JPH0659737B2 - サーマルヘッド - Google Patents

サーマルヘッド

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JPH0659737B2
JPH0659737B2 JP62314347A JP31434787A JPH0659737B2 JP H0659737 B2 JPH0659737 B2 JP H0659737B2 JP 62314347 A JP62314347 A JP 62314347A JP 31434787 A JP31434787 A JP 31434787A JP H0659737 B2 JPH0659737 B2 JP H0659737B2
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義昭 大内
輝 奥野山
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、高熱伝導性のセラミックス支持体上に保温層
としてポリイミド系樹脂層を形成し、このポリイミド系
樹脂層上に多数の発熱抵抗体を形成してなる高効率のサ
ーマルヘッドに関する。
(従来の技術) 近年、サーマルヘッドは少音、省保守、低ランニングコ
スト等の利点を生かして、ファクシミリ、ワードプロセ
ッサ用のプリンタ等の各種記録装置に多用されるように
なってきている。一方、これらの機器は、小型化、低価
格化、低電力化が要請されており、このためサーマルヘ
ッドにも小型で安価で、かつ高効率のものが望まれてい
る。
このようなサーマルヘッドとしては、Al純度が90
%以上の厚さ0.5〜1.0mm程度のセラミックス基板の上
に、厚さ50〜150μm程度のグレーズガラス層を形成
し、その上に多数の発熱抵抗体と、この発熱抵抗体に接
続された導電体を形成してなるものが多用されている。
ここでは、グレーズガラス層が熱の放散および蓄熱をコ
ントロールする保温層としての役目を担っている。
ところで、このグレーズガラス層を保温層としたサーマ
ルヘッドにおいては、保温層としての熱応答特性に限界
があるため、印字性能を満足しつつ印字の高速化等のサ
ーマルヘッドの効率を上げるためには、たとえば特開昭
52-100245号公報や特開昭56-164876号公報に記載されて
いるように、保温層として熱伝導率の小さな樹脂、たと
えば芳香族ポリイミドやエポキシ樹脂を用いればよいこ
とが知られている。
しかしながら、このような耐熱樹脂を保温層として用い
る方式は、まだ充分な実用化の域には至っていない。こ
れは、瞬時400℃〜500℃、常用250℃〜350℃で動作する
サーマルヘッドの動作条件に耐えうる高耐熱性を有する
とともに、セラミックス支持体との接着性に優れ、かつ
熱の繰返し印加によっても接着性の劣化や剥離を生じな
い信頼性に優れた耐熱性樹脂がなかったことによる。
本発明者らの実験によれば、たとえば特開昭56-164876
号公報に記載された、商品名・トレニース#200(ピロ
メリット酸二無水物とo−フェニレンジアミンとより合
成されたものと推定される。)なるポリイミドワニス
(ポリアミック酸)を用いてAl基板上に形成した
ポリイミド樹脂層は、熱重量測定により熱分解開始温度
を測定したところ、約510℃とかなりの耐熱性を有する
ものの、十分な接着力は得られず即にこの段階ではがれ
るものが多発し、サーマルヘッドの動作に充分に耐えう
るものではなかった。
(発明が解決しようとする問題点) このように、セラミックス支持体上にポリイミド樹脂層
を形成し、このポリイミド樹脂層上に多数の発熱抵抗体
を形成してなるサーマルヘッドでは、ポリイミド樹脂の
低い熱拡散率により熱効率に優れるという長所を有する
半面、ポリイミド樹脂自体の耐熱温度がサーマルヘッド
の苛酷な使用温度条件に対して充分ではなく、またセラ
ミックス支持体との接着力に欠ける等、信頼性が低いと
いう問題があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされた
もので、セラミックス支持体上に熱の放散および蓄熱を
コントロールする保温層として設けたポリイミド系樹脂
層の耐熱性およびセラミックス支持体との接着力を向上
させ、信頼性が高く、熱効率に優れた高性能のサーマル
ヘッドを提供することを目的としている。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明のサーマルヘッドは、高熱伝導性のセラミックス
支持体と、このセラミックス支持体上に形成された耐熱
樹脂層と、この耐熱樹脂層上に形成された複数の発熱抵
抗体と、これら各発熱抵抗体に接続された導電体とを備
えてなるサーマルヘッドにおいて、前記耐熱樹脂層が、
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン
との開環重付加反応によるポリアミック酸ワニスを前記
セラミック支持体上に塗布した後焼成して脱水環化反応
させることにより形成された主鎖にビフェニル構造を有
する芳香族ポリイミド系樹脂からなることを特徴として
いる。
すなわち本発明における耐熱樹脂層は、ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの、たとえば
当モル混合物を開環重付加反応させて得られる、ポリイ
ミド樹脂の前駆体となるポリアミック酸を適当な有機溶
剤に溶解させたワニスを用いて、これをセラミックス支
持体上に塗布した後、焼成して脱水環化反応させること
によって形成された主鎖にビフェニル構造を有する芳香
族ポリイミド樹脂からなるものである。
この芳香族ジアミンとしては、ジアミノジフェニルエー
テル、ジアミノジフェニルスルホン、p-フェニレンジア
ミン、m-フェニレンジアミン等が挙げられるが、特にp-
フェニレンジアミンを使用した場合において熱的に最も
優れ、またセラミックス支持体とのはがれの要因となる
熱膨脹係数の差も小さくなり、その使用が望ましい。
また、本発明のサーマルヘッドにおいては、下記〜
のいずれかを施すことより、さらに耐熱樹脂層とセラミ
ックス支持体との密着性を向上させることが可能となり
好ましい。
主鎖にビフェニル構造を有するポリイミド系樹脂の分
子構造中にSi基を導入する。このSi基を導入したポ
リイミド系樹脂は、たとえば前述のポリアミック酸の合
成時に、芳香族ジアミンの一部を任意のモル比で、望ま
しくは芳香族ジアミン成分のほぼ0.05〜10mol%の範囲
で、Si基を有するジアミンに置き換えて開環重付加反
応させることにより得られるポリアミック酸を使用する
ことにより形成することができる。
このSi基導入に使用するSi基を有するジアミンとし
ては、たとえば 一般式 (式中、Rは2価の有機基を、R′は1価の有機基を、
nは正の数を示す。)で表されるビスアミノシロキサン
が挙げられる。
主鎖にビフェニル構造を有するポリイミド系樹脂中に
シランカップリング剤成分としてアミノ結合を有するシ
ラン化合物および尿素結合を有するシラン化合物の少な
くとも一方を含有させる。このシランカップリング剤
は、たとえば前述のポリアミック酸を主成分とするワニ
スの固形分のほぼ0.05〜10重量%の範囲で添加して使用
することにより含有させることができる。
このシランカップリング剤成分として添加するアミノ結
合を有するシラン化合物としては、たとえばγ−アミノ
プロピルトリエトキシシランやN-フェニル−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、尿素結合を
有するシラン化合物として、たとえばγ−ウレイドプロ
ピルトリメトキシシランが挙げられる。
耐熱樹脂層とセラミックス支持体との間に、ほぼ500
Å〜10000Åの厚さを有するCrやTi等からなる活性金属
層を介在させる。
なお、上記のポリイミド樹脂の分子構造中へのSi基
の導入および上記のポリイミド樹脂中へのシランカッ
プリング剤の添加は、さらに耐熱樹脂層と耐熱樹脂層上
に形成される薄膜との密着性をも大巾に向上させること
ができる。
本発明に使用する高熱伝導性のセラミックス支持体とし
ては、酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウ
ム(AlN)、窒化ケイ素(Si)、炭化ケイ素(Si
C)、サイアロン(SiAlON)、酸化ベリリウム(BeO)等
を主成分とするセラミックス焼結体が例示される。
(作用) そして、上記手段を用いることにより、本発明のサーマ
ルヘッドにおいて耐熱樹脂層として使用される主鎖にビ
フェニル構造を有する芳香族ポリイミド系樹脂は、冷熱
サイクルの付加によっても加熱収縮率が小さく、またセ
ラミックス支持体との熱膨脹係数の差が小さいため、こ
の熱膨脹係数の差により発生する界面応力がその要因の
一つとして考えられるはがれを有効に防止できる。ま
た、ポリアミック酸合成の一方の成分となる芳香族ジア
ミン成分として、特にp-フェニレンジアミンを用いるこ
とにより得られる芳香族ポリイミド系樹脂は、セラミッ
クス支持体との熱膨脹係数の差が最も小さくなり、はが
れをさらに有効に防止することができる。さらに、ポリ
アミック酸の合成時に芳香族ジアミンの一部をSi基を
有するジアミンで置換えて合成したポリアミック酸を使
用するか、あるいはポリアミック酸にシランカップリン
グ剤成分を添加して使用することにより、Si基成分に
よって、よりいっそう付着力が強化される。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
第1図は本発明の一実施例のサーマルヘッドの要部を示
す斜視図であり、同図において1は高熱伝導性を有する
セラミックス支持体であり、このセラミックス支持体1
上に、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp-フェニ
レンジアミンとの当モル混合物を開環重付加反応させて
得られた下記の(I−1)式で表されるポリアミック酸
を有機溶剤に溶解させたポリアミック酸ワニス、あるい
はこのポリアミック酸の合成時にp-フェニレンジアミン
をほぼ0.05〜10mol%の範囲で、下記の(II)式で示さ
れるビスアミノジシロキサンで置き換えて合成した下記
の(III−1)式で表される分子構造中にSi基を導入
したポリアミック酸を有機溶剤に溶解させたポリアミッ
ク酸ワニス、あるいは上述の(I−1)式で表されるポ
ロアミック酸に下記の(IV)式で示されるγ−ウレイド
プロピルトリメトキシシランを0.05〜10重量%の範囲で
添加分散させたポリアミック酸ワニスを塗布、焼付けす
ることにより、下記の(I−2)式または(III−2)
式で表される芳香族ポリイミド樹脂からなる厚さほぼ5
μm〜50μm、好ましくは10〜30μmの耐熱樹脂層2が
形成されている。そしてこの耐熱樹脂層2の上にSiO2
β-SiAlON等からなる下地層3およびTa-SiO2、Ti-SiO2
等からなる発熱抵抗体4が順に形成されており、この発
熱抵抗体4上に発熱部5となる開口を形成する如く、A
l、Al-Si-Cu等からなる個別電極6および共通電極7が
形成され、少なくともこの発熱部5を被覆するように、
Si-O-N系化合物等からなる酸化防止膜兼耐摩耗膜8が形
成されている。
なお、式中l、m、nは正の数を表す(以下同じ)。
このサーマルヘッドは、個別電極6と共通電極7との間
に所定の時間間隔でパルス電圧を印加することにより発
熱部5の発熱抵抗体4が発熱し、印字記録が行われる。
このサーマルヘッドは、たとえば次のようにして製造さ
れる。
まず、所定形状の厚さ0.85mm程度の、たとえば純度96%
のAl焼結体からなるセラミックス支持体1に洗浄
および乾燥を施した後、前述したポリアミック酸をN-メ
チル、-2-ピロリドン等の溶剤を用いて所定の粘度に調
整して、ロールコータやスピンオンコータ等によってセ
ラミックス支持体1上に所定の膜厚に塗布し、焼成炉を
用いて50℃×1時間、80℃×30分、次いで120℃×30
分、250℃×1時間、450℃×1時間の加熱を行い溶媒を
除去するとともに、脱水環化反応を進行させて成膜し、
耐熱樹脂層2を形成する。なお、この際にシランカップ
リング剤成分を含有させずに、あるいは分子構造中にS
i基の導入のないポリアミック酸を使用する場合には、
セラミックス支持体1の表面にほぼ500Å〜10000Åの厚
さのCrやTi等の活性金属層を蒸着等の方法で形成した後
に、ポリイミド樹脂層を形成することが望ましい。
次に、この耐熱樹脂層2上にスパッタリングやその他の
方法で、ほぼ厚さ500Å〜10000ÅのSiO2やβ-SiAlON等
からなる下地層3およびTa-SiO2やTi-SiO2等からなる発
熱抵抗体4、さらに個別電極6および共通電極7となる
AlやAl-Si-Cu等からなる導電層を形成する。次いで発熱
部5となる開口が形成されるようにマスキング後、ウェ
ットエッチングやケミカルドライエッチング等により所
定のパターンを形成する。この後、マスキング膜を除去
し、この発熱部5を少なくとも被覆するようにSi-O-N系
化合物等からなる酸化防止膜兼耐摩耗膜8を、たとえば
スパッタリング法により形成する。
次に、このサーマルヘッドの製造工程において、ポリイ
ミド樹脂の付着力や耐熱性等の特性を評価した。
まず、前述した実施例のビフェニルテトラカルボン酸と
p-フェニレンジアミンとの開環重付加反応により得たポ
リアミック酸を用いて、Cr蒸着膜の形成されているAl
基板の上にポリイミド樹脂層(実施例1)を成膜
し、Nガス中において、室温×1時間、450℃×1時
間の条件で繰返し熱応力テストを行い、その際のポリイ
ミド樹脂層のはがれの有無を調べた。また、熱重量測定
法による熱分解開始温度の測定、加熱収縮量の測定およ
び熱膨脹係数の測定も行った。その結果を次表に示す。
また、上記実施例におけるp-フェニレンジサミンの代り
に、芳香族ジアミン成分としてそれぞれm-フェニレンジ
アミン(実施例2)およびジアミノジェニルエーテル
(実施例3)を使用し、各々同様にしてポリアミック酸
を合成し、次いで同一条件でポリイミド樹脂層を形成し
た。これらについても同様にしてその特性を評価し、次
表にその結果を示した。
なお、表中の比較例は、芳香族ジアミン成分として実施
例で使用したp-フェニレンジアミンを用いて、テトラカ
ルボン酸成分として、それぞれピロメリット酸二無水物
(比較例1)およびベンゾフェノンテトラカルボン酸
(比較例2)を使用して各々ポリアミック酸を合成し、
実施例と同一条件でポリイミド樹脂層を形成し、実施例
と同様の評価を行った結果である。
前表より明らかなように、テトラカルボン酸成分とし
て、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いて合成
したポリイミド樹脂は、他のテトラカルボン酸成分を使
用したポリイミド樹脂に比べて加熱収縮が少なく、また
熱膨脹係数が小さく、セラミックス支持体の熱膨脹係数
と近似しているため、熱応力付加時のセラミックス支持
体とのはがれが減少する。また、実施例1による芳香族
ジアミン成分としてp-フェニレンジアミンを使用したポ
リイミド樹脂は、特に耐熱性に優れ、またセラミックス
支持体との熱膨脹係数の差も最も小さくなり、これによ
り、この熱膨脹係数の差により生じると考えられるはが
れが有効に防止できたことがわかる。なお、他の実施例
によるポリイミド樹脂においては、分子構造中にSi基
を導入するか、前述したシランカップリング成分を添加
することにより、サーマルヘッドとして実用可能な付着
強度が得られる。
次に、分子構造中にSi基を導入した前述の実施例1の
ポリイミド樹脂およびシランカップリング剤成分を含有
させた実施例1のポリイミド樹脂の付着強度および耐熱
性について評価した。
第2図は、p-フェニレンジアミン成分中の前述したビス
アミノシロキサンの比率と付着強度および熱分解開始温
度との関係を示した図であり、第3図は、同様に前述し
たシランカップリング剤の添加量(ポリアミック酸ワニ
ス中の固形分に対する重量%)と付着強度および熱分解
開始温度との関係を示した図である。いずれの場合も、
付着強度が大巾に改善されていることがわかる。
なお、サーマルヘッドの発熱抵抗体は、瞬時400℃〜500
℃、持続250℃〜350℃の温度で動作するが、第2図の結
果よりビスアミノシロキサンの置換比率は、ほぼ0.05〜
10mol%の範囲が好ましいことが、また第3図の結果か
らシランカップリング剤の添加量は、0.05〜10重量%の
範囲が好ましいことがわかる。さらに、シランカップリ
ング剤の添加は、若干ではあるが耐熱性を向上させてい
る。
また、シランカップリング剤成分としては、前述のγ−
ウレイドプロピルトリメトキシシランの他に、下記の
(V)式で示されるγ−アミノプロピルトリメトキシシ
ランや(VI)式で示されるN-フェニル−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシランを用いた場合にも同様の効果が
得られた。
次に、サーマルヘッドの効率について評価を行った。
まず、従来例としてSiO2-BaO-CaO-Al2O3-B2O3-ZnOから
なるほぼ厚さ70μmのグレーズガラス層をAl基板
上に形成したものに、この実施例と同様にして下地層、
発熱抵抗体、電極および保護膜を形成してサーマルヘッ
ドを構成した。そして、このグレーズガラス層を用いた
サーマルヘッドによって印字を行い、ある一定の発色濃
度が得られた投入電力を基準として、この実施例におけ
るポリイミド樹脂層(実施例1)を用いたサーマルヘッ
ドによって同等の発色濃度を得るための投入電力を比率
として求めた。その結果を投入電力比(グレーズガラス
層を用いたサーマルヘッドによる投入電力を1とした比
率)とポリイミド樹脂層の膜厚との関係をグラフ化し、
第4図に示した。
第4図からも明らかなように、保温層として本発明のポ
リイミド樹脂を使用した場合、グレーズガラスを使用し
た場合と同じ発色濃度を得るのに、低投入電力で十分で
あること、すなわち熱効率に優れていることがわかる。
また、第4図の結果より、ポリイミド樹脂層の厚さは、
ほぼ5μm〜50μmの範囲が好ましいこともわかる。
また第5図には、効率の向上に起因する基本的知見を得
るために、レーザフラッシュ法を用いて測定した厚さ方
向の熱拡散率を示す。本発明に係る主鎖にビフェニル構
造を有する芳香族ポリイミド樹脂は、熱拡散率が従来の
グレーズガラスのほぼ1/10と低く、これにより高効率の
サーマルヘッドを構成することが可能であることが明ら
かである。また、分子構造中にSi基を導入した場合、
若干ではあるがさらに熱拡散率が下がり、より効率の向
上が期待できることがわかる。
なお、この実施例では、ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物と芳香族ジアミンとの混合物として、当モル混合
物を用いたが、本発明はこれに限定されるものではな
く、耐熱性や合成時の粘度の使用許容範囲内で、その混
合比を変更して用いてもよい。また、本実施例では、セ
ラミックス支持体としてAl基板を用いたが、本発
明はこれに限定されるものではなく、AlN、Si、S
iC、SiAlON、BeO等、他の高熱伝導性を有するセラミッ
クス焼結体を使用した場合においても同様な効果が得ら
れる。
[発明の効果] 以上の実施例からも明らかなように、本発明のサーマル
ヘッドによれば、セラミックス支持体上の保温層として
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン
との開環重付加反応によるポリアミック酸の脱水環化反
応により形成された芳香族ポリイミド系樹脂による耐熱
樹脂層を用いているので、充分な耐熱性を有しているこ
とから、苛酷なサーマルヘッドの動作条件においても熱
破壊や劣化を生じることはなく、また芳香族ジアミン成
分として特にp-フェニレンジアミンを用いることによ
り、セラミックス支持体との熱膨脹係数の差が小さくな
り、この熱膨脹の差により発生する界面応力に起因する
剥がれを有効に防止することができる。さらに、ポリア
ミック酸の合成時にp-フェニレンジアミンの一部をSi
基を有するジアミンで置き換えて合成したポリアミック
酸を使用するか、あるいはこのポリアミック酸にシラン
カップリング剤成分を添加して使用することにより、い
っそう付着力が強化される。したがって、信頼性に優
れ、ポリイミド樹脂の特性を充分に生かした安価で高効
率のサーマルヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例のサーマルヘッドの要部を示
す斜視図、第2図は芳香族ジアミン中のジアミノシロキ
サンの比率と付着強度および熱分解開始温度との関係を
示したグラフ、第3図はシランカップリング剤の添加量
と付着強度および熱分解開始温度との関係を示したグラ
フ、第4図は本発明の一実施例のサーマルヘッドと従来
の保温層にグレーズガラスを用いたサーマルヘッドの効
率を比較したグラフ、第5図は本発明に係る芳香族ポリ
イミドと従来のサーマルヘッドの保温層に使用されるグ
レーズガラスの熱拡散率を比較したグラフである。 1……セラミックス支持体 2……耐熱樹脂層 3……下地層 4……発熱抵抗体 5……発熱部 6……個別電極 7……共通電極 8……酸化防止膜兼耐摩耗膜
フロントページの続き (72)発明者 大内 義昭 神奈川県川崎市幸区堀川町72 株式会社東 芝堀川町工場内 (72)発明者 奥野山 輝 神奈川県川崎市川崎区千鳥町9―2 東芝 ケミカル株式会社千鳥町工場内 (56)参考文献 特開 昭60−130190(JP,A) 実開 昭61−168942(JP,U)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高熱伝導性のセラミック支持体と、このセ
    ラミック支持体上に形成された耐熱樹脂層と、この耐熱
    樹脂層上に形成された複数の発熱抵抗体と、これら各発
    熱抵抗体に接続された導電体とを備えてなるサーマルヘ
    ッドにおいて、 前記耐熱樹脂層は、ビフェニルテトラカルボン酸二無水
    物と芳香族ジアミンとの開環重付加反応によるポリアミ
    ック酸ワニスを前記セラミック支持体上に塗布した後焼
    成して脱水環化反応させることにより形成された主鎖に
    ビフェニル構造を有する芳香族ポリイミド系樹脂からな
    ることを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 【請求項2】前記芳香族ジアミンは、p−フェニレンジ
    アミンであることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載のサーマルヘッド。
  3. 【請求項3】前記主鎖にビフェニル構造を有する芳香族
    ポリイミド系樹脂は、分子構造中にSi基が導入されて
    いることを特徴とする特許請求の範囲第1項または第2
    項記載のサーマルヘッド。
  4. 【請求項4】前記分子構造中にSi基が導入された主鎖
    にビフェニル構造を有する芳香族ポリイミド系樹脂は、
    ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン
    との開環重付加反応時に、前記芳香族ジアミンの一部を
    Si基を有するジアミンで置き換えることにより得られ
    たポリアミック酸の脱水環化反応により形成されてなる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第3項記載のサーマル
    ヘッド。
  5. 【請求項5】前記Si基を有するジアミンは、 一般式 (式中、Rは2価の有機基を、R′は1価の有機基を、
    nは正の数を示す。)で表されるビスアミノシロキサン
    であることを特徴とする特許請求の範囲第4項記載のサ
    ーマルヘッド。
  6. 【請求項6】前記Si基を有するジアミンの添加量は、
    前記芳香族ジアミン成分の0.05〜10mol%の範囲である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第4項または第5項記
    載のサーマルヘッド。
  7. 【請求項7】前記主鎖にビフェニル構造を有する芳香族
    ポリイミド系樹脂は、シランカップリング剤成分として
    アミノ結合を有するシラン化合物および尿素結合を有す
    るシラン化合物の少なくとも一方を含有していることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項記載のサ
    ーマルヘッド。
  8. 【請求項8】前記アミノ結合を有するシラン化合物は、
    γ−アミノプロピルトリエトキシシランまたはN−フェ
    ニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第7項記載のサーマルヘ
    ッド。
  9. 【請求項9】前記尿素結合を有するシラン化合物は、γ
    −ウレイドプロピルトリメトキシシランであることを特
    徴とする特許請求の範囲第7項記載のサーマルヘッド。
  10. 【請求項10】前記シランカップリング剤の添加量は、
    前記ポリアミック酸中の固形分の0.05〜10重量%の範囲
    であることを特徴とする特許請求の範囲第7項ないし第
    9項のいずれかに記載のサーマルヘッド。
  11. 【請求項11】前記高熱伝導性のセラミック支持体と前
    記耐熱樹脂層との間には、ほぼ500Å〜10000Åの厚さを
    有する活性金属層が設けられていることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項または第2項記載のサーマルヘッ
    ド。
  12. 【請求項12】前記活性金属は、CrまたはTiのいず
    れかからなることを特徴とする特許請求の範囲第11項
    記載のサーマルヘッド。
  13. 【請求項13】前記耐熱樹脂層の厚さは、5μm〜50μ
    mの範囲であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載のサーマルヘッド。
  14. 【請求項14】前記高熱伝導性のセラミック支持体は、
    酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、サ
    イアロン、酸化ベリリウムのいずれかを主成分とするセ
    ラミック焼結体からなることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のサーマルヘッド。
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