JPH0668050B2 - 金属蒸着フイルム用ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

金属蒸着フイルム用ポリプロピレン系樹脂組成物

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JPH0668050B2
JPH0668050B2 JP1163714A JP16371489A JPH0668050B2 JP H0668050 B2 JPH0668050 B2 JP H0668050B2 JP 1163714 A JP1163714 A JP 1163714A JP 16371489 A JP16371489 A JP 16371489A JP H0668050 B2 JPH0668050 B2 JP H0668050B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属蒸着フイルム用ポリプロピレン系樹脂組
成物に関し、更に詳しくは、それから得られるフイルム
にフイツシユアイは殆んど見られず、従つてそれをベー
スとして金属蒸着すれば、蒸着膜は凹凸がなくて均一で
金属光沢の優れた金属蒸着フイルムが得られる金属蒸着
フイルム用ポリプロピレン系樹脂組成物に関するもので
ある。
〔従来の技術〕
近年、プラスチツクフイルムをベースとしてそれに真空
下でアルミニウム等の金属を蒸着させた金属蒸着フイル
ムは、その優れた装飾性,ガスバリヤー性,光線遮断性
等が活用されて、金銀糸等の装飾用から建築用,食品包
装用等の大量消費分野に用途が拡大され、広く使用され
ている。ポリプロピレン系フイルムはプラスチツクフイ
ルムの主要なものであり、それをベースフイルムとした
金属蒸着ポリプロピレン系フイルムも上記諸用途に使用
されてきた。
しかしながら、通常のポリプロピレン系樹脂から得られ
たフイルムに金属蒸着したものは、ポリプロピレン系樹
脂中に添加されている中和剤,分散剤,スリツプ剤,酸
化防止剤等の添加剤の表面への移行や転写等により蒸着
面(金属面)のぬれ性が不良となつて印刷や他のフイル
ムとの接着性(以下、印刷・ラミネート性と言うことが
ある)が低下し、特に金属が最も代表的なアルミニウム
の場合にこの傾向が強く、用途開拓上の大きな障害とな
つている。
このような欠点の解消を上記添加剤を添加しないだけで
図ろうとすると、もともとこれらは必須の添加剤として
常用されているものであるだけに、次のような多くの問
題が原反フイルム製造の段階で生じる。例えば、分散剤
(ステアリン三カルシウム等の高級脂肪酸塩の使用され
ることが多い。)を添加しない場合、別途添加したブロ
ツキング防止剤の分散不良によりフイルムにフイツシユ
アイが多発する。また、スリツプ剤を添加しない場合、
フイルムの滑り性や耐ブロツキング性が極度に低下し、
巻き都つたフイルムにしわが入つたり、フイルムロール
が局部的に肥大するいわゆる巻きこぶが出来たりして、
良好な巻姿に巻き取ることが非常に困難となる。これら
の現象は、剛性が低く粘着性が大きいプロピレン−α−
オレフイン共重合体の場合特に顕著であり、そして低温
ヒートシール能向上の為に低融点化するほど、またバツ
チ式で行なう金属蒸着の能率化を図るためにフイルムを
広幅化、薄肉化する程顕著であつて、このような原反フ
イルムを使用しても品質の良い金属蒸着ポリプロピレン
系フイルムは得られない。従つて印刷・ラミネート性を
向上させるために分散剤,スリツプ剤等を添加しないこ
とによつて起こるフイツシユアイの多発や巻姿不良を如
何にして防止するかが問題であつた。
従来、このような問題点を解消するためのいくつかの提
案がなされている。例えば、ポリプロピレン系樹脂にゼ
オライト粉末を添加した組成物から得られるフイルムを
ベースとする金属蒸着ポリプロピレンフイルムが提案さ
れている(特公昭61-16617号参照)。又、本発明者等は
先に、特定のプロピレン−α−オレフイン共重合体と特
定のポリエチレンとの配合物に特定の金属置換型ゼオラ
イトを含有させた金属蒸着フイルム用のポリオレフイン
系樹脂組成物を提案した(特開昭59-25829号参照)。こ
れらは、金属蒸着性(金属蒸着性とは蒸着加工性,蒸着
膜の接着性等の性質を言う)フイルムの耐ブロツキング
性等の改善には有用であつたが、本発明者らのその後の
検討によれば、フイルムの表面状態に欠けるところがあ
つた。その原因は、ゼオライト系の無機充填剤は、凝集
し易く、分散効果の優れた高級脂肪酸塩等の分散剤を使
用しない場合は、分散不良によりこの充填剤を核とした
斑点状の突起物すなわちフイツシユアイが発生すること
である。このフイツシユアイは、フイルムに金属を蒸着
してもフイツシユアイの部分は蒸着されずに残るので蒸
着ムラの原因となり、また、フイツシユアイによる表面
の凹凸によつて蒸着面の光沢も良好でなく、巻姿もしば
しば不均一になる原因となつていた。
このようなフイツシユアイの発生をなくすために押出機
の先端等に設置されるフイルターいわゆるスクリーン・
パツクの網目を細かくすると、その目詰まりが激しくな
つて運転に支障をきたした。更に、近年ポリプロピレン
の製造において一般化した高活性触媒の使用によつて得
られるポリプロピレン粉末はその平均粒径が50μm以上
に大きく、100〜500μmの大粒ないし顆粒状のものも知
られているが、ポリプロピレンの粉末の粒径が大きくな
るほど無機充填剤の分散が悪化することから、このよう
な平均粒径の大きい最近のポリプロピレン系樹脂粉末を
用いてフイルムにフイツシユアイが発生せず且つ印刷・
ラミネート性の優れた金属蒸着フイルム用ポリプロピレ
ン樹脂組成物を供給するのは益々困難な状況にあつた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上記従来技術の欠点を解消し、高級脂肪酸塩
の如き添加剤の存在しない条件下でも、更にはポリプロ
ピレン系樹脂として例えば50μm以上の粒径の大きい粉
末が使用されている場合でも、それから得られるフイル
ムにはフイツシユアイの発生が少なくて表面の平滑性に
優れ、従つて蒸着膜の均一な金属蒸着ポリプロピレン系
樹脂フイルムが得られることを課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は種々検討した結果、特定の結晶性プロピレ
ン−α−オレフイン共重合体を主とし特定の無定形シリ
カ微粉末を含有させた組成物によつて上記課題を解決出
来ることを究明して本発明に到達した。
以下に本発明の詳細に説明する。
本発明は、プロピレン成分の共重合割合が80重量%以上
で結晶融点が150℃以下の結晶性プロピレン−α−オレ
フイン共重合体から主として成り平均粒径が0.5〜6μ
mでBET法による比表面積が500m2/g以上で且つ吸油量
が150ml/100g以下の無定形シリカ微粉末が結晶性プロ
ピレン−α−オレフイン共重合体との総量に基づいて0.
01〜0.5重量%含有されていることを特徴とする金属蒸
着フイルム用ポリプロピレン系樹脂組成物である。
本発明で用いられる結晶性プロピレン−α−オレフイン
共重合体は、そのα−オレフイン成分がエチレンまたは
ブテン−1,ヘキセン等の炭素数4以上のα−オレフイン
であつて、それらの1または2以上とプロピレンとの二
元以上の共重合体である。結晶性プロピレン−α−オレ
フイン共重合体の結晶融点(以下、Tmで表わすことがあ
る)が150℃を超えると、フイルムとしたときに蒸着膜
との接着性が低下したり、非蒸着面をシール面とした場
合のヒートシール性が劣り、好ましくない。
ここで、結晶融点(Tm)とは、走査型差動熱量計を用い
て窒素雰囲気中で10mgの試料を10℃/分の速度で昇温さ
せて得られる結晶の融解に伴う吸熱カーブのピーク温度
を指す。このTmは、結晶性プロピレン−α−オレフイン
共重合体の場合、コモノマー成分の含有量が増すと低下
する。特にエチレン−プロピレンランダム共重合体の場
合、共重合体のランダムネスによつて若干変動するが、
共重合体のエチレン成分がおよそ2.5重量%を超えるとT
mは150℃以下になる。
結晶性プロピレン−α−オレフイン共重合体の好ましい
ものとしては、エチレンの共重合割合が2.5〜10重量%
の結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体,ブテ
ン−1の共重合割合が5〜20重量%のプロピレン−ブテ
ン−1共重合体,エチレンの共重合体割合が0.1〜7重
量%でブテン−1の共重合割合が0.3〜15重量%(但し
エチレン及びブテン−1の共重合割合の合計は20重量%
以下)のエチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合
体等が挙げられ、このうちTmが115〜150℃のものが特に
好ましい。
このような共重合体は、主成分のプロピレンとコモノマ
ーのエチレンや炭素数4以上のα−オレフインを、例え
ばチーグラ・ナツタ系触媒又は公知の還元型ないし担持
型等の高活性触媒等を用いて公知の種々の方法でランダ
ム共重合する事により得る事が出来る。近年は、前記の
ごとく、高活性触媒の使用によつて大粒ないし顆粒状で
得られており、これが主流になつている。
なお、特公昭39-1936号公報等で知られているように、
第1段でプロピレンを重合し、第2段目でプロピレン−
エチレンを共重合させるか、これらの工程を繰り返す多
段重合で製造されるエチレン−プロピレンブロツク共重
合体の如く、ブロツク的に共重合したもののTmは一般に
主ピークは150℃を超えるが、上記の第1段で共重合さ
せる事によつて主ピークを150℃以下にし、本発明に適
した共重合体にする事が出来る。
本発明で用いる無定形シリカ微粉末は、平均粒径が0.5
〜6μmでBET法による比表面積が500m2/g以上で、且
つ吸油量が150ml/100g以下のものである。
平均粒径が0.5μm未満ではかえつて凝集しやすくてフ
イツシユアイが多発し、6μmを超えるとフイルム表面
の凹凸が激しくなり、光沢が著しく低下する。また、BE
T法により比表面積が500m2/g未満では共重合体中での
分散性が劣つてフイツシユアイが多発する。また、吸油
量が150ml/100gを超えても分散性が低下し、フイツシ
ユアイが多発するか、スクリーン・パツクに目詰まりが
生じて良好な蒸着用フイルムが得難い。
一般に市販されているシリカ微粉末は、“アエロジル20
0"(日本アエロジル(株)製)に代表される平均粒径0.
1μm以下の乾式法で製造される微粉末やホワイトカー
ボン・シリカゲルのような湿式法で製造されるもの等に
見られるように、平均粒径,比表面積,吸油量等におい
て非常に広範囲に亘つているが、本発明においては上記
の特性を有する無定形シリカ微粉末のみが非常に優れた
分散性を示し、これを用いた組成物からは、フイツシユ
アイが極めて少なくて蒸着膜は均一性で金属光沢の美麗
な蒸着フイルムが得られるのである。
無定形シリカ微粉末の組成物中の含有量は、結晶性プロ
ピレン−α−オレフイン共重合体と無定形シリカ微粉末
との総量に基づいて、0.01〜0.5重量%である。0.01重
量%未満では、ブロツキング防止効果が不足し、0.5重
量%を超えるとフイツシユアイや目詰まりトラブルが生
じやすくなり、好ましくない。このうち、0.03〜0.3重
量%の範囲が特に好ましい。
なお、本発明における無定形シリカ微粉末の平均粒径、
比表面積および吸油量は、下記の方法により測定される
ものである。
平均粒径:コールターカウンター法による。
比表面積:液体窒素温度でのN2吸着によるBET法によ
る。
吸油量:JIS K-5101 19による。
本発明に係る組成物中には、必要に応じて酸化防止剤,
滑剤,ブロツキング防止剤,無機充填剤等の添加剤を本
発明の目的を損なわない範囲内で適宜含有させることが
出来るが、金属蒸着膜とフイルムとの接着性、蒸着面の
印刷・ラミネート性を低下させないためには、ステアリ
ン酸,オレイン酸等の脂肪酸、ステアリン酸カルシウ
ム,ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸の金属塩、オ
レイン酸アミド,エルカ酸アミド,ステアリン酸アミド
等の脂肪酸アミド類およびその他の脂肪酸形成基を含有
する該導体等は含有させないことが望ましい。本発明は
これらの脂肪酸誘導体を必要としないのが利点でもあ
る。
酸化防止剤として好ましいものは、分子量が500以上の
例えば テトラキスー〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブ
チル−4′−ヒドロキシフエニル)プロピオネート〕等
(特開昭59-25829号参照)が示され、その1又は2以上
を併用して結晶性プロピレン−α−オレフイン共重合体
100重量部に対し0.01〜0.3重量部の範囲で含有させる。
無機充填剤として好ましいものは平均粒径3μm以下の
ハイドロタルサイト類微粉末であつて、このものは分散
性に優れ、原料ポリマー中に含まれている酸性成分の中
和効果を有する。ここでいうハイドロタルサイト類と
は、マグネシウム,及びアルミニウムの含水塩基性炭酸
塩であつて、天然物,合成品のいずれでもよい。ハイド
ロタルサイトの含有量は、結晶性プロピレン−α−オレ
フイン共重合体100重量部に対して0.01〜0.2重量部、好
ましくは0.03〜0.15重量部である。
本発明の組成物に次のような他種ポリマーを本発明の目
的を阻害しない範囲内で組成物に配合して使用すれば、
それぞれの効果が付加した蒸着フイルムが得られる。す
なわちカルボン酸グラフトポリプロピレンを配合した場
合は、蒸着膜の接着性が向上し、無定形エチレン−α−
オレフイン共重合体や低密度ポリエチレン等を配合した
場合は耐衝撃性が向上する。特に密度0.94以上の高密度
ポリエチレン1〜10重量部望ましくは1〜4重量部を本
発明の組成物100重量部に配合した場合は、耐ブロツキ
ング性,スリツプ性等を向上させ、且つ蒸着フイルムの
剛性も向上させるので特に好ましい。この場合、高密度
ポリエチレンのメルトフローレート(MI)と結晶性プロ
ピレン−α−オレフイン共重合体のメルトフローレート
(MFR)との比(MI/MFR)を0.7以上とするのが好まし
い(特開昭59-25829号参照)。
本発明に係る組成物を得る為の混合の方法は、通常公知
のヘンシエルミキサー,バンバリーミキサー,各種ニー
ダー,押出機等がいずれも使用出来る。特に、結晶性プ
ロピレン−α−オレフイン共重合体粉末に無定形シリカ
微粉末及び必要なその他の添加剤を配合し、粉末状でミ
キサー等で混合した後、押出機等を用いて更に溶融混合
して、ペレツト状の組成物とするのが好ましい。なお、
前記の他種ポリマーを配合する場合は、組成物をペレツ
ト化する段階で配合して混合してからペレツト化しても
良いが、本発明に係る組成物のペレツトと他種ポリマー
のペレツトとをペレツト状で混合して用いても良い。
本発明に係る組成物を用いてフイルムを成形する方法
は、通常のTダイ法,チユーブラー法のいずれでも良い
が、通常のポリプロピレンの製膜条件と同様に、溶融押
出しされた組成物が70℃以下で急冷されるような条件下
で製膜するのが望ましく、得られるフイルムの厚さは、
通常100μm以下である。
このようにして得られたフイルムに、常法に従つてその
被蒸着面にコロナ放電処理,火炎処理,プラズマ処理等
の表面処理を施して表面を活性化し、この活性化した処
理面に金属を真空蒸着して目的とする金属蒸着フイルム
を得る事が出来る。
この表面処理は金属蒸着迄の適当な時期に行えば良い
が、フイルム製造時に製膜と巻取りの間で行う事が簡便
で効果的である。フイルムにこのような表面処理を施さ
ない場合は蒸着膜の接着性が弱い傾向を示すので、ぬれ
指数(測定法は後記)が37dyn/cm以上なるように処理
するのが望ましい。また、この処理面にポリエステル,
ポリウレタン,エポキシ樹脂等のアンカーコート剤を塗
布した後に蒸着しても良い。
本発明の組成物からなるフイルムに金属を蒸着する方法
は、公知のいずれの方法を用いて行う事が出来る。例え
ば上記のごとき表面処理面を施された原反フイルムロー
ルを、フイルム繰出部,蒸着部,及び巻取部を備えた真
空蒸着装置内にセツトし、装置内の気圧を10-4Torr以下
に減圧し、アルミニウム等の所望の金属を入れた容器ま
たは所望の金属を付着させたフイラメントを加熱して該
金属を溶融蒸発させ、蒸発分子を繰り出されたフイルム
表面に連続的に蒸着させ巻取る方法が一般的である。な
お、最近、繰出部及び巻取部を装置外に設置し、連続的
に蒸着を可能にした方式が採用されつつあるが、勿論こ
の方式でも良い。その他、真空中で放電させたときに陰
極を構成する金属が飛散する現象を利用したスパツタリ
ング蒸着やイオンプレーテイングによつても可能であ
る。
なお、蒸着させる金属は、アルミニウム,金,銀,銅,
ニツケル,クロム,ゲルマニウム,セレン,チタン,ス
ズ,亜鉛等があげられるが、作業性,反射率,経済性等
からアルミニウムが好ましく、アルミニウム面のぬれ指
数(表面張力)低下防止の面からも本発明はきわめて有
用である。金属蒸着層の厚さは、通常数十ないし数百オ
ングストローム(Å)の範囲である。
本発明の組成物から未延伸フイルムを得てその一方の面
にアルミニウム等の金属蒸着を施し、もう一方の面をシ
ーラント層として用いるのが本発明の最も有効な活用法
である。このようにして得られた金属蒸着ポリプロピレ
ン系フイルムはフイツシユアイが殆ど発生しておらず、
均一で美麗な金属光沢をしている。
〔実施例〕
以下、実施例,比較例により本発明を更に具体的に説明
するが、本発明はこれらによつて限定されるものではな
い。実施例,比較例中に示す特性の測定方法及び評価の
基準は下記の通りである。
(1)プロピレン−α−オレフイン共重合体のメルトフ
ローレート(MFR): JIS K 6758(試験条件:230℃,2.16kgf)による。(単
位:g/10分) (2)ポリエチレンのメルトフローレート(MI): JIS K 6760(試験条件:190℃,2.16kgf)による。(単
位:g/10分) (3)ヘイズ(Heze): 蒸着前のフイルムをASTM D 1003により測定した。
(4)フイツシユアイ: (株)安川電気製作所製の自動欠点検査システムのうち
のFishEye(フイツシユアイ)カウンターを用いてフイ
ルム中の0.1mmφ以上の核を有するフイツシユアイを測
定した。(単位:個/1,000cm2) フイツシユアイが多いほど、フイルムの外観及び平滑性
が劣る。
(5)ぬれ指数: JIS K 6758の方法で測定した。(単位:dyn/cm) (6)蒸着面の印刷・ラミネート性: 片面に金属(アルミニウム)蒸着したフイルムの蒸着面
(金属面)と非蒸着面(ベースフイルムの面)とを重ね
合わせ、4.2kg/100cm2の荷重をかけて温度40℃,相対
湿度95%の雰囲気下に72時間放置した後、蒸着面のぬれ
指数を測定する。良好な印刷・ラミネート性と評価され
るには、このぬれ指数が35以上、望ましくは37以上が必
要であり、このぬれ指数から蒸着面の印刷・ラミネート
性を以下のようにランク付けした。
(7)蒸着膜の均一性: 蒸着フイルムを目視観察して次のように判別した。
○:平滑で均一に光沢がある膜が形成されているもの ×:蒸着面に細かい凹凸があつたり、斑点状に蒸着膜の
無い部分やムラが見られるもの。
×と評価したものでは実用状問題が多い。
比較例1 結晶融点が145℃,MFRが7.0,平均粒径が120μm,エチレン
の共重合割合が4.1重量%の結晶性エチレン−プロピレ
ンランダム共重合体に、平均粒径が3.3μmで比表面積
が300m2/gで吸油量が310ml/100gの無定形シリカ微粉
末を上記共重合体との総量に基づいて0.15重量%配合
し、更に上記共重合体の100重量部に対して酸化防止剤
(チバガイギー社製Iranox1010)を0.15重量部,中和剤
(ステアリン酸カルシウム)を0.1重量部,及びスリツ
プ剤(エルカ酸アミド)を0.1重量部の各割合で添加
し、ヘンシエルミキサーで2分間混合した後、口径40φ
の押出機を用いて220℃で造粒してペレツト状の組成物
とした。このペレツトを口径65mmφの押出機及び600mm
幅のTダイを用いて230℃で溶融押出し、エアナイフ及
び30℃の冷却ロールで急冷してフイルム状にしながら、
直ちにフイルムの片面にコロナ放電処理をして巻き取
り、厚さ25μm,処理面のぬれ指数41dyn/cmの原反フイ
ルムを得た。次に、この原反フイルムを巻取型真空蒸着
装置を用いて、10-5Torrの真空下でアルミニウム蒸着を
行なつて巻き取り、蒸着膜の厚さが約400Åの片面蒸着
フイルムを得た。各フイルムの特性を第1表に示す。
得られた原反フイルムは、ヘイズが1.8%、フイツシユ
アイが5個/1,000cm2で、従つてフイルムの巻姿も良好
であつたが、蒸着フイルムは、蒸着膜が斑点状となつて
不均一であり、印刷・ラミネート性も×(ぬれ指数は32
dyn/cm)と極めて不良であつて、蒸着フイルムとした
ものは実用し難いものであつた。なお、蒸着膜はセロテ
ープで容易に剥離出来るほど接着が弱かつた。
比較例2 比較例1において中和剤及びスリツプ剤を添加せず、比
較例1と同様にしてペレツト状の組成物を得た。この組
成物を用いて原反フイルム及び片面蒸着フイルムを得
た。各フイルムの特性を第1表に示す。
得られた原反フイルムは、ヘイズが2.5%、フイツシユ
アイが120個と極めて多く、蒸着フイルムは、蒸着面の
印刷・ラミネート性は○(ぬれ指数は38dyn/cm)と良
好であつたが、蒸着膜にはフイツシユアイの部分の周囲
に蒸着されていない斑点状の透明部が存在し、非常に蒸
着ムラが目立つ状態であつた。なお、蒸着膜の接着は良
好であつた。
実施例1〜3,比較例3〜9 比較例2において無定形シリカ微粉末として第1表に示
す特性のものを第1表に示す量で配合したこと以外は、
比較例2と同様にしてペレツト状の組成物を得、これを
用いて比較例2に準じて厚さ25μmの片面コロナ処理し
た原反フイルム及び蒸着膜の厚さが350〜400Åのアルミ
ニウム蒸着フイルムを得た。得られた原反フイルム及び
蒸着フイルムの特性を第1表に示す。
第1表に示す如く、無定形シリカ微粉末の平均粒径が6
μmを超える場合(比較例5)、平均粒径が0.5μm未
満の場合(比較例6)、比表面積が500m2/g未満の場
合(比較例3,4)、吸油量が150ml/100gを超える場合
(比較例2,7)は、フイルムのフイツシユアイが増加
し、蒸着膜の均一性が劣り、良好な蒸着フイルムが得ら
れない。また、特性条件を満たす無定形シリカ微粉末で
も配合量(含有量)が本発明で規定する範囲外の場合
(比較例8,9)は良い結果が得られていない。
これに対し、実施例1〜3はいずれも原反フイルムにフ
イツシユアイは非常に少なく、従つて蒸着膜は均一性に
優れ、金属光沢は大変美麗であつた。
上記比較例2〜9と実施例1〜3との比較から、本発明
において特定された無定形シリカ微粉末を特定量で使用
した場合にのみ、本発明の効果のあることが判る。
実施例4 結晶融点が137℃,MFRが6.5,平均粒径が150μm,エチレン
の共重合割合が2.5重量%,ブテン−1の共重合割合が
5.0重量%の結晶性エチレン−プロピレン−ブテン−1
三元共重合体に、平均粒径が2.5μmで比表面積が700m2
/gで吸油量が100ml/100gの無定形シリカ微粉末を上
記共重合体との総量に基づいて0.2重量%配合し、更に
上記共重合体の100重量部に対して酸化防止剤(チバガ
イギー社製Irganox1076)を0.1重量部,及び平均粒径が
1.2μmで比表面積が11g/m2のハイドロタルサイト粉末
を0.05重量部の各割合で添加し、比較例1の場合と同様
にしてペレツト状の組成物とした。次いでこれを用いて
フイルム状に成形し片面にコロナ放電処理して、厚さ25
μm,処理面のぬれ指数41dyn/cmの原反フイルムを得
た。この原反フイルムは、ヘイズが2.5%、フイツシユ
アイが3個/1,000cm2で、巻姿は良好であつた。この原
反フイルムを比較例1と同様に真空蒸着を施し、蒸着膜
の厚さが約400Åの片面アルミニウム蒸着フイルムを得
た。この蒸着フイルムの蒸着膜の均一性は○であり、ま
たその印刷・ラミネート性もランク○(ぬれ指数39dyn
/cm)と諸特性に極めて優れた蒸着フイルムであつた。
なお、蒸着膜はセロテープ剥離では剥離しなかつた。
また別に、上記ペレツト100重量部に、密度が0.960でMI
が10の高密度ポリエチレンペレツトを3.0重量部配合し
(この場合MI/MFR=1.54)、タンブラーで15分間混合
した後、上記と同様に原反フイルムを成形し、これにア
ルミニウム蒸着を施して厚さ25μm,蒸着膜の厚み400Å
の片面蒸着フイルムを得た。この蒸着フイルムは、蒸着
膜の均一性及び印刷・ラミネート性についてはこれを前
記の蒸着フイルム(高密度ポリエチレンを配合していな
いもの)と同等に維持し、フイルム面のスリツプ性(AS
TM D1894-63の方法で測定した運動摩耗係数)は、前記
の蒸着フイルムが0.85に対し、0.55ときわめて良好であ
つた。このスリツプ性の程度は、通常の場合(本発明で
用いる無定形シリカ微粉末が配合されていない)の高密
度ポリエチレンの添加量が6〜8重量部である場内のス
リツプ性に相当するレベルであり、本発明に係る組成物
に対する高密度ポリエチレンの添加効果は大きい。
実施例5〜6 実施例1において、無定形シリカ微粉末の配合量を変え
た以外は実施例1と同様にしてペレット状の組成物を
得、以下同様にフイルムの物性値を測定し、第1表に併
記した。
比較例10 比較例2において、無定形シリカ微粉末をサイロイド24
4(平均粒径:1.8μm、比表面積:300m2/g、吸油量:31
0ml/100g、富士デビソン社製:商品名)に変えた以外
は比較例2と同様にしてペレット状の組成物を得、以下
同様にフイルムの物性値を測定して、第1表に併記し
た。
〔発明の効果〕 本発明に係る組成物は、特性の結晶性プロピレン−α−
オレフイン共重合体を主とし特定の無定形シリカ微粉末
を含有させたことにより、それから得られるフイルムを
ベースとして得られる金属蒸着フイルムは、フイツシユ
アイが極めて少なく均一性に優れていて巻き姿を良好に
することが出来るから、従来にない広幅且つ長尺巻きの
生産性の優れた蒸着フイルムが得られ、その後の工程、
すなわち、印刷・ラミネートや包装・製袋工程でも、し
わや傷が発生しにくくて生産性を向上させることが出
来、しかも蒸着面が均一で従つて美麗な金属光沢を有し
て且つ印刷・ラミネート性が良好であるから、包装用,
装飾用等の広範囲な用途に供することが出来る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロピレン成分の共重合割合が80重量%以
    上で結晶融点が150℃以下の結晶性プロピレン−α−オ
    レフイン共重合体から主として成り平均粒径が0.5〜6
    μmでBET法による比表面積が500m2/g以上で且つ吸油
    量が150ml/100g以下の無定形シリカ微粉末が結晶性プ
    ロピレン−α−オレフイン共重合体との総量に基づいて
    0.01〜0.5重量%含有されていることを特徴とする金属
    蒸着フイルム用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】結晶性プロピレン−α−オレフイン共重合
    体として結晶融点が115〜150℃の結晶性エチレン−プロ
    ピレン共重合体が用いられている請求項1に記載の金属
    蒸着用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】結晶性プロピレン−α−オレフイン共重合
    体として結晶融点が115〜150℃の結晶性プロピレン−ブ
    テン−1共重合体が用いられている請求項1に記載の金
    属蒸着用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】結晶性プロピレン−α−オレフイン共重合
    体として結晶融点が115〜150℃の結晶性エチレン−プロ
    ピレン−ブテン−1三元共重合体が用いられている請求
    項1に記載の金属蒸着用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】結晶性プロピレン−α−オレフイン共重合
    体が平均粒径50〜1000μmのものである請求項1から4
    までのいずれか1項に記載の金属蒸着用ポリプロピレン
    系樹脂組成物。
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