による静電引力は絶縁体13と円筒状キャン3
の本体間、および絶縁体13と支持基体1の表面の金属
薄膜層間の両方に働くが、実際に熱損傷防止に寄与する
後者の静電引力の成分が、絶縁体13の厚みの増加とと
もに大きくなるためと思われる。
【0029】したがって絶縁体13の厚みは支持基体1
の厚みと同等以上であることがより好ましい。
の厚みと同等以上であることがより好ましい。
【0030】なお、実施例としては、支持基体1として
ポリエチレンテレフタレート(PET)・ポリイミド
(PI)を用いた場合についてのみ述べてきたが、ポリ
エチレンナフタレート、ポリアミド,アラミド等の他の
基板を用いた場合にも同様の効果が得られる。
ポリエチレンテレフタレート(PET)・ポリイミド
(PI)を用いた場合についてのみ述べてきたが、ポリ
エチレンナフタレート、ポリアミド,アラミド等の他の
基板を用いた場合にも同様の効果が得られる。
【0031】また、金属薄膜としてCo−O,Co−C
rを形成する場合についてのみ述べたが、そのほかの磁
性材料および磁性材料以外の金属薄膜や、非金属薄膜を
形成する場合にも本発明が有効であることは言うまでも
ない。
rを形成する場合についてのみ述べたが、そのほかの磁
性材料および磁性材料以外の金属薄膜や、非金属薄膜を
形成する場合にも本発明が有効であることは言うまでも
ない。
【0032】また真空製膜法としては、真空蒸着法につ
いてのみ述べたが、スパッタ法,イオンプレーティング
法,クラスターイオンビーム蒸着法などの真空蒸着法以
外の真空製膜方法についても有効であることは言うまで
もない。
いてのみ述べたが、スパッタ法,イオンプレーティング
法,クラスターイオンビーム蒸着法などの真空蒸着法以
外の真空製膜方法についても有効であることは言うまで
もない。
【0033】
【発明の効果】上記実施例より明らかなように本発明
は、円筒状キャンの表面を絶縁体で被覆し、支持基体上
に金属薄膜を形成するときに円筒状キャンの表面に荷電
粒子を照射するものであり、支持基体に熱損傷を与える
ことなく薄膜を形成することができる。
は、円筒状キャンの表面を絶縁体で被覆し、支持基体上
に金属薄膜を形成するときに円筒状キャンの表面に荷電
粒子を照射するものであり、支持基体に熱損傷を与える
ことなく薄膜を形成することができる。
【図1】本発明の一実施例の薄膜の製造方法を実施する
ための装置の部分断面正面図
ための装置の部分断面正面図
【図2】従来の薄膜の製造方法に使用される装置の部分
断面正面図
断面正面図
【図3】同他の装置の部分断面正面図
1 支持基体 3 円筒状キャン 10 真空槽 13 絶縁体 15 電子ビーム(荷電粒子)
Claims (3)
- 【請求項1】真空中で長尺の支持基体を円筒状キャンに
沿って走行させつつ前記支持基体上に直接または下地層
を介して金属薄膜を形成する薄膜の製造方法において、
前記円筒状キャンの表面を絶縁体で被覆し、前記金属薄
膜の形成に先立ち前記円筒状キャンの表面に荷電粒子を
照射することを特徴とする薄膜の製造方法。 - 【請求項2】円筒状キャンの表面を被覆する絶縁体の厚
みが支持基体の厚みと同等以上であることを特徴とする
請求項1記載の薄膜の製造方法。 - 【請求項3】支持基体上に下地層として予め金属薄膜層
が形成されていることを特徴とする請求項1または2記
載の薄膜の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3243083A JPH0578822A (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 薄膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3243083A JPH0578822A (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 薄膜の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0578822A true JPH0578822A (ja) | 1993-03-30 |
Family
ID=17098530
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3243083A Pending JPH0578822A (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 薄膜の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0578822A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009263740A (ja) * | 2008-04-28 | 2009-11-12 | Toray Ind Inc | 金属酸化物薄膜付きシートの製造方法および製造装置 |
-
1991
- 1991-09-24 JP JP3243083A patent/JPH0578822A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009263740A (ja) * | 2008-04-28 | 2009-11-12 | Toray Ind Inc | 金属酸化物薄膜付きシートの製造方法および製造装置 |
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