JPH0641459B2 - 複数の不斉炭素を有するエポキシドの光学異性体分離方法 - Google Patents

複数の不斉炭素を有するエポキシドの光学異性体分離方法

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JPH0641459B2
JPH0641459B2 JP60281567A JP28156785A JPH0641459B2 JP H0641459 B2 JPH0641459 B2 JP H0641459B2 JP 60281567 A JP60281567 A JP 60281567A JP 28156785 A JP28156785 A JP 28156785A JP H0641459 B2 JPH0641459 B2 JP H0641459B2
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芙三夫 戸田
耕一 田中
哲也 中田
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Osaka Soda Co Ltd
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Daiso Co Ltd
Osaka Soda Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の技術分野) 本発明は複数の不斉炭素を分子内に有することによりジ
アステレオマーの関係が生じる三員環エポキシド(以下
単にエポキシドと称する)の光学異性体の分離方法に関
する。
(従来技術) 不斉炭素を含む化合物には光学異性体が存在しており、
その一方の光学異性体である特定のコンフィギュレーシ
ョン(configuration)を持つ化合物が種々の機能、特に
生理的機能上特異な作用を示す例が多くあることはよく
知られている。このような物質を得ることは近年非常に
関心を集めている。そしてこのような化合物を合成する
ためのキーマテリアルとして特定のコンフィギュレーシ
ョンを有する比較的簡単な化合物を得ることは工業的に
非常に重要なことである。
エポキシドは合成中間体として極めて利用価値の高いも
のであり、上記のような意味合いからこのエポキシドに
ついて特定の光学異性体を得ることは特に意義深いもの
である。
特定のコンフィギュレーションを持つエポキシドの合成
についてはシャープレス酸化と呼ばれる方法が知られて
いるが、必ずしも一般的な方法ではない。また特に最近
微生物学的方法の援用による簡単なエポキシド生成など
もいくつか発表されているが、これらもまた限定された
方法であり、また非能率的な方法でもある。
本出願人は、本発明に用いる後記一般式(I)で表わさ
れる光学活性な1,1,6,6−テトラフェニルヘキサー2,4−
ジイン−1,6−ジオール誘導体との錯体形成を利用し
た、不斉炭素を含むエポキシドであるグリシジル化合物
のラセミ体の光学分割について簡便な方法を提案した
が、不斉炭素を複数有することによりジアステレオマー
の関係が生じるエポキシドに関しては検討されていな
い。一般に複数の不斉炭素を含む化合物は不斉炭素の数
が増えると共に、ジアステレオマーが増加し、これらか
ら特定の光学異性体を分離することは非常に繁雑、かつ
困難であり、効率的な一般的方法は見当たらない。
(発明の目的) 本発明は、ジアステレオマーが存在するエポキシドの光
学異性体混合物から特定の光学異性体を分離することの
できる簡便な方法を提供することを目的とする。
(発明の構成) 本発明は2個以上の不斉炭素を分子内に有することによ
りジアステレオマーの関係が生じるエポキシドの光学異
性体混合物を一般式(I) (但し、(I)式において、X,Yは水素原子,ハロゲ
ン原子,アルキル基,アリール基,アラルキル基,アル
コキシ基及びアルキルチオ基から選ばれる原子又は基で
あり、XとYがヘキサジインの同一の炭素に結合してい
る各フェニル基の炭素に対して同一の位置に結合してい
るときはXとYは同一の原子又は基ではない。) で表わされる光学活性な1,1,6,6−テトラフェニルヘキ
サ−2,4−ジイン−1,6−ジオール誘導体と接触させるこ
とにより特定の光学異性体を取り込んだ錯体を形成さ
せ、この錯体を分離することを特徴とする複数の不斉炭
素を有するエポキシドの光学異性体分離方法である。
本発明に用いられる上記(I)式化合物は既に知られて
おり、前駆体である下記(II)式化合物を酸化カップリ
ング、例えば塩化第一銅−ピリジン触媒の存在下アセト
ン溶液中で空気酸化することによって容易に製造でき
る。
また上記(II)式化合物は対応するケトンとアセチレン
からエチニル化反応によって製造される。
上記(I)式化合物の具体的な例としては、 1,6−ジ−o−クロロフェニル−1,6−ジフェニルヘキサ
−2,4−ジイン−1,6−ジオール 1,6−ジ−o−フルオロフェニル−1,6−ジフェニルヘキ
サ−2,4−ジイン−1,6−ジオール 1,6−ジ−p−クロロフェニル−1,6−ジフェニルヘキサ
−2,4−ジイン−1,6−ジオール 1,6−ジ−p−t−ブチルフェニル−1,6−ジフェニルヘ
キサ−2,4−ジイン−1,6−ジオール 1,6−ジ−o−メトキシフェニル−1,6−ジフェニルヘキ
サ−2,4−ジイン−1,6−ジオール 1,6−ジ−p−フェニルチオフェニル−1,6−ジフェニル
ヘキサ−2,4−ジイン−1,6−ジオール などを挙げることができる。
本発明において対象となる2個以上の不斉炭素を有する
エポキシドの具体例としては、 1−メチル−2,3−エポキシプロピルアセテート,1−
メチル−2,3−エポキシブチルアセテート,2,3−エポキ
シシクロヘキシルアセテート,2,3−エポキシプロピル
−2′,3′−エポキシ−2′−メチルプロピルエーテ
ルなどが挙げられる。
本発明を実施するには、上記エポキシドと(I)式化合
物を直接混合するかまたは溶液として混合することによ
って特定の光学異性体を取り込んだ錯体が沈澱生成する
のでこれを分離すればよい。使用する(I)式化合物に
よって錯体形成反応の条件が異なるが、通常室温乃至溶
媒の還流温度の範囲で行われる。反応時間は固態結晶と
して生成する錯体の沈澱生成をみて適宜定めればよい。
錯体は、通常使用したエポキシドと(I)式化合物との
モル比が3:1〜1:3の化合物として生成する。
上記溶液反応の際に用いられる溶媒としては、脂肪族炭
化水素類,芳香族炭化水素類,エーテル類あるいはこれ
らの混合溶媒が一般的である。
上記得られた錯体からの光学異性体の取り出しは、反応
によって生成した沈澱を濾別し、必要に応じて再結晶に
よる精製を行った後、常温もしくは減圧下の加熱蒸留、
極性溶媒による置換またはクロマトグラフィ等によって
容易に行うことができる。
(発明の効果) 本発明の方法は、従来の方法として考えられるようにジ
アステレオマーを先ず物理的手段によって分離し、さら
に分離したラセミ体を誘導体に導いて光学分割する手法
と異なり、ジアステレオマー混合物に直接(I)式化合
物を接触させることで一種の光学異性体のみを錯体とし
て分離することができ、しかもこの錯体形成は極めて高
度に選択的に、且つ完全に行われる。また上記錯体を濾
別した母液に上記(I)式化合物の対掌体を加えること
によって、先に取り込まれた光学異性体の対象体と錯体
を形成させることができるので一組の両方の対掌体を簡
便に分離取得できる。
上記生成した錯体は減圧加熱などの方法によって取り込
んだ光学異性体を容易に放出できるし、得られた光学異
性体は光学的純度が極めて高いものである。
(実施例) 以下の実施例において構造式中の*は不斉炭素を示す。
実施例1 光学的に純粋な上記式(A)化合物の左旋性1,6−ジ−
o−クロロフェニル−1,6−ジフェニルヘキサ−2,4−ジ
イン−1,6−ジオール(〔α〕−122°,mp127〜129
℃)2.42gと上記式(B)で示されるジアステレオマー
混合物である1−メチル−2,3−エポキシプロピルアセ
テート(threo:erythro=64:36)1.30gをエーテルと石
油エーテルの混合溶媒(1:1)10mlに溶解して室温で
12時間放置した。濾過して得た錯体の結晶を上記混合溶
媒から1回再結晶させ、濾過乾燥して無色プリズム状結
晶0.76gを得た。この結晶は、上記(−)−Aとthreo−
(+)−Bのモル比が1:1の錯体であり、融点101〜103
℃、メタノール溶液で測定した比旋光度[α](以下
の測定において溶媒は同じ)は−92.2°であった。
上記結晶を減圧下(25mmHg)で約150℃に加熱するとthreo
−(+)−B0.16g([α]+1.0°)が得られた。
実施例2 実施例1と同じ(−)−A4.83gと上記式(E)で示さ
れるジアステレオマー混合物である1−メチル−2,3−
エポキシブチルアセテート(threo:erythro=9:91)2.88g
を実施例1と同じ混合溶媒20mlに溶解して室温で12時間
放置した。濾過して得た錯体の結晶を上記混合溶媒から
2回再結晶させ、濾過乾燥して無色プリズム状結晶1.72
gを得た。この結晶は上記(−)−Aとerythro−(−)
−Eのモル比が1:1の錯体であり、融点105〜108℃、
[α]−104°であった。
この結晶を実施例1と同様に加熱すると erythro−(−)−E0.4g([α]−13.0°)が得ら
れた。
実施例3 実施例1と同じ(−)−A4.83gと上記式(F)で示さ
れるジアステレオマー混合物である2,3−エポキシシク
ロヘキシルアセテート(cis:trans=35:65)3.12gを実
施例1と同じ混合溶媒20mlに溶解して室温で12時間放置
した。濾過して得た錯体の結晶を上記混合溶媒から1回
再結晶させ、濾過乾燥して無色プリズム状結晶1.15gを
得た。この結晶は上記(−)−Aとcis−(−)−Fの
モル比が1:1の錯体であり、融点125〜127℃、[α]
−122°であった。
この結晶を実施例1と同様に加熱するとcis−(−)−
F0.28g([α]−98.1°)が得られた。
一方、上記錯体を分離した濾過液を室温で6時間放置す
ると(−)−Aとtrans−(+)−Fのモル比が1:1
の錯体が析出した。
この錯体を上記混合溶媒から2回再結晶させ、濾過乾燥
して無色針状結晶1.59gを得た。この結晶は、融点132〜
134℃、[α]−99.3°であった。
この結晶を上記同様に加熱処理するとtrans−(+)−
F0.39g([α]+79.4℃)が得られた。
実施例4 実施例1と同じ(−)−A4.83gと上記式(G)で示さ
れるジアステレオマー混合物である2,3−エポキシプロ
ピル−2′,3′−エポキシ−2′−メチルプロピルエ
ーテル2.88gを実施例1と同じ混合溶媒20mlに溶解して
室温で12時間放置した。濾過して得た錯体の結晶を上記
混合溶媒から3回結晶させ、濾過乾燥して無色プリズム
状結晶1.39gを得た。この結晶は、上記(−)−Aと
(−)−Gのモル比が1:1の錯体であり、融点98〜10
0℃、[α]−97.7°であった。
上記結晶を実施例1と同様に加熱すると(−)−G0.31
g([α]−20.2°)が得られた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2個以上の不斉炭素を分子内に有すること
    によりジアステレオマーの関係を生じるエポキシドの光
    学異性体混合物を下記一般式(I)で表わされる光学活
    性な1,1,6,6−テトラフェニルヘキサー2,4−
    ジイン−1,6−ジオール誘導体と接触させることによ
    り特定の光学異性体を取り込んだ錯体を形成させ、この
    錯体を分離することを特徴とする複数の不斉炭素を有す
    るエポキシドの光学異性体分離方法。 (但し、(I)式において、X,Yは水素原子,ハロゲ
    ン原子,アルキル基,アリール基,アラルキル基,アル
    コキシ基及びアルキルチオ基から選ばれる原子又は基で
    あり、XとYがヘキサジインの同一の炭素に結合してい
    る各フェニル基の炭素に対して同一の位置に結合すると
    きはXとYは同一の原子又は基ではない。)
JP60281567A 1985-10-16 1985-12-13 複数の不斉炭素を有するエポキシドの光学異性体分離方法 Expired - Lifetime JPH0641459B2 (ja)

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US06/918,724 US4841081A (en) 1985-10-16 1986-10-14 Method of optically resolving a racemate or a diastereomeric mixture of glycidyl compound
EP86308033A EP0220887B1 (en) 1985-10-16 1986-10-16 Method of optically resolving a racemate or a diastereomeric mixture of glycidyl compound
DE8686308033T DE3672241D1 (de) 1985-10-16 1986-10-16 Verfahren zur optischen spaltung eines racemats oder einer diastereomerischen mischung einer glycidylverbindung.

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