JPH0669390B2 - ヒト−レニンに対するモノクロ−ナル抗体及びその使用 - Google Patents
ヒト−レニンに対するモノクロ−ナル抗体及びその使用Info
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Description
〔産業上の利用分野〕 この発明は、5×10-11Mの濃度においてヒト‐レニンの
酵素活性を50%以上阻害することを特徴とするヒト‐レ
ニンに対するモノクローナル抗体及びその誘導体、該モ
ノクローナル抗体及びその誘導体の製造方法、該モノク
ローナル抗体及びその誘導体の使用方法、並びに該モノ
クローナル抗体又はその誘導体を含んで成る医薬に関す
る。 〔発明の背景〕 レニンは、アンジオテンシンによる血圧の調節において
役割を演ずる蛋白質分解酵素である。ヒト‐レニンは約
40,000の分子量を有するグリコシル化蛋白質である。ヒ
ト‐レニンの幾つかの構造的特徴が知られている。例え
ば、ポリペプチドのアミノ酸配列は、レニンをコードす
る相補的デオキシリボ核酸(cDNA)の決定により解明さ
れている。レニンは腎臓から不活性な形で、すなわちプ
ロレニンとして放出され、そして次に血流に入り、ここ
では20〜100pg/mlの濃度で存在することが見出されて
いる。ここで、レニンはアンジオテンシノーゲン(レニ
ンの基質)を開裂せしめてデカペプチドであるアンジオ
テンシンIを生成せしめ、このアンジオテンシンIは今
度は肺、腎臓及び他の器官でいわゆるアンジオテンシン
転換酵素(ACE)により開裂されてオクタペプチドであ
るアンジオテンシンIIを生成する。アンジオテンシンII
は、心筋の収縮により直接的に、そして副腎からナトリ
ウム‐保持を惹起するホルモンであるアドロステロン
(これは細胞外液容積と関連する)を放出せしめること
によって間接的に血圧を上昇せしめる。アンジオテンシ
ンIIはアンジオテンシナーゼによって分解されてヘプタ
ペプチドであるアンジオテンシンIII(このアンジオテ
ンシンIIIはアンジオテンシンIIと類似の作用を示す)
となり、そして一層小さい不活性断片となる。 レニン‐アンジオテンシン系に影響を与えることによっ
て幾つかのタイプの高血圧及び心臓機能不全を治療する
ことが可能である。血圧の低下は、(a)アンジオテン
シンII(又はIII)のリセプターに対するその作用を阻
害することにより、(b)アンジオテンシン転換酵素を
阻害することにより、又は(c)アンジオテンシノーゲ
ンに対するレニンの作用を阻害することにより達成する
ことができる。レニン‐阻害剤は、例えばペプシン及び
ペプシン類似体、アンジオテンシノーゲン類似体、及び
レニン抗体である。これらのレニン‐阻害剤はアンジオ
テンシノーゲンからのアンジオテンシンIの放出を減少
せしめ、そしてこれによって活性ペプチドホルモンであ
るアンジオテンシンIIを減少せしめる。既知のレニン‐
阻害剤と比べて、この発明のレニン抗体は非常に低い濃
度においても非常に特異的にレニンの作用を阻害すると
いう利点を有する。 診断及び治療における抗体の使用は、最近までその適用
範囲が非常に限定されていた。抗体は、種々の蛋白質の
複雑な混合物の形で動物血清から非常に少量得られてい
た。免疫された各個体動物、及び1つの動物でさえ、繰
り返し免疫された場合には各場合において異る組成を有
する抗体を含有する血清を生成するため、抗体の標準化
は不可能であった。K"ohler及びMilstein〔1〕によっ
て開発された新しい技法を用いることにより、今や、細
胞培養物から均一な形で理論的に限りない量の抗体、い
わゆるモノクローナル抗体を再現可能に得ることができ
るようになった。適当な骨髄腫細胞と、抗原によって免
疫された供与体からの抗体産生リンパ球との融合によ
り、イン‐ビトロでの無限の細胞分裂及び無限の増殖と
均一な抗体の産生とを合わせ持つハイブリドーマ細胞が
生ずる。従って、生物の免疫反応を特定の抗原から独立
のものとし、そしてハイブリド細胞の連続的培養により
モノクローナル抗体を製造することが可能となる。 ハイブリドーマ技法による特異的なモノクローナル抗体
の製造の例が多く知られており、そして一般的方法が原
理的に記載されているが、各新しい例においては前記の
技法を特定のケースに適合させるための特有の問題が生
ずる。このような適合なくしては、所望のハイブリドー
マ細胞を形成し、これらが遺伝的に安定であり、そして
所望のモノクローナル抗体を産生し、そしてこうして調
製されたモノクローナル抗体が所望の特異性を有するこ
とが保証されない。成功の程度は、原理的には、リンパ
球供与体の免疫に使用される抗原のタイプ及び純度、免
疫化方法、細胞融合の技法、適当なハイブリドーマセル
ラインの選択方法、並びにモノクローナル抗体を単離し
そして精製する方法により影響される。 ヒト‐レニンに結合するモノクローナル抗体は知られて
いる。Simon等〔2〕はヒト‐レニンに対する低い親和
性を有するモノクローナル抗体を記載している。Dzau等
〔3〕はヒト‐レニンに結合し、そして同時にその酵素
作用を阻害するモノクローナル抗体を記載している。血
液中のヒト‐レニンを測定するために、基本的に、2つ
の異る方法が使用される〔4〕。その1つにおいては、
血漿中のヒト‐レニンの酵素活性が、アンジオテンシノ
ーゲンから放出されるアンジオテンシンIの量を決定す
ることにより測定される。次に、不活性な血漿レニンを
例えばpH3〜4において酸で処理することにより活性化
した後に酵素活性を決定することによりレニンの合計量
の測定値が得られる。この間接的方法は低濃度のレニン
の測定を可能にするが、大きな不正確さを有する。他の
方法においては、既知のモノクローナル抗体又は血漿か
らのポリクローナル抗体を用いるイムノアッセイにより
ヒト‐レニンが測定される。しかしながら、この直接法
は、血漿中のヒト‐レニンの非常に低い濃度の信頼性あ
る測定のために十分な感度を有していなかった。従っ
て、既知の抗体に比べて相当に強くヒト‐レニンに結合
し、その結果ヒト‐血漿中のレニンの正確な測定をもた
らすイムノアッセイにおいて使用することができるモノ
クローナル抗体の必要性が存在する。さらに、高血圧の
治療のために使用することができる程効果的に酵素レニ
ンの作用を阻害するモノクローナル抗体の必要性が存在
する。この発明は、ヒト‐レニンに強く結合し、そして
同時にその酵素活性を効果的に阻害するモノクローナル
抗体を提供することによりこの問題に解決を与えるもの
である。 〔発明の記載〕 この発明は、ヒト‐レニンに対する高い親和性及びヒト
‐レニンの酵素活性に対する高い阻害性を有することを
特徴とするヒト‐レニンに対するモノクローナル抗体及
びその誘導体、その製造方法、並びにその使用に関す
る。 ヒト‐レニンに対するモノクローナル抗体は、表面に結
合したヒト‐レニン又は溶解したヒト‐レニンに対する
結合定数、ヒト‐レニンの酵素活性を阻害する濃度、関
連抗原例えば他の種のレニンに対する交差反応性、免疫
グロブリンクラス又はサブクラス、及びポリペプチド鎖
のN-末端アミノ酸配列により特徴付けることができる。 この発明は特に、3×10-10M(mol/)以下の濃度に
おいて表面結合ヒト‐レニンに有意に結合するモノクロ
ーナル抗体及びその誘導体、3×10-10Mの濃度において
限定された量で加えられた溶解したヒト‐レニンの50%
以上と結合するモノクローナル抗体及びその誘導体、並
びに2×10-8Mの濃度においてヒト‐レニンの酵素活性
を50%以上阻害するモノクローナル抗体及びその誘導体
に関する。2×10-9Mの濃度においてヒト‐レニンの酵
素活性を50%以上阻害するモノクローナル抗体及びその
誘導体が好ましい。5×10-11Mの濃度においてヒト‐レ
ニンの酵素活性を50%以上阻害するモノクローナル抗体
及びその誘導体が最も好ましい。最も好ましいモノクロ
ーナル抗体の例はセルラインR3-36-16から産生されるR3
-36-16と称する抗体である。モノクローナル抗体R3-36-
16は、ガンマ‐1カッパ‐免疫グロブリンであって、こ
のものはライトポリペプチド鎖の第1超可変領域中N-端
の28-38位にアミノ酸28セリン‐29バリン、31セリン‐
32チロシン‐33グリシン‐34リジン、及び36フェニルア
ラニン‐37メチオニンを含有する。 この発明のモノクローナル抗体の誘導体は、例えば、ヒ
ト‐レニンの抗原決定基に対する特異性を保持している
断片、例えばFab断片、Fab′断片、又はF(ab′)2断
片;例えば放射性ヨウ素(125I、131I)、炭素
(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)もしくはこれ
らに類するものによりラベルされた放射性ラベルモノク
ローナル抗体;又は酵素、例えばホースラディッシュパ
ーオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、β‐D-ガ
ラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミ
ラーゼ、カーボニックアンヒドラーゼ、アセチルコリン
エステラーゼ、リゾチーム、マレートデヒドロゲナー
ゼ、又はクルコース‐6-ホスフェートデヒドロゲナーゼ
と接合したモノクローナル抗体である。好ましい誘導体
は、125ヨウ素でラベルされたモノクローナル抗体、及
びアルカリ性ホスファターゼとのモノクローナル抗体接
合体である。 この発明のモノクローナル抗体及びその誘導体は、それ
自体公知の方法によって次のようにして得られる。すな
わち、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細
胞を、 a)イン‐ビドロ培養し、そして培養上清液からモノク
ローナル抗体を単離し、又は、 b)適当な哺乳動物中でイン‐ビボ増幅し、そして該哺
乳動物の体液からモノクローナル抗体を単離し、そして
所望により、 c)得られたモノクローナル抗体をその誘導体に転換す
る。 変法a)のイン‐ビボ培養のために適当な倍地は、常用
の標準的倍地、例えば、ウシ胎児血清を補充されたドゥ
ルベコ変形イーグル倍地(Dolbecco′s Modified Eagle
Medium)又はRPMI1640培地である。モノクローナル抗
体の単離のために、培養上清液中の蛋白質を硫酸アンモ
ニウム又はこれに類似するものにより沈澱せしめ、そし
て常用クロマトグラフィー法、例えばゲル過、イオン
交換クロマトグラフィー、DEAE-セルロースクロマトグ
ラフィー、又はイムノアフィニティークロマトグラフィ
ーにより精製する。 変法b)によりハイブリドーマ細胞をイン‐ビボ増幅す
ることにより所望のモノクローナル抗体を大量に得るこ
とができる。この目的のために、細胞クローンを同系
(syngeneic)哺乳動物に注射し、そして1〜3週間
後、これらの動物の体液から抗体を単離する。例えば、
Balb/cマウス由来のハイブリドーマ細胞を、炭化水
素、例えばプリスタンによりあらかじめ前処理しておい
たBalb/cマウスに腹腔内注射し、そして8〜10日間の
後、これらの動物から腹水を採取する。目的とするモノ
クローナル抗体を体液から、それ自体公知の方法に従っ
て、例えば硫酸アンモニウム又はこれに類似するものに
より沈澱せしめ、そしてクロマトグラフィー、例えばDE
AE-セルロース又はイオン交換樹脂上でのクロマトグラ
フィーにより、あるいはゲル過又はイムノアフィニテ
ィークロマトグラフィーにより単離する。 ヒト‐レニンの抗原決定基に対する特異性を保持してい
る、この発明のモノクローナル抗体の断片、例えばFab
断片、Fab′断片、又はF(ab′)2断片は、それ自体
公知の方法により、例えば変法a)又はb)に従って調
製されたモノクローナル抗体をペプシンもしくはパパイ
ンのごとき酵素により処理することによって、そして/
又は化学還元によってジスルフィド結合を開裂せしめる
ことによって製造される。 ヨウ素(125I,131I)により放射性ラベルされたモノク
ローナル抗体は、この発明のモノクローナル抗体から、
それ自体公知のヨウ素化法によって、例えば放射性ヨウ
化ナトリウム又はヨウ化カリウム及び化学酸化剤、例え
ば次亜塩素酸ナトリウム、クロラミンT等により、又は
酵素的酸化剤、例えばラクトパーオキシダーゼ、グルコ
ースオキシダーゼ及びグルコースにより得られる。この
発明の放射性ラベルされたモノクローナル抗体はまた、
イン‐ビトロ培養のための倍地に、公知の方法により、
放射性炭素(14C)、トリチウム(3H)、硫黄(35S)等
を含有する放射性ラベルされた栄養素、例えばL-
(14C)‐ロイシン、L-(3H)‐ロイシン又はL-(35S)
‐メチオニンを加え、そして変法a)に従ってモノクロ
ーナル抗体を得ることによっても調製される。 この発明の酵素ラベルモノクローナル体は、それ自体公
知の方法に従って、変法a)又はb)に従って調製され
たモノクローナル抗体及び所望の酵素を、カップリング
剤、例えばグルタルアルデヒド、過ヨウ素酸塩、N,N′
‐o-フェニレンジマレイミド、N-(m-マレイミドベンゾ
イルオキシ)‐サクシンイミド、N-(3-(2′‐ピリジ
ルジチオ)‐プロピオンオキシ)‐サクシンイミド等と
共に反応せしめることにより得られる。 この発明はさらに、ハイブリドーマセルラインに関し、
このセルラインはヒト‐レニンに対して高い親和性を有
するモノクローナル抗体を産生することを特徴とする。
この発明は特に3×10-10M(mol/)の濃度におい
て、限定された量で加えられたヒト‐レニンの50%以上
と結合し、そして/又は2×10-8Mの濃度においてヒト
‐レニンの酵素活性を50%以上阻害するモノクローナル
抗体を産生するセルラインに関する。3×10-10Mの濃度
においてヒト‐レニンの50%以上と結合し、そして/又
は2×10-9Mの濃度においてヒト‐レニンの酵素活性を5
0%以上阻害するモノクローナル抗体を産生するセルラ
インが好ましい。5×10-11Mの濃度においてヒト‐レニ
ンの酵素活性を50%以上阻害するモノクローナル抗体を
産生するセルラインが特に好ましい。 高親和性のモノクローナル抗体を産生する最も好ましい
ハイブリドーマセルラインの例として、パリのパスツー
ル研究所の“Collection Nationale de Cultures de Mi
croorganismes"に、No.I-253として、1983年11月7日に
寄託されたR3-36-16と称するセルラインを挙げることが
できる。ハイブリドーマセルラインR3-36-16はマウス骨
髄腫セルラインSp2/0-Ag14とBalb/cマウス脾臓のB-
リンパ球とのハイブリドである。R3-36-16は、一定の特
異性のモノクローナル抗体を分泌し、そして解凍及び再
クローニングによって深冷凍結培養物から活性化するこ
とができる安定なセルラインである。 この発明はさらに、ヒト‐レニンに対して高い親和性を
有するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細
胞の製造方法に関し、この方法は適当な哺乳動物を精製
されたヒト‐レニンによって免疫し、該哺乳動物から採
取した抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合せしめ、得られ
たハイブリドーマ細胞をクローン化し、そしてヒト‐レ
ニンに対する高い親和性を有する所望のモノクローナル
抗体を産生する細胞クローンを選択することを特徴とす
る。 高純度ヒト‐レニンを用いて免疫するのか好ましい。こ
のようなヒト‐レニンは、例えばそれ自体公知の方法に
より、ヒト‐腎臓の抽出物から、イムノアフィニティー
クロマトグラフィーを用いて得られる。 免疫化のために好ましい哺乳動物は、マウス、特にBalb
/cマウスであるが、他の系統のマウスを使用すること
もできる。免疫処理は、それ自体公知の方法により、例
えば、1μg〜20μgずつの精製されたヒト‐レニンを
含む3〜6回の注射を1〜6週間の間隔で、好ましくは
リンパ球の生成を刺激する添加物、例えば完全又は不完
全フロインドアジュバンドと共に、非経腸的に、例えば
腹腔内に、静脈内に及び/又は皮下に行うことにより実
施される。 最後の(追加)免疫処理の2〜6日間後、動物から免疫
された動物の抗体産生細胞、好ましくは脾細胞を採取
し、そして融合促進剤の存在下で適当なセルラインの骨
髄腫細胞と融合せしめる。幾つかの異る骨髄腫セルライ
ン及びそれらから誘導されたセルラインが適切な融合の
パートナーとして知られている。酵素ヒポキサンチン‐
グアニン‐ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPR
T)又は酵素チミジンキナーゼ(TK)を欠いており、そ
してそのためにヒポキサンチン、アミノプテリン及びチ
ミジンを含有する選択培地(HAT培地)中で生存しない
腫瘍細胞が好ましい。HAT培地中で生存せず、そして免
疫グロブリン又はその部分を分泌しない骨髄腫細胞及び
それから調製されたセルライン、例えばセルラインX63-
Ag8.653、及びSp2/0-Ag14が特に好ましい。融合促進剤
として、場合によってはUV-不活性化された形のセンダ
イウイルス又は他のパラミクソウイルス、カルシウムイ
オン、界面活性リピド、例えばリソレシチン、又はポリ
エチレングリコールが考慮される。骨髄腫細胞を、好ま
しくは、1000〜4000の分子量を有する30〜50%のポリエ
チレングリコールを含有する溶液中で、免疫された動物
からの脾臓組胞の3〜20倍過剰量と融合せしめる。 融合後、細胞を分配しそして選択HAT培地中で培養す
る。この場合、ハイブリドーマは骨髄腫細胞に由来する
イン‐ビトロ増殖能力に、免疫された動物の抗体産生細
胞に由来するHGPRT又はTK遺伝子の欠失及びそれに伴うH
ATでの生存能力を合わせ持つために、ハイブリドーマの
みが生存する。 ハイブリドーマ細胞の増殖のための適当な培地は、常用
の標準的培地、例えば10〜15%のウシ胎児血清が補充さ
れたドゥルベコ変形培地又はRPMI1640培地である。細胞
増殖の初期において、好ましくは、いわゆるフィーダー
細胞、例えば正常マウス腹腔浸出細胞、脾臓細胞、骨髄
マクロファージ等を加える。一定の間隔で前記培地に選
択HAT培地を補充することにより、正常な骨髄腫細胞に
よってハイブリドーマ細胞が覆われるのを回避する。 ハイブリドーマ細胞の細胞培養上清液を試験してこれが
所望のモロクローナル抗体を含有するか否かを見る。好
ましくは、細胞上清液を、表面結合ヒト‐レニンへのモ
ノクローナル抗体の結合のみならず、これと同時に、さ
らに、溶解したヒト‐レニンへの結合及びヒト‐レニン
の酵素活性の阻害をも決定するイムノアッセイにおいて
試験するのが好ましい。驚くべきことに、表面結合レニ
ンによく結合するモノクローナル抗体がレニンの酵素活
性をわずかにのみ阻害することが見出された。異なる種
類の試験方法を組み合わせることによって、ヒト‐レニ
ンに対する高い結合親和性及び強い酵素阻害作用の両方
を有するモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ
細胞を同定することが可能である。これらのハイブリド
ーマ細胞は、その均一性を保証するために、限界稀釈法
を用いてそれ自体公知の方法でクローン化する。 この発明はさらに、特に生物学的液体中のヒト‐レニン
及び構造的に類似するレニンの定量的及び定性的測定の
ための、ヒト‐レニンに対する高い親和性を有するモノ
クローナル抗体及びその誘導体の使用に関する。例え
ば、この発明のモノクローナル抗体及び抗体誘導体は、
抗原(ヒト‐レニン)とモノクローナル抗体との間の結
合相互作用を用いるそれ自体公知のいずれのイムノアッ
セイにおいても使用することができる。このような測定
法の例として、ラジオイムノアッセイ(RIA)、エンザ
イムイムノアッセイ、免疫‐螢光試験、ラテックス凝集
試験、又は血球凝集法が挙げられる。 この発明のモノクローナル抗体は、そのままの形で又は
放射性ラベル誘導体の形で、単独で又は組み合わせて、
ラジオイムノアッセイ(RIA)において使用することが
できる。RIAの任意の公知の変法を用いることができ、
例えば均一相でのRIA、固相RIA又は不均一RIA、又はシ
ングルRIA又はダブル(サンドイッチ)RIAを用いてヒト
‐レニンの直接又は間接(競争的)測定を行うことがで
きる。シングルRIAが好ましく、この方法においては、
担体、例えばポリスチレン、ポリプロピレンもしくはポ
リビニルクロリド製のタイタープレートもしくは試験管
のプラスチック表面、ガラス製もしくはプラスチック製
ビーズ、紙、又はデキストラン、酢酸セルロースもし
くはニトロセルロースのシート、あるいはこれらに類似
するものに1種類のモノクローナル抗体、又は異るエピ
トープを認識する2種類のモノクローナル抗体の混合物
を単純吸着により、又は例えばグルタルアルデヒドもし
くはシアノゲンブロミドにより担体を活性化した後に被
覆し、そして試験溶液及び125Iにより放射性ラベルされ
た既知量のヒト‐レニンの溶液と共にインキュベート
し、そして前記担体に結合した放射能を測定する。 サンドイッチラジオイムノアッセイが特に好ましく、こ
の方法においては、1種類又は2種類のモノクローナル
抗体により被覆された担体を試験溶液、及び125Iで放射
性ラベルされたモノクローナル担体の溶液(この溶解し
たモノクローナル抗体は担体に結合しているモノクロー
ナル抗体が認識するヒト‐レニンのエピトープとは異る
エピトープを認識する)とインキュベートし、そして担
体に結合した放射能を測定することにより試験溶液中の
レニンの量を決定する。第1図は、試験溶液中のヒト‐
レニンの量に対する担体に結合した放射能の測定値を示
しており、これは例8.4に詳細に記載されているサンド
イッチRIAにより測定することができる。この試験の感
度は、4時間以内に、50μの試験溶液中のわずかに1p
gから100pg以上のヒト‐レニンの信頼性の高い定量的測
定を可能にする。従って、レニンに対する高い親和性を
有するこの発明のモノクローナル抗体を使用することに
より、生物学的液体、特に血液中に通常存在する濃度に
おけるヒト‐レニンの定量的測定が可能となり、そして
このために、レニンにより誘導される高血圧の迅速且つ
信頼性の高い診断が可能となる。 この発明のモノクローナル抗体は、そのままの形で、又
は酵素に接合した誘導体の形で、単独で又は組み合わせ
て、エンザイムイムノアッセイにおいて使用することが
できる。このようなイムノアッセイには、この発明の酵
素ラベルモノクローナル抗体誘導体、この発明の抗ヒト
‐レニン抗体もしくは他の抗ヒト‐レニン抗体のエピト
ープを認識しそしてそれと結合するそれ自体公知の酵素
ラベル抗体、又は酵素ラベルヒト‐レニンを使用する試
験方法が含まれる。 ELISA(エンザイムリンクドイムノアドゾルベントアッ
セイ)が好ましく、この方法においては、シングルRIA
試験について前記した担体にこの発明の1種類又は2種
類のモノクローナル抗体を被覆し、ヒト‐レニンを含有
する試験溶液と共にインキュベートし、そして次にヒト
‐レニンに対するポリクロナール血清、例えばラビット
血清、とインキュベートし、そして最後にポリクローナ
ル血清の結合した抗体を、これを認識しそしてこれに結
合する酵素ラベル抗体により検出し、そして結合したヒ
ト‐レニンの量を酵素‐基質反応により決定する。この
ような酵素ラベル抗体は、例えばホスファターゼにより
ラベルされたヤギ‐抗‐ラビット免疫グロブリンであ
る。 最も好ましいELISAにおいては、この発明の1種類又は
2種類のモノクローナル抗体により被覆された担体を、
ヒト‐レニンを含有する試験溶液と、及び酵素と接合し
たこの発明のモノクローナル抗体の溶液(この溶解した
モノクローナル抗体は、担体に結合したモノクローナル
抗体が認識するヒト‐レニンのエピトープとは異るエピ
トープを認識する)とインキュベートする。例えば色の
変化をもたらしそして肉眼により又は光学測定装置によ
り観察することができる酵素‐基質反応により、酵素の
量(これは試験溶液中のヒト‐レニンの量に比例する)
を測定する。 第2図は、放出され発色した酵素基質の最大吸光におけ
る測定された光学濃度と試験溶液中のヒト‐レニンの量
との関係を示しており、これは例9.3において詳細に記
載するELISAにより測定することができる。ELISAの感度
は、5時間以内に、50μの試験溶液中1pg未満から100
pgまでのヒト‐レニンの信頼性の高い定量的測定を可能
にする。上記の好ましいサンドイッチRIAに比べて、こ
のELISAは、同等又はわずかに高い感度を有し、そし
て、放射能を測定する場合のような複雑な測定装置を必
要とせず、そして放射性物質を取り扱う場合に比べて厳
重でない安全規準を満たせばよいという利点を有する。 この発明のエンザイムイムノアッセイにおける好ましい
酵素は、ホースラディッシュパーオキシダーゼ(この酵
素は、例えば酵素基質5-アミノサリチル酸、o-フェニレ
ンジアミン、3,3′‐ジメトキシベンズイミド、2,2′‐
アジノ‐ビス‐(3-エチルベンゾチアゾリン‐6-スルホ
ン酸等により発色させることができる)、及び特にアル
カリ性ホスファターゼ(この酵素は、例えば酵素基質p-
ニトロフェニルホスフェートからp-ニトロフェノールを
放出する)である。 ヒト‐レニンの定性的及び定量的測定のための、ヒト‐
レニンに対して高い親和性を有するモノクローナル抗体
のこの発明の使用はまた、それ自体公知の他のイムノア
ッセイ、例えば螢光物質との抗体接合体又は抗原接合体
を用いるイムノフルオレッセンス試験、抗体で被覆され
たラテックス粒子もしくは抗原で被覆されたラテックス
粒子を用いるラテックス凝集法、又は抗体で被覆された
赤血球もしくは抗原で被覆された赤血球を使用する血球
凝集法、等が含まれる。 以上記載したイムノアッセイは、生物学的液体、特に血
液中のヒト‐レニンの量を決定するため、そして従って
レニンにより誘導される高血圧の診断のために使用する
ことができる。これらのイムノアッセイにおいては、活
性酵素としてアンジオテンシノーゲン(レニン基質)を
アンジオテンシンIに転換するヒト‐レニンの量のみな
らず、抗体によって認識される同じ抗原決定基を有する
すべての他の形のヒト‐レニンの量を測定することがで
きる。特に、記載されたイムノアッセイは、活性酵素、
不活性ヒト‐レニン又はヒト‐プロレニンを包含するヒ
ト‐レニンの全量を決定する。イムノアッセイはさら
に、霊長類レニン、特にマルモセット(marmoset)カリ
スリクス・ジャクス(Callithrix jacchus)のレニン、
又は同一もしくは類似の抗原決定基を有する他の動物の
レニンの測定に応用することができる。 この発明はさらに、ヒト‐レニン及び構造的に類似する
レニンの測定のための試験キットに関し、このキットは
ヒト‐レニンに対して高い親和性を有するモノクローナ
ル抗体及び/又はその誘導体、並びに場合によっては付
属物を含んで成る。 ラジオイムノアッセイのためのこの発明の試験キット
は、例えば、適当な担体、この発明の1種類又は複数種
類のモノクローナル抗体の場合によって凍結乾燥され又
は濃縮されている溶液、この発明の放射性ラベルされた
モノクローナル抗体の溶液又は放射性ラベルされたヒト
‐レニンの溶液、ヒト‐レニンの標準溶液、緩衝液、並
びに場合によっては、非特異的な吸着及び凝集の形成を
防止するための洗剤、ピペット、反応器、換算曲線等を
含む。 エンザイムイムノアッセイのためのこの発明の試験キッ
トは例えば、適当な担体、この発明の1種類又は複数種
類のモノクローナル抗体の場合によっては凍結乾燥され
た又は濃縮された溶液、この発明の酵素ラベルされたモ
ノクローナル抗体の、酵素ラベルされたヒト‐レニン
の、ポリクローナル抗‐ヒト‐レニン血清の、及び/又
はこの発明の抗‐ヒト‐レニン抗体もしくは他の抗‐ヒ
ト‐レニン抗体を認識しそしてそれと結合する酵素ラベ
ルされたモノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗
体の、場合によっては凍結乾燥された又は濃縮された溶
液、固体の又は溶解した形の酵素基質、ヒト‐レニンの
標準溶液、緩衝液、洗剤、ピペット、反応器、換算曲
線、色彩比較表等を含んで成る。 この発明はさらに、ヒト‐レニン及び構造的に類似する
レニンの精製のための、モノクローナル抗体及びその誘
導体の使用に関する。例えば、ヒト‐レニン及び構造的
に類似するレニンは、分離作用がモノクローナル担体と
レニンとの間の相互作用に基くそれ自体公知の分離法を
用いて精製することができる。好ましい分離法はイムノ
アフィニティークロマトグラフィーである。無機又は有
機性の適当な担体材料、例えば適当に官能化された形の
架橋されたアガロース、デキストラン又はポリアクリル
アミドに、それ自体公知の方法により、この担体を場合
によっては活性化した後に、この発明のモノクローナル
抗体又は抗体誘導体を負荷する。この目的のために、例
えば、活性化されたエステル官能基を含有する担体材料
を水性緩衝液中に懸濁し、モノクローナル抗体の溶液と
混合し、次に未結合モノクローナル抗体を洗浄除去し、
そして担体材料の未結合反応性部位をブロックする。 この発明はさらに、ヒト‐レニンに対する高い親和性を
有するモノクローナル抗体又はその誘導体、及び場合に
よっては医薬助剤を含んで成る医薬に関する。適当な誘
導体は、ヒト‐レニンの抗原決定基に対する特異性を保
持しているモノクローナル抗体の断片、例えばFab断
片、Fab′断片、又はF(ab′)2断片である。医薬は
例えば、有効量のモノクローナル抗体又はその断片を、
有機又は無機の固体又は液体の医薬として許容される担
体と一緒に又は結合されて含んで成る。 非経腸投与、例えば筋肉内投与、又は特に静脈内投与の
ための医薬が好ましい。このような製剤は等張水溶液又
は懸濁液であり、これらは所望により凍結乾燥製剤又は
濃厚製剤であって使用直前に調製される。医薬は無菌化
することができそして/又は補助剤、例えば防腐剤、安
定剤、湿潤剤及び/又は乳化剤、可溶化剤、浸透圧調整
塩及び/又は緩衝剤を含有することができ、そしてそれ
自体公知の方法により、例えば常用の溶解法又は凍結乾
燥法により製造される。溶液又は懸濁液は、粘度増強
剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、デ
キストラン、ポリビニルピロリドン又はゼラチンを含有
することができる。 注射薬は常法に従って抗微生物条件下で調製し、アンプ
ル又はバイアルに充填しそして容器を密封する。 この発明はさらに、高血圧又は心臓機能不全の治療のた
めの、ヒト‐レニンに対する高い親和性を有するモノク
ローナル抗体又はその誘導体の使用に関する。 この発明のモノクローナル抗体の血圧低下作用を検出す
るために、マルモセット(カリスリスク・ジャカス)を
用いるイン‐ビボ試験が使用される。この発明のモノク
ローナル抗体はマルモセット‐レニンをヒト‐レニンと
ほぼ同程度に阻害する。すなわち、マルモセット‐レニ
ン及びヒト‐レニン中の同一の又は類似の抗原決定基を
認識し、そしてそれと結合する。 常用の試験方法において、約300gの体重を有する雄性及
び雌性の正常血圧マルモセット(カリスリスク・ジャカ
ス)に、果物を補充した正常塩餌(NAFAG、Na+:100mmol
/kg、K+:250mmol/kg)を供与する。レニンの内因性放
出をフロセミドの静脈肉射(5mg/kg)により刺激す
る。45分間後にモノクローナル抗体をカテーテルを介し
て側尾静脈に注入し、そして血圧及び心摶数に及ぼすそ
の効果を大腿動脈中のカテーテルにより測定する。モノ
クローナル抗体を注射した2時間後、アンジオテンシン
転換酵素(ACE)を阻害するテプロチド(teprotide)を
注射(1mg/kg)し、そして血圧に及ぼすその効果を観
察する。対照実験において、この発明のモノクローナル
抗ヒト‐レニン抗体の代りに1ml/kgの生理的食塩水、
又は非特異的モノクローナル骨髄腫抗体MOPC21(0.1mg
/kg)を注射する。 これらの実験条件下で、モノクローナル抗体R3-36-16を
0.01mg/kgの投与量で1回静脈内投与することにより、
心摶数の変化を伴わないで、血圧が18±5mmHg(n=
4)、2時間にわたって低下する。30分間にわたり血漿
レニン活性が完全に阻害される。抗体を投与した後のテ
プロチドの注射は血圧の追加の低下をなんら生じさせな
い。モノクローナル抗体R3-36-16の一層高い投与量(0.
1mg/kgi.v.)は心摶数に影響を与えることなく同様の
血圧低下作用を示し、そして一層低い投与量(0.001mg
/kgi.v.)は効果を有しない。 なお、上記の動物実験において、本発明のモノクローナ
ル抗体は急性毒性症状を表わさない。 本発明のモノクローナル抗体のヒトに対する投与量は0.
01mg/kg〜0.1mg/kgである。 次に例によりこの発明をさらに具体的に説明する。但し
これによりこの発明の範囲を限定するものではない。 例において使用する略号は次の意味を有する。 SBA:ウシ血清アルブミン; ELISA:エンザイムアッセイ(エンザイムリンクドイムノ
アドゾルベントアッセイ); HAT:ヒポキサンチン/アミノプテリン/チミジン; IC50:50%の阻害が観察される濃度; PBS:燐酸緩衝化生理的塩溶液; RIA:ラジオイムノアッセイ; SDS:ドデシル硫酸ナトリウム; tris:トリス‐(ヒドロキシメチル)‐アミノメタン; 単 位 M:mol/; GU:ゴールドブラット(Goldblatt)単位; cpm:カウント/分(放射性崩壊)。 例1. ヒト‐レニンの精製 ヒト‐レニンをヒト腎臓から得、そして免疫吸着法を用
いるそれ自体公知の方法により精製する。 1kgの機械的に細断した腎臓を水で抽出し、そして硫酸
によりpH2.8に酸性化する。NaCl濃度を0.8Mに調整し、
そしてレニンを硫酸アンモニウム(最終濃度2.3M)によ
り沈澱せしめる。この沈澱を0.1M燐酸緩衝液(pH7.4)
に対して透析する。蛋白質mg当り0.13GUのレニン濃度を
有する。サンプルをアンジオテンシノーゲンの給源とし
てのレニン不含血漿(NEN,ニューイングランド・ニュー
クレア・アンジオテンシンIラジオイムノアッセイ・キ
ット)と共にインキュベートした後アンジオテンシンI
を測定することによってレニン含量を測定し、そしてレ
ニンの標準(MRL,国際参考標準68/356〔5〕)と比較
することによってゴールドブラット単位(GU)で表現す
る。蛋白質濃度は、クマーシーブルーを用いて着色し、
そして標準としてのウシ血清アルブミン(BSA)と比較
することにより決定する。 透析された腎臓抽出物を、6mlのアフィーゲル(Affi-Ge
l)10(商標)(ビオラド)に結合した38mgのモノクロ
ーナル抗‐ヒト‐レニン抗体F15(クリン‐ミディー,
モントペリア)〔6〕を含むイムノアフィニティーカラ
ムに導入する。血漿の未結合成分を0.1M燐酸緩衝液で洗
浄除去し、そして結合したレニンを0.1Mクエン酸/燐酸
緩衝液(pH4.5)で溶出する。溶出液をアミコン‐PM-10
(商標)膜上で濃縮す、PBS(燐酸緩衝化塩溶液)で稀
釈し、凍結し、そして−80℃にて保持する。こうして、
粗腎臓抽出物中に存在するレニンの約70%を得る。この
ものは400GU/mgの比活性を有し、これは3000倍濃縮に
相当する。標品の純度はSDS-ポリアクリルアミドゲル電
気泳動及び高圧液体クロマトグラフィーにより分析す
る。純度は80%より高いと算定される。 例2. ハイブリドーマ細胞の調製 2.1 ヒト‐レニンによるマウスの免疫 Balb/cマウスを、下記のようにして、例1からの精製
ヒト‐レニンにより免疫する。 マウス1及び2に、完全フロインドアジュバント(CF
A)中10GU(およそ10μgに相当する)のレニンを、後
足に2回及び皮下に2回分散して注射する。その後28日
目にさらにPBS中2GUのレニンを静脈内注射し、そして46
日目にPBS中5GUのレニンを静脈内注射する。50日目に脾
臓を取り出し融合のために使用する。 マウス3及び4に、CFA中20GUのレニンをマウス1及び
2の場合のようにして分散して注射し、35日目に不完全
フロインドアジュバント(IFA)中2GUのレニンを皮下投
与し、60日目にPBS中2GUのレニンを腹腔内投与し、そし
て78日目にPBS中5GUのレニンを静脈内投与する。82日目
に、イン‐ビトロレニン活性に対抗する高い血清力価を
有するマウス(マウス3)の脾臓を取り出して融合のた
めに使用する。 2.2 細胞融合 すべての融合実験は、実質上Kler及びMilstein
〔1〕の方法に従って、Sp2/0-Ag14セルライン〔7〕
を用いて行う。例2.1からの108個の脾細胞を、50%濃度
のポリエチレングリコール(PEG 1500,セルバ)1mlの
存在下で、107個の骨髄腫細胞と混合する。洗浄後、細
胞を48mlの標準ドゥルベコ最少必須培地(ギブコNo.042
2501)に再懸濁する。フィーダー細胞として融合ごとに
15%ウシ胎児血清及び3×106正常マウス腹腔浸出細胞
を加える。細胞を、1mlずつ48枚のカスタープレートに
分配する。培養物に、3〜6週間にわたって1日2回、
標準HAT選択培地(1)を供与する。ハイブリド細胞が
増殖した後、培養上清液をレニンへの結合について(例
4)、及びレニン活性の阻害について(例5)試験す
る。ミクロタイタープレート中での限界稀釈によりハイ
ブリドーマのクローニングを行う。すべてのセルライン
を少なくとも2回続けてクローニングする。 10個の異る母培養物からのクローンを選択し、そして増
殖せしめる。R1、R2、及びR3はそれぞれ、マウス1、
2、及び3の脾細胞の融合に由来するハイブリドーマ細
胞及びこれらの細胞から得られる抗体を示す。クローン
番号及び幾つかのサブクローン番号をハイホンの後に示
す(第1表)。 例3. モノクローナル抗体の分離及び精製 8〜10週齢のBalb/cマウス(シセルンアニマルファー
ム)を、0.3mlのプリスタン(アルドリッチ)により前
処理(i.p.)する。2〜3週間後、2〜5×106個のク
ローン化ハイブリドーマ細胞及び0.2mlのプリスタンを
各マウスに注射(i.p.)する。8〜10日間の後、マウス
から繰り返して液を採取し、そしてこうして得られた腹
水を800×gにて遠心分離し、そしてこうして得られた
透明の上清液を−20℃にて集める。 解凍した腹水溶液を50,000×gにて60分間遠心分離し、
浮上した脂肪を除去し、そしてml当り10〜12mgの蛋白質
濃度を確立する。蛋白質濃度は、280nmにおける光学濃
度(OD280)を測定することにより決定する。標準とし
て、OD280=12(層の厚さ1cm)のネズミ免疫グロブリン
の1%濃度の溶液(W/V)を使用する。0℃にて撹拌
しながら0.9容量の飽和硫酸アンモニウム溶液をゆっく
り滴加することにより粗免疫グロブリン画分を沈澱せし
め、これを20mmolのtris-HCl/50mmolのNaCl(pH7.9)
に溶解し、そして透析する。次に、20mmolのtris-HCl
(pH7.9)により2倍に稀釈し、そして全体をDEAE-D52
セルロースカラム(ワットマン)に導入する。免疫グロ
ブリンG画分を20mmolのtris-HCl/80mmolのNaCl(pH7.
9)の緩衝液を用いてカラムから溶出し、そして硫酸ア
ンモニウムにより再度沈澱を行った後(上記参照)、PB
Sを用いて蛋白質濃度を10mg/mlに調整する。モノクロ
ーナル抗体沈澱物の純度をSDS-ポリアクリルアミドゲル
電気泳動を用いて試験する。95%以上である。 例4. ヒト‐レニンへのモノクローナル体の結合 4.1 エンザイムイムノアッセイ(ELISA) 細胞ハイブリダイゼーション(例2.2)後の目的モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞の選択のため、及
び精製されたモノクローナル抗体の場合にレニンへの結
合の定量測定のために、それ自体公知のELISA法〔8〕
において、表面結合レニンへの反応性を用いる。50μ
の0.05M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.6)中100ngの
精製レニン(例1)をプラスチックミクロタイタープレ
ート中で37℃にて2時間及び4℃にて15時間インキュベ
ートする。PBSで洗浄した後、プラスチック表面上にな
お存在する蛋白質反応性部位を、150μのPBS-トウィ
ーン(商標)緩衝液(0.2%NaN3を含有するPBS中0.05%
トウィーン,pH7.4)と共に37℃にて2時間インキュベー
トすることにより飽和し、そしてこのプレートをPBSで
洗浄する。モノクローナル抗‐レニン抗体について測定
すべき溶液(細胞培養上清液又は精製されたモノクロー
ナル抗体溶液)及びその対応稀釈物100μを37℃にて
2時間インキュベートし、そしてプレートを洗浄した
後、結合したモノクローナルマウス抗体を、ホスファタ
ーゼでラベルされたラビットIgG抗‐マウス免疫グロブ
リンの標品の対応してあらかじめ定められた稀釈を行っ
たもの100μと共にインキュベートすることにより検
出する。酵素基質p-ニトロフェニルホスフェートの溶液
(0.5mmolのMgCl2を含有する10%ジエタノールアミン緩
衝液中1mg/ml,pH9.8)100μと共にインキュベートし
(30分間,37℃)、そして反応生成物の405nmにおける光
学濃度(OD405)をマルチスキャンフォトメーター(フ
ローイルビン,スコットランド)を用いて測定すること
により、取り上げられた酵素の量を決定する。対照とし
て、モノクローナル抗‐レニン抗体を含有する溶液の代
りに、非‐特異的モノクローナル骨髄腫抗体MOPC21の標
品(ビオネティクスラブス,ケンシントン,米国)、及
びホスホリルコリンに対して特異的なモノクローナルハ
イブリドーマ抗体の標品を使用する。 表面結合ヒト‐レニンを用いるこの測定において0.1のO
D405をもたらす精製モノクローナル抗体の濃度を第1表
に示す。見だされた濃度は5.8×10-7〜7.5×10-11Mの範
囲内にあり、この測定においてもモノクローナル対照抗
体は10-7Mのオーダーの値をもたらすから10-7Mより高い
濃度は特異的結合を示さない。固定されたレニンへの特
に効果的な結合(ELISA)がモノクローナル抗体R3-17-7
及びR3-17-8の場合に認められたが、モノクローナル抗
体R3-48、R3-21、及びR3-27も5×10-10Mより低い濃度
において結合した。 4.2 125I-ラベル‐レニンを用いるラジオイムノアッセ
イ(RIA) 溶解レニンに対する反応性を決定するために、50μの
RIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%NaN3,pH7.4)中モノク
ローナル抗体サンプルの種々の稀釈物に、同じ緩衝液中
125I-ラベル‐レニン(2.5ngの蛋白質に相当する80000c
pm,例8.1)50μを加え、そしてポリビニルクロリドミ
クロタイタープレート中で37℃にて2時間、及び4℃に
て15時間インキュベーションを行なう。3%ポリエチレ
ングリコール6000中対応する稀釈のラビット‐抗‐マウ
ス免疫グロブリン血清50μを添加し、そして37℃にて
30分間及び4℃にて30分間インキュベートすることによ
り、モノクローナル抗体を免疫複合体の形で沈澱せしめ
て、抗体結合125I-レニンの量を求める。沈澱物を懸濁
及び遠心分離により数回洗浄し、そしてタイタープレー
トを切断した後ガンマーカウンター中で放射能を測定す
る。125I-レニン含有溶液から最大沈澱可能放射能の50
%を沈澱せしめる精製モノクローナル抗体の濃度(IC5
0)が溶解レニンへの結合の測定値であり、これを第1
表に示す。モノクローナル抗体R3-36-16、及びR3-47
は、ELISA(例4.1)においては表面結合レニンに対して
わずかな親和性を示すのみであるが、溶解したレニンに
対しては特に強く結合する。 例5. レニン活性のイン‐ビトロ阻害 5.1 ヒト‐レニン活性の阻害の測定 アンジオテンシノーゲンを含有するレニン不含正常ヒト
血漿に精製ヒト‐レニン(例1)を補充してレニン濃度
を250pg/mlとする。それぞれの場合に50μずつこの
前処理された血漿を、4℃にて2時間及び37℃にて1時
間にわたり、50μの0.1Mtris-酢酸緩衝液(pH7.4)中
種種の稀釈の分析されるべきモノクローナル抗体サンプ
ルと共に、アンジオテンシンIのアンジオテンシンIIへ
の転換をブロックする2,3-ジメルカプト‐1-プロパノー
ル及び8-ヒドロキシキノリンの存在下で、インキュベー
トする。4℃に冷却することにより酵素反応を停止す
る。生成したアンジオテンシンIの量をRIA(NEN,ニュ
ーイングランドニュークレアアンジオテンシンIラジオ
イムノアッセイキット)を用いて決定する。この目的の
ために、サンプルに125I-ラベル‐アンジオテンシンI-
トレーサー及びアンジオテンシンIに対する抗血清の対
応量を加え、そして4℃にて15時間インキュベートした
後、未結合アンジオテンシンIを活性炭素上に吸着し、
そして上清中の抗体結合125I-ラベル‐アンジオテンシ
ンIをガンマーカウンターで測定する。この系におい
て、陽性対照(モノクローナル抗体を伴わないサンプ
ル)は10ng/ml時のアンジオテンシンIをもたらす。 ヒト‐レニン活性の最大阻害の50%が観察される精製モ
ノクローナル抗体濃度(IC50)を第1表に示す。この値
は10-6M以上から1.3×10-11Mの範囲である。モノクロー
ナル抗体R3-17-7及びR3-48は、ELISA(例4.1)において
レニンに強く結合するが、レニン活性を有意に阻害しな
い。モノクローナル抗体R1-19、R1-20、R3-17-8、R2-1
2、及びR3-21は、レニン活性の有意であるが弱い阻害を
示す。モノクローナル抗体R3-27、R2-1、並びに特にR3-
47、及びR3-36-16の場合にレニン活性の顕著な阻害が認
められる。 モノクローナル担体R3-21及びR2-1は試験した全濃度範
囲(10-6Mまで)にわたって60%以下のみのレニン阻害
を示し、他方R3-27はわずかに35%の最大阻害を示す。
これらのモノクローナル抗体は、おそらくレニンの活性
中心の近傍に存在するであろう抗原決定基(エピトー
プ)を認識しそしてこれに結合する。これらの結合によ
り、これらは立体的影響の結果として酵素活性を低下せ
しめ、又は一層小さい基質交換数をなお許容するレニン
分子のアロステリック配置を促進する。強く阻害するモ
ノクローナル抗体R1-19及びR1-20は、他方において、高
濃度においては最大の親和性を有するモノクローナル抗
体R3-47及びR3-36-16と全く同様に、レニンを完全に阻
害する 5.2 ヒト‐レニンに対する結合及びヒト‐レニン活性
の阻害の比較 上記のモノクローナル抗体はその結合性及び阻害性に関
せて4つの異るグループに分けることができる。原理的
に、レニンに結合するだけのモノクローナル抗体、及び
レニンに結合しそして同時にその酵素活性を低下せしめ
るモノクローナル抗体が予想される。グループ1(第1
表)は、レニンと結合するがその触媒活性を阻害しない
が非常に弱く阻害するにすぎないモノクローナル抗体か
ら成る。これらのモノクローナル抗体はさらに、溶液中
レニンに対するこれらの親和性(RIA)に比べて、表面
結合レニンに対する20倍以上高い親和性(ELISA)を示
す。他のすべてのグループのモノクローナル抗体は表面
結合レニンに対する好みを示さない。グループ2のモノ
クローナル抗体は低い濃度においてもレニン活性を阻害
するがその阻害は部分的にすぎない。すなわち、モノク
ローナル抗体に特徴的なあるパーセントでのみ阻害す
る。グループ3は、非常に低い濃度においてさえレニン
活性を完全に阻害するモノクローナル抗体から成る。こ
れらの抗体は同時に、1〜3×1010低濃度において溶解
したレニンに結合する。興味あることには、これらの抗
体は表面結合レニンとわずかに結合するに過ぎない。従
って、これらのモノクローナル抗体はELISA法に基礎を
置く常用の一次スクリーニングにおいては検出されない
だろう。グループ4は、レニン活性を完全に阻害するが
グループ3のモノクローナル抗体よりも約1000倍弱いモ
ノクローナル抗体からなる。さらに、これらは表面結合
レニン(ELISA)及び溶解レニン(RIA)におよそ同等に
結合する。しかしながら、ELISAにおける結合(約10
-7M)は非特異的モノクローナル抗体のそれと有意に異
らない。 5.3 ラット及びマルモセット‐レニン活性の阻害の測
定 例5.1に記載したのと同様の方法で、分析されるべきモ
ノクローナル抗体サンプルをラット‐レニン及びマルモ
セット‐レニンの活性の阻害について試験した。しかし
ながら、この目的のために、処理されたヒト血漿の代り
に、未処理ラット及びマルモセット血漿、すなわち正常
量のアンジオテンシノーゲン及びレニンを含有するラッ
ト血漿及びマルモセット血漿を用いる。 第1表に挙げたモノクローナル抗体はいずれもラット‐
レニンを阻害しない。 モノクローナル抗体R3-27、R3-36-16、R3-47、及びR1-2
0は、ヒト‐レニンと同程度にマルモセット‐レニンを
阻害する(同じIC50値)。従って、対応するモノクロー
ナル抗体により認識される決定基は、ヒト‐レニン及び
マルモセット‐レニンにおいて同一であるか、又は少な
くとも非常に類似している。モノクローナル抗体R3-36-
16、及びR3-47はヒト‐レニンを非常に効果的に阻害す
る(第1表)から、酵素ヒト‐レニンとマルモセット‐
レニンの触媒部位の類似性が示される。 モノクローナル抗体R1-19は、ヒト‐レニンの活性を阻
害するのよりも3倍低い濃度(IC50)においてマルモセ
ット‐レニンの活性を阻害する。従って、このモノクロ
ーナル抗体は、免疫処理(例2.1)のために使用されな
かった分子と一層よく反応する。 モノクローナル抗体R2-1は、ヒト‐レニンの活性を阻害
するのよりも15倍高い濃度(IC50)においてのみマルモ
セット‐レニンの活性を阻害する。従って、このモノク
ローナル抗体は、マルモセット‐レニン及びヒト‐レニ
ンにおいて類似ではあるが同一ではない決定基を認識す
る。 モノクローナル抗体R3-21、R2-1、及びR3-27の場合に高
濃度においてさえ観察されるヒト‐レニンの明らかに部
分的な阻害(第1表最下欄)は、マルモセット‐レニン
についても同様に認められる。 例6. モノクローナル抗体の特徴付け 6.1 抗体クラスの決定 クローン化ハイブリドーマ細胞により産生されたモノク
ローナル抗体のクラス又はサブクラスをELISAにおいて
決定する。ミクロタイタープレートをそれぞれ、50μ
のPBS中クラス特異的又はサブクラス特異的血清のラビ
ット免疫グロブリン標品1μgにより被覆し、プレート
の遊離結合部位をRIA緩衝液(PBS中1%BSA、0.2%Na
N3、pH7.4)によって飽和し、そして分析すべきサンプ
ルをウエル中で37℃にて1時間インキュベートする。プ
レートを洗浄した後、結合したモノクローナルマウス抗
体を、プレートの被覆に使用した血清標品のホスファタ
ーゼ‐ラベル‐ラビット免疫グロブリンの標品と共に37
℃にて1時間インキュベートし、そして取り上げられた
酵素の量を例4.1に記載したようにして決定する。この
結果を第1表に示す。 6.2 アミノ酸配列の分析 モノクローナル抗体を4-ジメチルアミノ‐4′‐イオド
アセタミド‐アゾベンゼンを用いて誘導体化し、そして
セファロースG-100カラムを用いるクロマトグラフィー
によりヘビー鎖とライト鎖を分離する。電気透析により
画分をゲルから溶出し、そして公知の方法
酵素活性を50%以上阻害することを特徴とするヒト‐レ
ニンに対するモノクローナル抗体及びその誘導体、該モ
ノクローナル抗体及びその誘導体の製造方法、該モノク
ローナル抗体及びその誘導体の使用方法、並びに該モノ
クローナル抗体又はその誘導体を含んで成る医薬に関す
る。 〔発明の背景〕 レニンは、アンジオテンシンによる血圧の調節において
役割を演ずる蛋白質分解酵素である。ヒト‐レニンは約
40,000の分子量を有するグリコシル化蛋白質である。ヒ
ト‐レニンの幾つかの構造的特徴が知られている。例え
ば、ポリペプチドのアミノ酸配列は、レニンをコードす
る相補的デオキシリボ核酸(cDNA)の決定により解明さ
れている。レニンは腎臓から不活性な形で、すなわちプ
ロレニンとして放出され、そして次に血流に入り、ここ
では20〜100pg/mlの濃度で存在することが見出されて
いる。ここで、レニンはアンジオテンシノーゲン(レニ
ンの基質)を開裂せしめてデカペプチドであるアンジオ
テンシンIを生成せしめ、このアンジオテンシンIは今
度は肺、腎臓及び他の器官でいわゆるアンジオテンシン
転換酵素(ACE)により開裂されてオクタペプチドであ
るアンジオテンシンIIを生成する。アンジオテンシンII
は、心筋の収縮により直接的に、そして副腎からナトリ
ウム‐保持を惹起するホルモンであるアドロステロン
(これは細胞外液容積と関連する)を放出せしめること
によって間接的に血圧を上昇せしめる。アンジオテンシ
ンIIはアンジオテンシナーゼによって分解されてヘプタ
ペプチドであるアンジオテンシンIII(このアンジオテ
ンシンIIIはアンジオテンシンIIと類似の作用を示す)
となり、そして一層小さい不活性断片となる。 レニン‐アンジオテンシン系に影響を与えることによっ
て幾つかのタイプの高血圧及び心臓機能不全を治療する
ことが可能である。血圧の低下は、(a)アンジオテン
シンII(又はIII)のリセプターに対するその作用を阻
害することにより、(b)アンジオテンシン転換酵素を
阻害することにより、又は(c)アンジオテンシノーゲ
ンに対するレニンの作用を阻害することにより達成する
ことができる。レニン‐阻害剤は、例えばペプシン及び
ペプシン類似体、アンジオテンシノーゲン類似体、及び
レニン抗体である。これらのレニン‐阻害剤はアンジオ
テンシノーゲンからのアンジオテンシンIの放出を減少
せしめ、そしてこれによって活性ペプチドホルモンであ
るアンジオテンシンIIを減少せしめる。既知のレニン‐
阻害剤と比べて、この発明のレニン抗体は非常に低い濃
度においても非常に特異的にレニンの作用を阻害すると
いう利点を有する。 診断及び治療における抗体の使用は、最近までその適用
範囲が非常に限定されていた。抗体は、種々の蛋白質の
複雑な混合物の形で動物血清から非常に少量得られてい
た。免疫された各個体動物、及び1つの動物でさえ、繰
り返し免疫された場合には各場合において異る組成を有
する抗体を含有する血清を生成するため、抗体の標準化
は不可能であった。K"ohler及びMilstein〔1〕によっ
て開発された新しい技法を用いることにより、今や、細
胞培養物から均一な形で理論的に限りない量の抗体、い
わゆるモノクローナル抗体を再現可能に得ることができ
るようになった。適当な骨髄腫細胞と、抗原によって免
疫された供与体からの抗体産生リンパ球との融合によ
り、イン‐ビトロでの無限の細胞分裂及び無限の増殖と
均一な抗体の産生とを合わせ持つハイブリドーマ細胞が
生ずる。従って、生物の免疫反応を特定の抗原から独立
のものとし、そしてハイブリド細胞の連続的培養により
モノクローナル抗体を製造することが可能となる。 ハイブリドーマ技法による特異的なモノクローナル抗体
の製造の例が多く知られており、そして一般的方法が原
理的に記載されているが、各新しい例においては前記の
技法を特定のケースに適合させるための特有の問題が生
ずる。このような適合なくしては、所望のハイブリドー
マ細胞を形成し、これらが遺伝的に安定であり、そして
所望のモノクローナル抗体を産生し、そしてこうして調
製されたモノクローナル抗体が所望の特異性を有するこ
とが保証されない。成功の程度は、原理的には、リンパ
球供与体の免疫に使用される抗原のタイプ及び純度、免
疫化方法、細胞融合の技法、適当なハイブリドーマセル
ラインの選択方法、並びにモノクローナル抗体を単離し
そして精製する方法により影響される。 ヒト‐レニンに結合するモノクローナル抗体は知られて
いる。Simon等〔2〕はヒト‐レニンに対する低い親和
性を有するモノクローナル抗体を記載している。Dzau等
〔3〕はヒト‐レニンに結合し、そして同時にその酵素
作用を阻害するモノクローナル抗体を記載している。血
液中のヒト‐レニンを測定するために、基本的に、2つ
の異る方法が使用される〔4〕。その1つにおいては、
血漿中のヒト‐レニンの酵素活性が、アンジオテンシノ
ーゲンから放出されるアンジオテンシンIの量を決定す
ることにより測定される。次に、不活性な血漿レニンを
例えばpH3〜4において酸で処理することにより活性化
した後に酵素活性を決定することによりレニンの合計量
の測定値が得られる。この間接的方法は低濃度のレニン
の測定を可能にするが、大きな不正確さを有する。他の
方法においては、既知のモノクローナル抗体又は血漿か
らのポリクローナル抗体を用いるイムノアッセイにより
ヒト‐レニンが測定される。しかしながら、この直接法
は、血漿中のヒト‐レニンの非常に低い濃度の信頼性あ
る測定のために十分な感度を有していなかった。従っ
て、既知の抗体に比べて相当に強くヒト‐レニンに結合
し、その結果ヒト‐血漿中のレニンの正確な測定をもた
らすイムノアッセイにおいて使用することができるモノ
クローナル抗体の必要性が存在する。さらに、高血圧の
治療のために使用することができる程効果的に酵素レニ
ンの作用を阻害するモノクローナル抗体の必要性が存在
する。この発明は、ヒト‐レニンに強く結合し、そして
同時にその酵素活性を効果的に阻害するモノクローナル
抗体を提供することによりこの問題に解決を与えるもの
である。 〔発明の記載〕 この発明は、ヒト‐レニンに対する高い親和性及びヒト
‐レニンの酵素活性に対する高い阻害性を有することを
特徴とするヒト‐レニンに対するモノクローナル抗体及
びその誘導体、その製造方法、並びにその使用に関す
る。 ヒト‐レニンに対するモノクローナル抗体は、表面に結
合したヒト‐レニン又は溶解したヒト‐レニンに対する
結合定数、ヒト‐レニンの酵素活性を阻害する濃度、関
連抗原例えば他の種のレニンに対する交差反応性、免疫
グロブリンクラス又はサブクラス、及びポリペプチド鎖
のN-末端アミノ酸配列により特徴付けることができる。 この発明は特に、3×10-10M(mol/)以下の濃度に
おいて表面結合ヒト‐レニンに有意に結合するモノクロ
ーナル抗体及びその誘導体、3×10-10Mの濃度において
限定された量で加えられた溶解したヒト‐レニンの50%
以上と結合するモノクローナル抗体及びその誘導体、並
びに2×10-8Mの濃度においてヒト‐レニンの酵素活性
を50%以上阻害するモノクローナル抗体及びその誘導体
に関する。2×10-9Mの濃度においてヒト‐レニンの酵
素活性を50%以上阻害するモノクローナル抗体及びその
誘導体が好ましい。5×10-11Mの濃度においてヒト‐レ
ニンの酵素活性を50%以上阻害するモノクローナル抗体
及びその誘導体が最も好ましい。最も好ましいモノクロ
ーナル抗体の例はセルラインR3-36-16から産生されるR3
-36-16と称する抗体である。モノクローナル抗体R3-36-
16は、ガンマ‐1カッパ‐免疫グロブリンであって、こ
のものはライトポリペプチド鎖の第1超可変領域中N-端
の28-38位にアミノ酸28セリン‐29バリン、31セリン‐
32チロシン‐33グリシン‐34リジン、及び36フェニルア
ラニン‐37メチオニンを含有する。 この発明のモノクローナル抗体の誘導体は、例えば、ヒ
ト‐レニンの抗原決定基に対する特異性を保持している
断片、例えばFab断片、Fab′断片、又はF(ab′)2断
片;例えば放射性ヨウ素(125I、131I)、炭素
(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)もしくはこれ
らに類するものによりラベルされた放射性ラベルモノク
ローナル抗体;又は酵素、例えばホースラディッシュパ
ーオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、β‐D-ガ
ラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミ
ラーゼ、カーボニックアンヒドラーゼ、アセチルコリン
エステラーゼ、リゾチーム、マレートデヒドロゲナー
ゼ、又はクルコース‐6-ホスフェートデヒドロゲナーゼ
と接合したモノクローナル抗体である。好ましい誘導体
は、125ヨウ素でラベルされたモノクローナル抗体、及
びアルカリ性ホスファターゼとのモノクローナル抗体接
合体である。 この発明のモノクローナル抗体及びその誘導体は、それ
自体公知の方法によって次のようにして得られる。すな
わち、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細
胞を、 a)イン‐ビドロ培養し、そして培養上清液からモノク
ローナル抗体を単離し、又は、 b)適当な哺乳動物中でイン‐ビボ増幅し、そして該哺
乳動物の体液からモノクローナル抗体を単離し、そして
所望により、 c)得られたモノクローナル抗体をその誘導体に転換す
る。 変法a)のイン‐ビボ培養のために適当な倍地は、常用
の標準的倍地、例えば、ウシ胎児血清を補充されたドゥ
ルベコ変形イーグル倍地(Dolbecco′s Modified Eagle
Medium)又はRPMI1640培地である。モノクローナル抗
体の単離のために、培養上清液中の蛋白質を硫酸アンモ
ニウム又はこれに類似するものにより沈澱せしめ、そし
て常用クロマトグラフィー法、例えばゲル過、イオン
交換クロマトグラフィー、DEAE-セルロースクロマトグ
ラフィー、又はイムノアフィニティークロマトグラフィ
ーにより精製する。 変法b)によりハイブリドーマ細胞をイン‐ビボ増幅す
ることにより所望のモノクローナル抗体を大量に得るこ
とができる。この目的のために、細胞クローンを同系
(syngeneic)哺乳動物に注射し、そして1〜3週間
後、これらの動物の体液から抗体を単離する。例えば、
Balb/cマウス由来のハイブリドーマ細胞を、炭化水
素、例えばプリスタンによりあらかじめ前処理しておい
たBalb/cマウスに腹腔内注射し、そして8〜10日間の
後、これらの動物から腹水を採取する。目的とするモノ
クローナル抗体を体液から、それ自体公知の方法に従っ
て、例えば硫酸アンモニウム又はこれに類似するものに
より沈澱せしめ、そしてクロマトグラフィー、例えばDE
AE-セルロース又はイオン交換樹脂上でのクロマトグラ
フィーにより、あるいはゲル過又はイムノアフィニテ
ィークロマトグラフィーにより単離する。 ヒト‐レニンの抗原決定基に対する特異性を保持してい
る、この発明のモノクローナル抗体の断片、例えばFab
断片、Fab′断片、又はF(ab′)2断片は、それ自体
公知の方法により、例えば変法a)又はb)に従って調
製されたモノクローナル抗体をペプシンもしくはパパイ
ンのごとき酵素により処理することによって、そして/
又は化学還元によってジスルフィド結合を開裂せしめる
ことによって製造される。 ヨウ素(125I,131I)により放射性ラベルされたモノク
ローナル抗体は、この発明のモノクローナル抗体から、
それ自体公知のヨウ素化法によって、例えば放射性ヨウ
化ナトリウム又はヨウ化カリウム及び化学酸化剤、例え
ば次亜塩素酸ナトリウム、クロラミンT等により、又は
酵素的酸化剤、例えばラクトパーオキシダーゼ、グルコ
ースオキシダーゼ及びグルコースにより得られる。この
発明の放射性ラベルされたモノクローナル抗体はまた、
イン‐ビトロ培養のための倍地に、公知の方法により、
放射性炭素(14C)、トリチウム(3H)、硫黄(35S)等
を含有する放射性ラベルされた栄養素、例えばL-
(14C)‐ロイシン、L-(3H)‐ロイシン又はL-(35S)
‐メチオニンを加え、そして変法a)に従ってモノクロ
ーナル抗体を得ることによっても調製される。 この発明の酵素ラベルモノクローナル体は、それ自体公
知の方法に従って、変法a)又はb)に従って調製され
たモノクローナル抗体及び所望の酵素を、カップリング
剤、例えばグルタルアルデヒド、過ヨウ素酸塩、N,N′
‐o-フェニレンジマレイミド、N-(m-マレイミドベンゾ
イルオキシ)‐サクシンイミド、N-(3-(2′‐ピリジ
ルジチオ)‐プロピオンオキシ)‐サクシンイミド等と
共に反応せしめることにより得られる。 この発明はさらに、ハイブリドーマセルラインに関し、
このセルラインはヒト‐レニンに対して高い親和性を有
するモノクローナル抗体を産生することを特徴とする。
この発明は特に3×10-10M(mol/)の濃度におい
て、限定された量で加えられたヒト‐レニンの50%以上
と結合し、そして/又は2×10-8Mの濃度においてヒト
‐レニンの酵素活性を50%以上阻害するモノクローナル
抗体を産生するセルラインに関する。3×10-10Mの濃度
においてヒト‐レニンの50%以上と結合し、そして/又
は2×10-9Mの濃度においてヒト‐レニンの酵素活性を5
0%以上阻害するモノクローナル抗体を産生するセルラ
インが好ましい。5×10-11Mの濃度においてヒト‐レニ
ンの酵素活性を50%以上阻害するモノクローナル抗体を
産生するセルラインが特に好ましい。 高親和性のモノクローナル抗体を産生する最も好ましい
ハイブリドーマセルラインの例として、パリのパスツー
ル研究所の“Collection Nationale de Cultures de Mi
croorganismes"に、No.I-253として、1983年11月7日に
寄託されたR3-36-16と称するセルラインを挙げることが
できる。ハイブリドーマセルラインR3-36-16はマウス骨
髄腫セルラインSp2/0-Ag14とBalb/cマウス脾臓のB-
リンパ球とのハイブリドである。R3-36-16は、一定の特
異性のモノクローナル抗体を分泌し、そして解凍及び再
クローニングによって深冷凍結培養物から活性化するこ
とができる安定なセルラインである。 この発明はさらに、ヒト‐レニンに対して高い親和性を
有するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細
胞の製造方法に関し、この方法は適当な哺乳動物を精製
されたヒト‐レニンによって免疫し、該哺乳動物から採
取した抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合せしめ、得られ
たハイブリドーマ細胞をクローン化し、そしてヒト‐レ
ニンに対する高い親和性を有する所望のモノクローナル
抗体を産生する細胞クローンを選択することを特徴とす
る。 高純度ヒト‐レニンを用いて免疫するのか好ましい。こ
のようなヒト‐レニンは、例えばそれ自体公知の方法に
より、ヒト‐腎臓の抽出物から、イムノアフィニティー
クロマトグラフィーを用いて得られる。 免疫化のために好ましい哺乳動物は、マウス、特にBalb
/cマウスであるが、他の系統のマウスを使用すること
もできる。免疫処理は、それ自体公知の方法により、例
えば、1μg〜20μgずつの精製されたヒト‐レニンを
含む3〜6回の注射を1〜6週間の間隔で、好ましくは
リンパ球の生成を刺激する添加物、例えば完全又は不完
全フロインドアジュバンドと共に、非経腸的に、例えば
腹腔内に、静脈内に及び/又は皮下に行うことにより実
施される。 最後の(追加)免疫処理の2〜6日間後、動物から免疫
された動物の抗体産生細胞、好ましくは脾細胞を採取
し、そして融合促進剤の存在下で適当なセルラインの骨
髄腫細胞と融合せしめる。幾つかの異る骨髄腫セルライ
ン及びそれらから誘導されたセルラインが適切な融合の
パートナーとして知られている。酵素ヒポキサンチン‐
グアニン‐ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPR
T)又は酵素チミジンキナーゼ(TK)を欠いており、そ
してそのためにヒポキサンチン、アミノプテリン及びチ
ミジンを含有する選択培地(HAT培地)中で生存しない
腫瘍細胞が好ましい。HAT培地中で生存せず、そして免
疫グロブリン又はその部分を分泌しない骨髄腫細胞及び
それから調製されたセルライン、例えばセルラインX63-
Ag8.653、及びSp2/0-Ag14が特に好ましい。融合促進剤
として、場合によってはUV-不活性化された形のセンダ
イウイルス又は他のパラミクソウイルス、カルシウムイ
オン、界面活性リピド、例えばリソレシチン、又はポリ
エチレングリコールが考慮される。骨髄腫細胞を、好ま
しくは、1000〜4000の分子量を有する30〜50%のポリエ
チレングリコールを含有する溶液中で、免疫された動物
からの脾臓組胞の3〜20倍過剰量と融合せしめる。 融合後、細胞を分配しそして選択HAT培地中で培養す
る。この場合、ハイブリドーマは骨髄腫細胞に由来する
イン‐ビトロ増殖能力に、免疫された動物の抗体産生細
胞に由来するHGPRT又はTK遺伝子の欠失及びそれに伴うH
ATでの生存能力を合わせ持つために、ハイブリドーマの
みが生存する。 ハイブリドーマ細胞の増殖のための適当な培地は、常用
の標準的培地、例えば10〜15%のウシ胎児血清が補充さ
れたドゥルベコ変形培地又はRPMI1640培地である。細胞
増殖の初期において、好ましくは、いわゆるフィーダー
細胞、例えば正常マウス腹腔浸出細胞、脾臓細胞、骨髄
マクロファージ等を加える。一定の間隔で前記培地に選
択HAT培地を補充することにより、正常な骨髄腫細胞に
よってハイブリドーマ細胞が覆われるのを回避する。 ハイブリドーマ細胞の細胞培養上清液を試験してこれが
所望のモロクローナル抗体を含有するか否かを見る。好
ましくは、細胞上清液を、表面結合ヒト‐レニンへのモ
ノクローナル抗体の結合のみならず、これと同時に、さ
らに、溶解したヒト‐レニンへの結合及びヒト‐レニン
の酵素活性の阻害をも決定するイムノアッセイにおいて
試験するのが好ましい。驚くべきことに、表面結合レニ
ンによく結合するモノクローナル抗体がレニンの酵素活
性をわずかにのみ阻害することが見出された。異なる種
類の試験方法を組み合わせることによって、ヒト‐レニ
ンに対する高い結合親和性及び強い酵素阻害作用の両方
を有するモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ
細胞を同定することが可能である。これらのハイブリド
ーマ細胞は、その均一性を保証するために、限界稀釈法
を用いてそれ自体公知の方法でクローン化する。 この発明はさらに、特に生物学的液体中のヒト‐レニン
及び構造的に類似するレニンの定量的及び定性的測定の
ための、ヒト‐レニンに対する高い親和性を有するモノ
クローナル抗体及びその誘導体の使用に関する。例え
ば、この発明のモノクローナル抗体及び抗体誘導体は、
抗原(ヒト‐レニン)とモノクローナル抗体との間の結
合相互作用を用いるそれ自体公知のいずれのイムノアッ
セイにおいても使用することができる。このような測定
法の例として、ラジオイムノアッセイ(RIA)、エンザ
イムイムノアッセイ、免疫‐螢光試験、ラテックス凝集
試験、又は血球凝集法が挙げられる。 この発明のモノクローナル抗体は、そのままの形で又は
放射性ラベル誘導体の形で、単独で又は組み合わせて、
ラジオイムノアッセイ(RIA)において使用することが
できる。RIAの任意の公知の変法を用いることができ、
例えば均一相でのRIA、固相RIA又は不均一RIA、又はシ
ングルRIA又はダブル(サンドイッチ)RIAを用いてヒト
‐レニンの直接又は間接(競争的)測定を行うことがで
きる。シングルRIAが好ましく、この方法においては、
担体、例えばポリスチレン、ポリプロピレンもしくはポ
リビニルクロリド製のタイタープレートもしくは試験管
のプラスチック表面、ガラス製もしくはプラスチック製
ビーズ、紙、又はデキストラン、酢酸セルロースもし
くはニトロセルロースのシート、あるいはこれらに類似
するものに1種類のモノクローナル抗体、又は異るエピ
トープを認識する2種類のモノクローナル抗体の混合物
を単純吸着により、又は例えばグルタルアルデヒドもし
くはシアノゲンブロミドにより担体を活性化した後に被
覆し、そして試験溶液及び125Iにより放射性ラベルされ
た既知量のヒト‐レニンの溶液と共にインキュベート
し、そして前記担体に結合した放射能を測定する。 サンドイッチラジオイムノアッセイが特に好ましく、こ
の方法においては、1種類又は2種類のモノクローナル
抗体により被覆された担体を試験溶液、及び125Iで放射
性ラベルされたモノクローナル担体の溶液(この溶解し
たモノクローナル抗体は担体に結合しているモノクロー
ナル抗体が認識するヒト‐レニンのエピトープとは異る
エピトープを認識する)とインキュベートし、そして担
体に結合した放射能を測定することにより試験溶液中の
レニンの量を決定する。第1図は、試験溶液中のヒト‐
レニンの量に対する担体に結合した放射能の測定値を示
しており、これは例8.4に詳細に記載されているサンド
イッチRIAにより測定することができる。この試験の感
度は、4時間以内に、50μの試験溶液中のわずかに1p
gから100pg以上のヒト‐レニンの信頼性の高い定量的測
定を可能にする。従って、レニンに対する高い親和性を
有するこの発明のモノクローナル抗体を使用することに
より、生物学的液体、特に血液中に通常存在する濃度に
おけるヒト‐レニンの定量的測定が可能となり、そして
このために、レニンにより誘導される高血圧の迅速且つ
信頼性の高い診断が可能となる。 この発明のモノクローナル抗体は、そのままの形で、又
は酵素に接合した誘導体の形で、単独で又は組み合わせ
て、エンザイムイムノアッセイにおいて使用することが
できる。このようなイムノアッセイには、この発明の酵
素ラベルモノクローナル抗体誘導体、この発明の抗ヒト
‐レニン抗体もしくは他の抗ヒト‐レニン抗体のエピト
ープを認識しそしてそれと結合するそれ自体公知の酵素
ラベル抗体、又は酵素ラベルヒト‐レニンを使用する試
験方法が含まれる。 ELISA(エンザイムリンクドイムノアドゾルベントアッ
セイ)が好ましく、この方法においては、シングルRIA
試験について前記した担体にこの発明の1種類又は2種
類のモノクローナル抗体を被覆し、ヒト‐レニンを含有
する試験溶液と共にインキュベートし、そして次にヒト
‐レニンに対するポリクロナール血清、例えばラビット
血清、とインキュベートし、そして最後にポリクローナ
ル血清の結合した抗体を、これを認識しそしてこれに結
合する酵素ラベル抗体により検出し、そして結合したヒ
ト‐レニンの量を酵素‐基質反応により決定する。この
ような酵素ラベル抗体は、例えばホスファターゼにより
ラベルされたヤギ‐抗‐ラビット免疫グロブリンであ
る。 最も好ましいELISAにおいては、この発明の1種類又は
2種類のモノクローナル抗体により被覆された担体を、
ヒト‐レニンを含有する試験溶液と、及び酵素と接合し
たこの発明のモノクローナル抗体の溶液(この溶解した
モノクローナル抗体は、担体に結合したモノクローナル
抗体が認識するヒト‐レニンのエピトープとは異るエピ
トープを認識する)とインキュベートする。例えば色の
変化をもたらしそして肉眼により又は光学測定装置によ
り観察することができる酵素‐基質反応により、酵素の
量(これは試験溶液中のヒト‐レニンの量に比例する)
を測定する。 第2図は、放出され発色した酵素基質の最大吸光におけ
る測定された光学濃度と試験溶液中のヒト‐レニンの量
との関係を示しており、これは例9.3において詳細に記
載するELISAにより測定することができる。ELISAの感度
は、5時間以内に、50μの試験溶液中1pg未満から100
pgまでのヒト‐レニンの信頼性の高い定量的測定を可能
にする。上記の好ましいサンドイッチRIAに比べて、こ
のELISAは、同等又はわずかに高い感度を有し、そし
て、放射能を測定する場合のような複雑な測定装置を必
要とせず、そして放射性物質を取り扱う場合に比べて厳
重でない安全規準を満たせばよいという利点を有する。 この発明のエンザイムイムノアッセイにおける好ましい
酵素は、ホースラディッシュパーオキシダーゼ(この酵
素は、例えば酵素基質5-アミノサリチル酸、o-フェニレ
ンジアミン、3,3′‐ジメトキシベンズイミド、2,2′‐
アジノ‐ビス‐(3-エチルベンゾチアゾリン‐6-スルホ
ン酸等により発色させることができる)、及び特にアル
カリ性ホスファターゼ(この酵素は、例えば酵素基質p-
ニトロフェニルホスフェートからp-ニトロフェノールを
放出する)である。 ヒト‐レニンの定性的及び定量的測定のための、ヒト‐
レニンに対して高い親和性を有するモノクローナル抗体
のこの発明の使用はまた、それ自体公知の他のイムノア
ッセイ、例えば螢光物質との抗体接合体又は抗原接合体
を用いるイムノフルオレッセンス試験、抗体で被覆され
たラテックス粒子もしくは抗原で被覆されたラテックス
粒子を用いるラテックス凝集法、又は抗体で被覆された
赤血球もしくは抗原で被覆された赤血球を使用する血球
凝集法、等が含まれる。 以上記載したイムノアッセイは、生物学的液体、特に血
液中のヒト‐レニンの量を決定するため、そして従って
レニンにより誘導される高血圧の診断のために使用する
ことができる。これらのイムノアッセイにおいては、活
性酵素としてアンジオテンシノーゲン(レニン基質)を
アンジオテンシンIに転換するヒト‐レニンの量のみな
らず、抗体によって認識される同じ抗原決定基を有する
すべての他の形のヒト‐レニンの量を測定することがで
きる。特に、記載されたイムノアッセイは、活性酵素、
不活性ヒト‐レニン又はヒト‐プロレニンを包含するヒ
ト‐レニンの全量を決定する。イムノアッセイはさら
に、霊長類レニン、特にマルモセット(marmoset)カリ
スリクス・ジャクス(Callithrix jacchus)のレニン、
又は同一もしくは類似の抗原決定基を有する他の動物の
レニンの測定に応用することができる。 この発明はさらに、ヒト‐レニン及び構造的に類似する
レニンの測定のための試験キットに関し、このキットは
ヒト‐レニンに対して高い親和性を有するモノクローナ
ル抗体及び/又はその誘導体、並びに場合によっては付
属物を含んで成る。 ラジオイムノアッセイのためのこの発明の試験キット
は、例えば、適当な担体、この発明の1種類又は複数種
類のモノクローナル抗体の場合によって凍結乾燥され又
は濃縮されている溶液、この発明の放射性ラベルされた
モノクローナル抗体の溶液又は放射性ラベルされたヒト
‐レニンの溶液、ヒト‐レニンの標準溶液、緩衝液、並
びに場合によっては、非特異的な吸着及び凝集の形成を
防止するための洗剤、ピペット、反応器、換算曲線等を
含む。 エンザイムイムノアッセイのためのこの発明の試験キッ
トは例えば、適当な担体、この発明の1種類又は複数種
類のモノクローナル抗体の場合によっては凍結乾燥され
た又は濃縮された溶液、この発明の酵素ラベルされたモ
ノクローナル抗体の、酵素ラベルされたヒト‐レニン
の、ポリクローナル抗‐ヒト‐レニン血清の、及び/又
はこの発明の抗‐ヒト‐レニン抗体もしくは他の抗‐ヒ
ト‐レニン抗体を認識しそしてそれと結合する酵素ラベ
ルされたモノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗
体の、場合によっては凍結乾燥された又は濃縮された溶
液、固体の又は溶解した形の酵素基質、ヒト‐レニンの
標準溶液、緩衝液、洗剤、ピペット、反応器、換算曲
線、色彩比較表等を含んで成る。 この発明はさらに、ヒト‐レニン及び構造的に類似する
レニンの精製のための、モノクローナル抗体及びその誘
導体の使用に関する。例えば、ヒト‐レニン及び構造的
に類似するレニンは、分離作用がモノクローナル担体と
レニンとの間の相互作用に基くそれ自体公知の分離法を
用いて精製することができる。好ましい分離法はイムノ
アフィニティークロマトグラフィーである。無機又は有
機性の適当な担体材料、例えば適当に官能化された形の
架橋されたアガロース、デキストラン又はポリアクリル
アミドに、それ自体公知の方法により、この担体を場合
によっては活性化した後に、この発明のモノクローナル
抗体又は抗体誘導体を負荷する。この目的のために、例
えば、活性化されたエステル官能基を含有する担体材料
を水性緩衝液中に懸濁し、モノクローナル抗体の溶液と
混合し、次に未結合モノクローナル抗体を洗浄除去し、
そして担体材料の未結合反応性部位をブロックする。 この発明はさらに、ヒト‐レニンに対する高い親和性を
有するモノクローナル抗体又はその誘導体、及び場合に
よっては医薬助剤を含んで成る医薬に関する。適当な誘
導体は、ヒト‐レニンの抗原決定基に対する特異性を保
持しているモノクローナル抗体の断片、例えばFab断
片、Fab′断片、又はF(ab′)2断片である。医薬は
例えば、有効量のモノクローナル抗体又はその断片を、
有機又は無機の固体又は液体の医薬として許容される担
体と一緒に又は結合されて含んで成る。 非経腸投与、例えば筋肉内投与、又は特に静脈内投与の
ための医薬が好ましい。このような製剤は等張水溶液又
は懸濁液であり、これらは所望により凍結乾燥製剤又は
濃厚製剤であって使用直前に調製される。医薬は無菌化
することができそして/又は補助剤、例えば防腐剤、安
定剤、湿潤剤及び/又は乳化剤、可溶化剤、浸透圧調整
塩及び/又は緩衝剤を含有することができ、そしてそれ
自体公知の方法により、例えば常用の溶解法又は凍結乾
燥法により製造される。溶液又は懸濁液は、粘度増強
剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、デ
キストラン、ポリビニルピロリドン又はゼラチンを含有
することができる。 注射薬は常法に従って抗微生物条件下で調製し、アンプ
ル又はバイアルに充填しそして容器を密封する。 この発明はさらに、高血圧又は心臓機能不全の治療のた
めの、ヒト‐レニンに対する高い親和性を有するモノク
ローナル抗体又はその誘導体の使用に関する。 この発明のモノクローナル抗体の血圧低下作用を検出す
るために、マルモセット(カリスリスク・ジャカス)を
用いるイン‐ビボ試験が使用される。この発明のモノク
ローナル抗体はマルモセット‐レニンをヒト‐レニンと
ほぼ同程度に阻害する。すなわち、マルモセット‐レニ
ン及びヒト‐レニン中の同一の又は類似の抗原決定基を
認識し、そしてそれと結合する。 常用の試験方法において、約300gの体重を有する雄性及
び雌性の正常血圧マルモセット(カリスリスク・ジャカ
ス)に、果物を補充した正常塩餌(NAFAG、Na+:100mmol
/kg、K+:250mmol/kg)を供与する。レニンの内因性放
出をフロセミドの静脈肉射(5mg/kg)により刺激す
る。45分間後にモノクローナル抗体をカテーテルを介し
て側尾静脈に注入し、そして血圧及び心摶数に及ぼすそ
の効果を大腿動脈中のカテーテルにより測定する。モノ
クローナル抗体を注射した2時間後、アンジオテンシン
転換酵素(ACE)を阻害するテプロチド(teprotide)を
注射(1mg/kg)し、そして血圧に及ぼすその効果を観
察する。対照実験において、この発明のモノクローナル
抗ヒト‐レニン抗体の代りに1ml/kgの生理的食塩水、
又は非特異的モノクローナル骨髄腫抗体MOPC21(0.1mg
/kg)を注射する。 これらの実験条件下で、モノクローナル抗体R3-36-16を
0.01mg/kgの投与量で1回静脈内投与することにより、
心摶数の変化を伴わないで、血圧が18±5mmHg(n=
4)、2時間にわたって低下する。30分間にわたり血漿
レニン活性が完全に阻害される。抗体を投与した後のテ
プロチドの注射は血圧の追加の低下をなんら生じさせな
い。モノクローナル抗体R3-36-16の一層高い投与量(0.
1mg/kgi.v.)は心摶数に影響を与えることなく同様の
血圧低下作用を示し、そして一層低い投与量(0.001mg
/kgi.v.)は効果を有しない。 なお、上記の動物実験において、本発明のモノクローナ
ル抗体は急性毒性症状を表わさない。 本発明のモノクローナル抗体のヒトに対する投与量は0.
01mg/kg〜0.1mg/kgである。 次に例によりこの発明をさらに具体的に説明する。但し
これによりこの発明の範囲を限定するものではない。 例において使用する略号は次の意味を有する。 SBA:ウシ血清アルブミン; ELISA:エンザイムアッセイ(エンザイムリンクドイムノ
アドゾルベントアッセイ); HAT:ヒポキサンチン/アミノプテリン/チミジン; IC50:50%の阻害が観察される濃度; PBS:燐酸緩衝化生理的塩溶液; RIA:ラジオイムノアッセイ; SDS:ドデシル硫酸ナトリウム; tris:トリス‐(ヒドロキシメチル)‐アミノメタン; 単 位 M:mol/; GU:ゴールドブラット(Goldblatt)単位; cpm:カウント/分(放射性崩壊)。 例1. ヒト‐レニンの精製 ヒト‐レニンをヒト腎臓から得、そして免疫吸着法を用
いるそれ自体公知の方法により精製する。 1kgの機械的に細断した腎臓を水で抽出し、そして硫酸
によりpH2.8に酸性化する。NaCl濃度を0.8Mに調整し、
そしてレニンを硫酸アンモニウム(最終濃度2.3M)によ
り沈澱せしめる。この沈澱を0.1M燐酸緩衝液(pH7.4)
に対して透析する。蛋白質mg当り0.13GUのレニン濃度を
有する。サンプルをアンジオテンシノーゲンの給源とし
てのレニン不含血漿(NEN,ニューイングランド・ニュー
クレア・アンジオテンシンIラジオイムノアッセイ・キ
ット)と共にインキュベートした後アンジオテンシンI
を測定することによってレニン含量を測定し、そしてレ
ニンの標準(MRL,国際参考標準68/356〔5〕)と比較
することによってゴールドブラット単位(GU)で表現す
る。蛋白質濃度は、クマーシーブルーを用いて着色し、
そして標準としてのウシ血清アルブミン(BSA)と比較
することにより決定する。 透析された腎臓抽出物を、6mlのアフィーゲル(Affi-Ge
l)10(商標)(ビオラド)に結合した38mgのモノクロ
ーナル抗‐ヒト‐レニン抗体F15(クリン‐ミディー,
モントペリア)〔6〕を含むイムノアフィニティーカラ
ムに導入する。血漿の未結合成分を0.1M燐酸緩衝液で洗
浄除去し、そして結合したレニンを0.1Mクエン酸/燐酸
緩衝液(pH4.5)で溶出する。溶出液をアミコン‐PM-10
(商標)膜上で濃縮す、PBS(燐酸緩衝化塩溶液)で稀
釈し、凍結し、そして−80℃にて保持する。こうして、
粗腎臓抽出物中に存在するレニンの約70%を得る。この
ものは400GU/mgの比活性を有し、これは3000倍濃縮に
相当する。標品の純度はSDS-ポリアクリルアミドゲル電
気泳動及び高圧液体クロマトグラフィーにより分析す
る。純度は80%より高いと算定される。 例2. ハイブリドーマ細胞の調製 2.1 ヒト‐レニンによるマウスの免疫 Balb/cマウスを、下記のようにして、例1からの精製
ヒト‐レニンにより免疫する。 マウス1及び2に、完全フロインドアジュバント(CF
A)中10GU(およそ10μgに相当する)のレニンを、後
足に2回及び皮下に2回分散して注射する。その後28日
目にさらにPBS中2GUのレニンを静脈内注射し、そして46
日目にPBS中5GUのレニンを静脈内注射する。50日目に脾
臓を取り出し融合のために使用する。 マウス3及び4に、CFA中20GUのレニンをマウス1及び
2の場合のようにして分散して注射し、35日目に不完全
フロインドアジュバント(IFA)中2GUのレニンを皮下投
与し、60日目にPBS中2GUのレニンを腹腔内投与し、そし
て78日目にPBS中5GUのレニンを静脈内投与する。82日目
に、イン‐ビトロレニン活性に対抗する高い血清力価を
有するマウス(マウス3)の脾臓を取り出して融合のた
めに使用する。 2.2 細胞融合 すべての融合実験は、実質上Kler及びMilstein
〔1〕の方法に従って、Sp2/0-Ag14セルライン〔7〕
を用いて行う。例2.1からの108個の脾細胞を、50%濃度
のポリエチレングリコール(PEG 1500,セルバ)1mlの
存在下で、107個の骨髄腫細胞と混合する。洗浄後、細
胞を48mlの標準ドゥルベコ最少必須培地(ギブコNo.042
2501)に再懸濁する。フィーダー細胞として融合ごとに
15%ウシ胎児血清及び3×106正常マウス腹腔浸出細胞
を加える。細胞を、1mlずつ48枚のカスタープレートに
分配する。培養物に、3〜6週間にわたって1日2回、
標準HAT選択培地(1)を供与する。ハイブリド細胞が
増殖した後、培養上清液をレニンへの結合について(例
4)、及びレニン活性の阻害について(例5)試験す
る。ミクロタイタープレート中での限界稀釈によりハイ
ブリドーマのクローニングを行う。すべてのセルライン
を少なくとも2回続けてクローニングする。 10個の異る母培養物からのクローンを選択し、そして増
殖せしめる。R1、R2、及びR3はそれぞれ、マウス1、
2、及び3の脾細胞の融合に由来するハイブリドーマ細
胞及びこれらの細胞から得られる抗体を示す。クローン
番号及び幾つかのサブクローン番号をハイホンの後に示
す(第1表)。 例3. モノクローナル抗体の分離及び精製 8〜10週齢のBalb/cマウス(シセルンアニマルファー
ム)を、0.3mlのプリスタン(アルドリッチ)により前
処理(i.p.)する。2〜3週間後、2〜5×106個のク
ローン化ハイブリドーマ細胞及び0.2mlのプリスタンを
各マウスに注射(i.p.)する。8〜10日間の後、マウス
から繰り返して液を採取し、そしてこうして得られた腹
水を800×gにて遠心分離し、そしてこうして得られた
透明の上清液を−20℃にて集める。 解凍した腹水溶液を50,000×gにて60分間遠心分離し、
浮上した脂肪を除去し、そしてml当り10〜12mgの蛋白質
濃度を確立する。蛋白質濃度は、280nmにおける光学濃
度(OD280)を測定することにより決定する。標準とし
て、OD280=12(層の厚さ1cm)のネズミ免疫グロブリン
の1%濃度の溶液(W/V)を使用する。0℃にて撹拌
しながら0.9容量の飽和硫酸アンモニウム溶液をゆっく
り滴加することにより粗免疫グロブリン画分を沈澱せし
め、これを20mmolのtris-HCl/50mmolのNaCl(pH7.9)
に溶解し、そして透析する。次に、20mmolのtris-HCl
(pH7.9)により2倍に稀釈し、そして全体をDEAE-D52
セルロースカラム(ワットマン)に導入する。免疫グロ
ブリンG画分を20mmolのtris-HCl/80mmolのNaCl(pH7.
9)の緩衝液を用いてカラムから溶出し、そして硫酸ア
ンモニウムにより再度沈澱を行った後(上記参照)、PB
Sを用いて蛋白質濃度を10mg/mlに調整する。モノクロ
ーナル抗体沈澱物の純度をSDS-ポリアクリルアミドゲル
電気泳動を用いて試験する。95%以上である。 例4. ヒト‐レニンへのモノクローナル体の結合 4.1 エンザイムイムノアッセイ(ELISA) 細胞ハイブリダイゼーション(例2.2)後の目的モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞の選択のため、及
び精製されたモノクローナル抗体の場合にレニンへの結
合の定量測定のために、それ自体公知のELISA法〔8〕
において、表面結合レニンへの反応性を用いる。50μ
の0.05M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.6)中100ngの
精製レニン(例1)をプラスチックミクロタイタープレ
ート中で37℃にて2時間及び4℃にて15時間インキュベ
ートする。PBSで洗浄した後、プラスチック表面上にな
お存在する蛋白質反応性部位を、150μのPBS-トウィ
ーン(商標)緩衝液(0.2%NaN3を含有するPBS中0.05%
トウィーン,pH7.4)と共に37℃にて2時間インキュベー
トすることにより飽和し、そしてこのプレートをPBSで
洗浄する。モノクローナル抗‐レニン抗体について測定
すべき溶液(細胞培養上清液又は精製されたモノクロー
ナル抗体溶液)及びその対応稀釈物100μを37℃にて
2時間インキュベートし、そしてプレートを洗浄した
後、結合したモノクローナルマウス抗体を、ホスファタ
ーゼでラベルされたラビットIgG抗‐マウス免疫グロブ
リンの標品の対応してあらかじめ定められた稀釈を行っ
たもの100μと共にインキュベートすることにより検
出する。酵素基質p-ニトロフェニルホスフェートの溶液
(0.5mmolのMgCl2を含有する10%ジエタノールアミン緩
衝液中1mg/ml,pH9.8)100μと共にインキュベートし
(30分間,37℃)、そして反応生成物の405nmにおける光
学濃度(OD405)をマルチスキャンフォトメーター(フ
ローイルビン,スコットランド)を用いて測定すること
により、取り上げられた酵素の量を決定する。対照とし
て、モノクローナル抗‐レニン抗体を含有する溶液の代
りに、非‐特異的モノクローナル骨髄腫抗体MOPC21の標
品(ビオネティクスラブス,ケンシントン,米国)、及
びホスホリルコリンに対して特異的なモノクローナルハ
イブリドーマ抗体の標品を使用する。 表面結合ヒト‐レニンを用いるこの測定において0.1のO
D405をもたらす精製モノクローナル抗体の濃度を第1表
に示す。見だされた濃度は5.8×10-7〜7.5×10-11Mの範
囲内にあり、この測定においてもモノクローナル対照抗
体は10-7Mのオーダーの値をもたらすから10-7Mより高い
濃度は特異的結合を示さない。固定されたレニンへの特
に効果的な結合(ELISA)がモノクローナル抗体R3-17-7
及びR3-17-8の場合に認められたが、モノクローナル抗
体R3-48、R3-21、及びR3-27も5×10-10Mより低い濃度
において結合した。 4.2 125I-ラベル‐レニンを用いるラジオイムノアッセ
イ(RIA) 溶解レニンに対する反応性を決定するために、50μの
RIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%NaN3,pH7.4)中モノク
ローナル抗体サンプルの種々の稀釈物に、同じ緩衝液中
125I-ラベル‐レニン(2.5ngの蛋白質に相当する80000c
pm,例8.1)50μを加え、そしてポリビニルクロリドミ
クロタイタープレート中で37℃にて2時間、及び4℃に
て15時間インキュベーションを行なう。3%ポリエチレ
ングリコール6000中対応する稀釈のラビット‐抗‐マウ
ス免疫グロブリン血清50μを添加し、そして37℃にて
30分間及び4℃にて30分間インキュベートすることによ
り、モノクローナル抗体を免疫複合体の形で沈澱せしめ
て、抗体結合125I-レニンの量を求める。沈澱物を懸濁
及び遠心分離により数回洗浄し、そしてタイタープレー
トを切断した後ガンマーカウンター中で放射能を測定す
る。125I-レニン含有溶液から最大沈澱可能放射能の50
%を沈澱せしめる精製モノクローナル抗体の濃度(IC5
0)が溶解レニンへの結合の測定値であり、これを第1
表に示す。モノクローナル抗体R3-36-16、及びR3-47
は、ELISA(例4.1)においては表面結合レニンに対して
わずかな親和性を示すのみであるが、溶解したレニンに
対しては特に強く結合する。 例5. レニン活性のイン‐ビトロ阻害 5.1 ヒト‐レニン活性の阻害の測定 アンジオテンシノーゲンを含有するレニン不含正常ヒト
血漿に精製ヒト‐レニン(例1)を補充してレニン濃度
を250pg/mlとする。それぞれの場合に50μずつこの
前処理された血漿を、4℃にて2時間及び37℃にて1時
間にわたり、50μの0.1Mtris-酢酸緩衝液(pH7.4)中
種種の稀釈の分析されるべきモノクローナル抗体サンプ
ルと共に、アンジオテンシンIのアンジオテンシンIIへ
の転換をブロックする2,3-ジメルカプト‐1-プロパノー
ル及び8-ヒドロキシキノリンの存在下で、インキュベー
トする。4℃に冷却することにより酵素反応を停止す
る。生成したアンジオテンシンIの量をRIA(NEN,ニュ
ーイングランドニュークレアアンジオテンシンIラジオ
イムノアッセイキット)を用いて決定する。この目的の
ために、サンプルに125I-ラベル‐アンジオテンシンI-
トレーサー及びアンジオテンシンIに対する抗血清の対
応量を加え、そして4℃にて15時間インキュベートした
後、未結合アンジオテンシンIを活性炭素上に吸着し、
そして上清中の抗体結合125I-ラベル‐アンジオテンシ
ンIをガンマーカウンターで測定する。この系におい
て、陽性対照(モノクローナル抗体を伴わないサンプ
ル)は10ng/ml時のアンジオテンシンIをもたらす。 ヒト‐レニン活性の最大阻害の50%が観察される精製モ
ノクローナル抗体濃度(IC50)を第1表に示す。この値
は10-6M以上から1.3×10-11Mの範囲である。モノクロー
ナル抗体R3-17-7及びR3-48は、ELISA(例4.1)において
レニンに強く結合するが、レニン活性を有意に阻害しな
い。モノクローナル抗体R1-19、R1-20、R3-17-8、R2-1
2、及びR3-21は、レニン活性の有意であるが弱い阻害を
示す。モノクローナル抗体R3-27、R2-1、並びに特にR3-
47、及びR3-36-16の場合にレニン活性の顕著な阻害が認
められる。 モノクローナル担体R3-21及びR2-1は試験した全濃度範
囲(10-6Mまで)にわたって60%以下のみのレニン阻害
を示し、他方R3-27はわずかに35%の最大阻害を示す。
これらのモノクローナル抗体は、おそらくレニンの活性
中心の近傍に存在するであろう抗原決定基(エピトー
プ)を認識しそしてこれに結合する。これらの結合によ
り、これらは立体的影響の結果として酵素活性を低下せ
しめ、又は一層小さい基質交換数をなお許容するレニン
分子のアロステリック配置を促進する。強く阻害するモ
ノクローナル抗体R1-19及びR1-20は、他方において、高
濃度においては最大の親和性を有するモノクローナル抗
体R3-47及びR3-36-16と全く同様に、レニンを完全に阻
害する 5.2 ヒト‐レニンに対する結合及びヒト‐レニン活性
の阻害の比較 上記のモノクローナル抗体はその結合性及び阻害性に関
せて4つの異るグループに分けることができる。原理的
に、レニンに結合するだけのモノクローナル抗体、及び
レニンに結合しそして同時にその酵素活性を低下せしめ
るモノクローナル抗体が予想される。グループ1(第1
表)は、レニンと結合するがその触媒活性を阻害しない
が非常に弱く阻害するにすぎないモノクローナル抗体か
ら成る。これらのモノクローナル抗体はさらに、溶液中
レニンに対するこれらの親和性(RIA)に比べて、表面
結合レニンに対する20倍以上高い親和性(ELISA)を示
す。他のすべてのグループのモノクローナル抗体は表面
結合レニンに対する好みを示さない。グループ2のモノ
クローナル抗体は低い濃度においてもレニン活性を阻害
するがその阻害は部分的にすぎない。すなわち、モノク
ローナル抗体に特徴的なあるパーセントでのみ阻害す
る。グループ3は、非常に低い濃度においてさえレニン
活性を完全に阻害するモノクローナル抗体から成る。こ
れらの抗体は同時に、1〜3×1010低濃度において溶解
したレニンに結合する。興味あることには、これらの抗
体は表面結合レニンとわずかに結合するに過ぎない。従
って、これらのモノクローナル抗体はELISA法に基礎を
置く常用の一次スクリーニングにおいては検出されない
だろう。グループ4は、レニン活性を完全に阻害するが
グループ3のモノクローナル抗体よりも約1000倍弱いモ
ノクローナル抗体からなる。さらに、これらは表面結合
レニン(ELISA)及び溶解レニン(RIA)におよそ同等に
結合する。しかしながら、ELISAにおける結合(約10
-7M)は非特異的モノクローナル抗体のそれと有意に異
らない。 5.3 ラット及びマルモセット‐レニン活性の阻害の測
定 例5.1に記載したのと同様の方法で、分析されるべきモ
ノクローナル抗体サンプルをラット‐レニン及びマルモ
セット‐レニンの活性の阻害について試験した。しかし
ながら、この目的のために、処理されたヒト血漿の代り
に、未処理ラット及びマルモセット血漿、すなわち正常
量のアンジオテンシノーゲン及びレニンを含有するラッ
ト血漿及びマルモセット血漿を用いる。 第1表に挙げたモノクローナル抗体はいずれもラット‐
レニンを阻害しない。 モノクローナル抗体R3-27、R3-36-16、R3-47、及びR1-2
0は、ヒト‐レニンと同程度にマルモセット‐レニンを
阻害する(同じIC50値)。従って、対応するモノクロー
ナル抗体により認識される決定基は、ヒト‐レニン及び
マルモセット‐レニンにおいて同一であるか、又は少な
くとも非常に類似している。モノクローナル抗体R3-36-
16、及びR3-47はヒト‐レニンを非常に効果的に阻害す
る(第1表)から、酵素ヒト‐レニンとマルモセット‐
レニンの触媒部位の類似性が示される。 モノクローナル抗体R1-19は、ヒト‐レニンの活性を阻
害するのよりも3倍低い濃度(IC50)においてマルモセ
ット‐レニンの活性を阻害する。従って、このモノクロ
ーナル抗体は、免疫処理(例2.1)のために使用されな
かった分子と一層よく反応する。 モノクローナル抗体R2-1は、ヒト‐レニンの活性を阻害
するのよりも15倍高い濃度(IC50)においてのみマルモ
セット‐レニンの活性を阻害する。従って、このモノク
ローナル抗体は、マルモセット‐レニン及びヒト‐レニ
ンにおいて類似ではあるが同一ではない決定基を認識す
る。 モノクローナル抗体R3-21、R2-1、及びR3-27の場合に高
濃度においてさえ観察されるヒト‐レニンの明らかに部
分的な阻害(第1表最下欄)は、マルモセット‐レニン
についても同様に認められる。 例6. モノクローナル抗体の特徴付け 6.1 抗体クラスの決定 クローン化ハイブリドーマ細胞により産生されたモノク
ローナル抗体のクラス又はサブクラスをELISAにおいて
決定する。ミクロタイタープレートをそれぞれ、50μ
のPBS中クラス特異的又はサブクラス特異的血清のラビ
ット免疫グロブリン標品1μgにより被覆し、プレート
の遊離結合部位をRIA緩衝液(PBS中1%BSA、0.2%Na
N3、pH7.4)によって飽和し、そして分析すべきサンプ
ルをウエル中で37℃にて1時間インキュベートする。プ
レートを洗浄した後、結合したモノクローナルマウス抗
体を、プレートの被覆に使用した血清標品のホスファタ
ーゼ‐ラベル‐ラビット免疫グロブリンの標品と共に37
℃にて1時間インキュベートし、そして取り上げられた
酵素の量を例4.1に記載したようにして決定する。この
結果を第1表に示す。 6.2 アミノ酸配列の分析 モノクローナル抗体を4-ジメチルアミノ‐4′‐イオド
アセタミド‐アゾベンゼンを用いて誘導体化し、そして
セファロースG-100カラムを用いるクロマトグラフィー
によりヘビー鎖とライト鎖を分離する。電気透析により
画分をゲルから溶出し、そして公知の方法
〔9〕によ
り、ベックマン8906シーケンサーでのアミノ酸配列分析
にかける。 モノクローナル抗体R3-36-16のライト鎖のN-端アミノ酸
配列(28〜38位の第1超可変領域を含む)は次の通りで
ある。 カッコ内のアミノ酸は明確には知られていない。X及び
Yは特定されていないアミノ酸である。 例7. モノクローナル抗体の交差阻害の決定 ミクロタイタープレートを、例4.1と同様にして、ウエ
ル当り150ngのモノクローナル抗体が結合するように、
グループ1〜3のモノクローナル抗体(第1表)により
被覆する。グループ1〜3からの同じモノクローナル抗
体又は異るモノクローナル抗体の3μg(20倍過剰)を
10μの溶液中5ngの125I-ラベル‐レニン(例8.1)と
4℃にて15時間又は37℃にて4時間前インキュベート
し、そして次に被覆されたミクロタイタープレートのウ
エル中で37℃にて2時間及び4℃にて15時間インキュベ
ートする。次にプレートを洗浄し、そして放射能を測定
することにより結合したレニンを決定する。 この交差阻害実験の結果を第2表に示す。表面結合モノ
クローナル抗体へのレニンの結合が、溶液中同じモノク
ローナル抗体との前インキュベーションにより完全に
(95%以上)阻害される(第2表対角線)。モノクロー
ナル担体R3-36-16及びR3-47は相互に完全に阻害し、従
ってレニン分子上の同一のエピトープを認識する。R3-2
7と交差反応するモノクローナル抗体R3-21は同様にモノ
クローナル抗体R3-17-7により交差反応されるが、R3-27
とR3-17-7とは相互になんらの効果も有しない。従って
これら3種類のモノクローナル抗体はレニン分子上の部
分的にオーバーラップする続く複数のエピトープを認識
する。他のすべての抗体の対は相互効果を示さない。従
ってこれらのモノクローナル抗体はレニン分子上の空間
的に離れたエピトープと結合する。 例8. 血漿中のヒト‐レニンの測定のためのラジオイム
ノアッセイ(RIA) 8.1 125Iによるヒト‐レニンのラベル化 例1からの10μgのヒト‐レニンを、Greenwood及びHun
ter〔10〕の標準法に従って、125I-ヨウ化ナトリウム
(0.3mC)及びクロラミンTを用いてヨウ素化する。反
応生成物をイオン交換カラムビオラドAG(商標)1×8
上で精製し、そしてPBSにより活性1.6×106cpm/mlに調
整する。 8.2 シングルRIAによるヒト‐レニンの測定 ポリビニルクロリドミクロタイタープレート(ダイナテ
ク・ラプス社)を、10μg/mlずつのモノクローナル抗
体R2-1及びモノクローナル抗体R3-27を含有するPBS中溶
液100μと共に37℃にて2時間及び4℃にて15時間イ
ンキュベートすることにより被覆する。このプレートを
PBSで洗浄し、そしてなお存在する蛋白質反応性部位
を、225μのRIA緩衝液(PBS中の1%BSA,0.2%NaN3,p
H7.4)と共に37℃にて2時間インキュベートすることに
より飽和する。 レニン不含ヒト血漿10%を含有するRIA緩衝液中試験溶
液の1連の稀釈物及びレニン標準溶液それぞれの場合に
50μずつをミクロタイタープレートのウエル中に導入
し、例8.1からの125I-ラベル‐レニンの溶液50μ(2.
5ngに相当する80,000cpm)加え、そして37℃にて2時間
及び4℃にて15時間インキュベーションを行う。プレー
トをPBSで洗浄し、そして放射能を測定する。試験溶液
中のヒト‐レニンの濃度を、標準溶液を用いて作成した
換算曲線により決定する。 同様にして、ミクロタイタープレートを1種類のモノク
ローナル抗体により、又は異るエピトープ(第2表)を
認識2種類のモノクローナル抗体により被覆し、そして
シングルRIAのために使用する。 8.3 125Iによるモノクローナル抗体R3-36-16のラベル
化 例8.1と同様にして、30μgのモノクローナル抗体R3-36
-16を125I(1mC)によりヨウ素化し、そして精製する。 モノクローナル抗体R3-27の同様にしてレベルする。 8.4 サンドイッチRIAによるヒト‐レニンの測定 例8.2と同様にして、ミクロタイタープレートをモノク
ローナル抗体R3-27の溶液(10μg/ml)150μにより
被覆し、そして蛋白質反応性部位を飽和する。レニン不
含ヒト血漿中試験溶液(例えば、患者からの血漿)の1
連の稀釈物又はレニン標準溶液50μ、50μのRIA緩
衝液、及び例8.3からの125I-ラベル‐抗体R3-36-16の溶
液50μ(6ngに相当する120,000cpm)を、ミクロタイ
タープレートのウエル中で37℃にて2時間及び4℃にて
15分間インキュベートする。プレートをPBSで洗浄し、
そして放射能を測定する。試験溶液中のヒト‐レニンの
濃度を、標準溶液を用いて作成した換算曲線(第1図)
により決定する。 この試験の感度は、50μの試験溶液中1pgのヒト‐レ
ニン(20pg/ml)の測定を可能にする。レニン1〜100p
g(50μのサンプル中)の全範囲にわたって直線関連
が存在する。 同様にして、モノクローナル抗体R2-1又はR2-1とR3-27
との混合物がミクロタイタープレートの被覆に使用され
る場合、あるいは抗体が相互に交換される場合、すなわ
ちモノクローナル抗体R3-36-16が被覆のために使用さ
れ、そして例えば125I-ラベル‐モノクローナル抗体R3-
27が検出のために使用される場合にも、ヒト‐トレンを
測定することができる。 8.5 シングルRIAのための試験キット 例8.2に記載したシングルRIAのための試験キットは次の
ものを含む。 ○ポリビニルクロリドのミクロタイタープレート; ○モノクローナル抗‐ヒト‐レニン抗体R2-1及びR3-27
の溶液(それぞれ10μg/ml)2ml; ○燐酸緩衝化生理的塩溶液(PBS)100ml; ○RIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%ナトリウムアジド)1
00ml; ○レニン不含ヒト血漿2ml; ○活性1.6×106cpm/mlの125I-ラベル‐ヒト‐レニンの
溶液2ml; ○レニン不含ヒト血漿中20ng/mlのヒト‐レニンを含有
する標準溶液2ml ○換算曲線。 8.6 サンドイッチRIA用試験キット 例8.4に記載したサンドイッチRIA用試験キットは次のも
のを含む。 ○ポリビニルクロリドのミクロタイタープレート; ○モノクローナル抗‐ヒト‐レニン抗体R3-27の溶液(1
0μg/ml)6ml; ○燐酸緩衝化生理的塩溶液(PBS)100ml; ○RIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%ナトリウムアジド)1
00ml; ○レニン不含ヒト血漿2ml; ○活性2.4×106cpm/mlの125I-ラベル‐モノクローナル
抗‐ヒト‐レニン抗体R3-36-16(例8.3)の溶液2ml; ○レニン不含ヒト血漿中20ng/mlのヒト‐レニンを含有
する標準溶液2ml; ○換算曲線(第1図)。 例9. 血漿中ヒト‐レニンを測定するためのエンザイム
イムノアッセイ(ELISA) 9.1 ポリクローナル抗‐ヒト‐レニン血清を用いるELI
SA 例8.2と同様にして、ミクロタイタープレートを、10μ
g/mlのモノクローナル抗体R3-36-16を含有する溶液10
0μにより被覆し、そして蛋白質反応性部位を飽和す
る。このプレートを、10%のレニン不含ヒト血漿を含有
するRIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%NaN3,pH7.4)中試
験溶液の一連の稀釈物又はレニン標準溶液のいずれも50
μと共に37℃にて2時間インキュベートし、そして洗
浄し、そして次に1:500の比率で前稀釈しておいたポリ
クローナルラビット抗‐ヒト‐レニン血清〔11〕50μ
と共に37℃にて1時間インキュベートする。プレートを
洗浄した後、結合したラビット抗体を、1:1000の比率で
前稀釈しておいたホスファターゼ‐ラベル‐ヤギ抗‐ラ
ビット免疫グロブリンの標品と共にインキュベート(37
℃にて1時間)することにより検出する。p-ニトロフェ
ニルホスフェートの溶液(0.5mmolのMgCl2を含有する10
%ジエタノールアミン緩衝液中1mg/ml,pH9.8)100μ
と共にインキュベート(37℃にて30分間)した後、結合
した酵素がp-ニトロフェノールを放出せしめる。405nm
における光学濃度を測定することにより放出されたp-ニ
トロフェノールの量を決定する。この量は結合した酵素
ホスファターゼの量に比例し、そして従って試験溶液中
のヒト‐レニンの量に比例する。 モノクローナル抗体R2-1もしくはR3-27、又は2種類の
モノクローナル抗体の混合物をミクロタイタープレート
の被覆のために使用する場合、同様にしてヒト‐レニン
を測定することができる。 9.2 アルカリ性ホスファターゼによるモノクローナル
抗体R3-36-16のラベル化 1.4mlのPBS中1.4mgのモノクローナル抗体R3-36-16を、
グルタルアルデヒド(0.2v/v%)を用いてVoller等
〔12〕の標準的方法に従って、5mgのアルカリ性ホスフ
ァターゼ(SIGMA-P6774,タイプVII-T)を含有する溶液
と、2時間にわたりカップリングせしめ、そして1mmol
のMgCl2,1%のBSA及び0.02%のNaN3を含有するtris緩衝
液(0.05M,pH8.0)5mlに導入する。この溶液を暗中4℃
にて保持する。 9.3 2種類の異るモノクローナル抗体を用いるELISA ポリエチレン性ミクロタイタープレート(ダイナテク・
ラズス社)を、緩衝液(pH8.6)(0.02%のナトリウム
アジドを含有する炭酸塩緩衝化0.9%食塩溶液)中モノ
クローナル抗体R3-27(10μg/ml)の溶液150μによ
り37℃にて2時間被覆する。このプレートをPBSにより
5回洗浄し、そしてなお存在する蛋白質反応性部位を25
0μのPIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%NaN3,pH7.4)と
共に37℃にて1時間インキュベートすることにより飽和
する。 レニン不含ヒト血漿中試験溶液(例えば、患者の血漿)
の一連の稀釈物又はレニン標準溶液いずれも50μ、50
μのRIA緩衝液、及びRIA緩衝液により1:100に稀釈し
ておいたホスファターゼ‐ラベル‐抗体R3-36-16(例9.
2)の溶液50μを混合し、そしてミクロタイタープレ
ートのウエル中で37℃にて2時間及び4℃にて30分間イ
ンキュベートする。このプレートをPBSで5回洗浄し、
そしてp-ニトロフェニルホスフェートの溶液150μと
共にインキュベート(37℃にて30分間)した後、結合し
た酵素を例9.1に記載したようにして測定する。試験溶
液中のヒト‐レニンの濃度を、標準溶液を用いて作成し
た換算曲線(第2図)により計算する。 このELISAの感度は、50μの試験溶液中1pg(20pg/m
l)未満のヒト‐レニンの測定を可能にする。レニン1
〜100pg(50μのサンプル)の範囲において直線関係
が存在する。 9.4 ELISA用試験キット 例9.3に記載したELISA用試験キットは次のものを含む。 ○ポリプロピレン製ミクロタイタープレート; ○0.02%のNaN3を含有する炭酸塩緩衝化(0.072g/の
Na2CO3及び4.2g/のNaHCO3)0.9%塩溶液中モノクロ
ーナル抗‐ヒト‐レニン抗体R3-27(10μg/ml)の溶
液6ml; ○燐酸緩衝化生理的塩溶液(PBS)100ml; ○RIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%NaN3)100ml; ○レニン不含ヒト血漿2ml; ○tris緩衝液(0.05M,pH8.0,1mmolのMgCl2,1%のBSA,0.
02%のNaN3)中アルカリ性ホスファターゼ‐ラベル‐モ
ノクローナル抗‐ヒト‐レニン抗体R3-36-16の溶液(抗
体濃度0.3mg/ml)0.2ml; ○ジエタノールアミン緩衝液(10%のジエタノールアミ
ン、0.5mmolのMgCl2,0.02%のNaN3,HClによりpH8.9に調
整)中p-ニトロフェニルホスフィートの溶液(1mg/m
l)10ml; ○レニン不含ヒト血漿中20ng/mlのヒト‐レニンを含有
する標準溶液2ml; ○換算曲線(第2図); ○放出されたp-ニトロフェノールの量を肉眼的に決定す
るための色度スケール。 例10. レニンを精製するためのイムノアフィニティー
クロマトグラフィー 10.1 イムノアフィニティーゲルの調製 アフィ‐ゲル(商標)10(ビオラド)を製造者の指示に
従って冷蒸溜水及びカップリング緩衝液pH8.0(0.1MNaH
CO3溶液)で洗浄する。カップリング緩衝液(1ml)中ゲ
ルの50%濃度の懸濁液をプラスチックチューブに導入
し、そして10mgの蛋白質を含有する精製モノクローナル
抗体溶液の同容量と混合しち、そして混合物を室温にて
4時間回転せしめる。次にゲルをカップリング溶液で洗
浄する。なお遊離している活性部位をブロックするため
に、ゲルを1mlのゲル当り0.1mlの1Mエタノールアミン‐
HCl(pH8.0)により室温にて2時間処理し、次PBS(10m
molのナトリウムアジドを含有する)で洗浄し、そして
その中に4℃にて保持する。カップリングの程度を、28
0nmにおける光学濃度を測定することによって決定す
る。1mlのゲル当り約8mgのモノクローナル抗体である。 10.2 マルモセット又はヒト‐レニンの精製 モノクローナル抗体R2-1を用いて例10.1に従って調製し
たアミノアフィニティーゲル100μを、5mlのファルコ
ンチューブ中で、マルモセット(カリスリクス・ジャカ
ス)からの腎臓抽出物1mlと共に、定期的な振とうを伴
って室温にて30分間インキュベートする。上清を除去
し、そしてゲルをPBSで洗浄し、そして1mlのグリシン塩
酸緩衝液pH3.0により抽出する。抽出物をtris緩衝液pH
8.5により中和する。こうして、粗抽出物中に存在する
レニンの70%(5〜6ng)を純粋な形で得る。 同様にして、ヒト‐レニンを精製することができる。 ヒト又はマルモセット‐レニンを精製するために、同様
にしてモノクローナル抗体R3-21、R1-19、又はR1-20を
含有するイムノアフィニティーゲルを使用することがで
きる。 例11. 非経腸投与のための医薬 例3に従って調製した7.0mgのモノクローナル抗体R3-36
-16を20mlの生理的塩溶液に溶解する。この溶液を細菌
フィルターに通し、そして液を分けて無菌条件下で10
本のアンプルに導入する。これらのアンプルは、非経腸
投与に適当なモノクローナル抗体0.7mgを含有してい
る。このアンプルは、好ましくは低温、例えば−20℃に
おいて貯蔵する。 文 献 〔1〕 G.Khler及びC.Milsteinネイチュアー(Natur
e)256,495(1975)。 〔2〕 D.Simon,F.X.Galen,C.Devaux,F.Soubrier,B.Pa
u,J.Mnard及びP.Corvol,ジャーナル・オブ・クリニカ
ル・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム(J.Cl
in.Endocr.Met.)53,453(1981)。 〔3〕 V.J.Dzau,D.Devine,M.Mudgett-Hunter,R.I.Kop
elman,A.C.Barger及びE.Haber,クリニカル・アンド・エ
クスペリメンタル・ハイパーテンション(Clinical and
Experimental Hypertension)A5,1207(1983)。 〔4〕 F.Soubrier,T.T.Guyenne,M.F.Gonzales,P.Corv
ol及びJ.Mnard,in“ヘテロゲナイティー・オブ・レニ
ン・アンド・レニンスブストレート(Heterogeneity of
Renin and Renin-Substrate)”(M.P.Sambhi編),エ
ルセビールノースホランド社1981,237頁。 〔5〕 D.R.Bangkan,I.Robertson,J.I.S.Robertson,C.
J.Robinson及びM.Iree,クリニカル・サイエンス・アン
ド・モノキュラー・メディシン(Clin.Sci.Mol.Med.)4
8,135(1975)。 〔6〕 B.Pau,D.Simon,F.X.Galen,C.Devaux,F.Soubrie
r,J.Mnard及びP.Corvol,クルニカル・サイエンス(Cl
in・Sci.)61,239(1981)。 〔7〕 M.Shulman,C.D.Wilde及びG.Khler,ネイチュ
アー(Nature)276,269(1978)。 〔8〕 E.Engvall及びP.Perlmann,ジャーナル・オブ・
イムノロジー(J.Immunol.)109,129(1972)。
り、ベックマン8906シーケンサーでのアミノ酸配列分析
にかける。 モノクローナル抗体R3-36-16のライト鎖のN-端アミノ酸
配列(28〜38位の第1超可変領域を含む)は次の通りで
ある。 カッコ内のアミノ酸は明確には知られていない。X及び
Yは特定されていないアミノ酸である。 例7. モノクローナル抗体の交差阻害の決定 ミクロタイタープレートを、例4.1と同様にして、ウエ
ル当り150ngのモノクローナル抗体が結合するように、
グループ1〜3のモノクローナル抗体(第1表)により
被覆する。グループ1〜3からの同じモノクローナル抗
体又は異るモノクローナル抗体の3μg(20倍過剰)を
10μの溶液中5ngの125I-ラベル‐レニン(例8.1)と
4℃にて15時間又は37℃にて4時間前インキュベート
し、そして次に被覆されたミクロタイタープレートのウ
エル中で37℃にて2時間及び4℃にて15時間インキュベ
ートする。次にプレートを洗浄し、そして放射能を測定
することにより結合したレニンを決定する。 この交差阻害実験の結果を第2表に示す。表面結合モノ
クローナル抗体へのレニンの結合が、溶液中同じモノク
ローナル抗体との前インキュベーションにより完全に
(95%以上)阻害される(第2表対角線)。モノクロー
ナル担体R3-36-16及びR3-47は相互に完全に阻害し、従
ってレニン分子上の同一のエピトープを認識する。R3-2
7と交差反応するモノクローナル抗体R3-21は同様にモノ
クローナル抗体R3-17-7により交差反応されるが、R3-27
とR3-17-7とは相互になんらの効果も有しない。従って
これら3種類のモノクローナル抗体はレニン分子上の部
分的にオーバーラップする続く複数のエピトープを認識
する。他のすべての抗体の対は相互効果を示さない。従
ってこれらのモノクローナル抗体はレニン分子上の空間
的に離れたエピトープと結合する。 例8. 血漿中のヒト‐レニンの測定のためのラジオイム
ノアッセイ(RIA) 8.1 125Iによるヒト‐レニンのラベル化 例1からの10μgのヒト‐レニンを、Greenwood及びHun
ter〔10〕の標準法に従って、125I-ヨウ化ナトリウム
(0.3mC)及びクロラミンTを用いてヨウ素化する。反
応生成物をイオン交換カラムビオラドAG(商標)1×8
上で精製し、そしてPBSにより活性1.6×106cpm/mlに調
整する。 8.2 シングルRIAによるヒト‐レニンの測定 ポリビニルクロリドミクロタイタープレート(ダイナテ
ク・ラプス社)を、10μg/mlずつのモノクローナル抗
体R2-1及びモノクローナル抗体R3-27を含有するPBS中溶
液100μと共に37℃にて2時間及び4℃にて15時間イ
ンキュベートすることにより被覆する。このプレートを
PBSで洗浄し、そしてなお存在する蛋白質反応性部位
を、225μのRIA緩衝液(PBS中の1%BSA,0.2%NaN3,p
H7.4)と共に37℃にて2時間インキュベートすることに
より飽和する。 レニン不含ヒト血漿10%を含有するRIA緩衝液中試験溶
液の1連の稀釈物及びレニン標準溶液それぞれの場合に
50μずつをミクロタイタープレートのウエル中に導入
し、例8.1からの125I-ラベル‐レニンの溶液50μ(2.
5ngに相当する80,000cpm)加え、そして37℃にて2時間
及び4℃にて15時間インキュベーションを行う。プレー
トをPBSで洗浄し、そして放射能を測定する。試験溶液
中のヒト‐レニンの濃度を、標準溶液を用いて作成した
換算曲線により決定する。 同様にして、ミクロタイタープレートを1種類のモノク
ローナル抗体により、又は異るエピトープ(第2表)を
認識2種類のモノクローナル抗体により被覆し、そして
シングルRIAのために使用する。 8.3 125Iによるモノクローナル抗体R3-36-16のラベル
化 例8.1と同様にして、30μgのモノクローナル抗体R3-36
-16を125I(1mC)によりヨウ素化し、そして精製する。 モノクローナル抗体R3-27の同様にしてレベルする。 8.4 サンドイッチRIAによるヒト‐レニンの測定 例8.2と同様にして、ミクロタイタープレートをモノク
ローナル抗体R3-27の溶液(10μg/ml)150μにより
被覆し、そして蛋白質反応性部位を飽和する。レニン不
含ヒト血漿中試験溶液(例えば、患者からの血漿)の1
連の稀釈物又はレニン標準溶液50μ、50μのRIA緩
衝液、及び例8.3からの125I-ラベル‐抗体R3-36-16の溶
液50μ(6ngに相当する120,000cpm)を、ミクロタイ
タープレートのウエル中で37℃にて2時間及び4℃にて
15分間インキュベートする。プレートをPBSで洗浄し、
そして放射能を測定する。試験溶液中のヒト‐レニンの
濃度を、標準溶液を用いて作成した換算曲線(第1図)
により決定する。 この試験の感度は、50μの試験溶液中1pgのヒト‐レ
ニン(20pg/ml)の測定を可能にする。レニン1〜100p
g(50μのサンプル中)の全範囲にわたって直線関連
が存在する。 同様にして、モノクローナル抗体R2-1又はR2-1とR3-27
との混合物がミクロタイタープレートの被覆に使用され
る場合、あるいは抗体が相互に交換される場合、すなわ
ちモノクローナル抗体R3-36-16が被覆のために使用さ
れ、そして例えば125I-ラベル‐モノクローナル抗体R3-
27が検出のために使用される場合にも、ヒト‐トレンを
測定することができる。 8.5 シングルRIAのための試験キット 例8.2に記載したシングルRIAのための試験キットは次の
ものを含む。 ○ポリビニルクロリドのミクロタイタープレート; ○モノクローナル抗‐ヒト‐レニン抗体R2-1及びR3-27
の溶液(それぞれ10μg/ml)2ml; ○燐酸緩衝化生理的塩溶液(PBS)100ml; ○RIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%ナトリウムアジド)1
00ml; ○レニン不含ヒト血漿2ml; ○活性1.6×106cpm/mlの125I-ラベル‐ヒト‐レニンの
溶液2ml; ○レニン不含ヒト血漿中20ng/mlのヒト‐レニンを含有
する標準溶液2ml ○換算曲線。 8.6 サンドイッチRIA用試験キット 例8.4に記載したサンドイッチRIA用試験キットは次のも
のを含む。 ○ポリビニルクロリドのミクロタイタープレート; ○モノクローナル抗‐ヒト‐レニン抗体R3-27の溶液(1
0μg/ml)6ml; ○燐酸緩衝化生理的塩溶液(PBS)100ml; ○RIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%ナトリウムアジド)1
00ml; ○レニン不含ヒト血漿2ml; ○活性2.4×106cpm/mlの125I-ラベル‐モノクローナル
抗‐ヒト‐レニン抗体R3-36-16(例8.3)の溶液2ml; ○レニン不含ヒト血漿中20ng/mlのヒト‐レニンを含有
する標準溶液2ml; ○換算曲線(第1図)。 例9. 血漿中ヒト‐レニンを測定するためのエンザイム
イムノアッセイ(ELISA) 9.1 ポリクローナル抗‐ヒト‐レニン血清を用いるELI
SA 例8.2と同様にして、ミクロタイタープレートを、10μ
g/mlのモノクローナル抗体R3-36-16を含有する溶液10
0μにより被覆し、そして蛋白質反応性部位を飽和す
る。このプレートを、10%のレニン不含ヒト血漿を含有
するRIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%NaN3,pH7.4)中試
験溶液の一連の稀釈物又はレニン標準溶液のいずれも50
μと共に37℃にて2時間インキュベートし、そして洗
浄し、そして次に1:500の比率で前稀釈しておいたポリ
クローナルラビット抗‐ヒト‐レニン血清〔11〕50μ
と共に37℃にて1時間インキュベートする。プレートを
洗浄した後、結合したラビット抗体を、1:1000の比率で
前稀釈しておいたホスファターゼ‐ラベル‐ヤギ抗‐ラ
ビット免疫グロブリンの標品と共にインキュベート(37
℃にて1時間)することにより検出する。p-ニトロフェ
ニルホスフェートの溶液(0.5mmolのMgCl2を含有する10
%ジエタノールアミン緩衝液中1mg/ml,pH9.8)100μ
と共にインキュベート(37℃にて30分間)した後、結合
した酵素がp-ニトロフェノールを放出せしめる。405nm
における光学濃度を測定することにより放出されたp-ニ
トロフェノールの量を決定する。この量は結合した酵素
ホスファターゼの量に比例し、そして従って試験溶液中
のヒト‐レニンの量に比例する。 モノクローナル抗体R2-1もしくはR3-27、又は2種類の
モノクローナル抗体の混合物をミクロタイタープレート
の被覆のために使用する場合、同様にしてヒト‐レニン
を測定することができる。 9.2 アルカリ性ホスファターゼによるモノクローナル
抗体R3-36-16のラベル化 1.4mlのPBS中1.4mgのモノクローナル抗体R3-36-16を、
グルタルアルデヒド(0.2v/v%)を用いてVoller等
〔12〕の標準的方法に従って、5mgのアルカリ性ホスフ
ァターゼ(SIGMA-P6774,タイプVII-T)を含有する溶液
と、2時間にわたりカップリングせしめ、そして1mmol
のMgCl2,1%のBSA及び0.02%のNaN3を含有するtris緩衝
液(0.05M,pH8.0)5mlに導入する。この溶液を暗中4℃
にて保持する。 9.3 2種類の異るモノクローナル抗体を用いるELISA ポリエチレン性ミクロタイタープレート(ダイナテク・
ラズス社)を、緩衝液(pH8.6)(0.02%のナトリウム
アジドを含有する炭酸塩緩衝化0.9%食塩溶液)中モノ
クローナル抗体R3-27(10μg/ml)の溶液150μによ
り37℃にて2時間被覆する。このプレートをPBSにより
5回洗浄し、そしてなお存在する蛋白質反応性部位を25
0μのPIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%NaN3,pH7.4)と
共に37℃にて1時間インキュベートすることにより飽和
する。 レニン不含ヒト血漿中試験溶液(例えば、患者の血漿)
の一連の稀釈物又はレニン標準溶液いずれも50μ、50
μのRIA緩衝液、及びRIA緩衝液により1:100に稀釈し
ておいたホスファターゼ‐ラベル‐抗体R3-36-16(例9.
2)の溶液50μを混合し、そしてミクロタイタープレ
ートのウエル中で37℃にて2時間及び4℃にて30分間イ
ンキュベートする。このプレートをPBSで5回洗浄し、
そしてp-ニトロフェニルホスフェートの溶液150μと
共にインキュベート(37℃にて30分間)した後、結合し
た酵素を例9.1に記載したようにして測定する。試験溶
液中のヒト‐レニンの濃度を、標準溶液を用いて作成し
た換算曲線(第2図)により計算する。 このELISAの感度は、50μの試験溶液中1pg(20pg/m
l)未満のヒト‐レニンの測定を可能にする。レニン1
〜100pg(50μのサンプル)の範囲において直線関係
が存在する。 9.4 ELISA用試験キット 例9.3に記載したELISA用試験キットは次のものを含む。 ○ポリプロピレン製ミクロタイタープレート; ○0.02%のNaN3を含有する炭酸塩緩衝化(0.072g/の
Na2CO3及び4.2g/のNaHCO3)0.9%塩溶液中モノクロ
ーナル抗‐ヒト‐レニン抗体R3-27(10μg/ml)の溶
液6ml; ○燐酸緩衝化生理的塩溶液(PBS)100ml; ○RIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%NaN3)100ml; ○レニン不含ヒト血漿2ml; ○tris緩衝液(0.05M,pH8.0,1mmolのMgCl2,1%のBSA,0.
02%のNaN3)中アルカリ性ホスファターゼ‐ラベル‐モ
ノクローナル抗‐ヒト‐レニン抗体R3-36-16の溶液(抗
体濃度0.3mg/ml)0.2ml; ○ジエタノールアミン緩衝液(10%のジエタノールアミ
ン、0.5mmolのMgCl2,0.02%のNaN3,HClによりpH8.9に調
整)中p-ニトロフェニルホスフィートの溶液(1mg/m
l)10ml; ○レニン不含ヒト血漿中20ng/mlのヒト‐レニンを含有
する標準溶液2ml; ○換算曲線(第2図); ○放出されたp-ニトロフェノールの量を肉眼的に決定す
るための色度スケール。 例10. レニンを精製するためのイムノアフィニティー
クロマトグラフィー 10.1 イムノアフィニティーゲルの調製 アフィ‐ゲル(商標)10(ビオラド)を製造者の指示に
従って冷蒸溜水及びカップリング緩衝液pH8.0(0.1MNaH
CO3溶液)で洗浄する。カップリング緩衝液(1ml)中ゲ
ルの50%濃度の懸濁液をプラスチックチューブに導入
し、そして10mgの蛋白質を含有する精製モノクローナル
抗体溶液の同容量と混合しち、そして混合物を室温にて
4時間回転せしめる。次にゲルをカップリング溶液で洗
浄する。なお遊離している活性部位をブロックするため
に、ゲルを1mlのゲル当り0.1mlの1Mエタノールアミン‐
HCl(pH8.0)により室温にて2時間処理し、次PBS(10m
molのナトリウムアジドを含有する)で洗浄し、そして
その中に4℃にて保持する。カップリングの程度を、28
0nmにおける光学濃度を測定することによって決定す
る。1mlのゲル当り約8mgのモノクローナル抗体である。 10.2 マルモセット又はヒト‐レニンの精製 モノクローナル抗体R2-1を用いて例10.1に従って調製し
たアミノアフィニティーゲル100μを、5mlのファルコ
ンチューブ中で、マルモセット(カリスリクス・ジャカ
ス)からの腎臓抽出物1mlと共に、定期的な振とうを伴
って室温にて30分間インキュベートする。上清を除去
し、そしてゲルをPBSで洗浄し、そして1mlのグリシン塩
酸緩衝液pH3.0により抽出する。抽出物をtris緩衝液pH
8.5により中和する。こうして、粗抽出物中に存在する
レニンの70%(5〜6ng)を純粋な形で得る。 同様にして、ヒト‐レニンを精製することができる。 ヒト又はマルモセット‐レニンを精製するために、同様
にしてモノクローナル抗体R3-21、R1-19、又はR1-20を
含有するイムノアフィニティーゲルを使用することがで
きる。 例11. 非経腸投与のための医薬 例3に従って調製した7.0mgのモノクローナル抗体R3-36
-16を20mlの生理的塩溶液に溶解する。この溶液を細菌
フィルターに通し、そして液を分けて無菌条件下で10
本のアンプルに導入する。これらのアンプルは、非経腸
投与に適当なモノクローナル抗体0.7mgを含有してい
る。このアンプルは、好ましくは低温、例えば−20℃に
おいて貯蔵する。 文 献 〔1〕 G.Khler及びC.Milsteinネイチュアー(Natur
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オケミカル・ジャーナル(Biochem.J.)89,114(196
3)。 〔11〕 F.X.Galen,T.T.Guyenne,C.Devaux,C.Auzan,P.C
orvol及びJ.Mnard,ジャーナル・オブ・クリニカル・
エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム(J.Clin.E
ndocr.Met.)48,1041(1979)。 〔12〕 A.Voller,D.E.Bidwell及びA.Bartlett,ブレチ
ン・オブ・ザ・ワールド・レルス・オーガナイゼーショ
ン(Bull.World Health Organ.)53,55(1976)。
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ン・オブ・ザ・ワールド・レルス・オーガナイゼーショ
ン(Bull.World Health Organ.)53,55(1976)。
【図面の簡単な説明】 第1図はサンドイッチ‐RIAによるヒト‐レニンの測定
のための標準曲線を示し; 第2図はサンドイッチ‐ELISAによるヒト‐レニンの測
定のための標準曲線を示す。
のための標準曲線を示し; 第2図はサンドイッチ‐ELISAによるヒト‐レニンの測
定のための標準曲線を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/06 G01N 33/573 A 9015−2J 33/577 B 9015−2J (72)発明者 セフイク アルカン スイス国,4125 リーエン,ビンセナツカ ーシユトラーセ 3 (72)発明者 ジヤネツト ウツド スイス国,4105 バイエル‐ベンケン,ミ ユーレベーク 35
Claims (17)
- 【請求項1】5×10-11Mの濃度においてヒト‐レニンの
酵素活性を50%以上阻害することを特徴とする、ヒト‐
レニンに対するモノクローナル抗体、及びその断片、放
射能標識されたモノクローナル抗体又は酵素との抗体結
合体であるその誘導体。 - 【請求項2】3×10-10Mの濃度において制限された量で
添加されたヒト‐レニンの50%以上と結合することを特
徴とする特許請求の範囲第1項記載のモノクローナル抗
体及びその誘導体。 - 【請求項3】特許請求の範囲第1項記載のモノクローナ
ル抗体R3-36-16。 - 【請求項4】特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の
125I-ラベル‐モノクローナル抗体誘導体。 - 【請求項5】特許請求の範囲第4項記載のモノクローナ
ル抗体R3-36-16の125I-ラベル‐誘導体。 - 【請求項6】アルカリ性ホスファターゼと結合している
特許請求の範囲第1項又は第2項に記載のモノクローナ
ル抗体誘導体。 - 【請求項7】特許請求の範囲第6項記載のアルカリ性ホ
スファターゼと結合したモノクローナル抗体R3-36-16の
誘導体。 - 【請求項8】5×10-11Mの濃度においてヒト‐レニンの
酵素活性を50%以上阻害する、ヒト‐レニンに対するモ
ノクローナル抗体、及びその断片、放射能標識されたモ
ノクローナル抗体又は酵素との抗体結合体であるその誘
導体の製造方法であって、ヒト‐レニンで免疫されたヒ
トを除く哺乳動物の脾細胞と骨髄腫細胞とを融合させて
得た、該モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ
細胞を a)イン‐ビトロで培養し、そして培養上清液からモノ
クローナル抗体を単離し、又は、 b)適当なヒト以外の哺乳動物中でイン‐ビボ増幅し、
そして哺乳動物の体液からモノクローナル抗体を単離
し、そして所望により、 c)得られたモノクローナル抗体をその誘導体に転換す
ることを特徴とする方法。 - 【請求項9】Balb/cマウスに由来しそして目的とする
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞を、
場合によっては炭化水素によって前処理しておいたBalb
/cマウスに腹腔内注射し、そして8〜10日後に該マウ
スから腹水を採取し、そして該復水から硫酸アンモニウ
ムを用いる沈澱によりモノクローナル抗体を分離しそし
てクロマトグラフィーにより精製することを特徴とする
特許請求の範囲第8項記載の方法。 - 【請求項10】ヒト‐レニンの定性的又は定量的測定方
法であって、5×10-11Mの濃度においてヒト‐レニンの
酵素活性を50%以上阻害する、ヒト‐レニンに対するモ
ノクローナル抗体及び/又はその断片、放射能標識され
たモノクローナル抗体もしくは酵素との抗体結合体であ
るその誘導体をイムノアッセイにおいて使用することを
特徴とする方法。 - 【請求項11】前記イムノアッセイがラジオイムノアッ
セイである特許請求の範囲第10項に記載の方法。 - 【請求項12】前記イムノアッセイが酵素イムノアッセ
イである特許請求の範囲第10項に記載の方法。 - 【請求項13】5×10-11Mの濃度においてヒト‐レニン
の酵素活性を50%以上阻害する、ヒト‐レニンに対する
モノクローナル抗体及び/又はその断片、放射能標識さ
れたモノクローナル抗体もしくは酵素との抗体結合体で
あるその誘導体を含んで成る、ヒト‐レニンを測定する
ための試験キット。 - 【請求項14】ラジオイムノアッセイのための特許請求
の範囲第13項記載の試験キット。 - 【請求項15】エンザイムイムノアッセイのための特許
請求の範囲第13項記載の試験キット。 - 【請求項16】ヒト‐レニンの精製方法であって、5×
10-11Mの濃度においてヒト‐レニンの酵素活性を50%以
上阻害する、ヒト‐レニンに対するモノクローナル抗
体、又はその断片、放射能標識されたモノクローナル抗
体もしくは酵素との抗体結合体であるその誘導体を使用
することを特徴とする方法。 - 【請求項17】5×10-11Mの濃度においてヒト‐レニン
の酵素活性を50%以上阻害する、ヒト‐レニンに対する
モノクローナル抗体、又はその断片、放射能標識された
モノクローナル抗体もしくは酵素との抗体結合体である
その誘導体を、場合によっては医薬助剤と共に含んで成
る高血圧及び心不全の治療のための医薬。
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