JPH062967B2 - 太細を有するポリエステル捲縮糸の製造方法 - Google Patents

太細を有するポリエステル捲縮糸の製造方法

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JPH062967B2
JPH062967B2 JP26224285A JP26224285A JPH062967B2 JP H062967 B2 JPH062967 B2 JP H062967B2 JP 26224285 A JP26224285 A JP 26224285A JP 26224285 A JP26224285 A JP 26224285A JP H062967 B2 JPH062967 B2 JP H062967B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は,糸条の長手方向に太細繊度差と捲縮を有する
ポリエステル捲縮糸の製造方法に関し,詳しくは,ポリ
エステル高配向未延伸糸を弛緩熱処理した後,水または
水性液体を間歇的に付着させ,引続き連続して延伸仮撚
加工を施すことにより極めて大きい繊度差を有した糸条
となし,さらに熱処理を行って残留した水または水性液
体を除去し,糸条の太部と細部との熱収縮性能を近接さ
せることによって,この加工糸から得られる織編物が染
色仕上工程等の熱処理が施されても,サッカー調の凹凸
のない平滑な製品を得ることができる太細を有するポリ
エステル捲縮糸を製造する方法に関するものである。
〈従来の技術〉 従来,糸条の長手方向にそって太部と細部を有するポリ
エステル糸条を製造する方法はすでに知られており,例
えば,複屈折(Δn)が0.5〜10×10-3程度の未延
伸糸を供給糸とし,これを不完全延伸する方法等が知ら
れている。しかし,このようにして得られる太細を有す
るポリエステル糸条は,太部と細部の外径比(太細比)
が大きい反面,太部の配向度が低すぎるために,仮撚加
工工程や染色加工工程等の熱加工によって脆化し易いと
いう欠点がある。
このため,複屈折(Δn)が15〜80×10-3程度の
高配向未延伸糸を供給糸として太細を有するポリエステ
ル糸条を製造する方法も知られているが,かかる高配向
未延伸糸を,例えば,特公昭38−2018号公報,特
公昭38−2019号公報,特公昭42−27563号
公報に記載されているように,変形ローラを用いて周期
的に変形させる機械的方法や,自然延伸比以下の延伸倍
率で延伸することによって製造する方法では,加工時に
おける熱脆化の問題はなくなるものの,太部の外径は供
給糸の外径を超えることができないので,太細比が小さ
い糸条しか得られず,白無地の製品においては糸条の太
細効果を現出できないという欠点がある。
本出願人は,前記従来の方法の欠点を解消するため,先
にポリエステル高配向未延伸糸に収縮熱処理を施し,次
いで,水または水性液体を間歇的に付着せしめ,水また
は水性液体が付着した部分を太部となす太細部を特開昭
59−172939号公報に提案した。
この太細糸は,前記の欠点を解消するものではあった
が,この太細糸は太部と細部との熱収縮性能が大幅に異
なるため,布帛とした場合,通常の染色工程ではサッカ
ー調を凹凸を生じ,このサッカー調の凹凸は,染色工程
の後段の仕上げ熱セット工程において緊張処理を行って
も消失しないものであった。このため,染色工程の前に
予め熱セットを行うか,あるいは緊張拡幅した状態で染
色する必要があり,従って,風合的には粗硬感をぬぐえ
ず,また,工程的にも繁雑であるという問題が残され
た。
〈発明が解決しようとする問題点〉 本発明は,上述のごとき従来の方法の欠点を解消するも
のであり,その目的とするところは,明瞭な太細を有
し,かつ,太部と細部との熱収縮性能の差によるサッカ
ー調の凹凸のない織編物を得ることができる太細を有す
るポリエステル捲縮糸を製造することにある。
〈問題点を解決するための手段〉 すなわち,本発明は複屈折(Δn)が15〜80×10
-3のポリエステル高配向未延伸糸を弛緩熱処理し,次い
で,該糸条に水または水性液体を間歇的に付着させ,引
続き連続して加熱装置に非接触状態で延伸仮撚加工を施
し,水または水性液体が付着した部分を太部に,水また
は水性液体が付着していない部分を細部となした後,熱
処理を施して施条の太部に残留した水または水性液体を
気化させると同時に太部を加熱し,太部と細部との熱水
収縮率の差を10%以下とすることを特徴とする太細を
有するポリエステル捲縮糸の製造方法である。
以下,さらに本発明を詳細に説明する。
まず,本発明方法においては,複屈折(Δn)が15〜
80×10-3のポリエステル高配向未延伸糸を弛緩熱処
理する。この場合,ポリエステル高配向未延伸糸の複屈
折(Δn)が15×10-3未満では,弛緩熱処理時に融
断したり,染色加工工程等の後加工時に糸条の太部が脆
化するので好ましくない。また一方,複屈折(Δn)が
15〜80×10-3を超えると,配向度が延伸糸のそれ
に近くなり,弛緩熱処理時の収縮量が極端に小さくな
り,糸条太細比が大きくとれないので,適当でない。
前記ポリエステル高配向未延伸糸の弛緩熱処理は,加熱
装置に非接触の状態で行うことが好ましい。弛緩熱処理
を加熱装置に接触した状態で糸条を走行させて行うと,
接触抵抗により単糸フィラメントに張力が付与され,単
糸フィラメントが自由に収縮を起こすことができず,糸
条に配向度や結晶化度の斑を生ずるからである。
前記弛緩熱処理の弛緩率を大きくすれば,太細比を大き
くすることができるが,供給原糸の熱収縮性能と関係
し,実用的には30〜150%とすることが好ましい。
なお,ここでいう弛緩率とは,供給速度の引取速度との
差の引取速度に対する割合を百分率で表わしたものであ
る。
また,弛緩熱処理時の処理温度は,弛緩率や糸速にもよ
るが,弛緩率30〜150%,糸速80〜200m/mi
nの範囲では,120〜230℃とすることが好まし
い。
次に,本発明方法では,前記弛緩熱処理を施した糸条に
水または水性液体を間歇的に付着させる。ここで水性液
体とは,水を50重量%以上含有するものであり,水以
外の物質としては,界面活性剤および染色助剤および防
錆剤等が挙げられる。
弛緩熱処理された糸条に水または水性液体(以下,液体
という)を間歇的に付着させるには,ローラ表面に突条
を設けたギヤ型変形回転ローラを用いて付着させる方
法,電磁ソレノイドの間歇往復運動によりローラ表面に
付着した液体に接触させて付着させる方法等,糸条に液
体を適宣の長さで間歇的に付着し得る方法であればいか
なる方法でもよく,とりわけ,マイクロコンピュータと
ランダムパルス発生ユニットを併用する方法は,ランダ
ムな間隔および長さで液体を付着することができるの
で,特に好適である。
そして,前記のごとくして間歇的に液体を付着させた糸
条に,引続き連続して加熱装置に非接触状態で延伸仮撚
加工を施し,液体が付着した部分を太部に,液体が付着
していない部分を細部とする。この場合,加熱装置に接
触させて延伸仮撚加工を行うと,液体が蒸発し,液体が
付着した部分は液体が付着していない部分と同様に熱作
用を受け,同様な延伸仮撚による捩り変形を受ける結
果,本発明の目的とする太細繊度比の大きい捲縮糸を得
ることができない。この場合の加熱装置の温度は施速度
にもよるが,例えば,糸速80〜200m/minの範囲
では,140℃〜230℃とすることが好ましい。
を超えると,非熱処理部も延伸・仮熱による変形を受け
る結果,非熱処理部が太部となりにくいので好ましくな
い。なお,ここでd(デニール)は,供給原糸の繊度d
1(デニール),弛緩熱処理時の弛緩率をS%(%),延伸
倍率をDとし, d=d1(1+S/100)/Dより求めたものである。
また,延伸仮熱加工における延伸倍率(D)は,上記弛緩
熱処理の弛緩率(S)%に対して(1+S/100)〜1.5
(1+S/100)とすることが好ましい。延伸倍率(D)が
前記範囲外では,いずれも糸切れが発生し易く,加工時
の操業性が低下するので好ましくない。
かくして得られる糸条の液体を付着せしめた部分は,延
伸仮撚加工時に熱作用を受けず,延伸仮撚変形を受けな
いので,繊度の極めて大きい太部となり,一方,液体を
付着させない部分は,熱作用を受けて,延伸と仮撚の捩
り変形を受け,捲縮を有した細部となるので,得られる
糸条は太細繊度比が極度に大きい太細を有する捲縮糸と
なる。
さらに,本発明方法では,前記延伸仮撚加工を施した糸
条に熱処理を施して,糸の太部に残留した液体を気化さ
せると同時に太部を加熱し,太部と細部との熱水収縮率
の差を10%以下とする。すなわち,前記糸条の液体を
付着させた部分は,延伸仮撚加工時に液体による熱遮断
効果によって熱作用を受けてないので,液体が付着して
いない部分に比して大きい熱収縮力を有しており,従っ
て,織物として染色工程等の熱処理を施した場合,液体
を付着させた太部が著しく収縮し,液体が付着していな
い細部との間の収縮差によって布帛表面にサッカー調の
凹凸が形成される。また,編物として染色工程に供した
場合には,太部で構成する編目ループが細部で構成する
編目ループより著しく収縮するため,凹凸のある布帛表
面となる。このため,本発明方法においては,さらに熱
処理を施して延伸仮撚加工工程で十分な熱を受けておら
ず,なおかつ,液体が残留した太部を加熱し,まず,残
留した液体を気化させた後,所定の加熱温度で熱処理を
行って熱収縮能を低下させるのである。この場合,加熱
装置に非接触状態では,高速で走行する糸条に残留した
液体を十分除去することができない。従って残留した液
体を確実に気化させるには,熱容量を十分に有する10
0℃以上の加熱装置に接触して熱処理することが好まし
い。
この熱処理の温度は,延伸仮撚加工における加熱温度よ
りも高くすることが好ましく,特に170℃〜240℃の
温度が好適である。
また,熱処理時の供給率は,緊張または弛緩状態のいず
れでもよいが,緊張し過ぎて太部を延伸することがない
ように,また,弛緩しすぎて糸ゆれが発生しないように
供給率を選定すればよく,おおむね,オーバーフィード
率としては−10%〜30%,好ましくは0〜15%と
することが適当である。
かくして,太部と細部の熱水収縮率の差を10%以下と
するが,この熱水収縮率の差が10%を超えると,この
捲縮糸から得られる布帛は染色加工時の加熱収縮により
布帛表面にサッカー調の凹凸が発生するので好ましくな
い。この熱水収縮率の差が本発明のごとく10%以下の
場合には,布帛にサッカー調の凹凸が発生しないか,も
しくは,発生しても軽度のシワ程度であり,通常の仕上
工程で十分矯正し得るものである。
第2図は,かかる本発明方法による太細を有する捲縮糸
を一例を示す外観模式図であり,同図において(a)は液
体が付着されて延伸仮撚工程で延伸仮撚変形を受けずに
熱処理により液体が気化された太部,(b)は液体を付着
させずに延伸仮撚工程で延伸仮撚変形を受けた捲縮を有
する細部で,これら太部(a)と細部(b)との熱水収縮率の
差は10%以下になっており,かかる太部(a)と細部(b)
とが糸条の長手方向にそって相互に形成されている。
第1図は,上記本発明の製造工程の一例を示す工程概略
図であり,スプール(1)より引出されたポリエステル高
配向未延伸糸(F)は,ガイド(2)を通ってフィードローラ
(3)を経て第1加熱装置(4)に入り,フィードローラ(3)
と第1デリベリローラ(5)によって所定の弛緩率で熱収
縮され,第1デリベリローラ(5)を経て延伸仮撚領域に
送り込まれ,液体付与装置(6)でマイクロコンピュータ
ーによりランダム信号によって間歇的に液体が付着さ
れ,続いて第1デリベリローラ(5)と第2デリベリロー
ラ(9)との間で所定の延伸倍率で延伸されると同時に,
仮撚施撚装置(8)により加撚されつつ,第2加熱装置(7)
により非接触状態で熱固定され,第2デリベリローラ
(9)を経て第3加熱装置(10)によって熱処理されて,第
3デリベリローラ(11)を経て捲取ローラ(12)により太細
を有する捲縮糸としてパッケージ(13)に捲取られる。
本発明におけるポリエステルとは,ポリエチレンテレフ
タレートで代表される分子鎖中にエステル結合を含有す
るポリエステルを総称し,イソフタル酸,パラオキシエ
トオキシ安息香酸などの第3成分を含有する変性ポリエ
ステルをも包含する。
また,複屈折(Δn)は,偏光顕微鏡コンペンセーター
による干渉縞計測定法により測定した値である。
また,熱水収縮率は,太部については,太部を中心に約
30cmの長さで糸条を採取し,0.1g/dの荷重下で太
部に5cm間隔のマークを付し,フリーの状態で沸騰水中
で30分間熱処理を行った後,24時間風乾し,0.1g
/dの荷重下でマーク間の長さ(l)を測定し,5−l
/5×100(%)で表わしたものである。一方,細部に
ついては,太部が存在しない個所を選定し,前記太部の
場合と同様に測定して表わしたものである。
〈実施例〉 以下,本発明方法を実施例により具体的に説明する。
実施例 高速紡糸して得た複屈折(Δn)が51×10-3のポリ
エステル高配向未延伸糸110d/36fを,第1図に
示す工程に従い,第1表に示す加工条件で,本発明方法
による太細を有する捲縮糸を製造した。
得られた捲縮糸は,長手方向に第2表に示す太部と細部
とを所定長さ,間隔で有する捲縮糸であった。なお,太
部および細部の糸径は,0.3g/dの荷重下で300T
/Mの撚を糸条に施し,目盛を付した顕微鏡で測定し
た。
また,この捲縮糸と第2デリベリローラの後で採取した
熱処理されていない糸条の熱水収縮率を測定した結果
は,第3表の通りであった。
この太細を有する捲縮糸に,SおよびZ方向に2000
T/Mの追撚を施し,経密度88本/吋,緯密度74本
/吋で,経緯ともにS,Zが2:2で平ジョーゼット織
物に製織し,通常のポリエステル染色処法に従って製品
に仕上げたところ,染着濃淡差を有し,かつ,サッカー
調の凹凸のない製品が得られた。なお,晒においても,
かすり調の太細効果を有するものであった。
〈発明の効果〉 以上述べたごとく,本発明方法は,ポリエステル高配向
未伸糸を弛緩熱処理した後,間歇的に液体を付着させ,
引続いて延伸仮撚加工を施すものであるから,得られる
捲縮糸の太部を供給原糸の繊度よりも大きくすることが
可能であり,太細繊度比が極めて大きい太細捲縮糸を得
ることができる。
しかも,延伸仮撚加工をした後,さらに熱処理を施して
太部の熱収縮能を細部のそれと同程度にするものである
から,染色等の付与工程においても太部と細部の収縮差
が少なく,サッカー調の凹凸を発生することがない。
また,本発明方法においては,間歇的な液体付着によ
り,糸条の繊度斑を現出せしめるものであるから,マイ
クロコンピューターの使用により液体の付着を任意に調
整することが可能であり,織編物の柄パターンおよび風
合を自在に変え得る捲縮糸を容易に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の製造工程の一例を示す工程概略
図,第2図は本発明方法による太細を有する捲縮糸の外
観模式図である。 1…スプール 3…フィードローラ 4…第1加熱装置 5…第1デリベリローラ 6…液体付与装置 7…第2加熱装置 8…仮撚施撚装置 9…第2デリベリローラ 10…第3加熱装置 11…第3デリベリローラ 12…捲取ローラ 13…パッケージ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複屈折(Δn)が15〜80×10-3のポ
    リエステル高配向未延伸糸を弛緩熱処理し,次いで,該
    糸条に水または水性液体を間歇的に付着させ,引続き連
    続して加熱装置に非接触状態で延伸仮撚加工を施し,水
    または水性液体が付着した部分を太部に,水または水性
    液体が付着していない部分を細部となした後,熱処理を
    施して糸条の太部に残留した水または水性液体を気化さ
    せると同時に太部を加熱し,太部と細部との熱水収縮率
    の差を10%以下とすることを特徴とする太細を有する
    ポリエステル捲縮糸の製造方法。
  2. 【請求項2】熱処理を糸条が加熱装置に接触した状態で
    施す特許請求の範囲第1項記載の太細を有するポリエス
    テル捲縮糸の製造方法。
JP26224285A 1985-11-20 1985-11-20 太細を有するポリエステル捲縮糸の製造方法 Expired - Lifetime JPH062967B2 (ja)

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