JPH0611790B2 - 芳香族ポリスルホンの親水化法 - Google Patents

芳香族ポリスルホンの親水化法

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JPH0611790B2 JP4199486A JP4199486A JPH0611790B2 JP H0611790 B2 JPH0611790 B2 JP H0611790B2 JP 4199486 A JP4199486 A JP 4199486A JP 4199486 A JP4199486 A JP 4199486A JP H0611790 B2 JPH0611790 B2 JP H0611790B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、芳香族ポリスルホンの親水化法に関するもの
であり、更に詳しくは、芳香族ポリスルホンと親水性化
合物をエーテル結合によって結合せしめることにより、
芳香族ポリスルホンを親水化し、フィルム、各種成形
物、コーティング材、分離膜等の形成に適した素材を提
供する方法に関するものである。
〔従来技術〕
芳香族ポリスルホンは、化学的及び熱的に耐久性の優れ
たエンジニアリング樹脂として数多くの種類が知られ、
その内のいく種類かは、フィルム、各種成形物、コーテ
ィング材、分離膜等の形成素材として広く使用されてい
る。しかし、芳香族ポリスルホンは優れた耐久性を示す
反面、疎水的な性質を持ち、その吸水率は親水性樹脂と
して知られている酢酸セルロースの10分1以下であ
る。従って、この疎水的な性質のため、従来の芳香族ポ
リスルホン樹脂は、表面が「水でぬれにくく乾燥しやす
い」、「汚れやすい」、「帯電しやすい」、「接着しに
くい」など数多くの問題点があった。
この様な問題点を解決するため、親水性の改善された芳
香族ポリスルホン樹脂あるいは芳香族ポリスルホン自身
を親水化する方法が、種々提案されている。芳香族ポリ
スルホン樹脂の親水性を改善する方法として最も一般的
で簡便な方法は、グリセリンやポリエチレングリコール
などの親水性物質や界面活性剤、あるいは親水性ポリマ
ーを芳香族ポリスルホンと混合し樹脂中に含有せしめる
か、樹脂表面にコーティングする方法である。例えば特
開昭56−155243号は、芳香族ポリスルホンとポ
リアルキレンオキシドの相溶性ブレンド物により、親水
化された芳香族ポリスルホン樹脂を提供する方法を提案
している。しかし、この様な水溶性の添加物は樹脂が水
と接触することにより溶出除去されてしまう。従って、
むしろ添加物を水で抽出除去することによって芳香族ポ
リスルホン樹脂の多孔体を作製する目的に適した方法と
言えるが本質的に親水化された芳香族ポリスルホン樹脂
を得る方法としては不適切であった。また、樹脂表面に
コーティングする方法も同じ理由から不適切と言わざる
をえなかった。
一方、本質的に芳香族ポリスルホン自身を親水化する方
法として、芳香族ポリスルホンの主鎖の芳香環に、親水
基もしくは親水性ポリマーを共有結合により直接結合さ
せる改質手段が、種々提案されている。
例えば、特公昭53−13679号、特開昭59−19
6322号などは、ポリマー主鎖にスルホン酸基を、特
開昭59−196321号は、ポリマー主鎖にスルホン
アミド基を、特開昭57−174104号はポリマー主
鎖にポリエチレンイミンポリマーを、それぞれ導入もし
くはグラフトすることにより、芳香族ポリスルホンを親
水化する方法を提案している。
しかし、これらの親水化方法は、ポリマー主鎖そのもの
に親水性の置換基が導入されるため、耐熱性などの物性
が劣化することは避けられなかった。さらに、親水基の
導入を制御することが難かしく、親水基の導入が多くな
るとポリマー主鎖の親水性が増加し、水で膨潤あるいは
溶解するポリマーにまで改質されてしまうなど、著しい
ポリマー物性の変化を伴う親水化法だと言わざるをえな
かった。
〔発明の目的〕
本発明者らは、上記に鑑みて鋭意研究した結果、分子末
端にフェノラートアニオン基を有する芳香族ポリスルホ
ンと、活性な脱離性基を有する親水性化合物であるポリ
オール類誘導体を反応させることにより、芳香族ポリス
ルホンの親水化を行なえることを見い出し、本発明を完
成するに至った。
本発明の目的とするところは、芳香族ポリスルホンの分
子末端にポリオール類をエーテル結合によって結合せし
めることにより、芳香族ポリスルホンの持つ耐熱性とい
った物性をほとんど損うことなしに、芳香族ポリスルホ
ンの親水化を行なえる方法を提供することにある。
〔発明の構成〕
即ち、本発明の芳香族ポリスルホンの親水化法は、分子
末端にフェノラートアニオン基を有する芳香族ポリスル
ホンと、アルカリ性条件下で親電子置換反応により脱離
する脱離性基を有するポリオール類誘導体群より選ばれ
る少なくとも1種とを反応させることにより、芳香族ポ
リスルホンの分子末端に親水性化合物であるポリオール
類をエーテル結合によって結合させることを特徴とす
る。
ここで、芳香族ポリスルホンとは、次の一般式(I)又は
(II)で表わされる繰り返し単位を有する重合体である。
−M−SO2−M−SO2−M−O−(II) (ただし、Mはそれぞれ同一又は異なる芳香族基を示
し、Rは二価の有機基を示し、a,bおよびcはそれぞ
れ0又は1を示す。) 具体例としては、次のいずれかの繰り返し単位 又は を有する芳香族ポリスルホンが好適に用いられ、特に上
記(1),(2)の繰り返し単位を有する芳香族ポリスルホン
が好ましい。
これらの芳香族ポリスルホンは、ジハロゲン化ジフェニ
ルスルホン、ジハロゲン化ジフェニルスルホンとビスフ
ェノール、あるいは芳香族ジスルホニルハライドとビス
フェノール等のモノマーを水酸化カリウムなどのアルカ
リを用いて重縮合させる公知の手段により合成できる。
さらに、重合条件を適切に選ぶことにより、あるいは、
上記の重合で得られた他種の末端基を有する芳香族ポリ
スルホンから公知の手段、例えばモノクロロフェニル基
末端の場合には水酸化カリウム等で処理することで、分
子末端にフェノラートアニオン基を有する芳香族ポリス
ルホンを得ることもできる。また、例えばインペリアル
ケミカルインダストリーズ社より市販されているVictre
xという商品群の中に、末端がモノヒドロキシフェニル
基である芳香族ポリスルホンがあり、これを用いること
もできる。
なお、本発明にいうフェノラートアニオン基とは、フェ
ノール性水酸基が、例えばアルカリ金属と塩を形成して
フェノラートアニオン化されている場合は勿論のこと、
モノヒドロキシフェニル基である場合も含むものであ
る。
本発明の芳香族ポリスルホンとポリオール類誘導体との
反応は、上記の芳香族ポリスルホンの末端基のモノヒド
ロキンフェニル基が、アルカリによりフェノラートアニ
オン化され、これと活性な脱離性基を有するポリオール
類誘導体による親電子置換反応によって進行すると考え
られる。反応後、回収されたポリマーは、芳香族ポリス
ルホンの分子末端にポリオール類がエーテル結合によっ
て結合したブロック状の構造を持ち、これは270MHzF
T−NMRスペクトル分析を行なうことにより確認された。
本発明に用いられる親水化剤としてのポリオール類誘導
体とは、活性な脱離性基を1個以上有し、かつ分子内に
1個以上の水酸基を有する化合物をいい、例えばエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、グリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリ
トールおよびイノシトールなどのポリオール類およびこ
れらの誘導体に活性な脱離性基を導入した誘導体をい
う。
ここで、活性な脱離性基とは、フェノラートアニオンと
の親電子置換反応において脱離基となる、の立体障害な
ど反応性低下の因子の少ない、望ましくは1級炭素上に
導入された、ポリオール類誘導体官能基を指し、具体例
としては、N2 +2 I、Br、Cl、F、OSO3 -3、CH3CO2などが好適に
用いられる。上記のポリオール類誘導体は、この様な活
性な脱離性基を有した化合物そのものを市販品として入
手するか、あるいは公知の方法によりポリオール類の持
つ水酸基又は他の官能基を利用して脱離性基を導入する
ことにより入手される。例えば、P−トルエンスルホニ
ルクロリドと水酸基を反応させることにより、活性な脱
離基としてP−トルエンスルホン酸基が導入できる。
ただし、本発明の親水化法において、芳香族ポリスルホ
ンのフェノラートアニオンに対し十分な反応性を有する
親水性化合物であれば、上記の親水性化合物に限定する
ものではない。
本発明の親水化法は具体的には、芳香族ポリスルホンを
2〜200重量倍の有機溶剤に溶解し、これに芳香族ポ
リスルホンに対して10倍モル以下望ましくは0.5〜5
倍モルのアルカリを加え、30分間〜2時間、10℃〜
120℃の温度で攪拌を行なう。使用するアルカリとし
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム
エトキシド、水酸化ナトリウムなどが例示され、必要に
よっては水溶液として加えることも可能である。次い
で、こうして得た芳香族ポリスルホンのアルカリ溶液
に、室温以上で攪拌を行ないながら芳香族ポリスルホン
に対して50倍モル以下、望ましくは0.5〜30倍モル
のポリオール類誘導体を滴下し、30分間〜30時間、
攪拌を続ける。その後、反応液温を室温まで下げ反応を
終了するが、得られた親水化された芳香族ポリスルホン
は、水などの非溶剤を用いて凝固沈澱させた粉末固形分
として回収することもできるし、このままの有機溶剤溶
液として使用することもできる。
反応系の雰囲気は、窒素ガスなどによって不活性化され
ていることが望ましいが、空気下でもかまわない。ま
た、有機溶剤としては、実質的に反応に関与せず、かつ
試薬類を溶解する有機溶剤が使用できるが、具体例とし
てはジメチルスルホキシドなどの極性有機溶剤が好適に
用いられる。
ただし、本発明の実施における溶剤、試薬類およびこれ
らの仕込み比、反応温度、時間等の反応条件は、親水化
された芳香族ポリスルホンの著しい物性の劣化をきたさ
なければ、上記の溶剤、試薬類およびこれらの仕込み
比、反応条件に限定するものではない。
〔発明の効果〕 本発明に従うと、芳香族ポリスルホンの分子末端にポリ
オール類をエーテル結合によてブロック状に結合せしめ
ることにより、芳香族ポリスルホンの持つ優れた物性を
ほとんど損わずに良好な親水性を示す芳香族ポリスルホ
ンを得ることが可能となる。更に本発明において使用さ
れた親水性化合物は、例えば水を溶媒とするソックスレ
ー抽出などの抽出操作を長時間行なっても、抽出液中へ
の溶出は見られず、長期にわたり安定した親水性を芳香
族ポリスルホンに与えることができる。
本発明に従って親水化された芳香族ポリスルホンは、芳
香族ポリスルホンの溶剤一般に可溶な均一なポリマーと
して得られ、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムア
ミドなどの溶剤に溶解して均一なポリマー溶液を得るこ
とができる。この様な有機溶剤溶液からは、キャスティ
ング法により透明、強靱ですぐれた耐熱性を持つ均一な
フィルムを得ることができる。このフィルムは、同様に
して得られる親水化されていない芳香族ポリスルホンの
フィルムと、実質的に同一の使用が可能である。
上記の親水化された芳香族ポリスルホンは、通常の成形
加工法および条件にて成形加工し、加工後特に親水化処
理を施すことなく、親水性の改善されたフィルム、シー
ト、精密微細構造を有する部品など望ましい製品とする
ことができる。親水性の改善により、得られた製品の帯
電防止性、接着性、メッキ性、塗工性や、加工時の流動
性の向上が予想される。さらに、樹脂のブレンド性が向
上することから、ポリマーアロイとしての使用も考えら
れる。また、通常の樹脂加工に際して添加されている充
填剤や安定剤、着色剤、難燃剤などの添加剤ともなじみ
良く混合して使用することができる。
以上のようにして成形された本発明によって親水化され
た芳香族ポリスルホンは、電気、電子分野の各種部品液
晶表示体用等の透明導電性フィルム、ハウジング類、自
動車部品、航空機用内装材、ギヤ、歯科用材料、蒸気殺
菌容器などの広範な分野に用いることができる。
さらに、本発明に従って親水化された芳香族ポリスルホ
ンは、親水性化合物であるポリオール類と疎水性である
芳香族ポリスルホンとがブロック状に結合した特異な構
造を持つため、親水部と疎水部が海島状にミクロ相分離
したり、樹脂の構造体のごく表面のみに親水部を集めた
りする極めてミクロ的な不均一構造を発現させて、成形
物のミクロ的な親水化を行なえる素材である。こういっ
たミクロ構造は、抗血栓性の医療品や耐汚染性のすぐれ
た分離膜などに、非常に有用な構造であると考えられ
る。
特に逆浸透膜、限外過膜、メンブレンフィルターなど
の分離膜を形成する薄膜の材料として、十分な耐熱性と
親水性を合わせ持った本発明による親水化された芳香族
ポリスルホンは好適な材料であると言える。
〔実施例〕
以下本発明の実施例について説明する。
反応後のすべての親水化された芳香族ポリスルホンは、
重水素化ジメチルスルホキシドを溶媒とした270MHzF
T−NMRによるスペクトル分析により、ポリマー末端基の
構造を決定した。また次式により、芳香族ポリスルホン
ポリマーの末端基に導入された親水性化合物の反応率を
求めた。
また使用した溶剤の略号は、それぞれ以下のごとくであ
る。
DMSO:ジメチルスルホキシド CMF:ジメチルホルムアミド NMP:N−メチル−2−ピロリドン 実施例1 500mlの三ツ口フラスコに、DMSO200mlを入れ、窒
素気流下0.27gのナトリウムエトキシドを加え攪拌し
た。次いで、芳香族ポリスルホン(Victrex5003
P、インペリアルケミカルインダストリーズ社製)20
gを加え、90℃まで加熱し2時間攪拌を続けた。その
後、2−〔2−(2−クロロエトキシ)エトキシ〕エタ
ノール(アルドリッチ社製)1mlを20mlのDMSOに溶解
した液を、80℃に反応液を保ちながら滴下した。滴下
終了後、3時間80℃で攪拌を行なった。反応液を室温
まで下げた後、500mlの分液ロートに移した。3の
蒸留水を激しく攪拌している中へ、分液ロートより反応
液を滴下し白色フレーク状のポリマー沈澱物のけん濁液
を得た。このけん濁液を、1万rpmで30分間遠心分離
を行ない沈澱物を回収した。回収された沈澱物を、再度
蒸留水1中に激しく攪拌して、しばらくけん濁させた
後、紙で吸引過しさらに十分水洗した。次いで、沈
澱物を真空乾爆器に入れ80℃で1昼夜真空乾燥し、白
色の粉末を18.9g得た。仕込んだポリマーに対する回収
率は、95%であった。また得られたポリマーは、CMS
O、NMP、DMFなど極性有機溶剤に可溶であった。
得られたポリマーは、NMRスペクトル分析により末端
部にトリエチレングリコールがエーテル結合で導入され
た、末端基が下記の式(6)の構造で前述の式(2)の繰り返
し単位を持つ芳香族ポリスルホンであることが確認さ
れ、また1H−NMRより求められる反応率は、140%で
あった。
実施例2 実施例1で得られたポリマーを、ソックスレー抽出器に
入れ、水を抽出液として12時間抽出操作を行なった。
抽出液中にトリエチレングリコールあるいは芳香族ポリ
スルホンモノマーやオリゴマーの溶出は見られず、抽出
操作後のポリマーのNMRスペクトルにも変化は見られ
なかったことから、十分な耐熱水性を持つポリマーであ
ることが確認された。
実施例3 実施例1で得られたポリマーを、DMFに15wt%の濃
度で溶解し、透明均一な溶液を得た。平滑なガラス板上
に、250μmの厚みでこのポリマー溶液を流延し、8
0℃で1昼夜熱風乾燥器にガラス板ごと放置した。次い
で、水中でガラス板よりフィルムを剥離させたところ、
透明で強靱なフィルムが平均17μmの厚みで得られ
た。このフィルムをオートクレーブで30分間処理した
が、フィルムの外観の変化、トリエチレングリコールの
溶出ともに認められなかった。
比較例1 芳香族ポリスルホン(Victrex4800P、インペリア
ルケミカルインダストリーズ社製)20gと、ジエチレ
ングリコール2gを、150gのDMFに加え加熱溶解
し、均一なポリマー溶液を得た。このポリマー溶液か
ら、実施例3と同様の方法で均一なフィルムを得た。こ
のフィルムをソックスレー抽出器に入れ、水を抽出液と
して12時間抽出操作を行なった所、抽出液にジエチレン
グリコールの溶出が認められた。
実施例4 実施例1において、2−〔2−(2−クロロエトキシ)
エトキシ〕エタノールに代えて、2−(2−クロロエト
キシエタノールを用いた以外は同様に行ない、白色の粉
末を19.4g得た。仕込んだポリマーに対する回収率は、
97%であった。
また得られたポリマーは、DMSO、NMP、DMFなど極性有機
溶剤に可溶であった。
得られたポリマーは、NMRスペクトル分析により末端
部にジエチレングリコールがエーテル結合で導入された
芳香族ポリスルホンであることが確認され、また反応率
は190%であった。
参考例1 ポリエチレングリコール200に、P−トルエンスルホ
ン酸基を導入し、活性な脱離性基を導入したポリエチレ
ングリコールを得た。
100mlの三角フラスコに30mlのピリジンにP−トル
エンスルホニルクロリド25g(和光純薬工業(株)
製)を加え室温で溶解した。300mlの三ツ口フラスコ
に、ポリエチレングリコール200(和光純薬工業(株)
製)82.6gを入れ、攪拌しながら室温、窒素雰囲気下
で、先に溶解しておいたP−トルエンスルホニルクロリ
ド溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、2時間攪拌を
続け、次いで反応液を3の水にそそぎ込んだ。600
mlの塩化メチレンを用いて、この水より生成物を抽出し
た。さに、塩化メチレンを希塩酸、次いで塩化アンモニ
ウム飽和水溶液で洗った後、無水硫酸ナトリウムを加え
1夜放置した。この溶液から、エバポレーターを用い塩
化メチレンを留去すると、生成物として油状物が23.1g
得られた。収率は50%であった。生成物は、赤外分光
分析及びNMRスペクトル分析により、ポリエチレング
リコールの片末端がP−トルエンスルホン酸基に変換さ
れた構造であることが確認された。
実施例5 実施例1において、ナトリウムエトキシド0.27gに代え
てIN水酸化ナトリウム水溶液3.2ml、2−〔2−(2
−クロロエトキシ)エトキシ〕エタノール1mlに代えて
参考例1で得たP−トルエンスルホン酸化ポリエチレン
グリコール200を7.2g用い、滴下終了後12時間攪
拌を行なった以外は同様に行ない、白色の粉末を18.2g
得た。仕込んだポリマーに対する回収率は、91%であ
った。また得られたポリアーはDNSO、NMR、DM
Fなど極性有機溶剤に可溶であった。
得られたポリマーは、NMRスペクトル分析により末端
部にポリエチレングリコール200がエーテル結合で導
入された芳香族ポリスルホンであることが確認され、反
応率は200%であった。
実施例6 実施例1において、ナトリウムエトキシド0.27gに代え
てIN水酸化カリウム水溶液4.1mlを用い、反応中の液
温をすべて76℃とした以外は同様に行ない、白色の粉
末を18.8g得た。仕込んだポリマーに対する回収率は、
94%であった。得られたポリマーは、実施例1で得た
ポリマーと構造、物性等はほぼ同一であり、反応率は5
6%であった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子末端にフェノラートアニオン基を有
    し、実質的に一般式 又は −M−SO2−M−SO2−M−O− (ただし、Mはそれぞれ同一又は異なる芳香族基を示
    し、Rは二価の有機基を示し、a,bおよびcはそれぞ
    れ0又は1を示す。) で表わされる繰り返し単位からなる芳香族ポリスルホン
    と、アルカリ性条件下で親電子置換反応により脱離する
    脱離性基を有するポリオール類誘導体群より選ばれる少
    なくとも1種とを反応させ、芳香族ポリスルホンの分子
    末端にポリオール類をエーテル結合により、水酸基が1
    個以上残った状態で結合させることを特徴とする芳香族
    ポリスルホンの親水化法。
  2. 【請求項2】芳香族ポリスルホンの繰り返し単位が、 で表わされる特許請求の範囲第1項記載の芳香族ポリス
    ルホンの親水化法。
  3. 【請求項3】脱離性基を有するポリオール類誘導体が、
    2−[2−(2−クロロエトキシ)エトキシ]エタノー
    ル、2−(2−クロロエトキシ)エタノールおよびp−
    トルエンスルホン酸化ポリエチレングリコールからなる
    群より選ばれる少くとも1種である特許請求の範囲第1
    項記載の芳香族ポリスルホンの親水化法。
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