JPH06315623A - 乾燥小胞体 - Google Patents

乾燥小胞体

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JPH06315623A
JPH06315623A JP5346057A JP34605793A JPH06315623A JP H06315623 A JPH06315623 A JP H06315623A JP 5346057 A JP5346057 A JP 5346057A JP 34605793 A JP34605793 A JP 34605793A JP H06315623 A JPH06315623 A JP H06315623A
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dried
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dry
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彰久 斉藤
Yoshinao Suzuki
挙直 鈴木
Atsushi Yoshimura
淳 吉村
Mikimasa Takisada
幹正 滝貞
Shinji Takeoka
真司 武岡
Hiromi Sakai
宏水 酒井
Hidetoshi Tsuchida
英俊 土田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間保存可能で、しかも、水を添加して再
生するに際し、もとの構造と機能を保持・発現すること
のできる乾燥小胞体を得ることを目的とする。 【構成】 燐脂質小胞体に糖脂質を導入したのち、凍結
せずして減圧乾燥することにより乾燥小胞体を得る。 【効果】 本発明の乾燥小胞体は、長時間保存しても、
再生時に小胞体の粒径の変化や内包物漏出が殆どなく、
安定性は顕著なものがある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドラッグデリバリーシ
ステムとしての生体内でのターゲッティングあるいは徐
放性材料としての利用やヘモグロビン(以下、Hbとい
う)溶液を内包させた人工酸素運搬体への利用等、多く
の利用価値のあるリン脂質小胞体(以下、小胞体とい
う)の長期安定保存を可能とする乾燥体、即ち、乾燥リ
ン脂質小胞体(以下、乾燥小胞体という)に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】小胞体は薬物のキャリアとしての応用の
検討が数多く進められているが、凝集や融合または各種
刺激による破壊があるなど不安定なものであり、長期保
存を可能にするには、添加剤や重合性リン脂質成分の高
分子化により安定化するのが一般的な手段である。
【0003】小胞体の凍結乾燥体としての保存安定性に
ついては、小胞体に多量のトレハロース等の糖類を混合
すると、凍結乾燥後も糖と脂質極性部との水素結合がお
こり、その二分子膜構造を維持し、水を添加して再生し
た時の内包物の漏出がおさえられるとの報告(L.M.
Crowe et al,Biochm.Biophy
s.Acta 861,131(1986)、K.Ta
naka et al,Chem.Pharm.Bul
l.,40,1(1992))があるが、これと同じ方
法をHb内包小胞体(ヘモソーム)分散液に適用した凍
結乾燥粉末化技術の報告(A.S.Rudolf,Cr
yobiology,25,277(1988))で
は、凍結乾燥粉末再分散後の小胞体の粒径は、凍結前の
小胞体の粒径を維持するものの、300mMの多量のト
レハロースを添加しても20%ものHb漏出が起こり、
この場合、小胞体は十分に安定化されてはいなかった。
従って、かかる凍結乾燥法で得られた小胞体の乾燥体は
安定性が不十分なうえに、水を添加して再生したときの
糖濃度が高く、現実的には使用困難である。
【0004】重合性リン脂質を主成分とする小胞体にH
bを内包したうえ、重合性リン脂質の高分子化により二
分子膜を安定化すると、凍結融解を繰り返しても内包物
の漏出は無いとの報告があり(E.Tsuchida,
Biomat.,Art.Cells & Immo
b.Biotech.20,337(1992))、さ
らに、僅かな糖の添加で小胞体の乾燥粉末としての保存
も可能であるとの報告もある(L.Wang et a
l,Polym.Adv.Tech.3,17.(19
92))。しかし、何れも、生体投与における重合リン
脂質の及ぼす影響について明らかではない。
【0005】一方、二糖類を親水部に有するコレステロ
ール誘導体を小胞体表面に導入すると、安定な凍結乾燥
体が得られるとの報告がある(R.P.Goodric
het al,Biophys.J.53,121a
(1988))。また、菌由来の糖脂質であるα,α−
トレハローストリミコール酸エステルを小胞体に導入し
凍結乾燥すると、該小胞体は、再度純水に分散させても
再構成能を有するとする発明がある(特開平1−754
21号公報)。しかし、何れも十分な安定性を得るため
には多量の糖類の導入を必要とする。
【0006】本発明者らは、長鎖アルキルを、構造の明
確なオリゴ糖にエステル結合したオリゴ糖脂質(特開平
1ー294701号公報)やオリゴ糖鎖末端アノマー位
にエーテル結合(特開平5ー294983号公報および
特願平4ー206136号発明)、同アミド結合(特開
平5ー317677号公報および特願平4ー19136
4号発明)ならびに同エステル結合した構造の明確なオ
リゴ糖脂質(特願平5−75016号公報)を発明し、
小胞体の凝集や融合の抑制剤等に使用できることを開示
した。これは、小胞体表面から伸びたオリゴ糖鎖が、小
胞体間または小胞体と細胞や蛋白質との間の接近を妨げ
る効果を利用したものであり、ここで使用する糖鎖は単
糖よりもオリゴ糖のほうが優れた抑制効果があることも
開示した。しかし、該オリゴ糖脂質の使用は、小胞体の
水相系での分散安定化に関するものであり、小胞体の乾
燥化に係る事項についての開示はない。
【0007】前記する如く、当業者間では、既に、小胞
体をその膜成分を重合することなく凍結乾燥する技術の
開発が進められてきた。しかしながら、小胞体を凍結せ
ずして乾燥する技術の開示は未だ見られない。そこで、
当業者は、凍結乾燥小胞体の作成過程において、糖類を
添加することは、その糖鎖が小胞体表面の脂質親水部と
水素結合し、さらに、糖鎖同士も水素結合を形成するた
め、乾燥脱水後も二分子膜を形成する脂質分子の立体配
置を保持することが明らかと考えている。しかし、小胞
体の分散液に多量の糖類を添加して得られる凍結乾燥体
は、糖の添加量が多いために水を添加した再生時におい
て浸透圧や粘度の上昇等の問題がある。より少ない糖量
で小胞体表面を効率よく被覆する方法の開発が待たれて
いる。さらに、凍結乾燥法は、小胞体分散液の乾燥粉末
化法として通常に用いられる方法ではあるが、糖の希薄
溶液からの凍結では水相に溶解している糖質が有効に小
胞体表面を被覆せずに乾燥するため糖の添加効果は低い
ものがあることや、凍結操作自体が小胞体を破壊するこ
となどの問題点をもつ。その結果、より少ない糖量で小
胞体表面を効率よく被覆する方法や、生体への適用に際
し、小胞体の機能を阻害しない安定な乾燥小胞体の開発
への期待は甚だ大きいものがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明におい
ては、長期間保存可能で、しかも,水を添加して再生す
るに際し、もとの構造と機能を保持・発現することので
きる乾燥小胞体を得ることを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記する課題
を解決するために、濃厚な糖類を介することなしに得る
ことができる乾燥小胞体に関するものである。即ち、本
発明は、リン脂質小胞体に糖脂質を導入したのち、凍結
することなく減圧乾燥したことを特徴とする乾燥小胞体
に係るものである。
【0010】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
の乾燥小胞体の作成に際して、リン脂質小胞体に導入す
る糖脂質に使用する糖質(以下、糖質という)は、その
構造が糖質に長鎖アルキル基またはコレステロールが結
合しているものであれば、生体からの抽出物であって
も、化学合成物であってもよい。生体由来糖脂質として
は、例えば、グリセロ糖脂質やスフィンゴ糖脂質などが
挙げられる。好ましくは、本発明者らが前記のごとく既
に開示した、長鎖アルキルを構造の明確なオリゴ糖にエ
ステル結合したオリゴ糖脂質、長鎖アルキルをオリゴ糖
鎖末端アノマー位にエステル結合した構造の明確なオリ
ゴ糖脂質、同アルキルをオリゴ糖鎖末端アノマー位にエ
ーテル結合した構造の明確なオリゴ糖脂質、あるいは、
同アルキルをオリゴ糖鎖末端アノマー位にアミド結合し
た構造の明確なオリゴ糖脂質がそれぞれ有効である。
【0011】次に、糖脂質、好ましくはオリゴ糖脂質、
を小胞体膜成分として導入する方法を記す。糖脂質とリ
ン脂質など小胞体成分とをクロロホルム、エーテルまた
はこれらとメタノールとの混合溶媒に溶解し、これをナ
ス型フラスコ内で減圧乾燥し、該フラスコの内壁に混合
脂質の薄膜を形成させる。或いは、前記糖脂質と小胞体
成分とをベンゼン、ジオキサンまたはこれらとメタノー
ルとの混合溶媒に溶解し、これを凍結乾燥することによ
り混合脂質の粉末を得る。糖脂質の含有量は総脂質に対
し0.1〜50mol%、好ましくは1〜10mol%
とする。この混合脂質薄膜または粉末に、Hb、水溶性
薬物あるいは蛍光性分子などの水溶液を添加し振盪また
は攪拌する。ここに得た分散液をさらに超音波照射する
か、あるいは、エクストルージョン法により多段階的に
孔径の異なるフィルター通過を行ない所望の粒径に制御
することができる。外水相の未内包物質をゲルろ過カラ
ムあるいは超遠心機により除去したのち、遠心濃縮する
ことにより濃厚な糖脂質導入小胞体を得ることができ
る。また、他の調製方法には、機能物質内包小胞体分散
液に糖脂質の分散液を添加して静置することにより、外
水相に面した小胞体膜表面に糖脂質を導入する方法もあ
る。
【0012】次いで、乾燥操作を行なうが、前記糖脂質
導入小胞体分散液につき、例えばロータリーエバポレー
ターなどを使用し、室温で徐々に減圧度を上昇させなが
ら水分を蒸発させ乾燥する。この時、ロータリーエバポ
レーターの代わりにデシケーター等を用いることも可能
である。前記乾燥操作に際しては、シリカゲルブルーや
五酸化二リン等の乾燥剤を乾燥器内に共存させることに
より乾燥時間を短縮することができる。また、減圧度は
飽和蒸気圧以下にならぬようにすることが重要であっ
て、ほぼ水分が蒸発したところで真空とし、さらに1時
間以上乾燥して乾燥小胞体を得る。
【0013】前記糖脂質導入小胞体分散液に対し、コロ
イド浸透圧を調整するため300mOsm以下となるよ
うに、糖類を0〜300mM、好ましくは1〜150m
M添加し、凍結操作を経ることなく減圧乾燥してもよ
い。ここで糖類とは、水溶性の糖類であり、例えばグル
コース、マルトース、ガラクトース、スクロースなどの
ほかトレハロースやラフィノースなどの少糖類、デキス
トラン、デキストリン、プルランなどの多糖類を挙げる
ことができ、糖の重合度は特に制限されない。
【0014】本発明の乾燥小胞体にあっては、オリゴ糖
脂質導入小胞体分散液あるいは天然糖脂質導入小胞体分
散液が脱水されることにより、介在する糖質または/お
よび糖と小胞体がともに濃縮されるため、小胞体表面に
糖単位が効率よく水素結合することとなり、より安定化
した小胞体構造をもつことになる。
【0015】本発明の減圧乾燥して得た乾燥小胞体の再
生は、これに純水を添加して振盪すればよい。また、乾
燥小胞体の安定性は、再生して得られた小胞体の光散乱
測定による粒径の変化と内包物の漏出量の測定から評価
できる。内包物の漏出量は再生した小胞体分散液をゲル
ろ過し、小胞体分画と小胞体から漏出した内包物の分画
に存在する内包物量の比率、または、濃度消光した蛍光
物質を内包せしめたときは、該内包蛍光物質は漏出する
と蛍光を発するので、これを蛍光測定により検出して算
出する。本発明の乾燥小胞体はその再水和後の粒径が乾
燥操作前と変化なく、漏出率もほぼ10%以下に低く抑
えることができる。
【0016】
【作用】小胞体の表面に糖鎖を導入し、表面を効率良く
覆うためには、オリゴ糖脂質を用いることが有力手段で
ある。該糖質の糖鎖長に関しては、単糖のごとく極端に
短いものは十分な効果を期待し難く、高分子になると小
胞体の凝集を誘発する。本発明におけるオリゴ糖脂質は
糖鎖が2〜30程度であり乾燥小胞体に十分な安定性を
賦与することができる。本発明の減圧乾燥による方法で
は、穏和に脱水されるため、凍結乾燥のごとき凍結によ
る小胞体の破壊がない。また、少ない糖類の添加量でも
その糖が効率良く小胞体表面に作用し、安定な乾燥小胞
体を得ることができる。これを水に再分散して得られる
小胞体には粒径の変化はなく、内包物もほぼ完全に保持
されている。従って、それぞれの目的に利用される小胞
体を、分散液ではなく、固体として安定に保存すること
が可能である。
【0017】次いで、Hbを小胞体の中に内包した人工
酸素運搬体などを多量に体内投与する際には、溶液の浸
透圧が生理条件と同一であることが要求されるが、本発
明の乾燥小胞体は、その乾燥に際して添加糖類が少量で
すむため、浸透圧上昇は起こらず水に直接再分散する
か、または、小胞体再分散液に必要量の糖を添加したの
ち直ちに生体に投与できる。また、再分散後の粒径の増
大が起こらないため、小胞体の血中滞留時間が低下する
事がなく、さらに、内包物が漏出し難いのでその運搬効
率も低下しない。
【0018】
【実施例】以下に実施例をもってさらに詳細に説明す
る。 実施例1.ヘキサデシルマルトペンタオンアミド(以
下、MPCAという)96mg(総脂質に対し8.6m
ol%)をメタノール2mlに溶解し、これをジパルミ
トイルグリセロホスファチジルコリン(以下、DPPC
という)、コレステロール(以下、Chol.という)
およびパルミチン酸(以下、PAという)からなる混合
脂質(モル比:DPPC/Chol./PA/MPCA
=7/7/2/1.5)500mgを含むクロロホルム
溶液20mlと混合する。該混合液につきロータリーエ
バポレーターを用いてナス型フラスコの内壁に薄膜を形
成せしめる。ここに、濃度40g/dlの精製したスト
ローマ除去Hb水溶液10mlを添加し、エクストルー
ジョン法により粒径200±34nm(Particl
e Analyser N4−SD:商品名、コールタ
ー社製)のHb内包小胞体分散液を得た。
【0019】前記Hb内包小胞体分散液0.5mlをデ
シケータ内に入れ五酸化二リン5gと共存させ減圧後静
置(20mmHg、4℃)した。3時間後、21℃の室
温で、真空ポンプにより0.05mmHgにて1時間真
空乾燥し、乾燥小胞体を得た。次に、該乾燥小胞体に2
5℃にて純水を添加し、初期濃度になるように再分散し
たのち、ゲルろ過(10mmd×100mmh、セファ
ロース CL−4B:商品名、ファルマシア社製)し
た。そのHb小胞体分画とHb溶液分画のHb濃度(シ
アノ−メトヘモグロビン法により定量)から、Hb漏出
率を算出したところ10.3%であった。また、粒径分
布は240±83nmであり、乾燥前後において粒径の
変化は殆ど認められなかった。
【0020】前記実施例1の結果を後記する比較例1、
比較例2および比較例3の結果と比較する。 比較例1.実施例1のHb内包小胞体分散液において、
MPCA(オリゴ糖脂質)を含まない系について実施例
1と同様の減圧乾燥を行った。この乾燥物に純水を添加
して再分散させたところ、Hb漏出率は62.4%であ
った。従って、実施例1において小胞体にオリゴ糖脂質
を導入したことにより、乾燥小胞体はより安定なものに
なったと言うことができる。
【0021】比較例2.前記Hb内包小胞体分散液0.
5mlを凍結乾燥(0.04mmHg、−30℃、9時
間)し、同様に再分散したところ、Hb漏出率は32.
3%であった。また、該Hb内包小胞体分散液を超遠心
処理(50000×g、60分)して上澄を除去し、そ
の外水相にトレハロースを血液の浸透圧(300mOs
m)相当の300mMを添加したときの凍結乾燥標品の
Hb漏出率は21.1%であった。従って、本発明よる
乾燥小胞体は、凍結乾燥した小胞体に比し極めて安定で
あることが確かめられた。
【0022】比較例3.α−D−グルコピラノースのア
ノマー位にドデシルアルコールをエーテル結合させた糖
脂質(1−O−ドデシル−α−D−グルコース(以下、
DGという))を使用してベンゼン溶液からの凍結乾燥
により得た混合脂質(モル比:DPPC/Chol./
PA/DG=7/7/2/1.5)500mg(総脂質
に対しDGを8.6mol%使用)より、比較例2と同
様の方法に従い、外水相にスクロースを含むHb内包小
胞体分散液(脂質濃度10g/dl、平均粒径227±
78nm)を調製し乾燥小胞体を得た。該乾燥小胞体の
再分散後のHb漏出率は45.2%であり、平均粒径は
260±117nmと多分散になり、濁度が上昇してい
た。従って、乾燥する小胞体に導入する糖脂質として
は、単糖類の誘導体は乾燥小胞体の安定性賦与に不適当
であった。
【0023】実施例2.実施例1と同一の材料を使用
し、同一の方法で得たHb内包小胞体分散液を、超遠心
処理(50000×g、60分)して、上澄みを除去
し、スクロース水溶液を添加、再分散して総脂質濃度5
g/dl、スクロース濃度を146mMとした。前記H
b内包小胞体再分散液0.5mlを、これまた実施例1
と同様に五酸化二リン5gと共存させ減圧後静置(20
mmHg、4℃)した。3時間後、19℃の室温で、真
空ポンプにより0.05mmHgにて1時間真空乾燥
し、乾燥小胞体を得た。次に、該乾燥小胞体に25℃に
て純水を添加し、初期濃度になるように再分散したの
ち、ゲルろ過したが、その方法も実施例1と同様とし
た。そこで、そのHb小胞体分画とHb溶液分画のHb
濃度から、Hb漏出率を算出したところ3.1%であっ
た。また、粒径分布は197±42nmであり、乾燥前
後において粒径の変化は殆ど認められなかった。この乾
燥小胞体をアンプル瓶中に窒素下封入して室温で保存し
たが、30日後、純水を添加して再分散したところ、そ
の粒径分布は199±39nm、漏出率は3.0%であ
ったので、本発明の乾燥小胞体は長期保存が可能である
ことが明らかとなった。
【0024】実施例3.オリゴ糖脂質として糖鎖末端ア
ノマー位に疎水性基をエーテル結合したステアリルラミ
ナリヘプタオース(以下、SLHという)(総脂質に対
し5.8mol%)を、ジミリストイルグリセロホスフ
ァチジルコリン(以下、DMPCという)、Cho
l.、ジパルミトイルグリセロホスファチジン酸(以
下、DPPAという)とともに(モル比:DMPC/C
hol./DPPA/SLH=7/7/2/1)ベンゼ
ン/メタノール混合溶媒に溶解し凍結乾燥した。得られ
た混合脂質凍結乾燥粉末10gに5(6)−カルボキシ
フルオレセイン(以下、CFという)水溶液(20m
M、pH7.4、トレハロース100mM)100ml
を添加し、マグネチックスターラーを用いて4℃にて2
4時間攪拌した。ここで得た小胞体分散液をマイクロフ
ルイダイザーを用い、4℃、8000psi、10分の
条件で処理し、平均粒径100±41nmの小胞体分散
液を得た。外水相のCFを除去後濃縮し、脂質濃度5g
/dlとし、トレハロースを50mM添加して五酸化二
リン存在下に減圧乾燥したのち、真空乾燥(0.05m
mHg、25℃、1時間)した。この乾燥小胞体を再分
散させたところ、CFの漏出率は3.0%、その平均粒
径は102±49nmであった。さらに、このものを4
℃にて7日間保存後、再分散した小胞体の粒径分布は1
03±54nm、漏出率は3.1%であり、極めて安定
なものであった。
【0025】実施例4.コーンスターチのプルラナーゼ
加水分解物を液体クロマトグラフィーを用い、60℃に
保温した条件で固定相にオクタデシル修飾シリカゲルカ
ラム(ODS−AQ:商品名、YMC社製)および移動
相に純水を使用して得られた重合度25のオリゴ糖の還
元末端を酸化してカルボン酸とした。前記オリゴ糖のカ
ルボン酸と1,2−ジ−O−オクタデシル−3−グリセ
ロールをエステル結合させたオリゴ糖脂質、即ち、1,
2−ジ−O−オクタデシル−3−α(β)−エイコサペ
ンタオニル−rac−グリセリド9.6mg(総脂質に
対し3.0mol%)とDPPC粉末50mgとをメタ
ノール/ジオキサン混合溶媒に溶解し、凍結乾燥して乾
燥粉末を得た。カルセインを40mg含むリン酸緩衝液
(50mM、pH7.4)を2.5ml添加し、窒素雰
囲気下、0℃にて30分間超音波照射することにより平
均粒径55±5nmの小胞体分散液を調製した。このと
き、孔径3μmの滅菌フィルターを通過させた。そし
て、ゲルろ過により外水相の未内包カルセインを除去し
た。そこで、マルトースを60mM添加して得た小胞体
分散液を五酸化二リン存在下で減圧乾燥したのち、真空
乾燥(0.05mmHg、25℃、11時間)し、再分
散させたところ、内包物の漏出率は3.2%であり、平
均粒径58±9nmであって、本実施例で得た乾燥小胞
体は極めて安定したものであった。
【0026】実施例5.モノシアロガングリオシド(G
M1:商品名、シグマ社製)(総脂質に対し10.0m
ol%)と混合脂質(モル比:DPPC/Chol./
ジパルミトイルホスファチジルグリセロール=5/4/
1)とを混合し、メタノール/クロロホルム混合溶媒に
溶解し、実施例1と同様にナス型フラスコ内壁に薄膜を
形成せしめた。これをボルテックスにより多重層小胞体
分散液としたあと、凍結乾燥により混合脂質粉末を得
た。この粉末を50mMのマルトースと70mMのカル
セインを含む10mMのトリス緩衝液(pH7.4)5
0mlを添加し、6時間室温で攪拌した。エクストルー
ジョン法にて平均粒径を200±10nmの小胞体分散
液とし、さらに、遠心分離(30000×g、30分)
による洗浄と濃縮により脂質濃度6g/dlの平均粒径
199±22nmの小胞体分散液を得た。これに、マル
トースを100mMになるように添加し、実施例1記載
の方法と同様にして乾燥小胞体を調製した。該乾燥小胞
体を窒素で封入し4℃にて保存した。30日後にこの乾
燥小胞体を再分散したところ、平均粒径は202±25
nm、カルセイン漏出率は2.1%と低く抑えられ、安
定したものであった。
【0027】実施例6.マルトペンタオースの還元性末
端基を酸化してカルボン酸とし、これにコレステリルブ
ロマイドによりエステル結合させたマルトペンタオース
モノコレステリルエステル(以下、MP−Chol.と
いう)を小胞体に導入する糖脂質として総脂質に対し1
0.5mol%使用した。該糖脂質109mgをメタノ
ール2mlに溶解し、これをDPPC、Chol.およ
びPAからなる混合脂質(モル比:DPPC/Cho
l./PA/MP−Chol.=7/5/2/2)50
0mgを含むクロロホルム溶液20mlと混合した。以
下実施例1と同様に、該混合液につきロータリーエバポ
レーターを用いてナス型フラスコの内壁に薄膜を形成せ
しめた。ここに、濃度40g/dlの精製したストロー
マ除去Hb水溶液10mlを添加し、エクストルージョ
ン法により粒径202±36nmのHb内包小胞体分散
液を得た。この分散液を超遠心処理(50000×g、
60分)して上澄みを除去し、スクロース水溶液を添
加、再分散し、総脂質濃度5g/dl、スクロース濃度
を146mMとした。
【0028】前記Hb内包小胞体分散液0.5mlをデ
シケータ内に入れ五酸化二リン5gと共存させ減圧後静
置(20mmHg、4℃)した。3時間後、23℃の室
温下で真空ポンプにより0.05mmHgにて1時間真
空乾燥し、乾燥小胞体を得た。次いで、該乾燥小胞体に
25℃にて純水を添加し、初期濃度になるように再分散
したのち、ゲルろ過(10mmd×100mmh、セフ
ァロース CL−4B:商品名、ファルマシア社製)し
た。そのHb小胞体分画とHb溶液分画のHb濃度定量
から、Hb漏出率を算出したところ3.2%であった。
また、粒径分布は198±37nmであり、乾燥前後に
おいて粒径の変化は殆ど認められなかった。この乾燥小
胞体をアンプル瓶中に窒素下封入して室温で保存した
が、30日後、純水を添加して再分散したところ、粒径
分布は201±29nm、漏出率は2.8%であったの
で、本実施例の乾燥小胞体もまた長期保存が可能であり
安定性に優れたものであると評価した。
【0029】
【発明の効果】本発明の、リン脂質小胞体に糖脂質を導
入したのち、凍結せずして減圧乾燥することにより得ら
れる乾燥小胞体は、該小胞体の粒径変化や内包物漏出が
極めて少ないので、ドラッグデリバリーシステムや人工
酸素運搬体として広く期待される小胞体を、乾燥小胞体
として棚置き保存することが可能となった。従って、本
発明は、当業界に貢献するところ極めて大きいものがあ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 宏水 東京都練馬区関町南1丁目6番29号 (72)発明者 土田 英俊 東京都練馬区関町南2丁目10番10号

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン脂質小胞体に糖脂質を導入したの
    ち、凍結することなく減圧乾燥したことを特徴とする乾
    燥小胞体。
  2. 【請求項2】 糖脂質が糖単位数2〜30の整数で構成
    された糖質に疎水性基を結合したオリゴ糖脂質である請
    求項1記載の乾燥小胞体。
  3. 【請求項3】 糖脂質が糖単位数2〜30の整数で構成
    される糖質の末端に有するアルドースのアノマー位に疎
    水性基を結合したオリゴ糖脂質である請求項1または請
    求項2記載の乾燥小胞体。
  4. 【請求項4】 疎水性基の結合がエステル結合である請
    求項2または請求項3記載の乾燥小胞体。
  5. 【請求項5】 疎水性基の結合がエーテル結合である請
    求項2または請求項3記載の乾燥小胞体。
  6. 【請求項6】 疎水性基の結合がアミド結合である請求
    項2または請求項3記載の乾燥小胞体。
  7. 【請求項7】 疎水性基が炭素数12〜22のアルキル
    鎖で構成された疎水性基である請求項2、請求項3、請
    求項4、請求項5または請求項6記載の乾燥小胞体。
  8. 【請求項8】 疎水性基が1から4の不飽和結合をもつ
    炭素数12〜22のアルキル鎖で構成された疎水性基で
    ある請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請
    求項6記載の乾燥小胞体。
  9. 【請求項9】 疎水性基がコレステロールである請求項
    2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6記載
    の乾燥小胞体。
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