JPH0643595B2 - 油脂組成物の製造法 - Google Patents

油脂組成物の製造法

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JPH0643595B2 JP60221636A JP22163685A JPH0643595B2 JP H0643595 B2 JPH0643595 B2 JP H0643595B2 JP 60221636 A JP60221636 A JP 60221636A JP 22163685 A JP22163685 A JP 22163685A JP H0643595 B2 JPH0643595 B2 JP H0643595B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の技術分野) 本発明は、マーガリン又はショートニング類の製造に適
した油脂組成物の製造法に関し、殊にパーム油起源の油
脂を多量使用しても品質劣化を来さず、且つ実質的にト
ランス酸を含まない、マーガリン又はショートニング類
製造用油脂組成物の製造法に関する。
(発明の背景) 近年パーム油は、その生産量が急増しており、安価且つ
大量生産可能な食用油脂として今後益々その重要性が認
識されつつある。しかしながら、このようなパーム油は
結合脂肪酸としてパルミチン酸を多量含み、このパルミ
チン酸を結合脂肪酸とするトリグリセリド成分、例えば
トリパルミチン、2−オレオ−1,3−ジパルミチン等
のグリセリドの存在により結晶化速度が遅く粗大結晶を
生じ易いという特性を有するため、パーム油起源の油脂
を使用してマーガリン或いはショートニング等を製造し
た場合、保存中に製品がグレイニングを発生したり或い
は硬くしまった状態を呈する等の現象を起こし、製品と
しての物性が著しく劣化するという欠点を有する。従っ
て、従来よりパーム油起源の油脂はマーガリン用或いは
ショートニング用の油脂として使用することが不適当で
あり、大量に使用することができなかった。
(従来技術) このような点から、特開昭50−104206号発明で
は、特定割合のパーム油ベースの脂肪とラウリン酸脂肪
及び水素添加トランス酸含有脂肪をエステル交換して得
た共ランダム化脂肪と非ランダム化脂肪とを混合して、
トランス酸を必須成分として含む特定のダイラテーショ
ン値を有する食用脂肪配合物とすることにより、上記欠
点を改善しようとする方法が提案されている。ところ
が、トランス酸に関して、特開昭52−62313号明
細書中には、“例えばホルマン(Holman)、クレンク
(Klenk )らは、トランス酸が油脂中に存在すると、人
体に対して必要な必須脂肪酸としてのリノール酸の必要
量が像対することを報告しており、このような硬化によ
って生成する異性体の病理学上の問題については、現段
階では何んとも結論づけ得ないが、栄養学的に見れば摂
取した油脂の消化吸収過程において非能率的な代謝が行
われることは明白であって、この観点からすれば、摂取
される油脂中の異性化物を極力少なくする努力がなされ
なければならない”胸、示唆している。また、1977年に
開催された FAO/WHO 合同専門委員会報告によれば、
“市販水添油は、5〜45%という広い範囲でトランス
結合をもつ脂肪酸を含むが、これらの油脂をラットやブ
タなどの動物に何世代かにわたって投与しても何ら有害
な影響を与えないことが認められている。即ち、水添す
る前の油脂と、した後の油脂を栄養学的に比較した研究
では、水添により消失した必須脂肪酸や他の栄養素の要
求量を満たしてやれば両者の差は特に見出されない”と
報告している。
以上のような観点からすれば、いづれにしても油脂中に
トランス酸を可及的含有しない方が栄養学的見地から有
利のようであることが窺われる。
(解決課題及び解決手段) 本発明者らは、如上の点に鑑み鋭意研究した結果、特定
の脂肪酸残基を導入させることにより、パーム油起原の
油脂を多量使用してマーガリン或いはショートニングを
製造しても、保存中物性を損なわず、且つ実質的にトラ
ンス酸を含まない製品が得られるという知見を得て本発
明を完成するに到った。
即ち本発明は、パーム油起原の油脂と炭素数22の飽和
脂肪酸を構成脂肪酸として含む油脂及び/又は炭素数2
2の飽和脂肪酸の低級アルキルエステル類、要すればさ
らに炭素数18の不飽和脂肪酸を主要構成脂肪酸として
含む油脂とをエステル交換して、上昇融点が20〜50
℃であり、結合脂肪酸組成において炭素数22の飽和脂
肪酸が0.3〜10重量%、炭素数16及び炭素数18
の飽和脂肪酸の合計量が20〜80重量%、残余が主と
して炭素数18の不飽和脂肪酸で実質的にトランス酸を
含まない共ランダム化脂肪を得ることを骨子とする、マ
ーガリン又はショートニング類製造用油脂組成物の製造
法、である。
以下、本発明について詳述する。
本発明におけるパーム油起原の油脂は、パーム油の他
に、パーム油を溶剤等適宜の手段を用いて分画して得ら
れる種々の分画油が適用でき、特に従来最も使用し難い
とされてきたパーム油の高融点画分が有効に利用でき
る。また、炭素数22の飽和脂肪酸を構成脂肪酸として
含む油脂としては、炭素数22の不飽和脂肪酸(エルシ
ン酸)を高割合で構成脂肪酸として含む、高エルシン含
有ナタネ油(High Erucic Acid Rapeseed )が有効に利
用でき、かかる高エルシン含有ナタネ油を極度に水素添
加した、所謂極硬油が例示できる。また、このような高
エルシン含有ナタネ油を極硬油に替えて炭素数22の飽
和脂肪酸の低級アルキルエステル類を使用してもよい。
本発明においては、上記する油脂類を常法に従いエステ
ル交換して、上昇融点が20〜50℃であり、結合脂肪
酸組成において実質的にトランス酸を含まない共ランダ
ム化脂肪を得るが、該油脂類の使用量は共ランダム化脂
肪の該融点が20〜50℃となるように適宜決定すれば
よい。該融点が下限未満では軟らか過ぎて耐熱性がなく
なり、上限を越えると硬過ぎて使用し難く、また口溶け
が悪化する傾向にあるので好ましくない。従って、パー
ム油起原の油脂として該高融点画分を使用した結果、共
ランダム化脂肪の上昇融点が50℃を越えるような場
合、或いは目的製品に応じて融点を調整したいような場
合、例えばパイマーガリンの製造を目的として使用する
ような場合には比較的高く、逆に低温において充分展延
性を示すスプレッドの製造を目的として使用するような
場合には比較的低いのが有利であるから、これらの場合
には必要に応じて炭素数18の不飽和脂肪酸を主要構成
脂肪酸として含む油脂を併用するのがよい。かかる併用
油脂としては、常温で液状を呈した、所謂液体油が好適
であり、例えば大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花
生油、米糠油、トウモロコシ油、サフラワー油、オリー
ブ油、カポック油、ナタネ油(低エルシン含有)等、ま
たはこれらの混合油が例示できる。
本発明によれば、共ランダム化脂肪中に結合脂肪酸とし
て炭素数22の飽和脂肪酸を0.3〜10%含有させる
ことによって効果が得られるので、かかる含量となるよ
うに、炭素数22の飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含む
油脂及び/又は炭素数22の飽和脂肪酸の低級アルキル
エステル類を使用すればよい。なお、上記炭素数22の
飽和脂肪酸含量が下限0.3%未満では品質改良の効果
が得られ難く、逆に10%を越えて使用しても、それ以
上の効果は得られない。而して、本発明において得られ
る共ランダム化脂肪の脂肪酸組成は、炭素数22の飽和
脂肪酸が0.3〜10%、炭素数16及び炭素数18の
飽和脂肪酸の合計量が20〜80%、残余が主として炭
素数18の不飽和脂肪酸であるのが普通である。
本発明においては、このような共ランダム化脂肪をマー
ガリン又はショートニング等の製造に使用するが、使用
に際して以上の共ランダム化脂肪の単独油または融点の
異なる共ランダム化脂肪、即ち使用するパーム油起原の
油脂の種類或いは配合割合の相違により互いに融点の異
なる2種以上の共ランダム化脂肪、をそれぞれ混合した
混合油を使用してもよく、またこれらの単独油或いは混
合油に更に非ランダム化脂肪である前記液体油を混合し
て使用してもよい。後者の場合、液体油に混合する共ラ
ンダム化脂肪の割合は大体20重量%以上使用するのが
好ましく、これより少ないとマーガリン、ショートニン
グ或いはスプレッド等製品の耐熱性乃至腰が弱くなる傾
向にある。
かくして得た油脂を従来公知の方法或いは該方法に準じ
て使用してマーガリン又はショートニング類を製造す
る。
(効果) 以上の如く、従来マーガリン又はショートニング類に使
用し難いとされてきたパーム油起原の油脂、就中使用し
難いとされてきたパーム油高融点画分が、本発明により
製品保存中のグレイニング化或いはザラツキ等品質劣化
を起こすことなく多量に使用できるようになったのであ
り、且つ実質的にトランス酸を含まないので、栄養学的
見地からも全く懸念することのない製品が得られるので
ある。特に、本発明における油脂組成物を使用して製造
したテーブルマーガリン乃至スプレッドは、展延性がよ
く軟らかいにもかかわらず保形性が良好であり、油の滲
みだしもない優れた品質を有するのである。
(実施例) 以下に実施例及び比較例を例示して本発明効果をより一
層明瞭にするが、これらは例示であって本発明の精神が
これらの実施例に限定されるものでないことはいうまで
もない。なお、例中部及び%は何れも重量基準を意味す
る。
実施例1 乾式分別法により分画して得た沃素価40.1、融点4
9.0℃で、結合脂肪酸中のパルミチン酸含量が53%
であるパームステアリン62部とナタネ油の極度硬化油
(結合脂肪酸中の炭素数22の飽和脂肪酸含有量45
%)3部及び大豆油35部とを混合し、公知の方法によ
りランダムエステル交換して、沃素価71.1、融点3
7℃、結合脂肪酸組成において炭素数22の飽和脂肪酸
1.3%、炭素数16の飽和脂肪酸37.4%、炭素数
18の飽和脂肪酸5.8%、炭素数18の不飽和脂肪酸
51.0%で、実質的にトランス酸を含まない共ランダ
ム化脂肪を得た。この共ランダム化脂肪45部と大豆油
55部とを混合して融点31℃、固体脂含有指数(SF
I,%)が10℃で20.0,15℃で13.5,20
℃で11.0,25℃で8.0,30℃で6.0を有す
る、実質的にトランス酸を含まないテーブルマーガリン
用に適した油脂組成物を得た。
かくして得た油脂組成物80部にレシチン0.3部及び
グリセリン脂肪酸エステル(商品名,M8−20E,イ
ーストマンコダック(株)製)0.3部を添加して加温融
解し、さらに着色料及び着香料を適量混合して油相を調
製した。一方、水16.6部、脱脂粉乳2部及び食塩
1.4部を混合して水相を調製し、上記油相と該水相と
をホモミキサーにて混合撹拌し、次いでコンビネーター
により急冷混捏処理してテーブルマーガリンを製造し
た。
このマーガリンを熟成後(5℃,4日)レオメーターに
て測定した値(硬さ)は、5℃で810g/cm2であ
り、パンに塗布したとき低温(マーガリンの温度約5
℃)での展延性は良好で、且つ口溶けも良好であった。
また、このマーガリンを5℃に6週間保存したものはグ
レイニング乃至ザラツキがなく組織が極めて良好であっ
た。また、該マーガリンを縦40mm,横40mm,高さ2
0mmにカットし、これをプラスチック性の透明容器に入
れ25℃にて一昼夜放置しても型崩れすることなく、油
の滲み出しもなかった。
比較例1 実施例1において使用したのと同じパームステアリンを
60部及び大豆油40部とを混合し、同様にしてランダ
ムエステル交換し、沃素価78.0で融点40℃のエス
テル交換油脂を得た。このエステル交換油脂60部と大
豆油40部とを混合して融点35℃3固体脂含有指数
(SFI,%)が10℃で19.0,15℃で14.
0,20℃で10.5,25℃で8.5,30℃で6.
0を有する油脂組成物を得た。
この油脂組成物を使用した以外、後は全て実施例1と同
様にしてマーガリンを得た。
このマーガリンを同様に熟成後レオメーターにて測定し
た値(硬さ)は、5℃で670g/cm2であり、パンに
塗布したとき低温(マーガリンの温度約5℃)での展延
性は良好であったが、5℃に6週間保存後のマーガリン
の組織は若干グレイニング乃至ザラツキを呈していた。
また、該マーガリンを同様に縦40mm,横40mm,高さ
20mmにカットし、これをプラスチック性の透明容器に
入れ25℃にて一昼夜放置したところ、型崩れが著しく
保形性の悪いものであり、且つ容器下部に多量の油の滲
み出しが見られた。
実施例2 実施例1と同様にして調製した共ランダム化脂肪80%
と液体油20%とを混合して融点37.3℃、SFIが
5℃で29.5,10℃で25.8,15℃で19.
4,20℃で14.7,25℃で11.8,30℃で
8.0を有する、実質的にトランス酸を含まない油脂組
成物を得た。この油脂組成物を使用し前例と同様にして
マーガリンを製造した。このマーガリンは、熟成後のレ
オメーター値が5℃で1884g/cm2,10℃で98
2g/cm2であり、低温でも容易に練り込める焼物用マ
ーガリンとして優れた物性を有していた。このマーガリ
ンを使用して焼成したパウンドケーキは、しっとりとし
た食感の滑らかなものであった。
実施例3 乾式分別法により分画して得た沃素価57.8、融点2
2℃のパームオレイン95部と高エルシン含有ナタネ油
の極度硬化油5部とを混合し、公知の方法によりランダ
ムエステル交換して、沃素価55、融点40℃、結合脂
肪酸組成において炭素数22の飽和脂肪酸2.4%、炭
素数16の飽和脂肪酸37%、炭素数18の飽和脂肪酸
6%、炭素数18の不飽和脂肪酸41%で、実質的にト
ランス酸を含まない共ランダム化脂肪を得た。この共ラ
ンダム化脂肪70部と液体油30部とを混合して、SF
Iが5℃で35.0,10℃で32.8,15℃で2
7.2,20℃で20.7,25℃で16.5,30℃
で11.8を有する油脂組成物を得、前例と同様にして
マーガリンを製造した。このマーガリンは、レオメータ
ー値が5℃で1950g/cm2,10℃で1085g/c
m2であり、腰もちが良く組織の良好な焼物用マーガリン
であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−25396(JP,A) 特開 昭57−25395(JP,A) 特開 昭59−135839(JP,A) 特開 昭52−62313(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パーム油起源の油脂と炭素数22の飽和脂
    肪酸を構成脂肪酸として含む油脂及び/又は炭素数22
    の飽和脂肪酸の低級アルキルエステル類、要すればさら
    に炭素数18の不飽和脂肪酸を主要構成脂肪酸として含
    む油脂とをエステル交換して、上昇融点が20〜50℃
    であり、結合脂肪酸組成において炭素数22の飽和脂肪
    酸が0.3〜10重量%、炭素数16及び炭素数18の
    飽和脂肪酸の合計量が20〜80重量%、残余が主とし
    て炭素数18の不飽和脂肪酸で実質的にトランス酸を含
    まない共ランダム化脂肪を得ることを特徴とする、マー
    ガリン又はショートニング類製造用油脂組成物の製造
    法。
  2. 【請求項2】パーム油起源の油脂がパーム油を分画して
    得られる高融点画分である、特許請求の範囲第(1)項に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】炭素数18の不飽和脂肪酸を主要構成脂肪
    酸として含む油脂が常温で液状を呈した油脂である、特
    許請求の範囲第(1)項又は第(2)項に記載の方法。
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